JP5644596B2 - ワイヤーハーネス配索構造部 - Google Patents

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Description

ワイヤーハーネスを車体とドアとの間で配索する技術に関する。
特許文献1には、ドア側ハーネスを挿通したハーネスプロテクタを、車両ドア内に設けたスライドガイド内にスライド自在に係合させると共に、ボディ本体のフロントピラーにプロテクタホルダを介して固定して、ボディ側ハーネスとドア側ハーネスとを接続する車両用ドアハーネスの配索構造が開示されている。そして、車両ドアの開閉時には、開閉に追随してハーネスプロテクタがスライドガイド内を摺動する。
特開平11−263175号公報
ところで、特許文献1に係る配索構造では、車両ドアが開いた状態においては、ボディ本体と車両ドアとの間に架け渡されるハーネスプロテクタに対して、雨等の水、埃及び砂等が付着することもある。そして、水、埃及び砂等が付着した状態でハーネスプロテクタがスライドガイド内を摺動すると、スライドガイド内に水、埃及び砂等が侵入してしまう恐れがある。また、ハーネスプロテクタとプロテクタホルダとの間から、ボディ本体内に水、埃及び砂等が侵入する恐れもある。
そこで、本発明は、車体及びドア内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制することを目的とする。
第1及び第2の態様は、車体と該車体に連結されたドアとの間で、前記車体に形成された貫通孔部と前記ドアにおける連結側の縁部で開口する導入開口部とを通じてワイヤーハーネスを配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、前記ワイヤーハーネスと、前記ドア内に配置され、前記ワイヤーハーネスが挿入される筒状の挿入口部を有し、前記挿入口部から挿入された前記ワイヤーハーネスを、該ワイヤーハーネスが迂回可能な余裕空間を有する状態で収容するプロテクタと、前記車体の前記貫通孔部の周縁部に密着する環状の密着部を有する車体側止水部と、前記プロテクタの前記挿入口部に被せられる筒部を有するドア側止水部と、前記車体側止水部と前記ドア側止水部とを連結すると共に前記ワイヤーハーネスにおける前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う伸縮可能な蛇腹筒形状に形成された中間止水部と、を有するグロメットとを備える。
の態様は、第1又は第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記ワイヤーハーネスより高い剛性を有し、前記ワイヤーハーネスにおける前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う筒状の外装部材をさらに備え、前記プロテクタは、前記挿入口部を有し、前記外装部材の前記ドア側の端部を含む一部分の変位経路を案内する筒状の案内部を有し、前記グロメットは、前記外装部材における前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う。
の態様は、第1〜第3のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記ワイヤーハーネスが挿通される挿通孔部を有し、前記車体の前記貫通孔部の周縁部に取り付けられる貫通孔取付プロテクタをさらに備え、前記グロメットの前記車体側止水部は、前記貫通孔取付プロテクタに被せられる。
の態様は、第1〜第のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記グロメットの前記ドア側止水部は、前記ドアの前記導入開口部を覆う鍔状に形成された鍔部を有する。
の態様は、第1〜第のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記ドア側止水部における前記筒部又は前記プロテクタにおける前記挿入口部の少なくとも一方は、内周側又は外周側に向けて突出する周方向に沿った凸条に形成され、前記挿入口部の外周面又は前記筒部の内周面に接触する止水用リブを有している。
の態様は、第1〜第のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記挿入口部は、少なくとも中心軸方向一部分の外周部が、周方向全体において平らに形成されている。
さらに第1の態様は、前記プロテクタは、前記挿入口部の一側面から突出し、前記ドアに対して嵌合する固定部を有し、前記ドア側止水部の前記筒部は、前記挿入口部に被された状態で前記固定部が挿入される孔状に形成された位置決め用孔部を有している。
さらに第2の態様は、前記グロメットの前記車体側止水部は、前記中間止水部と連なる部位の外周側の部位に、前記中間止水部側に開口すると共に周方向に沿った溝条に形成された溝部を有する。
第1〜第7の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、ドア内に配置され、ワイヤーハーネスが挿入される筒状の挿入口部を有するプロテクタによりワイヤーハーネスを迂回可能な余裕空間を有する状態で収容するため、ドアの開閉動作に伴ってドア内に進退されるワイヤーハーネスの余長を吸収してドアの開閉動作をスムーズにすることができる。しかも、グロメットの車体側止水部が車体の貫通孔部の周縁部に密着する環状の密着部を有し、ドア側止水部が挿入口部に被せられる筒部を有し、中間止水部が車体側止水部とドア側止水部とを連結すると共に車体とドアとの間に架け渡されるワイヤーハーネスを覆う伸縮可能な蛇腹筒形状に形成されているため、車体及びドア内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制することができる。
の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、ワイヤーハーネスより高い剛性を有し、ワイヤーハーネスにおける車体とドアとの間に架け渡される部分を覆う筒状の外装部材が備えられ、プロテクタが、挿入口部を有し外装部材のドア側の端部を含む一部分の変位経路を案内する筒状の案内部を有すると共に、グロメットが外装部材における車体とドアとの間に架け渡される部分を覆うため、車体及びドア内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制しつつ、車体とドアとの間におけるワイヤーハーネスの垂れ下がり及び屈曲を抑制して、該ワイヤーハーネスをドア内にスムーズに導入することができる。
の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、ワイヤーハーネスが挿通される挿通孔部を有する貫通孔取付プロテクタが車体の貫通孔部の周縁部に取り付けられ、グロメットの車体側止水部が貫通孔取付プロテクタに被せられているため、貫通孔部に挿通されるワイヤーハーネスを該貫通孔部の周縁部から保護しつつ、貫通孔部を通じて車体内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制することができる。
の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、グロメットのドア側止水部の鍔部がドアの導入開口部を覆う鍔状に形成されているため、ドア内に水、埃及び砂等が侵入するのをより確実に抑制することができる。
の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、ドア側止水部の筒部又はプロテクタの筒状の挿入口部の少なくとも一方が、内周側又は外周側に向けて突出する周方向に沿った凸条に形成され、挿入口部の外周面又は筒部の内周面に接触する止水用リブを有しているため、挿入口部の外周部と筒部の内周部との間における水、埃及び砂等の侵入を抑制することができる。
の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、挿入口部は、少なくとも中心軸方向一部分の外周部が、周方向全体において平らに形成されているため、筒部の内周部が挿入口部の該一部分の外周部に接触することにより、筒部と挿入口部との隙間をより小さくして水、埃及び砂等の侵入を抑制することができる。
さらに第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、ドア側止水部の筒部が挿入口部に被された状態で、挿入口部の一側面から突出してドアに対して嵌合する固定部が該筒部に形成された孔状の位置決め用孔部に挿入される。このため、ドア側止水部の筒部が挿入口部から外れることを抑制できる。
さらに第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、グロメットの車体側止水部における中間止水部と連なる部位の外周側の部位に、中間止水部側に開口すると共に周方向に沿った溝状の溝部が形成されている。このため、中間止水部は、連なる車体側止水部に対してより高い自由度をもって曲げ変形可能である。
車両取付状態のワイヤーハーネス配索構造部を示す図である。 ドアの開状態におけるワイヤーハーネス配索構造部の平面図である。 ドアの閉状態におけるワイヤーハーネス配索構造部の側面図である。 ドアの閉状態におけるワイヤーハーネス配索構造部の平面図である。 導入開口部を示す図である。 貫通孔取付プロテクタの分解斜視図である。 グロメットの断面図である。 貫通孔取付プロテクタに被せられた車体側止水部を示す断面図である。 プロテクタの第1部材と第2部材との突合せ部分の例を示す図である。 プロテクタの第1部材と第2部材との突合せ部分の例を示す図である。 プロテクタの第1部材と第2部材との突合せ部分の例を示す図である。 位置決め孔部とプロテクタの固定部との関係を示す図である。 止水用リブが設けられた挿入口部を示す図である。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部10について説明する(図1参照)。このワイヤーハーネス配索構造部10は、自動車の車体2とドア6との間にワイヤーハーネスWHを配索するための構成である。
ワイヤーハーネスWHは、ドア6に設置されるスイッチ、パワーウインドウモータ、ドアロックモータ、サイドミラーモータ及びスピーカー等の電気機器に対して電源供給又は信号伝達するための複数の電線が、配索経路に対応して適宜束ねられて構成されている。ここで、ワイヤーハーネスWHにおける車体2からドア6に架け渡される部分は、上記複数の電線が1本に束ねられて構成されている。また、ワイヤーハーネスWHは、ドア6内で分岐されて各種電気機器に接続される(図示省略)。
説明の便宜上、車体2及びドア6について説明しておく。ドア6は、車体2に形成されている乗降口を開閉可能に、車体2に対してドアヒンジ5及び開度規制部3により連結されている。なお、車体2とは、金属部材で形成されたフレーム部分を言うものとする。ここでは、ドア6は、フロントサイドドアであり、説明の便宜上、鉛直方向に沿った軸(ドアヒンジ5の回転軸)周りに姿勢変更するように車体2に対して連結されているものとする。また、ドア6について、閉状態において車両の前方側に位置する端部(連結される側の端部)を前端部、後方側に位置する端部を後端部という。また、ドア6について、車内外を結ぶ方向を厚さ方向と呼ぶことがある。
上記開度規制部3(ドアチェックリンクとも言う)は、ドア6を所定の開度(全開姿勢、半開姿勢等)に維持するための構成である。より具体的には、開度規制部3は、アーム部3aとケース部3bとを備えている。アーム部3aは、一方の端部が車体2に対して相対回転可能に連結され(車体側連結部)、長手方向複数位置に他の部分より肉薄(車体の上下方向に薄肉)な部分が形成された棒状に形成されている。なお、図面では、アーム部3aの厚薄は省略して示している。ケース部3bは、アーム部3aを挿通可能な貫通孔を有する筐状に形成され、その内部にアーム部3aを挟むように押圧付勢される図示省略の挟持部を有している。すなわち、ケース部3bは、挿通されるアーム部3aに対して、挟持部が薄肉部を挟む位置に留まり易くなっている。このケース部3bは、ドア6に対して固定され、開度規制部3のドア側連結部を担っている。
そして、ドア6の開閉動作に連動して、アーム部3aがケース部3bに対して相対挿通移動される。ケース部3bの挟持部がアーム部3aの薄肉部を挟む位置にある状態では、厚肉部を乗り越えられるような外力が加えられない限り、ドア6の姿勢が維持される。一般的に、アーム部3aの薄肉部の位置は、ドア6の半開姿勢及び全開姿勢で姿勢維持可能に設定されている。なお、アーム部3aは、ドア6の閉動作に伴ってドア6内に進入し、開動作に伴ってドア6内から退出する。
ドア6は、金属板をプレス成型、打抜き等して形成されたドアインナーパネル7及びその外側に設けられる外装部材としてのドアアウターパネルと、合成樹脂材料等で形成され、ドアインナーパネル7の車内側に取り付けられる内装部材としてのトリム8とを有している(図2参照)。また、ドア6は、車体2との連結側(前端側)の縁部である導入側縁部(ドア6における後述する貫通孔取付プロテクタ30の取り付け位置側の縁部)で開口する導入開口部6hを通じて内外にワイヤーハーネスWHを配索可能に構成されている。ここでは、ドア6の導入開口部6hは、ドアインナーパネル7に形成された凹部7hにおけるドア6の前端側に向けて開口する開口縁部とトリム8の前端側の縁部とにより形成される開口部である(図5参照)。この凹部7hは、後述するプロテクタPを部分的又は全体的に収容する凹状部分であり、ドアインナーパネル7の車内側で開口すると共に、上述したようにドア6の前端側で開口している。
また、車体2には、内外にワイヤーハーネスWHを挿通配索するための貫通孔部2hが形成されている。この貫通孔部2hは、平面視において、乗降口の開口縁部において、ドア6の閉状態における導入開口部6hと対向する部位に形成されている(図4参照)。なお、導入開口部6h及び貫通孔部2hは、ドア6を閉めた状態では、車体2に取り付けられる内装部材及びドア6のトリム8等により車内に対して遮られて隠れる。
また、ドア6には、その周縁部に沿って防水用のウェザーストリップ6wが設けられている(図2、図4参照)。このウェザーストリップ6wは、ドア6を閉めた状態で、車体2の乗降口の開口縁部に密着して、車内外において水密状態を保持可能なゴム等で形成された弾性部材である。そして、本ワイヤーハーネス配索構造部10は、ウェザーストリップ6wより車内側にワイヤーハーネスWHを配索するように構成されている。
また、ここでは、ワイヤーハーネスWHが車体2とドア6との間でウェザーストリップ6w(複数設けられる場合には少なくとも最も車外側の1つ)より車内側に配索されるため、導入開口部6h及び貫通孔部2hは、該ウェザーストリップ6wより車内側に形成されている。
ワイヤーハーネス配索構造部10は、上記ワイヤーハーネスWHと、外装部材20と、貫通孔取付プロテクタ30と、プロテクタPと、グロメット60とを備えている(図1参照)。
ワイヤーハーネスWHにおける車体2からドア6に架け渡される部分を含む部分は、外装部材20に覆われている。この外装部材20は、ワイヤーハーネスWHを、外部から保護すると共に、車体2とドア6との間における屈曲、垂れ下がり等を抑制して支持する部材である。
外装部材20は、筒状に形成され、その中空部に挿通されたワイヤーハーネスWHを保護する。より具体的には、外装部材20は、ドア6の開閉動作に対応して車体2とドア6との間で曲がるように可撓性を(延在方向全体的に)有すると共に、車体2とドア6との間で屈曲及び垂れ下がりを抑制してワイヤーハーネスWHを支持可能な剛性、すなわち、少なくともワイヤーハーネスWHより高い剛性を有する部材である。ここでは、外装部材20は、合成樹脂(例えば、PP(ポリプロピレン)、PA(ポリアミド)等)を押出成型すると共にブロー成型或いはバキューム成型して製造されたコルゲートチューブである。コルゲートチューブは、周方向に沿った凸条の山部及び凹条の谷部が軸方向に交互に連続した部材である。そして、コルゲートチューブは、軸方向に平行な断面視において、山部の頂部とその両側の側壁部との内角、及び、谷部の底部とその両側の側壁部との内角が大小変化することにより伸縮する。つまり、コルゲートチューブは、曲げ方向に力が加えられると内周側の部分の各内角が小さくなるように変形すると共に、外周側の部分の各内角が大きくなるように変形して曲げられる。ワイヤーハーネスWHより高い剛性を有する外装部材20としてのコルゲートチューブに挿通された該ワイヤーハーネスWHは、外装部材20の剛性により曲げ規制されて屈曲が抑制される。
また、この外装部材20は、扁平な形状(例えば、断面視略楕円形、略長方形等の扁平な形状)に形成されている。ここでは、角が丸められた断面視略長方形に形成されている。すなわち、断面視における長手方向に曲がり難く(剛性が高く)、短手方向に曲がりやすい(可撓性が高い)形状である。より具体的には、コルゲートチューブの軸方向の伸縮可能量は通常周方向どの部分でも変わらないため、内周側端部と外周側端部との距離が長いほど角度変化量が小さく曲がり難い。なお、ワイヤーハーネスWHは、断面視円形に形成されていても、外装部材20の内部形状に対応した断面形状に形成されていてもよい。
もっとも、外装部材20は、ワイヤーハーネスWHより高い剛性を有していればよく、上述したコルゲートチューブに限定されるものではない。例えば、外装部材は、比較的硬質なゴム(EPDM(エチレンプロピレンジエンゴム)、エラストマー等)により成形された扁平な筒状であってもよい。
上記外装部材20は、一方の端部がワイヤーハーネスWHにおける車体2内に配索される部分に対してテープT巻き等されて固定されると共に、該一方の端部寄りの一部分に後述する貫通孔取付プロテクタ30が固定されている。また、外装部材20の他方の端部は、ワイヤーハーネスWHにおけるドア6内(ここでは後述する案内部50内)に配索される部分にテープT巻き等されて固定され、該ワイヤーハーネスWHと共にドア6内に進退移動可能とされている(図3参照)。
貫通孔取付プロテクタ30(エッジプロテクタとも言う)は、貫通孔部2hに挿通されるワイヤーハーネスWHを貫通孔部2hの周縁部(エッジ)から保護する部材である。ここでは、貫通孔取付プロテクタ30は、外装部材20を車体2に対して固定する(図6、図8参照)。この貫通孔取付プロテクタ30は、外装部材20における一方の端部寄りの一部分に固定され、車体2の貫通孔部2hの周縁部に取り付けられる。より具体的には、貫通孔取付プロテクタ30は、車体2に形成されている貫通孔部2hに対して押し付けることにより、車体2に対して取り付け可能に形成されている。なお、ここでは、貫通孔部2hは、車体2の前後方向に略直交する板状の部分に形成され、該前後方向に貫通しているものとする。この貫通孔取付プロテクタ30は、挿入部34と、複数の係止部35と、押え部36と、凹凸嵌合部38とを有している。
挿入部34は、車体2の貫通孔部2h内に挿入可能な柱状に形成されると共に、その軸方向両側で開口してワイヤーハーネスWHが挿通される挿通孔部33を有している。より具体的には、挿入部34は、貫通孔部2hに対応した外形(断面視角を丸めた長方形)で、該貫通孔部2hより僅かに小さく設定されている。ここでは、挿入部34は、貫通孔部2hに対して、該貫通孔部2hの貫通方向に沿って車体2の前方(以下、挿入方向S)に向けて挿入される。なお、以下の説明において、貫通孔取付プロテクタ30及びグロメット60の車体側止水部62について、車体2に対する取付形態における挿入方向Sに準じて、該挿入方向Sを各部材自身の方向として使用することがある。すなわち、挿入方向Sとは、車体2の貫通孔部2hと貫通孔取付プロテクタ30及びグロメット60の車体側止水部62との関係における相対的な方向を指す。また、挿通孔部33は、挿入方向Sに沿って貫通している。そして、挿通孔部33は、外装部材20の外形(山部の外周形状)に対応した内部形状で、外装部材20の外形より僅かに大きく設定されている。
挿入部34の先端側の部分には、挿入部34を貫通孔部2h内に挿入した状態で貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止可能な係止部35が設けられている。この係止部35は、挿入部34の周方向複数位置(ここでは等間隔に4箇所)から外周側に突出するように形成され、それぞれ、貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から接触可能な係止面を有している。より具体的には、係止部35は、挿入部34の先端側から基端側に向けて徐々に突出寸法が大きくなるように形成されている。そして、各係止部35は、挿入部34が貫通孔部2hに挿入される際に、係止部35が貫通孔部2hの周縁部に当接して挿入部34又は係止部35自身が挿入部34の内周側に弾性変形し、貫通孔部2hを乗り越えた位置で外周側に弾性復帰して貫通孔部2hの周縁部に係止する。
押え部36は、挿入部34の基端部に連続して設けられ、その外周側に張り出す鍔状に形成されている。より具体的には、押え部36の外周形状は、貫通孔部2hより大きく形成されている。この押え部36は、後述するグロメット60の車体側止水部62の嵌合部63が外嵌めされる部分である。
そして、挿入部34が貫通孔部2hに挿入されると、係止部35が貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止すると共に、押え部36が貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から後述するグロメット60の一部分を挟んで配置され、貫通孔部2hの周縁部が係止部35とグロメット60の一部分を介した押え部36とで挟まれて、貫通孔取付プロテクタ30は車体2に対して固定される。
凹凸嵌合部38は、挿入部34(及び押え部36)内に配設される外装部材20に対して、該外装部材20の軸方向に相対移動不能に位置決めする部分である。ここでは、凹凸嵌合部38は、外装部材20としてのコルゲートチューブの凹凸外形に対して嵌合可能に形成されている。より具体的には、凹凸嵌合部38は、挿通孔部33から内周側に突出する該挿通孔部33の中心軸に対する周方向に沿った凸条に形成され、挿通孔部33の貫通方向において外装部材20の谷部に対応する間隔で複数設けられている。
上記貫通孔取付プロテクタ30は、一対の略U字部材(ここでは、対向片の長さが異なるU字形状)を合体させることにより構成される。ここでは、貫通孔取付プロテクタ30は、一対の略U字部材の突き合わせ部分の各一方の端部から突出する係止部31と、各他方の端部に形成され、該係止部31が係止可能な被係止部32とを有している。より具体的には、係止部31は、U字部材の一方の端部から突出する挿入部の先端部からU字部材の内周側に突出し、先端側から基端側に向けて徐々に突出寸法が大きくなる断面視略三角形状に形成された係止爪31aを有する部分である。この係止爪31aは、基端側に面する係止面を有している。また、被係止部32は、U字部材の他方の端面と内周面との2箇所で開口する凹形状に形成されている。この被係止部32は、係止部31をU字部材の他方の端面で開口する開口部を通じて内部に挿入可能である。そして、一対のU字部材が突き合わされて係止部31が被係止部32内に挿入されると、係止爪31aの係止面が、被係止部32における内周側の開口部の開口縁部と対向して当接する。これにより、係止部31は被係止部32に係止し、一対の略U字部材が合体される。すなわち、外装部材20を間に挟み込んだ状態で一対の略U字部材を合体させることにより、凹凸嵌合部38が外装部材20の外周部に対して嵌合し、貫通孔取付プロテクタ30は、外装部材20に対して該外装部材20の軸方向に相対移動不能に装着される。これにより、挿通孔部33にワイヤーハーネスWHが挿通された状態となり、この貫通孔取付プロテクタ30が車体2に取り付けられた状態で、ワイヤーハーネスWHが車体2の貫通孔部2hを通じてその内外に配索される。なお、貫通孔取付プロテクタ30は、一対の略U字部材が、開閉可能なようにヒンジにより一方の突き合せ端部同士が連結され、他方の突き合せ端部同士が係合可能に形成されていてもよい。
そして、貫通孔取付プロテクタ30は、外装部材20が上下方向に沿って扁平となる姿勢で貫通孔部2hの周縁部に対して取り付けられる。これにより、外装部材20の剛性がより高い断面視長手方向が鉛直方向に略沿って、より確実に垂れ下がりが抑制され、外装部材20に覆われているワイヤーハーネスWHの鉛直方向における屈曲を抑制することができる。また、貫通孔取付プロテクタ30は、車体2における開度規制部3が連結される部位の下方の部位に形成された貫通孔部2hに対して嵌合されることにより、開度規制部3の車体側連結部の下方の位置で車体2に対して取り付けられる。
もっとも、貫通孔取付プロテクタ30は、上記形状に限られるものではない。例えば、貫通孔取付プロテクタ30は、係止部31及び被係止部32が省略され、一対の略U字部材が突き合わされた状態で貫通孔部2hに嵌合されることにより合体状態を維持されるものでもよい。また、ワイヤーハーネスWHを位置決めする部分(上記凹凸嵌合部38の代替部)が、押え部36の基端部から挿通孔部33の貫通方向に沿って挿入方向S後方側に突出する扁平な細長矩形状に形成されていてもよい。すなわち、挿入部34の挿通孔部33内に配設した外装部材20の後方の部分を、該位置決め部に対して、一緒にテープ巻き又はタイバンドで締め付ける等して固定することにより、貫通孔取付プロテクタ30に対して挿通孔部33の貫通方向に位置決めすることができる。なお、タイバンドとは、段階的に環状体の周方向寸法を調節し保持可能な部材をいう。このような位置決め部を採用する場合、貫通孔取付プロテクタは、全体として射出成型により一体に形成されてもよい。
プロテクタPは、ドア6内に配置され、ワイヤーハーネスWHが挿入される筒状の挿入口部52を有し、該挿入口部52から挿入されたワイヤーハーネスWHを、該ワイヤーハーネスが迂回可能な余裕空間を有する状態で収容する部材である(図3参照)。このプロテクタPは、収容部40と案内部50とを有している。
より具体的には、案内部50は、挿入口部52を有し、ワイヤーハーネスWHを覆う外装部材20における他方の端部を含む部分の変位経路を案内する筒状の部分である。なお、挿入口部52は、案内部50における一方の端部を含む部分である。そして、案内部50は、他方の端部が収容部40の一方の端部と連続している。また、収容部40は、案内部50に連なってドア6内に配置され、案内部50内に挿入される外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHを余裕空間を有する状態で収容する部分である。収容部40は、余裕空間を含む収容空間を有している。この収容部40は、ワイヤーハーネスWHが収容空間内からドア6内に引き出される引出口44を有している。つまり、プロテクタPは、挿入口部52を通じて案内部50内に挿入される外装部材20を収容部40に向けて案内し、その外装部材20の他端部から延び出たワイヤーハーネスWHを、収容部40の収容空間内に収容すると共に引出口44を通じてその外方すなわちドア6内に配索する部材である。そして、ワイヤーハーネスWHは、ドア6内において、プロテクタPにより周辺部材から保護される。図1、図3では、挿入口部52と引出口44とが略直交する方向に貫通し、全体として側面視略L字形状に形成されているプロテクタPを示している。
以下、プロテクタPについて、案内部50及び収容部40の各構成に着目してより詳細に説明する。なお、以下の説明において、プロテクタPについて、ドア6の前方から見たのが正面、ドア6内に配置した状態で車内側から見たのが側面である。
案内部50は、略直線状に延在する断面視略長方形の筒状に形成され、外装部材20の他方の端部を含む部分を略直線状の進退経路に沿って案内可能である。より具体的には、案内部50は、挿入口部52を通じて挿入される外装部材20の外周部に当接することにより、その中心軸に対する放射方向(主として車内外方向)において該外装部材20を位置規制する。もっとも、案内部50は、外装部材20を挿通案内可能であればよく、断面視略楕円形、円形或いは多角形等の筒状に形成されていてもよい。
ここで、案内部50と外装部材20との関係について説明しておく。外装部材20は、一方の端部寄りの部分が貫通孔取付プロテクタ30を介して車体2に固定された状態で、ドア6の開状態において、少なくとも他方の端部を含む一部分が案内部50内に挿入されている程度に長い延在寸法に設定されている。一方、案内部50は、ドア6が開閉動作される際に、ドア6内で進退される外装部材20の他方の端部を含む部分を、主として車内外方向に位置規制できればよい。ここでは、ドア6の閉状態において、外装部材20の他方の端部を収容部40内に僅かに突出させる程度の延在寸法に設定されている。もっとも、案内部50は、上記寸法より長く、ドア6の閉状態で外装部材20の他方の端部まで収容可能な寸法に設定されていてもよい。
また、挿入口部52は、一方の端部に向けて外周側に拡開するように形成されている(図3、図4参照)。ここでは、挿入口部52は、その延在方向に略直交する全方向において、一方の端部に向けて徐々に拡がるように形成されている。
収容部40は、外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHを、第1経路R1と、該第1経路R1に対して中間部が離間するように膨らんだ第2経路R2との間で曲げることにより迂回させて余長吸収可能に収容可能に形成されている(図3参照)。
この収容部40は、側面視において、収容空間を挟んで対向する第1壁部41と第2壁部42とを有している。収容空間内に収容されるワイヤーハーネスWHは、第1経路R1を通る際に第1壁部41に近接し、第2経路R2を通る際に第2壁部42に近接して配設される。すなわち、ワイヤーハーネスWHが第1経路R1を通る状態で、該ワイヤーハーネスWHの第2壁部42側に余裕空間が存在する。この第1壁部41及び第2壁部42は、各一方の端部が案内部50の他方の端部に連続し、各他方の端部が引出口44に連続している。より具体的には、第1壁部41は、側面視略L字形状のプロテクタPの内周側で、案内部50の他端部と収容部40の引出口44とを結ぶように延在している。また、第2壁部42は、第1壁部41に対してワイヤーハーネスWHを曲げ変形可能な間隔をあけて、側面視略L字形状のプロテクタPの外周側で、案内部50の他端部と引出口44とを結ぶように延在している。
ドア6の開閉動作に関連付けて説明すると、ドア6の開状態では、外装部材20が案内部50の一方側に退避して位置し、該外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHは、第2壁部42側に余裕空間をあけた状態で第1経路R1を通って収容空間内に収容されている(図1参照)。
また、ドア6が開姿勢から閉動作されると、外装部材20が案内部50内に前進移動し、その他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHは、収容空間における余裕空間に押し込まれて第2壁部42に近接するように曲げられる。そして、ドア6が閉姿勢になると、ワイヤーハーネスWHは、第2経路R2を通って収容空間内に収容された状態となる(図3参照)。すなわち、ドア6の開状態に比べ、ワイヤーハーネスWHにおける収容空間内に収容される部分が長くなることにより余長吸収される。
ドアの開動作時には、閉動作時とは逆に、ワイヤーハーネスWHは、収容空間内から案内部50側に引き出されて、第2経路R2から第1経路R1に経路変更される。
また、収容部40は、引出口44でワイヤーハーネスWHを固定可能なドア内位置決め部46を有している。ドア内位置決め部46は、引出口44の開口縁部が部分的に(ここでは断面視L字状に)延出した形状に形成されている。そして、引出口44を通じて引き出されるワイヤーハーネスWHを、ドア内位置決め部46の内側に当接させた状態で、一緒にテープT巻き又はタイバンドで締付けして固定(ここではテープT巻きして固定)することにより、ドア6内において位置決めすることができる。これにより、ドア6の開閉動作時に収容部40内に車体2側のワイヤーハーネスWHが進退しても、ドア6内に配索されるワイヤーハーネスWHに対して引張り又は弛みが発生することを抑制して、より確実に収容空間内で余長吸収させることができる。
ワイヤーハーネスWHを収容部40に対して固定する構成は、上記ドア内位置決め部46に限られず、引出口44から壁状に延出するドア内位置決め部にタイバンド挿通用の孔部が複数形成され、タイバンドを孔部に挿通してワイヤーハーネスWHを締付け固定するものであってもよい。
なお、ワイヤーハーネスWHに加わる負荷を軽減する観点では、収容部40の好ましい形状は以下の通りである。以下、側面視における第1壁部41及び第2壁部42の形状について、より具体的に説明する(図3参照)。すなわち、第1壁部41は、ドア6の開状態において、ワイヤーハーネスWHにおける外装部材20の他方の端部とドア内位置決め部46との中間部分を、該外装部材20の他方の端部とドア内位置決め部46とを結ぶ方向に平行な経路で収容するように経路規制可能に形成されている。また、第2壁部42は、ワイヤーハーネスWHが、挿入口部52の貫通方向に沿ったライン及びドア内位置決め部46を通って引出口44の貫通方向に沿ったライン上を通る経路より大きく(小さい曲げ半径で)曲げられることを規制可能に形成されている。ここでは、第2壁部42は、挿入口部52の貫通方向に沿った案内部側壁部と引出口44の貫通方向に沿った引出口側壁部とを湾曲壁部が接続する形状に形成されている。該湾曲壁部は、部分的に案内部50から離間する向きにワイヤーハーネスWHの直径分より小さい寸法だけ膨らむように形成されている。
このプロテクタPは、ドア6内すなわちドアインナーパネル7とトリム8との間において、ドアインナーパネル7に形成されている凹部7h内に部分的又は全体的(図2、図4では全体的)に収容される。より具体的には、プロテクタPは、案内部50が収容部40に対してドア6の前端側に位置すると共に、引出口44がドア6の上方を向く姿勢でドア6内に配置されている。なお、上方を向くとは、鉛直方向上方を向く形態に限られず、上方に向けて傾斜し、上方を臨む形態も含むものとする。
また、プロテクタPの取り付け位置について、貫通孔取付プロテクタ30の車体2に対する取り付け位置との関係で説明すると、貫通孔取付プロテクタ30及びプロテクタPは、外装部材20が車体2とドア6との間で開度規制部3の下方に架け渡されるように、それぞれ、車体2に対して取り付けられると共にドア6内に配置されている。ここでは、貫通孔取付プロテクタ30は、車体2における開度規制部3と連結されている部位の下方の部位に取り付けられている。また、プロテクタPは、挿入口部52がドア6(ドアインナーパネル7)における開度規制部3と連結されている部位の下方に位置するように、ドア6内に配置されている。また、貫通孔取付プロテクタ30及びプロテクタPは、ドア6の閉状態において、挿通孔部33と挿入口部52とが挿入方向S(車体2の前後方向)において対向する位置関係で車体2に取り付け又はドア6内に配置されている(図3、図4参照)。そして、ドア6の閉状態において、車体2とドア6との間で延在するワイヤーハーネスWHは略直線状に延在する。
ここでは、プロテクタPは、ドアインナーパネル7に形成される孔部に対して嵌合可能な固定部58を有している(図2、図4、図12参照)。この固定部58は、プロテクタPをドアインナーパネル7に対して車外側に向けて(案内部50を凹部7h内に収容する向きに)押し付けることにより、孔部に嵌合するように形成されている。例えば、固定部58としては、プロテクタPの側面から突出する基軸部と、その先端部からその外周側に拡がるように形成され、内周側に弾性変形可能な係止部とを有する構成を採用できる。ここでは、固定部58は、プロテクタPの一方側の側面のうち、案内部50の挿入口部52及び収容部40からそれぞれ突出するように2箇所に設けられている。より具体的には、固定部58は、凹部7h内に配置されるプロテクタPにおける車外側の側面から車外側に向けて突出している。
そして、この固定部58をドアインナーパネル7に形成された孔部に挿入することにより、係止部が、孔部の周縁部に当接して内周側に弾性変形し、孔部を越えると外周側に弾性復帰して孔部の周縁部に対して車外側から係止する。このように、上記固定部58によりドアインナーパネル7に対して固定可能なプロテクタPによると、ドアインナーパネル7に対して押し付けるだけで容易に固定することが可能である。
もっとも、プロテクタPをドアインナーパネル7に対して固定するための構成は、上記の姿勢及び位置でドア6内に配設可能であればよく、その他の固定構造が採用されてもよい。例えば、プロテクタPは、ねじ止め、ボルト止め、スタッドボルト止め又はブラケット固定等によりドアインナーパネル7に対して固定可能な形状であってもよい。
上記収容部40及び案内部50を有するプロテクタPは、例えば、凹状の第1部材P1と蓋状の第2部材P2とが合体されて成る構成を採用することができる(図2、図4参照)。なお、図1、図3では、第2部材P2を省略したプロテクタPを示している。また、第1部材P1及と第2部材P2とは、合体状態を維持するために、一方に複数の係止部が設けられ、他方に該係止部が係止可能な複数の被係止部が設けられているとよい。この係止部及び被係止部については、図面では省略している。そして、プロテクタPは、第1部材P1と第2部材P2とを、それぞれ射出成型等により製造して合体させることにより構成することができる。なお、プロテクタPは、凹状部材同士の組合せ等により構成されていてもよいし、全体として凹状に形成され、トリム8により開口を塞がれるように構成されていてもよい。
もっとも、収容部40と案内部50とは、一部品のプロテクタPとして形成される場合に限られず、案内部50の他方の端部側に該案内部50とは別体の収容部40が連なって配置されてもよい。
また、プロテクタPは、挿入口部52から挿入されるワイヤーハーネスWHを、余裕空間を有して収容可能であればよく、上記形状に限られるものではない。例えば、ワイヤーハーネスWHを輪状に巻いて収容し、輪部の径を変化させて迂回可能な収容部を有する形状、案内部が挿入口部52だけで構成され、外装部材20の他方の端部を含む一部分の進退経路を案内する部分が省略された形状等を採用してもよい。
グロメット60は、車体側止水部62と、ドア側止水部72と、中間止水部82とを有する止水用部材である(図7参照)。このグロメット60は、全体としてゴム材料を射出成型すること等により一体に形成されている。
車体側止水部62は、貫通孔取付プロテクタ30に被せられ、車体2の貫通孔部2hから車体2内に水、埃及び砂が侵入することを抑制するための部位である。この車体側止水部62は、嵌合部63と、第1車体密着部64と、第2車体密着部65と、溝部67と、筒部68とを有し、全体として正面視環状に形成されている(図8参照)。
嵌合部63は、貫通孔取付プロテクタ30の押え部36に外嵌めされる部分である。この嵌合部63は、内周側に開口すると共に周方向に沿った凹条に形成され、押え部36の外周側の部分を内部に配設する嵌合用凹部63aを有している。そして、嵌合部63は、嵌合用凹部63a内に押え部36が収容されることにより、押え部36に対して外嵌めされる。
第1車体密着部64及び第2車体密着部65は、車体2の貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から密着する部分である。より具体的には、第1車体密着部64は、周方向に沿って挿入方向S前方に向けて嵌合部63から突出する凸条に形成されている。また、第2車体密着部65は、嵌合部63における第1車体密着部64より外周側の部位から、周方向に沿って挿入方向S前方側に向けて外周側に拡がりながら突出する傘状に形成されている。
そして、嵌合部63が押え部36に外嵌めされた状態で貫通孔取付プロテクタ30を車体2の貫通孔部2hに嵌合させると、第1車体密着部64が貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から当接すると共に、第2車体密着部65が外周側に拡がるように弾性変形して貫通孔部2hの周縁部に対して第1車体密着部64より外周側で挿入方向S後方側から面接触する。すなわち、貫通孔取付プロテクタ30の係止部35が貫通孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止した状態で、第1車体密着部64及び第2車体密着部65は、押え部36により貫通孔部2hの周縁部に押し付けられている。
筒部68は、嵌合部63の挿入方向S後方側から延び出た外装部材20を覆う部分である。この筒部68は、外装部材20を挿通可能な筒状(ここでは角が丸められた断面視長方形の筒状)に形成され、挿入方向S後方側の端部が中間止水部82に連続している。また、筒部68は、挿入方向S前方側の端部が、嵌合部63に対して溝部67を介して連続している。
溝部67は、嵌合部63における筒部68の外周側の部位に、挿入方向S後方側に向けて開口すると共に周方向に沿った溝条に形成されている。この溝部67は、周方向各部においてその開口幅を変化させるように変形可能である。より具体的には、筒部68に対して挿入方向Sに略直交する方向に力が加えられて曲げられると、溝部67は、筒部68における曲げ形態の内周側の部位で開口幅が小さくなると共に外周側の部位で開口幅が大きくなるように変形する。これにより、筒部68は、自身の弾性変形量に加え、溝部67の開口幅の変化分大きく曲げられるため、車体2とドア6との間で曲げられる外装部材20の曲げ変形に追従して曲がりやすい。また、溝部67のうち筒部68に連なる部分は、挿入方向S後方側にも僅かに変位可能であり、筒部68がより外装部材20の曲げ変形に追従して曲がりやすくなっている。
ドア側止水部72は、導入開口部6h及びプロテクタPの挿入口部52の内部に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制するための部位である。このドア側止水部72は、筒部74と、止水用リブ75と、鍔部76とを有している(図7参照)。
筒部74は、案内部50の挿入口部52に被せられる部分である。筒部74は、挿入口部52の外形に対応した内部形状を有する筒状(ここでは断面視略長方形の筒状)に形成され、その大きさが該挿入口部52の外形と同じかそれより小さく(ここでは僅かに小さく)設定されている。すなわち、筒部74は、挿入口部52の外周面に対して周方向全体的に接触した状態で該挿入口部52に被される。なお、ここでは、挿入口部52が一方の端部で外周側に拡がる形状に形成されているため、筒部74の内部空間は、挿入口部52の一方の端部の形状に対応して中心軸方向一部分で外周側に拡がっている。
挿入口部52に被せられた筒部74は、ドアインナーパネル7にトリム8が取り付けられると、導入開口部6hでドアインナーパネル7とトリム8との間に挟まれて双方に対して車内外方向に接触した状態となる。もっとも、筒部74は、ドアインナーパネル7とトリム8とに対する接触の有無は問わないが、接触することによりプロテクタPのがたつき抑制にも寄与する。
筒部74の内周部には、内周側に突出し、周方向に沿った凸条に形成された止水用リブ75が設けられている(図7参照)。ここでは、筒部74の中心軸方向に間隔をあけて一対の止水用リブ75が設けられている。この止水用リブ75は、断面視略弧状に凸となる形状に形成されている。例えば、止水用リブ75の突出寸法は、0.1〜2.0mmに設定されているとよい。そして、筒部74が挿入口部52に被せられた状態で、止水用リブ75は、挿入口部52の外周面に対して接触し、挿入口部52を筒部74が締め付ける力より大きい力で締め付けている。
止水、防塵性能等の観点から言うと、筒部74は、挿入口部52の外周面に対して周方向全体に亘って密着していることが好ましい。ここでは、挿入口部52は、少なくとも中心軸方向一部分が、外周部が周方向全体において平らに形成されている(図9〜図11参照)。すなわち、挿入口部52において外周部が周方向全体において平らに形成されている一部分に筒部74(好ましくは止水用リブ75)が被されると、筒部74と挿入口部52との隙間を無くす又はより小さくすることができる。
案内部50の挿入部52の上記形状は、プロテクタPを構成する第1部材P1と第2部材P2とを、外周面が略面一となる形態で端部同士を突き合わせて合体させることにより形成される。第1部材P1及び第2部材P2の突き合わせ部分の形状は、平坦な端面同士を突き合わせる形態、対応する凹凸を有する端部同士を突き合わせる形態等を採用することができる。図10では第1部材P1の凸部が第2部材P2の凸部に対して外周側から重複する形状、図11では第2部材P2の凸部が第1部材P1の凸部に対して外周側から重複する形状を示している。図10、図11に示す突き合せ端部が対応する凹凸形状に形成されているプロテクタによれば、突き合わせ部分からの水、埃及び砂等の侵入をより効果的に抑制することができる。
鍔部76は、筒部74の外周部から外周側に拡がる鍔状に形成され、ドア6の導入開口部6hを覆う部分である(図5、図7参照)。この鍔部76は、ドアインナーパネル7の凹部7hとトリム8との内側に形成される導入開口部6hに対応した形状で、該導入開口部6hより大きく形成されている。より具体的には、鍔部76は、導入開口部6hを覆うと共にドアインナーパネル7とトリム8とで構成されるその周縁部に対してドア6の前端側から重複する大きさに設定されている。
鍔部76には、第1ドア密着部76aと第2ドア密着部76bとが設けられている。第1ドア密着部76a及び第2ドア密着部76bは、ドア6の導入開口部6hの周縁部に対してドア6の前端側から密着する部分である。より具体的には、第1ドア密着部76aは、鍔部76からグロメット60の車体側止水部62側からドア側止水部72側に向かう向きに突出する導入開口部6hの周縁部に沿った凸条に形成されている。また、第2ドア密着部76bは、鍔部76における第1ドア密着部76aより外周側の部位から、導入開口部6hの周縁部に沿ってグロメット60の車体側止水部62側からドア側止水部72側に向けて外周側に拡がりながら突出する傘状に形成されている。
そして、ドア6に配置されたプロテクタPの挿入口部52に筒部74が被せられた状態で、第1ドア密着部76aが導入開口部6hの周縁部に沿って当接すると共に、第2ドア密着部76bが外周側に拡がるように弾性変形して導入開口部6hの周縁部に対して第1ドア密着部76aより外周側で該周縁部に沿って面接触する。なお、第1ドア密着部76a及び第2ドア密着部76bは、筒部74が挿入口部52を締め付ける力により案内部50に対して一定位置に固定されて、導入開口部6hの周縁部に対して押し付けられている。これにより、ドア6の導入開口部6hは遮蔽される。
また、ドア側止水部172は、図12に示すように位置決め用孔部178を有していてもよい。ドア側止水部172のうち上記ドア側止水部72と同様の形状の部分については同符号を付している。位置決め用孔部178は、筒部174の挿入口部52に対する位置ずれを抑制し、該筒部174が挿入口部52に被された状態を維持するための部分である。この位置決め用孔部178は、筒部174において、該筒部174が挿入口部52に被された状態で固定部58が挿入される孔状に形成されている。より具体的には、固定部58におけるプロテクタPの挿入口部52の一側面から突出する基軸部が位置決め用孔部178に挿入された状態で、位置決め用孔部178の周縁部が固定部58の基軸部に対して該基軸部の軸方向に略直交する方向において当接することにより、筒部174の位置ずれが抑制される。位置決め用孔部178の大きさは、固定部58の基軸部の断面形状の外形と略同じに設定されているとよい。
そして、位置決め用孔部178に挿入された固定部58がドアインナーパネル7に形成された孔部に嵌合されると、ドアインナーパネル7とプロテクタP(挿入口部52)の側面との間には、ゴム材料で形成されたグロメット60の筒部174の一部分が介在した状態となる。これにより、ドア6の開閉時及び車両走行時の振動等によるドアインナーパネル7に対するプロテクタPのがたつきによる異音を抑制することができる。
もっとも、位置決め用孔部178は省略されてもよい。すなわち、上述したドア側止水部72のように、挿入口部52において固定部58より一方の端部側の部位に筒部74が被せられ、且つ、筒部74又は止水用リブ75の締め付け力が十分強く該筒部74が挿入口部52から外れない場合には、位置決め用孔部178を省略できる。
中間止水部82は、伸縮及び曲げ可能な蛇腹筒形状に形成され、車体側止水部62とドア側止水部72とを連結すると共に車体2とドア6との間に架け渡されるワイヤーハーネスWH、ここでは、該ワイヤーハーネスWHを覆う外装部材20を覆う形状に形成されている(図7参照)。より具体的には、中間止水部82は、断面視三角波形状に形成された蛇腹形状で、換言すると、複数のフレアー状に形成された傾斜壁部84が互い違いに交互に連続して設けられている。そして、中間止水部82は、隣接する傾斜壁部84の内角が小さくなることにより中心軸方向に収縮すると共に、該内角が大きくなることにより中心軸方向に伸長する。また、中心軸方向に直交する方向に力が加えられて曲げられる際には、内周側の傾斜壁部84同士の内角より外周側の傾斜壁部84同士の内角が相対的に大きくなって変形する。また、中間止水部82は、車体側止水部62の筒部68の他方の端部に連なると共に、ドア側止水部72の筒部74の一方の端部に連なっている。この中間止水部82は、外装部材20を挿通して収容可能で、この収容状態でドア6の開閉動作に伴って収縮及び伸長変形可能な大きさに形成されている。
ドア6の開閉動作に関連付けて説明すると、ドア6の開状態では、車体側止水部62とドア側止水部72とが離間して位置し、中間止水部82は、伸長状態に維持され、内部に挿通されている外装部材20の曲がった形状に沿って曲がって延在している(図1、図2参照)。ドアが開姿勢から閉動作されると、車体側止水部62とドア側止水部72とが近接し、中間止水部82は収縮する。そして、ドア6の閉状態では、中間止水部82は、収縮状態に維持される(図3、図4参照)。ドアの開動作時には、閉動作時とは逆に、車体側止水部62とドア側止水部72とが離間し、中間止水部82は伸長する。
ここでは、グロメット60より外装部材20の方が剛性が高く設定されている。グロメット60は、主として、車体2、プロテクタP及びドア6内への水、埃及び砂等の侵入を抑制するための部材である。一方、外装部材20は、主として、車体2とドア6との間に架け渡されるワイヤーハーネスWHの垂れ下がり及び屈曲を抑制して、該ワイヤーハーネスWHを案内部50内に導入するための部材である。
これまで、グロメット60について、ドア側止水部72が鍔部76を有している例で説明したが、鍔部76は省略されてもよい。すなわち、筒部74が挿入口部52に被せられることによりプロテクタP内への水、埃及び砂等の侵入を抑制できると共に、筒部74が案内部50に被されることにより導入開口部6hの案内部50との隙間が該筒部74で遮蔽される場合若しくは筒部74と導入開口部6hの周縁部と筒部74との隙間が十分小さい場合にも、ドア6内への水、埃及び砂等の侵入が抑制される。もっとも、導入開口部6hの開口縁部と筒部74との隙間が大きい場合には、鍔部76が設けられていることが好ましい。
また、ドア側止水部72の止水用リブ75は、省略されてもよい。すなわち、筒部74が挿入口部52に被されることにより、水、埃及び砂等の侵入を抑制する効果は得られると共に、筒部74の締め付け力が十分強い場合にも筒部74と挿入口部52の外周部との隙間をより小さくして水、埃及び砂等の侵入を抑制できる。
上記ワイヤーハーネス配索構造部10は、車体2からドア6内に配索されるワイヤーハーネスWH、外装部材20、貫通孔取付プロテクタ30、プロテクタP及びグロメット60をモジュール化して、車両組付け前に組み立てておくとよい。すなわち、ワイヤーハーネスWHに外装部材20を被せるとともに、該外装部材20をグロメット60に挿通する。外装部材20の一方の端部寄りの一部分に貫通孔取付プロテクタ30を装着し、該外装部材20の一方の端部及び他方の端部を各部から延び出たワイヤーハーネスWHにテープT巻きして固定する。そして、外装部材20の他方の端部を含む一部分をプロテクタPの案内部50内に配設し、外装部材20の他方の端部から延び出たワイヤーハーネスWHを収容部40内に収容して引出口44から引き出される部分をドア内位置決め部46にテープT巻き固定する。さらに、グロメット60の車体側止水部62を貫通孔取付プロテクタ30に被せると共に、ドア側止水部72をプロテクタPの挿入口部52に被せておけばよい。
これまで、ワイヤーハーネス配索構造部10について外装部材20を備える例で説明してきたが、外装部材20は省略されてもよい。すなわち、外装部材20は、上述したように、車体2とドア6との間に架け渡されるワイヤーハーネスWHの垂れ下がり及び屈曲を抑制して、該ワイヤーハーネスWHを案内部50内にスムーズに導入するための部材である。このため、外装部材20が省略される場合には、グロメット60(特に中間止水部82)が、内部に挿通されるワイヤーハーネスWHの垂れ下がり及び屈曲を抑制できる程度に高い剛性を有する比較的硬質なゴム材料により形成されていればよい。そして、車体2とドア6との間におけるワイヤーハーネスWHの垂れ下がり及び屈曲が抑制されることにより、該ワイヤーハーネスWHはドア6の閉動作に伴って案内部50内に導入される。
なお、外装部材20が省略される場合、貫通孔取付プロテクタは、凹凸嵌合部38の代わりに挿入部34の先端部から延び出す板状に形成された固定用ベラを有し、該固定用ベラに対してワイヤーハーネスWHがテープ巻き等により固定されるとよい。
また、これまで、ドア側止水部72に止水用リブ75が設けられている例を説明したが、案内部50と筒部74との間における防水、防塵性能を向上させるためには、筒部74又は挿入口部52の少なくとも一方が、内周側又は外周側に向けて突出する周方向に沿った凸条に形成され、挿入口部52の外周面又は筒部74の内周面に接触する止水用リブを有していればよい。図13には、案内部250の挿入口部252に止水リブ255が設けられていている例を示している。この場合、止水用リブ255は、ゴム材料で形成されたドア側止水部272の筒部274の内周部に対して食い込んだ状態で密着する。すなわち、止水用リブ255は、挿入口部252の外周部とドア側止水部272の筒部274との間の密着性を向上させるための部分である。他にも、挿入口部及びドア側止水部の筒部の両方に止水用リブが設けられていてもよい。
また、これまで、ワイヤーハーネス配索構造部10を、フロントサイドドアとしてのドア6に適用する例で説明したが、車体2とヒンジで連結される他のドアに対しても適用可能である。例えば、リアサイドドアに適用する場合、センターピラー(フロントサイドドアとリアサイドドアとの間のピラー)とリアサイドドアとの間にワイヤーハーネスWHが架け渡される。すなわち、センターピラーに孔部が形成され、ここに貫通孔取付プロテクタ30が取り付けられる。
第1実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部10によると、ワイヤーハーネスWHより高い剛性を有する筒状の外装部材20がワイヤーハーネスWHにおける車体2とドア6との間に架け渡される部分を覆うと共に、貫通孔取付プロテクタ30が外装部材20の一方の端部寄りの一部分に固定されている。このため、車体2とドア6との間におけるワイヤーハーネスWHの垂れ下がり及び屈曲を抑制して、案内部50内にスムーズに導入することができる。また、ドア6内に配置された案内部50により外装部材20の他方の端部を含む一部分の変位経路を案内することによりワイヤーハーネスWHの変位経路を案内すると共に、案内部50に連なってドア6内に配置された収容部40によりワイヤーハーネスWHを迂回可能な余裕空間を有する状態で収容するため、ドア6の開閉動作に伴うワイヤーハーネスWHのドア6内における進退動作をスムーズに行うことができる。しかも、グロメット60の車体側止水部62が貫通孔取付プロテクタ30に被せられる嵌合部63と車体2の貫通孔部2hの周縁部に密着する環状の第1車体密着部64及び第2車体密着部65を有し、ドア側止水部72が挿入口部52に被せられる筒部74を有し、中間止水部82が車体側止水部62とドア側止水部72とを連結すると共に車体2とドア6との間に架け渡されるワイヤーハーネスWH及びそれを覆う外装部材20を覆う伸縮可能な蛇腹筒形状に形成されているため、貫通孔部2h及び導入開口部6hを通じて車体2及びドア6内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制することができる。
また、ワイヤーハーネス配索構造部10のうち車体2の貫通孔部2hとドア6の導入開口部6h及び案内部50の挿入口部52との間に存在する部分全体が、グロメット60により覆われているため、ドア6開閉時及び車両走行時の振動等による異音発生の防止にも寄与する。
また、グロメット60のドア側止水部72の鍔部76がドア6の導入開口部6hを覆う鍔状に形成されているため、ドア6内に水、埃及び砂等が侵入するのを抑制することができる。
また、ドア側止水部72の筒部74が、内周側に向けて突出する周方向に沿った凸条に形成され、挿入口部52の外周面に接触する止水用リブ75を有しているため、挿入口部52の外周部と筒部74の内周部との間における水、埃及び砂等の侵入を抑制することができる。
また、挿入口部52は、少なくとも中心軸方向一部分の外周部が、周方向全体において平らに形成されているため、筒部74又は止水用リブ75の内周部が挿入口部52の該一部分の外周部に接触することにより、筒部74と挿入口部52との隙間をより小さくして水、埃及び砂等の侵入を抑制することができる。
また、ドア側止水部72の筒部74が挿入口部52に被された状態で、挿入口部52の一側面から突出してドア6に対して嵌合する固定部58が該筒部74に形成された孔状の位置決め用孔部78に挿入される構成によると、ドア側止水部72の筒部74が挿入口部52から外れることを抑制できる。
また、グロメット60の車体側止水部62における中間止水部82と連なる筒部68の外周側の部位に、中間止水部82側に開口すると共に周方向に沿った溝状の溝部67が形成されている。このため、中間止水部82は、連なる車体側止水部62に対してより高い自由度をもって曲げ変形可能である。これにより、中間止水部82は、車体2とドア6との間に架け渡されている外装部材20の曲げ変形により柔軟に対応して曲げられる。
また、貫通孔取付プロテクタ30は、凹凸嵌合部38によりワイヤーハーネスWHを囲う外装部材20の一端側部分を位置決めして、貫通孔部2hに対して一方側から押し付けるだけで嵌合するように構成されているため、ワイヤーハーネスWHを容易に車体2側に配索することができる。
また、ワイヤーハーネス配索構造部10は、ワイヤーハーネスWHをドアインナーパネル7とトリム8との間に配索しているため、ワイヤーハーネスWHを貫通孔に挿通して配索する手間を省けると共に露出した作業スペースで組み付け作業ができ、組付性の向上及び作業の効率化が図れる。
2 車体
2h 貫通孔部
6 ドア
6h 導入開口部
10 ワイヤーハーネス配索構造部
20 外装部材
30 貫通孔取付プロテクタ
33 挿通孔部
40 収容部
44 引出口
50、250 案内部
52、252 挿入口部
58 固定部
60 グロメット
62 車体側止水部
63 嵌合部
64 第1車体密着部
65 第2車体密着部
67 溝部
72、172、272 ドア側止水部
74、174、274 筒部
75、255 止水用リブ
76 鍔部
178 位置決め用孔部
82 中間止水部
P プロテクタ
WH ワイヤーハーネス

Claims (7)

  1. 車体と該車体に連結されたドアとの間で、前記車体に形成された貫通孔部と前記ドアにおける連結側の縁部で開口する導入開口部とを通じてワイヤーハーネスを配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記ワイヤーハーネスと、
    前記ドア内に配置され、前記ワイヤーハーネスが挿入される筒状の挿入口部を有し、前記挿入口部から挿入された前記ワイヤーハーネスを、該ワイヤーハーネスが迂回可能な余裕空間を有する状態で収容するプロテクタと、
    前記車体の前記貫通孔部の周縁部に密着する環状の密着部を有する車体側止水部と、前記プロテクタの前記挿入口部に被せられる筒部を有するドア側止水部と、前記車体側止水部と前記ドア側止水部とを連結すると共に前記ワイヤーハーネスにおける前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う伸縮可能な蛇腹筒形状に形成された中間止水部と、を有するグロメットと、
    を備え
    前記プロテクタは、前記挿入口部の一側面から突出し、前記ドアに対して嵌合する固定部を有し、
    前記ドア側止水部の前記筒部は、前記挿入口部に被された状態で前記固定部が挿入される孔状に形成された位置決め用孔部を有している、ワイヤーハーネス配索構造部。
  2. 車体と該車体に連結されたドアとの間で、前記車体に形成された貫通孔部と前記ドアにおける連結側の縁部で開口する導入開口部とを通じてワイヤーハーネスを配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記ワイヤーハーネスと、
    前記ドア内に配置され、前記ワイヤーハーネスが挿入される筒状の挿入口部を有し、前記挿入口部から挿入された前記ワイヤーハーネスを、該ワイヤーハーネスが迂回可能な余裕空間を有する状態で収容するプロテクタと、
    前記車体の前記貫通孔部の周縁部に密着する環状の密着部を有する車体側止水部と、前記プロテクタの前記挿入口部に被せられる筒部を有するドア側止水部と、前記車体側止水部と前記ドア側止水部とを連結すると共に前記ワイヤーハーネスにおける前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う伸縮可能な蛇腹筒形状に形成された中間止水部と、を有するグロメットと、
    を備え、
    前記グロメットの前記車体側止水部は、前記中間止水部と連なる部位の外周側の部位に、前記中間止水部側に開口すると共に周方向に沿った溝条に形成された溝部を有する、ワイヤーハーネス配索構造部。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記ワイヤーハーネスより高い剛性を有し、前記ワイヤーハーネスにおける前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う筒状の外装部材をさらに備え、
    前記プロテクタは、前記挿入口部を有し、前記外装部材の前記ドア側の端部を含む一部分の変位経路を案内する筒状の案内部を有し、
    前記グロメットは、前記外装部材における前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を覆う、ワイヤーハーネス配索構造部。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記ワイヤーハーネスが挿通される挿通孔部を有し、前記車体の前記貫通孔部の周縁部に取り付けられる貫通孔取付プロテクタをさらに備え、
    前記グロメットの前記車体側止水部は、前記貫通孔取付プロテクタに被せられる、ワイヤーハーネス配索構造部。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記グロメットの前記ドア側止水部は、前記ドアの前記導入開口部を覆う鍔状に形成された鍔部を有する、ワイヤーハーネス配索構造部。
  6. 請求項1〜請求項5のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記ドア側止水部における前記筒部又は前記プロテクタにおける前記挿入口部の少なくとも一方は、内周側又は外周側に向けて突出する周方向に沿った凸条に形成され、前記挿入口部の外周面又は前記筒部の内周面に接触する止水用リブを有している、ワイヤーハーネス配索構造部。
  7. 請求項1〜請求項6のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
    前記挿入口部は、少なくとも中心軸方向一部分の外周部が、周方向全体において平らに形成されている、ワイヤーハーネス配索構造部。
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