JP2013018322A - ワイヤーハーネス配索構造部 - Google Patents

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Abstract

【課題】ドア内におけるワイヤーハーネスの配索に係る部品点数を低減すること。
【解決手段】ワイヤーハーネス配索構造部30は、ワイヤーハーネス1を車両のボディ10とドア20との間で配索する構成であり、一部分がボディ10に固定され、主経路電線2と前記主経路電線2とは異なる経路に配索される異経路電線3とが組み込まれたワイヤーハーネス1と、ドア20の内部に配置されたプロテクタ60とを備えている。プロテクタ60は、ワイヤーハーネス1をドア20の内部に引き出すための引出口部64を有し、ワイヤーハーネス2を迂回可能な空間を有して収容する収容部と、引出口部64から引出されるワイヤーハーネス1における異経路電線3を主経路電線2とは異なる収容部の外面に沿った経路に案内する異経路案内部82と、を有する。
【選択図】図1

Description

ワイヤーハーネスをボディとドアとの間で配索する技術に関する。
自動車のドアに搭載される電気機器等に対して電源供給又は信号伝達するために、ボディとドアとの間にワイヤーハーネスが配索される。
特許文献1には、ドアに配索されるドアハーネスを車体のパネルへと配索する配索構造が開示されている。この配索構造では、ドアのドアモジュールパネルにワイヤーハーネスのガイド部が設けられている。このガイド部は、車体側端部に出入用開口を設けると共に下端にドア内部への引出用開口を設け、先端に出入用開口を設けた直線状のスライド用空間とスライド用空間から引出用開口にかけた大容積の余長吸収用空間とを有している。
そして、スライド用空間でワイヤーハーネスを直線状にガイドすると共に、余長吸収用空間でワイヤーハーネスの余長部を湾曲状態と傾斜状態との間で移動可能に収容している。
特開2007−76620号公報
ところで、自動車のドアに搭載される電気機器等のドア内において上下各所に配置されている。例えば、ドアロック用モータ等は比較的上方の位置に設けられることが多く、スピーカー等は比較的下方の位置に設けられることが多い。
特許文献1の配索構造では、ガイド部の下端の引出用開口からワイヤーハーネスがドア内部へ引出されるため、ドアの上方の位置に配置される電気機器に対してはガイド部の外方を通って迂回して配索される。このようにガイド部の引出用開口の向きと異なる向きに向かう経路に配索されるワイヤーハーネスは、ガイド部の外方で、バタツキ抑制のためにドアに対してクランプ等の部材で固定され、また、周辺部材からの保護のために保護材により覆われることもある。このような態様によると、ドア内におけるワイヤーハーネスの配索に係る部品点数が増加してしまう問題がある。
そこで、本発明は、ドア内におけるワイヤーハーネスの配索に係る部品点数を低減することを目的とする。
第1の態様は、ワイヤーハーネスを車両のボディとドアとの間で配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、一部分が前記ボディに固定可能に形成され、主経路電線と前記主経路電線とは異なる経路に配索される異経路電線とが組み込まれた前記ワイヤーハーネスと、前記ドアの内部に配置可能に形成され、前記ワイヤーハーネスを前記ドアの内部に引き出すための引出口部を有し、前記ワイヤーハーネスを迂回可能な空間を有して収容する収容部と、前記引出口部から引出される前記ワイヤーハーネスにおける前記異経路電線を、前記ワイヤーハーネスにおける前記主経路電線とは異なる前記収容部の外面に沿った経路に案内する異経路案内部と、を有するプロテクタと、を備える。
第2の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記異経路案内部は、前記収容部の後方を通る経路を形成している。
第3の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記収容部は、前記ボディ側から内部に挿入される前記ワイヤーハーネスに当接することにより、前記ワイヤーハーネスを前記引出口部に向かう曲がった経路に経路規制可能な経路規制壁部を有し、前記異経路案内部は、前記経路規制壁部の外面に沿って形成されている。
第4の態様は、第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記異経路案内部は、前記収容部の車内側を通る経路を形成している。
第5の態様は、第1〜第4のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記異経路案内部は、前記収容部の外面に対して立設されたリブ形状の壁部を有する。
第6の態様は、第1〜第5のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記プロテクタは、前記引出口部が上方を向く姿勢で前記ドアの内部に配置され、前記異経路案内部は、前記異経路電線を前記引出口部より下方に向かう経路に案内する形状に形成されている。
第7の態様は、第1〜第6のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記プロテクタは、凹状部材と蓋状部材とを組み合わせて構成され、前記異経路案内部は、前記凹状部材に形成された溝状部分を有している。
第8の態様は、第7の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記異経路案内部は、前記溝状部分の内部に配設される前記異経路電線に対して係止する抜止め部を有している。
第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、一部分がボディに固定され、主経路電線と異経路電線とが組み込まれたワイヤーハーネスと、ドアの内部に配置され、ワイヤーハーネスをドアの内部に引き出すための引出口部を有し、ワイヤーハーネスを迂回可能な空間を有して収容する収容部と、引出口部から引き出されるワイヤーハーネスにおける異経路電線を、前記ワイヤーハーネスにおける主経路電線とは異なる収容部の外面に沿った経路に案内する異経路案内部とを有するプロテクタと、を備える。このため、ワイヤーハーネスにおける主経路電線と異なる経路に配索される異経路電線について、プロテクタとは別のドアに対する固定用の固定部材、周辺部材からの保護のための保護部材等を省略することができ、ドア内におけるワイヤーハーネスの配索に係る部品点数を低減することができる。
第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、異経路案内部が、収容部の後方を通る経路を形成しているため、ドアの車内外方向におけるプロテクタの寸法増加を抑制することができ、ドアの内部における収容部の車内外側のスペースの制約が厳しい場合にも適用できる。
第3の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、収容部が、ボディ側から内部に挿入されるワイヤーハーネスに当接して、ワイヤーハーネスを引出口部に向かう曲がった経路に経路規制可能な経路規制壁部を有し、異経路案内部が、経路規制壁部の外面に沿って形成されているため、ドアの車内外方向におけるプロテクタの寸法増加を抑制することができ、ドアの内部における収容部の車内外側のスペースの制約が厳しい場合にも適用できる。
第4の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、異経路案内部が、収容部の車内側を通る経路を形成しているため、ドアの後方におけるプロテクタの寸法増加を抑制することができ、ドアの内部における収容部の後方のスペースの制約が厳しい場合にも適用できる。
第5の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、異経路案内部が、収容部の外面に対して立設されたリブ形状の壁部を有するため、収容部の強度の向上に寄与する。
一般的に、ドアに搭載される各種電気機器は、ドアのうち上方の位置に配置されるものが多い。第6の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、プロテクタが、引出口部が上方を向く姿勢でドアの内部に配置され、異経路案内部が、異経路電線を引出口部より下方に向かう経路に案内する形状に形成されているため、比較的多数の電気機器が配置されるドアの上方に向けて主経路電線の経路が設定されると共に比較的少数の電気機器が配置されるドアの下方に向けて異経路電線の経路が設定され、ドア内部におけるワイヤーハーネスの配索経路をより短くすることができる。
第7の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、プロテクタが凹状部材と蓋状部材とを組み合わせて構成され、異経路案内部が凹状部材に形成された溝状部分を有しているため、凹状部材の内部にワイヤーハーネスを配置すると共に、ワイヤーハーネスにおける主経路電線と分岐させた異経路電線を溝状部分の内部に配設しておくことができ、この状態で凹状部材に蓋状部材を組み合わせるだけでプロテクタの内部にワイヤーハーネスをセットすることができ、プロテクタの組み立て作業性を向上させることができる。
第8の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、異経路案内部は、溝状部分の内部に配設される異経路電線に対して係止する抜止め部を有しているため、溝状部分に配設された異経路電線の飛び出しを抑制し、一対の部材を容易に組み立てることができる。
ワイヤーハーネス配索構造部の概略全体図である。 ドアの開状態におけるワイヤーハーネス配索構造部の平面図である。 ドアの閉状態におけるワイヤーハーネス配索構造部の平面図である。 ボディ固定部材の分解斜視図である。 プロテクタの側面図である。 プロテクタの平面図である。 プロテクタにおける異経路電線の配索態様を示す側面図である。 図7のVIII−VIII線断面図である。 変形例に係るプロテクタの側面図である。 第2実施形態に係るプロテクタの側面図である。 図10のXI−XI線断面図である。
<第1実施形態>
以下、第1実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部30について説明する(図1参照)。このワイヤーハーネス配索構造部30は、車両のボディ10とドア20との間でワイヤーハーネス1を配索するための構成である。
配索対象となるワイヤーハーネス1は、ドア20に搭載される電気機器に対して電源供給又は信号伝達するための複数の電線が、結束されて配索形態に形成されている。ドア20に搭載される電気機器としては、スピーカー、サイドミラーモータ、ドアロックモータ、パワーウインドウモータ、各種スイッチ等がある。ここで、ワイヤーハーネス1におけるボディ10からドア20に架け渡される部分は、複数の電線が1本に結束されて構成されている。そして、ワイヤーハーネス1は、ドア20内で分岐されて各種電気機器に接続される。
このワイヤーハーネス1には、主経路電線2と該主経路電線2とは異なる経路に配索される異経路電線3とが組み込まれている。すなわち、ドア20内で分岐されて各種電気機器に接続される電線のうち、比較的多数の電気機器が配置されている側に向かう主経路に向けて配索されるのが主経路電線2であり、比較的少数の電気機器が配置されている側に向かう異経路に配索されるのが異経路電線3である。もっとも、主経路電線2が異経路電線3より少数の電線で構成されていてもよい。すなわち、主経路電線及び異経路電線の名称は、異なる経路に配索される電線を区別するために便宜上付したものに過ぎない。
そして、一般的に、ドア20内における上方の位置に比較的多数の電気機器が配置されるため、ここでは、上方に向かう経路を主経路、下方に向かう経路を異経路として説明する。例えば、主経路電線2は、サイドミラーモータ、ドアロックモータ、パワーウインドウモータ、各種スイッチ等の電気機器に接続される電線であり、異経路電線3は、スピーカー等の電気機器に接続される電線である。ここでは、異経路電線3がスピーカー98に接続される電線である例で説明する(図1参照)。
説明の便宜上、ボディ10及びドア20について説明しておく。ボディ10は、金属材料等により形成されるフレーム及びパネル等が溶接等されて構成された部分である。ボディ10の側部には、車両に乗り降りするための乗降口が形成されている。ドア20は、ボディ10に対して、前記乗降口を開閉可能にヒンジ部19等により連結されている。より具体的には、ドア20は、閉状態における車両前方側の端部が、フロントピラー(ボディ10の乗降口における内周部の車両前方側に位置する部位)に対して、略鉛直方向に沿った連結軸周りに開閉動作可能に連結される。また、ドア20は、ドアインナーパネル22、図示省略のドアアウターパネル及びドアトリム26を有している(図2、図3参照)。ドアインナーパネル22は、金属板をプレス成型、打抜き等して形成された部材であり、ドアアウターパネルは、ドアインナーパネル22の車外側に設けられる外装部材である。また、ドアトリム26は、合成樹脂材料等で形成され、ドアインナーパネル22の車内側に取り付けられる内装部材である。以下、ドア20について、ボディ10に対して連結される端部側(閉状態における車両前方)を前方、その反対側(閉状態における車両後方)を後方として説明することがある。また、ドア20及びワイヤーハーネス配索構造部30のうちドア20に配置される部分について、ドア20の前方から後方を見たのが正面、ドアの車内側から車外側を見たのが側面であるものとする。
本実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部30は、ワイヤーハーネス1を、ボディ10のフロントピラーに貫通して配索すると共に、ドア20のドアインナーパネル22とドアトリム26との間に配索する。このため、ボディ10におけるフロントピラー(より具体的には、そのうちの乗降口の内周側の表面をなす金属板)には、ワイヤーハーネス1を貫通配索するための貫通孔部11が形成されている(図2、図3参照)。また、ドア20における前方の端部には、ドアインナーパネル22とドアトリム26との間にワイヤーハーネス1を通すための導入開口部21が形成されている。ここでは、導入開口部21は、ドアインナーパネル22に形成された車内側に開口する凹部23の前方側の端縁部と、ここに突き合わされるドアトリム26の前方側の端縁部の組合せにより形成されている。なお、前記凹部23は、ドア20内において後述するプロテクタ60が主として収容される部分であり、プロテクタ60を部分的又は全体的に収容可能な内部空間を有している。
上記ボディ10の貫通孔部11とドア20の導入開口部21とは、ドア20の閉状態において対向する部位に形成されている。すなわち、ドア20の閉状態において、ボディ10とドア20との間で、ワイヤーハーネス1を直線状或いは緩やかな曲線状に配索できるように設定されている。
また、ドア20には、周縁部に沿って防水用のウェザーストリップ28が設けられている(図2、図3参照)。このウェザーストリップ28は、ドア20を閉めた状態で、ボディ10の乗降口の内周部に密着して車内外において水密状態を保持可能なゴム等の弾性材料で形成されている。そして、本ワイヤーハーネス配索構造部30は、ワイヤーハーネス1をウェザーストリップ28より車内側に配索するように構成されている。
ワイヤーハーネス配索構造部30は、上記ワイヤーハーネス1と、外装部材40と、ボディ固定部50と、プロテクタ60とを備えている(図1参照)。
外装部材40は、ワイヤーハーネス1におけるボディ10とドア20との間に架け渡される部分を含む部分の周囲を覆う形態で設けられている。この外装部材40は、ワイヤーハーネス1を、外部から保護すると共にボディ10とドア20との間で支持する部材である。
外装部材40は、筒状の部材であり、その中空部に配設されるワイヤーハーネス1の周囲を覆っている(図4参照)。この外装部材40は、ドア20の開閉動作に連動してボディ10とドア20との間で曲げ変形可能、且つ、ワイヤーハーネス1をボディ10とドア20との間で屈曲、弛み及び垂れ下がりを抑制して支持可能に形成されている(図2、図3参照)。
より具体的には、外装部材40は、ワイヤーハーネス1より剛性が高く設定されて形成されている。ここでは、外装部材40は、合成樹脂(例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)等)を筒状に押出成型すると共にブロー成型或いはバキューム成型して製造されたコルゲートチューブである。コルゲートチューブは、周方向に沿った凸条の山部と凹条の谷部とが延在方向に交互に連続して設けられた筒状の部材である。
また、外装部材40は、扁平な形状(ここでは、延在方向に直交する断面視において対向する一対の半円弧を一対の直線が結ぶ形状)に形成されている。すなわち、外装部材40は、断面視における長手方向に曲がり難く(剛性が高く)、短手方向に曲がりやすい(可撓性が高い)形状である。
もっとも、外装部材40は、ワイヤーハーネス1より高い剛性を有していればよく、上述したコルゲートチューブに限定されるものではない。例えば、外装部材は、比較的硬質なゴム(EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、エラストマー等)により扁平な筒状に形成されていてもよい。また、外装部材40は、扁平な形状に限られず、断面視円形等の形状に形成されていてもよい。
上記外装部材40は、ボディ10側の端部がワイヤーハーネス1におけるボディ10の内部に配索される部分に対してテープ90が巻き付けられる等して固定されると共に、該ボディ10側の端部寄りの一部分が後述するボディ固定部50によりボディ10に固定されている(図2、図3参照)。これにより、ワイヤーハーネス1の一部分がボディ10に固定される。また、外装部材40のドア20側の端部は、ワイヤーハーネス1におけるドア20内(ここでは後述するプロテクタ60内)に配索される部分にテープ90が巻き付けられる等して固定され、該ワイヤーハーネス1と共にドア20内に進退移動可能とされている。
ボディ固定部50は、ワイヤーハーネス1をボディ10に(ここでは間接的に)固定する部分である。このボディ固定部50は、ボディ10の乗降口におけるフロントピラーを貫通する形態でワイヤーハーネス1の一部分を該フロントピラーに固定する。
ここでは、ボディ固定部50は、ボディ10側の端部がワイヤーハーネス1に固定された外装部材40におけるボディ10側の端部寄りの一部分に装着され、フロントピラーに形成された貫通孔部11の開口縁部に固定される(図4参照)。また、このボディ固定部50は、貫通孔部11の開口縁部(エッジ)から外装部材40及びワイヤーハーネス1を保護する部分でもある(このことからエッジプロテクタとも呼ばれる)。
このボディ固定部50は、挿入部52と、複数の係止部53と、鍔部54と、付勢部55と、リブ56とを有している。
挿入部52は、貫通孔部11内に挿入可能であると共に、内側に外装部材40を配設可能な筒状に形成されている。この挿入部52は、貫通孔部11に対して、車両の略前方側に向けて挿入される。以下、説明の便宜上、貫通孔部11について挿入部52を挿入する向きを挿入方向Sと称し、この方向をボディ固定部50自体の向きを説明するのにも用いる。そして、挿入部52は、貫通孔部11に通される外装部材40及びワイヤーハーネス1と該貫通孔部11の開口縁部との間に介在して、外装部材40及びワイヤーハーネス1が前記開口縁部(エッジ)と接触して傷つくことを防ぐ。
より具体的には、挿入部52の外周部は、全体として貫通孔部11の開口縁部に対応した形状で、且つ、貫通孔部11より僅かに小さいサイズに設定されている。また、挿入部52の内周部は、外装部材40としてのコルゲートチューブの山部の外形状に対応した形状で、且つ、山部の外形状より僅かに大きいサイズに設定されている。ここで、対応した形状とは、略相似形状であって、全体的に相手方の形状に沿って存在する形状をいう。ここでは、挿入部52は、正面視において、一対の弧状部を一対の直線部が結ぶ筒形状に形成されている。もっとも、挿入部52は、外装部材40の外形状及び貫通孔部11の開口縁部の形状に対応した形状に形成されていればよく、上記形状に限られるものではない。
係止部53は、挿入部52の外周部から外周側に向けて張り出し、挿入部52が貫通孔部11に挿入された状態で、貫通孔部11の開口縁部に対して挿入方向S前方側から係止する部分である。より具体的には、係止部53は、挿入部52の外周部(ここでは、挿入方向S前方側の端部)から外周側且つ挿入方向S後方に向けて延び出て、その先端部が自由端とされた形状の部分である。そして、係止部53は、挿入方向S前方側から後方側に向けて徐々に外周側への突出寸法が大きくなっている。この係止部53は、その先端側の部位に挿入方向S後方を臨む係止面を有している。そして、係止部53は、挿入部52の外周部から外周側に張り出して、貫通孔部11の開口縁部に対して係止面が挿入方向S前方側から接触して係止する形態から、それよりも内周側へ弾性変形可能に設けられている。
これにより、係止部53は、貫通孔部11を通過する際に、その貫通孔部11の開口縁部に接触しつつ、貫通孔部11内に収まる形態まで内周側に弾性変形する。さらに、係止部53は、貫通孔部11を通過後、弾性復帰する力によりもとの形態に戻って、貫通孔部11の開口縁部に対して挿入方向S前方側から対向する。
係止部53は、挿入部52の周方向複数位置に設けられている。ここでは、4つの係止部53が、挿入部52の周方向において等間隔となるように、一対の弧状部及び一対の直線部の各中間部に設けられている。
鍔部54は、挿入部52の外周部から外周側に張り出す鍔状に形成されている部分である。また、鍔部54は、挿入部52が貫通孔部11に挿入された状態で、貫通孔部11の開口縁部に対して挿入方向S後方から対向する。すなわち、鍔部54の外周部は、貫通孔部11より大きいサイズに形成されている。
また、鍔部54は、挿入方向Sにおいて、係止部53の係止面に対して、貫通孔部11の開口縁部の厚さ寸法と同じかそれより大きい(ここでは僅かに大きい)間隔をあけて設けられている。そして、鍔部54は、挿入部52が貫通孔部11に挿入された状態で、係止部53との間に貫通孔部11の開口縁部を介在させて、該貫通孔部11の開口縁部の挿入方向S後方に配置される。これにより、ボディ固定部50は、挿入部52が貫通孔部11に挿入された状態で、挿入方向Sにおいて抜止めされる。
付勢部55は、ボディ固定部50のボディ10に対するがたつきを抑制するための部分である。この付勢部55は、ボディ10を、挿入方向S前方側に付勢しつつ係止部53との間に挟むことにより、ボディ固定部50のがたつきを抑制する。より具体的には、付勢部55は、鍔部54の外周部から外周側に張り出す環状の鍔形状に形成されると共に、先端側(外周側)に向かうにつれて徐々に挿入方向S前方に傾斜する形状に形成されている。そして、付勢部55は、上記形態から、先端側(外周側)の部位が挿入方向S後方側へ弾性変形可能に構成されている。
また、付勢部55は、挿入方向Sにおいて、先端側の部位が、係止部53の係止面に対して貫通孔部11の開口縁部の厚さ寸法より小さい間隔をあけて位置する形状に形成されている。そして、付勢部55は、挿入部52が貫通孔部11に挿入されて係止部53が貫通孔部11の開口縁部に対して挿入方向S前方側から係止した状態で、外周側の部位がボディ10における貫通孔部11の開口縁部周りの挿入方向S後方側の面に押し付けられて挿入方向S後方側に弾性変形する。これにより、付勢部55は、弾性復帰しようとする力により、ボディ10を挿入方向S前方側に向けて付勢した状態になっている。
リブ56は、挿入部52内に配設される外装部材40に対して、該外装部材40の延在方向に相対移動不能に位置決めする部分である。ここでは、リブ56は、外装部材40としてのコルゲートチューブの凹凸状の外形に対して嵌合可能に形成されている。より具体的には、リブ56は、挿入部52の内周面から内周側に突出する周方向に沿った凸条に形成され、挿入部52の貫通方向において外装部材40の延在方向における谷部に対応した間隔(すなわち、同じ間隔又は1つ置きの間隔等)で複数設けられている。
上記ボディ固定部50は、一対の分割部材(ここでは略J字形状の部材)を合体させることにより構成される(図4参照)。すなわち、外装部材40を間に挟んだ状態で一対の組み合わせ部材を合体させることにより、リブ56が外装部材40の外周部に対して嵌合し、ボディ固定部50は、外装部材40に対して該外装部材40の延在方向に相対移動不能に装着される。このボディ固定部50が貫通孔部11の開口縁部に固定されることにより、外装部材40に覆われたワイヤーハーネス1が貫通孔部11に貫通した形態でボディ10に固定される。
ここでは、ボディ固定部50は、一対の分割部材の突き合わせ部分の各一方の端部から突出する係止部58と、各他方の端部に形成され、前記係止部58が係止可能な受け部59とを有している。より具体的には、係止部58は、分割部材の一方の端部から突出する挿入部の先端部から分割部材の内周側に突出する係止爪を有する部分である。この係止爪は、先端側から基端側に向けて徐々に突出寸法が大きくなる断面視略三角形状に形成され、基端側に面する係止面を有している。また、受け部59は、分割部材の他方の端面で開口する凹形状に形成され、その奥側の内周側に係止部58の係止爪を配置可能な穴部を有している。そして、係止部58が受け部59に挿入されると、係止爪の係止面が受け部59の穴部における一壁面に当接して係止する。これにより、一対の分割部材が合体された状態が維持される。
そして、ボディ固定部50は、外装部材40がヒンジ部19の連結軸に沿って扁平となる姿勢で貫通孔部11の開口縁部に対して固定される。これにより、外装部材40内に配設されているワイヤーハーネス1は、ヒンジ部19の連結軸に平行な方向に曲げ規制されると共に該連結軸に直交する平面上で曲げ変形し易く、該連結軸周りに開閉動作するドア20に対してよりスムーズに連動する。
もっとも、ボディ固定部50は、上記形状に限られるものではない。例えば、ボディ固定部は、一対の分割部材における片方の突き合せ端部同士でヒンジにより連結され、開閉可能に構成されていてもよい。また、ボディ固定部は、係止部58及び受け部59が省略され、一対の分割部材が突き合わされた状態で貫通孔部11に固定されることにより合体状態を維持されるものでもよい。
また、ボディ固定部は、付勢部55が省略された構成であってもよい。また、リブ56の代わりに、挿入方向S前方又は後方に突出する外装部材40又はワイヤーハーネス1固定用の突出片を設けてもよい。すなわち、外装部材40又はワイヤーハーネス1におけるボディ固定部の挿入方向S一方に延び出る部分を、前記突出片に対してテープ巻き又は結束バンドで締め付ける等して固定すればよい。なお、結束バンドとは、段階的に環状体の周方向寸法を調節し保持可能な部材をいう。このような突出片を採用する場合、ボディ固定部は、全体として射出成型により一体に形成されてもよい。
プロテクタ60は、ドア20の開閉動作に伴ってドア20内に導出入されるワイヤーハーネス1を余長吸収可能に収容すると共に外部から保護する部分である。このプロテクタ60は、余長吸収部62と案内部72とを有する収容部と、異経路案内部82とを有している。以下、プロテクタ60について、ドア20に配置された状態における前後方向を用いて説明することがある。
プロテクタ60は、ドア20内に配置され、案内部72によりワイヤーハーネス1を覆う外装部材40のドア20側の端部を含む一部分の進退経路を案内すると共に、余長吸収部62により外装部材40のドア20側の端部から伸び出るワイヤーハーネス1を迂回可能な空間を有して収容する部分である(図5、図6参照)。このプロテクタ60は、案内部72においてワイヤーハーネス1を覆う外装部材40が挿入される挿入口部74を有すると共に、余長吸収部62においてワイヤーハーネス1をドア20の内部に引き出すための引出口部64とを有している。また、プロテクタ60は、異経路案内部82により、引出口部64から引き出されるワイヤーハーネス1における異経路電線3を引出口部64から引き出される方向とは異なる方向(主経路電線2とは異なる経路)に案内する。ここでは、挿入口部74と引出口部64とが略直交する方向に貫通し、プロテクタ60が全体として側面視略L字形状に形成されている例で説明する。
案内部72は、ボディ10側の端部に挿入口部74を有すると共に、ドア20側の端部が余長吸収部62と連続する筒状に形成され、外装部材40におけるドア20側の端部を含む部分の変位経路を案内する。より具体的には、案内部72は、延在方向に直交する断面視において略長方形をなす筒状に形成されている。そして、案内部72は、挿入口部74を通じて挿入される外装部材40を、その外周部に接触することにより、外装部材40の中心軸に対する放射方向(主として断面視における短手方向すなわち車内外方向)において経路規制する。もっとも、案内部72は、外装部材40を主として断面視における短手方向に経路規制することができればよく、断面視楕円形、円形或いは多角形等の筒状に形成されていてもよい。
案内部72と外装部材40との関係では、外装部材40は、ボディ固定部50によりボディ10に固定された状態で、ドア20の開状態において、少なくともドア20側の端部を含む一部分が案内部72内に挿入される程度に長い延在寸法に設定されている(図7参照)。一方、案内部72は、ドア20が開閉動作される際に、ドア20内で進退される外装部材40のドア20側の端部を含む部分を、余長吸収部62に向けて案内できればよい。ここでは、ドア20の閉状態において、外装部材40のドア20側の端部を余長吸収部62内に突出させる延在寸法に設定されている。
この案内部72は、略直線状に形成され、挿入口部74がドア20の前端部で開口する導入開口部21の内側に配置され、ドア20の前後方向に沿う姿勢で配置されている。
また、案内部72の挿入口部74は、周方向において少なくとも一部分が、開口端部に向けて徐々に外周側に拡がる形状に形成されている。ここでは、挿入口部74は、全周において、開口端部に向けて拡がっている。また、挿入口部74は、その開口端部の周方向の少なくとも一部分(ここでは、外装部材40の車外側及び上下に位置する部位)における内周縁部及び外周縁部において丸められた形状に形成されているとよい。
余長吸収部62は、案内部72の他端側(後方側)に連なる部分であり、内部に案内部72により案内される外装部材40のドア20側の端部から延び出たワイヤーハーネス1を迂回可能な空間を有して収容可能な収容空間を有している。また、余長吸収部62の引出口部64は、案内部72に対して収容空間を介した部位に設けられている。
この余長吸収部62は、外装部材40のドア20側の端部から延び出たワイヤーハーネス1を、第1経路R1と、該第1経路R1に対して中間部が離間するように膨らんだ第2経路R2との間で曲げることにより迂回させて余長吸収可能に収容可能に形成されている(図7参照)。
より具体的には、余長吸収部62は、側面視において収容空間を挟んで対向する第1壁部66と第2壁部67とを有している。収容空間内に収容されるワイヤーハーネス1は、第1経路R1を通る際に第1壁部66に近接し、第2経路R2を通る際に第2壁部67に近接して配設される。すなわち、ワイヤーハーネス1が第1経路R1を通る状態で、該ワイヤーハーネス1の第2壁部67側に迂回可能な空間が存在する。この第1壁部66及び第2壁部67は、各一方の端部が案内部72の他方(後方)の端部に連続し、各他方の端部が引出口部64に連続している。より具体的には、第1壁部66は、側面視略L字形状のプロテクタ60の内周側で、案内部72の後方の端部と余長吸収部62の引出口部64とを略直線状に結ぶ形状に延在している。また、第2壁部67は、第1壁部66に収容空間分の間隔をあけて、側面視略L字形状のプロテクタ60の外周側で、案内部72の後方の端部と引出口部64とを略L字状に結ぶ形状に延在している。すなわち、この余長吸収部62は、側面視において第1壁部66を斜辺とする略直角三角形状に形成されている。なお、図5等では、第2壁部67における案内部72の後方側の部位が、案内部72から離間する向きに(後方側に向けて)僅かに膨らんだ形状に形成されている。
そして、余長吸収部62は、ドア20の開状態では、外装部材40のドア20側の端部から延び出たワイヤーハーネス1を、第2壁部67側に迂回可能な空間をあけた第1経路R1を通る形態で収容する。また、余長吸収部62は、ドア20の閉状態では、ワイヤーハーネス1を、第2経路R2を通る形態で収容する。すなわち、余長吸収部62は、ドア20が開姿勢から閉姿勢に閉動作されることによりワイヤーハーネス1のうち収容空間内に押し込まれる部分を、その内部で曲げて第1経路R1から該第1経路R1より距離の長い第2経路R2に迂回させることにより、ドア20の閉動作に伴うワイヤーハーネス1の余長を吸収する。
また、余長吸収部62は、引出口部64でワイヤーハーネス1を固定可能な引出位置決め部65を有している。引出位置決め部65は、引出口部64の開口端部が部分的に(ここでは断面視L字状に)延出した形状に形成されている。そして、引出口部64を通じて引き出されるワイヤーハーネス1を、引出位置決め部65の内側に当接させた状態で、結束バンド92で締付け又はテープを巻き付け(ここでは結束バンド92で締付け)することにより、引出口部64においてプロテクタ60に対して位置決めすることができる。これにより、ドア20の開閉動作時に余長吸収部62内にワイヤーハーネス1が進退しても、ボディ10内に配索されるワイヤーハーネス1に対して引張り又は弛みが発生することを抑制することができる。
異経路案内部82は、引出口部64から引き出されるワイヤーハーネス1における異経路電線3を、主経路電線2とは異なる余長吸収部62の外面に沿った経路に案内する部分である(図1、図7参照)。より具体的には、異経路案内部82は、引出口部64から引き出されるワイヤーハーネス1における主経路電線2と分岐させてUターンさせた異経路電線3を、その異経路電線3が接続される電気機器との接続箇所99(例えばコネクタ等)に向けて案内する。なお、ワイヤーハーネス1は、ボディ10側からドア20側に配索され、プロテクタ60の案内部72及び余長吸収部62内を通って引出口部64から引き出されるまでは、主経路電線2と異経路電線3とが束ねられて構成されている。
ここでは、プロテクタ60は、余長吸収部62の引出口部64が上方を向く姿勢でドア20の内部に配置されている。なお、上方を向くとは、鉛直方向上方を向く場合に限られず、上方を望んでいれば鉛直方向に対して傾斜している場合も含むものとする。そして、異経路電線3が接続される電気機器は上述したようにスピーカー98である。なお、プロテクタ60は、スピーカー98の上方の位置に配置されている。すなわち、主経路電線2がドア20の内部における上方側に向けて配索されるのに対して、異経路案内部82は、異経路電線3を引出口部64より下方に向かう経路に案内する形状に形成されている。
この異経路案内部82は、一方が引出口部64の内部に向けて開口し、他方がスピーカー98との接続箇所99に近接した位置で開口している。異経路電線3を外部から保護する観点から言うと、異経路案内部82の他方の開口位置は、車内外方向に直交する方向に面する余長吸収部62の外面のうち、スピーカー98との接続箇所99にもっとも近接する位置に設定されているとよい。すなわち、異経路電線3がスピーカー98に接続される位置までに露出される部分が少なくなることが好ましい。図7では、異経路案内部82は、側面視において、開口位置がスピーカー98の接続箇所99の真向かいに位置するように設定されている例を示している。
異経路案内部82が形成される箇所は、以下のとおりである。ここでは、異経路案内部82は、プロテクタ60をドア20内に配置した状態における余長吸収部62の後方を通る経路を形成している。より具体的には、異経路案内部82は、余長吸収部62のうち、ボディ10側から余長吸収部62の内部に挿入されるワイヤーハーネス1に当接することにより、ワイヤーハーネス1を引出口部64に向かう曲がった経路(第2経路R2)に経路規制する第2壁部67の一部分の外面に沿って形成されている(図7参照)。つまり、異経路案内部82が設けられるのは、余長吸収部62のうち、ドア20の開閉動作に伴って余長吸収部62内に進退するワイヤーハーネス1が押し付けられる部分である。実際には、第2壁部67においてワイヤーハーネス1が押し付けられやすい部分は、湾曲部分及び湾曲部分を挟んだ両側の部分であり、この範囲に亘って異経路案内部82が延在している。
この異経路案内部82は、余長吸収部62の第2壁部67の一部分を1方の壁部とする筒状に形成されている。そして、異経路案内部82は、余長吸収部62の(ここでは第2壁部67の)外面に対してリブ状に立設された壁部を有している。すなわち、余長吸収部62における第2壁部67の外面には、異経路案内部82の一部分を形成する壁部が立設されている。このため、余長吸収部62において異経路案内部82が形成される部分は、強度が向上する。つまり、余長吸収部62は、第2壁部67のうちのワイヤーハーネス1が押し付けられる部分で補強された構造となっている。
上記プロテクタ60は、一対の部材を組み合わせて構成されている。より具体的には、プロテクタ60は、例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)等の合成樹脂材料を射出成型等することによりそれぞれ形成した凹状の第1部材76と蓋状の第2部材78とを合体させて構成することができる。そして、第1部材76及び第2部材78は、プロテクタ60のドア20への配置状態における車内外方向において近接して合体される。すなわち、第1部材76の開口を塞ぐように第2部材78を合体させることにより、プロテクタ60が組み立てられる。
プロテクタ60は、第1部材76及び第2部材78の合体状態を維持するための係止構造部を有している。より具体的には、係止構造部は、第1部材76の開口縁部の外周部の複数箇所に設けられた受け部と、第2部材78の側縁部の複数箇所に設けられ、各受け部に係止する係止部とを有している。
異経路案内部82は、第1部材76に形成された溝状部分86と、第2部材78に形成され、第2部材78が第1部材78に合体される際に溝状部分86を塞ぐ蓋状部分88とを有して構成されている(図8参照)。ここでは、溝状部分86は、一方の側壁としての第2壁部78の一部分と、第2壁部78の外面から突出する底部と、底部に連続して該外面に間隔をあけて対向する他方の側壁により、延在方向に直交する断面視において略U字形状に形成されている。この溝状部分86は、第1部材76全体としての開口方向(ドア20配置時の車内側)に開口している。また、溝状部分86は、異経路電線3を内部に配設可能なサイズ(異経路電線3の直径より大きい深さ寸法)に設定されているとよい。蓋状部分88は、第2部材78の後方側の端縁部を含む部分である。そして、第2部材78が第1部材78に合体されることにより、溝状部分86と蓋状部分88とにより筒状の異経路案内部82が形成される。
もっとも、異経路案内部82は、上記溝状部分86と蓋状部分88との組合せによる構成に限られない。例えば、第1部材の溝状部分が、プロテクタをドア20内に配置した状態における車内外方向に直交する方向に開口する形状に形成され、第2部材の蓋状部分が、前記溝状部分の開口を塞ぐように車内外方向に沿った部分を有していてもよい。また、第1部材の溝状部分が、異経路電線3の直径より小さい深さ寸法に設定され、第2部材の蓋状部分が凹形状に形成され、各内部空間が連通して形成される空間に異経路電線3を配設する用に構成されていてもよい。
また、異経路案内部は、蓋状部分が省略されて溝状部分86だけで構成されていてもよい。この場合、異経路案内部としての溝状部分86から異経路電線3が抜け落ちることを抑制するために後述する抜止め部84が設けられているとよい。また、異経路案内部は、第1部材の第2壁部67の一部分とそこからリブ状に張り出す部分とを含む断面視略L字形状の部分と、第2部材の一部分とにより溝形状又は筒形状に形成された構成であってもよい。すなわち、異経路案内部82は、異経路電線3を案内できるように、少なくとも溝形状を成していればよい。
異経路案内部82は、溝状部分86の内部に配設される異経路電線3に対して係止する抜止め部84を有している(図8参照)。より具体的には、抜止め部84は、溝状部分86の一対の側壁のうち一方の内面から他方の側壁側に突起する形状に形成されている。ここでは、抜止め部84は、第2壁部78の一部分である一方の側壁から突起するように設けられている。この抜止め部84の先端部と他方の側壁との間隔は、異経路電線3の大きさ(直径)より小さく設定されている。もっとも、抜止め部84は、他方の側壁から突起するように設けられてもよいし(図7の2点鎖線で示す抜止め部84参照)、一対の側壁の両方から突起するように設けられてもよい。また、抜止め部84は、異経路案内部82の延在方向において複数設けられている(図7参照)。そして、異経路案内部82の溝状部分86における抜止め部84の奥側に異経路電線3を押し込むと、この異経路電線3は、抜止め部84により位置規制されて溝状部分86の内部に維持される。
また、異経路案内部82のスピーカー98側の端部には、異経路電線固定部85が設けられている。この異経路電線固定部85は、結束バンド92により、異経路案内部82のスピーカー98側の端部で異経路電線3が締め付け固定される部分である。より具体的には、異経路電線固定部85は、異経路案内部82のスピーカー98側の端部に形成され、その底部の一部で貫通する第1通し孔部と外側の側壁の外面から突出する略D字形状の第2通し孔部とを有する部位である(図5参照)。そして、結束バンド92を、異経路案内部82内に配設される異経路電線3を囲う形態で第1通し孔部と第2通し孔部とに通して締め付ける。これにより、異経路電線3をプロテクタ60に対して固定することができる。もっとも、異経路電線固定部は、異経路案内部の端部で底部と外側の側壁とが延出する形状に形成され、ここに結束バンド又はテープを巻きつけて異経路電線を固定するものであってもよい。
つまり、異経路電線3の配索についてまとめると、引出口部64から引き出された主経路電線2及び異経路電線3を含むワイヤーハーネス1と、引出位置決め部65の先でUターンされた異経路電線3とが引出位置決め部65に結束バンド92で固定され、Uターンされて引出口部64内に戻された異経路電線3が異経路案内部82に配設されている。より具体的には、異経路電線3が、異経路案内部82の溝状部分86の内部で抜止め部84の奥側に配置され、溝状部分86と溝状部分86に被せられる蓋状部分88との間に介在している。そして、異経路案内部82の他方の端部で異経路電線固定部85に固定された異経路電線3は、異経路案内部82から延び出してスピーカー98に向けて配索され、その接続箇所99でスピーカー98に接続されている。
もっとも、異経路案内部82は、上記構成に限られるものではない。図9には、異経路電線3を短い経路で配索する観点から、異経路案内部182のスピーカー98側の開口位置を設定したプロテクタ160を示している。すなわち、異経路案内部182の開口位置は、側面視において、スピーカー98の接続箇所99を通る余長吸収部62の端縁部の接線における該外面との接点の位置に設定されている。なお、この構成によると、異経路案内部182の開口部から延び出る異経路電線3が、スピーカー98との接続箇所99に向けて略直線状に配索される。この場合、異経路電線3の曲げによる負荷を軽減することができる。
また、複数の電気機器に接続される各電線が異経路電線3として設定される場合、異経路案内部82の開口位置は、各電気機器に対応する各異経路電線3の配索経路によって決定されるとよく、例えば、最もプロテクタ60に近い位置に配置される電気機器に接続される異経路電線3の接続箇所に近接した位置に設定されるとよい。
また、異経路案内部は、余長吸収部62の後方から案内部72の下方まで延在するように形成されていてもよい。すなわち、異経路案内部は、余長吸収部62の外面に沿って形成される場合に限らず、余長吸収部62及び案内部72を含む収容部の外面に沿って形成されていればよい。
また、異経路案内部は、余長吸収部62の外面に沿って断続的に形成されていてもよい。さらに、異経路案内部は、余長吸収部62の外面との間に、プロテクタにおける他の部位が介在していても、当該外面に沿って形成されていればよい。
上記プロテクタ60は、ドア20の内部すなわちドアインナーパネル22とドアトリム26との間において、ドアインナーパネル22に形成されている凹部23内に部分的又は全体的に収容される。
プロテクタ60は、前記凹部23内に配置された状態でドア20に固定される。このための構成として、プロテクタ60は、ドア20のドアインナーパネル22に形成される孔部に対して嵌合可能な固定部68を有している(図2、図3参照)。固定部68は、プロテクタ60をドアインナーパネル22に対して車外側に向けて押し付けることにより、前記孔部に嵌合する形状に形成されている。例えば、固定部68としては、プロテクタ60の外面から突出する基軸部と、その先端部からその外周側に張り出す形状に形成されて孔部の開口縁部に係止可能な形態とそこから内周側に撓んだ形態との間で弾性変形可能な係止部とを有する構成を採用できる。ここでは、固定部68は、プロテクタ60の車外側の側面において、余長吸収部62及び案内部72からそれぞれ突出するように2つ設けられている。そして、この固定部68をドアインナーパネル22に形成された孔部に挿入することにより、係止部が、孔部の開口縁部に当接して内周側に弾性変形し、孔部を越えた位置で外周側に弾性復帰して孔部の開口縁部に対して車外側から係止する。
もっとも、プロテクタ60をドア20に対して固定するための構成として、その他の固定構造が採用されてもよい。例えば、プロテクタ60は、ねじ止め、ボルト止め、スタッドボルト止め又はブラケット固定等によりドアインナーパネル22に対して固定可能な形状であってもよい。また、プロテクタ60は、内装部材としてのドアトリム26に固定されてもよい。
これまでプロテクタ60について、引出口部64が上方を向く姿勢でドア20の内部に配置されている例で説明してきたが、プロテクタ60は、引出口部64が下方を向く姿勢で配置されてもよい。この場合、ドア20の上下方向において、引出口部64を基準として比較的下方の位置に配置されるスピーカー98を含む電気機器に対して接続される電線が主経路電線として配索され、比較的上方の位置に配置される電気機器に対して接続される電線が異経路電線として異経路案内部82により案内されて配索される。
また、プロテクタ60について、凹状の第1部材66と蓋状の第2部材67とで構成される例について説明してきたが、プロテクタは、凹状部材同士の組合せ等により構成されていてもよい。また、プロテクタ60は、凹状部材であって、その開口部をドアトリム26の一部分により塞ぐように構成されていてもよい。この場合、異経路案内部は、その一部分をドアトリム26の一部分により構成されてもよい。
また、上述したプロテクタ60の形状は、その一例であり、他の種々の形状を採用することができる。すなわち、プロテクタ60は、挿入口部74から挿入されるワイヤーハーネス1を余長吸収部62により迂回可能な空間を有して収容できる構成であればよく、車種によるドア20の形状等を考慮して形成されるとよい。例えば、プロテクタは、挿入口部74の後方側に直接余長吸収部62が連続する形状でもよい。他にも、ワイヤーハーネス1を輪状に巻いて収容し、輪部の径を変化させて迂回可能な収容部を有する形状等を採用してもよい。この場合にも、異経路案内部82が余長吸収部62の外面に沿って形成されているとよい。
上記ワイヤーハーネス配索構造部30は、ボディ10からドア20内に配索されるワイヤーハーネス1、外装部材40、ボディ固定部50及びプロテクタ60をモジュール化して、車両組付け前に組み立てておくとよい。すなわち、ワイヤーハーネス1に外装部材40を被せるとともに、該外装部材40の一方の端部及び他方の端部を各部から延び出たワイヤーハーネス1にテープ90巻きして固定し、外装部材40の一方の端部寄りの一部分にボディ固定部50を装着する。そして、外装部材40の他方の端部を含む一部分をプロテクタ60における第1部材76の案内部72内に配設すると共に、外装部材40の他方の端部から延び出たワイヤーハーネス1を余長吸収部62内に収容して引出口部64から引き出す。この引出口部64から引き出されたワイヤーハーネス1のうちの異経路電線3をUターンさせて引出口部64内に戻し、前記ワイヤーハーネス1とUターンされた異経路電線3とを引出位置決め部65に対して結束バンド92で固定する。さらに、Uターンされた異経路電線3を、引出口部64側の開口から異経路案内部82における溝状部分86の内部に配置して、他方側の開口箇所で異経路電線固定部85に結束バンド92で固定する。そして、第1部材76に第2部材78を合体させる。
これまで、ワイヤーハーネス1に外装部材40が被されている例で説明したが、ワイヤーハーネス1自身が屈曲、弛み及び垂れ下がりを抑制可能な程度に高い剛性を有していれば、外装部材40は省略されてもよい。もっとも、ワイヤーハーネス1の保護及び曲げ方向規制の観点から言うと、外装部材40が被されていることが好ましい。
また、ワイヤーハーネス配索構造部30を、フロントサイドドアとしてのドア20に適用する例で説明したが、ボディ10とヒンジ部19で連結されるリアサイドドア等に適用してもよい。この場合、センターピラー(フロントサイドドアとリアサイドドアとの間のピラー)とリアサイドドアとの間にワイヤーハーネス1が架け渡される。すなわち、センターピラーに貫通孔部が形成され、ここにボディ固定部50が取り付けられる。
上記実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部30によると、ワイヤーハーネス1における主経路電線2と異なる経路に配索される異経路電線3について、プロテクタ60とは別のドア20に対する固定用の固定部材、周辺部材からの保護のための保護部材等を省略することができ、ドア20内におけるワイヤーハーネス1の配索に係る部品点数を低減することができる。
また、異経路案内部82が、余長吸収部62(又は案内部72)の外面に沿って異経路電線3を案内する形状に形成されているため、よりコンパクトに異経路電線3を案内できる。また、異経路電線3がプロテクタ60から離れて配索される場合と比較して、より短い経路で配索することができる。
また、異経路案内部82が、余長吸収部62の後方を通る経路を形成しているため、ドア20の車内外方向におけるプロテクタ60の寸法増加を抑制することができ、ドア20の内部における余長吸収部62(及び案内部72)の車内外側のスペースの制約が厳しい場合にも適用できる。
また、異経路案内部82は、余長吸収部62の外面に対して立設されたリブ形状の壁部を有しているため、余長吸収部62の肉厚を厚くせずに余長吸収部62の強度を向上させることができる。しかも、ここでは、異経路案内部82が、ボディ10側から余長吸収部62の内部に挿入されるワイヤーハーネス1に当接してワイヤーハーネス1を引出口部64に向かう曲がった経路に経路規制可能な第2壁部67の一部分の外面に沿って形成されているため、ワイヤーハーネス1が押し当てられることによる負荷を受けやすい箇所で強度の向上を図ることができる。
一般的に、ドア20に搭載される各種電気機器は、ドア20のうち上方の位置に配置されるものが多い。この事情に対応して、プロテクタ60は、引出口部64が上方を向く姿勢でドア20の内部に配置されている。そして、異経路案内部82は、異経路電線3を引出口部64より下方に向かう経路に案内する形状に形成されている。このため、比較的多数の電気機器が配置されるドア20における上方の位置に向けて主経路電線2の経路が設定されると共に比較的少数の電気機器が配置されるドア20における下方の位置に向けて異経路電線3の経路が設定でき、ドア20内におけるワイヤーハーネス1の配索経路をより短くすることができる。
また、プロテクタ60が第1部材76と第2部材78とを組み合わせて構成され、異経路案内部82が第1部材76に形成された溝状部分86を有しているため、プロテクタ60の内部にワイヤーハーネス1を配設する際に、異経路電線3を溝状部分86の内部に位置決めして配設しておくことができ、プロテクタ60の組み立て作業性を向上させることができる。
また、異経路案内部82は、溝状部分86の内部に配設される異経路電線3に対して係止する抜止め部84を有しているため、溝状部分86の内部に配設された異経路電線3の飛び出しを抑制し、第1部材76と第2部材78とを容易に組み立てることができる。
<第2実施形態>
次に、第2実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部について説明する。第2実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部のうち第1実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部30と異なる部分は、プロテクタ260の異経路案内部282だけであり、同様の構成については同符号を付して説明を省略する。すなわち、図1におけるプロテクタ60が図10のプロテクタ260に置き換えられた形態が第2実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部である。
異経路案内部282は、余長吸収部62における車内側の側部に沿って形成されている。この異経路案内部282は、プロテクタ260を構成する第1部材276及び第2部材278のうち、第2部材278における余長吸収部62の外面から車内側に突出する形状に形成されている。図10では、車内側に向けて開口する溝状の異経路案内部282を示している。この異経路案内部282は、第2部材276における余長吸収部62の外面から異経路電線3を配設可能な間隔をあけて一対の側壁が立設され、余長吸収部62の一部分を底部とする溝状に形成されている。すなわち、このプロテクタ260における第2部材278は、第1実施形態に係るプロテクタ60における第2部材78の外面に一対の側壁が立設されると共に蓋状部分88が省略された形状である。一方、第1部材276は、第1実施形態に係るプロテクタ60の第1部材76において溝状部分86が省略された形状である。ここでは、異経路案内部282は、余長吸収部62の外面上で、引出口部64に隣接する位置からスピーカー98の接続箇所99に向けて略直線状に延びる形状に形成されている。
この異経路案内部282も、その内部に配設される異経路電線3の抜け出しを抑制する抜止め部284を有しているとよい(図11参照)。なお、抜止め部284は、異経路案内部282の一方の側壁から突出するように形成されていても(図11の実線で示す抜止め部284)、他方の側壁から突出するように形成されていてもよい(図11の2点鎖線で示す抜止め部284)。また、異経路案内部282のスピーカー98側の端部に、異経路電線3を固定するための構成が設けられていてもよい。
もっとも、異経路案内部は、第2部材における余長吸収部62の一部分とそこから断面視略L字形状に突出する部分で構成され、車内外方向に直交する方向に開口する溝状に形成されていてもよい。
また、異経路案内部は、異経路電線3を、余長吸収部62の外面に沿って、余長吸収部62の後方を通る経路から余長吸収部62の車内側を通る経路に移行して案内する形状に形成されていてもよい。
第2実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、異経路案内部282が、余長吸収部62における車内側の側部に沿って形成されているため、ドア20の後方におけるプロテクタ260の寸法増加を抑制することができ、ドア20の内部における余長吸収部62の後方のスペースの制約が厳しい場合にも適用できる。
また、異経路案内部282が余長吸収部62の車内側の側部に沿って形成されているため、余長吸収部62を跨いでドア20の側面視において略直線状に異経路電線3を配索することができる。これにより、プロテクタ60の下方に配置されるスピーカー98等の電気機器に対して、より短い経路で異経路電線3を配索することができる。
1 ワイヤーハーネス
2 主経路電線
3 異経路電線
10 ボディ
20 ドア
30 ワイヤーハーネス配索構造部
60、160、260 プロテクタ
62 余長吸収部
64 引出口部
76、276 第1部材
82、182、282 異経路案内部
84、284 抜止め部
86、186 溝状部分
98 スピーカー
99 接続箇所

Claims (8)

  1. ワイヤーハーネスを車両のボディとドアとの間で配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、
    一部分が前記ボディに固定可能に形成され、主経路電線と前記主経路電線とは異なる経路に配索される異経路電線とが組み込まれた前記ワイヤーハーネスと、
    前記ワイヤーハーネスを前記ドアの内部に引き出すための引出口部を有し、前記ワイヤーハーネスを迂回可能な空間を有して収容する収容部と、前記引出口部から引出される前記ワイヤーハーネスにおける前記異経路電線を、前記ワイヤーハーネスにおける前記主経路電線とは異なる前記収容部の外面に沿った経路に案内する異経路案内部とを有し、前記ドアの内部に配置可能なプロテクタと、
    を備える、ワイヤーハーネス配索構造部。
  2. 請求項1に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記異経路案内部は、前記収容部の後方を通る経路を形成している、ワイヤーハーネス配索構造部。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記収容部は、前記ボディ側から内部に挿入される前記ワイヤーハーネスに当接することにより、前記ワイヤーハーネスを前記引出口部に向かう曲がった経路に経路規制可能な経路規制壁部を有し、
    前記異経路案内部は、前記経路規制壁部の外面に沿って形成されている、ワイヤーハーネス配索構造部。
  4. 請求項1に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記異経路案内部は、前記収容部の車内側を通る経路を形成している、ワイヤーハーネス配索構造部。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記異経路案内部は、前記収容部の外面に対して立設されたリブ形状の壁部を有する、ワイヤーハーネス配索構造部。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記プロテクタは、前記引出口部が上方を向く姿勢で前記ドアの内部に配置され、
    前記異経路案内部は、前記異経路電線を前記引出口部より下方に向かう経路に案内する形状に形成されている、ワイヤーハーネス配索構造部。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記プロテクタは、凹状部材と蓋状部材とを組み合わせて構成され、
    前記異経路案内部は、前記凹状部材に形成された溝状部分を有している、ワイヤーハーネス配索構造部。
  8. 請求項7に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記異経路案内部は、前記溝状部分の内部に配設される前記異経路電線に対して係止する抜止め部を有している、ワイヤーハーネス配索構造部。
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