JP5516052B2 - 有機発光素子 - Google Patents

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Description

本発明は、一対の電極に挟まれた有機発光層を有する有機発光素子に関する。
現在、薄型の発光材料として有機発光素子が注目されている。有機発光素子は、低電力で高い輝度を得ることができ、視認性、応答速度、寿命、消費電力の点で優れている。一方、有機発光素子の光の利用効率は20%程度であり、素子内での損失が大きい。
図7は、従来の有機発光素子の概略断面図である。有機発光素子100は、図中の下層から順に、金属電極101、屈折率が約1.8の有機発光層102、屈折率が約1.8の透明電極103、屈折率が約1.5の透明基板104が積層されて構成される。図中の110a〜110eの矢印は有機発光層102から発生した光のうち特徴的なものを示している。
光110aは、発光面である有機発光層102に対して垂直方向の光であり、透明基板104を透過して光取り出し側(空気側)に取り出される。光110bは、透明基板104と空気との界面に臨界角以下の浅い角度で入射した光であり、透明基板104と空気との界面で屈折して光取り出し側に取り出される。光110cは、透明基板104と空気との界面に臨界角より深い角度で入射した光であり、透明基板104と空気との界面で全反射して光取り出し側に取り出せない光である。これによる損失を基板損失と呼び、通常20%程度の損失がある。
光110dは、透明電極103と透明基板104との界面に臨界角より深い角度で入射した光のうち共振条件を満たした光であり、透明電極103と透明基板104との界面で全反射して導波モードが発生し、有機発光層102及び透明電極103内に閉じ込められる光である。これによる損失を導波損失と呼び、通常20〜25%程度の損失がある。光110eは、金属電極101へ入射して金属電極101内の自由電子と作用し、導波モードの一種であるプラズモンモードが発生して金属電極101の表面近傍に閉じ込められる光である。これによる損失をプラズモン損失と呼び、通常30〜40%程度の損失がある。
このように、従来の有機発光素子100においては、基板損失、導波損失及びプラズモン損失があるので、それらの損失を少なくし、より多くの光を取り出すことが課題となっている。
例えば、特許文献1には、発光層が発光性有機材料と、該発光性有機材料よりも屈折率の低い材料との混合層である有機EL(Electro Luminescence)素子が開示されている。また、特許文献2には、透明電極と発光層との間に金属微粒子を分散させた光散乱層を備えたエレクトロルミネッセンス素子が開示されている。
特開2008−21872号公報 特開2007−165284号公報
特許文献1では、発光層の屈折率を下げているので、発光層から透明電極へは効率良く光が入射するが、透明電極の屈折率は高いままなので透明電極から基板へ入射する光の効率は改善されていない。したがって、透明電極に導波モードの光が閉じ込められ、光の利用効率が高いとは言い難い。また、プラズモン損失を減らすことについては記載されていない。
また特許文献2では、光散乱層は透明電極と発光層との間に設けられているので、透明電極から基板へ入射する光の効率は改善されていない。したがって、透明電極に導波モードの光が閉じ込められ、光の利用効率が高いとは言い難い。また、光散乱層によってプラズモンモードの光を発生させることが記載されているが、金属電極の表面で発生するプラズモンモードの光によって生じるプラズモン損失を減らすことについては記載されていない。
そこで本発明は、導波損失及びプラズモン損失を減らすことで、光の利用効率を向上させた有機発光素子を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために本発明は、第1の電極と、第1の電極の反対電極である第2の電極と、第1及び第2の電極に挟まれた有機発光層と、を備えた有機発光素子において、第1又は第2の電極の少なくとも一方が透明電極であり、該透明電極及び前記有機発光層に、該透明電極及び前記有機発光層よりも低屈折率の微粒子を分散させたことを特徴とする。
上記の有機発光素子において、前記微粒子が散乱体であることが望ましい。
また上記の有機発光素子において、前記微粒子が略透明であることが望ましい。
また上記の有機発光素子において、前記微粒子が誘電体であることが望ましい。
また上記の有機発光素子において、前記微粒子の直径が1〜1000nmであることが望ましく、1〜400nmであることがさらに望ましい。
また上記の有機発光素子において、前記微粒子が、MgF2、CeF3、LiF、NaF、CsF、Al23、SiO2の何れかであることが望ましい。
本発明によれば、透明電極及び有機発光層に、透明電極及び有機発光層よりも低屈折率の微粒子を分散させることにより、素子内に閉じ込められる導波モードの光及びプラズモンモードの光が減り、導波損失及びプラズモン損失ともに減らすことができ、その結果、光の利用効率が向上する。
また本発明によると、微粒子が散乱体であれば、散乱効果によっても光を取り出せるので、光の利用効率をより向上させることができる。
図7に示した一般的な有機発光素子における導波モードの積層方向の光強度分布を示す図である。 図7に示した一般的な有機発光素子におけるプラズモンモードの積層方向の光強度分布を示す図である。 本発明の第1実施形態の有機発光素子の概略断面図である。 本発明の第2実施形態の有機発光素子の概略断面図である。 本発明の第3実施形態の有機発光素子の概略断面図である。 本発明の第4実施形態の有機発光素子の概略断面図である。 従来の有機発光素子の概略断面図である。
本明細書において、透明、略透明とは、少なくとも有機発光素子内で発生する光をほぼ透過するという意味で使用する。
有機発光素子において導波損失及びプラズモン損失を減らすことを考えるには、まずそれらの光の性質を把握する必要がある。
〈導波モードの光の性質〉
図1は、図7に示した一般的な有機発光素子における導波モードの積層方向の光強度分布を示す図である。導波モードの光は透明電極103と透明基板104の間で全反射した光と、有機発光層102と金属電極101の間で反射した光とが、互いに干渉して積層方向に図1のような光強度で分布する。この光強度分布は、有機発光層中の発光点が積層方向のどの位置にあるかに関わらず、有機発光層及び透明電極の厚みと屈折率とによって決まる。
〈プラズモンモードの光の性質〉
図2は、図7に示した一般的な有機発光素子におけるプラズモンモードの積層方向の光強度分布を示す図である。プラズモンモードは金属表面で発生するので、その光強度分布は、金属電極の表面で最も高くなる。この光強度分布は、有機発光層中の発光点が積層方向のどの位置にあるかに関わらず、金属の導電性と有機発光層及び透明電極の屈折率とによって概ね決まる。
次に、上記の性質を踏まえて、導波損失及びプラズモン損失を減らすための手段について考える。
〈導波損失及びプラズモン損失を減らすための手段〉
導波モードは光が高屈折率材料から低屈折率材料に入ろうとするときに生じる現象なので、光はより屈折率の高い層に閉じ込められ、結果として光強度分布のピークは屈折率の高い層に現れる傾向がある。一般に、透明基板の屈折率よりも有機発光層及び透明電極の屈折率が高いので、図1に示すように、有機発光層及び透明電極に導波モードの光が閉じ込められる。このことから、有機発光層及び透明電極の屈折率を透明基板の屈折率と同等にまで下げることができれば、有機発光層及び透明電極での光の閉じ込めが弱くなり、透明基板に多くの光を導くことができ、光の利用効率向上に繋がる。
しかしながら、有機発光層及び透明電極に使用される材料は一般に屈折率の高い材料しか存在しない。そこで本発明では、上記の有機発光層及び透明電極に有機発光層及び透明電極よりも低屈折率の微粒子を分散させることで、等価的に有機発光層及び透明電極の屈折率を下げる。
また、導波モードの光とプラズモンモードの光は、共に散乱させることで素子内に閉じ込められにくくなる。散乱効果は散乱体を分散させることで得られる。その際、散乱体がどこに存在していてもよいわけではなく、上記の性質から、散乱体は光強度分布の高い部分に存在することで散乱を効果的に行うことができる。したがって、図1、2から導波モード及びプラズモンモードの光は、主に、有機発光層及び透明電極に分布しているので、有機発光層及び透明電極に散乱体が存在することが望ましいといえる。そこで、上記の有機発光層及び透明電極に分散させる微粒子として散乱体を用いれば、屈折率を下げる効果と散乱効果とが同時に得られ、より多くの光を取り出すことができる。
このように、透明電極及び有機発光層に、透明電極及び有機発光層よりも低屈折率の微粒子(散乱効果を有するものも含む)を分散させることで、導波モード及びプラズモンモードの光を透明基板まで取り出すことができる。透明基板から空気中に効率良く光を取り出すには、透明基板上に既知のレンズシートやプリズムシートなどを設けることで対処できる。
なお、金属電極の代わりに、非金属の透明電極と、その外側に非金属のミラー(例えば誘電体多層膜ミラー)とを用いれば、プラズモンモードは発生せず、プラズモン損失は完全に抑制できる。この場合、この透明電極にも導波モードの光が閉じ込められるので、この透明電極にも上記の微粒子を分散させることが望ましい。
以下に、上記の構成を採用した本発明の有機発光素子について詳しく説明する。
〈有機発光素子の構成〉
(第1実施形態)
図3は、本発明の第1実施形態の有機発光素子の概略断面図である。有機発光素子10は、図中の下層から順に、金属電極11、有機発光層12、透明電極13、透明基板14が積層されて構成される。この有機発光素子10は、透明基板14の透明電極13とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるボトムエミッション方式である。
金属電極11は、陽極又は陰極としての役割と光を透明基板14側に反射させるミラーとしての役割があり、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、チタン、ナトリウム、カルシウム等の反射率が60%以上の金属材料又はそれらの何れかを含む合金などを用いることができる。
有機発光層12は、発光層を含む有機化合物または錯体の単層または複数層であり、例えば、陽極と接する正孔輸送層、発光材料で形成された発光層、陰極と接する電子輸送層等からなり、数nmから数百nmの厚みである。また、フッ化リチウム層や無機金属塩の層或いはそれらを含有する層等が、任意の位置に形成されていてもよい。発光層は少なくとも一種の発光材からなるもので、蛍光発光性化合物又は燐光発光性化合物等を用いることができる。
有機発光層12の構成としては、上述の構成も含めて例えば、以下の(i)〜(v)の構成などを採用できる。
(i)(陽極)/発光層/電子輸送層/(陰極)
(ii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(陰極)
(iii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/(陰極)
(iv)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(v)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
正孔輸送層は正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は単層または複数層設けることができる。
電子輸送層は電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は単層または複数層設けることができる。
正孔阻止層とは広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで電子と正孔の再結合確率を向上させることができる。
正孔注入層及び電子注入層とは、駆動電圧低下や発光輝度向上のために電極と発光層間に設けられる層のことである。
透明電極13は、金属電極11の反対電極であり、例えば、CuI、インジウムチンオキシド(ITO)、SnO2、ZnO、インジウムジンクオキシド(IZO)等の透過率が40%以上の導電性透明材料を用いることができる。
有機発光層12及び透明電極13には、有機発光層12及び透明電極13よりも低屈折率の微粒子15が分散されている。微粒子15の材料としては、金属材料、誘電材料などを用いることができ、例えば、MgF2(屈折率1.38〜1.40)、CeF3(屈折率1.63)、LiF(屈折率1.3)、NaF(屈折率1.34)、CsF(屈折率1.48)、Al23(屈折率1.60〜1.70)、SiO2(屈折率1.46〜1.50)等を用いることができる。必ずしも有機発光層12と透明電極13とに同じ材料の微粒子を用いる必要はない。誘電材料を用いた場合、微粒子15の表面でプラズモンモードの光が発生しないので、プラズモン損失を増加させることがない。
微粒子15が入っていない場合の有機発光層12及び透明電極13の屈折率は1.8前後であるが、微粒子15を適量分散させることで有機発光層12及び透明電極13の屈折率は等価的に下がって1.5前後となる。
また微粒子15が略透明であれば、微粒子15で光はほとんど吸収されないので、光の利用効率が下がらず、好ましい。また微粒子15として散乱体を用いれば、導波モードの光及びプラズモンモードの光の散乱効果も得られ、より多くの光を取り出すことができる。
微粒子15は例えば球形であり、層厚や散乱効果を考慮すると、その直径は1〜1000nmであることが好ましい。さらに、光の波長と同等以下の直径とすることで、大きな散乱効果が得られる。例えば、光の波長が600nmで微粒子15を分散させた状態の有機発光層12又は透明電極13の屈折率が1.5であれば、大きな散乱効果が生じるのは600/1.5=400(nm)以下である。したがって、微粒子15の直径は1〜400nmであることがさらに好ましい。
透明基板14は、有機発光素子10全体を保持するとともに、光を透過するものであり、例えば、0.1〜1mmの厚みのガラスや樹脂等の透明材料を用いることができる。屈折率は1.5前後である。透明基板26を樹脂フィルムなどフレキシブルなフィルム状の基材で形成すれば、面光源を湾曲させることができ、種々の方向に向かって発光させることができる。
そして、透明基板14上に、透明電極13と有機発光層12と金属電極11とを積層し、一方の端部で透明電極13を露出させ、他方の端部で金属電極11を露出させて電極部を形成し、この電極部を電源部(不図示)の各々の電源配線(不図示)に接続し、有機発光層12に所定の直流電圧を印加して発光させる。
なお、有機発光素子10を構成する有機化合物は、水分や大気中の酸素により劣化するため、透湿防止層(ガスバリア層)で封止して外部雰囲気から遮断して使用される。この透湿防止層は、例えば、高周波スパッタリング法などにより形成することができる。また、透明基板14には、必要に応じてハードコート層、アンダーコート層などを設けてもよい。
(第2実施形態)
図4は、本発明の第2実施形態の有機発光素子の概略断面図である。第1実施形態と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。有機発光素子20は、図中の下層から順に、ミラー層21、第1の透明電極22、有機発光層12、第2の透明電極23、透明基板14が積層されて構成される。この有機発光素子20は、透明基板14の第2の透明電極23とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるボトムエミッション方式である。
ミラー層21は、非金属であればよく、例えば、誘電体多層膜を用いることができる。誘電体多層膜は、光を透明基板14側に反射させるミラーであり、反射率が60%以上であることが好ましく、例えば、2種以上の屈折率の異なる透明な樹脂(例えば、SiO2とTa25)を交互に積層した膜などを用いることができる。
第1及び第2の透明電極22、23は、第1実施形態の透明電極12と同様の構成を採用できる。したがって、電極中に微粒子15も分散されている。この有機発光素子20では金属電極を用いていないので、金属電極に起因するプラズモンモードの光は発生しない。
(第3実施形態)
図5は、本発明の第3実施形態の有機発光素子の概略断面図である。第1実施形態と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。有機発光素子30は、図中の下層から順に、透明電極13、有機発光層12、金属電極11、基板31が積層されて構成される。この有機発光素子30は、透明電極13の有機発光層12とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるトップエミッション方式である。
第3実施形態が第1実施形態と異なる点は、透明電極13、有機発光層12、金属電極11の積層順が逆である点と、基板31が透明である必要がない点である。
基板31は、有機発光素子30全体を保持するものであり、例えば、0.1〜1mmの厚みのガラスや樹脂等を用いることができる。基板31を樹脂フィルムなどフレキシブルなフィルム状の基材で形成すれば、面光源を湾曲させることができ、種々の方向に向かって発光させることができる。
(第4実施形態)
図6は、本発明の第4実施形態の有機発光素子の概略断面図である。第1〜第3実施形態と同様の構成については同符号を付し、その詳細な説明を省略する。有機発光素子40は、図中の下層から順に、第2の透明電極23、有機発光層12、第1の透明電極22、ミラー層21、基板31が積層されて構成される。この有機発光素子40は、第2の透明電極23の有機発光層12とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるトップエミッション方式である。
この有機発光素子40は第2実施形態の有機発光素子20と同様に金属電極を用いていないので、金属電極に起因するプラズモンモードの光は発生しない。
〈有機発光素子の作製方法〉
ここでは第1実施形態の有機発光素子10を例に素子の作製方法を説明する。第2〜第4実施形態の有機発光素子の作製方法は第1実施形態の有機発光素子10の作製方法に準ずるので説明を省略する。
まず、透明基板14上に陽極用物質からなる透明電極13の薄膜を1μm以下、好ましくは10nm〜200nmの膜厚になるように、蒸着、スパッタリング、スピンコート等の方法により形成させる。微粒子15は、蒸着の場合は共蒸着により、スパッタリングの場合は同時又は交互にスパッタすることにより、スピンコートの場合は混入させておくことにより、透明電極13に分散させる。
そして、この上に有機発光層12である正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層などを形成させる。
これら各層の形成方法としては、蒸着法、スパッタリング、ウェットプロセス(スピンコート法、キャスト法、インクジェット法、印刷法)等があり、均質な膜が得られやすく、且つピンホールが生成しにくい等の点からは、スピンコート法、インクジェット法、印刷法等の塗布法による成膜が好ましい。微粒子15は、蒸着の場合は共蒸着により、スパッタリングの場合は同時又は交互にスパッタすることにより、ウェットプロセスの場合は混入させておくことにより、有機発光層12に分散させる。
有機発光層12を溶解または分散する液媒体としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、酢酸エチル等の脂肪酸エステル類、ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素類、トルエン、キシレン、メシチレン、シクロヘキシルベンゼン等の芳香族炭化水素類、シクロヘキサン、デカリン、ドデカン等の脂肪族炭化水素類、DMF、DMSO等の有機溶媒を用いることができる。また分散方法としては、超音波、高剪断力分散やメディア分散等の分散方法により分散することができる。
これらの層を形成後、その上に陰極用物質からなる金属電極11の薄膜を1μm以下、好ましくは、50nm〜200nmの範囲の膜厚になるように、例えば、蒸着やスパッタリング等の方法により形成させ陰極を作製する。このようにして有機発光素子10が得られる。
〈損失の低減〉
第1実施形態の有機発光素子10においては、微粒子15により、有機発光層12及び透明電極13の屈折率が透明基板14の屈折率と同等にまで下げられているので、有機発光層12及び透明電極13に閉じ込められる導波モードの光が減り、透明基板14に多くの光を導くことができる。さらに、微粒子15が散乱体であれば、有機発光層12及び透明電極13において導波モードの光とプラズモンモードの光とが共に散乱され、透明基板14により多くの光を導くことができる。
次に、第2実施形態の有機発光素子20においては、微粒子15により、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23の屈折率が透明基板14の屈折率と同等にまで下げられているので、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23に閉じ込められる導波モードの光が減り、透明基板14に多くの光を導くことができる。さらに、微粒子15が散乱体であれば、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23において導波モードの光が共に散乱され、透明基板14により多くの光を導くことができる。また、有機発光素子20ではプラズモンモードは発生せず、プラズモン損失は完全に抑制できる。
このように、第1及び第2実施形態によれば、透明基板14に多くの光を導くことができるので、透明基板14上に既知のレンズシートやプリズムシートなどを設けておくことで空気中に効率良く光を取り出すことができる。
次に、第3実施形態の有機発光素子30においては、微粒子15により、有機発光層12及び透明電極13の屈折率が下げられており空気との屈折率差が小さくなっているので、有機発光層12及び透明電極13に閉じ込められる導波モードの光が減り、空気中に多くの光を導くことができる。さらに、微粒子15が散乱体であれば、有機発光層12及び透明電極13において導波モードの光とプラズモンモードの光とが共に散乱され、空気中により多くの光を導くことができる。
次に、第4実施形態の有機発光素子40においては、微粒子15により、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23の屈折率が下げられており空気との屈折率差が小さくなっているので、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23に閉じ込められる導波モードの光が減り、空気中に多くの光を導くことができる。さらに、微粒子15が散乱体であれば、第1の透明電極22、有機発光層12及び第2の透明電極23において導波モードの光が共に散乱され、空気中により多くの光を導くことができる。また、有機発光素子40ではプラズモンモードは発生せず、プラズモン損失は完全に抑制できる。
なお、有機発光素子30、40の光取り出し面に、微粒子15が分散された透明電極13又は第2透明電極23と同等の屈折率を有する既知のレンズシートやプリズムシートなどを設けておくことで、空気中により効率良く光を取り出すことができる。
よって、本発明によると、ボトムエミッション方式、トップエミッション方式に関わらず、導波損失及びプラズモン損失ともに減らすことができ、その結果、光の利用効率が向上する。
本発明の有機発光素子は、表示デバイス、ディスプレイ、各種発光光源として用いることができる。発光光源として、例えば、照明装置(家庭用照明、車内照明)、時計や液晶用バックライト、看板広告、信号機、光記憶媒体の光源、電子写真複写機の光源、光通信処理機の光源、光センサーの光源等が挙げられるが、これらに限定するものではない。特に液晶表示装置のバックライト、照明用光源としての用途に有効に用いることができる。
10、20、30、40 有機発光素子
11 金属電極(第1又は第2の電極)
12 有機発光素子
13 透明電極(第1又は第2の電極)
15 微粒子

Claims (7)

  1. 第1の電極と、第1の電極の反対電極である第2の電極と、第1及び第2の電極に挟まれた有機発光層と、第1の電極の前記有機発光層側とは反対側に設けられた誘電体多層膜からなるミラー層とを備えた有機発光素子において、
    第1及び第2の電極が透明電極であり、透明電極及び前記有機発光層に、透明電極及び前記有機発光層よりも低屈折率の微粒子を分散させたことを特徴とする有機発光素子。
  2. 前記微粒子が散乱体であることを特徴とする請求項1記載の有機発光素子。
  3. 前記微粒子が略透明であることを特徴とする請求項1又は2記載の有機発光素子。
  4. 前記微粒子が誘電体であることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の有機発光素子。
  5. 前記微粒子の直径が1〜1000nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機発光素子。
  6. 前記微粒子の直径が1〜400nmであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の有機発光素子。
  7. 前記微粒子が、MgF2、CeF3、LiF、NaF、CsF、Al23、SiO2の何れかであることを特徴とする請求項1〜6の何れかに記載の有機発光素子。
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