JP6428599B2 - 有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、有機EL素子及びその製造方法に関する。より詳しくは、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させる有機EL素子及びその製造方法に関する。
有機材料のエレクトロルミネッセンス(electroluminescence:EL)を利用した有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)は、数V〜数十V程度の低電圧で発光が可能な薄膜型の完全固体素子であり、高輝度、高発光効率、薄型、軽量といった多くの優れた特徴を有している。このため、各種ディスプレイのバックライト、看板や非常灯等の表示板、照明光源等の面発光体として近年注目されている。一方、有機EL子の光取り出し効率は20%程度であり、素子内での損失が大きいことが知られている。
図3は、従来の有機EL素子の概略断面図である。有機EL素子300は、図中の下層から順に、金属電極302、屈折率が約1.8の有機機能層304、屈折率が約1.8の透明電極306、屈折率が約1.5の透明基板308が積層されて構成される。なお、図中の符号310a〜310eで表される矢印は、有機機能層304から発生した光のうち特徴的なものを示している。
光310aは、有機機能層304の発光面に対して垂直方向の光であり、透明基板308を透過して光取り出し側(空気側)に取り出される。
光310bは、透明基板308と空気との界面に臨界角以下の浅い角度で入射した光であり、透明基板308と空気との界面で屈折して光取り出し側に取り出される。
光310cは、透明基板308と空気との界面に臨界角より深い角度で入射した光であり、透明基板308と空気との界面で全反射して光取り出し側に取り出せない光である。これによる損失を基板損失と呼び、通常20%程度の損失がある。
光310dは、透明電極306と透明基板308との界面に臨界角より深い角度で入射した光のうち共振条件を満たした光であり、透明電極306と透明基板308との界面で全反射して導波モードが発生し、有機機能層304及び透明電極306内に閉じ込められる光である。これによる損失を導波損失と呼び、通常20〜25%程度の損失がある。
光310eは、金属電極302へ入射して金属電極302内の自由電子と作用し、導波モードの一種であるプラズモンモードが発生して、金属電極302の表面近傍に閉じ込められる光である。これによる損失をプラズモン損失と呼び、通常30〜40%程度の損失がある。
このように、従来の有機EL素子300においては、基板損失、導波損失及びプラズモン損失があることから、それらの損失を少なくすれば、より多くの光を取り出すことが可能となる。
一方で、光取り出し効率を向上させることを目的として、例えば、特許文献1及び2には、透明電極と基板との間に、光を取り出すための層として低屈折率層を備えた有機EL素子について開示されている。
また、特許文献3には、透明電極と発光層との間に、金属微粒子を分散させた光散乱層を備えた有機EL素子について開示されている。
しかしながら、特許文献1に開示されている有機EL素子の構成では、低屈折率層から基板へは効率よく光が入射するが、透明電極の屈折率は高く、透明電極から低屈折率層へ入射する光の効率は改善されていない。すなわち、透明電極に導波モードの光が閉じ込められた状態となっており、導波損失は改善されておらず、光取り出し効率が高いとはいえない。また、低屈折率層は、多孔性シリカを主成分として構成されているため、膜が脆いという欠点がある。同様に、特許文献2に開示されている有機EL素子の構成においても、透明電極に導波モードの光が閉じ込められ、光取り出し効率が高いとはいえず、また、低屈折率層は、シリカエアロゲルを主成分として構成されていることから膜が脆い欠点がある。
特許文献3に開示されている有機EL素子の構成では、光散乱層は透明電極と発光層との間に設けられているので、透明電極から基板へ入射する光の効率は改善されておらず、透明電極に導波モードの光が閉じ込められ、光取り出し効率が高いとはいえない。
特許文献4には、光散乱層に有機と無機との複合体バインダーを含有する有機電子素子が開示されているが、バインダーとして具体的に開示されているのはエチル基を側鎖として有するTEOS(Si(OC))のみであり、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させる有機EL素子が得られることについて開示、示唆するものではない。
また、光散乱層等を構成する素材として、プラスチック等の有機素材が考えられる。しかし、光を拡散させるために添加する微粒子の中には光触媒効果を有するものがあり、その活性化した微粒子が、プラスチック等の有機材料を劣化させることが知られている。
一方、無機素材を用いれば、光散乱粒子の光触媒効果を防ぐことはできるが、他の素材との接着性に劣ることがある。
以上の理由から、光学的な性質、光散乱粒子の光触媒耐性、更には接着性に優れた素材が望まれていた。
特許4186688号 特許4378891号 特開2007−165284号公報 特表2013−539182号公報
本発明は、上記問題・状況に鑑みてなされたものであり、その解決課題は、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させる有機EL素子及びその製造方法を提供することである。
本発明者は、上記課題を解決すべく、上記問題の原因等について検討する過程において、透明基板と第1電極との間に、少なくとも1層の光散乱層が設けられ、光散乱層には、バインダーと、バインダー中に分散された光散乱粒子とが含有され、光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であり、バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、光散乱層と第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層が設けられている有機EL素子が、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させることができることを見出し、本発明に至った。
すなわち、本発明に係る上記課題は、以下の手段により解決される。
1.透明基板上に、第1電極、有機機能層、第2電極が順次積層されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記透明基板と前記第1電極との間に、少なくとも1層の光散乱層が設けられ、
前記光散乱層には、バインダーと、前記バインダー中に分散された光散乱粒子とが含有され、
前記光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であり、
前記バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、
前記光散乱層と前記第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
2.前記アルキル基以外の有機基が、アクリロイル基、エポキシ基又はイソシアネート基であることを特徴とする第1項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
3.記平滑層には、前記有機無機ハイブリッドポリマーが含有されていることを特徴とする第1項又は第2項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
4.前記光散乱層及び前記平滑層の屈折率が、いずれも1.7〜2.0の範囲内であることを特徴とする第1項から第3項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
5.前記第1電極が、銀又は銀を主成分とする合金により形成されていることを特徴とする第1項から第4項までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
6.透明基板上に、第1電極、有機機能層、第2電極が順次積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記透明基板と前記第1電極との間に、バインダー中に光散乱粒子を分散した分散液を塗布し、光散乱層を形成する工程と、
前記光散乱層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程と、
前記光散乱層と前記第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層を形成する工程と、
を有し、
前記バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、
前記光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスの製造方法。
7.前記平滑層を形成する工程では、前記有機無機ハイブリッドポリマーを含有する分散液を塗布し、少なくとも1層の前記平滑層を形成し、
さらに、前記平滑層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程を有することを特徴とする第6項に記載の有機エレクトロルミネッセンスの製造方法。
本発明の上記手段により、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させた有機EL素子及びその製造方法を提供することができる。
本発明の効果の発現機構・作用機構については明確になっていないが、以下のように推察している。
有機EL素子において、導波損失及びプラズモン損失を低減させることを考えるには、まずそれらの光の性質を把握する必要がある。
〈導波モードの光の性質〉
図4は、図3に示した一般的な有機EL素子300における導波モードの積層方向の光強度分布を示す図である。導波モードの光は、透明電極306と透明基板308との間で全反射した光と、有機機能層304と金属電極302との間で反射した光とが、互いに干渉して積層方向に図4に示すような光強度で分布する。この光強度分布は、有機機能層304中の発光点が積層方向のどの位置にあるかに関わらず、有機機能層304及び透明電極306の厚さと屈折率とによって決まる。
〈プラズモンモードの光の性質〉
図5は、図3に示した一般的な有機EL素子300におけるプラズモンモードの積層方向の光強度分布を示す図である。プラズモンモードは、金属電極302表面で発生するので、その光強度分布は、金属電極302の表面で最も高くなる。この光強度分布は、有機機能層304中の発光点が積層方向のどの位置にあるかに関わらず、金属電極302の導電性と有機機能層304及び透明電極306の屈折率とによっておおむね決まる。
〈導波損失及びプラズモン損失を低減させるための手段〉
上記のように、導波モードは、光が高屈折率材料から低屈折率材料に入ろうとするときに生じる現象であり、光はより屈折率の高い層に閉じ込められるので、結果として、光強度分布のピークは屈折率の高い層に現れる傾向がある。一般に、透明基板の屈折率よりも有機機能層及び透明電極の屈折率が高いので、有機機能層及び透明電極に導波モードの光が閉じ込められる(図4参照。)。このことから、透明電極と基板との間に、高屈折率で、かつ光散乱機能を有する光散乱層を積層すれば、有機機能層及び透明電極での光の閉じ込めが弱くなり、透明基板に多くの光を導くことができ、光取り出し効率の向上に繋がると考えられる。
しかし、光散乱層に使用されるバインダーは屈折率が低いことが一般的であり、光散乱層を高屈折率層として機能させることは困難である。
そこで、本発明では、バインダー中に、バインダーよりも高屈折率の微粒子を分散させることで、光散乱層の屈折率を高くする。
また、導波モードの光は、散乱させることで素子内に閉じ込められにくくなる。散乱効果は、散乱体を分散させることで得られる。
その際、散乱体がどこに存在していてもよいわけではなく、光強度分布の高い部分に存在することで散乱を効果的に行うことができる。すなわち、図4及び5に示されるように、導波モードは、主に、有機機能層及び透明電極に分布しているので、有機機能層及び透明電極に散乱体が存在することが望ましいといえる。
すなわち、上記光散乱層に分散させる微粒子として、散乱に適した粒径の粒子を用いれば、屈折率を高くする効果に加えて、散乱効果も同時に得られ、より多くの光を取り出すことができると考えられる。
また、プラズモンモードの光は、上述したように有機機能層と金属電極との界面に存在する。この光は、有機機能層から直接到達したものだけでなく、透明電極と透明基板との間で全反射して金属電極に到達する光も含んでいる。そのため、この金属電極に到達する光もプラズモンモードになると考えられる。すなわち、この反射してくる光をなくすことができれば、導波損失に加えてプラズモン損失も減らすことができると考えられる。
本発明の第1実施形態に係る有機EL素子の概略断面図 本発明の第2実施形態に係る有機EL素子の概略断面図 従来形態の有機EL素子の概略断面図 一般的な有機EL素子の積層方向における導波モードの光強度分布を示す図 一般的な有機EL素子の積層方向におけるプラズモンモードの光強度分布を示す図
本発明の有機EL素子は、透明基板上に、第1電極、有機機能層、第2電極が順次積層され、透明基板と第1電極との間に、少なくとも1層の光散乱層が設けられ、光散乱層には、バインダーと、バインダー中に分散された光散乱粒子とが含有され、光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であり、バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、前記光散乱層と前記第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層が設けられていることを特徴とする。この特徴は、各請求項に係る発明に共通する技術的特徴である。
本発明の実施態様としては、本発明の効果発現の観点から、アルキル基以外の有機基が、アクリロイル基、エポキシ基又はイソシアネート基であることが好ましい。
また、光散乱層と第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層が設けられ、平滑層には、有機無機ハイブリッドポリマーが含有されていることが、光散乱層の表面を平滑にして第1電極に凹凸が形成されるのを防ぎ、その結果として、電極間の短絡(ショート)を防止できることから好ましい。
さらに、本発明においては、光散乱層及び平滑層の屈折率が、いずれも1.7〜2.0の範囲内であることが、十分な散乱効果を得られることから好ましい。
また、第1電極が、銀又は銀を主成分とする合金により形成されていることが、ITO(Indium Tin Oxide:SnO−In)よりも抵抗値が低く非常に高い導電性を有すること、レアメタルを含有しないためコストが安いこと、及び酸化物でないために加工しやすいことから、好ましい。
本発明の有機EL素子に係る光散乱層の作製方法としては、透明基板上に、バインダー中に光散乱粒子を分散した分散液を塗布し、光散乱層を形成する工程と、光散乱層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程と、を有する態様の作製方法であることが、バインダーの硬化不足や分解による着色の防止、又は照射対象物の温度を低く維持することができ、結果として、発光効率を低下させることがないことから好ましい。
さらに、上記同様の理由から、平滑層も光散乱層と同じ作製方法により作製することが好ましい。
以下、本発明とその構成要素、及び本発明を実施するための形態・態様について詳細な説明をする。なお、本願において、数値範囲を表す「〜」は、その前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用している。
[第1の実施形態]
≪有機EL素子の構成≫
図1に示すとおり、本実施形態に係る有機EL素子100は、図中の下層から順に、金属電極(第2電極)102、有機機能層104、透明電極(第1電極)106、光散乱層120、透明基板108が積層されて構成されている。この有機EL素子100は、透明基板108の透明電極106側とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるボトムエミッション方式である。
光散乱層120には、入射した光を散乱する散乱体として、光散乱粒子122が含有されている。
≪光散乱層(120)≫
(1)光散乱層の構成
光散乱層は、バインダー中に光散乱粒子を分散させた構造を有し、該バインダーがポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであることを特徴とする。
光散乱粒子が入っていない状態の有機無機ハイブリッドポリマーの屈折率は1.5程度であるが、光散乱粒子を適量分散させることで、光散乱層の屈折率を1.5以上とすることができる。また、光散乱粒子がほぼ透明であれば、光散乱粒子で光はほとんど吸収されないので、光取り出し効率を低下させることがない。また、光散乱粒子として、光が散乱する大きさのものを用いれば、導波モードの光の散乱効果が得られ、より多くの光を取り出すことができる。
光散乱層は、屈折率が1.7〜2.0の範囲内である高屈折率層であることが好ましい。光散乱層の屈折率が1.7以上であれば、有機機能層や透明電極中に導波モードの光が閉じ込められることなく、透明基板側へ光を導くことができる。また、光散乱層の屈折率が2.0以下であれば、光散乱層の膜強度を高く維持することができる。
光散乱層は、屈折率が1.7〜2.0の範囲内である単独の素材で層形成してもよいし、2種類以上の化合物を混合して層形成してもよい。このような混合系の場合、光散乱層の屈折率は、各々の素材固有の屈折率に混合比率を乗じた合算値により算出される計算屈折率でも代用可能である。また、この場合、各々の素材の屈折率は、1.7未満若しくは2.0より大きくてもよく、混合して形成された光散乱層の屈折率が1.7〜2.0の範囲内となっていればよい。
(1.1)バインダー
本発明に係るバインダーは、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーである。ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有することにより、高透明性、高強度、成膜性が良好な層とすることが可能となる。
(1.1.1)有機ポリマー構造
本発明に係る有機無機ハイブリッドポリマーのアルキル基以外の有機基としては、公知の置換基を特に制限なく使用可能であり、例えば、アリール基、アラアルキル基、シクロアルキル基、アミノ基、イミノ基、シアノ基、ニトロ基、ニトロソ基、アゾ基、ジアゾ基、アジ基、カルボニル基、フェニル基、ヒドロキシ基、ペルオキシ基、アシル基、アセチル基、アルデヒド基、カルボキシ基、アミド基、イミド基、エステル基、オキシム基、チオール基、スルホ基、ウレア基、イソニトリル基、アレン基、アクリロイル基、メタクリロイル基、エポキシ基、オキセタン基、イソシアネート基等を用いることができるが、中でもアクリロイル基、エポキシ基又はイソシアネート基が特に好ましい。
(1.1.2)ポリシロキサン構造
ポリシロキサン構造としては、例えば、Si−O−Si結合を有するポリシロキサン(ポリシルセスキオキサンを含む)を挙げることができる。
ポリシロキサンとしては、具体的には、一般構造単位としての〔RSiO1/2〕、〔RSiO〕、〔RSiO3/2〕及び〔SiO〕を含むことができる。ここで、Rは、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基等)、アリール基(例えば、フェニル基等)、不飽和アルキル基(例えば、ビニル基等)からなる群より独立して選択される。特定のポリシロキサン構造の例としては、〔PhSiO3/2〕、〔MeSiO3/2〕、〔HSiO3/2〕、〔MePhSiO〕、〔PhSiO〕、〔PhViSiO〕、〔ViSiO3/2〕(Viはビニル基を表す。)、〔MeHSiO〕、〔MeViSiO〕、〔MeSiO〕、〔MeSiO1/2〕等が挙げられる。また、ポリシロキサンの混合物やコポリマーも使用可能である。
(1.2)光散乱粒子
光散乱層に含有される光散乱粒子は、可視光域のMie散乱を生じさせる領域以上の平均粒径を有する透明な粒子であることが好ましく、その平均粒径の下限としては0.2μm以上であることが好ましい。
一方、平均粒径の上限としては、本発明の効果を阻害しない限りにおいて、特に制限されるものではない。
なお、本発明における平均粒径は、例えば、日機装社製ナノトラックUPA−EX150といった動的光散乱法を利用した装置や、電子顕微鏡写真の画像処理により測定することができる。
光散乱粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、有機微粒子であっても、無機微粒子であってもよいが、中でも高屈折率を有する無機微粒子であることが好ましい。
高屈折率を有する有機微粒子としては、例えば、ポリメチルメタクリレートビーズ、アクリル−スチレン共重合体ビーズ、メラミンビーズ、ポリカーボネートビーズ、スチレンビーズ、架橋ポリスチレンビーズ、ポリ塩化ビニルビーズ、ベンゾグアナミン−メラミンホルムアルデヒドビーズ等が挙げられる。
高屈折率を有する無機微粒子としては、例えば、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ、アンチモン等の中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子が挙げられる。無機酸化物粒子としては、具体的には、ZrO、TiO、BaTiO、Al、In、ZnO、SnO、Sb、ITO、SiO、ZrSiO、ゼオライト等が挙げられ、中でも、TiO、BaTiO、ZrO、ZnO、SnOが好ましく、TiOが最も好ましい。また、TiOの中でも、アナターゼ型よりルチル型のほうが触媒活性が低いため、光散乱層や隣接する層の耐候性が高くなり、更に屈折率が高いことから好ましい。
また、これらの光散乱粒子は、バインダー中に分散させた際の分散液の分散性や安定性向上の観点から、粒子表面に表面処理を施してもよい。
表面処理材としては、例えば、酸化ケイ素や酸化ジルコニウム等の異種無機酸化物、水酸化アルミニウム等の金属水酸化物、オルガノシロキサン、ステアリン酸等の有機酸等が挙げられる。これら表面処理材は、1種を単独で用いてもよく、複数種を組み合わせて用いてもよい。中でも、分散液の安定性の観点から、表面処理材としては、異種無機酸化物及び/又は金属水酸化物が好ましく、金属水酸化物がより好ましい。
無機酸化物粒子が、表面処理材で表面被覆処理されている場合、その被覆量(一般的に、この被覆量は、粒子の質量に対する当該粒子の表面に用いた表面処理材の質量割合で示される。)は、0.01〜99質量%の範囲内であることが好ましい。表面処理材の被覆量が0.01質量%以上であれば、表面処理による分散性や安定性の向上効果を十分に得ることができる。また、被覆量が99質量%以下であれば、高屈折率の光散乱層の屈折率を高く維持することができる。
その他、光散乱粒子としては、国際公開第2009/014707号や米国特許第6608439号明細書等に記載の量子ドットも好適に用いることができる。
光散乱粒子は、その屈折率が1.7以上であることが好ましく、1.85以上であることがより好ましく、2.0以上であることが特に好ましい。屈折率が1.7以上であれば、バインダーに対して十分な屈折率差が得られ、光の散乱量を減少させることなく、光取り出し効率の向上効果を得ることができる。
一方で、光散乱粒子の屈折率の上限は3.0未満であることが好ましい。屈折率が3.0未満であれば、層中での多重散乱を抑え、透明性を低下させることがない。
光散乱粒子は、実際には、多分散粒子であることや規則的に配置することが難しいことから、局部的には回折効果を有するものの、多くは拡散により光の方向を変化させ光取り出し効率を向上させる。
(2)光散乱層の作製方法
本発明に係る光散乱層の作製方法は、主に、
(i)透明基板上に、バインダー中に光散乱粒子を分散した分散液を塗布し、光散乱層を形成する工程と、
(ii)光散乱層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程と、
を有していることが好ましい。
以下、各工程について説明する。
(i)光散乱層を形成する工程
光散乱層は、媒体となるバインダー中に光散乱粒子を分散した分散液を、透明基板上に塗布することで形成する。
分散液の塗布方法としては、グラビア印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、スクリーン印刷法、インクジェット印刷法等の各種印刷方法に加えて、ロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法等の各種塗布法を用いることができる。
(ii−1)光散乱層を加熱する工程
本発明に係る光散乱層は、100〜280℃の範囲内で加熱することにより、硬化させることが好ましい。
100℃未満では、光散乱層や後述する平滑層のバインダーがエネルギー不足で硬化しないことがあり、280℃を超えるとバインダーが分解を起こして着色してしまい、光透過率が低下し、結果として、素子の発光効率が低下する場合がある。
光散乱層の加熱に用いられる加熱装置としては、一般に使用されているものが使用でき、例えば、接触式のホットプレート、非接触式のIRヒーター等が挙げられる。これらの装置は、基板を加熱できるものであれば使用に際して特に制限なく用いることができる。
(ii−2)光散乱層にエキシマ光を照射する工程
本発明に係る光散乱層は、上記加熱工程に代えて、150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射することにより、硬化させることを特徴とする。
このような照射装置としては、具体的には、100〜230nmの範囲内の真空紫外線を発する希ガスエキシマランプが挙げられる。
Xe、Kr、Ar、Ne等の希ガス原子は、化学的に結合して分子を作らないため、不活性ガスと呼ばれる。しかし、放電等によりエネルギーを得た希ガス原子(励起原子)は、他の原子と結合して分子を作ることができる。
例えば、Xe(キセノン)の場合、下記反応式で示されるように、励起されたエキシマ分子であるXe が基底状態に遷移するときに、波長172nmのエキシマ光を発光する。
e+Xe→Xe
Xe+2Xe→Xe +Xe
Xe →Xe+Xe+hν(172nm)
エキシマランプの特徴としては、放射が一つの波長に集中し、必要な光以外がほとんど放射されないので、光の発生効率が高いことが挙げられる。これにより、低い電力の投入で点灯させることが可能である。また、温度上昇の要因となる波長の長い光は発せず、紫外線領域の単一波長でエネルギーを照射するため、対象物の温度を比較的低く保つことができる。さらには、始動・再始動に時間を要さないので、瞬時の点灯点滅が可能である。
エキシマ光を効率よく照射する光源としては、誘電体バリアー放電ランプが挙げられる。
誘電体バリアー放電ランプの構成としては、電極間に誘電体を介して放電を起こすものであり、一般的には、誘電体からなる放電容器とその外部とに少なくとも一方の電極が配置されていればよい。誘電体バリアー放電ランプとして、例えば、石英ガラスで構成された太い管と細い管とからなる二重円筒状の放電容器中にXe等の希ガスが封入され、該放電容器の外部に網状の第1の電極を設け、内管の内側に他の電極を設けたものがある。誘電体バリアー放電ランプは、電極間に高周波電圧等を加えることによって放電容器内部に誘電体バリアー放電を発生させ、該放電により生成されたXe等のエキシマ分子が解離する際にエキシマ光を発生させる。
≪第2電極(102)≫
第2電極は、陰極としての役割と光を透明基板側に反射させるミラーとしての役割がある。
第2電極の構成材料としては、例えば、アルミニウム、銀、ニッケル、チタン、ナトリウム、カルシウム等の反射率が60%以上の金属材料やそれらのいずれかを含む合金等を用いることができる。
≪有機機能層(104)≫
有機機能層は、発光層を含む、有機化合物又は錯体からなる単層又は複数層であり、例えば、陽極(第1電極)と接する正孔輸送層、発光材料で形成された発光層、陰極(第2電極)と接する電子輸送層等からなり、数nm〜数百nmの厚さを有している。また、フッ化リチウム層や無機金属塩の層あるいはそれらを含有する層等が、任意の位置に形成されていてもよい。発光層は、少なくとも1種の発光材料からなり、発光材料としては蛍光発光性化合物又はリン光発光性化合物等を用いることができる。
有機機能層の構成としては、上述の構成も含めて、例えば、以下の(i)〜(v)の構成等を採用できる。
(i)(陽極)/発光層/電子輸送層/(陰極)
(ii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/電子輸送層/(陰極)
(iii)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/(陰極)
(iv)(陽極)/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
(v)(陽極)/正孔注入層/正孔輸送層/発光層/正孔阻止層/電子輸送層/電子注入層/(陰極)
正孔輸送層は、正孔を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で正孔注入層、電子阻止層も正孔輸送層に含まれる。正孔輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
電子輸送層は、電子を輸送する機能を有する材料からなり、広い意味で電子注入層、正孔阻止層も電子輸送層に含まれる。電子輸送層は、単層又は複数層設けることができる。
正孔阻止層は、広い意味では電子輸送層の機能を有し、電子を輸送する機能を有しつつ正孔を輸送する能力が著しく小さい正孔阻止材料からなり、電子を輸送しつつ正孔を阻止することで、電子と正孔との再結合確率を向上させることができる。
正孔注入層及び電子注入層は、駆動電圧低下や発光輝度向上のために、電極と発光層間に設けられる層のことである。
≪第1電極(106)≫
第1電極は、第2電極の反対電極であり、その構成材料としては、例えば、CuI、ITO、SnO、ZnO、インジウムジンクオキシド(IZO)等の透過率が40%以上の導電性透明材料を用いることができる。
(銀を主成分とした透明電極)
本発明においては、第1電極を銀又は銀を主成分とする合金により形成されているものとしてもよい。
なお、主成分とは、第1電極を構成する成分のうち、構成比率が最も高い成分をいう。その構成比率としては、60質量%以上であることが好ましく、90質量%以上であることがより好ましく、98質量%以上であることが特に好ましい。また、透明電極の透明とは、波長550nmでの光透過率が50%以上であることをいう。
第1電極は、銀又は銀を主成分とした合金の層が、必要に応じて複数の層に分けて積層された構成であってもよい。
さらに、第1電極は、厚さが4〜9nmの範囲内にあることが好ましい。厚さが9nmより薄い場合には、層の吸収成分又は反射成分が少なく、透明電極の透過率が大きくなる。また、厚さが4nmより厚い場合には、層の導電性を十分に確保することができる。
第1電極を構成する銀(Ag)を主成分とする合金としては、例えば、銀マグネシウム(AgMg)、銀銅(AgCu)、銀パラジウム(AgPd)、銀パラジウム銅(AgPdCu)、銀インジウム(AgIn)等が挙げられる。
このような第1電極の作製方法としては、塗布法、インクジェット法、コーティング法、ディップ法等のウェットプロセスを用いる方法や、蒸着法(抵抗加熱、EB法等)、スパッタ法、CVD法等のドライプロセスを用いる方法等が挙げられる。中でも、蒸着法が好ましく適用される。
≪透明基板(108)≫
透明基板は、有機EL素子全体を保持するとともに、光を透過するものである。
透明基板としては、例えば、0.1〜1mmの範囲内の厚さを有するガラスや樹脂等の透明材料を用いることができる。透明基板の屈折率は、1.5前後である。透明基板を樹脂フィルム等のフレキシブルなフィルム状の材料で形成すれば、面光源を湾曲させることができ、種々の方向に向かって発光させることができる。
≪その他の構成≫
有機EL素子を構成する有機化合物は、水分や大気中の酸素により劣化するため、透湿防止層(ガスバリアー層)で封止して外部雰囲気から遮断して使用される。この透湿防止層は、例えば、高周波スパッタリング法等により形成することができる。また、透明基板には、必要に応じて、ハードコート層、アンダーコート層等を設けてもよい。
また、透明基板から空気中に効率よく光を取り出すため、透明基板上に、既知のレンズシートやプリズムシート等を設けることもできる。
≪有機EL素子の使用方法≫
有機EL素子は、上記のように、透明基板上に、透明電極と有機機能層と金属電極とが積層され構成されている。当該有機EL素子においては、一方の端部で透明電極の一部を露出させ、他方の端部で金属電極の一部を露出させて電極部を形成し、この電極部を電源部(不図示)の各々の電源配線(不図示)に接続して、有機機能層に所定の直流電圧を印加することで、発光させることができる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態は、主に、下記の点で第1の実施形態と異なっている。
図2に示すとおり、本実施形態に係る有機EL素子200は、図中の下層から順に、金属電極(第2電極)102、有機機能層104、透明電極(第1電極)106、平滑層230、光散乱層220、透明基板108が積層されて構成されている。この有機EL素子200は、透明基板108の透明電極106とは反対面を光取り出し面とする、いわゆるボトムエミッション方式である。
光散乱層220には、入射した光を散乱する散乱体として、光散乱粒子222が含有されている。
なお、図2においては、一例として、平滑層230に高屈折粒子232が含有された場合を示している。
≪光散乱層(220)≫
光散乱層220は、主に、下記の点で第1の実施形態に係る光散乱層120と異なっている。
光散乱層に含有される光散乱粒子の下限としては0.2μm以上であることが好ましいが、平均粒径の上限としては、平均粒径がより大きいと、光散乱粒子を含有した光散乱層の粗さを平坦化する平滑層の層厚も厚くする必要があり、工程の負荷、層の光吸収の観点で不利な点があることから、好ましくは10μm未満、より好ましくは5μm未満、特に好ましくは3μm未満、最も好ましくは1μm未満である。
光散乱粒子の配置としては、光散乱粒子が光散乱層と平滑層との界面に接触又は近接するように、積層方向に対して粒子2個分の厚さで配置されることが好ましい。これにより、平滑層内で全反射が起きたときに光散乱層に染み出してくるエバネッセント光を光散乱粒子で散乱させることができ、光取り出し効率が向上する。光散乱粒子が、その平均粒径を超える範囲で存在する場合、光散乱粒子が界面から遠く離れた位置に存在するため、エバネッセント光を散乱させることがなく、光取り出し効率の向上に寄与しない。また、光散乱粒子の分布厚みが増えると、塗布の均一性若しくは界面平滑性の低下、又は反射散乱光の増加による表示性能低下といった問題が生じる可能性がある。
光散乱粒子の光散乱層における含有量は、体積充填率で、1.0〜70%の範囲内であることが好ましく、5.0〜50%の範囲内であることがより好ましい。これにより、光散乱層と平滑層との界面に屈折率分布の粗密を作ることができ、光散乱量を増加させて光取り出し効率を向上させることができる。
≪平滑層(230)≫
本発明に係る平滑層は、屈折率が1.7〜2.0の範囲内である高屈折率層であることが好ましい。屈折率が1.7〜2.0の範囲内であれば、単独の素材で形成されていてもよいし、混合物で形成されていてもよい。混合物で形成する際の屈折率の考え方は、上記光散乱層の場合と同様である。
平滑層は、この上に第1電極を良好に形成させる平坦性を有することが重要である。その平坦性は、平均面粗さRaが100nm未満、好ましくは30nm未満、特に好ましくは10nm未満、最も好ましくは5nm未満である。
なお、本発明において、平均面粗さRaとは、原子間力顕微鏡法(Atomic Force Microscopy:AFM)にて測定された、10μm□における平均面粗さRaのことをいう。
平滑層に用いられるバインダーとしては、光散乱層と同様のものが挙げられる。
本発明に係る平滑層は、バインダー中に高屈折粒子が含有された構成としてもよい。
平滑層に含有される高屈折粒子としては、微粒子ゾルであることが好ましい。
高屈折粒子の屈折率の下限としては、バルクの状態で1.7以上であることが好ましく、1.85以上であることがより好ましく、2.0以上であることが更に好ましく、2.5以上であることが特に好ましい。また、高屈折粒子の屈折率の上限としては、3.0以下であることが好ましい。高屈折粒子の屈折率が1.7以上であれば、本発明の目的効果を十分に発揮することができる。高屈折粒子の屈折率が3.0以下であれば、層中での多重散乱を抑制し、透明性を低下させることがない。
高屈折粒子の平均粒径の下限としては、通常5nm以上であることが好ましく、10nm以上であることがより好ましい。また、高屈折粒子の平均粒径の上限としては、70nm以下であることが好ましく、60nm以下であることがより好ましい。高屈折粒子の平均粒径が5nm以上であれば、高屈折粒子が凝集するのを抑え、透明性を低下させることがない。また、高屈折粒子全体としての表面積が大きくならず、触媒活性を抑えるため、平滑層や隣接する層の劣化を防止することができる。高屈折粒子の平均粒径が70nm以下であれば、平滑層の透明性を低下させることがない。なお、本発明の効果を損なわない限りにおいて、粒径の分布は制限されず、広くても狭くてもよいし、複数の分布を持っていてもよい。
高屈折粒子の含有量の下限としては、全体質量に対して、70質量%以上であることが好ましく、80質量%以上であることがより好ましく、85質量%以上であることが更に好ましい。また、高屈折粒子の含有量の上限としては、97質量%以下であることが好ましく、95質量%以下であることがより好ましい。高屈折粒子の含有量が70質量%以上であれば、平滑層の屈折率を1.80以上とすることが容易となる。高屈折粒子の含有量が97質量%以下であれば、平滑層の塗布法による作製に支障がなく、また、乾燥後の層の強度や耐屈曲性を低下させることがない。
このような高屈折粒子としては、安定性の観点から、TiO(二酸化チタンゾル)であることがより好ましい。また、TiOの中でも、特にアナターゼ型よりルチル型のほうが触媒活性が低いため、平滑層や隣接する層の耐候性が高くなり、更に屈折率が高いことから好ましい。
二酸化チタンゾルの好ましい一次粒子径は、5〜15nmの範囲内であり、より好ましくは6〜10nmの範囲内である。
二酸化チタンゾルの調製方法としては、例えば、特開昭63−17221号公報、特開平7−819号公報、特開平9−165218号公報、特開平11−43327号公報等を参照することができる。
平滑層は、光散乱層と同様に、100〜280℃の範囲内での加熱工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程により、硬化させることができる。
平滑層の機能としては、光散乱層の表面を平滑にして第1電極に凹凸ができるのを防ぎ、電極が短絡、いわゆるショートが起きて発光層が光らなくなることを防止することである。もう一つは、光散乱層は散乱の機能を主体としているのに対し、平滑層は発光した光を界面で反射させずに通過させることを主体とする。このように、両者で機能を分けることで素子構成の自由度を大きくすることができ、これにより有機EL素子の信頼性をより向上させることができる。
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、実施例において「%」の表示を用いるが、特に断りがない限り「質量%」を表す。
[実施例1]
≪有機EL素子の作製≫
(1)有機EL素子101の作製
基板として、60mm×60mm×0.7mmの透明な無アルカリガラス基板を脱脂し、超純水洗浄、クリーンドライヤーで乾燥したものを用いた。
次いで、無アルカリガラス基板上に、国際公開第2010/150694号に記載の実施例1の白色発光有機EL素子101と同様にして、第1電極(陽極)、有機機能層(正孔注入層、正孔輸送層、発光層、電子輸送層)、第2電極(陰極)を形成し、有機EL素子101を作製した。
その後、有機EL素子101の第2電極側を厚さ300μmのエポキシ樹脂で覆い、更に厚さ12μmのアルミニウム箔で覆った後、硬化させ、封止した。封止は、有機EL素子101を大気に接触させることなく、窒素雰囲気下のグローブボックス(純度99.999%以上の高純度窒素ガスの雰囲気下)内で行った。
(2)有機EL素子102の作製
有機EL素子101の作製において、基板と第1電極との間に、下記のようにして光散乱層を形成した以外は同様にして、有機EL素子102を作製した。
散乱層調液として、屈折率2.4、平均粒径0.25μmのTiO粒子(テイカ(株)製 JR600A)と、ポリエチレンテレフタレート樹脂の塩化メチレン溶液との固形分比率が50vol%/50vol%、固形分濃度が15質量%となるように調整した。
その後、疎水性PVDF 0.45μmフィルター(ワットマン社製)にて濾過し、目的の分散液を得た。
上記分散液を、スピン塗布(1000rpm、30秒)にて基板上に回転塗布した後、乾燥(80℃、2分)して、層厚0.5μmの光散乱層を形成した。
(3)有機EL素子103の作製
有機EL素子102の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリカーボネート樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子103を作製した。
(4)有機EL素子104の作製
有機EL素子102の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子104を作製した。
(5)有機EL素子105の作製
有機EL素子102の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリメチルメタクリレート樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子105を作製した。
(6)有機EL素子106の作製
有機EL素子102の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリシロキサンに置き換え、光散乱層の硬化条件を120℃/5分、250℃/5分とした以外は同様にして、有機EL素子106を作製した。
ポリシロキサン構造を生成する素材としては、信越化学工業(株)製、X−40−9238(完全無機系)を使用した。
(7)有機EL素子107の作製
有機EL素子106の作製において、ポリシロキサンをアクリロイル基を有するポリシロキサン化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子107を作製した。
アクリロイル基を有するポリシロキサン構造を生成する素材としては、APM社製、ED230AL(有機無機ハイブリッド樹脂)を使用した。
(8)有機EL素子108の作製
有機EL素子106の作製において、ポリシロキサンをエポキシ基を有するポリシロキサン化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子108を作製した。
エポキシ基を有するポリシロキサン構造を生成する素材としては、信越化学工業(株)製、X−41−1053を使用した。
(9)有機EL素子109の作製
有機EL素子106の作製において、ポリシロキサンをブロック化イソシアネートを有するポリシロキサン化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子109を作製した。
ブロック化イソシアネートを有するポリシロキサン構造を生成する素材としては、JSR(株)製、有機無機ハイブリッドコート剤#2087を使用した。
(10)有機EL素子110の作製
有機EL素子106の作製において、ポリシロキサンをアクリロイル基を有するポリシロキサン化合物に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子110を作製した。
アクリロイル基を有するポリシロキサン構造を生成する素材としては、JSR(株)製、グラスカ(有機−無機ハイブリッド系)を使用した。
(11)有機EL素子111の作製
有機EL素子110の作製において、光散乱層の硬化条件を下記のように変更した以外は同様にして、有機EL素子111を作製した。
硬化は、120℃/5分で乾燥後、基板を25℃まで徐冷し、真空紫外線照射装置内で、塗布面に真空紫外線照射による改質処理を施すことにより行った。
真空紫外線照射装置の光源としては、172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプを用いた。
≪有機EL素子の評価≫
(1)粒子分散性
粒子分散性とは、光散乱粒子とポリマーとの混合度合いを表す指標である。光散乱粒子は、ポリマーに均一に分散されているのがよく、凝集が起こったり、層内で上下方向に偏ったり、斑状構造ができたりするものは好ましくない。
そこで、作製した各有機EL素子について、光散乱層まで塗設した基板を、光学顕微鏡を用いて倍率10倍で確認し、下記の評価基準に従って目視評価した。なお、ランク3を合格とした。
評価結果を表1に示す。
3:均一に分散している
2:僅かな凝集が見られる
1:強い凝集や斑状構造が見られる
(2)成膜性
成膜性とは、光散乱層塗布液をガラス基板上に塗設したときの状態を表す指標である。
光散乱層は、均一に塗設されていることが好ましく、塗布ムラ、ハジキ、スジ等が発生すると、光散乱層本来の機能が発現されないだけでなく、有機EL素子自体の発光効率が低下してしまうことがある。
そこで、作製した各有機EL素子について、光散乱層の成膜状態を、下記の評価基準に従って目視評価した。なお、ランク3を合格とした。
評価結果を表1に示す。
3:塗布ムラ、ハジキ、スジ等の塗布故障がない
2:僅かに塗布故障がある
1:実用に耐えない塗布故障がある
(3)耐薬品性
有機EL素子を作製するには、第1電極(陽極:ITO等)のパターニングが必要になる。パターニングには、強酸(塩酸)や強アルカリ(水酸化ナトリウム)を使用する。また、洗浄を行う場合、強アルカリタイプの洗浄液を使用することもある。その作業により、膜がダメージを受けて剥がれることがある。光散乱層の膜が剥がれてしまうと、その後に成膜する層に悪影響を及ぼしてしまい、性能が低下することがある。
そこで、作製した各有機EL素子について、光散乱層まで塗設した基板を塩酸15質量%溶液、水酸化ナトリウム2質量%溶液に、それぞれ2分間浸しながら撹拌して、下記評価基準に従って目視評価した。なお、ランク3を合格とした。
評価結果を表1に示す。
3:塗膜にダメージがない
2:エッジ部分が剥がれている
1:中央部分まで剥がれている
(4)吸光度
発光層で発生した光は、基板を通して外部に放射される。しかし、途中で光の通過を遮られた場合、発光層で効率よく光が発生しても、発光効率としては低下することになる。このため、吸光度は重要な指標となる。吸光度が大きいということは、光の吸収が大きいということであり、性能低下の大きな要因となる。
そこで、作製した各有機EL素子について、日立ハイテクノロジーズ社製、U−3900Hを用いて、光散乱層まで成膜した基板の吸光度を測定した。吸光度は、積分球を使用して透過光、反射光を測定し、それらの差し引きから算出した。波長550nmのときの値で10%以下を合格とした。
測定結果を表1に示す。
(5)発光効率比(電力効率比)
作製した各有機EL素子について、室温(25℃)で、2.5mA/cmの定電流密度条件下による点灯を行い、分光放射輝度計CS−2000(コニカミノルタ社製)を用いて、各素子の発光輝度を測定し、当該電流値における発光効率(電力効率)を求めた。なお、発光効率は、有機EL素子106の発光効率を100とする相対値で示した。
測定結果を表1に示す。
Figure 0006428599
(6)まとめ
表1から明らかなように、参考例の有機EL素子107〜111は、比較例の有機EL素子101〜106と比較して、光散乱層における粒子分散性、成膜性、耐薬品性及び吸光度、有機EL素子における発光効率の全てにおいて、優れていることがわかる。
以上から、基板と第1電極との間に、バインダー中に光散乱粒子を分散させた光散乱層を設け、バインダーがポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーからなり、また、光散乱層の作製に際し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程とを有することが、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させることに有用であることが確認できた。
[実施例2]
≪有機EL素子の作製≫
(1)有機EL素子201の作製
実施例1の有機EL素子109の作製において、光散乱層と第1電極との間に、下記のようにして平滑層を形成した以外は同様にして、有機EL素子201を作製した。
平滑層調液として、平均粒径10nmのナノTiO分散液(テイカ(株)製 TS−063)とポリエチレンテレフタレート樹脂の塩化メチレン溶液との固形分比率が40vol%/60vol%、固形分濃度が15質量%となるように調整した。
その後、疎水性PVDF 0.45μmフィルター(ワットマン社製)にて濾過し、目的の分散液を得た。
上記分散液をスピン塗布(800rpm、30秒)にて基板上に回転塗布した後、乾燥(80℃、2分)して、層厚0.6μmの平滑層を形成した。
(2)有機EL素子202の作製
有機EL素子201の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリカーボネート樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子202を作製した。
(3)有機EL素子203の作製
有機EL素子201の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリ塩化ビニル樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子203を作製した。
(4)有機EL素子204の作製
有機EL素子201の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリメチルメタクリレート樹脂に置き換えた以外は同様にして、有機EL素子204を作製した。
(5)有機EL素子205の作製
有機EL素子201の作製において、ポリエチレンテレフタレート樹脂をポリシロキサンに置き換え、平滑層の硬化条件を120℃/5分、250℃/5分とした以外は同様にして、有機EL素子205を作製した。
ポリシロキサン構造を生成する素材としては、信越化学工業(株)製、X−40−9238(完全無機系)を使用した。
(6)有機EL素子206の作製
有機EL素子201の作製において、光散乱層及び平滑層のバインダーをアクリロイル基を有するポリシロキサン化合物に置き換え、平滑層の硬化条件を120℃/5分、250℃/5分とした以外は同様にして、有機EL素子206を作製した。
アクリロイル基を有するポリシロキサン構造を生成する素材としては、JSR(株)製、グラスカ(有機−無機ハイブリッド系)を使用した。
(7)有機EL素子207の作製
有機EL素子206の作製において、平滑層の硬化条件を下記のように変更した以外は同様にして、有機EL素子207を作製した。
硬化は、120℃/5分で乾燥後、基板を25℃まで徐冷し、真空紫外線照射装置内で、塗布面に真空紫外線照射による改質処理を施すことにより行った。
真空紫外線照射装置の光源としては、172nmの真空紫外線を照射する二重管構造を有するXeエキシマランプを用いた。
≪有機EL素子の評価≫
(1)粒子分散性、成膜性、耐薬品性及び発光効率
実施例1と同様にして、平滑層における粒子分散性、成膜性及び耐薬品性と、有機EL素子における発光効率を評価、測定した。
評価結果を表2に示す。
Figure 0006428599
(2)まとめ
表2から明らかなように、有機EL素子205〜207は、有機EL素子201〜204と比較して、平滑層の粒子分散性、成膜性及び耐薬品性、有機EL素子の発光効率の全てにおいて優れていることが明らかである。
以上から、平滑層材料として、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーを用いることが、より光取り出し効率を向上させることに有用であることがわかる。
[実施例3]
≪有機EL素子の作製≫
(1)有機EL素子301〜304の作製
有機EL素子207の構成を基本とし、光散乱層及び平滑層の屈折率が表3に記載の屈折率となるようにそれぞれの分散液を調製し、有機EL素子301〜304を作製した。
(2)有機EL素子305の作製
有機EL素子304の作製において、第1電極をITOからAg(厚さ5nm)に変更した以外は同様にして、有機EL素子305を作製した。
≪有機EL素子の評価≫
(1)発光効率
実施例1と同様にして、作製した各有機EL素子について、発光効率を測定した。
なお、発光効率は、有機EL素子301の発光効率を100とする相対値で示した。
測定結果を表3に示す。
Figure 0006428599
(2)まとめ
表3から明らかなように、有機EL素子304及び305は、有機EL素子301〜303と比較して、発光効率に優れていることがわかる。
以上から、光散乱層及び平滑層の屈折率をいずれも1.7〜2.0の範囲内とすることが、十分な散乱効果を有し、より光取り出し効率を向上させることに有用であることがわかる。
本発明は、光透過性を損なうことなく、導波損失を低減し、光取り出し効率を向上させる有機EL素子を提供することに、特に好適に利用することができる。
100,200 有機EL素子
102 第2電極(金属電極)
104 有機機能層
106 第1電極(透明電極)
108 透明基板
120,220 光散乱層
122,222 光散乱粒子
230 平滑層
232 高屈折粒子
300 有機EL素子
302 金属電極
304 有機機能層
306 透明電極
308 透明基板
310a,310b,310c,310d,310e 光

Claims (7)

  1. 透明基板上に、第1電極、有機機能層、第2電極が順次積層されている有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    前記透明基板と前記第1電極との間に、少なくとも1層の光散乱層が設けられ、
    前記光散乱層には、バインダーと、前記バインダー中に分散された光散乱粒子とが含有され、
    前記光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であり、
    前記バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、
    前記光散乱層と前記第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層が設けられていることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記アルキル基以外の有機基が、アクリロイル基、エポキシ基又はイソシアネート基であることを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記平滑層には、前記有機無機ハイブリッドポリマーが含有されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記光散乱層及び前記平滑層の屈折率が、いずれも1.7〜2.0の範囲内であることを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記第1電極が、銀又は銀を主成分とする合金により形成されていることを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 透明基板上に、第1電極、有機機能層、第2電極が順次積層された有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    前記透明基板と前記第1電極との間に、バインダー中に光散乱粒子を分散した分散液を塗布し、光散乱層を形成する工程と、
    前記光散乱層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程と、
    前記光散乱層と前記第1電極との間に、少なくとも1層の平滑層を形成する工程と、
    を有し、
    前記バインダーが、ポリシロキサン構造に少なくとも1種のアルキル基以外の有機基を有する有機無機ハイブリッドポリマーであり、
    前記光散乱粒子が0.25μm以上1μm未満の平均粒径を有し、ジルコニウム、チタン、アルミニウム、インジウム、亜鉛、スズ及びアンチモンの中から選ばれる少なくとも一つの酸化物からなる無機酸化物粒子であることを特徴とする有機エレクトロルミネッセンスの製造方法。
  7. 前記平滑層を形成する工程では、前記有機無機ハイブリッドポリマーを含有する分散液を塗布し、少なくとも1層の前記平滑層を形成し、
    さらに、前記平滑層に対し、100〜280℃の範囲内で加熱する工程、又は150〜230nmの範囲内の波長のエキシマ光を照射する工程を有することを特徴とする請求項6に記載の有機エレクトロルミネッセンスの製造方法。
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