JP2013028125A - レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 - Google Patents

レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法 Download PDF

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Abstract

【課題】10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部の低層化が生じにくく、リンス性に優れ、ゴミが付着しにくいレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法を提供すること。
【解決手段】(成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、前記熱硬化性層の上に、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層を形成する親水性樹脂層形成工程、並びに、前記熱硬化性層を熱硬化により架橋する架橋工程、をこの順で含むことを特徴とするレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びその製造方法、並びに、フレキソ印刷版及びその製版方法に関する。
レリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する、いわゆる「直彫りCTP方式」が多く提案されている。この方式では、フレキソ印刷版原版に直接レーザーを照射し、光熱変換で熱分解及び揮発を生じさせ、凹部を形成する。直彫りCTP方式は、原画フィルムを用いたレリーフ形成と異なり、自由にレリーフ形状を制御することができる。このため、抜き文字の如き画像を形成する場合、その領域を他の領域よりも深く彫刻する、又は、微細網点画像では、印圧に対する抵抗を考慮し、ショルダーをつけた彫刻をする、なども可能である。
このレリーフ形成層をレーザーにより直接彫刻し製版する方式に用いられるレーザーは高出力の炭酸ガスレーザーに加え、安価で小型の半導体レーザーが開発され使用されてきている。これらのレーザーを用いた彫刻により発生したレリーフ形成層の彫刻カスは、リンス工程又は水洗工程などで除去されるが、彫刻カスの除去が容易なレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版として文献1〜3が開示されている。
特開2008−229875号公報 特開2010−94965号公報 特許第4323186号公報
レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版において、レーザー彫刻による彫刻カスを除去する場合、彫刻面に液状の粘稠なカスが発生し除去が困難になる問題がある。この原因の1つとして、レーザー彫刻される架橋したレリーフ形成層が架橋反応(重合組成物の重合反応)を行う際の酸素による重合反応への影響がある。レリーフ形成層を構成する重合性組成物において、重合開始剤から発生するラジカルは空気中に存在する酸素と接触することにより失活し、レリーフ形成層の空気と接触している面(以後、酸素遮断層面と表記する。)側では重合性化合物の反応が十分に進行しないことが懸念される。この酸素遮断層面における未反応の重合性化合物の存在は、酸素遮断層面側に粘稠な状態をもたらし、ゴミが付着し易く精細な印刷を困難とするだけでなく、酸素遮断層面をレーザー彫刻する際に除去が難しいカス(液状の粘稠物を含む)が大量に発生するといった問題を引き起こす原因となる。
特許文献1では、熱可塑性エラストマー性バインダーを含有する架橋可能な樹脂層の上に親水性樹脂層を積層したフレキソ印刷版原版は、彫刻カスの洗浄性に優れ、エッジ部の熱融解の度合いが小さいことが開示されている。一方、熱可塑性エラストマー性バインダーは熱溶融によりシャープな形状に彫刻できないことが知られており、10μm程度の微細網点を彫刻した際には、レーザー照射される網点ドット間の距離間隔が非常に狭いため、網点レリーフのエッジ部が僅かでも熱融解すると、網点頂点部のレリーフ層の高さが本来再現するべきレリーフ層ベタ部の高さよりも低減する(以後、網点頂点部の低層化と呼ぶ。)してしまい、印刷濃度に影響を及ぼしハイライトの再現性が不足する問題が懸念される。
本発明の目的は、10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部の低層化が生じにくく、リンス性に優れ、ゴミが付着しにくいレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を提供することである。
本発明の上記課題は以下の<1>、<8>〜<10>に記載の手段により解決された。好ましい実施態様である<2>〜<7>、<11>〜<17>と共に以下に記載する。
<1>(成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、前記熱硬化性層の上に、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層を形成する親水性樹脂層形成工程、並びに、前記熱硬化性層を熱硬化により架橋する架橋工程、をこの順で含むことを特徴とするレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<2>前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性樹脂を含有する、上記<1>に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<3>前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記<1>又は<2>に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<4>前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体、及び、ポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体を含有する、上記<1>〜<3>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<5>前記熱硬化性層が(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、上記<1>〜<4>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<6>前記親水性樹脂層の膜厚が20〜40μmである、上記<1>〜<5>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、
<7>前記親水性樹脂層が含有するポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体の含有量とポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体の含有量との重量比((PVA又はその誘導体の含有量)/(PVP又はその誘導体の含有量))が4〜10である、上記<4>〜<6>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法、<8>上記<1>〜<7>のいずれか1つに記載の製造方法によって作製されたレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版をレーザー露光により彫刻する工程、及び、彫刻により発生した彫刻カスと前記親水性樹脂層とをリンス液で除去する工程、をこの順で含むことを特徴とするフレキソ印刷版の製版方法、
<9>上記<8>に記載のフレキソ印刷版の製版方法により製造されたことを特徴とするフレキソ印刷版、
<10>(成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を熱架橋して形成された架橋構造を有するレリーフ形成層と、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層とを備えることを特徴とするレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<11>前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性である、上記<10>に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<12>前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性樹脂を含有する、上記<10>又は<11>に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<13>前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含有する、上記<10>〜<12>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<14>前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体、及び、ポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体を含有する、上記<10>〜<13>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<15>前記熱硬化性層が(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、上記<10>〜<14>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<16>前記親水性樹脂層の膜厚が20〜40μmである、上記<10>〜<15>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版、
<17>前記親水性樹脂層が含有するポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体の含有量とポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体の含有量との重量比((PVA又はその誘導体の含有量)/(PVP又はその誘導体の含有量))が4〜10である、上記<14>〜<16>のいずれか1つに記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
本発明によれば、10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部の低層化が生じにくく、リンス性に優れ、ゴミが付着しにくいレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を提供することができた。
以下、本発明について詳細に説明する。
なお、本発明において、数値範囲を表す「下限〜上限」の記載は、「下限以上、上限以下」を表し、「上限〜下限」の記載は、「上限以下、下限以上」を表す。すなわち、上限及び下限を含む数値範囲を表す。
また、「(成分A)重合性化合物」等を単に「成分A」等ともいう。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版は、(成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を熱架橋して形成された架橋構造を有するレリーフ形成層と、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層とを備えることを特徴とする。
成分Cのバインダーは高分子量の結着樹脂であり、成分A〜Cを含有する熱硬化性層を、熱硬化性樹脂層とも呼ぶ。
本発明における作用機構は定かではないが以下のように推定される。
ラジカル重合開始剤から発生するラジカルは空気中に存在する酸素と接触することにより失活し、重合性化合物はラジカル重合反応の阻害を受けることが知られている。これにより、酸素遮断層面(空気との接触面)側では重合性化合物の重合反応は完全には進行せず、未反応の重合性化合物が存在することがある。本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版では、熱硬化性樹脂層の上に酸素透過率の低い親水性樹脂層を有するため、酸素との接触を回避することができ、酸素遮断層面側においても重合性化合物を十分に反応させることができた。そのため、酸素遮断層面における粘稠性が小さく、ゴミ付きが低減した。更に親水性樹脂層を設けることにより、フレキソ印刷版の上に溜まった彫刻カスの洗浄において、洗浄除去が困難である粘稠性の高い彫刻カスを親水性樹脂層と共に容易に洗い流すことができ、大幅にリンス性が向上した。また、本発明において非エラストマー性バインダーをポリマーバインダーとして選択することで、熱可塑性エラストマー性バインダーを用いた場合と比べて、10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部の低層化が改良されることが分かった。レーザー彫刻では、レーザー照射により発生する熱によりポリマーバインダーは熱分解することで彫刻される。その熱により到達するフレキソ印刷版の版温度における弾性率が、非エラストマー性バインダーの方が熱可塑性エラストマー性バインダーよりも高いため、レーザー照射の距離間隔が狭くても彫刻されたレリーフ層のエッジ部の熱溶融が起こりにくく、高精細な印刷が可能となったと推定される。
以上に述べたように、非エラストマー性バインダーを含む熱硬化性樹脂層と親水性樹脂層とを設けることにより、重合性化合物が十分に反応し化学的に強化され、エッジ部の熱溶融の低減を実現することでき、リンス性に優れ、10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部低層化及びゴミの付着が起こりにくいレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版を提供することができた。
なお、本明細書では、フレキソ印刷版原版の説明に関し、レーザー彫刻に供する画像形成層としての、表面が平坦な層であり、未架橋及び架橋した熱硬化性層(架橋性層ともいう。)をレリーフ形成層と称し、これをレーザー彫刻して表面に凹凸を形成した層をレリーフ層と称する。
以下、レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の熱硬化性層の構成成分について説明する。
(熱硬化性層)
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版は、(成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層(熱硬化性樹脂組成物層ともいう。)を熱架橋して形成された架橋構造を有するレリーフ形成層を有する。
熱硬化性層が含有する熱硬化性樹脂組成物の成分A〜Cについて以下に説明する。
<(成分A)重合性化合物>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(成分A)重合性化合物を含有する。重合性化合物としては特に制限がなく、当業者間で周知の重合性化合物を用いることができる。好ましくは、少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物を用いることができる。
本発明に使用される好ましい重合性化合物である、少なくとも一個のエチレン性不飽和結合を有する重合性化合物は、エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定することなく用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。
モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。また、ヒドロキシル基や、アミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能イソシアネート類、エポキシ類との付加反応物、単官能又は、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアナト基や、エポキシ基、等の親電子性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、ハロゲン基や、トシルオキシ基、等の脱離性置換基を有する、不飽和カルボン酸エステル、アミド類と単官能又は多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
単官能重合性化合物としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、カルビトール(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、N−メチロール(メタ)アクリルアミド、エポキシ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸誘導体、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム等のN−ビニル化合物類、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、トリアリルトリメリテート等のアリル化合物類等が好ましく用いられる。
脂肪族多価アルコール化合物と不飽和カルボン酸とのエステルのモノマーの具体例としては、アクリル酸エステルとして、エチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、1,3−ブタンジオールジアクリレート、テトラメチレングリコールジアクリレート、プロピレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリメチロールエタントリアクリレート、ヘキサンジオールジアクリレート、1,4−シクロヘキサンジオールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトールジアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ジペンタエリスリトールジアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ソルビトールトリアクリレート、ソルビトールテトラアクリレート、ソルビトールペンタアクリレート、ソルビトールヘキサアクリレート、トリ(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ポリエステルアクリレートオリゴマー等が挙げられる。
メタクリル酸エステルとしては、ジエチレングリコールジメタクリレート、テトラメチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、トリメチロールエタントリメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、1,3−ブタンジオールジメタクリレート、ヘキサンジオールジメタクリレート、ペンタエリスリトールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールジメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート、ソルビトールトリメタクリレート、ソルビトールテトラメタクリレート、ビス〔p−(3−メタクリルオキシ−2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル〕ジメチルメタン、ビス−〔p−(メタクリルオキシエトキシ)フェニル〕ジメチルメタン、トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート等が挙げられる。
イタコン酸エステルとしては、エチレングリコールジイタコネート、プロピレングリコールジイタコネート、1,3−ブタンジオールジイタコネート、1,4−ブタンオールジイタコネート、テトラメチレングリコールジイタコネート、ペンタエリスリトールジイタコネート、ソルビトールテトライタコネート等がある。
クロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジクロトネート、テトラメチレングリコールジクロトネート、ペンタエリスリトールジクロトネート、ソルビトールテトラジクロトネート等が挙げられる。
イソクロトン酸エステルとしては、エチレングリコールジイソクロトネート、ペンタエリスリトールジイソクロトネート、ソルビトールテトライソクロトネート等が挙げられる。
マレイン酸エステルとしては、エチレングリコールジマレート、トリエチレングリコールジマレート、ペンタエリスリトールジマレート、ソルビトールテトラマレート等が挙げられる。
その他のエステルの例として、例えば、特公昭46−27926号、特公昭51−47334号、特開昭57−196231号各公報記載の脂肪族アルコール系エステル類や、特開昭59−5240号、特開昭59−5241号、特開平2−226149号各公報記載の芳香族系骨格を有するもの、特開平1−165613号公報記載のアミノ基を含有するもの等も好適に用いられる。
前述のエステルモノマーは混合物としても使用することができる。
また、脂肪族多価アミン化合物と不飽和カルボン酸とのアミドのモノマーの具体例としては、メチレンビス−アクリルアミド、メチレンビス−メタクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−アクリルアミド、1,6−ヘキサメチレンビス−メタクリルアミド、ジエチレントリアミントリスアクリルアミド、キシリレンビスアクリルアミド、キシリレンビスメタクリルアミド等がある。
その他の好ましいアミド系モノマーの例としては、特公昭54−21726号公報記載のシクロへキシレン構造を有すものを挙げることができる。
また、イソシアネートと水酸基の付加反応を用いて製造されるウレタン系重合性化合物も好適であり、そのような具体例としては、例えば、特公昭48−41708号公報中に記載されている1分子に2個以上のイソシアネート基を有するポリイソシアネート化合物に、下記式(I)で示される水酸基を含有するビニルモノマーを付加させた1分子中に2個以上の重合性ビニル基を含有するビニルウレタン化合物等が挙げられる。
CH2=C(R)COOCH2CH(R')OH (I)
(ただし、R及びR'は、H又はCH3を示す。)
また、特開昭51−37193号、特公平2−322号、特公平2−16765号各公報に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号各公報記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。
更に、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号各公報に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する重合性化合物類を用いることによっては、非常に感光スピードに優れた感光性組成物を得ることができる。
その他の例としては、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているようなポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸を反応させたエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタクリレートを挙げることができる。また、特公昭46−43946号、特公平1−40337号、特公平1−40336号各公報記載の特定の不飽和化合物や、特開平2−25493号公報記載のビニルホスホン酸系化合物等も挙げることができる。また、ある場合には、特開昭61−22048号公報記載のペルフルオロアルキル基を含有する構造が好適に使用される。更に日本接着協会誌vol20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
感光スピードの点では1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合、2官能以上が好ましい。また、画像部すなわち硬化膜の強度を高くするためには、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感光性と強度の両方を調節する方法も有効である。
成分Aの含有量は、熱硬化性層の固形分全重量に対して、好ましくは5〜80重量%、更に好ましくは5〜60重量%の範囲で使用される。また、成分Aは単独で用いても2種以上併用してもよい。
<(成分B)熱重合開始剤>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(成分B)熱重合開始剤を含有する。熱重合開始剤としては特に制限はなく、当業者間で公知のものを制限なく使用することができる。好ましくは、ラジカル重合開始剤が挙げられる。以下、好ましい熱重合開始剤であるラジカル重合開始剤について詳述する。
ラジカル重合開始剤としては、芳香族ケトン類、オニウム塩化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ヘキサアリールビイミダゾール化合物、ケトオキシムエステル化合物、ボレート化合物、アジニウム化合物、メタロセン化合物、活性エステル化合物、炭素ハロゲン結合を有する化合物、アゾ系化合物等が挙げられる。
本発明においては、彫刻感度と、フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層に適用した際にレリーフエッジ形状を良好とするといった観点から、有機過酸化物及びアゾ系化合物がより好ましく、有機過酸化物が特に好ましい。有機過酸化物及びアゾ系化合物としては、以下に示す化合物が好ましい。
−有機過酸化物−
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましい有機過酸化物としては、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーアミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーヘキシルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(ターシャリーオクチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(クミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、3,3’,4,4’−テトラ(p−イソプロピルクミルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノン、ジターシャリーブチルジパーオキシイソフタレート、ターシャリーブチルパーオキシベンゾエートなどの過酸化エステル系が好ましい。
−アゾ系化合物−
本発明に用いうるラジカル重合開始剤として好ましいアゾ系化合物としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスプロピオニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミドオキシム)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2’−アゾビス{2−メチル−N−[1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチル]プロピオンアミド}、2,2’−アゾビス[2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド)、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、2,2’−アゾビス(2,4,4−トリメチルペンタン)等を挙げることができる。
本発明における成分Bは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用することも可能である。
成分Bの含有量は、熱硬化性層の成分Aの全重量に対し0.01〜15重量%が好ましく、0.02〜10重量%より好ましい。重合開始剤の含有量を0.01重量%以上とすることで、これを添加した効果が得られ、架橋性レリーフ形成層の架橋が速やかに行われる。また、含有量を15重量%以下とすることで他成分が不足することがなく、フレキソ印刷版として使用するに足る耐刷性が得られるためである。
<(成分C)非エラストマー性バインダー>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する。
非エラストマー性バインダーとは、ガラス転移温度(Tg)が20℃以上であるバインダーポリマーを称する。即ち、エラストマーとは、一般的に、ガラス転移温度が常温以下のポリマーであるとして学術的に定義されている(科学大辞典 第2版、編者 国際科学振興財団、発行 丸善株式会社、P154参照)。従って、非エラストマーとはガラス転移温度が常温を超える温度であるポリマーを指す。バインダーポリマーのガラス転移温度の上限には制限はないが、200℃以下であることが取り扱い性の観点から好ましく、25℃以上120℃以下であることがより好ましい。
ガラス転移温度が室温(20℃)以上のポリマーは常温ではガラス状態をとるが、このためゴム状態をとる場合(エラストマー)に比較して、熱的な分子運動はかなり抑制された状態にある。レーザー彫刻においては、レーザー照射時に、赤外線レーザーが付与する熱に加え、後述する光熱変換剤の機能により発生した熱が、周囲に存在する架橋構造に伝達され、これが熱分解、消散して、結果的に彫刻されて凹部が形成されると推定される。 非エラストマー性バインダーを用いた場合、非エラストマー性バインダーの熱的な分子運動が抑制された状態の中に光熱変換剤が存在すると非エラストマー性バインダーへの熱伝達と熱分解が効果的に起こるものと考えられ、このような効果によってシャープな形状の高精細なフレキソ印刷版が得られるものと推定される。
本発明において好ましく用いられる非エラストマー性バインダーであるポリマーの具体例を以下に挙げる。本発明において好ましく用いられる非エラストマー性バインダーであるポリマーとしては、加熱や露光により硬化させ、強度を向上させる目的に使用する場合には、分子内に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、加水分解性シリル基及びシラノール基、エチレン性不飽和結合などを有するポリマーが好ましく用いられる。
この反応性官能基は、ポリマー分子中のいずれかに存在すればよいが、鎖状ポリマーの側鎖に存在することが好ましい。このようなポリマーとしては、ビニル共重合体(ポリビニルアルコールやポリビニルアセタールなどのビニルモノマーの共重合体及びその誘導体)やアクリル樹脂(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートなどのアクリル系モノマーの共重合体及びその誘導体)が好ましく例示できる。
バインダーポリマーに反応性官能基を導入する方法は特に限定されず、反応性官能基を有する単量体を付加(共)重合又は重縮合する方法、反応性官能基に誘導可能な基を有するポリマーを合成した後、このポリマーを高分子反応により反応性官能基に誘導する方法が含まれる。
分子内に反応性基を有するバインダーポリマーとしては、ヒドロキシル基を有するバインダーポリマーが好ましく用いられる。以下に、ヒドロキシル基を有するバインダーポリマーについて説明する。
ヒドロキシル基を有するバインダーポリマー(以下、「特定ポリマー」ともいう。)は、水不溶であって、かつ、炭素数1〜4のアルコールに可溶であることが好ましい。具体的には、ポリビニルアセタール及びその誘導体、側鎖にヒドロキシル基を有するアクリル樹脂、及び、側鎖にヒドロキシル基を有するエポキシ樹脂等が好ましく挙げられる。以下に具体的に説明する。
(1)ポリビニルアセタール及びその誘導体
非エラストマー性バインダーとして用いることができるポリビニルアセタールとしては、ポリビニルアルコール(ポリ酢酸ビニルを鹸化して得られる。)を環状アセタール化することにより得られる化合物である。また、ポリビニルアセタール誘導体は、前記ポリビニルアセタールを変性したり、他の共重合成分を加えたものである。
ポリビニルアセタール誘導体中のアセタール含量(原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数を100%とし、アセタール化されるビニルアルコール単位のモル%)は、30〜90%が好ましく、50〜85%がより好ましく、55〜78%が特に好ましい。
ポリビニルアセタール誘導体中のビニルアルコール単位としては、原料の酢酸ビニルモノマーの総モル数に対して、10〜70モル%が好ましく、15〜50モル%がより好ましく、22〜45モル%が特に好ましい。
また、ポリビニルアセタールは、その他の成分として、酢酸ビニル単位を有していてもよく、その含量としては0.01〜20モル%が好ましく、0.1〜10モル%が更に好ましい。ポリビニルアセタール誘導体は、更に、その他の共重合単位を有していてもよい。
ポリビニルアセタールとしては、ポリビニルブチラール、ポリビニルプロピラール、ポリビニルエチラール、ポリビニルメチラールなどが挙げられる。中でも、ポリビニルブチラール誘導体(PVB)が好ましい。
ポリビニルブチラールは、通常、ポリビニルアルコールをブチラール化して得られるポリマーである。また、ポリビニルブチラール誘導体を用いてもよい。
ポリビニルブチラール誘導体の例として、水酸基の少なくとも一部をカルボキシル基等の酸基に変性した酸変性PVB、水酸基の一部を(メタ)アクリロイル基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部をアミノ基に変性した変性PVB、水酸基の少なくとも一部にエチレングリコールやプロピレングリコール及びこれらの複量体を導入した変性PVB等が挙げられる。
ポリビニルアセタールの分子量としては、彫刻感度と皮膜性のバランスを保つ観点で、重量平均分子量として5,000〜800,000であることが好ましく、8,000〜500,000であることがより好ましい。更に、彫刻カスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000であることが特に好ましい。
以下、ポリビニルアセタールの特に好ましい例として、ポリビニルブチラール(PVB)及びその誘導体を挙げて説明するが、これに限定されない。
ポリビニルブチラールの構造は、以下に示す通りであり、これらの構成単位を含んで構成される。
Figure 2013028125
上記式中、l、m及びnは上記式中のそれぞれの繰返し単位のポリビニルブチラール中における含有量(モル%)を表し、l+m+n=100の関係を満たす。ポリビニルブチラール及びその誘導体中のブチラール含量(上記式中におけるlの値)は、30〜90モル%が好ましく、50〜85モル%がより好ましく、55〜78モル%が特に好ましい。 彫刻感度と皮膜性とのバランスの観点から、ポリビニルブチラール及びその誘導体の重量平均分子量は、5,000〜800,000が好ましく、8,000〜500,000がより好ましく、彫刻カスのリンス性向上の観点からは、50,000〜300,000が特に好ましい。
PVBの誘導体としては、市販品としても入手可能であり、その好ましい具体例としては、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で、積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズ、「エスレックK(KS)」シリーズ、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」が好ましい。更に好ましくは、アルコール溶解性(特にエタノール)の観点で積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズと電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」である。これらのうち、特に好ましい市販品を、上記式中の、l、m、及びnの値と、分子量とともに以下に示す。積水化学工業(株)製の「エスレックB」シリーズでは、「BL−1」(l=61、m=3、n=36 重量平均分子量 1.9万)、「BL−1H」(l=67、m=3、n=30 重量平均分子量 2.0万)、「BL−2」(l=61、m=3、n=36 重量平均分子量 約2.7万)、「BL−5」(l=75、m=4、n=21 重量平均分子量 3.2万)、「BL−S」(l=74、m=4、n=22 重量平均分子量 2.3万)、「BM−S」(l=73、m=5、n=22 重量平均分子量 5.3万)、「BH−S」(l=73、m=5、n=22 重量平均分子量 6.6万)が、また、電気化学工業(株)製の「デンカブチラール」シリーズでは「#3000−1」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 7.4万)、「#3000−2」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 9.0万)、「#3000−4」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 11.7万)、「#4000−2」(l=71、m=1、n=28 重量平均分子量 15.2万)、「#6000−C」(l=64、m=1、n=35 重量平均分子量 30.8万)、「#6000−EP」(l=56、m=15、n=29 重量平均分子量 38.1万)、「#6000−CS」(l=74、m=1、n=25 重量平均分子量 32.2万)、「#6000−AS」(l=73、m=1、n=26 重量平均分子量 24.2万)が、それぞれ挙げられる。
PVB誘導体を特定ポリマーとして用いてレリーフ形成層を製膜する際には、溶剤に溶かした溶液をキャストし乾燥させる方法が、膜表面の平滑性の観点で好ましい。
(2)アクリル樹脂
非エラストマー性バインダーとして用いることができるアクリル樹脂としては、公知のアクリル単量体を用いて得るアクリル樹脂であって、分子内にヒドロキシル基を有するものが好ましい。
ヒドロキシル基を有するアクリル樹脂の合成に用いられるアクリル単量体としては、例えば(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、(メタ)アクリルアミド類であって分子内にヒドロキシル基を有するものが好ましい。この様な単量体の具体例としては例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
なお、本発明において、「(メタ)アクリル」とは、「アクリル」及び「メタクリル」のいずれか一方、又は、その両方を含む語であり、「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート」及び「メタクリレート」のいずれか一方、又は、その両方を含む語である。
また、アクリル樹脂としては、上記ヒドロキシル基を有するアクリル単量体以外のアクリル単量体を共重合成分として含むこともできる。このようなアクリル単量体としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、アセトキシエチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、2−(2−メトキシエトキシ)エチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノフェニルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノエチルエーテル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、エチレングリコールとプロピレングリコールとの共重合体のモノメチルエーテル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
更に、ウレタン基やウレア基を有するアクリル単量体を含んで構成される変性アクリル樹脂も好ましく使用することができる。
これらの中でも、水性インキ耐性の観点で、ラウリル(メタ)アクリレートなどのアルキル(メタ)アクリレート類、t−ブチルシクロヘキシルメタクリレートなど脂肪族環状構造を有する(メタ)アクリレート類がより好ましい。
(3)ノボラック樹脂
また、非エラストマー性バインダーとして、フェノール類とアルデヒド類を酸性条件下で縮合させた樹脂であるノボラック樹脂を好ましく用いることができる。
好ましいノボラック樹脂としては、例えばフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、p−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、o−クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、オクチルフェノールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、m−/p−混合クレゾールとホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂、フェノール/クレゾール(m−,p−,o−又はm−/p−,m−/o−,o−/p−混合のいずれでもよい。)の混合物とホルムアルデヒドから得られるノボラック樹脂などが挙げられる。
これらのノボラック樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000で、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
非エラストマー性バインダーとして、ヒドロキシル基を側鎖に有するエポキシ樹脂を用いることも可能である。好ましい具体例としては、ビスフェノールAとエピクロヒドリンの付加物を原料モノマーとして重合して得られるエポキシ樹脂が好ましい。
これらのエポキシ樹脂は、重量平均分子量が800〜200,000であり、かつ、数平均分子量が400〜60,000のものが好ましい。
非エラストマー性バインダーの中でも、レリーフ形成層としたときのリンス性及び耐刷性の観点でポリビニルブチラール誘導体がより好ましい。
本発明における非エラストマー性バインダーに含まれるヒドロキシル基の含有量は、前記いずれの態様のポリマーにおいても、0.1〜15mmol/gであることが好ましく、0.5〜7mmol/gであることがより好ましい。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、上記非エラストマー性バインダーに加え、非エラストマー性バインダーに包含されない公知のポリマーを単独使用又は併用することができる。以下、このようなポリマーを一般ポリマーともいう。
一般ポリマーは、前記非エラストマー性バインダーとともに、レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版に含有される熱硬化性樹脂組成物を構成するものであり、非エラストマー性バインダーに包含されない一般的な高分子化合物を適宜選択し、1種又は2種以上を使用することができる。特に、レリーフ形成版原版を印刷版原版に用いる際は、レーザー彫刻性、インキ受与性、彫刻カス分散性などの種々の性能を考慮してバインダーポリマーを選択することが必要である。
一般ポリマーとしては、ポリスチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリウレアポリアミドイミド樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリカーボネート樹脂、ヒドロキシエチレン単位を含む親水性ポリマー、アクリル樹脂、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、ゴム、熱可塑性エラストマーなどから選択して用いることができる。
例えば、レーザー彫刻感度の観点からは、露光或いは加熱により熱分解する部分構造を含むポリマーが好ましい。このようなポリマーは、特開2008−163081号公報の段落0038に記載されているものが好ましく挙げられる。
本発明で使用される熱硬化性樹脂組成物には、成分Cを1種のみ用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明で使用される熱硬化性層における成分Cの含有量は、塗膜の形態保持性と耐水性と彫刻感度をバランスよく満足する観点で、本発明で使用される熱硬化性層の固形分全重量に対し、2〜95重量%であることが好ましく、5〜80重量%であることがより好ましく、10〜60重量%であることが特に好ましい。
<(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、成分A〜Cに加え更に、(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を好ましく含有することができる。本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物に好ましく用いられる(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物(以下、適宜、「成分D」と称する。)における「加水分解性シリル基」とは、加水分解性を有するシリル基のことであり、加水分解性基としては、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、イソプロペノキシ基等を挙げることができる。シリル基は加水分解してシラノール基となり、シラノール基は脱水縮合してシロキサン結合が生成する。このような加水分解性シリル基及び又はシラノール基は下記式(1)で表されるものが好ましい。
Figure 2013028125
前記式(1)中、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシル基を表す。残りのR1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、1価の有機置換基(例えば、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、アラルキル基を挙げることができる。)を表す。
前記式(1)中、ケイ素原子に結合する加水分解性基としては、特にアルコキシ基、ハロゲン原子が好ましく、アルコキシ基がより好ましい。
アルコキシ基としては、リンス性と耐刷性の観点から、炭素数1〜30のアルコキシ基が好ましい。より好ましくは炭素数1〜15のアルコキシ基、更に好ましくは炭素数1〜5、特に好ましくは炭素数1〜3のアルコキシ基、最も好ましくはメトキシ基又はエトキシ基である。
また、ハロゲン原子としては、F原子、Cl原子、Br原子、I原子が挙げられ、合成のしやすさ及び安定性の観点で、好ましくはCl原子及びBr原子であり、より好ましくはCl原子である。
本発明における成分Dは、前記式(1)で表される基を1つ以上有する化合物であることが好ましく、2つ以上有する化合物であることがより好ましい。特に加水分解性シリル基を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。すなわち、分子内に加水分解性基が結合したケイ素原子を2つ以上有する化合物が好ましく用いられる。成分D中に含まれる加水分解性基が結合したケイ素原子の数は、2以上6以下が好ましく、2又は3が最も好ましい。
前記加水分解性基は1個のケイ素原子に1〜4個の範囲で結合することができ、式(1)中における加水分解性基の総個数は2又は3の範囲であることが好ましい。特に3つの加水分解性基がケイ素原子に結合していることが好ましい。加水分解性基がケイ素原子に2個以上結合するときは、それらは互いに同一であっても、異なっていてもよい。
好ましい前記アルコキシ基として、具体的には、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、tert−ブトキシ基、フェノキシ基、ベンジルオキシ基などを挙げることができる。これらの各アルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよいし、異なるアルコキシ基を複数個組み合わせて用いてもよい。
アルコキシ基の結合したアルコキシシリル基としては、例えば、トリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリイソプロポキシシリル基、トリフェノキシシリル基などのトリアルコキシシリル基;ジメトキシメチルシリル基、ジエトキシメチルシリル基などのジアルコキシモノアルキルシリル基;メトキシジメチルシリル基、エトキシジメチルシリル基などのモノアルコキシジアルキルシリル基を挙げることができる。
成分Dは、硫黄原子、エステル結合、ウレタン結合、エーテル結合、ウレア結合、又は、イミノ基を少なくとも有することが好ましい。
中でも、成分Dは、架橋性の観点から、硫黄原子を含有することが好ましく、また、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、アルカリ水で分解しやすいエステル結合、ウレタン結合、又は、エーテル結合(特にオキシアルキレン基に含まれるエーテル結合)を含有することが好ましい。硫黄原子を含有する成分Dは、加硫処理時に、加硫剤や加硫促進剤として機能し、共役ジエン単量体単位を含有する重合体の反応(架橋)を促進する。その結果、フレキソ印刷版として必要なゴム弾性を発現させる。また、架橋レリーフ形成層及びレリーフ層の強度を向上させる。
また、本発明における成分Dは、エチレン性不飽和結合を有していない化合物であることが好ましい。
本発明における成分Dは、複数の前記式(1)で表される基が二価の連結基を介して結合している化合物が挙げられ、このような二価の連結基としては、効果の観点からスルフィド基(−S−)、イミノ基(−N(R)−)、ウレア基又は、ウレタン結合(−OCON(R)−又は−N(R)COO−)を有する連結基が好ましい。なお、Rは水素原子又は置換基を表す。Rにおける置換基としては、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、又は、アラルキル基が例示できる。
成分Dの合成方法としては、特に制限はなく、公知の方法により合成することができる。一例として、上記特定構造を有する連結基を含む成分Dの代表的な合成方法を以下に示す。
(連結基としてスルフィド基を有し、かつ加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物の合成法)
連結基としてスルフィド基を有する成分D(以下、適宜、「スルフィド連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dと硫化アルカリの反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、メルカプト基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプタン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとメルカプト基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とメルカプト基を有する成分Dの反応、ケトン類とメルカプト基を有する成分Dの反応、ジアゾニウム塩とメルカプト基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン類との反応、メルカプト基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、及び、メルカプタン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、メルカプト基を有する成分Dとアジリジン類との反応等の合成方法が例示できる。
(連結基としてイミノ基を有し、かつ加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物の合成法)
連結基としてイミノ基を有する成分D(以下、適宜、「イミノ連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素の反応、アミノ基を有する成分Dとハロゲン化炭化水素基を有する成分Dの反応、ハロゲン化炭化水素基を有する成分Dとアミン類の反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン類との反応、アミノ基を有する成分Dとオキシラン基を有する成分Dの反応、アミン類とオキシラン基を有する成分Dの反応、アミノ基を有する成分Dとアジリジン類との反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミン類の反応、エチレン性不飽和二重結合を有する成分Dとアミノ基を有する成分Dの反応、エチレン性不飽和二重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、アセチレン性不飽和三重結合を有する化合物とアミノ基を有する成分Dの反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ金属化合物の反応、イミン性不飽和二重結合を有する成分Dと有機アルカリ土類金属化合物の反応、及び、カルボニル化合物とアミノ基を有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。
<連結基としてウレア結合を有し、かつ加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物の合成法>
連結基としてウレア基を有する成分D(以下、適宜、「ウレア連結基含有成分D」と称する。)の合成法は特には限定されないが、具体的には、例えば、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステル類の反応、アミノ基を有する成分Dとイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応、及び、アミン類とイソシアン酸エステルを有する成分Dの反応等の合成方法が例示できる。
成分Dとしては、下記式(A−1)又は式(A−2)で表される化合物であることが好ましい。
Figure 2013028125
(式(A−1)及び式(A−2)中、RBはエステル結合、アミド結合、ウレタン結合、ウレア結合、又は、イミノ基を表し、L1はn価の連結基を表し、L2は二価の連結基を表し、Ls1はm価の連結基を表し、L3は二価の連結基を表し、n及びmはそれぞれ独立に1以上の整数を表し、R1〜R3はそれぞれ独立に水素原子、ハロゲン原子、又は、一価の有機置換基を表す。ただし、R1〜R3の少なくともいずれか1つは、アルコキシ基、メルカプト基、ハロゲン原子、アミド基、アセトキシ基、アミノ基、及び、イソプロペノキシ基よりなる群から選択される加水分解性基、又は、ヒドロキシル基を表す。)
前記式(A−1)及び式(A−2)におけるR1〜R3は、前記式(1)におけるR1〜R3と同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記RBは、リンス性及び膜強度の観点から、エステル結合又はウレタン結合であることが好ましく、エステル結合であることがより好ましい。
前記L1〜L3における二価又はn価の連結基は、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることが好ましく、炭素原子、水素原子、酸素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子から構成された基であることがより好ましい。前記L1〜L3の炭素数は、2〜60であることが好ましく、2〜30であることがより好ましい。
前記Ls1におけるm価の連結基は、硫黄原子と、炭素原子、水素原子、酸素原子、窒素原子及び硫黄原子よりなる群から選ばれた少なくとも1種の原子とから構成された基であることが好ましく、アルキレン基、又は、アルキレン基、スルフィド基及びイミノ基を2以上組み合わせた基であることがより好ましい。前記Ls1の炭素数は、2〜60であることが好ましく、6〜30であることがより好ましい。
前記n及びmはそれぞれ独立に、1〜10の整数であることが好ましく、2〜10の整数であることがより好ましく、2〜6の整数であることが更に好ましく、2であることが特に好ましい。
1のn価の連結基及び/又はL2の二価の連結基、又は、L3の二価の連結基は、彫刻カスの除去性(リンス性)の観点から、エーテル結合を有することが好ましく、オキシアルキレン基に含まれるエーテル結合を有することがより好ましい。
式(A−1)又は式(A−2)で表される化合物の中でも、架橋性等の観点から、式(A−1)において、L1のn価の連結基及び/又はL2の二価の連結基が硫黄原子を有する基であることが好ましい。
本発明に適用しうる成分Dの具体例を以下に示す。例えば、ビニルトリクロロシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、p−スチリルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトメチルトリメトキシシラン、ジメトキシ−3−メルカプトプロピルメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)ジエトキシメチルシラン、3−(2−アセトキシエチルチオプロピル)ジメトキシメチルシラン、2−(2−アミノエチルチオエチル)トリエトキシシラン、ジメトキシメチル−3−(3−フェノキシプロピルチオプロピル)シラン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、1,4−ビス(トリエトキシシリル)ベンゼン、ビス(トリエトキシシリル)エタン、1,6−ビス(トリメトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、1,2−ビス(トリメトキシシリル)デカン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、γ−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、トリメチルシラノール、ジフェニルシランジオール、トリフェニルシラノール等を挙げることができる。その他にも、以下に示す化合物が好ましいものとして挙げられるが、本発明はこれらの化合物に制限されるものではない。
Figure 2013028125
Figure 2013028125
Figure 2013028125
Figure 2013028125
前記各式中、Rは以下の構造から選択される部分構造を表す。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 2013028125
Figure 2013028125
前記各式中、Rは以下に示す部分構造を表す。R1は前記したものと同義である。分子内に複数のR及びR1が存在する場合、これらは互いに同じでも異なっていてもよく、合成適性上は、同一であることが好ましい。
Figure 2013028125
成分Dは、適宜合成して得ることも可能であるが、市販品を用いることがコストの面から好ましい。成分Dとしては、例えば、信越化学工業(株)、東レ・ダウコーニング(株)、モメンティブパフォーマンスマテリアルズ(株)、チッソ(株)等から市販されているシラン製品、シランカップリング剤などの市販品がこれに相当するため、本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物に、これら市販品を、目的に応じて適宜選択して使用してもよい。
本発明における成分Dとして、加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を1種用いて得られた部分加水分解縮合物、又は、2種以上用いて得られた部分共加水分解縮合物を用いることができる。以下、これらの化合物を「部分(共)加水分解縮合物」と称することがある。
部分(共)加水分解縮合物前駆体としてのシラン化合物の中でも、汎用性、コスト面、膜の相溶性の観点から、ケイ素上の置換基としてメチル基及びフェニル基から選択される置換基を有するシラン化合物であることが好ましく、具体的には、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシランが好ましい前駆体として例示される。
この場合、部分(共)加水分解縮合物としては、上記したようなシラン化合物の2量体(シラン化合物2モルに水1モルを作用させてアルコール2モルを脱離させ、ジシロキサン単位としたもの)〜100量体、好ましくは2〜50量体、更に好ましくは2〜30量体としたものが好適に使用できるし、2種以上のシラン化合物を原料とする部分共加水分解縮合物を使用することも可能である。
なお、このような部分(共)加水分解縮合物は、シリコーンアルコキシオリゴマーとして市販されているものを使用してもよく(例えば、信越化学工業(株)などから市販されている。)、また、常法に基づき、加水分解性シラン化合物に対し当量未満の加水分解水を反応させた後に、アルコール、塩酸等の副生物を除去することによって製造したものを使用してもよい。製造に際しては、前駆体となる原料の加水分解性シラン化合物として、例えば、上記したようなアルコキシシラン類やアシロキシシラン類を使用する場合は、塩酸、硫酸等の酸、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属又はアルカリ土類金属の水酸化物、トリエチルアミン等のアルカリ性有機物質等を反応触媒として部分加水分解縮合すればよく、クロロシラン類から直接製造する場合には、副生する塩酸を触媒として水及びアルコールを反応させればよい。
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物における成分Dは、1種のみを用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明に使用される熱硬化性層に含まれる成分Dの含有量は、固形分換算で、0.1〜80重量%の範囲であることが好ましく、より好ましくは1〜40重量%の範囲であり、最も好ましくは5〜30重量%の範囲である。
<(成分E)光熱変換剤>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、成分A〜Cに加え更に、(成分E)光熱変換剤を好ましく使用することができる。成分Eは、700nm以上1,300nm以下に極大吸収波長を有し、前記波長域のレーザー光を吸収し、発熱して本発明のフレキソ印刷版原版のレリーフ形成層の熱分解を促進し、レーザー彫刻における感度を向上させると考えられる。成分Eは、700nm以上1,300nm以下の赤外線を発するレーザー(YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー、面発光レーザー等)を光源としてレーザー彫刻に用いる場合に、赤外線吸収剤として好ましく用いられる。
成分Eの具体的化合物として、波長700nm以上1,300nm以下に吸収極大を有していれば特に制限されないが、染料又は顔料が好ましく挙げられる。
染料としては、市販の染料及び例えば「染料便覧」(有機合成化学協会編集、昭和45年刊)等の文献に記載されている公知のものが利用できる。
具体的には、アゾ染料、金属錯塩アゾ染料、ピラゾロンアゾ染料、ナフトキノン染料、アントラキノン染料、フタロシアニン染料、カルボニウム染料、ジインモニウム化合物、キノンイミン染料、メチン染料、シアニン染料、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、金属チオレート錯体等の染料が挙げられる。
好ましい染料としては、例えば、特開昭58−125246号、特開昭59−84356号、特開昭59−202829号、特開昭60−78787号等の各公報に記載されているシアニン染料、特開昭58−173696号、特開昭58−181690号、特開昭58−194595号等の各公報に記載されているメチン染料、特開昭58−112793号、特開昭58−224793号、特開昭59−48187号、特開昭59−73996号、特開昭60−52940号、特開昭60−63744号等の各公報に記載されているナフトキノン染料、特開昭58−112792号公報等に記載されているスクワリリウム色素、英国特許434,875号明細書記載のシアニン染料等を挙げることができる。 また、米国特許第5,156,938号明細書記載の近赤外吸収増感剤も好適に用いられ、また、米国特許第3,881,924号明細書記載の置換されたアリールベンゾ(チオ)ピリリウム塩、特開昭57−142645号公報(米国特許第4,327,169号明細書)記載のトリメチンチアピリリウム塩、特開昭58−181051号、同58−220143号、同59−41363号、同59−84248号、同59−84249号、同59−146063号、同59−146061号の各公報に記載されているピリリウム系化合物、特開昭59−216146号公報記載のシアニン色素、米国特許第4,283,475号明細書に記載のペンタメチンチオピリリウム塩等や特公平5−13514号公報、同5−19702号公報に開示されているピリリウム化合物も好ましく用いられる。また、染料として好ましい別の例として、米国特許第4,756,993号明細書中に式(I)、(II)として記載されている近赤外吸収染料を挙げることができる。
また、本発明の成分Eの好ましい他の例としては、特開2002−278057号公報に記載の特定インドレニンシアニン色素が挙げられる。
これらの染料のうち好ましいものとしては、シアニン色素、スクワリリウム色素、ピリリウム塩、ニッケルチオレート錯体、インドレニンシアニン色素が挙げられる。更に、シアニン色素やインドレニンシアニン色素が好ましい。
本発明において、好適に用いることのできるシアニン色素の具体例としては、特開2001−133969号公報の段落0017〜0019、特開2002−40638号公報の段落0012〜0038、特開2002−23360号公報の段落0012〜0023に記載されたものを挙げることができる。
下記式(d)又は式(e)で表される色素が光熱変換性の観点から好ましい。
Figure 2013028125
式(d)中、R29ないしR32は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基を示す。R33及びR34は各々独立に、アルキル基、置換オキシ基、又はハロゲン原子を示す。n及びmは各々独立に0ないし4の整数を示す。R29とR30、又はR31とR32はそれぞれ結合して環を形成してもよく、またR29及び/又はR30はR33と、またR31及び/又はR32はR34と結合して環を形成してもよく、更に、R33或いはR34が複数存在する場合に、R33同士或いはR34同士は互いに結合して環を形成してもよい。X2及びX3は各々独立に、水素原子、アルキル基、又はアリール基であり、X2及びX3の少なくとも一方は水素原子又はアルキル基を示す。Qは置換基を有していてもよいトリメチン基又はペンタメチン基であり、2価の有機基とともに環構造を形成してもよい。Zc -は対アニオンを示す。ただし、式(d)で示される色素が、その構造内にアニオン性の置換基を有し、電荷の中和が必要ない場合にはZc -は必要ない。好ましいZc -は、レリーフ形成層塗布液の保存安定性から、ハロゲン化物イオン、過塩素酸イオン、テトラフルオロボレートイオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びスルホン酸イオンであり、特に好ましくは、過塩素酸イオン、ヘキサフルオロホスフェートイオン、及びアリールスルホン酸イオンである。
本発明において、好適に用いることのできる式(d)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2013028125
Figure 2013028125
式(e)中、R35〜R50はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、アリール基、アルケニル基、アルキニル基、水酸基、カルボニル基、チオ基、スルホニル基、スルフィニル基、オキシ基、アミノ基、オニウム塩構造を示し、これらの基に置換基が導入可能な場合は、置換基を有してもよい。Mは2つの水素原子、金属原子、ハロメタル基、又はオキシメタル基を示すが、そこに含まれる金属原子としては、周期律表の1族、2族、13族、14族原子、第一、第二、第三周期の遷移金属、ランタノイド元素が挙げられ、中でも、銅、マグネシウム、鉄、亜鉛、コバルト、アルミニウム、チタン、及びバナジウムが好ましい。
本発明において、好適に用いることのできる式(e)で示される染料の具体例としては、以下に例示するものを挙げることができる。
Figure 2013028125
本発明において使用される顔料としては、市販の顔料及びカラーインデックス(C.I.)便覧、「最新顔料便覧」(日本顔料技術協会編、1977年刊)、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)、「印刷インキ技術」CMC出版、1984年刊)に記載されている顔料が利用できる。
顔料の種類としては、黒色顔料、黄色顔料、オレンジ色顔料、褐色顔料、赤色顔料、紫色顔料、青色顔料、緑色顔料、蛍光顔料、金属粉顔料、その他、ポリマー結合色素が挙げられる。具体的には、不溶性アゾ顔料、アゾレーキ顔料、縮合アゾ顔料、キレートアゾ顔料、フタロシアニン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン及びペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キナクリドン系顔料、ジオキサジン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノフタロン系顔料、染付けレーキ顔料、アジン顔料、ニトロソ顔料、ニトロ顔料、天然顔料、蛍光顔料、無機顔料、カーボンブラック等が使用できる。これらの顔料のうち特に好ましいものはカーボンブラックである。
これら顔料は表面処理をせずに用いてもよく、表面処理を施して用いてもよい。表面処理の方法には、樹脂やワックスを表面コートする方法、界面活性剤を付着させる方法、反応性物質(例えば、シランカップリング剤、エポキシ化合物、ポリイソシアネート等)を顔料表面に結合させる方法等が考えられる。上記の表面処理方法は、「金属石鹸の性質と応用」(幸書房)、「印刷インキ技術」(CMC出版、1984年刊)及び「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
更に、これらの光熱変換剤の熱分解温度がバインダーポリマーの熱分解温度同等以上という組み合わせ(条件)で使用する場合に更に彫刻感度が高くなる傾向であり好ましい。
本発明で用いられる光熱変換剤の具体例としては、ヘプタメチンシアニン色素等のシアニン系色素、ペンタメチンオキソノール色素等のオキソノール系色素、インドリウム系色素、ベンズインドリウム系色素、ベンゾチアゾリウム系色素、キノリニウム系色素、顕色剤と反応させたフタリド化合物等を挙げることができる。全てのシアニン系色素が、前述した光吸収特性を有するものではない。置換基の種類及び分子内での位置、共役結合の数、対イオンの種類、色素分子の存在する周囲の環境などにより、光吸収特性が極めて大きく変化する。
また、一般に市販されているレーザー色素、過飽和吸収色素、近赤外線吸収色素を使用することもできる。例えば、レーザー色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)の商標「ADS740PP」、「ADS745HT」、「ADS760MP」、「ADS740WS」、「ADS765WS」、「ADS745HO」、「ADS790NH」、「ADS800NH」、(株)林原生物化学研究所社製の商標「NK−3555」、「NK−3509」、「NK−3519」を挙げることができる。また、近赤外線吸収色素として、アメリカン・ダイ・ソース社(カナダ国)商標「ADS775MI」、「ADS775MP」、「ADS775HI」、「ADS775PI」、「ADS775PP」、「ADS780MT」、「ADS780BP」、「ADS793EI」、「ADS798MI」、「ADS798MP」、「ADS800AT」、「ADS805PI」、「ADS805PP」、「ADS805PA」、「ADS805PF」、「ADS812MI」、「ADS815EI」、「ADS818HI」、「ADS818HT」、「ADS822MT」、「ADS830AT」、「ADS838MT」、「ADS840MT」、「ADS845BI」、「ADS905AM」、「ADS956BI」、「ADS1040T」、「ADS1040P」、「ADS1045P」、「ADS1050P」、「ADS1060A」、「ADS1065A」、「ADS1065P」、「ADS1100T」、「ADS1120F」、「ADS1120P」、「ADS780WS」、「ADS785WS」、「ADS790WS」、「ADS805WS」、「ADS820WS」、「ADS830WS」、「ADS850WS」、「ADS780HO」、「ADS810CO」、「ADS820HO」、「ADS821NH」、「ADS840NH」、「ADS880MC」、「ADS890MC」、「ADS920MC」、山本化成(株)製、商標「YKR−2200」、「YKR−2081」、「YKR−2900」、「YKR−2100」、「YKR−3071」、有本化学工業(株)製、商標「SDO−1000B」、(株)林原生物化学研究所社製、商標「NK−3508」、「NKX−114」を挙げることができる。ただし、これらのみに限定されるものではない。
また、顕色剤と反応させたフタリド化合物は、特許第3271226号公報に記載されているものを用いることもできる。また、リン酸エステル金属化合物、例えば特開平6−345820号公報、国際公開第99/10354号パンフレットに記載のあるリン酸エステルと銅塩との複合体を用いることもできる。更に、近赤外線領域に光吸収特性を有する体積平均粒子径が好ましくは0.3μm以下、より好ましくは0.1μm以下、特に好ましくは0.08μm以下の微粒子を用いることもできる。例えば、酸化イットリウム、酸化錫及び/又は酸化インジウム、酸化銅、酸化鉄等の金属酸化物、或いは金、銀、パラジウム、白金等の金属などを挙げることもできる。更に、体積平均粒子径が5μm以下、より好ましくは1μm以下の、ガラス等の粒子中に銅、錫、インジウム、イットリウム、クロム、コバルト、チタン、ニッケル、バナジウム、希土類元素のイオン等の金属イオンを添加したものを用いることもできる。また、マイクロカプセル中に含有させることもできる。その場合、カプセルの体積平均粒子径は、10μm以下が好ましく、より好ましくは5μm以下、更に好ましくは1μm以下である。イオン交換体粒子に銅、錫、インジウム、イットリウム、希土類元素等の金属イオンを吸着させたものを用いることもできる。イオン交換体粒子としては、樹脂粒子であっても無機粒子であっても構わない。無機粒子としては、例えば非晶質リン酸ジルコニウム、非晶質ケイリン酸ジルコニウム、非晶質ヘキサメタリン酸ジルコニウム、層状リン酸ジルコニウム、網状リン酸ジルコニウム、タングステン酸ジルコニウム、ゼオライト等を挙げることができる。樹脂粒子としては、通常使用されているイオン交換樹脂、イオン交換セルロース等を挙げることができる。
本発明に特に好ましく使用される光熱変換剤としては、安定性、光熱変換効率の観点からカーボンブラックを特に好ましく挙げることができる。カーボンブラックは、レリーフ形成層を構成する組成物中における分散安定性などに問題がない限り、ASTMにより分類される規格の製品以外でも、カラー用、ゴム用、乾電池用などの各種用途に通常使用されるいずれのカーボンブラックも好ましく使用可能である。
ここでいうカーボンブラックには、例えば、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラックなども包含される。なお、カーボンブラックなどの黒色着色剤は、分散を容易にするため、必要に応じて分散剤を用い、予めニトロセルロースやバインダーなどに分散させたカラーチップやカラーペーストとして、レリーフ形成層組成物の調整に使用することができ、このようなチップやペーストは市販品として容易に入手できる。
本発明においては、比較的低い比表面積及び比較的低いDBP吸収を有するカーボンブラックや比表面積の大きい微細化されたカーボンブラックまでを使用することも可能である。
好適なカーボンブラックの市販品の例としては、Printex U(登録商標)、Printex A(登録商標)又はSpezialschwarz 4(登録商標)(いずれもDegussa社製)、シースト600 ISAF−LS(東海カーボン(株)製)、旭#70(N−300)、旭#80(N−220)(旭カーボン(株)製)等が挙げられる。
本発明においては、レーザー彫刻用樹脂組成物中での分散性の観点から、吸油量150ml/100g未満のカーボンブラックが好ましい。
このようなカーボンブラックの選択については、例えば、「カーボンブラック便覧」カーボンブラック協会編、を参考にすることができる。
カーボンブラックの吸油量が150ml/100g未満のものを用いるとレリーフ形成層中で良好な分散性が得られるため好ましい。一方、カーボンブラックの吸油量が150ml/100g以上のものを用いた場合には、レリーフ形成層用塗布液への分散性が悪くなる傾向があり、カーボンブラックの凝集が生じやすくなるため、感度の不均一などが生じ、好ましくない。また、凝集防止のため、塗布液作製時に、カーボンブラックの分散を強化する必要がある。
成分Eを分散する方法としては、インク製造やトナー製造等に用いられる公知の分散技術が使用できる。分散機としては、超音波分散器、ペイントシェーカー、サンドミル、アトライター、パールミル、スーパーミル、ボールミル、インペラー、デスパーザー、KDミル、コロイドミル、ダイナトロン、3本ロールミル、加圧ニーダー等が挙げられる。詳細は、「最新顔料応用技術」(CMC出版、1986年刊)に記載されている。
成分Eの含有量は、その分子固有の分子吸光係数の大きさにより異なるが、熱硬化性層の固形分全重量に対し0.1重量%以上15重量%以下の範囲であり、好ましくは0.1重量%以上10重量%以下、特に好ましくは0.1重量%以上7重量%以下の範囲である。
成分Eの体積平均粒子径は、0.001μm以上10μm以下の範囲にあることが好ましく、0.05μm以上10μm以下の範囲にあることが更に好ましく、特に0.1μm以上7μm以下の範囲にあることが好ましい。
成分Eの体積平均粒子径は、レーザー散乱式粒子径分布測定装置を用いて測定できる。
<(成分F)アルコール交換反応触媒>
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、成分A〜Cに加え更に、(成分F)アルコール交換反応触媒を好ましく使用することができる。本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物に成分Dを使用する場合、成分Dの反応性基(加水分解性シリル基及び/又はシラノール基)と架橋反応を行う例えば水酸基を有する特定バインダーポリマーとの反応を促進するため、(成分F)アルコール交換反応触媒を含有することが好ましい。
アルコール交換反応触媒は、一般に用いられる反応触媒であれば、限定なく適用できる。
以下、代表的なアルコール交換反応触媒である酸或いは塩基性触媒、及び、金属錯体触媒について順次説明する。
−酸或いは塩基性触媒−
触媒としては、酸或いは塩基性化合物をそのまま用いるか、或いは水又は有機溶剤などの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、それぞれ酸性触媒、塩基性触媒と称する。)を用いる。溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、或いは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。
酸性触媒或いは塩基性触媒の種類は特に限定されないが、具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで表される構造式のRを他元素又は置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸、リン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。層中でのアルコール交換反応を速やかに進行させる観点で、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムp−トルエンスルホネート、リン酸、ホスホン酸、酢酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ヘキサメチレンテトラミンが好ましく、メタンスルホン酸、p−トルエンスルホン酸、リン酸、1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン、ヘキサメチレンテトラミンが特に好ましい。
−金属錯体触媒−
本発明においてアルコール交換反応触媒として用いられる金属錯体触媒は、好ましくは、周期律表の2、4、5及び13族よりなる群から選ばれる金属元素とβ−ジケトン(アセチルアセトンなどが好ましい。)、ケトエステル、ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル、アミノアルコール、及び、エノール性活性水素化合物よりなる群から選ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素化合物から構成されるものである。
更に、構成金属元素の中では、Mg,Ca,St,Baなどの2族元素、Ti,Zrなどの4族元素、並びに、V,Nb及びTaなどの5族元素、Al,Gaなどの13族元素が好ましく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。その中でも、Zr、Al又はTiから得られる錯体が優れており、好ましく、特にオルトチタン酸エチルなどが好ましく例示できる。
これらは水系塗布液での安定性、及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応でのゲル化促進効果に優れているが、中でも、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)が特に好ましい。
本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物は、成分Fを1種のみ用いてもよく、2種以上併用してもよい。熱硬化性樹脂組成物における成分Fの含有量は、水酸基を有する非エラストマー性バインダーに対して、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.1〜10重量%であることがより好ましい。
(親水性樹脂層)
本発明においては、熱硬化性樹脂組成物層の上に親水性樹脂層を設ける。以下、親水性樹脂層について説明する。
親水性樹脂層とは、親水性樹脂を樹脂層全重量の50〜100重量%含有する層を指す。親水性樹脂とは、70℃100mlの蒸留水に10g以上溶解する樹脂(水溶性高分子とも呼ぶ。)を指す。中でも、アルカリ性水溶液に溶解しやすいアルカリ可溶性樹脂が好ましく用いられる。
親水性樹脂層は、水溶性高分子である親水性樹脂を主成分として含有するため、水に可溶であり、更にアルカリ可溶性樹脂を含有することによりアルカリ可溶性となる。このため、親水性樹脂層は水又は水を主成分とする水溶液に容易に溶解し、フレキソ印刷版の製版におけるリンス工程の洗浄で容易に除去することが可能である。
また、本発明に用いられる親水性樹脂層は、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下であることを特徴とする。酸素透過率が上記範囲にあれば、酸素遮断層面(熱硬化性樹脂層(レリーフ形成層)と親水性樹脂層との接する面)での熱硬化性樹脂層中の重合性化合物の重合反応が十分に進行し、架橋したレリーフ形成層の化学的強化が十分になされる。
親水性樹脂層に使用できる親水性樹脂としては例えば、比較的結晶性に優れた水溶性高分子化合物を用いることが好ましく、具体的には、ポリビニルアルコール、ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/ビニルアルコール/フタル酸ビニル共重合体、酢酸ビニル/クロトン酸共重合体、ポリビニルピロリドン、酸性セルロース類、ゼラチン、アラビアゴム、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミドなどのような水溶性ポリマーが挙げられ、これらは単独又は2種以上混合して使用できる。これらの内、ポリビニルアルコールを主成分として用いることが、酸素遮断性、リンス洗浄での除去性といった基本特性的にもっとも良好な結果を与えるので特に好ましい。
親水性樹脂層に使用するポリビニルアルコールは、必要な酸素遮断性と水溶性を有するための、未置換ビニルアルコール単位を含有する限り、一部がエステル、エーテル、及びアセタールで置換されていてもよい。また、同様に一部が他の共重合成分を有していてもよい。このようなポリビニルアルコールの具体例としては、71〜100%加水分解され、重合繰り返し単位が300から2,400の範囲のものを挙げることができる。具体的には、(株)クラレ製のPVA−105、PVA−110、PVA−117、PVA−117H、PVA−120、PVA−124、PVA−124H、PVA−CS、PVA−CST、PVA−HC、PVA−203、PVA−204、PVA−205、PVA−210、PVA−217、PVA−220、PVA−224、PVA−217EE、PVA−217E、PVA−220E、PVA−224E、PVA−405、PVA−420、PVA−613、L−8、L−9等が挙げられる。
また、ポリビニルアルコールのカルボキシル基変性タイプ、カチオン変性タイプ、アセトアセチル変性タイプ、スルホン酸変性タイプ等も好適に用いることができる。これらの具体例としては、T−330H、T−330ST,T−350,T−230,T−215、K−210,Z−200,Z−200H,Z−210,Z−100、F−78(いずれも日本合成化学工業(株)製)等が挙げられる。
前記ポリビニルアルコールの親水性樹脂層中における含有量は、固形分換算で0重量%以上100重量%以下の範囲であり、50〜100重量%の範囲が好ましく、75〜100重量%の範囲がより好ましい。
親水性樹脂層に含まれる前記ポリビニルアルコール以外の樹脂成分としては、例えば、セルロース、ポリビニルピロリドン、ゼラチン、ポリアクリル酸、ポリアクリルアミド、ビニルピロリドン/酢酸ビニル共重合体などの水溶性高分子、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエチレンテレフタレート、ポリスチレン、ポリカーボネート、ナイロン、ポリアミド、シリコーン等の非水溶性高分子化合物などが挙げられる。
通常、親水性樹脂層は、リンス時に水で除去されるため、層自体は水溶性であることが好ましく、そのため、ポリビニルアルコールと併用される樹脂も水溶性高分子を含むことが好ましい。親水性樹脂層に含まれるポリビニルアルコール以外の樹脂成分のうち、50%以上が水溶性高分子であることが更に好ましい態様である。
また親水性樹脂層のその他のバインダー成分としてビニルピロリドンを構造単位として含む水溶性高分子が好ましく、ポリビニルピロリドンやビニルピロリドンと酢酸ビニルの共重合体等がその例として挙げられる。
ポリビニルピロリドンを構造単位として含む水溶性高分子を用いる場合、ビニルピロリドン単位構造の親水性樹脂層中に占める割合には特に制限はないが、好ましくは5〜100重量%であり、更に好ましくは10〜50重量%の範囲である。
親水性樹脂層中には、ポリビニルアルコール、その他の樹脂成分に加えて、各種の有機化合物、無機化合物を添加してもよい。また、熱硬化性樹脂組成物上に塗設するための、塗布性を改善するなどの目的で界面活性剤を添加してもよい。
本発明に使用する親水性樹脂層の、25℃、1気圧下における酸素透過性が30ml/m2・day・atm以下であり、好ましくは5ml/m2・day・atm以下、更に好ましくは1ml/m2・day・atm以下の範囲である。
なお、酸素遮断性の制御は、酸素遮断性の高いポリビニルアルコール(PVA)と併用して、ポリビニルアルコールよりも酸素遮断性の低い樹脂を用い、両者の含有比を調整することにより行うのが好ましく、特に、酸素遮断性の低い樹脂として前記したポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体を用いるのが好ましい。ここで、PVA/PVP(又はその誘導体)の含有量の重量比率は10以下が好ましい。ここで用いられるPVA等の(共)重合体の重量平均分子量は、2,000〜1,000万の範囲のものが使用でき、好ましくは1万〜100万の範囲のものが好適であり、2万〜10万のものがより好ましい。
PVPの含有量に対するPVAの含有量の重量比率(PVA/PVP)は、0.5以上10以下が好ましく、4以上10以下が特に好ましい。
<その他の成分>
本発明に使用される熱硬化性層、親水性樹脂層には、その用途、製造方法等に適したその他の成分を適宜添加することができる。以下、好ましい添加剤に関し例示する。
<重合禁止剤>
本発明においては以上の基本成分の他に組成物の製造中或いは保存中において重合可能なエチレン性不飽和結合を有する化合物の不要な熱重合を阻止するために少量の熱重合防止剤を添加してもよい。適当な熱重合防止剤としてはハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t―ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
熱重合防止剤の添加量は、熱重合性樹脂組成物の全重量に対して0.01重量%以上10重量%%以下が好ましい。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、支持体等への塗布後の乾燥の過程でその感光層の表面に偏在させてもよい。高級脂肪酸誘導体の添加量は、熱重合性樹脂組成物の全重量に対して0.5重量%以上15重量%以下が好ましい。
<充填剤>
充填剤としては有機化合物、無機化合物、或いはこれらの混合物のいずれでもよい。例えば、有機化合物としては、カーボンブラック、カーボンナノチューブ、フラーレン、黒鉛などが挙げられる。無機化合物としては、シリカ、アルミナ、アルミニウム、炭酸カルシウムなどが挙げられる。
<可塑剤>
可塑剤は、本発明に使用される熱硬化性層、親水性樹脂層を柔軟化する作用を有するものであり、バインダーポリマーに対して相溶性のよいものである必要がある。可塑剤としては例えばジエチレングリコール、ジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、前記樹脂層の樹脂組成物の固形分の全重量に対して60重量%以下の添加量が好ましく、50重量%以下がより好ましい。
<着色剤>
更に、本発明に使用される熱硬化性層、親水性樹脂層の着色を目的として染料又は顔料等の着色剤を添加してもよい。これにより、画像部の視認性や、画像濃度測定機適性といった性質を向上させることができる。着色剤としては、特に顔料の使用が好ましい。具体例としては例えばフタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、酸化チタンなどの顔料、エチルバイオレット、クリスタルバイオレット、アゾ系染料、アントラキノン系染料、シアニン系染料などの染料がある。着色剤の添加量は前記樹脂層の樹脂組成物の全重量に対して0.5〜10重量%が好ましい。
(レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版)
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の第1の実施態様は、成分A〜成分Cを含有する熱硬化性樹脂組成物からなるレリーフ形成層(熱硬化性層)と、親水性樹脂層とを有する。
また、本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の第2の実施態様は、成分A〜成分Cを含有する熱硬化性樹脂組成物からなるレリーフ形成層を架橋した架橋レリーフ形成層と、親水性樹脂層とを有する。
本発明において「レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版」とは、熱硬化性樹脂組成物からなる架橋性を有するレリーフ形成層が、架橋される前の状態、及び、熱により硬化された状態の両方又はいずれか一方のものをいう。
本発明において「レリーフ形成層」とは、熱硬化により架橋される前の状態の熱硬化性層をいい、必要に応じ、乾燥が行われていてもよい。
本発明において「架橋レリーフ形成層」とは、前記レリーフ形成層を熱硬化により架橋した層をいう。また、前記架橋は樹脂組成物が硬化される反応であれば特に限定されず、成分Cと成分Dとの反応などによる架橋構造が例示できる。
架橋されたレリーフ形成層を有する印刷版原版をレーザー彫刻することにより「フレキソ印刷版」が作製される。
また、本発明において「レリーフ層」とは、フレキソ印刷版におけるレーザーにより彫刻された層、すなわち、レーザー彫刻後の前記架橋レリーフ形成層をいう。
また、本発明において「(架橋)レリーフ形成層」とは、前記架橋前のレリーフ形成層及び架橋後のレリーフ形成層の両方又はいずれか一方を指す。
本発明において「親水性樹脂層」とは、レリーフ形成層(熱硬化性層)の上に塗設された、親水性樹脂を主成分として含みリンス工程(洗浄工程)で除去される樹脂層を指す。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版は、前記のような成分A〜成分Cを含有する熱硬化性樹脂組成物からなる(架橋)レリーフ形成層を有する。(架橋)レリーフ形成層は、支持体上に設けられることが好ましい。
レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版は、必要により更に、支持体と(架橋)レリーフ形成層との間に接着層を、また、(架橋)レリーフ形成層上にスリップコート層、保護フィルムを有していてもよい。
<熱硬化性層(レリーフ形成層)>
本発明に使用される熱硬化性層は、前記本発明に使用される熱硬化性樹脂組成物からなる層であり、熱硬化により架橋するレリーフ形成層である。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版によるフレキソ印刷版の作製態様としては、レリーフ形成層を架橋させて架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版とした後、架橋レリーフ形成層(硬質のレリーフ形成層)をレーザー彫刻することによりレリーフ層を形成してフレキソ印刷版を作製する態様であることが好ましい。レリーフ形成層を架橋することにより、印刷時におけるレリーフ層の摩耗を防ぐことができ、また、レーザー彫刻後にシャープな形状のレリーフ層を有するフレキソ印刷版を得ることができる。
レリーフ形成層は、レリーフ形成層用の前記成分を有する熱硬化性樹脂組成物を、シート状又はスリーブ状に成形することで形成することができる。レリーフ形成層は、通常、後述する支持体上に設けられるが、製版、印刷用の装置に備えられたシリンダーなどの部材表面に直接形成したり、そこに配置して固定化したりすることもでき、必ずしも支持体を必要としない。
<親水性樹脂層>
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版は、熱硬化性層の上に親水性樹脂を主成分とする親水性樹脂層を有する。親水性樹脂を含む親水性樹脂層を熱硬化性層に積層させることにより、熱硬化により架橋した熱硬化性層(架橋レリーフ形成層)をレーザー彫刻した後に、水又は水を主成分とする液体でリンス(洗浄)することにより除去することができる。
−親水性樹脂−
親水性樹脂層に含有させることができる親水性樹脂としては、特に限定されないが、ビニル系ポリマー、及びアミド系ポリマーを好ましく挙げることができる。この中でもビニル系ポリマーをより好ましく用いることができる。
本発明において、ビニル系ポリマーとはビニル系化合物から得られる重合体を指し、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコール、及びポリビニルブチラール等を挙げることができる。これらの中でも、親水性の度合いが高いという観点から、ポリビニルアルコールがより好ましい。
親水性樹脂として、ポリ酢酸ビニルをけん化して得られるポリビニルアルコールを用いる場合には、ポリ酢酸ビニルのけん化度は50モル%以上であることが好ましく、65モル%以上であることが更に好ましく、70モル%以上であることが特に好ましい。けん化度が50モル%以上であると、親水性樹脂層に十分な親水性を付与することができる。
また、親水性樹脂層を熱硬化性層の上に積層するに際して、親水性樹脂組成物の塗布液を調製するために親水性樹脂組成物に溶剤を含有させることができる。このような溶剤としては、水単独又は水とアルコール系溶剤との混合溶剤を用いることができる。このようなアルコール系溶剤としては、例えば、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,2−ブチレングリコール、1,3−ブチレングリコール、2,3−ブチレングリコール等を挙げることができる。これらのアルコール系溶剤は、水に対して50重量%を上限として混合して用いられる。
<支持体>
本発明において、支持体は、可撓性を有し、かつ、寸法安定性に優れた材料が好ましく用いられ、例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム(PET)、ポリエチレンナフタレートフィルム(PEN)、ポリブチレンテレフタレートフィルム、或いはポリカーボネートを好ましく挙げることができる。支持体の厚みは50〜350μm、好ましくは100〜250μmが原版の機械的特性、形状安定性或いは印刷版製版時の取り扱い性等から好ましい。また、必要により、支持体とレリーフ形成樹脂層との接着を向上させるために、この種の目的で従来から使用されている公知の接着剤を表面に設けてもよい。
また、本発明で用いる支持体の表面に物理的、化学的処理を行うことにより、レリーフ形成樹脂組成物層或いは接着剤層との接着性を向上させることができる。物理的処理方法としては、サンドブラスト法、粒子を含有した液体を噴射するウエットブラスト法、コロナ放電処理法、プラズマ処理法、紫外線或いは真空紫外線照射法などを挙げることができる。また、化学的処理方法としては、強酸・強アルカリ処理法、酸化剤処理法、カップリング剤処理法などである。
<接着層>
レリーフ形成層を支持体上に形成する場合、両者の間には、層間の接着力を強化する目的で接着層を設けてもよい。
接着層に使用し得る材料(接着剤)としては、例えば、I.Skeist編、「Handbook of Adhesives」、第2版(1977)に記載のものを用いることができる。
<保護フィルム、スリップコート層>
フレキソ印刷版原版表面への傷や凹み防止の目的で、フレキソ印刷版原版の最外表面に保護フィルムを必要に応じ設けてもよい。保護フィルムの厚さは、25〜500μmが好ましく、50〜200μmがより好ましい。保護フィルムは、例えば、PETのようなポリエステル系フィルム、PE(ポリエチレン)やPP(ポリプロピレン)のようなポリオレフィン系フィルムを用いることができる。またフィルムの表面はマット化されていてもよい。保護フィルムは、剥離可能であることが好ましい。
(レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法)
<熱硬化性層形成工程、親水性樹脂層形成工程>
レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版における熱硬化性層及び親水性樹脂層の形成方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱硬化性樹脂組成物及び親水性樹脂組成物(両方を総称し、レーザー彫刻用樹脂組成物と呼ぶ。)の塗布液を調製し、必要に応じて、このレーザー彫刻用樹脂組成物の塗布液から溶剤を除去した後に、支持体上に溶融押し出しする方法が挙げられる。或いは、レーザー彫刻用樹脂組成物の塗布液を、支持体上に流延し、これをオーブン中で乾燥して樹脂組成物から溶剤を除去する方法でもよい。
各層の塗設は、1層ずつ行っても又は複数層同時に行ってもよいが、本発明においては、熱硬化性層を塗設した上に親水性樹脂層が塗設されるのが好ましい。レーザー彫刻用樹脂組成物塗布液に含有する溶剤は、1層塗設毎に除去してもよいし複数層塗設した後にまとめて除去してもよい。
中でも、本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法は、成分A〜成分Cを含有する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、前記熱硬化性層の上に、親水性樹脂層を形成する親水性樹脂層形成工程、並びに、前記熱硬化性層を熱硬化により架橋する架橋工程、をこの順で含む製造方法であることが好ましい。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版をシート状、又は円筒状に成形する方法は、既存の樹脂の成形方法を用いることができる。例えば、注型法、ポンプや押し出し機等の機械で樹脂をノズルやダイスから押し出し、ブレードで厚みを合わせる、ロールによりカレンダー加工して厚みを合わせる方法等が例示できる。その際、樹脂の性能を落とさない範囲で加熱しながら成形を行うことも可能である。また、必要に応じて圧延処理、研削処理などを施してもよい。通常はPETやニッケルなどの素材からなるバックフィルムといわれる下敷きの上に成形される場合が多いが、直接印刷機のシリンダー上に成形する場合などもありうる。また、繊維強化プラスチック(FRP)製、プラスチック製或いは金属製の円筒状支持体を用いることもできる。円筒状支持体は軽量化のために一定厚みで中空のものを使用することができる。バックフィルム或いは円筒状支持体の役割は、印刷版原版の寸法安定性を確保することである。したがって、寸法安定性の高いものを選択する必要がある。
材料の具体例としては、ポリエステル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリビスマレイミド樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンチオエーテル樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、全芳香族ポリエステル樹脂からなる液晶樹脂、全芳香族ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂などを挙げることができる。
また、これらの樹脂を積層して用いることもできる。例えば、厚み4.5μmの全芳香族ポリアミドフィルムの両面に厚み50μmのポリエチレンテレフタレートの層を積層したシート等でもよい。また、多孔質性のシート、例えば繊維を編んで形成したクロスや、不織布、フィルムに細孔を形成したもの等をバックフィルムとして用いることができる。バックフィルムとして多孔質性シートを用いる場合、レリーフ形成樹脂組成物を孔に含浸させた後に硬化させることで、レリーフ形成樹脂硬化物層とバックフィルムとが一体化するために高い接着性を得ることができる。
クロス或いは不織布を形成する繊維としては、ガラス繊維、アルミナ繊維、炭素繊維、アルミナ・シリカ繊維、ホウ素繊維、高珪素繊維、チタン酸カリウム繊維、サファイア繊維などの無機系繊維、木綿、麻などの天然繊維、レーヨン、アセテート等の半合成繊維、ナイロン、ポリエステル、アクリル、ビニロン、ポリ塩化ビニル、ポリオレフィン、ポリウレタン、ポリイミド、アラミド等の合成繊維を挙げることができる。また、バクテリアの生成するセルロースは、高結晶性ナノファイバーであり、薄くて寸法安定性の高い不織布を作製することのできる材料である。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版のレリーフ形成層(熱硬化性層)の厚みは、その使用目的に応じて任意に設定して構わないが、好ましくは0.0005mm以上10mm以下、より好ましくは0.005mm以上7mm以下である。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の親水性樹脂層の厚みは、好ましくは10〜40μmであり、特に好ましくは20〜40μmである。10μm未満又は40μmを超えると、リンス工程において彫刻カスの除去及び親水性層の溶解除去が十分に行えなくなる。
<架橋工程>
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法は、本発明に用いられる熱硬化性層(レリーフ形成層)を熱硬化により架橋した架橋レリーフ形成層を有するレリーフ印刷版原版を得る架橋工程を含む製造方法である。
レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版を加熱することで、熱硬化性層(レリーフ形成層)を架橋することができる(熱架橋工程)。熱により架橋を行うための加熱手段としては、印刷版原版を熱風オーブンや遠赤外オーブン内で所定時間加熱する方法や、加熱したロールに所定時間接する方法が挙げられる。
熱硬化性層(レリーフ形成層)を熱架橋することで、第1にレーザー彫刻後形成されるレリーフがシャープになり、第2にレーザー彫刻の際に発生する彫刻カスの粘稠性が抑制されるという利点がある。
<その他の層>
本発明では、支持体と熱硬化性層との間、或いはその他の層の間にクッション性を有する樹脂或いはゴムからなるクッション層を形成することができる。支持体と熱硬化性層との間にクッション層を形成する場合、片面に接着剤層の付いたクッション層を、接着剤層側を支持体に向けて貼り付ける方法が簡便である。クッション層を貼り付けた後、表面を切削、研磨して整形することもできる。より簡便な方法は、液状のレリーフ形成樹脂組成物を支持体上に一定厚みで塗布し硬化させクッション層を形成する方法である。クッション性を有するために、硬化した硬化物の硬度が低いことが好ましい。また、該クッション性を有するレリーフ形成樹脂硬化物層中に気泡を含むものであっても構わない。更に、クッション層の表面を切削、研磨等で整形することも可能であり、このようにして作製されたクッション層はシームレスクッション層として有用である。
(フレキソ印刷版及びその製版方法)
本発明のフレキソ印刷版の製版方法は、本発明に使用する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、親水性樹脂層を形成する親水性樹脂層形成工程、及び前記熱硬化性層を熱硬化により架橋する架橋工程により形成された架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版原版をレーザー彫刻する彫刻工程、並びに、彫刻により発生した彫刻カスと前記親水性樹脂層とをリンス液で除去する工程、をこの順に含む。
本発明に使用されるフレキソ印刷版は、前記熱硬化性層を熱硬化で架橋した架橋レリーフ形成層を有するフレキソ印刷版であり、本発明のフレキソ印刷版の製版方法により製版されたフレキソ印刷版であることが好ましい。
本発明のフレキソ印刷版の製版方法における層形成工程及び架橋工程は、前記レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法における層形成工程及び架橋工程と同義であり、好ましい範囲も同様である。
<レーザー彫刻工程>
レーザー彫刻工程においては、形成したい画像をデジタル型のデータとしてコンピューターを利用してレーザー装置を操作し、原版上にレリーフ画像を作成する。
レーザー彫刻に用いるレーザーは、原版が吸収を有する波長を含むものであればどのようなものを用いてもよいが、彫刻を高速度で行うためには出力の高いものが望ましく、炭酸ガスレーザー、YAGレーザー、半導体レーザー、ファイバーレーザー等の赤外線或いは近赤外線領域に発振波長を有するレーザーが好ましいものの一つである。また、紫外線領域に発振波長を有する紫外線レーザー、例えばエキシマレーザー、第3或いは第4高調波へ波長変換したYAGレーザー、銅蒸気レーザー等は、有機分子の結合を切断するアブレージョン加工が可能であり、微細加工に適する。フェムト秒レーザーなど極めて高い尖頭出力を有するレーザーを用いることもできる。また、レーザーは連続照射でも、パルス照射でもよい。
レーザーによる彫刻は酸素含有ガス下、一般には空気存在下又は気流下に実施するが、炭酸ガス、窒素ガス下でも実施できる。彫刻終了後、フレキソ印刷版面に発生する粉末状又は液状の彫刻カスは適当な方法、例えば溶剤や界面活性剤の入った水等で洗いとる方法、高圧スプレー等により水系洗浄剤を噴射洗浄する方法、高圧スチームを噴射洗浄する方法などを用いて除去する洗浄工程(リンス工程)を含むことが好ましい。
本発明のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版又はフレキソ印刷版は、印刷版用レリーフ画像の他、スタンプ・印章、エンボス加工用のデザインロール、電子部品作成に用いられる絶縁体、抵抗体、導電体ペーストのパターニング用レリーフ画像、窯業製品の型材用レリーフ画像、広告・表示板などのディスプレイ用レリーフ画像、各種成型品の原型・母型など各種の用途に応用し利用できる。
<レーザー彫刻後の表面処理>
また、本発明の凹凸パターンを形成した印刷版のレリーフ表面に改質層を形成させることにより、印刷版表面のタックの低減、インク濡れ性の向上を行うこともできる。改質層としては、シランカップリング剤或いはチタンカップリング剤等の表面水酸基と反応する化合物で処理した被膜、或いは多孔質無機粒子を含有するポリマーフィルムを挙げることができる。広く用いられているシランカップリング剤は、基材の表面水酸基との反応性の高い官能基を分子内に有する化合物であり、そのような官能基としては、例えばトリメトキシシリル基、トリエトキシシリル基、トリクロロシリル基、ジメトキシシリル基、ジエトキシシリル基、ジクロロシリル基、モノメトキシシリル基、モノエトキシシリル基、モノクロロシリル基を挙げることができる。また、これらの官能基は分子内に少なくとも1つ以上存在し、基材の表面水酸基と反応することにより基材表面に固定化される。更にシランカップリング剤を構成する化合物は、分子内に反応性官能基としてアクリロイル基、メタクリロイル基、活性水素含有アミノ基、エポキシ基、ビニル基、パーフルオロアルキル基、及びメルカプト基から選ばれた少なくとも1個の官能基を有するもの、或いは長鎖アルキル基を有するものを用いることができる。表面に固定化したカップリング剤分子が特に重合性反応基を有する場合、表面への固定化後、光、熱、或いは電子線を照射し架橋させることにより、より強固な被膜とすることもできる。
表面処理液は、上記のカップリング剤に、必要に応じ、水−アルコール、或いは酢酸水−アルコール混合液で希釈して調製する。処理液中のカップリング剤の濃度は、0.05〜10.0重量%が好ましい。
カップリング剤処理法について説明する。前記のカップリング剤を含む処理液を、印刷版原版、或いはレーザー彫刻後の印刷版表面に塗布して用いられる。カップリング剤処理液を塗布する方法に特に限定はなく、例えば浸漬法、スプレー法、ロールコート法、或いは刷毛塗り法等を適応することができる。また、被覆処理温度、被覆処理時間についても特に限定はないが、5℃〜60℃であることが好ましく、処理時間は0.1秒〜60秒であることが好ましい。更に樹脂版表面上の処理液層の乾燥を加熱下に行うことが好ましく、加熱温度としては50℃〜150℃が好ましい。
カップリング剤で印刷版表面を処理する前に、キセノンエキシマランプ等の波長が200nm以下の真空紫外線領域の光を照射する方法、或いはプラズマ等の高エネルギー雰囲気に曝すことにより、印刷版表面に水酸基を発生させ高密度にカップリング剤を固定化することもできる。
また、無機多孔質体粒子を含有する層が印刷版表面に露出している場合、プラズマ等の高エネルギー雰囲気下で処理し、表面の有機物層を若干エッチング除去することにより印刷版表面に微小な凹凸を形成させることができる。この処理により印刷版表面のタックを低減させること、及び表面に露出した無機多孔質体粒子がインクを吸収しやすくすることによりインク濡れ性が向上する効果も期待できる。
<リンス工程>
本発明のフレキソ印刷版の製版方法では、前記レーザー彫刻工程を経た後、彫刻表面に彫刻カスが付着しているのを除去する目的と、親水性樹脂層を溶解除去する目的で、水又は水を主成分とする液体で彫刻表面を洗浄するリンス工程を含むのが好ましい。
リンスの手段として、水道水で水洗する方法、高圧水をスプレー噴射する方法、感光性樹脂凸版の現像機として公知のバッチ式又は搬送式のブラシ式洗い出し機で、彫刻表面を主に水の存在下でブラシ擦りする方法などが挙げられ、彫刻カスのヌメリがとれない場合は、石鹸や界面活性剤を添加したリンス液を用いてもよい。
また、本発明において、親水性樹脂層は好ましくはアルカリ可溶性樹脂であり、アルカリ性の水溶液をリンス液としてリンスするのがより好ましい。
前述のように、本発明においてリンス液はアルカリ性であることが好ましい。本発明に用いることができるリンス液のpHは、9以上であることが好ましく、10以上であることがより好ましく、11以上であることが更に好ましい。また、リンス液のpHは、14以下であることが好ましく、13.5以下であることがより好ましく、13.2以下であることが更に好ましく、12.5以下であることが特に好ましい。上記範囲であると、リンス工程において親水性樹脂層の溶解除去が容易となり、また彫刻カスの除去が容易となる。
リンス液を上記のpH範囲とするために、適宜、酸及び/又は塩基を用いてpHを調整すればよく、使用する酸及び塩基は特に限定されない。
本発明に用いることができるリンス液は、主成分として水を含有することが好ましい。 また、リンス液は、水以外の溶剤として、アルコール類、アセトン、テトラヒドロフラン等などの水混和性溶剤を含有していてもよい。
リンス液は、界面活性剤を含有することが好ましい。
本発明に用いることができる界面活性剤としては、彫刻カスの除去性、及び、フレキソ印刷版への影響を少なくする観点から、カルボキシベタイン化合物、スルホベタイン化合物、ホスホベタイン化合物、アミンオキシド化合物、又は、ホスフィンオキシド化合物等のベタイン化合物(両性界面活性剤)が好ましく挙げられる。
また、界面活性剤としては、公知のアニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤等も挙げられる。更に、フッ素系、シリコーン系のノニオン界面活性剤も同様に使用することができる。
界面活性剤は、1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。
界面活性剤の使用量は特に限定する必要はないが、リンス液の全重量に対し、0.01〜20重量%であることが好ましく、0.05〜10重量%であることがより好ましい。
<乾燥工程、後架橋工程>
本発明のフレキソ印刷版の製版方法では、リンス工程に次いで、更に、乾燥工程、及び/又は、後架橋工程を含んでもよい。乾燥工程は、レーザー彫刻され、リンス工程で洗浄されたレリーフ層を乾燥する工程である。後架橋工程は、レーザー彫刻後のレリーフ層に更にエネルギーを付与し、レリーフ層を更に架橋する工程である。
彫刻表面をリンスするリンス工程を施された場合、彫刻されたレリーフ形成層を乾燥してリンス液を揮発させる乾燥工程を追加することが好ましい。
更に、必要に応じてレリーフ形成層を更に架橋させる後架橋工程を追加してもよい。追加の架橋工程である後架橋工程を行うことにより、彫刻によって形成されたレリーフをより強固にすることができる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
なお、実施例中の添加量の部は重量部、%は重量%を表している。
本実施例及び比較例において使用した成分A〜成分Dの化合物を下記に示す。
A−1:ジエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業(株)製)
A−2:トリシクロデカンジメタノールジメタクリレート(DCP)(新中村化学工業(株)製)
A−3:ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(DPHA)(新中村化学工業(株)製)
B−1:t−ブチルパーオキシベンゾエート(パ−ブチルZ;日油(株)製)
C−1:デンカブチラール(製品番号#3000−2、Tg:68℃、電気化学工業(株)製)
C−2:アクリル樹脂:シクロヘキシルメタクリレート/メタクリル酸2−ヒドロキシエチル共重合体(モル%比、70/30、Mw=5万、Tg:56℃、合成例を以下に示す)
C−3:ノボラック樹脂 A−1077P(Tg:95℃、住友ベークライト社製)
C−4:スチレン-ブタジエンコポリマー TR2000(Tg:−80℃、JSR(株)製)
D−1:3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン(信越化学工業(株)製)
D−2:ビス(トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド(KBE−846、信越化学工業(株)製)
D−3:トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート(X−12−965、信越化学工業(株)製)
(C−2の合成方法)
メチルプロピレングリコール240重量部中に、シクロヘキシルメタクリレート120重量部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル56重量部、開始剤としてV−601を3重量部を加え、窒素雰囲気下で80℃、4.5時間撹拌することでアクリル樹脂(C−2)を合成した。
親水性樹脂層に使用した化合物を下記に示す。
<PVA>
PVA105 けん化度:98.5%((株)クラレ製)
PVAL−9 けん化度:71%((株)クラレ製)
<PVP>
VPI:uvitec VPI55 K18P (BASF社製)
<実施例1〜34の熱硬化性層形成用塗布液の調製>
表1記載の(成分C)非エラストマー性バインダーを撹拌ヘラ及び冷却管をつけた3つ口フラスコ中に40重量部加え、可塑剤としてジエチレングリコールを20重量部、溶媒としてテトラヒドロフラン150重量部を入れ、撹拌しながら70℃で120分間加熱しバインダーを溶解した。このバインダー分散液に(成分B)熱重合開始剤としてパーブチルZ(B−1;t−ブチルパーオキシベンゾエート、日油(株)製)を0.005重量部、連鎖移動剤としてKBM802(信越化学工業(株)製)を3重量部、(成分E)光熱変換剤としてカーボンブラックを5重量部、(成分F)アルコール交換反応触媒として1,8−ジアザビシクロ[5.4.0]ウンデカ−7−エン(和光純薬工業(株)製)を0.5重量部、更に下記表1に記載の(成分A)重合性化合物及び(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物をそれぞれ15重量部、6重量部加え、撹拌することで実施例18の熱硬化性層形成用塗布液を得た。以下同様にして、表1に記載の成分及び添加量を含有する実施例1〜17、19〜34の熱硬化性層形成用塗布液を得た。
<実施例1〜34の親水性樹脂層形成用塗布液の調製>
撹拌ヘラをつけた3つ口フラスコ中の純水87重量部の中に表1記載の重量比でポリビニルピロリドン(PVP)とポリビニルアルコール(PVA)を計12重量部、EMALEX710(日本エマルジョン(株)製)を1重量部加え、撹拌を2時間行うことで粘稠性の低い実施例1の親水性樹脂層形成用塗布液を得た。以下同様にして、表1に記載の通りにPVA/PVPの添加量比を変更し実施例2〜34の親水性樹脂層形成用塗布液を得た。
<実施例1〜34のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の作製>
前述で調液した実施例1の熱硬化性層形成用塗布液をPET基板上に流出しない程度に静かに流延した。その上に前述した実施例1の親水性樹脂層形成用塗布液を塗布し、100℃のオーブン中で5時間加熱し、溶媒の除去及び熱硬化により熱架橋して架橋レリーフ形成層を形成することにより実施例1のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版を作製した。以下同様にして、実施例2〜34の熱硬化性層形成用塗布液を塗設後その上に親水性樹脂層形成用塗布液を塗布し、実施例2〜34のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版を作製した。以後、熱硬化性層の親水性樹脂層側を親水性樹脂層断面、PET基板側の面をPET面と記載する。
<比較例1〜27の作製>
表2に記載した成分、添加量に従い、前述の実施例と同様の方法で比較例1〜27の熱硬化性層形成用塗布液及び親水性樹脂層形成用塗布液の調製を行い、熱硬化性層を塗設後その上に親水性樹脂層を塗設した後、実施例と同様の方法で比較例1〜27のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版を作製した。
実施例1〜34、比較例1〜27のサンプルを用いて、下記の測定を行いその結果を表1及び表2に記載した。
<親水性樹脂層の酸素透過率の測定>
酸素透過性の高いポリエチレンフィルム(富士フイルム(株)製「エバービュティーペーパー」の表面ゼラチン層を溶解除去することで作製したポリエチレンラミネート紙)に、作製した親水性樹脂層形成用塗布液を親水性樹脂層の厚みが表1に記載の厚みとなるように塗布乾燥し、サンプルを作製した。JIS−K7126B及びASTM−D3985に記載の気体透過度試験方法に則り、モコン社製OX−TRAN2/21を用い、25℃、60%RHの大気圧環境下で酸素透過率(ml/m2・day・atm)を測定した。
<レリーフ層の低層化の測定>
フレキソ印刷原版を炭酸ガスレーザー彫刻機により、網点頂点部の幅が10μmである20%網点の網点彫刻を行った後、ベタ彫刻部分の断面を超深度カラー3D形状測定顕微鏡VK9510((株)キーエンス製)にて観察し、網点頂点部の高さと未彫刻部分の高さの差を測定した。
炭酸ガスレーザー彫刻機は“HELIOS 6010”(Stork Prints社製)を用いた。彫刻条件は、レーザー出力:500W、ドラム回転数:800cm/秒、レリーフ深度:0.10mm、に設定し、4cm四方のベタ部分を彫刻した。
本来再現されるべき網点頂点部の高さは未彫刻部分の高さと同じであるのに対し、レリーフのエッジ部の溶融により微細網点構造では網点頂点部の高さが減少する現象(網点頂点部の低層化)が起こる。その現象の幅を低層化距離(μm)として、表1及び表2に記載した。
30μm以下が許容できるレベルである。
<リンス性の測定>
彫刻には炭酸ガスレーザー彫刻機“HELIOS 6010”(Stork Prints社製)を用い、酸素遮断層面を彫刻した。彫刻条件は、レーザー出力:500W、ドラム回転数:800cm/秒、レリーフ深度:0.30mm、に設定し、4cm四方のベタ部分を彫刻した。
レーザー彫刻直後のサンプルを、彫刻面表面を物理的にこするなどの操作は行わずに一定流速の水道水で1分間洗い表面に付着した水滴をキムワイプでふき取って得られた彫刻面表面をSEM(走査型電子顕微鏡;日本電子(株)製JSM−7401)で観察することにより彫刻部分に残存した彫刻カスの有無を調べた。
◎:彫刻カスが粉末状であり、明瞭な凹凸パターンを与えた。
○:彫刻カスが粘性の高いペースト状であり、明瞭な凹凸パターンを与えた。
△:彫刻カスが粘性の高いペースト状であり、凹凸パターンであることは判別できる。
△×:彫刻カスが粘性の低いペースト状であり、凹凸パターンであることは判別できる。×:彫刻カスが液体状であり、明瞭な凹凸パターンになっていない。
◎、○、△が許容できるレベルである。
<タック性の測定>
レーザー彫刻前のレリーフ面のゴミの付着し易さ(タック性)を下記の方法により測定し、タック性の測定結果とした。2cm四方のフレキソ印刷版原版の重量を計量した後、バットに敷いた100%セルローズ紙粉・細(ZELATEX ジャパン社製)に前記フレキソ版原版の酸素遮断層面側のみを押し付け、未着紙粉を振り払った後、フレキソ印刷版原版の重量を計量し、付着した紙粉の重量を計量した。付着した紙粉の重量を表1、表2に記す。15g/m2以下が許容できるレベルである。
表1及び表2の結果より、タック性、リンス性が改善され、リンス性に関しては飛躍的に向上することが判った。また、微細網点の低層化も改善できたことが判る。実際に被印刷体にインキ転写して作製した画像のハイライトの濃淡描写を確認すると、比較例ではハイライトの再現性が不足しているのに対し、実施例ではハイライトの再現性は良好であることを確認した。
本発明により、10μm程度の微細網点彫刻時の網点頂点部の低層化が生じにくく、リンス性に優れ、ゴミが付着しにくいレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版及びフレキソ印刷版を得ることができた。
Figure 2013028125
Figure 2013028125

Claims (17)

  1. (成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を形成する熱硬化性層形成工程、
    前記熱硬化性層の上に、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層を形成する親水性樹脂層形成工程、並びに、
    前記熱硬化性層を熱硬化により架橋する架橋工程、をこの順で含むことを特徴とする
    レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  2. 前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性樹脂を含有する、請求項1に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  3. 前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項1又は2に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  4. 前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体、及び、ポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体を含有する、請求項1〜3のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  5. 前記熱硬化性層が(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、請求項1〜4のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  6. 前記親水性樹脂層の膜厚が20〜40μmである、請求項1〜5のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  7. 前記親水性樹脂層が含有するポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体の含有量とポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体の含有量との重量比((PVA又はその誘導体の含有量)/(PVP又はその誘導体の含有量))が4〜10である、請求項4〜6のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版の製造方法。
  8. 請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法によって作製されたレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版をレーザー露光により彫刻する工程、及び、
    彫刻により発生した彫刻カスと前記親水性樹脂層とをリンス液で除去する工程、をこの順で含むことを特徴とする
    フレキソ印刷版の製版方法。
  9. 請求項8に記載のフレキソ印刷版の製版方法により製造されたことを特徴とするフレキソ印刷版。
  10. (成分A)重合性化合物、(成分B)熱重合開始剤、及び(成分C)非エラストマー性バインダーを含有する熱硬化性層を熱架橋して形成された架橋構造を有するレリーフ形成層と、膜厚が10〜40μm、かつ、25℃、1気圧下における酸素透過率が30ml/m2・day・atm以下の親水性樹脂層とを備えることを特徴とする
    レーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  11. 前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性である、請求項10に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  12. 前記親水性樹脂層がアルカリ可溶性樹脂を含有する、請求項10又は11に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  13. 前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)、ポリビニルピロリドン(PVP)及びそれらの誘導体よりなる群から選択される少なくとも1つを含有する、請求項10〜12のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  14. 前記親水性樹脂層がポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体、及び、ポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体を含有する、請求項10〜13のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  15. 前記熱硬化性層が(成分D)加水分解性シリル基及び/又はシラノール基を有する化合物を更に含有する、請求項10〜14のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  16. 前記親水性樹脂層の膜厚が20〜40μmである、請求項10〜15のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
  17. 前記親水性樹脂層が含有するポリビニルアルコール(PVA)又はその誘導体の含有量とポリビニルピロリドン(PVP)又はその誘導体の含有量との重量比((PVA又はその誘導体の含有量)/(PVP又はその誘導体の含有量))が4〜10である、請求項14〜16のいずれか1項に記載のレーザー彫刻型フレキソ印刷版原版。
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