JP4202767B2 - 給電プロテクタ組立体の製造装置及び製造方法 - Google Patents

給電プロテクタ組立体の製造装置及び製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車等のスライドドアに常時給電を行うべくスライドドア開閉時のワイヤハーネスの弛みを吸収させる給電プロテクタ組立体の製造装置及び製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
ワンボックスカー等の自動車のスライドドアにおいて、車両ボディ側からスライドドア側の電装品等の補機類に電源電流や信号電流をスライドドアの開閉に関係なく常時供給するために、本出願人は、例えば図6に示す如く、ワイヤハーネス(複数本の電線)70を車両ボディからスライドドア71に配索し、スライドドア71内に設けた合成樹脂製のプロテクタ72の内部に湾曲した状態に収容して、スライドドア71の開閉に伴うワイヤハーネス70の伸縮に対応させる給電装置を提案している(例えば特許文献1参照)。
【0003】
プロテクタ72内に板ばね(図示せず)を配設し、板ばねの付勢力でワイヤハーネス70を持ち上げ支持する構造も提案済である。スライドドア71側の補機としては例えばパワーウィンドモータやドアロックユニット、スイッチユニットやオートドア開閉ユニット等が挙げられる。
【0004】
プロテクタ72は表裏の広い壁部73と上及び前後に連続した周壁74とを有し、下部にスリット状の前後に長い開口部75を有している。プロテクタ72は金属製のドアパネル76に固定され、合成樹脂製のドアトリム77で覆われる。ドアトリム77はボルトやクリップ78でドアパネル76に固定される。ワイヤハーネス70の一方70bはプロテクタ72から車両ボディ側に配索されて、車両ボディ側においてハーネス固定具(図示せず)で固定される。ワイヤハーネス70の他方70cはスライドドア側のワイヤハーネス(図示せず)やスライドドア側の補機にコネクタ接続される。
【0005】
図6で右側を車両前側とすると、スライドドア71を前方にスライドさせて全閉とした際に、ワイヤハーネス70は鎖線で示す如く後方に引っ張られて伸びた状態となり、スライドドア71を後方にスライドさせて全開とした際に、ワイヤハーネス70は実線で示す如く前方に引っ張られつつプロテクタ72内で符号70aの如く小径に湾曲して縮められる。
【0006】
特に板ばね(図示せず)によってワイヤハーネス70が常に上向きに付勢されることで、スライドドア71の開閉中におけるワイヤハーネス70の弛み(垂れ下がり)が吸収され、ワイヤハーネス70の垂れ下がりによるスライドドア71と車両ボディとの間への挟み込みが防止される。スライドドア71の開閉中に車両ボディ側のハーネス固定具(図示せず)の位置は変わらず、ワイヤハーネス70はハーネス固定具を支点として前後に揺動される。
【0007】
【特許文献1】
特開2001−354085号(第7−9頁、図4−8)
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記給電装置にあっては、例えば、スライドドア内の補機の増加に伴ってプロテクタ内のワイヤハーネス70の分岐等が複雑化し、プロテクタ内のハーネスジョイント用のコネクタや外部ハーネスや補機との接続用コネクタも必要になって、プロテクタ72へのワイヤハーネス70やコネクタの組付や検査(品質確認)に多くの工数がかかるという問題を生じた。また、プロテクタ72をプロテクタ本体とカバーとで構成した場合、プロテクタ72が幅広で且つ薄い形状であるが故に、カバーをプロテクタ本体に組み付ける作業がなかなか難しく、多くの工数や慣れを必要とした。また、スライドドア71が二次元ないし三次元方向に複雑にスライド移動し、それに応じてワイヤハーネス70が伸縮しつつ揺動するために、プロテクタ内で屈曲するワイヤハーネス部分70aやプロテクタ71から車両ボディ側へ延びるワイヤハーネス部分70bの長さや干渉の有無等の確認(品質保証)が難しく、これまた多くの検査工数を必要とした。
【0009】
本発明は、上記した点に鑑み、例えばワイヤハーネスの組付やカバーの組付を誰でも容易に且つ確実に行うことができ、またスライドドアの開閉ストロークに対応したワイヤハーネスの検査を誰でも容易に且つ正確に行うことができ、これらにより、プロテクタ組立体の組立や検査を誰でも容易に且つ正確に行うことのできる給電プロテクタ組立体の製造装置及び製造方法を提供することを目的とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明の請求項1に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、ワイヤハーネスを余長吸収方向に付勢する弾性部材を有するプロテクタ本体をセットする部分をスライドドアに対応して備えて、起立方向に回動可能な組立作業台と、該組立作業台に対して配置され、該プロテクタ本体内に該ワイヤハーネスを収容した状態で、該プロテクタ本体にプロテクタカバーを押し付けて嵌合させ、ハーネス導出用の下部開口を有するプロテクタを組み立てるプレス部と、該プロテクタの該下部開口から揺動自在に導出されたワイヤハーネスの端部側に装着されたハーネス固定具を車両ボディに対応して固定させるスライダと、該スライダをスライドドアの開閉動作に対応した形態に移動自在に係合させたガイドレールとを有する操作基台と、を備え、該組立作業台を起立させた状態で、該ガイドレールに沿って該スライダ移動させることで、該ワイヤハーネスが該弾性部材の付勢に抗して引き出されつつ該スライダの移動方向に揺動して、スライドドアの開閉に対応した動作が行われることを特徴とする。
上記構成により、組立作業台にプロテクタがセットされ、組立作業台を垂直に起立させた状態で、ワイヤハーネスが操作基台側のスライダによってガイドレールに沿ってスライドドアの移動形態にスライド移動され、ワイヤハーネスの揺動確認及び伸縮・弛み吸収確認等が行われる。
また、幅広で且つ薄肉なプロテクタ本体とプロテクタカバーとがプレス部によって確実に嵌合されて一つのプロテクタが構成される。組立作業台の上にプロテクタ本体を載せ(セットし)、プロテクタ本体の上からプレス部でプロテクタカバーがプロテクタ本体に組み付けられる。
【0011】
請求項2に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項1記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記組立作業台が、前記プロテクタから導出されたワイヤハーネスの一方を配索する部分を有し、前記スライダに、該プロテクタから導出されたワイヤハーネスの他方が固定されることを特徴とする。
上記構成により、水平ないし傾斜した組立作業台にプロテクタがセットされ、プロテクタ内にワイヤハーネスが配索組付され、ワイヤハーネスの一方が例えば自動車のスライドドアへのワイヤハーネス配索形態に対応して配索確認される。
【0012】
請求項3に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項1又は2記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記プロテクタをセットする部分が、前記プロテクタの各孔部に係合するピンを含むことを特徴とする。
上記構成により、プロテクタの孔部が組立作業台上のピンに挿通係合されて、プロテクタが正確に位置決めされる。プロテクタがプロテクタ本体とプロテクタカバーとで構成される場合には、プロテクタ本体とプロテクタカバーとが同じピンで位置合わせされ、両者の嵌合がスムーズ且つ確実に行われる。
【0013】
請求項4に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項2又は3記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記ワイヤハーネスの一方を配索する部分が合格印字器を含むことを特徴とする。
上記構成により、ワイヤハーネスの一方の側の例えばネームプレートに検査合格印が印字される。合格印字器は給電プロテクタ組立体の製造装置による各検査ないし全ての検査に対応して作動させるようにすることができる。
【0014】
請求項5に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項1〜4の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記スライダをスライドドア全開対応位置でロックさせるロック手段が設けられ、該スライドドア全開対応位置における前記ワイヤハーネスと前記プロテクタの屈曲規制壁との隙間を確認する検知ピンが備えられたことを特徴とする。
上記構成により、スライドドア全開対応位置でワイヤハーネスがプロテクタ内で小径に屈曲され、屈曲規制壁に接近ないし接触するが、規定位置でのワイヤハーネスと屈曲規制壁との間の隙間が規格を満たすか否かが正確に検査される。
【0015】
請求項6に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項1〜5の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記ガイドレールの各端部側に、前記スライダに対する確認センサが設けられたことを特徴とする。
上記構成により、スライダがガイドレールの始端から終端まで確実にストロークしたか否かが検知される。ストローク不良の場合はプロテクタへのワイヤハーネスの引っ掛かりやワイヤハーネスの長さ不足等が確実に検出される。
【0016】
請求項7に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項2〜5の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記プロテクタに前記ワイヤハーネスのコネクタが固定され、該コネクタの固定確認を行わせる固定確認具が備えられたことを特徴とする。
上記構成により、プロテクタへのワイヤハーネスの配索組付時にコネクタがプロテクタに固定され、そのコネクタの固定が確実か否かが固定確認具で確実に検査される。
【0017】
請求項8に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項4記載の合格印字器と請求項5記載の検知ピンと請求項6記載の確認センサと請求項7記載の固定確認具とがそれぞれ制御装置に回路接続されたことを特徴とする。
上記構成により、検査ピンによるワイヤハーネスとプロテクタ間の隙間確認と、確認センサによるスライダの移動ストロークの確認と、固定確認具によるコネクタの固定確認とがOKである場合に、合格印字器が作動してワイヤハーネスに合格印が押される。
【0020】
請求項に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項1〜8の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記プレス部が前記プロテクタカバーの所要部を同時に押圧する複数の付勢手段を有することを特徴とする。
上記構成により、傾きやすいプロテクタカバーが要所を複数の付勢手段で同時に押されることで、傾きなくスムーズ且つ確実にプロテクタ本体に組み付けられる。
【0021】
請求項10に係る給電プロテクタ組立体の製造装置は、請求項記載の給電プロテクタ組立体の製造装置において、前記プレス部が前記組立作業台に対して回動自在に配置されたことを特徴とする。
組立作業台上のプロテクタ本体や組立作業台上にワイヤハーネスを配索する際にプレス部を回動させて上方に逃がすことで、作業者の作業の邪魔にならなくなる。
【0022】
請求項11に係る給電プロテクタ組立体の製造方法は、請求項1〜10の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置を用いた給電プロテクタ組立体の製造方法であって、組立作業台にプロテクタ本体をセットし、該プロテクタ本体内にワイヤハーネスを配索して組み付けると共に、該プロテクタ本体から導出したワイヤハーネスの一方を該組立作業台上にスライドドアの配索対応形態に配索し、該プロテクタ本体にプロテクタカバーを組み付けてプロテクタを構成させ、該組立作業台を起立させ、該プロテクタから導出したワイヤハーネスの他方を操作基台側のスライダに固定し、該スライダを該操作基台側のガイドレールに沿ってスライドドアの開閉動作に対応した形態に移動させてワイヤハーネスの揺動確認を行うことを特徴とする。
上記構成により、水平ないし傾斜した組立作業台にプロテクタがセットされ、プロテクタ内にワイヤハーネスが配索組付され、ワイヤハーネスの一方が例えば自動車のスライドドアへのワイヤハーネス配索形態に対応して配索確認される。さらに、組立作業台を垂直に起立させた状態でワイヤハーネスの他方がスライダによってガイドレールに沿ってスライドドアの移動形態にスライド移動され、ワイヤハーネスの揺動確認及び伸縮・弛み吸収確認等が行われる。
【0023】
請求項12に係る給電プロテクタ組立体の製造方法は、請求項11記載の給電プロテクタ組立体の製造方法において、前記プロテクタ本体への前記ワイヤハーネスの組み付け時に該ワイヤハーネスのコネクタを該プロテクタ本体に固定し、該コネクタの固定確認を固定確認具で行わせることを特徴とする。
上記構成により、プロテクタ本体へのワイヤハーネスの配索組付時にコネクタがプロテクタ本体に固定され、そのコネクタの固定が確実か否かが固定確認具で確実に検査される。
【0024】
請求項13に係る給電プロテクタ組立体の製造方法は、請求項11又は12記載の給電プロテクタ組立体の製造方法において、前記スライダが規定の位置まで移動したか否かをセンサで検知させることを特徴とする。
上記構成により、スライダがガイドレールの始端から終端まで確実にストロークしたか否かが検知される。ストローク不良の場合はプロテクタへのワイヤハーネスの引っ掛かりやワイヤハーネスの長さ不足等が確実に検出される。
【0025】
請求項14に係る給電プロテクタ組立体の製造方法は、請求項1113の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造方法において、前記ワイヤハーネスの揺動確認時にスライドドア全開対応位置における該ワイヤハーネスと該プロテクタ本体の屈曲規制壁との隙間を検知ピンで確認させることを特徴とする。
上記構成により、スライドドア全開対応位置でワイヤハーネスがプロテクタ内で小径に屈曲され、屈曲規制壁に接近ないし接触するが、規定位置でのワイヤハーネスと屈曲規制壁との間の隙間が規格を満たすか否かが正確に検査される。
【0026】
請求項15に係る給電プロテクタ組立体の製造方法は、前記組立作業台上に配索したワイヤハーネスの一方側を印字合格器にセットし、請求項12記載の固定確認具や請求項13記載のセンサや請求項14記載の検知ピンを該印字合格器と共に制御装置に回路接続させ、全ての検査項目がOKになった場合に該印字合格器を作動させることを特徴とする。
上記構成により、検査ピンによるワイヤハーネスとプロテクタ間の隙間確認と、確認センサによるスライダの移動ストロークの確認と、固定確認具によるコネクタの固定確認とがOKである場合に、合格印字器が作動してワイヤハーネスに合格印が押される。
【0027】
【発明の実施の形態】
図1〜図5は、本発明に係る給電プロテクタ組立体の製造装置の一実施形態を示すものである。
【0028】
この給電プロテクタ組立体1の製造装置2は、ほぼ水平な操作基台3と、操作基台3に回動可能に連結された組立作業台4と、操作基台3上に設けられた二次元方向のガイドレール5と、ガイドレール5にスライド自在に係合したワイヤハーネス揺動確認用のスライダ6と、組立作業台4に立設されたプロテクタ固定用の複数のピン7と、ワイヤハーネス配索用の複数の布線具8と、プロテクタカバー装着用のプレス部9(図4)とを少なくとも備えたものである。
【0029】
組立作業台4は図4の如く操作基台3に対して斜め上向きにほぼ60゜程度傾斜した状態でエアシリンダ(駆動手段)10で支持され、その状態から垂直に起立した状態まで回動可能である。組立作業台4を傾斜させてプロテクタ11やワイヤハーネス12等の組立作業を行い、垂直に起立させた状態でワイヤハーネス12(図1)の揺動確認を行う。これら給電プロテクタ組立体11の製造方法については後で詳しく説明する。
【0030】
図1において、組立作業台4には、プロテクタ組立基板13が敷設され、組立基板13の要所に複数の前記ピン7が立設され、各ピン7に孔部14を挿通させて合成樹脂製のプロテクタ11が装着され、部材形状に適合した締付(固定)部材15でプロテクタ11が組立基板13に固定されている。孔部14はプロテクタ外周のブラケット16や内側の露出基壁17に設けられ、締付部材15は露出基壁上に突出している。図でプロテクタ11はプロテクタカバー19を装着した状態を示している。プロテクタ11は自動車のスライドドア(図示せず)に配設されるものであり、組立作業台4はスライドドアに対応している。
【0031】
露出基壁17の周囲には略環状のハーネス屈曲規制壁20が立設され、屈曲規制壁20の上側に沿って板ばね(弾性部材)21が配設され、板ばね21でワイヤハーネス12が上向きに付勢され、プロテクタ11の周壁22に沿って大径に湾曲しつつプロテクタ下部のスリット状の開口部23から操作基台3に向けて導出されている。
【0032】
組立作業台4の両側にはプロテクタ11に近接してセンサ(近接センサやマイクロスイッチ等)24が設けられ、プロテクタ11の装着有無が検知されている。一例としてこのワイヤハーネス12では、プロテクタ内のワイヤハーネス12がプロテクタ11の前端から上部にかけて折り返されてハーネス通路25内に配索されている。ハーネス通路25はプロテクタ11と一体の矩形状の筒壁26内に形成されている。
【0033】
筒壁26の中間部に上向きのハーネス導出口27が設けられ、導出口27の付近で筒壁26に内部ジョイント用のコネクタ28と外部接続用のコネクタ29とが固定して設けられている。ワイヤハーネス12の一部は導出口27から枝線33として上向きに配索され、組付作業台4上の布線具8のピン30に引っ掛けられつつ一側方に屈曲され、その一部は合格印字器31にタグ32をセットされている。合格印字器31は制御装置(図示せず)に回路接続されている。他の枝線34は筒壁先端の導出口35から他側方に向けて配索され、布線具8で支持されている。筒壁26の付け根側からワイヤハーネス12のアース線36が導出されて組立作業台上のピン30に固定されている。
【0034】
操作基台3にはプロテクタ11と平行にX方向のガイドレール5aが長く配設され、X方向のガイドレール5aの一端部に直交して組立作業台4に向けてY方向のガイドレール5bが短く配設されている。両方向のガイドレール5a,5bはL字状に連続している。各ガイドレール5a,5bは中央の溝部5cを有し、溝部5cにスライダ6のローラ軸37がスライド自在に係合している。スライダ6は、X方向のガイドレール5aにスライド自在に係合した小スライダ38と、小スライダ上に固定されたY方向の小レール39と、小レール39にY方向スライド自在に係合したスライド基板40と、スライド基板40に垂下された前記ローラ軸37とで構成されている。
【0035】
スライド基板40に上下分割式のハーネス固定具(固定部)41が固定され、ハーネス固定具内にワイヤハーネス12の外周側のコルゲートチューブ(符号12で代用)が周方向回動自在に保持されて、スライドドア開閉対応時のワイヤハーネス12の捩れが防止されている。ハーネス固定具41は自動車の車両ボディに配設されるものである。スライダ6は車両ボディの一部に対応したものである。ハーネス固定具41は、スライド基板40に立設されたピン42に孔部を挿通させることで簡単に固定される。また、操作基台3にはプロテクタ中央寄りにおいてワイヤハーネス仮止め用のフック状の受け具43が設けられている。受け具43はX方向のガイドレール5aと組立作業台4との間に位置している。受け具43はエアシリンダもしくは電気駆動であってもよい。
【0036】
スライドドアの開閉操作に対応するワイヤハーネス揺動確認は組立作業台4を垂直に起立させた状態で行われる。図1でローラ軸37はY方向のガイドレール5bの溝部5cに係合し、スライダ6は前進端に位置してストッパ44に当接し、ストッパ44の近接センサ等のセンサ(検知手段)45で位置検知される。スライダ6をY軸レール5bに沿って後退させると、スライダ6の後退端位置でローラ軸37がX方向のガイドレール5aの溝部内に進入する。
【0037】
図2(正面図)で示す如く、X方向のガイドレール5aは高さ方向に少し傾斜して配置され、自動車のスライドドアの高さ方向(Z方向)のスライド傾斜角θに対応している。このスライド傾斜角θは、例えばスライドドアの閉操作を小さな力で行えるように、車両前方に向かうに従って下向きに傾斜しており、それに対応してプロテクタ11の前端に向かうに従って下向きに傾斜したガイドレール5aとなっている。あるいは逆に、スライドドアの開操作を小さな力で行えるように、車両後方に向かうに従って下向きに傾斜し、それに対応してプロテクタ11の後端に向かうに従って下向きに傾斜したガイドレール5aとなっていてもよい。また、ガイドレール自体を傾斜させずに、操作基台3をZ方向に傾斜させてもよい。スライドドアの仕様によってZ方向の移動がない場合はガイドレール5aの傾斜は不要である。スライドドアの仕様によってはY方向のガイドレール5bが直交ではなく傾斜状にX方向のガイドレール5aに交差する場合もあり得る。
【0038】
図1の状態はスライドドアの全閉状態に対応している。スライダ6上のハーネス固定具41はプロテクタ側すなわち組立作業台4に最接近している。プロテクタ内のワイヤハーネス12は湾曲しつつ開口部23の後端側から斜めにハーネス固定具41側に引っ張られて伸びた状態となっている。
【0039】
図1の状態からスライダ6を後退させ、矢印AのようにX方向のガイドレール5aに沿って図3の如く右側に移動させることで、スライドドアの全開対応状態が得られる。スライダ6は右端のストッパ46に当接し、ストッパ46のセンサ47で位置が検知される。操作基台3は略逆凹字状に形成され、両側に突板部48を有し、中央の凹部49内に作業者が位置する。スライドドアの全開状態に対応して一方の突板部48にスライダロック部材50(図3)が設けられ、スライダ6がガイドレール5aの右端に位置した状態で固定される。本例のロック部材50はレバー式のクランプである。突板部48には組立作業台2を回動させる起動スイッチ(ボタン)51や復帰スイッチ52が配置されている。
【0040】
図3のスライドドアの全開対応状態でワイヤハーネス12はプロテクタ11の屈曲規制壁20に沿って小径に屈曲されつつ、開口部23の前端側から斜めにハーネス固定具(固定部)41に向けて引っ張られている。
【0041】
図4の如く、装置フレーム53に回動自在に設けられた傾斜状のエアシリンダ(駆動手段)10の伸縮動作で組立作業台4が傾斜位置と起立位置とに選択的に位置決めされる。装置フレーム53の正面側に操作基台3がほぼ水平に(ガイドレール5a自体をZ方向に傾斜させない場合は完全に水平に)位置し、装置フレーム53の背面側にプレス回動用のエアシリンダ(駆動手段)54がほぼ起立して回動自在に設けられている。エアシリンダ54のロッド54aはL字状のブラケット55を介してプレス部9に連結され。プレス部9は真直なブラケット56を介して装置フレーム53の軸受57に回動自在に支持されている。鎖線4は組立作業台の起立位置、鎖線9はプレス部の上昇位置をそれぞれ示す。
【0042】
エアシリンダ54の最伸長時にプレス部9が組立作業台4と平行に位置する。プレス部9は複数のエアシリンダ(付勢手段)58を並列に有し、各エアシリンダ58のロッドにはゴムないし樹脂製の押圧部材59が設けられている。各エアシリンダ58の軸線は組立作業台4と直交する。
【0043】
図5の如く、複数のエアシリンダ58の押圧部材59でプロテクタカバー19の要部すなわち外周端や、プロテクタ本体18の屈曲規制壁20に対応する部分やハーネス導出用の筒壁26に対応した部分が同時に押圧される。これにより、プロテクタカバー19がプロテクタ本体18に傾きなくスムーズ且つ確実に組み付けられる。プロテクタ本体(プロテクタベース)18とプロテクタカバー19とでプロテクタ11が構成される。
【0044】
組立作業台4には左右一対のプレス固定用のエアシリンダ60が横置きに設けられており、エアシリンダ60のロッド先端のクランプ61でプレス部9を組立作業台4と平行に固定させることにより、プレス部9がプロテクタ本体18に対して正確に位置決めされ、且つ押圧用のエアシリンダ58(図4)の伸長時におけるプレス部9の持ち上がりが阻止されて、プロテクタカバー19の装着が正確に行われる。
【0045】
以下に図1〜図5を用いて、本発明に係る給電プロテクタ組立体1の製造方法の一実施形態及び上記製造装置2の作用を詳細に説明する。
先ず、作業者は第1手順として組立作業台4上の品番切替スイッチ(図示せず)を確認し、これから組み立てるプロテクタ11の品番が品番切替スイッチで指示された品番と一致していることを確認する。品番切替スイッチは制御装置(図示せず)に回路接続され、制御装置は各種プロテクタ11の組立順やスペック等を予め記憶している。組立作業台4は60゜の角度で傾斜して作業者に向けて位置している。
【0046】
第2手順で作業者はプロテクタ本体18を手に取って、プロテクタ本体18のハーネス挿通用の筒壁26にハーネス結き用の結束バンド(図示せず)をセットする。結束バンドのセットは筒壁26の孔部等に結束バンドを挿通させて固定することで行われる。プロテクタ本体18内には既に前工程でワイヤハーネスを上向きに付勢する弾性部材である板ばね21が装着されている。
【0047】
第3手順で作業者はプロテクタ本体18を組立作業台4にセットする。プロテクタ本体18のセットは、プロテクタ本体18のブラケット16等の孔部14を組立作業台4上のピン7に挿通させて位置決めし、一つの締付部材15でプロテクタ本体18の中央寄りの部分を組立作業台4に固定させることで行う。
【0048】
第4手順で作業者はチェックシート(図示せず)にネーム連番を記入する。
第5手順で作業者はプロテクタ本体18の上部から導出されたワイヤハーネス12の一方の長い枝線34を組立作業台4上に配索する。枝線34の配索は布線具8に引っ掛けて支持させることで行われる。布線具8はスライドドアの正規の配索位置に対応して配置されており、枝線34を布線具8に沿って配索することで、枝線34の有無や長さ違い(長過ぎや短過ぎ)や異品等が目視確認される。また、枝線34を弛みなく配索することで後述のプロテクタカバー19の組付時における枝線34の挟み込みが防止される。
【0049】
第6手順で作業者はワイヤハーネス12の他方の枝線33を組立作業台4上に配索しつつ、端末側のネームプレート(タグ)32を合格印字器31にセットする。枝線33は布線具8に沿ってスライドドアの正規の配索位置に対応して弛みなく配索される。
【0050】
第7手順で作業者はプロテクタ11の下部開口23から導出されたワイヤハーネス12の外周のコルゲートチューブを操作基台3上の受け具43にセットし、仮止めする。コルゲートチューブは受け具43と操作基台3との間に押し込まれて仮止めされる。プロテクタ11内でワイヤハーネス12は周壁22に沿って湾曲して位置する。ワイヤハーネス12を仮止めすることで、以下のワイヤハーネス配索作業やバンド結束作業やコネクタ固定作業等が容易化する。コルゲートチューブの先端側には既に前段階のワイヤハーネス製造工程でハーネス固定具41が装着されている。
【0051】
第8手順で作業者はプロテクタ本体18内にワイヤハーネス12を配索する。ワイヤハーネス12はプロテクタ本体18の周壁22から前端側のハーネス挿通用の筒壁26にかけてU字状に折り返されて配索される。ワイヤハーネス12のセット位置や、折り返し部63(図1)においてワイヤハーネス12が捩れなく配索されているかを目視確認する。
【0052】
第9手順で作業者はワイヤハーネス12のアース線36をプロテクタ本体18の前端側の開口64(図1)から導出させて組立作業台4の布線具8のピン30にセットする。アース線36はスライドドアの正規配索位置に対応して正確に配索される。アース線36や前記第5,6手順の枝線33,34はピンと張った状態に配索することで、プロテクタカバー19の装着時に電線33,34,36をプロテクタ本体18との間に挟み込むことがないようにする。ワイヤハーネス12の導通検査は前段階のワイヤハーネス製造工程で完了済である。
【0053】
第10手順で作業者は手順2の結束バンド(図示せず)でワイヤハーネス12をプロテクタ本体18の筒壁26内に固定する。結束バンドはピストル状の結束器(図示せず)で環状に絞られて結束される。ワイヤハーネス12が結束バンドでプロテクタ本体18に固定されることで、プロテクタ本体18からの電線(ワイヤハーネスの一部)の飛び出しがなくなり、後述のプロテクタカバー18の組付時における電線の挟み込みが防止されると共に、車両走行中のガタ付きやそれに伴う電線の摩耗や異音等の不具合が防止される。
【0054】
第11手順で作業者は、プロテクタ本体18内のワイヤハーネス12の一部であるジョイントコネクタ28をプロテクタ本体18に固定する。ジョイントコネクタ28はワイヤハーネス12の回路同士をジョイントさせたものであり、例えばプロテクタ本体18に設けられたクランプ(図示せず)にジョイントコネクタ28を嵌合させることによってワンタッチで固定される。クランプは例えば一対の爪状の可撓性の挟持片や係止片で構成される。
【0055】
第12手順で作業者は、他のハーネスコネクタ接続用又はスライドドア側の補機接続用のコネクタ29を第11手順と同様にプロテクタ本体18に固定する。ジョイントコネクタ28もそうであるが、プロテクタ本体18へのコネクタ29の固定が不完全であると、車両走行中の振動によってコネクタ28,29がガタ付いて端子の抜け出しや電線等の摩耗や破損の原因となるため、コネクタ28,29の固定は重要である。コネクタ29もワイヤハーネス12の一部である。
【0056】
第13手順で作業者はプロテクタカバー19をプロテクタ本体18の上にセット(仮載せ)する。プロテクタカバー19のセットはプロテクタカバー19の各孔部14を組立作業台4の各ピン7に係合(挿通)させることで行われる。各ピン7には既にプロテクタ本体18の孔部14が係合しており、同一のピン7にプロテクタ本体18の孔部とプロテクタカバー19の孔部とを係合させることで、プロテクタ本体18とプロテクタカバー19の位置決めが正確に行われる。
【0057】
第14手順で作業者は操作基台3上の起動スイッチ51を押すことで、プレス部9(図4)を組立作業台4に向けて回動させて組立作業台4と平行に位置させ、プレス部9の複数のシリンダ58でプロテクタカバー19を同時に押圧してプロテクタ本体18に組み付ける。プレス部9が組立作業台4と平行になった時点で組立作業台4上の横置きのシリンダ60(図5)が作動してプレス部9を組立作業台4に固定する。プレス回動用のシリンダ54(図4)とプレス固定用のシリンダ60(図5)とカバー押圧用のシリンダ58(図4)とは連動して順次作動する。このように制御装置にシーケンス入力されている。プロテクタカバー19は例えばプロテクタ本体18の周壁22(図1)に形成された可撓性のロック爪(図示せず)等で係止される。起動スイッチ51は操作基台3の両側に配置して両手で押すようにすることが安全上好ましい。
【0058】
プロテクタカバー19の装着が完了した時点で作業者は第15手順で再度、起動スイッチ51を押して、組立作業台を90゜に起立させる。組立作業台4は下端側を支点にしてシリンダ10(図4)で回動される。
【0059】
手順16で作業者はハーネス固定具41(図1)を操作基台3側のスライダ6にセットする。ハーネス固定具41のセットはスライダ6上の位置決めピン42にハーネス固定具41のブラケット65の孔部を挿通させることで簡単に行われる。
【0060】
手順17で作業者はスライダ6を図1のスライドドア全閉対応位置からY軸ガイドレール5bに沿って後退させつつ矢印Aの如くX軸ガイドレール5aに沿って図3のスライドドア全開対応位置までスライドさせることで、ワイヤハーネス12を屈曲させつつ揺動させる。さらに、図3のスライドドア全開対応位置においてロック部材であるクランプ50のレバー操作でクランプ50の可動端部50aをスライダ6の切欠部66内に進入させてスライダ6をロックさせる。
【0061】
手順17のワイヤハーネス12の揺動確認によって、ワイヤハーネス12の長さ不良(短過ぎ)やワイヤハーネス12とプロテクタ11との干渉や擦れやハーネス固定具41でのコルゲートチューブの周方向回動状態(捩れ吸収)や異音の発生等が確認される。もしもワイヤハーネス12が規定よりも短い場合には、スライダ6がガイドレール5の始端及び終端まで移動しないから、ガイドレール端部側のセンサ45,47が作動せず、不良であることがブザー等で検知される。スライドストロークOKである場合は各センサ45,47がオンしてその信号が制御装置に送られ、制御装置が次の動作に進む。干渉や擦れや異音等は作業者の視覚や聴覚で確認される。
【0062】
手順18で作業者はスライドドア全開対応位置において検知ピン(図示せず)をプロテクタカバー19の小孔67(図3)に挿入して、プロテクタ11内のワイヤハーネス12と屈曲規制壁20との間の隙間が規定量(数mm程度)あいていることを確認する。
【0063】
検知ピンの外径は規定隙間寸法と等しく設定されている。検知ピンは握り部である検知器本体(図示せず)にばね付勢により進退自在に設けられ、検知器本体内には接触子とマイクロスイッチとが内蔵されている。隙間が規定量ある場合にはピンがプロテクタの奥まで差し込まれて検知器内のスイッチがオンし、制御装置はこのOK信号を受けて次の動作に進む。隙間が規定以下である場合には検知ピンがワイヤハーネス12に突き当たって大きくストロークし、検知器内のスイッチがオンせず、ブザー等で異常が検知される。特許請求の範囲の請求項7,15においては検知器を含めて検知ピンと表現している。
【0064】
手順19で作業者は手順11のジョイントコネクタ28(図1)の半嵌合すなわちプロテクタ11への固定不良を確認する。この確認はジョイントコネクタ28に雌型の固定確認具(図示せず)を嵌めることで行われ、固定確認具内には接触子とマイクロスイッチが組み込まれており、ジョイントコネクタ28の固定が正確に行われている場合にのみ固定確認具がジョイントコネクタ28とプロテクタ11との両者に同時に接触し、スイッチがオンする。制御装置はOK信号を受けて次の動作に進む。
【0065】
手順20で作業者は手順12のコネクタ29の半嵌合(固定)確認を手順19と同様の手法で行う。コネクタ29の固定がOKである場合にのみ固定確認具(図示せず)のスイッチがオンし、制御装置が次の動作に進む。すなわち、手順6の合格印字器31(図1)を作動させてワイヤハーネス12のネームプレート32に合格印を自動捺印させる。手順17のワイヤハーネス12の揺動確認後に各コネクタ28,29の固定確認を行うから、揺動確認時にコネクタ28,29に引張力等が作用してコネクタ28,29の固定外れが起きた場合でもその異常を確実に確認できる。
【0066】
手順21で作業者はスライドドア全開対応位置でのスライダ6のロック部材(ロック手段)50によるロックを解除する。ロックの解除はクランプレバーを倒すことで行われる。
【0067】
手順22で作業者はチェックシート(図示せず)に合否判定結果を記入する。
手順23で作業者は操作基台の復帰スイッチ(ボタン)52を押し、これにより、手順24で組立作業台4がほぼ60゜の角度に倒れて初期位置に復帰する。手順25で作業者は、プロテクタ11の下部開口23から導出されたワイヤハーネス12をプロテクタ11の上部側に丸めるように屈曲させて枝線33,34と共に荷姿止めし、手順26で作業者はアース線36を略環状に回路止めする。
以上で給電プロテクタ組立体1が完成する。
【0068】
なお、上記給電プロテクタ製造装置2において、組立作業台4の傾斜角度は作業者の作業姿勢等に応じて適宜設定される。また、組立作業台4やプレス部9の回動(移動)はシリンダ10,54に限らず、ギヤを用いたモータ駆動等で行わせるようにしてもよく、軽いものである場合は作業者の手動操作で移動させるようにしてもよい。
【0069】
また、プレス部9で複数のシリンダ58を用いずに一本のシリンダに組立作業台4と平行な一枚のプレス板を連結し、プレス板でプロテクタカバー19を押すようにしてもよい。また、プレス部9を回動式ではなく横方向スライド式として、組立作業台4上に平行にスライドして位置するようにしてもよい。また、組立作業台4と操作基台3とをレール等(図示せず)に沿って一体に移動自在とした場合には、プレス部9を別体として予め組立作業台4の横隣において組立作業台4と平行に配置しておいてもよい。また、カバー組付時の付勢手段として複数のエアシリンダ58に代えて複数の弾性部材(図示せず)を用い、各弾性部材でプロテクタカバー19を同時に押圧するようにしてもよい。
【0070】
また、操作基台3のガイドレール5のZ方向の傾斜角度と傾斜方向はスライドドアの仕様によって適宜設定される。また、ガイドレール5のXY方向の移動切替機構は本実施形態に限らず適宜設定可能である。また、スライダ6のロック手段はクランプ50に限らずエアシリンダ等であってもよい。また、スライダ6へのハーネス固定具41の取付はピン42に限らずクランプ等、他の取付手段を適用可能である。また、スライダ6の移動検知センサ45,47は近接センサに限らずマイクロスイッチや光電管等、種々の検知手段を適用可能である。
【0071】
また、上記給電プロテクタ製造方法において、手順18の検知ピンは単にプロテクタカバー19の小孔67に挿通して作業者の手感で隙間の判定を行わせるものとしてもよい。また、手順19,20の各コネクタ28,29の固定確認を作業者の目視で行わせるようにしてもよい。但しこれらの場合は制御装置による合否判定や歩進動作は得られない。また、ハーネス固定具(固定部)41を後工程(車両組立工程等)でワイヤハーネス12に組み付ける場合には、手順16のスライダ6へのハーネス固定具41の組付は、予めスライダ6に組み付けておいたハーネス固定具41にワイヤハーネス12を所要の長さで組み付ける作業となる。
【0072】
【発明の効果】
以上の如く、請求項1記載の発明によれば、組立作業台を垂直に立ててスライドドアに見立ててワイヤハーネスの揺動や弛み吸収等の確認を実車同様に誰でも正確に且つ容易に行うことができる。これにより、ワイヤハーネスの長さ不良やプロテクタとの擦れや異音等の検査が正確に且つ容易に且つ迅速に行われ、給電プロテクタ組立体の品質確保が短時間で効率的に行われる。
また、手作業では嵌合させにくい幅広で薄肉なプロテクタ本体とプロテクタカバーとをプレス部によって誰でも正確に嵌合させることができ、プロテクタ本体とカバーとの干渉による変形や破損等が防止され、製品品質が向上する。
【0073】
請求項2又は11記載の発明によれば、傾斜させた組立作業台上でプロテクタのセットやワイヤハーネスの配索確認をスライドドアに配索組付するのと同様に正確に且つ作業性良くスムーズに行うことができる。これにより、ワイヤハーネスの長さ不良や異品組付や欠品やプロテクタとの擦れや異音等の検査が正確に且つ容易に且つ迅速に行われ、給電プロテクタ組立体の品質確保が短時間で効率的に行われる。
【0074】
請求項3記載の発明によれば、特にプロテクタがプロテクタ本体とプロテクタカバーとで構成された場合に両者の位置合わせが正確に行われ、両者の合体作業が干渉等なくスムーズ且つ確実に行われる。
【0075】
請求項4記載の発明によれば、例えば合格印字器を給電プロテクタ組立体の製造装置による各検査ないし全ての検査に対応して作動させるようにすることで、ワイヤハーネスの一方の側のネームプレート等に検査合格印を自動で捺印させることができる。
【0076】
請求項5又は14記載の発明によれば、スライドドア全開対応状態におけるワイヤハーネスとプロテクタとの間の隙間を正確に確認でき、この確認によりワイヤハーネスとプロテクタとの干渉とそれに伴うプロテクタの破損や異音の発生等を防止させることができる。
【0077】
請求項6又は13記載の発明によれば、スライドドアの全開から全閉までの動作を正確に再現でき、ワイヤハーネスの揺動や弛み吸収等の品質確認を作業者のばらつきなく正確に行うことができる。
【0078】
請求項7又は12記載の発明によれば、プロテクタへのコネクタに固定が確実に確認され、車両走行中のコネクタ外れ等の不具合が確実に防止され、スライドドアへの給電の信頼性が高まる。
【0079】
請求項8又は15記載の発明によれば、全ての検査に対応して合格印字器が作動することで、人為的ミスのない合格印の捺印が行われ、製品の信頼性が高まる。
【0081】
請求項記載の発明によれば、プロテクタカバーを傾きなくスムーズ且つ確実にプロテクタ本体に組み付けることができ、請求項記載の効果が一層助長される。
【0082】
請求項10記載の発明によれば、プレス部で邪魔されることなく、組立作業台上でのプロテクタの組付やワイヤハーネスの配索を作業性良く行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る給電プロテクタ組立体の製造装置の一実施形態を示す平面図(展開図)である。
【図2】給電プロテクタ組立体のハーネス揺動確認用のガイドレールを示す正面図である。
【図3】給電プロテクタ組立体のハーネス揺動確認時の状態を示す平面図(展開図)である。
【図4】同じく給電プロテクタ組立体を示す側面図である。
【図5】プレス部を示す図4の矢視A平面図である。
【図6】従来の給電プロテクタ組立体を装着したスライドドアの一形態を示す斜視図である。
【符号の説明】
1 給電プロテクタ組立体
2 製造装置
3 操作基台
4 組立作業台
5 ガイドレール
6 スライダ
7 ピン
9 プレス部
11 プロテクタ
12 ワイヤハーネス
14 孔部
18 プロテクタ本体
19 プロテクタカバー
20 屈曲規制壁
28,29 コネクタ
31 合格印字器
45,47 センサ
50 ロック部材(ロック手段)
58 エアシリンダ(付勢手段)

Claims (15)

  1. ワイヤハーネスを余長吸収方向に付勢する弾性部材を有するプロテクタ本体をセットする部分をスライドドアに対応して備えて、起立方向に回動可能な組立作業台と、
    該組立作業台に対して配置され、該プロテクタ本体内に該ワイヤハーネスを収容した状態で、該プロテクタ本体にプロテクタカバーを押し付けて嵌合させ、ハーネス導出用の下部開口を有するプロテクタを組み立てるプレス部と、
    該プロテクタの該下部開口から揺動自在に導出されたワイヤハーネスの端部側に装着されたハーネス固定具を車両ボディに対応して固定させるスライダと、該スライダをスライドドアの開閉動作に対応した形態に移動自在に係合させたガイドレールとを有する操作基台と、
    を備え、該組立作業台を起立させた状態で、該ガイドレールに沿って該スライダ移動させることで、該ワイヤハーネスが該弾性部材の付勢に抗して引き出されつつ該スライダの移動方向に揺動して、スライドドアの開閉に対応した動作が行われることを特徴とする給電プロテクタ組立体の製造装置。
  2. 前記組立作業台が、前記プロテクタから導出されたワイヤハーネスの一方を配索する部分を有し、前記スライダに、該プロテクタから導出されたワイヤハーネスの他方が固定されることを特徴とする請求項1記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  3. 前記プロテクタをセットする部分が、前記プロテクタの各孔部に係合するピンを含むことを特徴とする請求項1又は2記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  4. 前記ワイヤハーネスの一方を配索する部分が合格印字器を含むことを特徴とする請求項2又は3記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  5. 前記スライダをスライドドア全開対応位置でロックさせるロック手段が設けられ、該スライドドア全開対応位置における前記ワイヤハーネスと前記プロテクタの屈曲規制壁との隙間を確認する検知ピンが備えられたことを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  6. 前記ガイドレールの各端部側に、前記スライダに対する確認センサが設けられたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  7. 前記プロテクタに前記ワイヤハーネスのコネクタが固定され、該コネクタの固定確認を行わせる固定確認具が備えられたことを特徴とする請求項2〜6の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  8. 請求項4記載の合格印字器と請求項5記載の検知ピンと請求項6記載の確認センサと請求項7記載の固定確認具とがそれぞれ制御装置に回路接続されたことを特徴とする給電プロテクタ組立体の製造装置。
  9. 前記プレス部が前記プロテクタカバーの所要部を同時に押圧する複数の付勢手段を有することを特徴とする請求項1〜8の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  10. 前記プレス部が前記組立作業台に対して回動自在に配置されたことを特徴とする請求項記載の給電プロテクタ組立体の製造装置。
  11. 請求項1〜10の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造装置を用いた給電プロテクタ組立体の製造方法であって、組立作業台にプロテクタ本体をセットし、該プロテクタ本体内にワイヤハーネスを配索して組み付けると共に、該プロテクタ本体から導出したワイヤハーネスの一方を該組立作業台上にスライドドアの配索対応形態に配索し、該プロテクタ本体にプロテクタカバーを組み付けてプロテクタを構成させ、該組立作業台を起立させ、該プロテクタから導出したワイヤハーネスの他方を操作基台側のスライダに固定し、該スライダを該操作基台側のガイドレールに沿ってスライドドアの開閉動作に対応した形態に移動させてワイヤハーネスの揺動確認を行うことを特徴とする給電プロテクタ組立体の製造方法。
  12. 前記プロテクタ本体への前記ワイヤハーネスの組み付け時に該ワイヤハーネスのコネクタを該プロテクタ本体に固定し、該コネクタの固定確認を固定確認具で行わせることを特徴とする請求項11記載の給電プロテクタ組立体の製造方法。
  13. 前記スライダが規定の位置まで移動したか否かをセンサで検知させることを特徴とする請求項11又は12記載の給電プロテクタ組立体の製造方法。
  14. 前記ワイヤハーネスの揺動確認時にスライドドア全開対応位置における該ワイヤハーネスと該プロテクタ本体の屈曲規制壁との隙間を検知ピンで確認させることを特徴とする請求項11〜13の何れか1項に記載の給電プロテクタ組立体の製造方法。
  15. 前記組立作業台上に配索したワイヤハーネスの一方側を印字合格器にセットし、請求項12記載の固定確認具や請求項13記載のセンサや請求項14記載の検知ピンを該印字合格器と共に制御装置に回路接続させ、全ての検査項目がOKになった場合に該印字合格器を作動させることを特徴とする給電プロテクタ組立体の製造方法。
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