JP2007277480A - 目地材組成物、目地形成方法及び目地構造 - Google Patents

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Abstract

【課題】
水による拭き取り施工が可能で、かつ、下地の動きに追従する事で目地の割れや欠けを生じにくく、タイル及び石材等の建材の割れを防ぐことができる、作業性、弾力性、接着性及び耐水性に優れた目地材組成物、該目地材組成物を使用した目地形成方法、及び目地構造を提供する。
【解決手段】
(a)加水分解性珪素基を有する重合体、及び(b)シリコーン系界面活性剤を含有し、前記(a)重合体100重量部に対し、前記(b)界面活性剤5〜50重量部を配合してなるようにした。
【選択図】 図2

Description

本発明は、タイルや石材間等の建材同士の間に形成される目地間隙に充填される目地材組成物、該目地材組成物を用いた目地形成方法、及び目地構造に関し、より詳しくは、水による拭き取り施工性が良好であり、かつ、弾力性、接着性及び耐水性に優れた目地材組成物、該目地材組成物を使用して塗り目地法等にて目地を形成する方法、及び目地構造に関する。
従来、タイル及び石材間に形成される目地間隙への目地詰めには、一般にセメントを主成分とする無機系目地材が用いられていた。このような目地材の目地詰め方法としては施工効率のよい塗り目地法が広く採用されている。この塗り目地法は、ペースト状の目地材を床や壁のタイル又は石材の一面に塗り込み、目地間隙に目地材を充填し、その後、タイル又は石材の表面の余分な目地材を拭き取る方法であり、きわめて効率良く目地詰めを行うことができる(例えば、特許文献1及び2等参照)。
無機系目地材は水性な為、目地詰め施工中にタイル表面に付着した余分な目地材を水で湿らせたスポンジなどで容易に拭き取ることができる。しかしながら、無機系目地材は弾力性に乏しい為、たわみが生じる下地に施工された場合、割れや欠けを生じ易く、また下地の動きに追従できず、タイル割れを起こすといった問題があった。
前記問題点を解決するために、近年、無機系目地材にかわり、弾性のある有機系目地材が使用される傾向にあるが、有機系目地材は非水性な為、塗り目地により目地詰めを行った場合、目地詰め後、タイル表面に付着した余分な目地材をかき取った後、さらにタイル表面に残存している目地材の汚れを拭き取る為に有機溶剤を用いる必要があり、洗浄作業が煩雑であった。塗り目地法以外の施工方法としては、たとえば、目地の部分のみに目地材を詰める一本目地や、タイル表面をマスキング処理し、目地材を充填した後、マスキング塗膜を剥離除去する方法等があるが(特許文献3)、いずれも無機系目地材に比べて作業性が劣るといった問題があった。
特開平5−156781号公報 特開2001−49240号公報 特開昭63−295207号公報
本発明は、上記の従来技術に伴う問題を解決するものであって、その目的は水による拭き取り施工が可能で、かつ、下地の動きに追従する事で目地の割れや欠けを生じにくく、タイル及び石材等の建材の割れを防ぐことができる、作業性、弾力性、接着性及び耐水性に優れた目地材組成物、該目地材組成物を使用した目地形成方法、及び目地構造を提供するものである。
本発明者らは、(a)加水分解性珪素基を有する重合体100重量部に対し、(b)シリコーン系界面活性剤5〜50重量部を配合することにより、水による拭き取り施工が可能になることを見いだし、本発明に至った。
即ち、本発明の目地材組成物は、(a)加水分解性珪素基を有する重合体、及び(b)シリコーン系界面活性剤を含有し、前記(a)重合体100重量部に対し、前記(b)界面活性剤5〜50重量部、より好ましくは15〜35重量部を配合してなることを特徴とする。本発明の目地材組成物は、23℃における粘度が50〜700Pa・sであることが好ましい。
本発明の目地材組成物は、さらに、(c)シランカップリング剤を含有することが好ましく、前記(a)重合体100重量部に対し、前記(c)シランカップリング剤を0.5〜10重量部配合することがより好適である。前記(c)シランカップリング剤がアミノシランであることが好ましい。
本発明の目地形成方法は、目地材をタイル又は石材間に形成される目地間隙に詰めて目地を形成する方法であって、前記目地材が本発明の目地材組成物であることを特徴とする。本発明方法において、塗り目地法により前記目地材を目地間隙に充填することが好ましい。
本発明の目地構造は、目地間隙に目地材が充填された目地構造であって、前記目地材が本発明の目地材組成物であることを特徴とする。
本発明によれば、水による拭き取りが可能となり、塗り目地法によって効率の良く施工ができると共に、下地の動きに追従することで目地の割れや欠けを生じにくく、タイルまたは石材の割れを防ぐという効果を達成することができる。
以下に本発明の実施の形態を説明するが、これらは例示的に示されるもので、本発明の技術思想から逸脱しない限り種々の変形が可能なことは言うまでもない。
本発明の目地材組成物は、(a)加水分解性珪素基を有する重合体、及び(b)シリコーン系界面活性剤を含有する。
本発明の目地材組成物の成分(a)加水分解性珪素基を有する重合体としては、珪素原子に結合した水酸基又は加水分解性基を有し、シロキサン結合を形成することにより架橋しうる珪素含有基、すなわち加水分解性珪素基を有する有機重合体が使用される。
前記加水分解性珪素基は、特に限定はないが、分子内に1〜6個含まれるのが一般的ある。加水分解性珪素基の位置は特に限定されず、有機重合体分子鎖の末端あるいは内部にあってもよく、両方にあってもよいが、分子鎖末端にあることが好ましい。更に、加水分解性珪素基は、架橋しやすく製造しやすい下記一般式(1)で示されるものが好ましい。
〔式(1)中、Rは炭素数1〜20の置換もしくは非置換の1価の有機基であり、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数6〜20のアリール基又は炭素数7〜20のアラルキル基が好ましく、メチル基が最も好ましい。Rが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。Xは水酸基又は加水分解性基であり、ハロゲン原子、水素原子、水酸基、アルコキシ基、アシルオキシ基、ケトキシメート基、アミド基、酸アミド基、メルカプト基、アルケニルオキシ基及びアミノオキシ基から選択される基が好ましく、アルコキシ基がより好ましく、メトキシ基が最も好ましい。Xが複数存在する場合、それらは同じであっても異なってもよい。nは1、2又は3であり、2が最も好ましい。〕
前記加水分解性珪素基を有する重合体(a)において、加水分解性珪素基が複数存在する場合、これらは同じであっても異なっていてもよく、さらに、前記式(1)中のnの数も同じであっても異なっていてもよい。また、含有される加水分解性珪素基の異なる有機系重合体を2種類以上用いてもよい。
前記加水分解性珪素基を有する重合体(a)における重合体は、特に限定されないが、例えば、主鎖がそれぞれオルガノシロキサンを含有していてもよい、ポリオキシアルキレン系重合体、ビニル変性ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、(メタ)アクリル系重合体、ビニル系重合体、ポリエステル系重合体、(メタ)アクリル酸エステル重合体、ポリイソブチレン系重合体及びこれらの共重合体(例えば、特開2003−238795号公報、特開2000−169544号公報、特開2004−059782号公報、特開2004−51830号公報、特開2003−138151号公報及び特開2001−40037号公報等参照。)が好適な例として挙げることができる。これらの重合体(a)は1種のみで用いてもよく、2種以上併用してもよい。なお、本発明において、アクリルとメタクリルを併せて(メタ)アクリルと称する。
前記重合体(a)としては、具体的には加水分解性珪素基を有するポリオキシアルキレン系重合体、加水分解性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体、加水分解性珪素基を有する(メタ)アクリル変性ポリオキシアルキレン系重合体、並びにこれらの混合物が好適な例として挙げられる。
前記加水分解性珪素基を有する(メタ)アクリル系重合体としては、加水分解性珪素基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル系有機重合体がより好ましい。該加水分解性珪素基を末端に有する(メタ)アクリル系重合体の製造法は、特に限定されないが、制御ラジカル重合法が好ましく、リビングラジカル重合法がより好ましく、原子移動ラジカル重合法がさらに好ましい。
前記加水分解性珪素基を有する重合体(a)の製造法は、特に限定されず、公知の合成法を利用することができる。前記加水分解性珪素基含有有機重合体として、加水分解性珪素基を含有し、主鎖がアクリル系重合体等のビニル系重合体であるものを用いる場合、ラジカル重合法で合成されたビニル系重合体を用いることが望ましい。
ラジカル重合法は、重合開始剤として、アゾ系化合物、過酸化物当を用いて、特定の官能基を有するモノマーとビニル系モノマーとを単に共重合させる一般的なラジカル重合法と、末端などの制御された位置に特定の官能基を導入することができる制御ラジカル重合法で合成されたビニル系重合体がより効果的である。
制御ラジカル重合法は、更に、特定の官能基を有する連鎖移動剤を用いて重合を行うことにより末端に官能基を有するビニル系重合体が得られる連鎖移動剤法と、重合生長末端が停止反応等を起こさずに生長するリビングラジカル重合法に分けられる。
リビングラジカル重合法は、任意の分子量を有し、分子量分布が狭く、粘度の低い重合体を得ることができ、且つ特定の官能基を有するモノマーを任意の位置に導入することが可能であるため、特に好ましい。なお、本発明において、末端が常に活性を持ち続けて分子鎖が生長していく重合に加え、末端が不活性化されたものと活性化されたものが平衡状態にありながら生長していく擬リビング重合もリビング重合に含まれるものである。
リビングラジカル重合法としては、コバルトポリフィリン錯体を用いる方法、ニトロキシド化合物当のラジカル捕捉剤を用いる方法、有機ハロゲン化合物やハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし遷移金属錯体を触媒としてビニル系モノマーを重合する原子移動ラジカル重合(Atom Transfer Radical Polymerization:ATRP)法等が挙げられている。リビングラジカル重合法は特に限定されていないが、原子移動ラジカル重合法が好ましい。なお、本発明において、リバース原子移動ラジカル重合法、即ち、通常の原子移動ラジカル重合触媒がラジカルを発生させた時の高酸化状態、例えば、Cu(I)を触媒として用いたときのCu(II’)に対し、過酸化物等の一般的なラジカル開始剤を作用させ、その結果として原子移動ラジカル重合と同様の平行を生み出す方法も原子移動ラジカル重合法に含まれるものである。
連鎖移動剤法としては、ハロゲン化炭化水素を連鎖移動剤として用いてハロゲン末端の重合体を得る方法や、水酸基含有メルカプタンあるいは水酸基含有ポリスルフィド等を連鎖移動剤として用いて水酸基末端の重合体を得る方法等が挙げられる。
例えば、有機ハロゲン化物又はハロゲン化スルホニル化合物等を開始剤とし、遷移金属錯体を触媒として、アクリル系単量体を主成分とするビニル系単量体をラジカル重合することにより、ハロゲンを末端に有するアクリル系重合体が製造される。本発明で用いられる加水分解性珪素基を分子鎖末端に有する(メタ)アクリル系重合体は、該ハロゲンを末端に有するアクリル系重合体のハロゲンを加水分解性珪素基に変換することにより得ることができる。変換方法は特に限定さえず、公知の方法を用いることができる。
前記加水分解性珪素基を有する重合体(a)の数平均分子量は3,000〜30,000が好ましく、5,000〜20,000が更に好ましく、一般に変成シリコーン樹脂と呼ばれるものを挙げることができる。これらの具体例としては、株式会社カネカ製の製品名SAT200、MA903、SA310S等、旭硝子株式会社製の製品名エクセスターS3630等などをあげることができる。
本発明の目地材組成物の成分(b)シリコーン系界面活性剤としては、主鎖が例えばジメチルシロキサンとポリアルキレンオキサイドからなりメチルシロキサンが疎水基、アルキレンオキサイドが親水基にあたる非イオン系の界面活性剤で、ジメチルシロキサン主鎖に対し、Si−C結合による側鎖変性コポリマー、もしくはSi−O−C結合の末端変性ポリマーなどが挙げられる。これらは珪素濃度、ジメチルシロキサン部分の鎖長、アルキレンオキサイドの種類などの調節によって種々の製品が生産され、シリコーン界面活性剤、ウレタンフォーム用整泡剤、消泡剤等としても販売されている。これらの具体例としては、東レダウ株式会社のシルウェットL7604、FZ2162、FZ2207などが挙げられる。
該シリコーン系界面活性剤(b)は前記加水分解性珪素基を有する重合体(a)100重量部に対し5〜50重量部を配合することが好ましい。5重量部未満では、タイル表面に付着した目地材の拭き取りが困難であり、50重量部を越えると、硬化後にタイル側面との耐水接着性の点で問題がある。更に、成分(a)100重量部に対し、成分(b)15〜35重量部を配合することが、施工時の拭き取り性、硬化後のタイル側面への接着性の点で優れており、特に好ましい。
本発明の目地材組成物は、シランカップリング剤(c)を配合することにより、より密着性を向上させることができる。該シランカップリング剤(c)としては、例えば、下記式(2)で示されるようなアミノシラン類、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランなどのエポキシシラン類、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランなどのアクリルシラン類、ビニルトリメトキシシランなどのビニルシラン類、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシランなどのメルカプトシラン類、γ−イソシアネートプロピルトリメトキシシランなどのイソシアネートシラン類などが挙げられ、アミノシラン類が特に好ましい。これらシランカップリング剤は単独で用いられてもよく、2種以上併用してもよい。また、これらシランカップリング剤の共重合体であるアルコキシシラン類を用いてもよい。
〔式(2)中、Yは−NH2基及び/又は−NH−結合を含有し得るアルキル基、アリール基、アルコキシアルキル基、シクロアルキル基であり、Zは炭素数が1〜6までのアルキル基を表す。なお、3個のZは同一であっても異なっていてもよい。nは1〜3の整数〕
上記アミノシラン類としては、具体的にはN−β−(アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノプロピルトリメトキシシラン、アミノエチルアミノプロピルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。市販品としては例えば「KBM603」、「KBM903」〔信越化学工業(株)製〕等が挙げられる。これらアミノシラン類は単独で使用してもよいし、2種以上併用してもよい。また、アミノシラン類と他のシランカップリング剤を併用してもよい。
上記アミノシラン類はカルボニル化合物でブロックされていてもよく、該カルボニル化合物としては、例えばアセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類や、アセトアルデヒド、プロピオンアルデヒド、ベンズアルデヒドなどのアルデヒド類が挙げられる。
シランカップリング剤(c)の配合割合は特に限定されないが、成分(a)100重量部に対し、0.5〜10重量部配合することが好ましく、1〜5重量部配合することがより好ましい。
本発明の目地材組成物は、23℃における粘度が50〜700Pa・sであることが好ましく、80〜500Pa・sがさらに好ましい。該粘度の目地材組成物を用いることにより、壁などの垂直面への目地施工時にも目地が垂れることなく、容易に目地間隙への目地詰めを行うことができ、目地施工時の作業性を著しく向上させることができる。
本発明の目地材組成物には更に、耐水接着性を向上させる目的でエポキシ樹脂を添加することができる。エポキシ樹脂としては、従来公知のものを広く使用でき、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、臭素化エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、アルコール型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のグリシジルエステル型エポキシ樹脂、ジグリシジルアニリン、p−アミノフェノール型等のグリシジルアミン型エポキシ樹脂、各種変性エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂等が挙げられ、単独で、または混合して使用することができる。
また、必要に応じて、その他配合剤として加水分解性珪素基を有する重合体(a)の硬化触媒、硬化促進剤、硬化遅延剤、可塑剤、充填剤、接着付与剤、希釈剤、顔料、染料、脱水剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤、防カビ剤等を添加してもよい。
本発明の目地形成方法は、目地材をタイルや石材間等の建材同士の間に形成される目地間隙に詰めて目地を形成する方法において、前記目地材として本発明の目地材組成物を用いるものである。目地を詰める施工方法は特に限定されず、公知の方法が適用可能であるが、塗り目地法を用いることが好ましい。すなわち、本発明の目地材組成物を床や壁のタイル又は石材等の建材の一面に塗り込み、目地間隙に目地詰めした後、タイルや石材等の建材表面に付着した目地材を水で除去する方法がより好ましい。タイルや石材等の建材表面に付着した目地材の除去方法としては特に限定はないが、例えば、水を含ませたスポンジを用いて建材表面の目地材を拭き取ることが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、これらの実施例は例示的に示されるもので限定的に解釈されるべきでないことはいうまでもない。
(実施例1〜6及び比較例1〜4)
表1に示す配合組成に従い、各配合物質を高粘度用混合撹拌機を使用して常温、減圧にて混合し、目地材組成物を得た。
表1における配合物質の配合量は重量部で示され、*1〜*12は次の通りである。
*1:SA310S((株)カネカ製)
*2:SAT200((株)カネカ製)
*3:シルウェットFZ2162(東レダウ(株)製)
*4:シルウェットL7604(東レダウ(株)製)
*5:KBM603(信越化学工業(株)製)
*6:KBM903(信越化学工業(株)製)
*7:ホワイトンSB(白石工業(株)製、炭酸カルシウム)
*8:白艶華CCR(白石工業(株)製、炭酸カルシウム)
*9:ジイソノニルフタレート
*10:テトラエトキシシリケート
*11:ネオスタンU−100(日東化成(株)製)
*12:R820(石原産業(株)製)
(比較例5)
セメント粉末:40重量部、細骨材:59重量部、保水材(メチルセルロース):1重量部を混合した粉末に、水を加えて混練りしたセメント系目地材組成物を得た。
(比較例6)
1液型変成シリコーン樹脂系シーリング材「POSシール」(セメダイン(株)製)を目地材組成物として用いた。
前記得られた目地材組成物について下記試験を行った。
1)粘度
B型回転粘度計を用いて前記得られた目地材組成物の23℃における粘度を測定した。結果を表2に示す。
2)作業性
壁面に磁器質タイルを貼り付け、約5mm幅の目地をタイル間に作製した。前記得られた目地材組成物を塗り目地法にて鏝で塗り広げながらタイル間の目地に充填し、その際の塗りやすさ及び垂直面における目地の垂れ防止性について評価した。結果を表2に示す。なお、塗りやすさ及び垂れ防止性の評価基準は下記の通りである。
塗りやすさ:5を最も塗りやすく良好とした5段階評価を行い、3以上については合格とした。
垂れ防止性:◎:垂れの発生なし、○:2時間放置後やや垂れの発生あり、×:塗布直後垂れの発生あり。
3)拭き取り施工性
壁面に磁器質タイルを貼り付け、約5mm幅の目地をタイル間に作製した。前記得られた目地材組成物を塗り目地法にて鏝で塗り広げながらタイル間の目地に充填し、その後余分な目地材を掻き取った。その後、水で湿らせたスポンジでタイル表面に付着した目地材を拭き取り清掃し、その際の拭き取り施工性を評価した。結果を表2に示す。
評価基準:◎:拭き取り施工性良好でタイル表面に目地材の付着残りなし、○:若干拭き取り施工に手間はかかるがタイル表面に目地材の付着残りなし、△:タイル表面に目地材が一部付着残りあり、×:タイル表面に目地材が大量に付着残りあり。
4)常態接着性
図1は常態接着性試験の試験体の概略説明図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。図1において、10はタイル、12は目地材組成物である。
図1のように、50mm角磁器質タイル10を2つ並べ、タイル間に5mmの目地幅を作成した後に前記得られた目地材組成物12を充填し、23℃50%RHにて7日間養生し試験体20aとした。
作製した試験体を試験機に取り付け50mm/分の速度で引張り試験を行い、破壊するまでの応力を測定し、破壊状態を目視にて観察した。結果を表3に示す。表3中、破壊状態は、cf:目地材の凝集破壊、cf/af:一部タイル側面からの界面破壊、af:タイル側面からの界面破壊、で表した。
5)耐水接着性
上記の常態接着性と同様の方法により試験体を得た。得られた試験体を23℃水中に7日間浸漬した後、試験機に取り付け50mm/分の速度で引張り試験を行い、破壊するまでの応力を測定し、破壊状態を目視にて観察した。結果を表3に示す。破壊状態は常態接着性試験と同様に評価した。また、水中に浸漬後、自然剥離したものは×で示した。
6)たわみ追従性試験
図2は、たわみ追従性試験の試験体の概略説明図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。図3は、たわみ追従性の試験方法を示す概略説明図である。
図2に示した如く、厚さ1mmのSUS板16に接着剤14(タイルエース:セメダイン(株)製)で50mm角磁器質タイル10を、目地間隔を5mm確保して貼り付け、23℃50%RHで3日間養生を行った。その後、前記得られた目地材組成物12を充填し、23℃50%RHにて7日間養生し試験体20bとした。
作製した試験体20bを試験機30に取り付け、図3のようにSUS板16から1mmの変位をかけ、試験後の目地の状態を目視にて観察した。なお、図3中、荷重の方向を矢印で示した。結果を表3に示す。
評価基準:◎:異常なし、△:一部目地材に割れ・亀裂の発生、×:全体に目地の割れ・亀裂の発生もしくはタイルと目地のはがれが発生。
表2に示した如く、シリコーン系界面活性剤を配合した本発明の目地材組成物では、作業性に優れ、且つ水による拭き取りが可能であった。さらに、表3に示した如く、本発明の目地材組成物は、常態接着性、耐水接着性及びたわみ追従性も優れていた。
本発明の目地材組成物は、水による拭き取りが可能となり、塗り目地法によって効率の良く施工ができると共に、下地の動きに追従することで目地の割れや欠けを生じにくく、タイルまたは石材の割れを防ぐことができるタイル及び石材用目地材として好適に使用できる。
実施例で作製した常態接着性の試験体の概略説明図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。 実施例で作製したたわみ追従性の試験体の概略説明図であり、(a)は断面図、(b)は上面図である。 たわみ追従性の試験方法を示す概略説明図である。
符号の説明
10:タイル、12:目地材組成物、14:接着剤、16:SUS板、20a,20b:試験体、30:試験機。

Claims (8)

  1. (a)加水分解性珪素基を有する重合体、及び(b)シリコーン系界面活性剤を含有し、前記(a)重合体100重量部に対し、前記(b)界面活性剤5〜50重量部を配合してなることを特徴とする目地材組成物。
  2. 前記(a)重合体100重量部に対し、前記(b)界面活性剤15〜35重量部を配合してなることを特徴とする請求項1記載の目地材組成物。
  3. さらに、(c)シランカップリング剤を含有することを特徴とする請求項1又は2記載の目地材組成物。
  4. 23℃の粘度が50〜700Pa・sであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項記載の目地材組成物。
  5. タイル又は石材間に形成される目地間隙に充填されることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項記載の目地材組成物。
  6. 目地材をタイル又は石材間に形成される目地間隙に詰めて目地を形成する方法であって、前記目地材が請求項1〜5のいずれか1項記載の目地材組成物であることを特徴とする目地形成方法。
  7. 塗り目地法により前記目地材を充填することを特徴とする請求項6記載の目地形成方法。
  8. 目地間隙に目地材が充填された目地構造であって、前記目地材が請求項1〜5のいずれか1項記載の目地材組成物であることを特徴とする目地構造。
JP2006108659A 2006-04-11 2006-04-11 目地材組成物及び目地形成方法 Active JP4889354B2 (ja)

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