JP2013032675A - 外装工法 - Google Patents

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Abstract

【課題】不陸を有する下地に対して、外装材を優れた密着性及び追随性にて張ることでき、且つ、施工性に優れた外装工法を提供する。
【解決手段】下地材表面の少なくとも一部に、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であり、且つ、硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性が、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率40%〜200%である不陸調整用組成物を塗布して不陸調整層を形成する工程Xと、
該不陸調整層が形成された下地材上に、反応硬化型接着剤を塗布した後、外装材を張り付ける工程Yと、を含む外装工法。
【選択図】図1

Description

本発明は、外装工法に関する。
従来、コンクリート壁にタイルを後張りする場合、型枠の段差・目違いや孕みによるコンクリート下地の不陸に対しては、不陸調整用のセメントモルタルで全面または部分的に補修して、その上に、タイル張り用セメントモルタルでタイル張りする工法が広く用いられてきた。
しかし、セメントモルタルを用いる工法は、施工にあたり下地の目荒らし(超高圧水洗浄、カップサンダー掛け、等)を必要することから施工手間がかかり、騒音も発生するという問題があった。
また、セメントモルタルを用いる工法では、施工品質のばらつきが多く、セメントモルタルの薄付け部分や擦り切り部分においてドライアウト(硬化不良)が生じる恐れがあるため、タイルの張り付け工事やその施工管理に手間を要している。
さらに、構成材料のディファレンシャルムーブメントによる歪みが、タイルと下地との接着界面に経年的に繰返し作用することにより、タイルの剥離・剥落の一因となる可能性があった。
そこで、セメントモルタルを用いる工法における上記の点を改善するため、タイル張り用有機系接着剤が提案されており、当該接着剤についてはJIS化されている(非特許文献1参照。)。この接着剤は、弾性を有するため歪み追従性に優れ、ディファレンシャルムーブメントに起因するタイルの剥離・剥落が生じ難く、安定した施工品質が得られるといった利点がある。
その一方で、タイル張り用有機系接着剤を用いてタイル張りする場合、通常、くし目鏝を用いて接着剤を下地に塗り付けるので、下地面の凹凸のなりにしか塗ることができないという問題がある。即ち、コンクリート等からなる下地面に、型枠の段差、目違い、孕みなどによる不陸がある場合、当該下地面に直接接着剤を塗り付けると、タイル仕上り面にも不陸が生じ、外観上の問題を来す。また、不陸を吸収するために接着剤を厚付けしタイル張りすると、接着剤が硬化するまでの間に、接着剤及びタイルの自重により接着剤のダレが生じてしまう。さらに、タイル張り用有機系接着剤は、不陸を吸収するための下地材としては粘度が高いため作業性が悪く鏝で平滑面を出し難く、また、セメントモルタルに比べ、鏝切れ、鏝離れ等の施工性に劣る。
そのため、通常は、タイル張り用有機系接着剤を用いてタイル張りをする場合においても、下地面に不陸がある場合には、接着剤の塗布に先立って、下地の目荒らし(超高圧水洗浄、カップサンダー掛け、等)を行った後にセメントモルタルを塗り付けて下地面を平滑にする必要がある。しかし、セメントモルタルを用いる工法は、先述の理由により、経年でタイルが剥離・剥落する懸念がある。
特に、下地面にできた不陸に対して部分的にセメントモルタルを塗り付けて補修する場合があり、この場合、どうしてもセメントモルタルが薄付けになる部分ができるため、ドライアウト等の不具合に起因するタイルの剥離、剥落の危険性は否めない。この危険性を回避するため、タイル剥離の懸念のない、より適正な施工方法を行おうとすると、下地養生等において手間を要するという問題がある。
土木、建築、工業等の用途に適用される接着剤に適用される硬化性組成物に関しては、例えば、特許文献1において、反応性ケイ素基含有ポリオキシアルキレン系重合体を用いた硬化性組成物が開示されており、該硬化性組成物により雨水や地下の水分に対し接着性の低下を抑えることができるとされている。
特許第4198945号公報
JIS A 5557、2006年度版、「タイル張り用有機系接着剤」
本発明は、前記の状況に鑑みなされたものであり、不陸を有する下地材に対して、外装材を優れた密着性及び追従性にて張ることができ、且つ、施工が簡易な外装工法を提供することを課題とする。
本発明者らは鋭意検討の結果、特定の不陸調製用組成物を用いた工法により前記課題を解決しうることを見出し、本発明を完成するに至った。
前記課題を解決するための手段は、以下に示す通りである。
<1> 下地材表面の少なくとも一部に、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であり、且つ、硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性が、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率が40%〜200%である不陸調整用組成物を塗布して不陸調整層を形成する工程Xと、
該不陸調整層が形成された下地材上に、反応硬化型接着剤を用いて、外装材を張り付ける工程Yと、を含む外装工法。
<2> 前記下地材が、セメント系硬化体である<1>に記載の外装工法。
<3> 前記X工程に用いる不陸調整用組成物が、下記一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂(A)、エポキシ化合物(B)、非反応性液状成分(C)、及び、無機系充填材(D)を含有し、且つ、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、70〜150質量部の前記非反応性液状成分(C)及び150〜400質量部の無機系充填材(D)を含有する<1>又は<2>に記載の外装工法。
−SiR (X)3−n ・・・(1)
(一般式(1)中、Xは、加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0、1又は2を示す。)
<4> 前記非反応性液状成分(C)が、可塑剤(c1)及び希釈剤(c2)から選択された少なくとも1種を含む<3>に記載の外装工法。
<5> 前記無機系充填材(D)が、粒子径が20nm〜60nmであり表面処理された無機系充填材(d1)、及び、粒子径が150μm〜350μmであり表面無処理の無機系充填材(d2)を含む<3>又は<4>のいずれか1つに記載の外装工法。
<6> 前記無機系充填材(D)が、更に、粒子径が30μm〜100μmであり表面無処理の無機系充填材(d3)を含む<5>に記載の外装工法。
<7> 前記X工程に用いる不陸調整用組成物が、更に、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種の成分(E)を、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、1〜100質量部含有する<3>から<6>のいずれか1つに記載の外装工法。
<8> 前記Y工程に用いる反応硬化型接着剤が、1液湿気硬化型変成シリコーン樹脂系接着剤である<1>から<7>のいずれか1項に記載の外装工法。
本発明によれば、不陸を有する下地に対して、外装材を優れた密着性及び追従性にて張ることができ、且つ、施工性に優れた外装工法を提供することができる。
本発明の外装工法の実施形態の一例を示す概略断面図である。 本発明の外装工法の他の実施形態の一例を示す概略断面図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の外装工法(以下、適宜「本発明の工法」と称する。)は、不陸を有する下地材表面に、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であり、且つ、硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性が、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率が40%〜200%である不陸調整用組成物(以下、単に「不陸調整用組成物」と称する場合がある。)を塗布して不陸調整層を形成する工程Xと、
該不陸調整層が形成された下地材上に、反応硬化型接着剤を用いて外装材を張り付ける工程Yと、を含むことを特徴とする。
前記の各工程を有する本発明の外装工法は、不陸を有する下地材表面に対して、外装材を優れた密着性及び追従性にて張ることが可能となり、施工性にも優れる。
以下、本発明の外装工法、及び、これに用いられる不陸調整用組成物について詳細に説明する。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけでなく、他の工程と明確に区別できない場合であっても本工程の所期の作用が達成されれば、本用語に含まれる。
また、本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示す。
本明細書において、組成物の全固形分とは、組成物全体から希釈剤(c2)を除いた成分の総合計量のことである。
また、本明細書において、組成物中の各成分の量について言及する場合、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合には、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。
本発明の工法は、以下に詳述する工程X及び工程Yを少なくとも有するものであり、更に他の工程を有していてもよい。
〔工程X〕
工程Xでは、下地材表面の少なくとも一部に不陸調整用組成物を塗布して不陸調整層を形成する。
本発明の工法においては、工程Xを行う前において、下地材表面に対して、超高圧水洗浄などの特段の前処理を行う必要はない。
即ち、従来のモルタルを用いた外装方法においては、不陸調整及びタイル等の外装材の張り付けを行う前の処理として、下地材表面に対して接着性向上のための粗面化処理(目粗し)、例えば超高圧水洗浄、カップサンダー掛け等を行う必要があった。一方で、不陸調整用組成物を用いる本発明の工法においては、工程Xを行う前に、超高圧水洗浄の如き粗面化処理を行う必要がないことから、従来の外装方法に比して施工の簡易化を図ることができる。
(不陸調整層)
工程Xで形成される不陸調整層は、下地材表面の少なくとも一部において、不陸調整用組成物を塗布して形成される。本発明における不陸調整層の形成態様としては、少なくとも不陸部分を埋めるように形成されていればよく、下地材表面の一部において不陸部分を埋めるように不陸調整用組成物を塗布して、下地材表面の一部に不陸調整層形成する態様、及び、下地材表面の全面を覆うように不陸調整用組成物を塗布して、下地材表面の全面に不陸調整層を形成する態様の双方を含む。
工程Xにおける不陸調整用組成物の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、鏝などの塗布具を用いた塗布など、本技術分野において常用される塗布方法が適用できる。
(下地材)
下地材としては、本発明の工法が適用できる下地材であれば、特に限定されないが、セメント系硬化体であることが好ましい。
本発明における下地材として適用しうるセメント系硬化体の例としては、押出成型セメント板、鉄筋コンクリート(RC)、プレキャストコンクリート(PC)、軽量気泡コンクリート(Autoclaved Lightweight Concrete)などのコンクリートが挙げられる。
(不陸調整用組成物)
工程Xに用いられる不陸調整用組成物は、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であり、且つ、硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性が、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率が40%〜200%である不陸調整用組成物である。
不陸調整用組成物は、下地材及び工程Yにおいて用いられる反応硬化型接着剤の双方との密着性に優れ、下地材の歪み追従性に寄与する優れた弾性を有する不陸調整層を形成でき、且つ、不陸調整層を形成する際に容易に塗布できる作業性にも優れた組成物である。
更に、例えば、本発明の工法を用いて外壁にタイル等の外装材を張る場合においては、不陸調整用組成物を用いて不陸調整層を形成して不陸調整する際に、不陸調整用組成物を、外壁全面、外壁躯体施工時に生じる打ち重ね部、コールドジョイント部、打ち継ぎ目地などに塗布することにより、不陸調整と共に、外壁の防水機能及び施工性についても向上させることもできる。
また、本発明における不陸調整用組成物は、不陸部分を部分的に補修する場合などにおいて、薄付けしてもドライアウト等の発生が抑制されることから、モルタルを適用する場合などの従来の不陸調整に比して、タイルの剥離・剥落に対する安全性が高くなる。
<粘度、粘度比>
不陸調整用組成物が有する粘度及び粘度比は、不陸調整層形成における作業性の観点から、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1(2008年度版)に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であることが必要である。
不陸調整用組成物の粘度Aが、1000Pa・sより小さいと、垂直面に施工する場合おいて垂れが生じ易くなり、不陸調整層を均一な層厚で形成することが困難となる。一方、粘度Aが3000Pa・sより大きいと、下地材表面にコテ等を用いて不陸調整用組成物を塗布する際の抵抗が大きくなり、作業性が悪化する。
不陸調整用組成物が有する粘度Aは、好ましくは1000Pa・s〜2500Pa・sであり、より好ましくは1000Pa・s〜2000Pa・sである。
不陸調整用組成物における粘度比(A/B)が、6より小さいと、不陸調整用組成物を鏝で塗り広げる際の施工性が悪化し、且つ、垂直面に施工する際に不陸調整用組成物に垂れが生じ易くなる。
不陸調整用組成物における粘度比(A/B)は、好ましくは6.3以上であり、より好ましくは6.5以上である。
本発明における粘度A及び粘度Bは、JIS K6833−1(2008年度版)の5.4.1a)方法1に準拠し、B形粘度計(東京計器(株)製)を用い、測定した粘度である。
<ダンベル物性>
不陸調整用組成物を硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性は、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率が40〜200%である。
不陸調整用組成物を硬化して得られた硬化物が示す最大引張強さが0.4N/mmより小さいと、硬化物の凝集力が弱く外力による歪み等が生じた場合に不陸調整層が破壊され易くなる。一方、2.0N/mmより大きいと硬化物が硬くなり過ぎるため、下地の歪み等で外装材が割れ易くなる。
硬化物が示す最大引張強さは、好ましくは0.4N/mm〜2.0N/mmであり、より好ましくは0.4N/mm〜1.5N/mmであり、特に好ましくは0.4N/mm〜1.3N/mmである。
不陸調整用組成物を硬化して得られた硬化物が示す破断時の伸び率が40%より小さいと、ディファレンシャルムーブメント等による歪みに追従できず、外装材が剥離、剥落し易くなる、一方、200%より大きいと重量の大きな外装材等を張付けた場合に不陸調整層が伸びてしまい、寸法安定性に欠けるため好ましくない。さらに、工程Yで反応硬化型接着剤を、クシ目鏝等を用いて塗り広げる場合には、不陸調整層が柔らか過ぎると、クシ目鏝での作業性が悪くなり、且つ、不陸を拾ってしまい外装材を平滑に施工することができないため好ましくない。
硬化物が示す破断時の伸び率は、好ましくは40%〜200%であり、より好ましくは40〜150%であり、特に好ましくは40〜130%である。
本発明の工法に用いられる不陸調整用組成物が有する粘度A及び粘度比(A/B)、並びに、不陸調整用組成物を硬化して得られた硬化物の物性(ダンベル物性)は、下地材と外装材との間の歪を緩和し、長期に亘り外装材の浮きや割れを防止する観点、施工品質を高めるために施工時の作業性を向上させる観点から、特に効果的な特性である。不陸調整用組成物が有するかかる特性は、不陸調整用組成物に含有される各成分の種類及び含有量の調整、等により調整することができる。例えば、不陸調整用組成物の好適な態様として後述する組成物の場合であれば、硬化性樹脂(A)、エポキシ化合物(B)、非反応性液状成分(C)、無機系充填材(D)の種類と、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)と、非反応性液状成分(C)及び無機系充填材(D)との含有比により調整することができる。
前記粘度A及び粘度比(A/B)を有し、且つ、得られた硬化物が示すダンベル物性が前記の範囲となる不陸調整用組成物としては、下記一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂(A)、エポキシ化合物(B)、非反応性液状成分(C)、及び、無機系充填材(D)を含有し、且つ、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、70質量部〜150質量部の前記非反応性液状成分(C)及び150質量部〜400質量部の無機系充填材(D)を含有する組成物であることが好ましい。
−SiR (X)3−n ・・・(1)
(一般式(1)中、Xは加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0、1又は2を示す。)
不陸調整用組成物Aは、硬化性樹脂(A)、エポキシ化合物(B)、非反応性液状成分(C)、及び、無機系充填材(D)の他、必要に応じて、更に他の成分を含有してもよい。
以下、不陸調整用組成物Aに含有される必須及び任意の成分について詳細に説明する。
[硬化性樹脂(A)]
不陸調整用組成物は、下記一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂(A)を含有する。
−SiR (X)3−n ・・・(1)
(一般式(1)中、Xは、加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0、1又は2を示す。)
一般式(1)中、Xで表される加水分解性基としては、特に限定されず、従来公知の加水分解性基であればよい。加水分解性基の例としては、ハロゲン基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミノ基、アミド基、酸アミド基、アミノオキシ基、メルカプト基、アルケニルオキシ基等が挙げられる。これらの加水分解性基の中でも、加水分解性が穏やかで取扱い易いという点で、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基が好ましい。
一般式(1)中、Rは炭素数1〜20のアルキル基の例としては、メチル基、エチル基等の直鎖又は分岐アルキル基、シクロヘキシル基等の環状アルキル基が挙げられる。中でも、反応性の点からは、R1としてはメチル基が特に好ましい。
硬化性樹脂(A)において、前記一般式(1)で表される加水分解性シリル基が結合する主鎖骨格としては、ポリオキシアルキレン、ビニル重合体、飽和炭化水素重合体、不飽和炭化水素重合体、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリジメチルシロキサン等のシリコーン樹脂、変成シリコーン樹脂、シリル化ウレタン樹脂などの樹脂において一般的に用いられている主鎖骨格が挙げられる。主鎖骨格としては、入手の容易さ、硬化物の皮膜物性等の点から、ポリオキシアルキレンであることが好ましい。
硬化性樹脂(A)としては、シリコーン樹脂又は変成シリコーン樹脂として販売されている市販品を用いてもよい。該市販品としては、例えば、株式会社カネカ製のサイリルシリーズ、MSポリマーシリーズ、MAシリーズ、SAシリーズ、ORシリーズ、エピオンシリーズ;旭硝子株式会社製のESシリーズ、ESGXシリーズ;エボニックデグサ社製のシラン変性ポリアルファオレフィン、信越化学工業株式会社製のKCシリーズ、KRシリーズ、X−40シリーズ;東亞合成株式会社製のXPRシリーズ、ARUFON USシリーズ;綜研化学株式会社製のアクトフローシリーズ等が挙げられる。
硬化性樹脂(A)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
不陸調整用組成物における硬化性樹脂(A)の含有量としては、組成物に含有される全固形分に対し、5質量%〜30質量%であることが好ましく、10質量%〜25質量%であることがより好ましい。
[エポキシ化合物(B)]
不陸調整用組成物は、エポキシ化合物(B)を含有する。
エポキシ化合物(B)は、分子内に1個以上のエポキシ基を有する化合物である。
不陸調整用組成物において、硬化性樹脂(A)とエポキシ化合物(B)とが併用されることにより、不陸調整用組成物により形成された不陸調整層と下地材及び反応硬化型接着剤により形成された層との密着性、不陸調整層の耐水性が向上する。
エポキシ化合物(B)の具体例としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アミンをエポキシ化したエポキシ樹脂、複素環を有するエポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂、ウレタン結合を有するウレタン変性エポキシ樹脂等の一分子中に一個以上のオキシラン環を含有する化合物等の従来公知のエポキシ基含有化合物が挙げられる。
エポキシ化合物(B)としては、市販品を用いてもよい。該市販品としては、例えば、DIC(株)製のエピクロンシリーズ;ダイセル化学工業(株)製のセロキサイドシリーズ、エポリードシリーズ、EHPEシリーズ、サイクロマーシリーズ;三菱化学社製のエピコートシリーズ、ダウケミカル日本(株)製のD.E.R.シリーズ等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
エポキシ化合物(B)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
不陸調整用組成物におけるエポキシ化合物(B)の含有量としては、組成物に含有される全固形分に対し、0.1質量%〜10質量%であることが好ましく、0.5質量%〜5質量%であることがより好ましい。
[非反応性液状成分(C)]
不陸調整用組成物は、非反応性液状成分(C)を含有する。
非反応性液状成分(C)は、不陸調整用組成物により得られる硬化物(不陸調整層)の硬さ、伸び等の物性の調整や、不陸調整層形成時における良好な作業性を維持するための粘度及び粘度比を調整する目的で含有される成分である。
非反応性液状成分(C)としては、例えば、可塑剤(c1)、希釈材(c2)として後述する成分が含まれる。
非反応性液状成分(C)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
不陸調整用組成物における非反応性液状成分(C)の含有量は、硬化性成分である加水分解性シリル基含有硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、70質量部〜150質量部であり、好ましくは75質量部〜130質量部であり、より好ましくは80質量部〜100質量部である。
非反応性液状成分(C)の含有量が70質量部よりも少ないと、不陸調整用組成物により形成される不陸調整層(硬化物)が硬くなり、下地材と外装材との間に生じる歪みを緩和できなくなる。また、不陸調整用組成物の粘度が高くなり過ぎ、不陸調整の作業性が低下する。
非反応性液状成分(C)の含有量が150質量部よりも多いと、不陸調整用組成物により形成される不陸調整層(硬化物)が脆くなり、長期に亘って外装材の浮き等を防止できない。また、不陸調整用組成物を壁面などに塗布した際において、液垂れが生じてしまい作業性が低下すると共に、形成された不陸調整層についても不陸調整に必要な所望の層厚が得られない。
<可塑剤(c1)>
可塑剤(c1)は、硬化物物性(弾性)を調整する目的で、非反応性液状成分(C)として不陸調整用組成物に含有させうる化合物である。
可塑剤(c1)の添加量を増やすほど、不陸調整用組成物により形成される不陸調整層(硬化物)硬化物は軟らかくなる傾向がある。
可塑剤(c1)は、沸点が250℃以上の化合物である。沸点が250℃よりも低い可塑剤を用いた場合、不陸調整材中の可塑剤が経時で揮発することで硬化物の物性が変化する(硬くなる)ため好ましくない。
可塑剤(c1)の例としては、ポリプロピレングリコール(PPG)、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)の共重合体、フタル酸エステル系化合物(フタル酸ジオクチル(DOP)、フタル酸ジブチル(DBP)、フタル酸ジイソノニル(DINP)、フタル酸ジイソデシル(DIDP)、フタル酸ブチルベンジル(BBP)等)、アルキルスルホン酸エステル系化合物、アクリル樹脂、アジピン酸エステル系化合物、炭化水素系化合物などが挙げられる。
特に、硬化性樹脂(A)の主鎖と同種の化合物を可塑剤として用いることが、相溶性等の観点から好ましい。硬化性樹脂(A)の主鎖としてポリオキシアルキレンであることが好ましいため、ポリプロピレングリコール(PPG)や、ポリエチレングリコール(PEG)、プロピレンオキサイド(PO)とエチレンオキサイド(EO)の共重合体を可塑剤として使用することが好ましい。
可塑剤(c1)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
可塑剤(c1)を含有する場合、その含有量としては、硬化性成分である硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部〜150質量部であり、より好ましくは40〜100質量部であり、特に好ましくは45〜80質量部である。
可塑剤(c1)の配合量が10質量部よりも少ないと、該不陸調整材が固くなり、コンクリート下地と外装材との歪みを緩和できなくなる場合がある。一方、可塑剤(c1)の配合量が150質量部よりも多いと、相対的に硬化性樹脂(A)の含有割合が少なくなり不陸調整層(硬化物)が脆くなったり、不陸調整層(硬化物)が軟らかくなり過ぎてしまい工程Yで行う反応硬化型接着剤の塗布の際に、塗布に用いるクシ目ゴテが不陸を拾ってしまい平滑面が損なわれるたり、下地が軟らかくクシ目ゴテの作業性が悪くなることが生じたりする場合がある。
[希釈剤(c2)]
希釈剤(c2)は、不陸調整用組成物の粘度、不陸調整層を形成する際の作業性を調整する目的で、非反応性液状成分(C)として不陸調整用組成物に含有させうる化合物である。
希釈剤(c2)は沸点が250℃以下であり、且つ硬化性樹脂(A)との反応性を示さない化合物である。
また、希釈材(c2)としては、不陸調整層形成後に揮発して、最終的には不陸調整層中に殆ど残らないものが好ましい。
希釈剤(c2)として、一般的な有機溶剤が好適に使用できる。
有機溶剤としては、例えば、ベンゼン、トルエン、キシレン等のアルキルベンゼン系溶媒、ヘプタン、ヘキサン等の飽和炭化水素系溶媒、ミネラルスピリット、石油系溶媒等の炭化水素系溶剤、イソパラフィン化合物、トリクロロエチレン、塩化メチレン、パークロロエチレン等のハロゲン系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソブチル等のエステル系溶剤、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール等のアルコール系溶剤等が挙げられる。
希釈剤(c2)を含有する場合、その含有量としては、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部〜80質量部であり、より好ましくは15質量部〜60質量部、特に好ましくは20質量部〜50質量部である。
希釈剤(c2)の含有量が10質量部よりも少ないと、不陸調整用組成物の粘度が高く作業性の低下が起こる場合がある。一方、希釈剤(c2)の含有量が80質量部よりも多いと、希釈剤(c2)の揮発に伴い不陸調整材が収縮し寸法安定性が低下する場合や、収縮に伴う応力(ストレス)が発生する場合がある。
[無機系充填材(D)について]
不陸調整用組成物は、無機系充填材(D)を含有する。
無機系充填材(D)は、不陸調整層(硬化物)に強靱性を与えたり、硬化物の物性を調整して接着強さを向上させたり、不陸調整用組成物に揺変性(粘度比)を付与する効果がある。
不陸調整用組成物においては、揺変性(粘度比)が高いほど、低せん断における粘度が高くなり、高せん断における粘度が低くなる。つまり、低せん断における粘度が高くなることによって、該不陸調整用組成物を垂直面に施工した際においても、不陸調整用組成物の液垂れ等が起き難くなり、さらには高せん断における粘度が低くなることによって、コテで不陸調整用組成物を下地材表面に塗り広げる際における抵抗が少なくなり作業性が向上する。
無機系充填材(D)としては、例えば、炭酸カルシウム系、炭酸マグネシウム系、クレー系、タルク系、シリカ系、フュームドシリカ系、ガラスバルーン系、水酸化アルミニウム系、水酸化マグネシウム系等の充填材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
揺変性を付与する効果は、無機系充填材の粒子径が細かいほど(比表面積が大きいほど)向上することから、粒子径が細かい無機系充填材(D)を用いることで、より大きな揺変性を付与した不陸調整用組成物が得られる。
また、粒子径が細かい無機系充填材(D)としては、表面処理剤により表面処理されたものを用いるとより揺変性が高まる。
表面処理剤としては、パルミチン酸、カプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸等に代表される脂肪酸や不飽和脂肪酸、及び、ロジン酸系化合物等のカルボン酸及びそのエステル、ヘキサメチルジシラザン、クロロシラン、アミノシラン等のシラン化合物、パラフィン系化合物などが挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
表面処理剤により表面処理が施され、粒子径が細かい無機系充填材(D)の例としては、後述する無機系充填材(d1)が挙げられる。
無機充填材の表面を表面処理剤により処理することによって、無機充填材の粒子同士の凝集が低減され、分散性が向上することで揺変性が高まる。
また、表面処理剤同士や、表面処理剤と不陸調整用組成物中に含有される成分との相互作用によっても揺変性が高まる。
粒子径が大きい無機系充填材(D)を不陸調整材中に配合することによって、不陸調整材の作業性、特にはコテ切れ性がよくなる。
ここで、「コテ切れ性」とは、不陸調整用組成物をコテ等の塗布具を用いて下地材表面に平滑に塗り広げて塗布層を形成し、該塗布具を塗布層から離す際における塗布具からの不陸調整用組成物の離れ易さのことである。
不陸調整用組成物における無機系充填材(D)の含有量は、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、150質量部〜400質量部であり、好ましくは200質量部〜380質量部であり、より好ましくは250質量部〜350質量部である。
無機系充填材(D)の含有量が150質量部よりも少ないと、不陸調整用組成物の揺変性が低くなり、不陸調整用組成物を垂直面に施工した際において液垂れ等が起きやすくなる。また、無機系充填材(D)の含有量が400質量部よりも多いと、不陸調整用組成物により形成された不陸調整層(硬化物)が脆くなり、長期に亘って外装材の浮き等を防止できない。また、不陸調整用組成物の粘度も高くなり、不陸調整層を形成する際における作業性が低下する。
無機系充填材(D)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機系充填材(D)としては、粒子径が20nm〜60nmであり表面処理された無機系充填材(d1)、及び、粒子径が150μm〜350μmであり表面無処理の無機系充填材(d2)を含むことが好ましい。
[粒子径が20nm〜60nmの表面処理された無機系充填材(d1)]
粒子径が20nm〜60nmの表面処理された無機系充填材(d1)は、不陸調整用組成物に揺変性を付与するために用いられる。
無機系充填材(d1)の粒子径は、20nm〜60nmであり、好ましくは20nm〜40nmである。表面処理された無機系充填材の粒子径が20nmよりも小さいと、充填材の凝集が起こりやすく、不陸調整用組成物を製造する際に充填材が舞ってしまうため好ましくない。一方、表面処理された無機系充填材の粒子径が60nmよりも大きいと、揺変性を付与する効果が小さいことから、組成物中に大量に配合しなければならなくなるため好ましくない。
無機系充填材(d1)としては、無機系充填材(D)として適用しうる充填材として挙げた充填材の表面を、表面処理剤を用いて処理したもののうち、粒子径が、20nm〜60nmであるものが挙げられる。
無機系充填材(d1)としては市販品も用いることができる。該市販品としては、MSK−C、MSK−K、カルファイン200M、カルファイン500、カーレックス100、カーレックス300、MS−100M、シーレッツ200、N−2、MC−K、ユニグロス1000(以上、丸尾カルシウム社製商品名)や、ビスコエクセル30、ビスコエクセル30−K、(以上、白石カルシウム社製商品名)等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
無機系充填材(d1)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機系充填材(d1)を含有する場合、その含有量としては、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは100〜300質量部であり、より好ましくは110〜250質量部、特に好ましくは120〜200質量部である。無機系充填材(d1)の配合量が100質量部よりも少ないと、揺変性を付与する効果が小さくなる場合ある。一方、無機系充填材(d1)が配合量300質量部よりも多いと、揺変性は高くなるが粘度も高くなり作業性が低下する場合ある。
[粒子径が150μm〜350μmの表面無処理の無機系充填材(d2)]
粒子径が150μm〜350μmの表面無処理の無機系充填材(d2)を、不陸調整用組成物中に含有させることによって、不陸調整層を形成する際の作業性、特にはコテ切れ性が良好になる。
不陸調整用組成物中に、粒子径が150μm〜350μmという粗い表面無処理の無機系充填材(d2)を含有させることにより、硬化前にあって、該充填材(d2)がきっかけとなり不陸調整用組成物の破断(組成物の凝集力が一時的に低下する状態)をしやすくさせて、コテ切れ性が向上する。コテ切れ性が悪いと、コテを不陸調整用組成物(塗布層)から離した箇所が毛羽立ち、酷い場合には盛り上がる等の不具合を生じてしまう。
無機系充填材(d2)としては、例えば、炭酸カルシウム系、ケイ砂、炭酸マグネシウム系、クレー系、タルク系、シリカ系、フュームドシリカ系、ガラスバルーン系、フライアッシュバルーン系、シラスバルーン系、水酸化アルミニウム系、水酸化マグネシウム系等の充填材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機系充填材(d2)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機系充填材(d2)を含有する場合、その含有量としては、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは10質量部〜300質量部であり、より好ましくは30質量部〜250質量部、特に好ましくは50質量部〜200質量部である。
無機系充填材(d2)の含有量が10質量部よりも少ないと、コテ切れ性向上の効果が小さくなる場合がある。一方、無機系充填材(d2)の含有量が、300質量部よりも多いと、不陸調整層(硬化物)が脆くなる場合がある。
[粒子径が30μm〜100μmの表面無処理の無機系充填材(d3)]
無機系充填材(D)としては、無機系充填材(d1)及び無機系充填材(d2)と共に、更に、粒子径が30μm〜100μmの表面無処理の無機系充填材(d3)を含有することが好ましい。
粒子径が小さい無機系充填材(d1)、及び、粒子径が150μm〜350μmと大きい無機系充填材(d2)と共に、更に、粒子径が30μm〜100μmの表面無処理の無機系充填材(d3)を含有することにより、各充填材粒子の粒子径の違いから生じる分散不良を改善する効果が向上し、不陸調整用組成物はより滑らかな粘性を有するものとなり、不陸調整層を形成する際における作業性が向上する。
無機系充填材(d3)としては、例えば、炭酸カルシウム系、ケイ砂、炭酸マグネシウム系、クレー系、タルク系、シリカ系、フュームドシリカ系、ガラスバルーン系、フライアッシュバルーン系、シラスバルーン系、水酸化アルミニウム系、水酸化マグネシウム系等の充填材が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
無機系充填材(d3)は、単独又は2種以上を組み合わせて使用できる。
無機系充填材(d3)を含有する場合、その含有量としては、硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対して、好ましくは5質量部〜150質量部であり、より好ましくは5質量部〜100質量部であり、特に好ましくは5質量部〜80質量部である。
無機系充填材(d3)の含有量が5質量部よりも少ないと、分散性改善によるコテ切れ性向上の効果が小さくなる場合がある。一方、無機系充填材(d3)の含有量が150質量部よりも多いと、相対的に無機系充填材(d2)の含有割合が少なくなりコテ切れ性が低下する場合がある。
[酸化カルシウム、水酸化カルシウム:成分(E)]
不陸調整用組成物は、更に、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種の成分(E)を、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、1質量部〜100質量部含有することが好ましい。不陸調整用組成物に、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムの少なくとも1種を含有することにより、不陸調整層の耐水接着性を向上させることができる。
不陸調整用組成物に、成分(E)を含有させる場合、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムの一方のみを含有させてもよいし、双方を含有させてもよい。不陸調整用組成物の貯蔵安定性の観点からは、酸化カルシウムを含有することが好ましい。
成分(E)を含有する場合、その含有量としては、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、好ましくは1質量部〜100質量部であり、より好ましくは3質量部〜50質量部、特に好ましくは5質量部〜40質量部である。
成分(E)の含有量が1質量部よりも少ないと添加したことによる耐水接着性向上の効果が充分に発揮されない場合がある。一方、成分(E)の含有量が100質量部よりも多いと、不陸調整層(硬化物)が脆くなる場合がある。
[その他成分]
本発明に係る不陸調整用組成物中には、前記以外の他の成分として、従来公知の任意の化合物を配合することができる。
そのような化合物としては、例えば、従来公知の硬化触媒、老化防止剤、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等のシランカップリング剤、フェノール樹脂、石油樹脂、テルペン樹脂等の粘着付与剤、アマイドワックス等の揺変剤、ハロゲン系難燃剤、リン系難燃剤、シリコーン系難燃剤等の難燃剤、シリコーンアルコキシオリゴマー、アクリルオリゴマー等の機能性オリゴマー、顔料、エチルシリケート、プロピルシリケート、ブチルシリケート等のシリケート化合物及びそのオリゴマー、チタネートカップリング剤、ジルコニウム系カップリング剤、アルミニウムカップリング剤、乾性油等が挙げられ、これらを単独で又は2種以上配合することができる。
工程Xにおいて形成された不陸調整層が硬化した後、工程Yが行われる。
本発明の工法においては、不陸調整層が硬化した後、工程Yを行う前において、高圧洗浄などの特段の後処理をする必要はない。
〔工程Y〕
工程Yでは、工程Xにおいて不陸調整層が形成された下地材上に、反応硬化型接着剤を用いて、外装材を張り付ける。
工程Yの一例として、先ず、工程Xにおいて不陸調整が行われた下地材上に、反応硬化型接着剤を塗布する。反応硬化型接着剤の塗布は、外装材を張り付ける領域に塗布されればよい。
工程Yにおける反応硬化型接着剤の塗布方法としては、特に限定されるものではなく、コテ等の塗布具を用いた塗布など、本技術分野において常用される塗布方法が適用できる。
反応硬化型接着剤の塗布量は、塗布面の形状、塗布面積などに応じて適宜設定される。
(反応硬化型接着剤)
工程Yに用いる反応硬化型接着剤としては、下地材と外装材との接着に用いられる公知の接着剤を適用することができる。
下地材及び不陸調整層との密着性、耐久性の観点からは、反応硬化型接着剤としては、変成シリコーン系接着剤が好ましい。特に外装用として使用する場合には、耐水接着性を兼ね備えた変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤を用いることがより好ましい。
また、配合の手間の簡略化や、配合ブレの抑制、等の観点から、1液型の接着剤であることがさらに好ましい。
変成シリコーン樹脂とは、加水分解性シリル基がアルコキシシリル基である硬化性樹脂であり、シーラント、接着剤、塗料等のベースポリマーとして広く用いられている。該変成シリコーン樹脂は、加水分解性シリル基であるアルコキシシリル基が大気中の水分で加水分解し架橋する、いわゆる湿気硬化型ポリマーである。該湿気硬化型ポリマーとしては、例えば、特開昭52−73998号公報、特開昭63−112642号公報などに記載されるポリマーが挙げられる。
変成シリコーン樹脂にエポキシ樹脂を添加してなる変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤を適用することで、各種被着体への密着性、耐水接着性が向上する。
工程Yに用いる反応硬化型接着剤として適用しうる、変成シリコーン樹脂系接着剤、及び、変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤を含む反応硬化型接着剤としては、市販品を用いることもできる。該市販品としては、例えば、コニシ株式会社製のエフレックスタイルワンシリーズ、ボンドEMS20;セメダイン株式会社製のタイルエースシリーズ;株式会社INAX社製のワンパックボーイシリーズ;株式会社タイルメント社製のフレックスシリーズ等が挙げられるが、これらに限定されない。
(外装材の張り付け)
反応硬化型接着剤の塗布に次いで、外装材を張り付ける。
外装材としては、タイル、石材、レンガ、外装用ボード、等が挙げられる。本発明の工法は、タイルの張り付けに特に好適に適用することができる。
タイルの種類としては、特に限定はされないが、JIS A 5209(2008年度版)に記載される規格を満たすタイルであることが好ましい。
〔その他の工程〕
本発明の工法においては、工程X、工程Yの他、必要に応じて他の工程を含んでいてもよい。他の工程としては、例えば、工程X及び工程Yの後に行われる乾燥工程、防水処理、シーリング処理工程、目地埋め工程などが含まれる。
本発明の工法の実施形態例について、図面を用いて説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
−実態態様例1−
図1は、本発明の工法の実施形態の一例を示す概略断面図である。
図1中、1はコンクリートからなる下地材を示す。実施態様例1においては、該下地材1の表面に存在する不陸部分のみを埋めるように不陸調整用組成物を塗布し、硬化させて、不陸調整層2(硬化物)が形成される(工程X)。
次いで、不陸調整層2の形成後の下地材1の表面の所定の領域に反応硬化型接着剤3を塗布した後、外装材であるタイル4を張り付ける(工程Y)。
反応硬化型接着剤3が硬化した後、目地にシーリング処理を施す(不図示)。
−実施態様例2−
図2は、本発明の工法の他の実施形態の一例を示す概略断面図である。図2中に示される各符号は、図1と同一のものを示す。
図2に示す実施形態2では、図1に示す実施態様例1において、下地材1の表面に存在する不陸部分のみを埋めるように形成された不陸調整層2を、下地材1の表面全体に亘って形成した以外は、実施態様例1と同様の工程を実施する。
以下、本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに制限されない。
まず、実施例及び比較例において、不陸調整用組成物の調整に用いた各成分の詳細を以下に示す。
<硬化性樹脂(A)>
・硬化性樹脂(A−1):変成シリコーン樹脂(商品名:SILYL EST280、カネカ社製、粘度:7000mPa・s)
<エポキシ化合物(B)>
・ビスフェノールA型エポキシ樹脂(商品名:エピコート828、ジャパンエポキシレジン社製)
・3−グリシドキシプロピルメトキシシラン(商品名:KBM403、信越化学工業社製)
<非反応性液状成分(C)>
・可塑剤(c1):プロピレングリコール(商品名:アデカポリエーテル P3000、ADEKA社製、分子量:3000、)
・希釈剤(c2):イソパラフィン炭化水素(商品名:IPソルベント1620、出光興産社製、)
<無機系充填材(D)>
・無機系充填材(d1):脂肪酸で表面処理した炭酸カルシウム(商品名:ビスコエクセル30、白石カルシウム社製、平均粒径:30nm)
・無機系充填材(d2):ガラスバルーン(商品名:フジバルーン S−35、富士シリシア化学社製、平均粒径:40μm)
・無機系充填材(d3):炭酸カルシウム(商品名:NSK−1、ニッチツ社製、平均粒径:260μm)
<成分(E)>
・酸化カルシウム(E):酸化カルシウム(商品名:ボルミック、青倉石灰工業社製)
<その他の成分>
・硬化触媒(1):スズ触媒(商品名:ネオスタンU−700、日東化成社製、硬化性樹脂(A)の硬化触媒)
・テトラエトキシシラン(商品名:DYNASYLAN A、エボニックデグサジャパン社製、)
・ケチミン化合物(1):(商品名:エピキュアH−30、三菱化学社製)
本発明の工法に適用される不陸調整用組成物(実施例1〜3の不陸調整用組成物)、及び、比較用の不陸調整用組成物(比較例1〜6の不陸調整用組成物)を、以下の如く調製した。得られた各不陸調整用組成物について、その物性及び該本発明の工法に適用した際の性能について評価した。
[実施例1]
硬化性樹脂(A−1)90gに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂7.0g、可塑剤(c1)60g、表面処理された無機系充填材(d1)200g、酸化カルシウム(E)10gをプラネタリーミキサーに投入し、減圧下にて100℃で1時間加熱脱水しながら混練し、室温まで冷却した後、これに3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン3g、希釈剤(C−2)35g、硬化触媒1g、テトラエトキシシラン7g、ケチミン化合物4gを添加し、減圧下にて15分間混練して、実施例1の不陸調整用組成物を得た。
[実施例2]
実施例1の不陸調整用組成物の調製において、表面処理された無機系充填材(d1)を160gにし、加熱脱水前に無機充填材(d2)10g、無機充填材(d3)150g添加した以外は実施例1と同様にして、実施例2の不陸調整用組成物を得た。
[実施例3]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、酸化カルシウム(E)を100gにした以外は実施例2と同様にして、実施例3の不陸調整用組成物を得た。
[比較例1]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、酸化カルシウム(E)を150gにした以外は実施例2と同様にして、比較例1の不陸調整用組成物を得た。
[比較例2]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、可塑剤(c1)を40g、希釈剤(c2)を10gにした以外は実施例2と同様にして、比較例2の不陸調整用組成物を得た。
[比較例3]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、可塑剤(c1)を120g、希釈剤(c2)を70gにした以外は実施例2と同様にして、比較例3の不陸調整用組成物を得た。
[比較例4]
実施例1の不陸調整用組成物の調製において、可塑剤(c1)を40g、表面処理された無機系充填材(d1)を100g、希釈剤(c2)を10gにした以外は実施例1と同様にして、比較例4の不陸調整用組成物を得た。
[比較例5]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、可塑剤(c1)を100g、表面処理された無機系充填材(d1)を320g、無機充填材(d2)を20g、無機充填材(d3)を300g、希釈剤(c2)を50gにした以外は実施例2と同様にして、比較例5の不陸調整用組成物を得た。
[比較例6]
実施例2の不陸調整用組成物の調製において、表面処理された無機系充填材(d1)を配合せず、無機充填材(d2)を20g、無機充填材(d3)を300gにした以外は実施例2と同様にして、比較例6の不陸調整用組成物を得た。
[評価]
(1)不陸調整用組成物の粘度、粘度比
実施例及び比較例において調製した不陸調整用組成物について、JIS K6833−1に準拠し、B形粘度計(東京計器(株))を用いて、23℃の温度条件下、回転数1r/minで粘度(粘度A)及び、回転数10r/minで測定した粘度(粘度B)を測定した。
更に、測定された各組成物の粘度A及びBに基づき、粘度比(A/B)を算出した。
結果を表1に示す。
(2)ダンベル物性測定及び硬化物物性の評価
(2−1)ダンベル物性測定
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物の硬化物について、JIS A5557に準拠して、最大引張強さ、及び、破断時の伸び率を測定した。測定方法の詳細は、以下の通りである。測定結果を表1に示す。
−測定方法−
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物を、各々、深さ2mmの型枠に均一に充填し、23℃±2℃、50±10%RHにて4週間養生した後、JIS K6251に規定するダンベル状5号形試験片を採取した。
得られた試験片を、23℃±2℃、50±10%RH条件下で、島津製作所製のオートグラフを用いて、引張速度を100mm/minに設定し、試験片が破断するまで加力した際における最大引張強さ(N/mm)及び破断時の伸び(%)を測定した。
(2−2)硬化物物性の評価
上記にて得られた測定結果に基づき、下記の評価基準に基づき硬化物物性を評価した。
○:ダンベル物性の最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mm、破断時の伸びが40〜200%であるもの
×:ダンベル物性の最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mm、破断時の伸びが40〜200%でないもの。
(3)作業性の評価
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物を、セメント系硬化体により構成された垂直壁面に、コテを用いて塗り広げた際の作業性について評価を行った。評価基準を以下に示す。
◎ :塗り広げ作業性が非常に良好であったもの
○ :塗り広げ作業性が良好であったもの
× :不陸調整用組成物の粘度が高く、コテでの作業が重く作業性が悪かったもの
××:不陸調整用組成物の粘度・粘比が低く、垂直面に塗ると垂れてしまったもの
(4)コテ切れ性
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物を、セメント系硬化体により構成された垂直壁面に、コテを用いて塗り広げ、コテを不陸調整用組成物から離す際における不陸調整用組成物からのコテ離れについて、コテ切れ性として評価を行った。評価基準を以下に示す。
◎:非常に良好なコテ切れ性を示したもの
○:良好なコテ切れ性を示したもの
×:コテ切れ性が悪いもの
(5)下地密着性
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物を、モルタル板に厚さ約2mmになるように塗布して、不陸調整用組成物層を形成した。形成された不陸調整用組成物層を、23℃±2℃、50±10%RHにて4週間養生した後、手で不陸調整用組成物層を剥離し、その際の抵抗感を評価した。なお、不陸調整用組成物層を手で剥離する際に、手で掴む部分には、不陸調整用組成物をモルタル板に接着させない目的で、予めモルタル板にテフロン(登録商標)テープを貼り着けておいた。評価基準を以下に示す。
○:抵抗感があり、良好な接着性を示したもの
×:下地に接着はしていたものの、剥離抵抗感が小さかったもの
(6)外装材の密着性の評価
実施例及び比較例において調製した各不陸調整用組成物を、モルタル板に厚さ約2mmになるように塗布し、23℃±2℃、50±10%RHにて7日間養生した。形成された不陸調整用組成物層上に、反応硬化型接着剤であるボンドエフレックスタイルワン(コニシ株式会社製、変成シリコーン・エポキシ樹脂系接着剤)を、JIS A 5557(2006年度版)に記載の標準クシ目ゴテ(平均塗布量:2Kg/m)を用いて塗布した後、JIS A5209に規定する45mm×45mm×7mmの陶磁器質タイルを張り付け、23℃±2℃、50±10%RHにて4週間養生し密着性評価用の試験体とした。
得られた試験体を用いて、JIS A 5557に記載される接着強さ試験に倣い、23℃±2℃、50±10%RHの条件下で島津製作所製のオートグラフを用いて、引張速度3mm/minで引張試験を行い、破断するまでの最大荷重及び破壊状態を測定した。
評価基準を以下に示す。
○ :最大荷重が0.6N/mm以上であり、且つ、不陸調整用組成物層と反応硬化型接着剤の界面での破壊が10%未満であるもの
× :最大荷重が0.6N/mm未満であり、且つ、不陸調整用組成物層と反応硬化型接着剤の界面での破壊が10%未満であるもの
××:不陸調整用組成物層と反応硬化型接着剤の界面での破壊が10%以上であるもの
表1に示される結果から分かるように、各実施例にて調製した不陸調整用組成物は、本発明に係る粘度、粘度比、ダンベル物性を満たしており、作業性、コテ切れ性、硬化物物性、密着性のいずれの評価においても優れていた。
従ってこれらの結果から、実施例にて調製した不陸調整用組成物を用いて、本発明に係る工程X及び工程Yを実施することにより、不陸を有する下地に対しても、タイル等の外装材を優れた密着性及び追随性にて張ることができ、且つ、施工性に優れた外装工法が提供されることが分かる。
1 下地材
2 不陸調整層
3 反応硬化型接着剤
4 タイル(外装材)

Claims (8)

  1. 下地材表面の少なくとも一部に、B形粘度計を用いて、JIS K6833−1に準拠し、23℃の温度条件下、回転数1r/minで測定した粘度Aが、1000Pa・s〜3000Pa・sの範囲であり、該粘度Aと回転数10r/minで測定した粘度Bとの粘度比(A/B)が6以上であり、且つ、硬化して得られた硬化物が示すJIS A5557に準拠して測定したダンベル物性が、最大引張強さが0.4N/mm〜2.0N/mmであり、破断時の伸び率が40%〜200%である不陸調整用組成物を塗布して不陸調整層を形成する工程Xと、
    該不陸調整層が形成された下地材上に、反応硬化型接着剤を用いて、外装材を張り付ける工程Yと、を含む外装工法。
  2. 前記下地材が、セメント系硬化体である請求項1に記載の外装工法。
  3. 前記X工程に用いる不陸調整用組成物が、下記一般式(1)で表される加水分解性シリル基を有する硬化性樹脂(A)、エポキシ化合物(B)、非反応性液状成分(C)、及び、無機系充填材(D)を含有し、且つ、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、70質量部〜150質量部の前記非反応性液状成分(C)及び150質量部〜400質量部の無機系充填材(D)を含有する請求項1又は請求項2に記載の外装工法。
    −SiR (X)3−n ・・・(1)
    (一般式(1)中、Xは、加水分解性基を示し、Rは炭素数1〜20のアルキル基を示し、nは0、1又は2を示す。)
  4. 前記非反応性液状成分(C)が、可塑剤(c1)及び希釈剤(c2)から選択された少なくとも1種を含む請求項3に記載の外装工法。
  5. 前記無機系充填材(D)が、粒子径が20nm〜60nmであり表面処理された無機系充填材(d1)、及び、粒子径が150μm〜350μmであり表面無処理の無機系充填材(d2)を含む請求項3又は請求項4に記載の外装工法。
  6. 前記無機系充填材(D)が、更に、粒子径が30μm〜100μmであり表面無処理の無機系充填材(d3)を含む請求項5に記載の外装工法。
  7. 前記X工程に用いる不陸調整用組成物が、更に、酸化カルシウム及び水酸化カルシウムから選択される少なくとも1種の成分(E)を、前記硬化性樹脂(A)及びエポキシ化合物(B)の合計100質量部に対し、1質量部〜100質量部含有する請求項3から請求項6のいずれか1項に記載の外装工法。
  8. 前記Y工程に用いる反応硬化型接着剤が、1液湿気硬化型変成シリコーン樹脂系接着剤である請求項1から請求項7のいずれか1項に記載の外装工法。
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