JP2012111401A - ワイヤーハーネス配索構造部 - Google Patents
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Abstract
【課題】外装部材に挿通されているワイヤーハーネスをより安定してドア内で進退させること。
【解決手段】ワイヤーハーネスWHと、ワイヤーハーネスWHに外装される外装部材20と、外装部材20の一端側部分が固定され、車体2に対して取り付け可能に形成されている取付部材30と、一端部が開度規制部3のアーム部3aのドア側端部3cに対して連結可能に形成されていると共に、他端部が外装部材20の他端部に対して連結された連結部材60と、ドア6内に配設可能で、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを余長吸収可能に収容する収容部40と、ドア6内に配設可能で、外装部材20を収容部40に向けて挿通案内可能に延在する溝状又は筒状に形成され、連結部材60を移動可能に介在させる移動路56を有している案内部50とを備えている。
【選択図】図1
【解決手段】ワイヤーハーネスWHと、ワイヤーハーネスWHに外装される外装部材20と、外装部材20の一端側部分が固定され、車体2に対して取り付け可能に形成されている取付部材30と、一端部が開度規制部3のアーム部3aのドア側端部3cに対して連結可能に形成されていると共に、他端部が外装部材20の他端部に対して連結された連結部材60と、ドア6内に配設可能で、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを余長吸収可能に収容する収容部40と、ドア6内に配設可能で、外装部材20を収容部40に向けて挿通案内可能に延在する溝状又は筒状に形成され、連結部材60を移動可能に介在させる移動路56を有している案内部50とを備えている。
【選択図】図1
Description
ワイヤーハーネスを車体とドアとの間に配索する技術に関する。
特許文献1には、ドア側ワイヤーハーネスがハーネスプロテクタに挿通されて、車両ボディ本体と車両ドアとの間に配索される車両用ドアハーネスの配索構造が開示されている。より具体的には、特許文献1では、車両ドア内に設けられたスライドガイドのプロテクタ収容部によりハーネスプロテクタが案内され、ハーネスプロテクタから延出されるドア側ワイヤーハーネスが拡縮可能な輪部を形成する形態でハーネス収容部内に収容されている。
しかしながら、特許文献1の技術では、ドアの開閉動作において、ワイヤーハーネスは、外装されるハーネスプロテクタの剛性に頼ってドア内で進退する。このため、ワイヤーハーネスは、ハーネスプロテクタの車体とドアとの間の形態、プロテクタ収容部に対する接触態様等によって、ドア内における進退動作にばらつきが出てしまう恐れがある。
そこで、本発明は、ワイヤーハーネスをより安定してドア内で進退させることを目的とする。
第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部は、ワイヤーハーネスを、ドアヒンジ及びドアの開度を維持可能な開度規制部を介して連結されている車体と前記ドアとの間に、ウェザーストリップより車室内側で配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、前記ワイヤーハーネスと、前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を含む部分に外装される外装部材と、前記外装部材の一端側部分が固定され、前記車体に対して取り付け可能に形成されている取付部材と、一端部が、前記ドアの開閉動作に連動して前記ドア内に進退する前記開度規制部のアーム部のドア側端部に対して連結可能に形成されていると共に、他端部が前記外装部材の他端部に対して連結された連結部材と、前記ドア内に配設可能で、前記外装部材の他端部から延出される前記ワイヤーハーネスを迂回させて余長吸収可能に収容する収容部と、前記ドア内に配設可能で、前記外装部材を前記収容部に向けて挿通案内可能に延在する溝状又は筒状に形成され、前記連結部材を移動可能に介在させる移動路を有している案内部とを備えている。
第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部は、第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記案内部は、前記ドアに対して、一方向から押し付けることにより取り付け可能に形成され、前記連結部材は、前記アーム部のドア側端部に対して、前記案内部の前記ドアに対する配設方向と同方向から近接させることにより連結可能に形成されている。
第3の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部は、第1または第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記連結部材は、前記外装部材の他端部から延出される前記ワイヤーハーネスに対して固定可能な位置決め部を有している。
第4の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部は、第1〜第3の態様のいずれか一態様に係るワイヤーハーネス配索構造部であって、前記案内部の前記移動路は、前記ドアの開閉動作に連動する前記開度規制部の前記アーム部のドア側端部の移動経路に対応した形状に形成されている。
第1の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、連結部材は、一端部が開度規制部のアーム部のドア側端部に連結可能に形成されていると共に、他端部が外装部材の他端部に対して連結されている。そして、案内部により外装部材を案内すると共に、外装部材から延出されるワイヤーハーネスを収容部内で余長吸収するように構成されている。このため、ドアの開閉動作に連動してアーム部がドア内に進退すると、連結部材を介して外装部材の他端部をその延在方向に規制して一緒に進退させることができると共に、案内部により当該他端部より一端側の部分を延在方向に直交する方向に規制して案内することができる。また、連結部材及び案内部により規制されて進退する外装部材の他端部から延出されるワイヤーハーネスを、ドアの開閉動作に応じて余長吸収しつつ収容できる。これにより、外装部材に挿通されているワイヤーハーネスをより安定してドア内で進退させることができる。
第2の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、連結部材が、アーム部のドア側端部に対して、案内部の配設方向と同方向から近接させることにより連結可能に形成されているため、ワイヤーハーネス配索構造部を車両に配設する際に、連結部材をアーム部のドア側端部に対して容易に連結することができる。
第3の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、連結部材が、位置決め部により、外装部材の他端部から延出されるワイヤーハーネスに対して固定可能であるため、外装部材の他端部をワイヤーハーネスに対して容易に固定することができる。
第4の態様に係るワイヤーハーネス配索構造部によると、案内部の移動路が、ドアの開閉動作に連動するアーム部のドア側端部の移動経路に対応した形状に形成されているため、連結部材は、よりスムーズに移動路を移動することができる。これにより、よりスムーズにワイヤーハーネスをドア内に進退させることができる。
以下、実施形態に係るワイヤーハーネス配索構造部10について説明する(図1、図2参照)。このワイヤーハーネス配索構造部10は、自動車の車体2とドア6との間にワイヤーハーネスWHを配索するものである。ここで、車体2とは、金属部材で形成されたフレーム部分を言うものとする。
ワイヤーハーネスWHは、ドア6に搭載されるパワーウインドウ、ドアロック、スピーカー等の電気機器に対して電源供給又は信号伝達するための複数の電線が、配索経路に対応して適宜束ねられて構成されている。ここで、ワイヤーハーネスWHのうち車体2からドア6に架け渡される部分は、上記複数の電線が1本に束ねられて構成されている。そして、ワイヤーハーネスWHは、ドア6内で分岐して上記各種電気機器に接続される。
ドア6は、車体2に形成されている出入口を開閉可能なように、車体2に対してドアヒンジ5及び開度規制部3を介して連結されている(図1、図6参照)。ここでは、ドア6は、フロントサイドドアであり、説明の便宜上、垂直方向に沿った軸(ドアヒンジ5の回転軸)周りに姿勢変更するように車体2に連結されているものとする。以下、車体2の前後方向に対応して、開閉姿勢に関わらず、閉姿勢における前後方をドア6の前後方として説明する。
上記開度規制部3(チェックリンクとも言う)は、ドア6を所定の開度で維持可能にするための構成である。すなわち、ドア6は、車体2に対してドアヒンジ5だけで連結されている場合、閉状態ではロックされて維持されるが、開放されると、風等の小さな力でも姿勢変更されると共に、利用者の支持なしには姿勢を維持することが困難であり、しかも勢いよく開けると開姿勢から跳ね返って閉動作する恐れもある。そこで、ドア6は、開度規制部3により、全開姿勢、半開姿勢等の所定の開度で姿勢を維持可能に車体に対して連結されている。
より具体的には、開度規制部3は、アーム部3aとケース部3bとを備えている。アーム部3aは、一端部(以下、車体側連結部)が車体2に対して相対回転可能に連結され、長手方向複数位置に他の部分より肉薄(車体の上下方向に薄肉)な部分(薄肉部)が形成された棒状に形成されている。なお、図面では、アーム部3aの厚薄は省略して示している。ケース部3bは、アーム部3aを挿通可能な貫通孔を有する筐状に形成され、その内部にアーム部3aを挟むように押圧付勢される図示省略の挟持部を有している。すなわち、ケース部3bは、挿通されるアーム部3aに対して、挟持部が薄肉部を挟む位置に留まり易くなっている。このケース部3bは、ドア6に対して固定されている。
そして、ドア6の開閉動作に連動して、アーム部3aがケース部3bに対して相対挿通移動される。ケース部3bは、挟持部がアーム部3aの薄肉部を挟む位置にある状態では、当該薄肉部の側方のそれより厚い部分を乗り越えられるような外力が加えられない限り、ドア6は姿勢維持可能である。一般的に、アーム部3aは、ドア6の半開姿勢及び全開姿勢で姿勢維持可能なように、薄肉部の位置が決定されている。
また、ドア6には、その周縁部に沿って防水用のウェザーストリップ6wが設けられている。このウェザーストリップ6wは、ドア6を閉めた状態で、車体2の開口縁部に密着して車室内外において水密状態を保持できるゴム等で形成された部材である。なお、図6ではドア6に設けられたウェザーストリップ6wのみを示しているが、車体2の出入口の開口縁部にもウェザーストリップが設けられていてもよい。すなわち、このようなウェザーストリップは、ドア6の周縁部に密着可能であるとよい。
ドア6は、金属材料で形成されたドアインナーパネル7及びその外側に設けられる外装部材としてのドアアウターパネルと、樹脂材料等で形成され、ドアインナーパネル7の車室内側に取り付けられる内装部材としてのトリム8とを有している(図6参照)。また、ドア6は、その前端部から内部にワイヤーハーネスWHを挿通可能に構成されている。ここでは、ドアインナーパネル7の前端側部分に、ドア6の前端部で開口する凹部7hが形成され、この凹部7hを通じて車体2側からドアインナーパネル7とトリム8との間にワイヤーハーネスWHを配索するようになっている。なお、この凹部7hは、後述するプロテクタPを収容可能に形成されている。
また、車体2には、ドア6により開閉される出入口の開口縁部のうち、ドア6の閉姿勢で凹部7hの前方側開口部と対向する部分に、車体2内にワイヤーハーネスWHを挿通するための孔部2hが形成されている(図1参照)。ここでは、凹部7hと孔部2hとは、車体2の前後方向において対向するように形成されている。なお、凹部7h及び孔部2hは、ドア6を閉めた状態では、車体2及びドア6により隠れるようになっている(図2参照)。
また、ここでは、ワイヤーハーネスWHは、車体2とドア6との間でウェザーストリップ6wより車室内側に配索されるため、凹部7hの前方側開口及び孔部2hは、当該ウェザーストリップ6wより車室内側に形成されている(図6参照)。ウェザーストリップがドア6の内外方向に複数設けられている場合、上記ウェザーストリップ6wとは、もっとも車室外側に配設されるウェザーストリップをいい、ワイヤーハーネスWHもこのウェザーストリップ6wより車室内側に配索されればよい。すなわち、車体2とドア6との間に配索されるワイヤーハーネスWHより車室内側に別のウェザーストリップが設けられていてもよい。
ワイヤーハーネス配索構造部10は、外装部材20と、取付部材30と、収容部40と、案内部50と、連結部材60とを備えている。
ワイヤーハーネスWHのうち車体2とドア6との間に架け渡される部分を含む部分には、外装部材20が外装されている(図1参照)。この外装部材20は、ワイヤーハーネスWHを、外部から保護すると共に、車体2とドア6との間で垂れ下がり等を抑制して支持する部材である。
外装部材20は、筒状に形成され、ワイヤーハーネスWHを挿通した状態で保護する。より具体的には、外装部材20には、ドア6の開閉動作に対応して車体2とドア6との間で曲がるように可撓性を(長手方向全体的に)有すると共に、車体2とドア6との間で垂れ下がりを抑制してワイヤーハーネスWHを支持可能な剛性を有する部材が採用される。ここでは、外装部材20は、合成樹脂又は合成ゴム等のエラストマーを、筒状に押し出してブロー成型或いはバキューム成型して製造されたコルゲートチューブである。また、この外装部材20は、扁平な形状(例えば、断面視略楕円形、略長方形等の扁平な形状)に形成されている。ここでは、角が丸められた断面視略長方形に形成されている。すなわち、断面視における長手方向に曲がり難く、短手方向に曲がりやすい形状である。なお、ワイヤーハーネスWH自体も扁平な形状に束ねられ、外装部材20がワイヤーハーネスWHの外部形状に対応する扁平な形状に形成されていてもよい。
上記外装部材20の一端部は、ワイヤーハーネスWHのうち車体2内に配索される部分に対してテープT巻き等されて固定されると共に、車体2に取り付けられる取付部材30に対して固定されている。また、外装部材20の他端部は、後述する連結部材60に連結され、当該連結部材60がワイヤーハーネスWHに対して位置決めされることにより、ワイヤーハーネスWHに対して位置決めされ、当該ワイヤーハーネスWHと共にドア6内で移動可能とされている。
取付部材30は、ワイヤーハーネスWHを車体2側に配索するように、ワイヤーハーネスWHに外装されている外装部材20の一端部を車体2に取り付ける部材である。この取付部材30は、外装部材20の一端側部分が固定され、車体2に対して取り付け可能に形成されている。より具体的には、取付部材30は、車体2に形成されている孔部2hに対して取り付けられる。ここでは、孔部2hが、開度規制部3の車体側連結部すなわちアーム部3aの車体2に対する連結部の真下の位置に形成されており、取付部材30は、この位置で孔部2hに対して取り付け可能となっている。そして、取付部材30は、孔部2hに対して、押し付けることにより取り付け可能に構成されている。
この取付部材30は、挿入部34と、押え部36と、車体側嵌合部38とを有している(図5参照)。
挿入部34は、車体2の孔部2h内に挿入可能、且つ、内側に外装部材20を挿通可能な筒状に形成されている。ここでは、挿入部34は、孔部2hに対して車体2の前方(以下、挿入方向S)に向けて挿入される。挿入部34の先端側部分には、挿入部34を孔部2h内に挿入した状態で孔部2hに対して係止可能な係止部35が設けられている。この係止部35は、挿入部34の周方向複数位置(ここでは等間隔に4箇所)から外周側に突出するように形成され、それぞれ、孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から接触可能な係止面を有している。より具体的には、係止部35は、挿入部34の先端側から基端側に向けて徐々に突出寸法が大きくなるように形成されている。そして、各係止部35は、挿入部34が孔部2hに挿入される際に、挿入部34又は係止部35自身が挿入部34の内周側に弾性変形し、孔部2hを乗り越えた位置で外周側に弾性復帰して孔部2hの周縁部に係止するようになっている。
押え部36は、挿入部34の基端部に連続して設けられ、その外周側に張り出す鍔状に形成されている。この押え部36は、孔部2hの周縁部に対して、挿入方向S後方側から面接触可能である。すなわち、押え部36の外周形状は、孔部2hより大きく形成されている。
そして、挿入部34が孔部2hに挿入されると、係止部35が孔部2hの周縁部に対して挿入方向S前方側から係止すると共に、押え部36が孔部2hの周縁部に対して挿入方向S後方側から面接触する。これにより、孔部2hの周縁部が係止部35と押え部36とで挟まれて、取付部材30は車体2に対して固定される。
車体側嵌合部38は、挿入部34(及び押え部36)に挿通される外装部材20に対して、その延在方向に相対移動不能に位置決め可能な部分である。ここでは、車体側嵌合部38は、外装部材20としてのコルゲートチューブの凹凸外部形状に対して嵌合可能に形成されている。より具体的には、車体側嵌合部38は、挿入部34(及び押え部36)の内周部から、内周側に突出する周方向に沿った凸条に形成され、挿入方向Sにおいて、外装部材20の凹部に対応する間隔で複数設けられている。
上記取付部材30は、一対の略U字部材(ここでは、対向片の長さが異なるU字形状)を合体させることにより構成される。ここでは、一対の略U字部材の各突き合わせ部分に嵌合可能な凹凸が形成され、凹凸嵌合することにより一対の略U字部材が合体される。すなわち、一対の略U字部材により外装部材20を挟み込むことにより、車体側嵌合部38が外装部材20の外周部に対して嵌合し、取付部材30は、外装部材20に対して延在方向に相対移動不能に取り付けられる。なお、取付部材30は、一対の略U字部材が、合体された状態において、離間不能に係合する形状(図示省略)を有していることが好ましいが、孔部2hに嵌合されることにより合体状態を維持されるものでもよい。また、取付部材30は、一対の略U字部材が、開閉可能なようにヒンジにより一端部で連結されていてもよい。
この取付部材30は、溶融させた樹脂材料を金型内に流し込んで射出成型することにより、一対の部材を別々に製造すればよい。また、この一対の部材を同じ形状に設計すれば、1種類の金型で一対の部材両方を製造することができ、設備費の軽減を図ることもできる。
このように、一対の部材が合体されて構成される取付部材30によると、ワイヤーハーネス配索構造部10の車両取り付け段階において、取付部材30の外装部材20に対する固定位置の調節が容易となる。
もっとも、取付部材30は、上記形状に限られるものではない。例えば、車体側嵌合部が、押え部36の基端部から挿入方向S後方に向けて突出する扁平な細長矩形状に形成されていてもよい。すなわち、挿入部34(及び押え部36)に挿通した外装部材20を、当該車体側嵌合部に対して、テープT巻き又はタイバンドで締め付ける等して固定することにより、取付部材30に対して挿通方向に位置決めすることができる。なお、タイバンドとは、段階的に環状体の周方向寸法を調節し保持可能な部材をいう。このような位置決め部を採用する場合、取付部材は、射出成型により一体に形成されてもよい。
また、取付部材30は、車体2に取り付け可能で且つ外装部材20を固定可能であればよく、上記のような樹脂成形品に限られず、合成ゴム等のエラストマーで成形されたグロメットであってもよい。
収容部40及び案内部50は、プロテクタPを構成する各部分である(図1〜図4、図6参照)。収容部40は、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを迂回させて余長吸収可能に収容可能に構成されている。また、案内部50は、外装部材20のうち自由端とされた他端側部分を収容部40に向けて挿通案内可能に延在する溝状又は筒状に形成されている。
より具体的には、案内部50は、一端部に外装部材20の他端側部分を挿入可能な案内口52を有し、他端部が収容部40の一端部と連続している。また、収容部40は、一端部が案内部50に連続し、案内部50内に挿入される外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを収容可能な収容空間を有している。すなわち、収容部40の収容空間は、収容部40に向けて延在する案内部50の内部空間の他端側に連通している。さらに、収容部40には、収容されるワイヤーハーネスWHをドア6内に引出可能な引出口42が形成されている。つまり、プロテクタPは、案内部50内に挿入される外装部材20を収容部40に向けて案内し、その外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを収容部40内に収容及び余長吸収し、引出口42を通じてその外方すなわちドア6内に延出させる構成である。
そして、プロテクタPは、ドアインナーパネル7に形成されている凹部7h内に配設される。より具体的には、プロテクタPは、この凹部7hに対して、一方向から(ここでは、車室内側から車室外側に向けて)配設可能に形成されている(図6参照)。すなわち、プロテクタPは、凹部7hの車室内側開口を通じて、その内部に配設される。以下、プロテクタPを配設する方向を、配設方向Dとして説明する。ここでは、プロテクタPは、案内部50がドア6の前後方向に沿って延在し、案内部50が収容部40に対して前方側に位置する姿勢で配設されている。
取付部材30の車体2に対する取付態様との関係で説明すると、取付部材30及びプロテクタPは、外装部材20が開度規制部3の下方に架け渡されるように、それぞれ、車体2に対して取り付け可能又はドア6内に配設可能に形成されている。
ここでは、プロテクタPは、案内部50の案内口52が、開度規制部3のドア側連結部の真下に位置するようにドア6内に配設可能となっている(図1参照)。すなわち、凹部7hは、プロテクタPを、上記姿勢且つ上記位置で、全体的又は部分的に収容可能な収容空間を有する凹形状に形成されている。そして、案内部50の案内口52は、凹部7hのうちドア6の前方の開口部を通じてドア6外に露出される。なお、開度規制部3のドア側連結部とは、ケース部3bのドア6(ドアインナーパネル7)に対する固定部である。これにより、取付部材30は、車体側連結部の真下に位置するように車体2に対して取り付けられるため、取付部材30と案内部50との間に架け渡される外装部材20は、車体2とドア6との間で開度規制部3の下方に位置する。
また、プロテクタPは、ドア6のドアインナーパネル7に対して、配設方向Dに押し付けることにより、上記取り付け位置に取り付け可能に形成されている。ここでは、プロテクタPは、ドアインナーパネル7(凹部7h)に形成される孔部に対して嵌合可能な図示省略の嵌合部を有している。例えば、嵌合部としては、プロテクタPの外面から突出する基軸部と、その先端部からその外周側に拡がるように形成され、内周側に弾性変形可能な係止部とを有する構成を採用できる。つまり、この嵌合部を孔部に対して配設方向Dから挿入することにより、係止部が、孔部に当接して内周側に弾性変形し、孔部を越えると外周側に弾性復帰して孔部の周縁部に対して裏側から係止する。この嵌合部の基軸部は、凹部7hに形成されている孔部の貫通方向、すなわち、プロテクタPの配設方向Dに沿って突出している。他にも、プロテクタPは、ドアインナーパネル7に対してねじ止め等により固定されてもよい。なお、この場合でも、プロテクタPは、ドアインナーパネル7(凹部7h)に対して、車室内側から車室外側に向けて配設可能であるとよい。
以下、案内部50及び収容部40それぞれの構成について、より詳細に説明する。
案内部50は、外装部材20より大きい内部空間を有する筒状(ここでは、外装部材20の断面形状に対応した角を丸めた断面視略長方形の角筒状)に形成されている(図1〜図4参照)。もっとも、案内部50は、外装部材20を挿通案内可能であればよく、溝状でも、断面視略楕円形、円形、長方形以外の多角形等の筒状等に形成されていてもよい。そして、この構成により、案内部50は、挿通される外装部材20を延在方向に略直交する方向に移動規制して収容部40側に案内する。すなわち、ドア6の開閉動作においては、外装部材20が車体2とドア6との間で車室内側に膨らむように曲げられて、案内部50内に進退される。これにより、外装部材20のうち案内部50内に挿通される部分も、その延在方向に略直交する方向(ここでは特に車室内側)に向かって移動しようとする。このため、案内部50は、当該外装部材20を、インナーパネル7、トリム8又はドア6内に設置される電気機器等に接触させないように案内するように構成されている。
ここで、案内部50と外装部材20との関係について説明しておく。外装部材20は、一端側部分が車体2に取り付けられた取付部材30に固定された状態で、ドア6が開状態のとき、少なくとも他端側の一部が案内部50内に挿入される程度に長い延在寸法に設定されているとよい(図3参照)。一方、案内部50は、ドア6が閉状態のとき、内側に進入する外装部材20の他端側部分を他端部まで収容可能な程度に長い延在寸法に設定されているとよい(図4参照)。もっとも、案内部50は、上記寸法より短く、ドア6の閉状態で外装部材20の他端部が案内部50の他端部を越えて収容部40内に突出するものでもよいが、外装部材20の他端部から延出するワイヤーハーネスWHが収容部40内で余長吸収されるのを妨げない程度に設定されていることが好ましい。
また、案内部50は、後述する連結部材60を移動可能に介在させる移動路56を有している。連結部材60は、開度規制部3のアーム部3aのドア側端部3cと、案内部50内で案内される外装部材20の他端部とを連結する部材である。また、アーム部3aは、案内口52の真上に固定されているケース部3bに挿通されてドア6内で進退する。そして、アーム部3aのドア側端部3cは、案内部50の上方の位置で、ドア6の前後方向に進退移動する。すなわち、連結部材60も、ドア6の前後方向に移動される。
以上の構成から、移動路56は、案内部50のうち上方(引出口42側)部分で開口し、案内部50の長手方向(ドア6の前後方向)に長い長孔状に形成されている。また、この移動路56は、案内部50の長手方向において、ドア6が開姿勢と閉姿勢との間で姿勢変更される際に、この動作に連動して進退するアーム部3aのドア側端部3cに取り付けられる連結部材60を、移動可能に介在させる程度の延在寸法に設定されている。すなわち、連結部材60の移動範囲より大きい(ここでは僅かに大きい)長手方向寸法である。ここでは、案内部50の案内口52周辺(一端部)は筒状を保ち、その他端側から移動路56が形成されている。
また、移動路56は、ドア6の開閉動作に連動するアーム部3aのドア側端部3cの移動経路に対応した形状に形成されている(図6参照)。ここでは、アーム部3aのドア側端部3cは、ドア6の前方から後方に向けて移動しつつ、車室外側に向けて移動して、すなわち、車室外側に膨らんでから、再び車室内側に向けて移動する。同様に、連結部材60も、上記移動経路で移動される。この経路に対応して、移動路56(ここでは主として車室外側の開口縁部)は、案内部50の一端側から他端側に向けて、車室外側に向けて膨らんでから再び車室内側に向かう湾曲した形状に形成されている。
もっとも、移動路56は、ドア6の開閉動作に連動して移動される連結部材60を移動可能に介在させることができればよく、すなわち、アーム部3aのドア側端部3cの移動経路に対応した連結部材60の移動経路を囲む形状に形成されていればよい。
収容部40は、収容されるワイヤーハーネスWHを、案内部50の延在方向に略直交する方向に引き出し可能に形成されている(図1〜図4参照)。すなわち、収容部40は、案内部50の他端側で当該案内部50の延在方向に略直交する方向(ドア6の上方)に延在し、その先端部に引出口42を有している。
より具体的には、収容部40は、側面視において、案内部50の他端側で引出口42より他端側に膨らむと共に、引出口42に向けて徐々に細くなるように形成されている。換言すると、収容空間は、案内部50の他端側で広く、引出口42に向かうにつれて狭くなっている。つまり、収容空間は、側面視において案内部50の他端部から直接引出口42に向かって延びる内周壁面と、案内部50の他端部からより他端側に膨らんでから引出口42に向かう外周壁面とに囲まれている。そして、収容部40は、その内部に収納されるワイヤーハーネスWHを、内周壁面に沿った経路と、外周壁面に沿った経路との間で経路変更可能に収容する。
ドア6の開閉動作に即して説明すると、ドア6が開姿勢にある状態では、外装部材20の他端部だけが案内部50内に挿入され、その他端部から延出するワイヤーハーネスWHは、内周壁面に近接した経路を通って収容部40内に収容される(図1、図3参照)。また、ドア6が開姿勢から閉姿勢に姿勢変更されると、外装部材20が案内部50の他端側まで進入して、収容部40内にワイヤーハーネスWHが押し込まれるため、ワイヤーハーネスWHは、より長い外周壁面に近接した経路を通って収容部40内に収容される(図2、図4参照)。このように、収容部40内でワイヤーハーネスWHを迂回させることにより余長吸収を行っている。
また、収容部40の引出口42には、その開口縁部が部分的(ここでは断面視略L字形状)に延出した形状のドア内位置決め部43が形成されている(図3、図4参照)。そして、引出口42を通じて引き出されるワイヤーハーネスWHを、ドア内位置決め部43に対してテープT巻き又はタイバンドで締付け固定することにより、ドア6内において位置決めすることができる。このため、ドア6の開閉時に収容部40内に車体2側のワイヤーハーネスWHが進退しても、ドア6内に配索されるワイヤーハーネスWHに対して引っ張り又は弛みが発生することを抑制できる。
他にも、ワイヤーハーネスWHを収容部40に対して固定する構成としては、複数の爪部が径方向内側に向けて弾性変形可能に設けられた環状部材に対して、外嵌部材を外嵌めすることにより複数の爪部を径方向内側に向けて弾性変形させることが可能な構成を採用することができる。なお、前記環状部材は、引出口42に固定されているとよい。すなわち、環状部材にワイヤーハーネスWHを挿通した状態で、当該環状部材に外嵌部材を外嵌めすることにより、ワイヤーハーネスWHを収容部40に対して固定することができる。
上記のように、プロテクタPは、全体として略L字(或いは略J字)形状に形成されている。このため、プロテクタPの内側方、すなわち、ドア6に配設された状態においては、案内部50の上方且つ収容部40の前方には、プロテクタPによって2方を囲まれるスペースが生まれる。
ここでは、プロテクタPは、案内部50の案内口52が開度規制部3のケース部3bの固定位置の下方に位置すると共に、引出口42が車体2の上方を向く姿勢で凹部7hに対して配設される。つまり、プロテクタPは、開度規制部3を2方から囲む形態でドア6に配設可能に形成されている(図1〜図4参照)。より具体的には、開度規制部3は、ケース部3bがドアインナーパネル7の先端部(ここでは後方側端面)に対して固定され、当該ケース部3bに挿通される形態でアーム部3aがドア6の開閉動作に連動して進退する。すなわち、アーム部3aは、ドア6内において、プロテクタPにより2方を囲まれるスペース内で進退することが可能である。これにより、複数の電気機器が設置されるドア6内のスペースを有効活用することができる。
もっとも、収容部40は、上記形状に限られるものではない。例えば、収容空間内に巻軸部を有し、当該巻軸部周りにワイヤーハーネスWHを巻いて収容可能な形状であってもよい。すなわち、収容部内でワイヤーハーネスWHの巻き径が変化することにより、余長吸収できる。なお、このようにワイヤーハーネスWHを巻いて余長吸収する構成でもよいが、本実施形態に係る上述した構成を採用すると、ワイヤーハーネスWHを交差させずに余長吸収できるため、収容部40の厚さ寸法をより小さくすることができる。
上記収容部40及び案内部50を有するプロテクタPは、例えば、凹状部材と蓋状部材とが合体されて成る構成を採用することができる。なお、図1〜図4では、蓋状部材を省略したプロテクタPを示し、図6では、凹状部材と蓋状部材とを一体としてプロテクタPを示している。そして、プロテクタPは、凹状部材と蓋状部材とを、それぞれ樹脂材料を金型に流し込んで射出成型し、合体させることにより得ることができる。もっとも、プロテクタPは、全体として凹状に形成され、トリム8により開口を塞がれるように構成されていてもよい。
また、収容部40と案内部50とは、一部品のプロテクタPとして形成される場合に限られず、案内部50の他端側に当該案内部50とは別体の収容部40が設けられ、当該案内部50により収容部40に向けて外装部材20が案内されるものでもよい。
連結部材60は、外装部材20を、ドア6の開閉動作に連動してドア6内に進退する開度規制部3のアーム部3aの動作に連動させて、ドア6内に進退させるための部分である。この連結部材60は、アーム部3aのドア側端部3cに対して連結可能に形成されていると共に、他端部が外装部材20の他端部に対して連結されている(図7参照)。
外装部材20は、ドア6の開閉動作に連動して案内部50内に進退する。もっとも、外装部材20は可撓性を有する部材であり、その進退動作は自身の剛性に頼って行われている。このため、車体2とドア6との間に架け渡されている部分の曲げ形態、案内口52及び案内部50内面に対する接触態様によって、ドア6の開度に対する外装部材20の他端部の相対位置がばらついてしまう恐れがある。また、ドア6の開閉動作の際、車体2とドア6との間に架け渡されている外装部材20は、車室内側に膨らむ形態で曲げられており、その他端部ほど、挿通される案内部50の内側面に対して強く接触し、進退動作に伴って摺接する。
一方、上述したように、開度規制部3のアーム部3aも、ドア6の開閉動作に連動してドア6内に進退、すなわち、ドア6が閉動作されるとドア6内に前進し、ドア6が開動作されると後退する。このアーム部3aは、なるべく弾性変形量が少ない金属材料等で形成され、ドア6の開度に対して一定の経路で進退する。そして、このアーム部3aのドア側端部3cは、ドア6の前後方向に移動される。
このため、外装部材20を、ドア6の前後方向に一定の経路で進退するアーム部3aのドア側端部3cの動作に連動させるように、外装部材20の他端部をアーム部3aのドア側端部3cに連結している。すなわち、連結部材60は、アーム部3aの進退動作に伴って、外装部材20の他端部を案内部50内で位置規制する部分である。そして、案内部50との関係で言うと、連結部材60が、外装部材20の他端部の位置規制(特に案内部50の延在方向における位置規制)をする構造であり、案内部50が、その内部に挿通される外装部材20(すなわち前記他端部より一端側の部分)を延在方向に略直交する方向(特に車室内側)に位置規制する構造である。
連結部材60は、アーム連結部62と、外装部材連結部65と、位置決め部68と、接続部69とを有している(図7参照)。より具体的には、連結部材60は、アーム連結部62と外装部材連結部65とが、接続部69により接続された形状に形成されている。
アーム連結部62は、アーム部3aに対して連結可能に形成されている部分である。より具体的には、アーム連結部62は、アーム部3aのドア側端部3cに対して、ドア6に対するプロテクタPの配設方向と同方向から近接させることにより連結可能に形成されている。このアーム連結部62は、アーム部3aのドア側端部3cを部分的或いは全体的に収容可能な凹部63を有している。ここでは、アーム部3aのドア側端部3cが、その車体側部分より幅広な平面視略矩形に形成されている。そして、凹部63は、このドア側端部3cを部分的に(ここでは他端側部分を)内部に配設可能に形成されている。より具体的には、凹部63は、ドア6の車室外側及び前方側に向けて開口するように形成されている。そして、凹部63は、車室外側の開口を通じてアーム部3aのドア側端部3cを内部に収容可能であると共に、前方側の開口を通じてアーム部3aを前方に延出させる。
また、アーム連結部62は、アーム部3aのドア側端部3cに対して、ドア6の前後方向に移動規制するように係止可能な係止部を有している。なお、アーム部3aのドア側端部3cも、アーム連結部62の係止部が係止可能な形状に形成されているとよい。ここでは、アーム部3aのドア側端部3cには、車室内側から車室外側に向けてスリット部が形成されていると共に、当該スリット部の他端側に上下方向に貫通する孔部が形成されている。
係止部は、第1係止部64aと第2係止部64bとを有している。第1係止部64aは、凹部63内に収容されるアーム部3aのスリット部内に挿入可能な板状に形成され、すなわち、凹部63の上下方向に亘って車室内側から車室外側に延びるように設けられている。ここでは、第1係止部64aは、凹部63のうちドア6の前方側を部分的に塞ぐ側壁を兼ねた部分である。そして、アーム連結部62がアーム部3aのドア側端部3cに対してプロテクタPの配設方向Dに近接されて当該ドア側端部3cが凹部63内に挿入されると、第1係止部64aは、スリット部内に挿入されて、アーム部3aのドア側端部3cに対して、ドア6の前後方向において相対移動を規制するように係止する。
また、第2係止部64bは、凹部63内に収容されるアーム部3aのドア側端部3cの孔部内に突出可能な突状に形成されている。より具体的には、第2係止部64bは、アーム連結部62の上壁から下壁に向けて突出している。また、前記上壁のうち第2係止部64bが設けられている部分は、上方(凹部63の外側)に向けて弾性変形可能に形成されている。ここでは、前記上壁のうち第2係止部64bが設けられている部分が自由端となるように、略U字状の切込みが形成されることにより、片持ちの略短冊状の弾性変形片が形成されている。この略短冊状の弾性変形片は、配設方向D後方側(凹部63の奥側)が自由端となるように形成されている。
そして、アーム連結部62がプロテクタPの配設方向Dに近接されてアーム部3aのドア側端部3cが凹部63内に挿入されると、第2係止部64bが当該ドア側端部3cに当接して当該第2係止部64bが設けられている上記弾性変形片が凹部63の外側に弾性変形する。そして、アーム部3aのドア側端部3cが凹部63内に完全に挿入された位置で、第2係止部64bが孔部内に進出する。そして、第2係止部64bは、孔部内に配設された状態で、アーム部3aのドア側端部3cに対して、上下方向に略直交する平面上における相対移動を規制するように係止する。すなわち、ドアの内外方向にも相対移動規制可能である。
もっとも、アーム連結部62は、アーム部3aのドア側端部3cに対して連結可能に形成されていればよく、上記形状に限られるものではない。例えば、アーム連結部は、アーム部3aに対してねじ止め等により固定されてもよい。
外装部材連結部65は、外装部材20の他端部に対して連結される部分である。この外装部材連結部65は、外装部材20の他端部を配設可能な内部空間を有する筒状に形成されている。より具体的には、外装部材連結部65は、扁平に形成されている外装部材20の外部形状に対応した形状で、且つ、それより大きい(ここでは僅かに大きい)内部形状に形成されている。
また、外装部材連結部65は、内側に配設される外装部材20の他端部に対して、その延在方向に相対移動不能に位置決め可能なドア側嵌合部66を有している。このドア側嵌合部66は、外装部材20としてのコルゲートチューブの凹凸外部形状に対して嵌合可能に形成されている。より具体的には、ドア側嵌合部66は、外装部材連結部65の筒状部分の内周部から、内周側に周方向に沿って突出する凸条に形成され、筒状部分の貫通方向において、外装部材20の凹部に対応する間隔で複数設けられている。また、ドア側嵌合部66の先端部(内周部)は、外装部材20の凸部の断面形状より小さく、凹部の断面形状より大きい(ここでは僅かに大きい)断面形状に形成されている。そして、ドア側嵌合部66は、外装部材連結部65の内部に配設される外装部材20に対して、その各凹部内に配設されることにより、外装部材20の延在方向に相対移動不能に嵌合する。
この外装部材連結部65は、周方向に分割された一対の部材が一端部同士でヒンジにより連結されて構成されている。ここでは、断面視略U字形状に形成されたU字部65aと、U字部65aの先端の開口を塞ぐことが可能な蓋部65bとが連結されている。そして、U字部65aと蓋部65bとで外装部材20の他端部を挟み込むことにより、ドア側嵌合部66が外装部材20の外周部に対して嵌合し、外装部材連結部65は、外装部材20の他端部に対してその延在方向に相対移動不能に連結される。
また、外装部材連結部65は、外装部材20の他端部に対して連結された状態を維持可能に形成されている。すなわち、外装部材連結部65は、被係合部67aと、被係合部67aに対して係合可能な係合部67bとを有している。係合部67bは、蓋部65bの他端部の先端部から閉状態におけるU字部65a側に延出する延出片の外周部に、突起部が外周側に向けて突起した形状に形成されている。突起部は、延出片の先端から基端に向けて徐々に突起寸法が大きくなるように形成されている。
また、被係合部67aは、U字部65aの他端側の対向片の外周部に設けられ、係合部67bを挿入可能に開口する凹状に形成されている。また、この被係合部67aは、外周側にも開口し、その開口縁部のうち、挿入される係合部67bの突起部の基端面に対向する部分が、当該基端面に対して当接可能となっている。すなわち、被係合部67a内に係合部67bが挿入され、被係合部67aの開口縁部に対して係合部67bの突起部が当接した状態で、係合部67bと被係合部67aが係合し、外装部材連結部65が閉状態に維持される。
なお、外装部材連結部65が外装部材20の他端部に連結されるとは、外装部材20の他端が内側に配設される場合に限られず、当該他端が一方から突出するように連結されてもよい。
もっとも、外装部材連結部65は、外装部材20の他端部に対して連結可能であればよく、上記形状に限られるものではない。例えば、外装部材連結部は、外装部材20に対して、テープT巻き又はタイバンドにより締付することにより固定可能な板状に形成されていてもよい。
また、位置決め部68は、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHに対して固定可能に形成されている。ここでは、位置決め部68は、外装部材連結部65の側端部から外装部材20の他端側に延出する板状に形成されている。すなわち、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHに沿うように延出する形状である。また、位置決め部68は、外装部材20の外周形状に沿うように、上下端部が外装部材連結部65の内周側に湾曲している。そして、この位置決め部68を、外装部材20の他端部から延出するワイヤーハーネスWHごとテープT巻き或いはタイバンドで締め付け固定することにより、連結部材60及び外装部材を、ワイヤーハーネスWHに対してその延在方向に相対移動不能に固定している。
もっとも、位置決め部68は、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHに対して固定可能に形成されていればよい。例えば、U字部65a及び蓋部65bそれぞれの側方に連続して形成され、外装部材連結部65が閉状態にされたときにワイヤーハーネスWHの外周部に嵌合可能な筒体を形成するような形状を採用することもできる。
接続部69は、アーム連結部62と外装部材連結部65とを略直線状に接続している部分である(図7参照)。より具体的には、接続部69は、外装部材連結部65が外装部材20の他端部に連結された状態で、外装部材連結部65に対して、アーム連結部62を、アーム部3aのドア側端部3cに連結可能な相対位置及び姿勢で接続している。
ここでは、接続部69が、上述した案内部50の移動路56内に介在した状態で、連結部材60が移動される。このため、接続部69は、(少なくとも移動路56内に介在する部分が)板状に形成され、移動路56の幅方向(ドア6の内外方向)に略直交する方向に扁平となる姿勢で設けられている(図6参照)。
また、ここで、上述した案内部50は、連結部材60のうち、外装部材連結部65及び位置決め部68を内側に配設可能に形成されている。ここでは、案内部50の案内口52付近(一端部)は、外装部材20の外部形状より僅かに大きい内部形状に形成され、連結部材60の移動範囲(ここでは前記案内口52付近より他端側の部分)においては、前記案内口52付近より大きく、且つ、外装部材連結部65及び位置決め部68の外部形状より大きい(ここでは僅かに大きい)内部形状に形成されている(図3、図4参照)。また、案内部50は、アーム部3aの進退移動に伴って移動される外装部材連結部65及び位置決め部68の移動経路に沿って形成されている。好ましくは、案内部50は、内側面が外装部材連結部65及び位置決め部68に対する接触が抑制されるように(理想的には非接触となるように)形成されている。
上記ワイヤーハーネス配索構造部10は、車体2からドア6内に配索されるワイヤーハーネスWH、外装部材20、取付部材30、プロテクタP及び連結部材をモジュール化して、車両組み付け前に組み立てておくとよい。すなわち、ワイヤーハーネスWHを外装部材20内に配設し、外装部材20の一端側部分に取付部材30を装着し、且つ、外装部材20の他端部に連結部材60の外装部材連結部65を連結すると共に当該外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを位置決め部68に固定する。そして、連結部材60を移動路56内に介在させる位置で、外装部材20の他端側部分をプロテクタPの案内部50内に配設すると共に、外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを収容部40内に配設してドア内位置決め部43に固定しておけばよい。
また、これまで、ワイヤーハーネス配索構造部10を、車体2とフロントサイドドアとしてのドア6との間に適用する例で説明したが、リアサイドドアにも適用可能である。この場合、センターピラー(フロントサイドドアとリアサイドドアとの間のピラー)とリアサイドドアとの間にワイヤーハーネスWHが架け渡される。すなわち、センターピラーに孔部が形成され、ここに取付部材30が取り付けられる。
上記構成に係るワイヤーハーネス配索構造部10によると、連結部材60は、アーム連結部62が開度規制部3のアーム部3aのドア側端部3cに連結可能に形成されていると共に、外装部材連結部65が外装部材20の他端部に対して連結されている。そして、案内部50により外装部材20を案内すると共に、外装部材20から延出されるワイヤーハーネスを収容部40内で余長吸収するように構成されている。このため、ドア6の開閉動作に連動してアーム部3aがドア6内に進退すると、連結部材60を介して外装部材20の他端部を位置規制して一緒に進退させることができると共に、案内部50により当該他端部より一端側の部分を延在方向に直交する方向に規制して案内することができる。また、連結部材60及び案内部50により規制されて進退する外装部材20の他端部から延出されるワイヤーハーネスWHを、ドア6の開閉動作に応じて余長吸収しつつ収容できる。なお、ドア6の開姿勢に近い開度における動作時には、ワイヤーハーネスWHも案内部50に案内されてその外方に膨らまないように規制できる。これにより、外装部材20に挿通されているワイヤーハーネスWHをより安定してドア6内で進退させることができる。また、外装部材20が案内部50の内側面に摺接すること等による異音の発生を抑制することもできる。
また、外装部材20の他端部は、連結部材60により、ドア6の開閉動作に連動して一定の経路で移動されるアーム部3aのドア側端部3cに対して連結されているため、案内部50をこの一定の経路に対応した形状に設計することにより、外装部材20の他端部の案内部50に対する接触を抑制することができ、この接触に伴う異音等を抑制することができる。特に、比較的剛性の高い外装部材20を用いる場合、外装部材20の他端部の案内部50に対する接触力は大きくなってしまうため、この外装部材20の他端部の移動経路を規制することができる本構成は、より効果的に、スムーズなワイヤーハーネスWHの進退動作及び異音の抑制を実現することができる。
また、連結部材60が、アーム連結部62により、アーム部3aのドア側端部3cに対して、案内部50の取付方向と同方向から押し付けることにより連結可能に形成されているため、ワイヤーハーネス配索構造部10を車両に配設する際に、連結部材60をアーム部3aのドア側端部3cに対して容易に連結することができる。
また、板状の位置決め部68が外装部材連結部65から側方に延出するように形成されているため、ワイヤーハーネスWHと位置決め部68とを一緒にテープT巻き等するだけで、外装部材20を、連結部材60を介して容易にワイヤーハーネスWHに対して位置決めすることができる。
また、案内部50の移動路56が、ドア6の開閉動作におけるアーム部3aのドア側端部3cの移動経路に対応した形状に形成されているため、連結部材60は、よりスムーズに移動路56を移動することができる。これにより、ワイヤーハーネスWHをよりスムーズにドア6内に進退させることができる。一方、移動路56をなるべく狭くすることができるため、プロテクタPの強度低下も抑制することができる。
また、取付部材30は、車体側嵌合部38によりワイヤーハーネスWHに外装される外装部材20の一端側部分を位置決めして、孔部2hに対して挿入方向Sに向けて押し付けるだけで嵌合するように構成されているため、ワイヤーハーネスWHを容易に車体2側に配索することができる。
また、外装部材20が、扁平な形状に形成され、車体2の上下方向に沿って扁平な姿勢で設けられるため、ドア6の内外方向において狭いスペースに配索できると共に、ドア6内に配設される案内部50及び収容部40も扁平な形状にすることができ、ドアインナーパネル7とトリム8との間のスペースが狭いドア6の場合でも適用することができる。また、外装部材20は、車体2の上下方向沿って扁平な姿勢で設けられるため、当該上下方向において比較的曲がり難く、ワイヤーハーネスWHの垂れ下がりを抑制できる。
また、ワイヤーハーネス配索構造部10は、ワイヤーハーネスWHをウェザーストリップ6wより車室内側に配索しているため、グロメット等の止水用の部材を省略して、部品点数及び組立工数の削減、これに伴うコストダウン及び作業の効率化を図ることができる。なお、グロメットを用いない構成によれば、輸送時、梱包時のグロメットの変形を防止するためのカバーを用意することを省略することができ、コストダウンにも寄与する。さらに、盗難防止にも寄与する。また、ドア6側にグロメットで取付する場合と比較して、ワイヤーハーネスWHを通す際のグロメットの拡げ作業も省略することができる。
また、ワイヤーハーネス配索構造部10は、ワイヤーハーネスWHをドアインナーパネル7とトリム8との間に配索しているため、ワイヤーハーネスWHを貫通孔に挿通して配索する手間を省けると共に露出した作業スペースで組み付け作業ができ、組付性の向上及び作業の効率化が図れる。
2 車体
3 開度規制部
3a アーム部
3c ドア側端部
5 ドアヒンジ
6 ドア
6w ウェザーストリップ
10 ワイヤーハーネス配索構造部
20 外装部材
30 取付部材
40 収容部
50 案内部
60 連結部材
D 配設方向
P プロテクタ
WH ワイヤーハーネス
3 開度規制部
3a アーム部
3c ドア側端部
5 ドアヒンジ
6 ドア
6w ウェザーストリップ
10 ワイヤーハーネス配索構造部
20 外装部材
30 取付部材
40 収容部
50 案内部
60 連結部材
D 配設方向
P プロテクタ
WH ワイヤーハーネス
Claims (4)
- ワイヤーハーネスを、ドアヒンジ及びドアの開度を維持可能な開度規制部を介して連結されている車体と前記ドアとの間に、ウェザーストリップより車室内側で配索するワイヤーハーネス配索構造部であって、
前記ワイヤーハーネスと、
前記ワイヤーハーネスのうち前記車体と前記ドアとの間に架け渡される部分を含む部分に外装される外装部材と、
前記外装部材の一端側部分が固定され、前記車体に対して取り付け可能に形成されている取付部材と、
一端部が、前記ドアの開閉動作に連動して前記ドア内に進退する前記開度規制部のアーム部のドア側端部に対して連結可能に形成されていると共に、他端部が前記外装部材の他端部に対して連結された連結部材と、
前記ドア内に配設可能で、前記外装部材の他端部から延出される前記ワイヤーハーネスを迂回させて余長吸収可能に収容する収容部と、
前記ドア内に配設可能で、前記外装部材を前記収容部に向けて挿通案内可能に延在する溝状又は筒状に形成され、前記連結部材を移動可能に介在させる移動路を有している案内部と、
を備えている、ワイヤーハーネス配索構造部。 - 請求項1に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
前記案内部は、前記ドアに対して、一方向から押し付けることにより取り付け可能に形成され、
前記連結部材は、前記アーム部のドア側端部に対して、前記案内部の前記ドアに対する配設方向と同方向から近接させることにより連結可能に形成されている、ワイヤーハーネス配索構造部。 - 請求項1又は請求項2に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
前記連結部材は、前記外装部材の他端部から延出される前記ワイヤーハーネスに対して固定可能な位置決め部を有している、ワイヤーハーネス配索構造部。 - 請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載のワイヤーハーネス配索構造部であって、
前記案内部の前記移動路は、前記ドアの開閉動作に連動する前記開度規制部の前記アーム部のドア側端部の移動経路に対応した形状に形成されている、ワイヤーハーネス配索構造部。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2014093805A (ja) * | 2012-11-01 | 2014-05-19 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | ワイヤーハーネス配索構造部 |
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2010
- 2010-11-26 JP JP2010263291A patent/JP2012111401A/ja active Pending
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JP2014093805A (ja) * | 2012-11-01 | 2014-05-19 | Sumitomo Wiring Syst Ltd | ワイヤーハーネス配索構造部 |
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