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多層型ピエゾアクチュエータとは、複数の圧電材料層、およびこれら圧電材料層の間に挟まれた複数の導電材料層からなるスタックを備えるピエゾアクチュエータをいう。本発明に係る多層型ピエゾアクチュエータは、導電材料層と電気的に接触するワイヤメッシュ形状の外部電極を少なくとも1つ備えている。このワイヤメッシュ形状の外部電極は、スタックの外面に全面的に固定される。
これらの外部電極の少なくとも1つは、複数のワイヤが織りなされたワイヤメッシュ形状とする。このワイヤメッシュの全面的な固定を行う際は、少なくともスタックに接するワイヤの領域は、スタックの外面に固定さる。
好ましくは、スタックの外面に対向したワイヤメッシュの1つの側にあるワイヤの部分は、このスタックの外面に固定されている。この際、スタックの外面から直接接触可能なワイヤの部分は、スタックの外面に対向していることになる。この状態は、たとえばスタックの外面で垂直方向に上までに渡って、このようなワイヤ部分で生じる。特徴的なことは、スタックに外面に対向した1つのワイヤ部分と、このスタックの外面との間には他のワイヤ部分が存在しないことである。
ワイヤメッシュは全面的に、スタックに設置されるのが好ましい。これはピエゾアクチュエータの電気的接続をスペース実現できるという利点がある。この場合、すべてのワイヤが、スタックの外面に固定されるのが好ましい
イヤの好ましい織り込みでは、メッシュノードを形成するように、1つのワイヤが上になり、1つのワイヤが下になるようにする。ワイヤメッシュが全面的に設置される場合、上にあるワイヤは、メッシュノードの部分の領域で、スタックの外面に直接設置されない。好ましくは、これらの部分は、下側のワイヤと接続されるが、スタックの外面に直接固定される必要はない。ただし、スタックの外面に戴置されるメッシュノードの下側のワイヤは、スタックの外面に直接固定される。
金属製の接続基部は、少なくとも1つの焼き付けられた、金属性ペーストまたは金属を含有するペーストを有するのが好ましい。金属性ペーストは、スタックの外面に層状に適用するのが好ましい。
焼き付けられた接続基部は、半田濡れ性を向上させるために、表面処理を施すことができる。
1つの実施形態では、外部電極と接続基部との間に連続した半田層が設けられている。
半田材からなる層(半田層)は、接続基部のうち、ワイヤメッシュが取り付けられる領域全体を覆うように形成するのが好ましい。こうすると、接続基部は、少なくともワイヤメッシュが取り付けられた領域においては、外部から視認できなくなる。ワイヤメッシュは、半田層を介して、スタックに取り付けられる。ワイヤが半田層に埋め込まれると、ワイヤは、スタックの外面に当接するとともに、その側面が、半田層で覆われる。本明細書において、半田層を介してワイヤメッシュをスタックに取り付けるという記載は、このような場合をも包含する。このように連続した半田層は、容易に、かつ低コストで形成することができる。
こうすると、機械的な負荷が与えられた場合でも、ワイヤは弾性的に変形し、ワイヤ自体にクラックが生じる可能性は低いという有利さがある。例えば、ワイヤメッシュが固定されたスタックの外面にクラックがあると、機械的な負荷が発生する。ワイヤが弾性を有するならば、このワイヤが伸張して、このクラックに架橋することができる。
本発明の一態様として、外部電極を、複数のワイヤ層が折り重なったワイヤメッシュ(多層のワイヤメッシュ)であって、最も内側のワイヤ層が、クラック側に位置するようになっているワイヤメッシュの形状にすることができる。最も内側のワイヤ層は、スタックの外面に全面的に当接する。
本発明の方法においては、半田材の使用量は、ワイヤメッシュを、接続基部に全面的に半田付けしうる程度のものが望ましい。半田材は、ピエゾアクチュエータの機能に悪影響を及ぼすことのないよう、使いすぎないようにしなければならない。
ワイヤメッシュは、半田付けの工程中に接続基部に押圧する。こうすると、ワイヤメッシュが、半田材が溶融して形成される半田層中に、十分に埋め込まれ、ワイヤメッシュの電気的接続が堅固になる。さらに、ワイヤメッシュが接続基部に全面的に半田付けされることの信頼性が増す。ワイヤメッシュが全面的に半田付けされることを確実にするためには、ワイヤメッシュを接続基部に押しつける圧力が、製造プロセスの諸条件に合致するものでなければならない。これらの条件とは、例えば、半田材の性質および使用量、半田付けの温度、ワイヤメッシュの性質等である。ワイヤメッシュを接続基部に押圧するならば、ピエゾアクチュエータの側面にも、ワイヤメッシュを密接させることができ、外部電極とスタックとの省スペース的な電気的接続を実現することができる。
図1は、本発明の一実施形態に係る、多数の圧電材料層(例えばセラミック層)2がスタック方向Sに沿って配置されることにより、スタック11が形成されている多層型ピエゾアクチュエータ1を示す。スタック方向Sは、ピエゾアクチュエータ1の長手方向と同一である。隣り合う圧電材料層2,2の間には、それぞれ、導電材料層3が挟まれている。スタック11の両側面には、ワイヤメッシュ40形状の外部電極4a,4bが固着されている。外部電極4a,4bを構成する各線状ワイヤ41は、スチールが芯材であるが、銅で被覆され、メッシュ状に織りなされている。外部電極4a,4bは、スタック11の両側面に位置する接続基部6a,6bに全面的に半田付けされている。
図2は、ワイヤメッシュ40として形成された外部電極4aを有する多層型ピエゾアクチュエータ1を示す。ワイヤメッシュ40のワイヤ41a,41bは、互いに90°をなすように、かつスタック方向Sと45°をなすように織りなされている。このようにすると、ワイヤメッシュ40にスタック方向Sの引張応力が発生したときに、ワイヤがスタック方向Sに沿って配置されている場合よりも、ワイヤ41a,41bにかかる負荷が軽減される。ワイヤ41a,41bは、メッシュノードにおいて、ワイヤ41aが下になり、ワイヤ41bが上になるように、互いに織り込まれている。ワイヤ41a,41bに沿って、それぞれのワイヤ41a,41bは各メッシュノードにおいて、上下が交代するようになっている
図3は、図2に示すピエゾアクチュエータ1を、スタック方向Sと直交する方向に切断した断面図である。図3の断面は、図2に破線で示した箇所であり、ワイヤメッシュ40中のメッシュノード43を横切るようになっている。図3は、ピエゾアクチュエータ1の両側面に装着された接続基部6a,6bをも示している。外部電極4a,4bは、半田層5a,5bを介して、接続基部6a,6bに全面的に固定されている。
部電極4a,4bは、スタック11の側面に全面的に接続されている。特にスタック11の外面に対向するワイヤ部分が、スタック11に直接固定される。2本のワイヤ41cとワイヤ41dはそれぞれ、メッシュノード43において、2本のワイヤがそれぞれ互いに交差し、1つのワイヤ41cが側に位置し、もう1つのワイヤ41dが側に位置している。側に位置するワイヤ41dは、接続基部6aに直接機械的に当接し、半田層5aに包み込まれている。半田層5aは、ワイヤ41bの部分を除いて、接続基部6aを覆っている。接続基部6aは、半田層5aと外部電極4aによって覆われているため、外側から視認することはできない。図3に示すメッシュノードにおいて、ワイヤ41dの側に位置するワイヤ41cも、半田層5aによって、スタック11に直接固定されている。代替として上側のワイヤは、下側のワイヤにのみ固定させてもよい。重要なのは、スタック11に接するワイヤ部分が直接スタック11に固定されているということである。この際、半田材は、ワイヤとスタック11の外面とにあるか、またはワイヤの側方に付着している。半田材は、必ずしも図示のように連続した半田層5aとして用いる必要はなく、ワイヤメッシュ40を全面的にスタック11に固定しうる程度に用いれば十分である。
上記ワイヤメッシュ40をスタック11に全面的に固定する場合、ワイヤメッシュ40の側縁に存在する個々のワイヤがスタック11の外面に固定されない場合をも含む。このようなワイヤ41eが図3に示されている。このワイヤ41eの端部は、半田層5aから外れており、スタック11の外面には固定されていない。上側に位置するワイヤ41fも、スタック11には固定されておらず、単に半田接続(図示せず)によって、下側のワイヤ41eに固定されているだけである。
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