JP6958903B2 - 既設シリコーン系シーリング材上の塗装方法および該方法に使用する下地調整材 - Google Patents

既設シリコーン系シーリング材上の塗装方法および該方法に使用する下地調整材 Download PDF

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Description

本発明は、既設シリコーン系シーリング材上の塗装施工方法および該方法に使用する下地調整材および該下地調整材の使用方法に関する。
エアコンダクトや換気扇ダクトなど外壁の貫通部には防水のためにシリコーン系シーリング材が使用されることが多い。
リホーム時に外壁塗装を施す場合、既設のシリコーン系シーリング材上やその周辺部は塗料がはじかれたり、はじかれない迄も塗料の密着性が悪く剥がれやすい。
建築・補修業界では安心してシリコーン系シーリング材の上から塗装するための下地調整材が望まれている。
そのような下地調整材としては、市販品として入手可能である。該入手可能な従来品は、変成シリコーン樹脂を使用していないものであり、既設シリコーン系シーリング材の上に従来の下地調整材を塗布してさらにその上から塗装をかけると、ハジキは見られないが、既設シリコーン系シーリング材の種類および仕上げ塗料の種類によっては下地調整材との密着性が悪いという問題がある。また、有効成分の沈降が激しいため、使用前に数分間以上手撹拌する必要があり、作業性が良くない。
既設シリコーン系シーリング材に対して良好な接着性を有するとともに、既設シリコーン系シーリング材上、周辺部に発生した黒ずみやカビ等の汚点を効果的に隠ぺいでき、塗布作業性に優れるコーティング組成物が提案されている(例えば、特許文献1)。
しかし、特許文献1には既設シリコーン系シーリング材の上へ塗装するための下地調整材として使用することについては何ら記載もなく認識も示唆もされていない。
特開2012−7078A
本発明は上記事情に鑑みなされたもので、既設シリコーン系シーリング材の種類および仕上げ塗料の種類によらず、既設シリコーン系シーリング材上に密着性のよい仕上げ塗装を作業効率よくできる施工方法を提供することを目的とする。
すなわち、本発明は、既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、その後に、仕上げ塗装を施すことを特徴とする、施工方法、該施工方法に使用される下地調整材および該下地調整材の使用方法を提供するものである。
本発明の施工方法は、まず、既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付する。
「既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所」とは、エアコンダクト、換気扇ダクト、電気配線用塩ビ配管周り、屋外コンセント周り、インターホン周り、ポスト周りなど外壁の貫通部や風呂場、洗面所、キッチンカウンターなどの目地等であり、シリコーン系シーリング材でシーリングされている部分をいう。
「シリコーン系シーリング材」とは、ジメチルシロキサン結合の繰り返しを主鎖とし、側鎖としてアルキル、アリール基などを持つ重合体を主成分として有するシーリング材あるいは接着剤、コーティング材であり、側鎖は変性されていてもよい。そのようなシリコーン系シーリング材は、種々知られている。また、本発明は、そのようなシリコーン系シーリング材として、将来開発、販売されるものを含むものである。
本発明はそのような、シリコーン系シーリング材で既にシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に適用するものである。
「周辺部」とは、本発明が仕上げ塗装を施す方法であることから、仕上げ塗装がシリコーン系シーリング材で既にシーリングされている箇所の影響、例えば、シリコーン系シーリング材のはみだし、シリコーン系シーリング材から溶出したシリコーンオイルに起因する汚れ等がみられる部分を含む貫通部まわりという意味である。
次の工程で下地調整材を既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に塗布する前に、該箇所および周辺は、その表面に付着した汚れ等を、高圧洗浄等を使用して可能な限りその汚れを除去しておくことは、本発明を適用するうえで好ましい。通常は、仕上がり塗装を施す前には当該箇所および周辺も含め、高圧洗浄した後に、さらに塗料用シンナーで表面を清掃する等の方法で洗浄される。
本発明で使用する「下地調整材」は、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む。
加水分解性シリル基含有ポリマーは、分子末端に以下の一般式で(I)で表されるアルキルジアルコキシシリル基を有する重合体である。
−SiR(OR (I)
ここで、Rは炭素数1〜6のアルキル基、Rは置換基を有しても良い炭素数1〜20のアルキル基を表す。好ましいアルキルジアルコキシシリル基としては、メチルジメトキシシリル基、メチルジエトキシシリル基、より好ましくはメチルジメトキシシリル基である。
また、重合体の主鎖には、ポリオキシアルキレンやビニル系重合体を用いることができる。ポリオキシアルキレンには、−CHCHO−、−CHCH(CH)O−、−CHCH(C)O−、−CH(CH)CHO−、−CH(C)CHO−、−CHCHCHO−、及び−CHCHCHCHO−から選択された1種以上の繰り返し単位からなるものを用いることができる。好ましくは、−CHCH(CH)O−である。また、ビニル系重合体には、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリイソブチレン、ポリ(メタ)アクリレート、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、及びこれら重合体のいずれか2種以上を成分として含む共重合体等を挙げることができる。好ましくは、ポリ(メタ)アクリレートである。また、重合体の数平均分子量は、1000〜40000が好ましい。
重合体の具体例としては、MSポリマーS203、MSポリマーS303、サイリルSAT350、サイリルSAT400、サイリルSAT145(以上は株式会社カネカ製)、エクセスターS2410、エクセスターS2420、エクセスターS3630(以上は旭硝子株式会社製)等を挙げることができる。
下地調整材には、湿気との硬化を促進させるために硬化触媒を配合することができる。硬化触媒としては、従来公知のシラノール縮合触媒を広く使用することができる。その具体例としては、テトラブチルチタネート、テトラプロピルチタネート等のチタン系エステル類;ジブチルスズジラウリレート、ジブチルスズマレエート、ジブチルスズジアセテート、オクチル酸スズ、ナフテン酸スズ、ラウリン酸スズ、フェルザチック酸スズ等のスズカルボン酸塩類;ジブチルスズオキサイドとフタル酸エステルとの反応物;ジブチルスズジアセチルアセトナート;アルミニウムトリアセチルアセトナート、アルミニウムトリスエチルアセトアセテート、ジイソプロポキシアルミニウムエチルアセトアセテート等の有機アルミニウム化合物類;ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、チタンテトラアセチルアセトナート等のキレート化合物類;オクチル酸鉛;ナフテン酸鉄;ビスマス−トリス(ネオデカノエート)、ビスマス−トリス(2−エチルヘキソエート)等のビスマス化合物等の金属系触媒を例示できる。これらの金属系触媒は単独で使用してもよく、2種類以上併用してもよい。更にラウリルアミン等の公知のアミン系触媒を使用することもできる。
また、下地調整材には、接着性付与剤として、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、3-フェニルアミノプロピルトリメトキシシラン等のシランカップリング剤を配合することもできる。好ましくは、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシランである。
また、下地調整材には、脱水剤として、メチルトリメトキシシラン、ビニルメトキシシラン、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等の加水分解性ケイ素化合物を用いることができる。好ましくは、ビニルメトキシシランである。
また、下地調整材には、機械特性を向上させるため、充填材を配合することもできる。充填材としては従来公知の充填材を広く使用でき、具体的にはフュームドシリカ、沈降性シリカ、無水ケイ酸、含水ケイ酸及びカーボンブラック等の充填材、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、ケイソウ土、焼成クレー、クレー、タルク、酸化チタン、ベントナイト、有機ベントナイト、酸化第二鉄、酸化亜鉛、活性亜鉛華、水添ヒマシ油及びガラスバルーン等の充填材、石綿、ガラス繊維及びフィラメント等の繊維状充填材等を挙げることができる。好ましくは、炭酸カルシウムである。炭酸カルシウムは少量でも粘度を高くすることができる。炭酸カルシウムとしては、コロイダル炭酸カルシウムと重質炭酸カルシウムの組み合わせを用いることが好ましい。コロイダル炭酸カルシウムは破断強度を増加させ、重質炭酸カルシウムは50%モジュラスを増加させる。そのため、両者を併用することにより、破断強度と50%モジュラスを同時に増加させることが可能である。
更に、下地調整材には、必要に応じてエポキシ樹脂とその硬化剤、可塑剤、粘性改良剤、その他添加剤等を適宜配合することができる。
エポキシ樹脂としては、従来公知のものを広く使用でき、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールAのグリシジルエーテル等の難燃型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAプロピレンオキシド付加物のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、ジグリシジル−p−オキシ安息香酸、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル等のフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂、m−アミノフェノール系エポキシ樹脂、ジアミノジフェニルメタン系エポキシ樹脂、ウレタン変性エポキシ樹脂、各種脂環式エポキシ樹脂、N,N−ジグリシジルアニリン、N,N−ジグリシジル−o−トルイジン、トリグリシジルイソシアヌレート、ポリアルキレングリコールジグリシジルエーテル、グリセリン等の多価アルコールのグリシジルエーテル、ヒダントイン型エポキシ樹脂、石油樹脂等の不飽和重合体のエポキシ化物等を挙げることができる。これらのエポキシ樹脂の中でも、分子中にエポキシ基を少なくとも2個含有するものが、硬化に際し反応性が高く、また硬化物が3次元的網目を作り易い等の点から好ましい。更に好ましいエポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂及びフタル酸ジグリシジルエステル系エポキシ樹脂を例示できる。
エポキシ樹脂の硬化剤としては、従来公知のエポキシ樹脂用硬化剤を広く使用でき、例えばトリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、ジエチルアミノプロピルアミン、N−アミノエチルピペラジン、m−キシリレンジアミン、m−フェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフェニルスルホン、イソホロンジアミン、2,4,6−トリス(ジメチルアミノメチル)フェノール等のアミン類、第3級アミン塩類、ポリアミド樹脂類、ケチミン類、アルジミン類、エナミン類等の潜伏性硬化剤、イミダゾール類、ジシアンジアミド類、三弗化硼素錯化合物類、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、ドデシニル無水コハク酸、無水ピロメリット酸、無水クロレン酸等の無水カルボン酸類、アルコール類、フェノール類、カルボン酸類等を挙げることができる。
可塑剤としては、従来公知の可塑剤を広く使用でき、具体的にはフタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ブチルベンジル等のフタル酸エステル類;アジピン酸ジオクチル、コハク酸イソデシル、セバシン酸ジブチル、オレイン酸ブチル等の脂肪族カルボン酸エステル;ペンタエリスリトールエステル等のグリコールエステル類;リン酸トリオクチル、リン酸トリクレジル等のリン酸エステル類;エポキシ化大豆油、エポキシステアリン酸ベンジル等のエポキシ可塑剤;塩素化パラフィン等を、1種単独で又は2種以上の混合物で使用できる。また、ポリオキシプロピレンモノオール、ポリオキシプロピレンジオール及びその末端変性物等も使用し得る。末端変性物には、例えば、末端水酸基をアルコキシ基、アルケニルオキシ基に変性した化合物やウレタン結合、エステル結合、尿素結合又はカーボネート結合を介して炭化水素基で封鎖された化合物等を挙げることができる。
粘性改良剤としては、ジベンジリデンソルビトール、トリベンジリデンソルビトール等のゲル化剤、アマイドワックス等の脂肪酸アミド化物を挙げることができる。
その他の添加剤としては、例えば顔料、各種の老化防止剤、紫外線吸収剤等が挙げられる。
なお、下地調整材として、シャーピーペイントヘンセイ、シャーピールーフコークNBQ、シャーピーダンセイボンドMS+(以上はシャープ化学工業株式会社製)等の弾性接着剤やシーリング材を用いることもでき、各成分の配合量は、それらの接着剤やシーリング材を参考にすることができる。
本発明に使用する下地調整材は、上記各成分をイソパラフィンやミネラルスピリット、塗料用シンナー等の溶媒に溶解、分散させて製造する.
下地調整材中の各成分の配合割合は、加水分解性シリル基含有ポリマー100重量部当たり、硬化触媒を0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜5重量部、より好ましくは1〜3重量部、脱水剤を0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜5重量部、接着付与剤を0.1〜15重量部、好ましくは0.5〜10重量部、より好ましくは1〜7重量部、充填材を0.1〜400重量部、可塑剤を1〜150重量部、粘性改良剤を0.1〜20重量部である。さらに必要に応じ、エポキシ樹脂を1〜100重量部、より好ましくは10〜50重量部、エポキシ樹脂の硬化剤をエポキシ樹脂100重量部当たり1〜200重量部、より好ましくは10〜100重量部、配合することもできる。また、下地調整材中の第1の加水分解性シリル基含有ポリマーの濃度は10〜40重量%である。
下地調整材の粘度は、主に加水分解性シリル基含有ポリマーの濃度で調製することが可能である。加水分解性シリル基含有ポリマーの濃度としては、この観点からは、全量に対して、好ましくは10〜50重量%、より好ましくは20〜40重量%の範囲を参考にできる。
本発明においては、下地調整材は、その23℃における粘度が100〜600Pa・s、好ましくは200〜500Pa・s、より好ましくは300〜500Pa・s、さらにより好ましくは350〜480Pa・sに調整されたものを使用する。粘度は、B型回転粘度計を用いローターNo.7、10rpmにより測定した。粘度が高すぎると刷毛塗りした場合に出来る刷毛目が、仕上げ塗料を施した後も目立ってしまい、外観を損なうことがある。粘度が低すぎると、後述するような厚さに下地調整材を塗付、形成することができず、また、既存のシリコーン系シーリング材の表面状態によってはハジキ生成の弊害がある。
本発明の下地調整材は、保存安定性に優れている。これは、本発明の下地調整材は、上記のような高い粘度に調整されているためである。本発明の下地調整材は、例えば、100mlガラス瓶に移して常温室内で10日間静置した後でも沈降が生じない。このように、本発明の下地調整材は、保存安定性にすぐれているので、使用するときに改めて撹拌する必要がなく、作業性効率に寄与するものである。
また、本発明で使用する下地調整材は、JIS K 6251に準拠した3号形ダンベル状試験片を用いて測定した50%引張応力が0.2〜0.8N/mm、好ましくは0.3〜0.7N/mm、より好ましくは0.3〜0.6N/mm、さらにより好ましく0.35〜0.6N/mmのゴム物性を得ることができるように組成、成分を調整するようにする。50%引張応力が、高すぎても低すぎても、既存のシリコーン系シーリング材から剥がれやすくなる問題がある。
下地調整材は、乾燥後の膜厚が、少なくとも100μm、好ましくは、少なくとも500μm、より好ましくは、少なくとも700μm、さらに好ましくは800μmを有するように形成される。膜厚が厚くなりすぎると、刷毛目が仕上げ塗料を塗った後でも目立ってしまい美観を損ねる問題があるので、2000μmまで、好ましくは1500μmまで、より好ましくは1250μmまでの厚さで形成するようにする。
塗布の方法は、刷毛塗、スプレー法、ローラー仕上げ、ヘラ仕上げ、指仕上げ等公知の方法を使用でき、特に限定されない。
下地調整材を塗付後に、仕上げ塗装を施す。仕上げ塗装は、外壁塗料として知られている塗料であればよい。シリコーン系、ウレタン系、エポキシ系、フッ素系、アクリル系等の水性塗料、弱溶剤系塗料を施すことが可能であり、塗布方法も公知の方法を使用可能である。
本発明においては、仕上げ施工で塗料に代えて、各種公知のシリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系等のシーリング材、各種公知のシリコーン系、変成シリコーン系、ポリウレタン系、シリル化ウレタン系、シアノアクリレート系、酢酸ビニル樹脂系、ビニル樹脂共重合体系、アクリル系等の接着剤を適用することも可能である。既設シリコーン系シーリング材の下地の影響を受けず、シーリング材本来の性能、接着剤本来の性能を享受できる施工が可能となる。
ここに、本発明は以下の施工方法をも提供するものである。
既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、その後に、シーリング施工を施すことを特徴とする、施工方法。
既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、接着前仕上を施すことを特徴とする、施工方法。
以上、既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、その後に、仕上げ塗装を施すことを特徴とする、施工方法を説明したが、該方法からさらに以下の発明が把握される。
既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に仕上げ塗装を施すのに用いる下地調整材であって、下地調整材が、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含むことを特徴とする、該下地調整材。
少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を、仕上げ塗装を施す前に使用することを特徴とする、該下地調整材の使用方法。
本発明に使用される下地調整材は、スティック状の3方シール袋に充填して使用すると作業性が向上する。ここに、上記下地調整材が充填されたスティック状の3方シール袋を本発明の1つとして提供する。
下地調整材が充填されたスティック状の3方シール袋はJP2017−007744Aに開示の湿気硬化型樹脂組成物入り包装容器の製造方法において、湿気硬化型樹脂組成物の代わりに本発明の下地調整材を適用することにより製造することができる。ここに、JP2017−007744Aにおける明細書記載内容を引用し、本発明の開示内容の一部とする。その内容を参照することにより、上記下地調整材が充填されたスティック状の3方シール袋を製造することができる。本発明の下地調整材が充填されたスティック状の3方シール袋からなる製品は、下地調整材が、例えば、15g程度の入りの少量入り商品とすることができ、使用に際しては、使用前に撹拌する必要がなく、また、使用に際しては、使い切るに適した量であり、作業効率向上に寄与するものである。
既存シーリング材を撤去して新規シーリング材を充填施工するリホーム方法が行われている。しかし、既存シリコーンシーリング材を撤去した後にシリコーンシーリング材以外のシーリング材や接着剤を施工すると接着しにくいという問題がある。
上記のようなリホーム方法において、本発明で使用する下地調整材を塗布後に、シーリング材や接着剤の施工を行うと、上記した接着しにくいという問題が解消する。シーリング材および接着剤の施工には、変成シリコーン樹脂系やポリウレタン樹脂系、エポキシ樹脂系等を用いることが可能であり、施工方法も公知の方法を使用可能である。
本発明に従えば、既設シリコーン系シーリング材の種類および仕上げ塗料等の種類によらず、既設シリコーン系シーリング材上に密着性のよい仕上げ塗装等ができ、かつ該仕上げ塗装等を作業効率よくできる。
以下、具体的に実施例を用いて本発明を説明するが、本発明はそれらの実施例に限定的に解釈されるべきでなく、本発明の概念に接した当業者が想到し、実施可能であると観念するであろうあらゆる技術的思想、その具体的態様が本発明に含まれるものとして理解されるべきである
引張応力の測定
下地調整材の引張応力の測定は、以下のように行い、50%引張応力を測定した。
1)各種下地調整材を150mm×50mm×2mmとなるシート状に打設して、23℃50%RH雰囲気にて7日間養生した。
2)JIS K 6251に規定される3号形ダンベル状に打抜き、標線間距離20mmをマークしたものを試験片とした。
3)引張速度500mm/min.で試験片を引張り、標線間距離が30mmになった時点の応力を記録し50%引張応力とした。
密着性の評価
既設シリコーン系シーリング材の上に各種下地調整材(バインダー)を介して仕上げ塗料を塗布し、塗料の密着性を確認した。
1)各種シリコーン系シーリング材を厚み5mmとなるようにシート状に施工して、6カ月間屋外暴露場に静置した。
2)6か月後、シリコーン系シーリング材の表面に付着した粉塵を刷毛で払い取り、各種下地調整材(バインダー)を厚み約1mmになるように施工した。ただし比較例のペインター20は粘度が低く100μm以上の厚みは出せなかった
3)下地調整材(バインダー)の表面が乾燥した後、仕上げ塗料を塗布し、23℃50%RHで7日間硬化養生した。
4)仕上げ塗料塗布翌日、ハジキの有無を確認した。
5)仕上げ塗料塗布7日後に、JIS−K5600−5−6に基づくクロスカット法により密着性を確認し、以下の基準で評価した。
密着性の評価基準
○:密着性良好(どの格子目にも剥がれが無い若しくは、カットの交差点における塗膜の小さな剥がれが全体の5%未満)
△s:既設シリコーン系シーリング材と後打ち下地調整材(バインダー)間の部分的な剥離
(カットの交差点における塗膜の小さな剥がれがあり、全体の15%未満)
△p:後打ち下地調整材(バインダー)と仕上げ塗料間の部分的な剥離
(カットの交差点における塗膜の小さな剥がれがあり、全体の15%未満)
×s:既設シリコーン系シーリング材と後打ち下地調整材(バインダー)間の界面剥離
(カットの交差点における塗膜に大きな剥がれがある)
×p:後打ち下地調整材(バインダー)と仕上げ塗料間の界面剥離
(カットの交差点における塗膜に大きな剥がれがある)
結果を表1A及び表1Bに示す。
表1A及び表1B中、既設シーリング材、下地調整材(バインダー)および仕上げ塗料を下記する。
既設シーリング材
シリコーン系シーリング材A:シーラント45(信越化学製)
シリコーン系シーリング材B:TOSSEAL381(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)
シリコーン系シーリング材C:XIAMETER SLT−7070(東レダウコーニング製)
下地調整材(バインダー)
MS:変成シリコーン樹脂組成物
PU:ウレタン樹脂組成物
MS/EPX:変成シリコーン樹脂とエポキシ樹脂の混合物
ペインター20:信越化学工業株式会社製(変成シリコーン樹脂を使用していない)
粘度は、B型回転粘度計を用い、ローターNo.7、10rpmにより測定した23℃における粘度である。たたし、ペインター20は、粘度が低いためローターNo.2、12rpmにより測定した23℃における粘度である。
仕上げ塗料
仕上げ塗料A:コスモレタン(関西ペイント製、水性反応硬化形アクリルウレタン樹脂塗料)
仕上げ塗料B:コスモシリコン(関西ペイント製、水性反応硬化形アクリルシリコン樹脂塗料)
仕上げ塗料C:1液ファインウレタンU100(日本ペイント製、ターペン可溶1液反応硬化形ウレタン樹脂塗料)
仕上げ塗料D:1液ファインシリコンセラUV(日本ペイント製、ターペン可溶1液反応硬化形セラミック変性シリコーン樹脂塗料)
下地調整材(バインダー)の引張応力(M50%)
下地調整材(バインダー)の引張応力は、50%引張応力であり、厚み2mmのJIS K 6251に準拠した3号形ダンベル状試験片を用いて、500mm/min.で引張ることにより、測定した。
結果を表1A及び表1Bに示す。
Figure 0006958903
Figure 0006958903
注) 仕上げ塗料A:コスモレタン
(関西ペイント製、水性反応硬化形アクリルウレタン樹脂塗料)
仕上げ塗料B:コスモシリコン
(関西ペイント製、水性反応硬化形アクリルシリコン樹脂塗料)
仕上げ塗料C:1液ファインウレタンU100
(日本ペイント製、ターペン可溶1液反応硬化形ウレタン樹脂塗料)
仕上げ塗料D:1液ファインシリコンセラUV
(日本ペイント製、ターペン可溶1液反応硬化形セラミック変性シリコン樹脂塗料)
シリコーン系シーリング材A:シーラント45(信越化学製)
シリコーン系シーリング材B:TOSSEAL381
(モメンティブパフォーマンスマテリアルズ製)
シリコーン系シーリング材C:XIAMETER SLT−7070
(東レダウコーニング製)

Claims (8)

  1. 既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、その後に、仕上げ塗装を施すことを特徴とする、施工方法であって、前記下地調整材が、50%引張応力が0.2〜0.8N/mm のゴム物性を呈する、該施工方法
  2. 該下地調整材が、23℃における粘度が100〜600Pa・sであることを特徴とする、請求項1に記載の施工方法。
  3. 該下地調整材の塗布が、乾燥後の膜厚が少なくとも5μmを有するように行われる、請求項1〜2いずれかに記載の施工方法。
  4. 既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に仕上げ塗装を施すのに用いる下地調整材であって、下地調整材が、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含み、50%引張応力が0.2〜0.8N/mm のゴム物性を呈することを特徴とする、該下地調整材。
  5. 少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を、仕上げ塗装を施す前に使用することを特徴とする、請求項4に記載の下地調整材の使用方法。
  6. 請求項に記載の下地調整材が充填されたスティック状の3方シール袋。
  7. 既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、その後に、シーリング施工を施すことを特徴とする、施工方法であって、前記下地調整材が、50%引張応力が0.2〜0.8N/mm のゴム物性を呈する、該施工方法
  8. 既にシリコーン系シーリング材でシーリングされている箇所および該箇所の周辺部に、少なくとも加水分解性シリル基含有ポリマーおよび硬化触媒を含む下地調整材を塗付し、接着前仕上を施すことを特徴とする、施工方法であって、前記下地調整材が、50%引張応力が0.2〜0.8N/mm のゴム物性を呈する、該施工方法
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