JP2012255003A - ex−vivoでの臓器管理のためのシステム及び方法 - Google Patents

ex−vivoでの臓器管理のためのシステム及び方法 Download PDF

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Abstract

【課題】移動可能なex-vivo心臓管理に関するシステム、方法及び装置を提供する。
【解決手段】携帯用臓器管理システムの保護チャンバ104内に心臓を配置するステップと、心臓に潅流液108をポンプ注入するステップであって、潅流液108が25℃乃至37℃の温度で、200ml/min乃至5L/minの体積である、ステップと、心臓が保護チャンバ104内で拍動中にその一つ以上の生理的特徴を観察するステップと、心臓をex-vivoで保存するために、生理的特徴に少なくとも部分的に基づいてポンピング特徴を調節するステップとを含む、心臓をex-vivoで保存する方法。
【選択図】図1

Description

関連出願の参照
本出願は、臓器管理のためのシステム及び方法を標題に
2004年10月7日に提出された米国仮特許出願60/616,835号;2005年6月28日に提出された米国仮特許出願60/694,971;及び2005年10月6日に提出された米国仮特許出願に基づく優先権を主張するものである。前記のそれぞれの明細書の全文を引用をもってここに援用することとする。
発明の分野
本発明は、概略的には、ex-vivo臓器管理のためのシステム、方法及び装置に関する。より具体的には、多様な実施態様では、本発明は、生理学的又は近生理学的状態で臓器をex-vivoで管理することに関する。
発明の背景
現在の臓器保存技術は、典型的に、氷上の化学的潅流溶液中で臓器を低温保存することを含む。心臓の場合、それは典型的には停止しており、また保存/心臓麻痺性溶液で冷却された低温の非機能状態にある。これらの技術では多種の心臓麻痺性溶液を利用するが、そのいずれも虚血を原因とする心筋損傷から心臓を充分に保護するものではない。このような損傷は、心臓などの臓器をドナーからレシピエントに移植するつもりである場合に、好ましくない。虚血を原因とする心筋損傷に加え、心臓の再潅流が心筋の損傷を悪化させることがあり、冠状動脈の内皮及び平滑筋の損傷を引き起こすことがあり、更に冠状動脈の血管運動機能不全につながることもある。
従来のアプローチを用いると、このような損傷は、臓器をex-vivoに維持する時間の長さを関数として増加する。例えば心臓の場合、典型的にはそれはex-vivoに僅かに1、2時間置かれただけで、移植に使用できなくなる。このような相当に短い時間であることで、あるドナーの位置から到達することのできるレシピエント数が限られてしまい、結果的に、採集された心臓にとってのレシピエントのプールが限られてしまう。この1、2時間の時間的制限内であっても、心臓が著しく損傷することもある。大きな問題は、見かけで見える損傷がない場合があることである。このために、最適未満の臓器が移植されてしまい、移植後の臓器機能不全又は他の損傷に至る場合がある。このように、臓器を健康な状態でex-vivoで保存できる時間を延長することのできる技術を開発することが好ましいであろう。このような技術があれば、移植失敗のリスクが減り、潜在的ドナー及びレシピエントのプールが増大するであろう。
Ex-vivo臓器の効果的な保存は、他の数多くの利点も提供するであろう。例えば長時間ex-vivoで保存できれば、採集された臓器のより慎重な観察や機能検査が可能になるであろう。ひいては、このことにより、採集された臓器の欠陥をより早期に検出でき、また可能であれば修復もできるようになるため、移植失敗の可能性が更に減るであろう。また更に、簡単な修復を臓器に施せることにより、現行の移植技術では廃棄せねばならないような小さな欠陥のある数多くの臓器を用いられるようになった。
加えて、臓器と特定のレシピエントの間のより効果的なマッチングを達成できるため、最終的な臓器損傷の可能性が更に減るであろう。現行の移植技術は主にドナーとレシピエントの血液型を適合させることに依拠しているおり、このこと自体、臓器がレシピエントの拒絶を受けるかどうかの指標としては、あまり信頼できるものではない。臓器適合性のより好適な検査は、ヒト白血球抗原(HLA)適合検査であるが、 現在の低温虚血臓器保存法は、終了するまでにしばしば12時間以上を要することのあるこの検査の使用の妨げになっている。
ex-vivo臓器管理を長時間かつ信頼性高く行えれば、臓器移植の関係以外でも有益であろう。例えば、ある患者の身体全体は、典型的には、多くの特定の臓器よりも遥かに低いレベルの化学的、生物学的、及び放射線による療法に耐えることができる。ex-vivo臓器管理システムにより、臓器を身体から採集し、単独で処理することが可能になるため、身体の他の部分への損傷リスクを軽減できるであろう。
前記を鑑みると、臓器をex-vivoで管理するための優れたシステム、方法、及び装置が求められている。
発明の概要
本発明は、多様な実施態様で従来技術の欠陥に対応し、移動可能なex-vivo臓器管理に関する優れたシステム、方法及び装置を提供するものである。より具体的には、多様な局面では、本発明は、移動可能なex-vivo心臓管理に関するシステム、方法及び装置を提供する。ある一つの進歩としては、本発明の心臓管理システムは、正常な生理的条件で、又は正常な生理的条件に近い条件で、心臓を拍動状態に維持するものである。この目的のために、本システムは、酸素付加された、栄養に富む潅流液を、生理的温度、圧力及び流速で、又は、生理的温度、圧力又は流速に近い温度、圧力又は流速で、心臓に循環させる。ある実施態様では、本システムは、正常な生理的条件をより精確に模倣するために、血液生成物ベースの潅流液を利用する。代替的な実施態様では、本発明は合成の血液代替溶液を用いるが、他の実施態様では、前記溶液に、血液生成物を血液代替物と組み合わせて含有させてもよい。
別の進歩としては、本発明のシステムは、採集された心臓を、正常な大動脈流モード(「正常流モード」とも言及する)及び逆行性大動脈流モード(「逆行流モード」とも言及する)という2つの作動モードに維持することができる。概略的には、正常流モードでは、本システムは潅流液を、血液が人体内を循環するのと同じ態様で心臓に循環させる。より具体的には、この潅流液は心臓に左心房を通じて入り、心臓から右及び左の心室を通じて流れ出す。正常流モードでは、本システムは潅流液を心臓に約1リットル/分乃至約5リットル/分の間の速度で送り込む。このモードは、例えばドナー位置への移植前及び移植後の両方で、心臓に欠陥がないことを確認する機能検査を行うなどに有用である。反対に、逆行流モードでは、本システムは潅流液を心臓に大動脈を介し、冠状静脈洞を通じて送り込んだ後、この心臓から右心室を通じて吐き出させる。この作動モードでは、本システムは、潅流液の流速を約300ミリリットル/分乃至約1リットル/分の間に減速する。本発明者たちは、逆行流路は、流速低下とあいまって、長時間のex-vivo管理中の心臓への損傷を減らすことを見出した。従って、本発明の特徴の一つとして、心臓はドナーのいる場所に逆行流モードで輸送される。
多様な局面では、本発明のシステム及び/又は装置は以下のもののうちの一つ以上を含む、及び/又は、本発明の方法は以下のもののうちの一つ以上を利用する:ex-vivo管理中に心臓を容れるための臓器チャンバ・アセンブリ;一容の潅流液を容れる、及び選択的には消泡する、及び/又は、ろ過する、ためのレザバ;採集された心臓へ潅流液を送り込む/循環させるための潅流液ポンプ;潅流液の温度を生理的温度で又は生理的温度近傍で維持するための加熱器アセンブリ;正常流及び逆行流モード間を切り替えるための液流モード選択バルブ;潅流液が心臓から吐き出された後にそれを再酸素付加するための酸素付加器;還流液が心臓により代謝されたときにそれに栄養分を補充すると共に、心臓の虚血及び/又は他の再潅流関連損傷などを減らすために潅流液に保存剤を提供するための栄養分サブシステム;潅流液の温度、圧力、流速、及び/又は酸素付加などを観察する、及び/又は、心臓からの電気シグナルを観察する、あるいは、心臓に向かう及び心臓から戻る適した液流条件を維持するために用いた多様な成分からの電気シグナルを観察する、ためのセンサ・サブシステム;システムの作動及び/又は心臓の状態を観察する操作者を支援する、及び/又は、操作者が多様な作動パラメータを設定できるようにする、操作者インターフェース;本臓器管理システムに障害許容電力を提供する電力サブシステム;及び、本臓器管理システムの作動を制御するための制御サブシステム。
作動面では、ある実施態様では、心臓をドナーから採集し、カニューレ挿入処理により臓器チャンバ・アセンブリに固定する。潅流液ポンプは潅流液をレザバから吸出し、加熱器アセンブリに送り込む。加熱器アセンブリは、潅流液を正常な生理温度又は正常な生理温度近傍まで、加熱する。ある実施態様では、加熱器アセンブリは潅流液を約32℃乃至約37℃まで加熱する。潅流液を加熱器アセンブリから液流モード選択バルブまで流れる。当初、この液流モード選択バルブは、逆行流モードに配置されており、加熱器アセンブリからの潅流液を臓器チャンバ・アセンブリ上の第一インターフェースに向かわせる。前記の第一インターフェースはここでは大動脈インターフェース又は左心室インターフェースとも言及され、左心室の血管組織(例えば大動脈スタブ)に臓器チャンバ・アセンブリ内に位置する導管を通じてカニューレ挿入される。こうして心臓は、潅流液を心臓から臓器チャンバ・アセンブリ上の第二インターフェースを介して右心室から吐き出す。前記の第二インターフェースは、ここでは肺動脈インターフェース又は右心室インターフェースとも言及され、右心室の血管組織(例えば肺動脈スタブ)に臓器チャンバ・アセンブリ内に位置する導管を通じてカニューレ挿入される。逆行流モードでは、潅流液は、左心房を湿らすために送達される小さな潅流液の細流の形以外では、心臓の左側に送られることも、又は吐き出されることもない。それは、正常流モード位置にある液流モード選択バルブに応答して、潅流液を心臓の左心房に臓器チャンバ・アセンブリの第三インターフェースを通じて向かわせる。この第三インターフェースは、肺静脈インターフェース又は左心房インターフェースとも言及され、左心房の血管組織(例えば肺静脈スタブ)に、臓器チャンバ・アセンブリ内に位置する導管を通じてカニューレ挿入される。こうして心臓は、潅流液を左心室を通じて大動脈インターフェースを介して、そして右心室を通じて肺動脈インターフェースを介して吐き出す。
両方の作動モードにおいて、潅流液は肺動脈インターフェースから酸素付加器に流れ込む。酸素付加器は外部の又は搭載型気体源から酸素を受け取り、気体(例えば酸素)を、潅流液がレザバに戻る前にそれに加える。本システムは、潅流液の酸素飽和レベルを測定して、潅流液が生理的酸素レベルに維持されていることを確認するための一つ以上の酸素飽和センサを含んでいてもよい。潅流液が血液ベースの生成物である実施態様では、それは赤血球(即ち酸素を運ぶ細胞)を含有する。選択的には、前記の酸素飽和センサは、潅流液中の赤血球濃度のヘマトクリット測定を行うものでもよい。
正常流及び逆行流モードの両方で、栄養分サブシステムは、潅流液が当該システムを流れるときに、そしていくつかの実施態様ではそれがレザバ内にあるときに、潅流液に供給分の維持溶液を吸入する。ある特徴としては、前記の維持溶液はブドウ糖などの栄養分を含む。別の特徴としては、前記の維持溶液は、虚血、及び/又は心臓に対する他の再潅流損傷を減らすために、供給分の治療薬及び/又は保存剤(例えば心臓刺激物質、インシュリン、アミノ酸等)を含む。
別の実施態様では、潅流液は、心臓を採集している最中の瀉血のプロセスを通じてドナーから採集された血液を含む。当初、ドナーからのこの血液はレザバに貯められ、臓器チャンバ・アセンブリ中のカニューレ位置がバイパス導管を通じてバイパスされることで、心臓を介さない本システムを通じた潅流液の正常流モードが可能になっている。採集された心臓にカニューレ挿入を行う前に、瀉血されたドナー血液を本システムに循環させて、それを加熱、酸素付加及び/又はろ過することにより、本システムをプライミングしてもよい。プライミング中に栄養分サブシステムの吸入ポンプを通じて栄養分、保存剤、及び/又は他の治療薬も提供してよい。プライミング中、操作者インターフェースを通じて多様なパラメータを初期化し、プライミング中に較正してもよい。プライミングして適正に作動したら、ポンプの流れを減らすか、又はサイクルから外して、バイパス導管を臓器チャンバ・アセンブリから取り外し、心臓からこの臓器チャンバ・アセンブリにカニューレ挿入する。その後、場合に応じて、ポンプの流れを回復させるか、又は増す。ある特徴としては、操作者インターフェースを本システムに有線接続してもよく、あるいは、接続を断って、本発明のシステムと無線連絡するために用いてもよい。
ある特徴としては、本システムは複数の伸展性チャンバを含む。この伸展性チャンバは基本的には、可撓性で弾性の壁面を持つ小型の直列流体アキュムレータであり、液流背圧を提供するなどにより、及び/又は、流速変化などを原因とする液圧スパイクをろ過/減らすことなどにより、本システムが人体内の血流をより精確に模倣できるように支援することで人体の血管伸展性を模倣する。ある構成では、伸展性チャンバは液流モード選択バルブのいずれかの側と、潅流液ポンプの出力側とに位置する。ある特徴としては、伸展性チャンパは、正常流モードでの作動時に大動脈にかかる背圧を調節するために用いられるクランプの隣に位置する。
ある実施態様では、前記のセンサ・サブシステムは、心臓からの電気シグナルを観察する心電図(ECG)センサを含む。ある実施態様では、制御サブシステムは潅流液のポンピングをECDシグナルと同期化する。ある特徴としては、該ECGシグナルはr波を含み、制御サブシステムはこのr波を用いて潅流液のポンピングを心臓の拡張期と同期化する。別の特徴としては、制御サブシステムはポンプ・ストローク量及び/又はポンプ速度をECGシグナルに依存して調節する。例えばある実施態様では、制御サブシステムは、血流を維持するために、心臓の速度が増すにつれてポンプ・ストローク量を減少させる。別の実施態様では、前記システムはポンプ・ストローク量を不規則な心臓速度の検出に応答して減少させる。いずれの場合でも、その結果は心臓に送られる潅流液量を減少させることであり、ひいては心臓に損傷を及ぼす可能性を減らすことである。多様な実施態様において、前記のセンサは、潅流液流速及び/又は流圧センサを含み、このセンサが、潅流液のポンプを制御するためのフィードバックを提供する。ある実施態様では、身体を通じて正常な循環をより精確に刺激するために、本システムのポンプは拍動性ポンプである。
本発明のある局面では、臓器チャンバ・アセンブリは複数の改善された特徴を含む。より具体的には、ある構成では、本発明の臓器チャンバ・アセンブリは、筐体、外側のふた及び中間の蓋を含む。筐体は、臓器を容れるために底面及び一つ以上の壁面を含む。中間の蓋は筐体内の臓器を実質的に封入するために筐体の開口部を覆っており、フレームと、フレーム内に懸架させた可撓性のメンブレンとを含む。可撓性のメンブレンは好ましくは透明であるとよいが、不透明でも、半透明でも、又は実質的に透明でもよい。ある特徴としては、可撓性のメンブレンは、チャンバ内に容れた臓器と接触するために充分余分なメンブレン材料を含む。この特徴により、医事操作者は、本システム及び臓器の無菌性を維持しつつ、このメンブレンを通じて臓器に間接的に触れる/調べることができる。外側の蓋は、中間の蓋とは別個に、中間の蓋の上方で開閉する。好ましくは、外側の蓋が、間接的又は直接的な接触から臓器を保護するように充分に剛性であるとよい。
ある実施態様では、中間の蓋は筐体に丁番付けされている。またこの中間の蓋は、臓器チャンバの開口部上方でこの中間の蓋を閉めた状態で固定するためのラッチを含んでいてもよい。外側の蓋も同様に丁番付けされて、ラッチが付けられていてもよい。いくつかの構成では、中間の蓋のフレームと一つ以上の臓器チャンバ壁面との間に流体封止を形成するために、及び/又は、外側の蓋の周辺と、中間の蓋のフレームとの間に流体封止を形成するために、ガスケットが設けられている。
選択的には、臓器チャンバ・アセンブリは、筐体の底面に適合するような大きさ及び形状のパッド又はサック・アセンブリを含む。好ましくは、前記のパッド・アセンブリが、輸送中の機械的振動及びショックから臓器を緩衝するために充分弾性な材料から形成されたパッドを含むとよい。臓器チャンバ・アセンブリが心臓を容れるような構成である場合、ある特徴としては、本発明のパッドは、少なくとも一つの電極を受容する機構を含む。前記の機構には、限定はしないが、一つ以上のスロット、くぼみ、突出、貫通孔、部分的に貫通した孔、フック、はとめ、スナップ、接着性パッチ等が含まれよう。ある利点としては、前記の機構により、前記の少なくとも一つの電極をパッド上又はパッド内に調節可能に配置することができるため、様々な大きさ及び形状の心臓に対応することができる。ある実施態様では、前記のパッドは、前記の少なくとも一つの電極の電気的リード線が通ることのできる貫通孔を含む。
ある実施態様では、パッド・アセンブリは、臓器チャンバ・アセンブリなどのパッド上に配置した心臓と容易に接触させられる態様で前記パッド上又はパッド内の位置に調節可能に配置される少なくとも一つの電極を含む。ある構成では、前記の少なくとも一つの電極がパッドの表面上に載り、心臓の重みで定位置に固定される。別の構成では、前記の少なくとも一つの電極は、パッドの表面に接着剤で接着されている。前記の少なくとも一つの電極は、心臓からの一つ以上の電気シグナルを観察するための一つ以上のセンサを含む。更にそれには、心臓に電気シグナルを提供するための一つ以上の電気除細動器を含んでいてもよい。本発明のパッド/電極という構成の長所の一つは、前記の少なくとも一つの電極を心臓に永久的又は一時的に縫い付ける又は機械的に接続する必要がない点である。反対に、電気的な接続は、心臓を前記の一つ以上の電極上に配置することにより、達成される。ある構成では、前記の少なくとも一つの電極は、一体センサと、心臓からの電気シグナルをユーザが観察して臓器チャンバ・アセンブリへの共通の電気的インターフェース接続を通じて心臓に電気シグナルを提供できるようにする電気除細動接点とを含む。別の特徴としては、前記の共通の電気的インターフェースは、チャンバ内の少なくとも一つの電極と筐体外部に位置する装置との間で電気シグナルを輸送するための一つ以上の電気的ポートを臓器チャンバ・アセンブリ上に含む。例としては、このポートは、ECGシグナルを外部プロセッサ及び/又はディスプレイに提供しても、及び/又は、電気除細動器用電力を電極に提供してもよい。
選択的には、前記チャンバの筐体は、心機能が最適になるように筐体を角度付けするための基台を更に含む。ある特徴としては、前記の基台は、臓器チャンバ内に収容された心臓を、水平線に対して約30℃乃至約60℃の角度に維持する。
別の局面では、本発明の潅流液の加熱器アセンブリは、潅流液を加熱するための小型の固体状態機構に関する複数の優れた特徴を含む。加熱器アセンブリのいくつかの特徴により、この加熱器アセンブリは、血液ベースの実施態様の潅流液を加熱するために特に適したものになっている。ある実施態様では、本発明の加熱器アセンブリは、吸入口、吐出口、流路、第一及び第二流路プレート、並びに第一加熱器を含む。前記流路は第一及び第二流路プレート間に形成される。吸入口は、潅流液を流路に流し込み、吐出口は潅流液を加熱器から吐出する。前記第一及び第二流路プレートは、流路を流れている潅流液との直接的な接触を提供するために、実質的に生体不活性な潅流液接触表面を有する。この潅流液接触表面は、例えば、基質の処理又は基質上への被膜形成により形成でき、あるいは基質表面自体でもよい。第一加熱器は、第一流路プレートを加熱するために第一流路プレートに熱接続する。ある構成では、第一加熱器は第一流路プレートの非潅流液接触側に位置する。更なる実施態様では、本発明の加熱器アセンブリは、第二流路プレートを加熱して流路により均一な温度分布を提供するために、第二流路プレートに熱接続した第二加熱器も更に含む。
ある構成では、加熱器アセンブリは、第一加熱器からの熱を第一流路プレートに熱接続するために、第一加熱器と第一流路プレートとの間に配置された第一加熱器プレートを含む。ある特徴としては、第一加熱器プレートは、アルミニウムなど、加熱器からの熱を比較的に均一に伝導及び分散させる材料から形成される。こうして均一に分散された、加熱器プレートの熱は第一流路プレートに接続するが、この第一流路プレートは、好ましくは、チタンなど、加熱器と直接接触する位置に置かれたときに充分に均一な熱分散を必ずしも提供しないような生体不活性な材料から形成されるとよい。また加熱器アセンブリは、第二加熱器からの熱を第二流路プレートに接続するために、第二加熱器と第二流路プレートとの間に配置された第二加熱器プレートも含んでよい。
ある実施態様では、本発明の第一及び/又は第二加熱器は抵抗加熱器である。ある構成では、これらはそれぞれ、ポリイミド基質上に形成された抵抗性加熱素子を含む。更なる構成では、前記の抵抗加熱素子は、約5オームの抵抗を有する。他の構成では、加熱素子の抵抗は、約3オーム乃至約10オームの範囲内である。
選択的には、本発明の加熱器アセンブリは一つ以上の温度センサを含む。例えば加熱器アセンブリは、加熱器を出る潅流液の温度を制御サブシステムに報告するために温度センサをその吐出口に含んでいてもよい。このセンサからのシグナルをフィードバック・ループで用いて、第一及び第二加熱器への駆動シグナルを制御することで加熱器プレートの温度を制御してもよい。加えて、加熱器プレートの潅流液接触表面が、潅流液を損傷しかねない温度を超えることが確実にないように、加熱器アセンブリに、更に、制御サブシステムに第一及び/又は第二加熱器の温度を報告する温度センサを含めてもよい。さらにこれらのセンサからのシグナルをフィードバック・ループで用いて、第一及び/又は第二加熱器への駆動シグナルを更に制御することで、加熱器プレートの最大温度を制限してもよい。この実施態様の変形例では、加熱器アセンブリに、第一及び/又は第二加熱器の温度を制御サブシステムに報告する温度センサを含めてもよい。
第一及び/又は第二加熱器とそれらの各加熱器プレートとの間に、そして更に第一及び/又は第二加熱器プレートとそれらの各流路プレートとの間に、優れた接触を提供するために、加熱器アセンブリには、更に、圧縮力に応答して、第一加熱器を第一加熱器プレートと接触した状態に、そして第二加熱器を第二加熱器プレートと接触した状態に維持するために各加熱器上に配置された第一及び第二弾性パッドを含めてもよい。この圧縮力は、例えば一つ以上の加熱器アセンブリ筐体部品などに提供されてもよい。ある特徴としては、加熱器アセンブリが、ポリカーボネートから形成されて約5ポンド未満の重さの筐体部品を含み、他の実施態様では、加熱器アセンブリは、約4ポンド未満、約3ポンド未満、約2ポンド未満、又は更に約1ポンド未満の重さであってもよい。別の特徴としては、加熱器アセンブリは、すべて吸入口及び吐出口及び温度センサ・アセンブリを除いて約6.75インチ長、約2.75インチ幅、そして約2.5インチ厚である。別の特徴としては、加熱器アセンブリは頓用の使い捨てアセンブリである。
ある実施態様では、作用時、本加熱器アセンブリは約1ワット乃至約200ワットの電力を用いる。更なる実施態様では、本発明の加熱器アセンブリは、流路を流れる約2.5リットルの潅流液を約300ml/分乃至約5L/分の速度で、約30℃未満の温度から約37℃の温度まで、約25分未満、約20分未満、約15分未満又は更に約10分未満の間に、血球の実質的な溶血を起こさせたり、あるいは、潅流液に含まれているであろういずれかのたんぱく質の変性を起こさせたりすることなく、移行させるような大きさ及び形状である。
更なる実施態様では、本発明の電力サブシステムは障害許容性電池構成を提供するものである。より具体的には、複数の電池を、それらの全てが、当該システムが臓器を維持するために作動中は、いずれの時点でも当該システムから取り外せないように相互鎖錠されている。ある特徴としては、電力サブシステムは、システムの作動を遮断することなく外部電力と搭載電池バックアップとの間を切り替えることができる。別の特徴としては、電力サブシステムは、外部から提供される電力を、当該システムの給電、電池の給電、及び無線による操作者インターフェースの内部電池の給電、の間で自動的に配分する。
別の局面では、本発明は、携帯用臓器管理システムの多様なサブシステム及び部品を二つのモジュールに区分化するものである:携帯用多重使用モジュールと、頓用使い捨てモジュールである。ある区分化では、本発明のシステムは、潅流液に接触する(従って血液生成物潅流液を用いた実施態様では血液生成物に接触する)部品を使い捨て用モジュールに割り振り、そして潅流液に接触しないもの(従って血液生成物に接触しない部品)を多重使用モジュールに概ね割り振る。しかしながら、使い捨ての単位には、更に血液に接触しない部品も含めてもよい。ある特徴としては、潅流液が部品表面に接触したときに生じかねない炎症性応答を減らすために、潅流液に接触する部品を、ヘパリン又は他の抗凝固剤又は生体適合性材料で被覆する、又は接着してもよい。ヘパリンは、本システム内を循環させるために維持溶液に加えてもよい。
ある実施態様では、携帯用多重使用モジュールは、携帯用シャシ上に構築された形態用筐体を含み、頓用使い捨てモジュールは使い捨てシャシを含む。ある構成では重量を減らすために頓用モジュールのシャシはポリカーボネートなどの成型されたプラスチックから形成され、多重使用モジュールのシャシはポリカーボネート又はカーボン・ファイバー複合体などの成型された材料から形成される。ある特徴としては、部品を装着していないときの頓用シャシ約12ポンド未満の重さであり、装着したときの頓用モジュールは約18ポンド未満の重さである。別の特徴としては、部品を装着していないときの多重使用筐体及びシャシは、約50ポンド未満の重さであり、多重使用モジュール、電池、ガス、維持溶液、潅流液及び心臓を一緒にしたときは約85ポンド以下である。別の利点としては、頓用及び多重使用モジュールの両方を含む本発明のシステムは、いずれかの潅流液、栄養分、保存剤又は他の流体、電池及び酸素供給分なしでは約65ポンド未満の重さである。
頓用使い捨てシャシは、多重使用モジュールの携帯用シャシと、多重使用モジュールと電気的、機械的、気体及び流体による相互作動に向けて連動する大きさ及び形状である。ある特徴としては、多重使用及び頓用モジュールは互いに光学的インターフェースを通じて連絡しており、この光学的インターフェースは、頓用使い捨てモジュールが携帯用多重使用モジュール内に設置されたときに自動的に光学的に位置合わせされる。別の特徴としては、携帯用多重使用モジュールは頓用使い捨てモジュールに、ばね付き接続を介して電力を提供するが、このばね付き接続も、頓用使い捨てモジュールが携帯用多重使用モジュール内に設置されたときに自動的に接続する。ある特徴としては、光学的インターフェース及びばね付き接続により、頓用及び多重モジュール間の接続が、でこぼこ道の輸送時などの衝突を原因として失われることがない。
多様な実施態様では、臓器チャンバ・アセンブリ及びポンプ・インターフェース・アセンブリは両者とも使い捨てシャシに搭載される。ポンプ・インターフェース・アセンブリは、潅流液ポンプのポンプ駆動装置からのポンプ力を受け取るように位置合わせされ、こうしてこのインターフェース・アセンブリはこのポンプ力を潅流液に向かって並進させることで、潅流液を臓器チャンバ・アセンブリに循環させる。ある実施態様では、潅流液ポンプは拍動性ポンプであり、前記のポンプ・インターフェース・アセンブリは筐体、第一の変形可能なメンブレン、流体吸入口、及び流体吐出口を含む。ポンプ・インターフェース・アセンブリの筐体は内側側面及び外側側面を含む。第一の変形可能なメンブレンは筐体の内側側面と流体密に相互接続した状態で搭載されることで、この第一の変形可能なメンブレンの内側側面と筐体の内側側面との間でチャンバを形成する。流体の吸入口は、筐体の内側側面から遠ざかる方向で運動するポンプ駆動装置に応答して、潅流液をレザバなどから受け取り、この流体をチャンバ内に提供することで、第一の変形可能なメンブレンを同じ方向で変形させる。吐出口は、筐体の内側側面に向かう方向で運動するポンプ駆動装置に応答して、潅流液をチャンバから吐き出して加熱器アセンブリなどに送る。
ある構成では、ポンプ・インターフェース・アセンブリは、第一の変形可能なメンブレンの周囲に嵌め合ってこの変形可能なメンブレンの内側側面と、筐体の内側側面の周囲との間で流体封止を形成するブラケットを含む。更なる構成では、ポンプ・インターフェース・アセンブリは、潅流液のポンプ駆動装置とポンプ・インターフェース筐体との間に流体封止を提供するガスケットを含む。
ある実施態様では、本システムは更に流体の吸入口への吸入側に配置された流れ弁を含む。前記の液流バルブは、筐体の内側側面から遠ざかる方向で運動するポンプ駆動装置に応答して開口し、潅流液をチャンバ内に二方向流体吸入口を通じて通過させる向きになると共に、筐体の内側側面に向かう方向で運動するポンプ駆動装置に応答して閉鎖し、流体の吸入口を通じてチャンバ内に通過してくる潅流液を停止させる向きになるボールバルブ・アセンブリを含む。更なる実施態様では、流体の吐出口も、筐体の内側表面から遠ざかる方向で運動するポンプ駆動装置に応答して閉鎖すると共に、筐体の内側側面に向かう方向で運動するポンプ駆動装置に応答して開口して、流体の吐出口を通じて臓器の潅流液を吐出するボールバルブ・アセンブリを含む。
選択的には、潅流液ポンプは携帯用多重使用シャシに固定的に搭載され、ポンプ・インターフェース・アセンブリは使い捨て頓用シャシに固定的に搭載され、本システムは、潅流のポンプ駆動装置とポンプ・インターフェース・アセンブリとの間を、頓用使い捨てモジュールが携帯用多重使用モジュールと嵌合したことに応答して自動的に流体封止を形成するという特徴を含む。より具体的には、ポンプ・インターフェース・アセンブリは、潅流ポンプのポンプ駆動装置に向かう方向にポンプ・インターフェース・アセンブリの筐体の内側側面を強制する/引き付けるために、携帯用多重使用モジュールの一つ以上の表面と係合及び当接するような大きさ及び形状の一つ以上の突出部を当該インターフェース・アセンブリ筐体の外側側面に含んでいてもよい。
ある特徴としては、ポンプ・インターフェース・アセンブリは、第一の変形可能なメンブレンが避けた場合に障害許容封止を提供するために、第一の変形可能なメンブレンに隣接して取り付けられた第二の変形可能なメンブレンを含む。別の特徴としては、ポンプ・インターフェース・アセンブリは、頓用使い捨てモジュールの重量を減らすために少なくとも部分的にポリカーボネート又は他の成型プラスチック材料から形成される。
ある実施態様では、潅流液のレザバは頓用使い捨てシャシに搭載されており、臓器チャンバと流体連絡する。更なる実施態様では、液流モード選択バルブは使い捨てシャシに搭載される。他の実施態様では、本発明の固体状態の潅流の加熱器は使い捨てシャシに搭載される。酸素付加器には、好ましくは多重使用モジュールが設けられるとよいが、いくつかの実施態様では、その代わりに使い捨てモジュールの一部であってもよい。この酸素付加器への酸素供給源を、携帯用多重使用シャシに含めても、多重使用モジュールの一部にしても、あるいは、本システムにとって外部にしてもよい。
ある構成では、加熱器アセンブリ、酸素付加器及び/又は潅流液ポンプに付随する多様なセンサを頓用使い捨てモジュールに含める。しかしながら、潅流液に接触しないセンサの場合などにはこの限りでない。ある実施態様では、頓用使い捨てモジュールは、中を潅流液が通過するインラインのキュベットと、このキュベットを通過する潅流液に光を向ける光源と、このキュベットを通過する潅流液の光学的特性を測定する光学センサとを含む酸素センサを利用するものである。好ましくは、前記のインラインのキュベットは、潅流液の渦を減らし、一種以上の精確な測定値を提供するために、潅流液流の導管にシームレスで又は実質的にシームレスで付着しているとよい。このシームレス又は実質的にシームレスな構成により、更に、潅流液の中のいずれかの血液ベースの成分に対する損傷も減る。
更なる構成では、頓用使い捨てモジュールは、例えば潅流液ポンプの吐出口に配置された、そして臓器チャンバとモード選択バルブとの間のいずれかの側に配置された、上述の複数のインラインの伸展性チャンバを含む。更なる実施態様では、頓用使い捨てモジュールは、臓器チャンバ・アセンブリからの流体をサンプリングする複数のポートを含む、ある特徴としては、前記のポートは、複数のポートのうちの第一のものからの流体のサンプリングがあると、この複数のうちの第二のポートからの流体が同時にサンプリングされることが禁止されるように、相互鎖錠されている。この安全性の特徴により、流体サンプルが混合したり、ポートが不慮で開口してしまったりする可能性が減っている。ある実施態様では、臓器チャンバ・アセンブリは、肺動脈、大動脈及び左心房インターフェースのうちの一つ以上の流体連絡するためのポートを含む。
別の局面では、本発明は心臓をex-vivoで保存する方法に関する。本方法は、心臓を携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に配置するステップと、潅流液を心臓にポンプ吸入するステップであって、前記潅流液が約25℃乃至約37℃の間の温度であり、約200ml/分乃至約5L/分の間の体積である、ステップと、 心臓が保護チャンバ内で拍動中にその一つ以上の生理的特徴を観察するステップと、心臓をex vivoで保存するために、前記電気的特徴に少なくとも基づいてポンピングの特徴を調節するステップと、を含む。
別の局面では、本発明は心臓をex vivoで保存する方法に関し、本方法は、携帯用臓器管理システムの保護チャンバ中の一つ以上の電極上に心臓を配置するステップと、潅流液を前記心臓にポンプ吸入するステップであって、前記潅流液が約25℃乃至約37℃の間の温度であり、約200ml/分乃至約5L/分の間の体積である、ステップと、心臓をex vivoで保存するために、前記潅流液を前記心臓にポンプ吸入中、電極からの電気シグナルを観察するステップと、を含む。
更なる局面では、本発明は心臓をex vivoで輸送する方法に関し、本方法は、輸送用の心臓を携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に配置するステップと、潅流液を心臓に心臓の大動脈を介してポンプ吸入するステップと、心臓の右心室を介して心臓から遠ざかる方向の潅流液の流れを提供するステップと、潅流液を心臓に大動脈を介してポンプ吸入しつつ、及び、心臓の右心室を介して心臓から遠ざかる方向の潅流液の流れを提供しつつ、ドナーの位置からレシピエントの位置まで、携帯用臓器管理システムに入った心臓を輸送するステップと、を含む。
更なる局面では、本発明は、輸送用の心臓を評価する方法に関し、本方法は、心臓を、携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に配置するステップと、潅流液を心臓に心臓の左心室を介してポンプ吸入するステップと、心臓の右心室を介して心臓から遠ざかる方向の潅流液の流れを提供するステップと、心臓を携帯用臓器管理システムを介してドナーの位置からレシピエントの位置へ、潅流液を心臓に左心室を介してポンプ吸入しながら輸送するステップと、右心室を関して心臓から遠ざかる方向の潅流液の流れを提供するステップと;心臓をレシピエントに移植する前に、保護チャンバの外側の液流制御部を操作して、潅流液が心臓にこの心臓の左心房を介してポンプ吸入され、心臓からこの心臓の右心室及び左心室を介して流れ出すように潅流液の流れを変更するステップと;心臓の評価を行うステップと、を含む。いくつかの実施態様では、前記の評価は、潅流液の吸入中に心臓に対してHLA検査を行うステップを含む。
別の局面では、本発明は心臓に治療を行う方法に関する。本方法は、心臓を携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に配置するステップと、潅流液を心臓にこの心臓の左心室を介してポンプ吸入するステップと、心臓の右心室を介してこの心臓から遠ざかる方向の潅流液の流れを提供するステップと、保護チャンバの外部にある液流制御部を操作して、潅流液が心臓にこの心臓の左心房を介してポンプ吸入され、心臓からこの心臓の右心室及び左心室を介して流れ出すように潅流液の流れを変更するステップと;心臓に治療的処置を施すステップと、を含む。該処置には、例えば、免疫抑制処置、化学療法、遺伝子治療及び放射線治療のうちの一つ以上を心臓に施すことが含まれよう。
別の局面では、本発明は心臓を移植する方法に関する。本方法はドナーの心臓を停止させるステップと、このドナーからの心臓を外植するステップと、該心臓を臓器管理システムに移すステップと、(心臓の外植低温虚血時間を減らすために)該心臓をドナーから外植してから30未満で潅流液を該心臓にポンプ吸入するステップであって、前記潅流液が約32℃乃至約37℃の間の温度である、ステップと、を含む。いくつかの実施態様では、心臓は臓器管理システムに心臓を移してから10未満で約35℃乃至約37℃の間の温度にされる。
本発明のこれら及び他の特徴及び利点を、本発明の例示的な実施態様を参照しながら以下に更に詳述することとする。
例示的な解説
概要で上述したように、本発明は、概略的には、ex-vivoでの臓器管理のための優れたアプローチを提供するものである。より具体的には、多様な実施態様では、本発明は、臓器をex-vivoの携帯可能な環境で維持することに関する優れたシステム、方法及び装置に関する。ある改良点としては、本発明の臓器保存システムは、心臓を正常な生理的条件で、又は正常な生理的条件に近い条件で、拍動した状態に維持する。この目的のために、本システムは、酸素付加された、栄養分豊富な潅流液を心臓に、生理的温度、圧力及び流速に近い温度、圧力及び流速で循環させる。ある例では、本システムは、正常な生理条件をより精確に模倣した潅流液溶液を用いる。ある実施態様では、潅流液は血液生成物ベースである。代替的な実施態様では、前記の溶液は合成の血液代替物ベースである。他の実施態様では、前記の溶液は、血液生成物を、血液代替生成物と組み合わせて含有してもよい。
多様な例示的実施態様では、本発明の改良点により、心臓などの臓器をex-vivoで長時間、例えば3、4、5、6、8、10、12、14、16、18、20、22、24又はそれ以上の時間など、維持することができる。このようにex-vivoでの維持時間を長時間にできれば、ドナー臓器に対する潜在的レシピエントのプールを拡張でき、ドナーとレシピエントとの間の地理的距離の重要性が小さくなる。更に本発明のようにex-vivoでの維持時間を長時間にできることにより、ドナー臓器と臓器レシピエントとの間の遺伝子及びHLAを適合させるのに必要な時間が提供されるため、良好な結果をもたらす可能性が増す。更に、生理的機能条件に近い条件で臓器を維持することができることで、臨床医は臓器機能をex-vivoで評価することができ、移植成功の可能性も更に増す。いくつかの場合では、維持時間を長時間にできることで、医療上の操作者は、小さな欠陥のあるドナー臓器に対して修復を行うことができる。別の利点としては、本発明ではex-vivo臓器維持時間を長時間にできることで、患者から臓器を採集し、ex-vivoで分離状態で処理した後、患者の体内に戻すことができる。このような処置には、限定はしないが、外科的処置、化学的、生物学的、遺伝子的及び/又は放射線療法が含まれよう。
本発明の例示的なシステム、方法及び装置を以下の順序で下に解説する。まず、一例としての臓器管理システム100の部品を解説する。第二に、システム100の一例としての作動を論じる。第三に、システム100の部品のうちの一部を更に詳述する。第四に、システム100の制御システム例及び方法例を論じる。第五に、ユーザ・インターフェース例を解説する。第六に、システム100の機械的特徴を、実施例に関して更に詳しく論じる。第七に、臓器採集、輸送、及び移植法中にシステム100を用いる方法の例を解説する。第八に、システム100での使用に適した潅流溶液、栄養分溶液及び保存剤溶液の例を紹介する。
実施例を参照すると、図1は、本発明の実施例による携帯用臓器管理システム100の概略図を示す。図2は、本発明の臓器管理システム100によりex-vivoで保存/維持できると思われる心臓102の概念図を示す。図1及び2を参照すると、例示的なシステム100は、ex-vivo維持中に心臓102を容れる臓器チャンバ・アセンブリ104と、潅流液108を保持し、消泡し、ろ過するレザバ160と、潅流液108をレザバ160に充填するポータル774と、レザバ160に容れられた潅流液108に治療薬を加えるポータル762と、採集された心臓102に対して潅流液108を前後にポンプ吸入する/循環させる潅流液ポンプ106と;採集された心臓102と;潅流液108の温度を生理的温度に、又は生理的温度に近い温度に、維持する加熱器アセンブリ110と;正常及び逆行性大動脈流モード(それぞれ「正常な液流モード」及び「逆行性液流モード」とも言及される)の間で切り換える液流モード選択バルブ112と;潅流液108が心臓102から吐出された後にそれを再酸素付加する酸素付加器114と;潅流液108中の栄養分116が心臓102により代謝されたときにそれを補充すると共に、潅流液に更なる保存剤118を提供して心臓102の虚血及び/又は他の再潅流関連損傷などを減らす栄養分サブシステム115とを含む。例示のシステム100は、更に、限定はしないが:温度センサ120、122及び124;圧力センサ126、128、130及び132;潅流速センサ134、136及び138;潅流酸素付加センサ140;並びにセンサ電極142及び144、並びに除細動源143を含め、複数のセンサを含む。システム100は、更に、心臓102に対して前後に適した液流条件を維持するために用いられる多様な部品;操作者がシステム100の作動や心臓の状態を観察するのを支援したり、多様な作動パラメータを操作者が選択できるようにしたりする操作者インターフェース146システム100に障害許容電力を提供する電力サブシステム148;並びに臓器管理システム100の作動を制御する制御器150、を含む。
図3及び4も参照すると、図示の実施態様では、システム100は、図3に示す正常流モードと、図4に示す逆行流モードという二つの作動モードで心臓102を維持することができる。概略的には、図3の正常流モードでは、システム100は潅流液108を心臓102に人体内で血液が循環するのと同じ態様で循環させる。より具体的には、図1−3を参照すると、潅流液は心臓102の左心房152に肺静脈168を介して入る。潅流液108は右心室154から肺動脈164を介して、そして左心室156からは大動脈158を介して流れ出す。正常流モードでは、システム100は潅流液を心臓102に、約1リットル/分乃至約5リットル/分の生理的速度に近い速度でポンプ吸入する。このモードは、例えば機能検査を行って心臓102に欠陥がないかを、ドナー位置への輸送前及び輸送後の両方で確認するために有用である。
反対に、図4に示す逆行流モードでは、システム100は潅流液108を心臓102に大動脈158を介して、冠状静脈洞155及び心臓の他の冠状脈管系を通じて流し、そして心臓102の右心室154から肺動脈164を介して流れ出させる。図24A及び24Bに関して下に更に詳述するように、システム100は細流769を左心房152に細流バルブ768を介して提供する。この細流は、左心房152及び左心室156を湿らせるのに充分な量、提供される。いくつかの用途では、この細粒は、約5ml/分未満、約1ml/分未満、又は約0.1ml/分未満である。この作動モードでは、システム100は、潅流液108の流速を約300ミリリットル/分乃至約1リットル/分の間まで低下させる。本発明者は、図4の逆行流路が、この流速の低下とあいまって、 長時間のex-vivo維持中の心臓102の損傷を減らすことを見出した。従って、本発明の特徴の一つとしては、心臓102は逆行流モードでドナー位置まで輸送される。
正常流及び逆行流モードを簡単に解説したところで、次に、本システム100の作動をより詳細に解説することとする。図1−4を再度参照すると、ある実施態様では、心臓102をドナーから採集し、臓器チャンバ・アセンブリ104にカニューレ挿入する。 潅流液108を、レザバ160にポータル774を介して充填し、そして選択的にはポータル762を介して治療薬で処理することにより、システム100内での使用に向けて調製する。ポンプ106は充填された潅流液108をレザバ160から加熱器アセンブリ110にポンプ吸入する。加熱器アセンブリ110は潅流液108を生理的温度まで、又は生理的温度に近い温度まで、加熱する。ある実施態様では、加熱器アセンブリ110は、潅流液を約32℃乃至約37℃に加熱する。加熱器アセンブリ110は、流体流の渦を抑えるために、加熱器アセンブリ110に対して潅流液108を前後に運ぶ流体導管の内側横断面積にほぼ等しい横断面流面積を持つ内側液流チャンネルを有する。潅流液108は加熱器アセンブリ110から液流モード選択バルブ112まで流れる。
当初、液流モード選択バルブ112は、加熱器アセンブリ110からの潅流液108を臓器チャンバ・アセンブリ104に第一インターフェース162を介して向けるために逆行流モードに配置されている。大動脈インターフェース又は左心室インターフェースとも言及されるこの第一インターフェース162は、(図5A−5Bに示すように)臓器チャンバ・アセンブリ104上に位置する開口228bを介した左心室の血管組織へのカニューレ挿入を含む。心臓102は暖まると拍動を始めるが、この拍動により心臓102は潅流液108を冠状血管系155を通じ、心臓102から、右心室154を通じて第二インターフェース166を介して拍出する。第二インターフェース166は肺動脈インターフェース又は右心室インターフェースとも言及され、(図5A−5Bに示すように)臓器チャンバ・アセンブリ104上に位置する開口228cを介した右心室の血管組織へのカニューレ挿入を含む。上述した通り、逆行流モードでは流体は心臓の左側から能動的に拍出又は吸引されることはなく、例外として潅流液の比較的に細い細流769が、図24A−24Eを参照した下に解説するように、左心房152及び左心室156を湿らすために送達される。
液流モード選択バルブ112が正常流モード位置に置かれたことに応答して、潅流液108は第三インターフェース170を介して心臓102の左心房152に向けられる。この第三インターフェース170は肺静脈インターフェース又は左心房インターフェースとも言及され、(図5A−5Bに示すように)臓器チャンバ・アセンブリ104上に位置する開口228aを介した左心房152の血管組織へのカニューレ挿入を含む。こうして心臓102は潅流液108を、左心室156を通じて大動脈インターフェース162を介し、そして右心室154を通じて肺動脈インターフェース166を介し、吐出する。
インターフェース162、166及び170のそれぞれの末端上に血管組織(例えば大動脈スタブ)を引っ張った後、この組織を当該インターフェースに結び付ける又は固定することにより、これらインターフェースのそれぞれを心臓102にカニューレ挿入してもよい。血管組織は好ましくは、心臓102を切断し、ドナーから外植した後でも心臓102に接続されたままの血管(例えば大動脈スタブ158)の短い部分であるとよい。例えば、大動脈158を冠状静脈洞155から下流の位置で切断することにより形成された切断された大動脈158の小さな部分に大動脈インターフェース162をカニューレ挿入するなどである。いくつかの用途では、この短い血管部分は約5乃至約10インチ長であっても、又はそれ以上の長さであってもよい。この部分は約5インチよりも短くてもよい。この部分は、約2乃至約4インチ長、又は約1乃至約2インチ長であってもよい。他の用途では、この部分は、約2分の1インチ未満、又は約4分の1未満であってもよい。
代替的には、血管のいずれのスタブ部分も心臓102に接続した状態で残さずに血管全体を切断することにより外植に向けて心臓102を調製するような用途で好ましいと思われるが、インターフェースを該当する心房又は心室に直接固定することにより、カニューレ挿入を行ってもよい。例えば、インターフェース170を左心房152に直接挿入し、このインターフェース170を定位置でクランプすることにより、いずれの肺静脈168組織に結ぶ必要なく、左心房152のカニューレ挿入を形成することもできる。
図1を引き続き参照すると、両方の液流モードで、潅流液108は肺動脈インターフェース166から酸素付加器114に流れる。酸素付加器114は外部又は搭載型の源172からガス調節器174及びガスフロー・チャンバ176を通してガスを受け取るが、このガスフロー・チャンバ176は、ガスフローを制御するパルス幅調節ソレノイド弁であっても、あるいは、ガスフロー速度の精確な制御を可能にする他のガス制御装置であってもよい。ガス圧ゲージ178はガス供給172がどれくらい充分であるかを示す視覚的指標を提供するものである。変換器132は同様な情報を制御器150に提供する。制御器150は、例えばセンサ140で測定された潅流液の酸素含有量などに従って、酸素付加器114へのガスフローを自動的に調節することができる。多様な例示的実施態様では、酸素付加器114は、 Sorin
Biomedical社の一部門であるDideco社製造のLiliput 2 でも、あるいはMedtronic社製造のMINIMAX PLUSTMなどの標準的メンブレン酸素付加器である。例示的な実施態様では、前記のガスには、酸素及び二酸化炭素の混合物が含まれる。このような混合物の組成の一例は約85%のO、約1%のCO、残りのNを含有するものである。再酸素付加に続き、酸素付加器114は、潅流液108をレザバ160に戻す。例示的な実施態様では、センサ140は、多波長で当てられた場合に潅流液108で吸収される又は反射される光の量を測定して、光をベースとして酸素飽和度測定値を出す。いくつかの実施態様では、潅流液108は血液生成物ベースであるため、それは赤血球(即ち酸素を運ぶ細胞)を含有するかも知れない。従って、センサ140は、潅流液108のヘマトクリット測定値を示すシグナル145も提供する。代替的な実施態様では、溶液108は合成の血液代替物から形成され、また他の実施態様では、溶液108は、血液生成物を、血液代替生成物と組み合わせて含有していてもよい。
更に、両方の液流モードで、維持溶液116/118の供給及び吸入ポンプ182を含む栄養分サブシステム115は、潅流液108がシステム100を通って流れるとき、そしていくつかの実施態様では、それがレザバ160内にあるときに、ブドウ糖などの栄養分116を潅流液108に吸入する。更に維持溶液116/118は治療薬や、心臓102の虚血及び他の再潅流関連損傷を減らすための保存剤118の供給も含む。
正常流及び逆行流モードの両者を、図24A−26Bを参照しながら以下に更に詳述することとする。
例示的な実施態様では、本システム100を、臓器チャンバ・アセンブリ104内に臓器を導入する前にプライミングする。プライミング中、プライミング溶液(下に解説する)を臓器チャンバ160内に挿入し、システム100を通じてポンプ吸入する。ある用途例では、このプライミングは約5乃至約20分間の時間、行われる。臓器チャンバ・アセンブリ104中のカニューレ挿入用のインターフェース162、166及び170をバイパスして、ドナーの心臓102がなくとも、本システム100を通じて潅流液108が正常流モードで流れるようにする。次に血液(又は合成血液代替物)をレザバ160に充填する。この血液は心臓102の採集中にドナーから瀉血された血液であっても、あるいは、血液型を適合及び交差適合させた保存血から得られた血液であってもよい。こうして本システム100は血液(又は血液代替物)システム100を通じて循環させて、それを加熱し、酸素付加し、そしてろ過する。栄養分、保存剤及び/又は他の治療薬が栄養分サブシステム115の吸入ポンプ182を通じて提供される。プライミング中、操作者インターフェース146を通じて多様なパラメータを初期化及び較正してもよい。システム100が適正に作動していれば、ポンプ速度を低下させるか、あるいはゼロにすることができ、心臓102を臓器チャンバ・アセンブリ104内にカニューレ挿入することができる。その後、ポンプ速度を上昇させることができる。システム100のプライミングを、図29Aのフローチャートを参照しながら以下に更に詳述することとする。
図1に示すように、システム100は、更に複数の伸展性チャンバ184、186及び188を含む。伸展性チャンバ184、186及び188は基本的には、可撓性で弾性の壁面を持つ小型の直列流体アキュムレータであり、液流背圧を提供するなどにより、及び/又は、流速変化及び/又はポンプ106のポンプ吸入などを原因とする液圧スパイクをろ過/減らすことなどにより、本システムが人体内の血流をより精確に模倣できるように支援することで人体の血管伸展性を模倣するようにデザインされている。例示的な実施態様では、伸展性チャンバ184は、液流モード選択バルブ112の出力側112aとレザバ160との間に位置しており、正常流モード中は調節可能なクランプ190と協働して大動脈158に背圧を提供することで、潅流液を冠状静脈洞155に流れ込ませて心臓102に供給する。この例の実施態様では、大動脈158に提供される流体の背圧は、(典型的に約80mmHg乃至約100mmHgの間である)平均大動脈血圧許容可能な生理的範囲内近傍にある約55mmHg乃至約85mmHgの間である。大動脈158に対するこの背圧は、システム100が正常な生理的条件を模倣する助けとなる。伸展性チャンバ186は液流モード選択バルブ112の出力側112bと、臓器チャンバ・アセンブリ104の肺静脈カニューレ挿入用のインターフェース170との間に位置する。この伸展性チャンバ186の主な機能は、左心房154に対して背圧を提供することと、実質的な流体圧スパイクを起こすことなく心臓に血液を送達する潅流器ポンプ106のポンプ作用により生じる圧力/流れのスパイクを滑らかにすることである。例示する実施態様では、左心房152に提供される流体背圧は、正常な生理的条件下での左心房圧とほぼ同じである約0mmHg乃至約約14mmHgである。伸展性チャンバ188は、一方向バルブ310の出力側と、加熱器アセンブリ110の吸入口110aとの間に位置する。この伸展性チャンバ188の主な機能も、潅流液ポンプ106のポンプ作用により生ずる圧力/液流のスパイクを滑らかにすることと、肺動脈164に流体背圧を提供することである。例示する実施態様では、肺動脈164に提供される流体背圧は、(約0mmHg乃至約12mmHgである)平均動脈血圧の許容可能な生理的範囲近傍内である約0mmHg乃至約25mmHである。
伸展性チャンバ184、186及び188は、上述の利点を、それらの大きさ及び形状や、それらのデザインに用いられた材料を通して提供する。伸展性チャンバ184、186及び188は、約20ml乃至約100mlの潅流液108を容れる大きさにされており、またこれらは、潅流液108を受け取り、膨張して圧力スパイクを減衰し、心臓102に対する背圧を提供できるような楕円形状に、成形されている。いくつかの用途では、伸展性チャンバ184、186及び188に用いられる材料は、当該チャンバが約10(可撓性大)乃至約60(可撓性小)のShore A デュラメトリック(原語:durametric) 硬度 (ASTM D2240 00) を有するように選択された少なくとも一種の可撓性メンブレンを含み、いくつかの好適な実施態様では、このチャンバは約30(±約8)乃至約50(±約8)の硬度を有する。例示するこの実施態様では、伸展性チャンバ184は、約50(±約8)のShore A 硬度を有し、伸展性チャンバ186は約30(±約8)のShore A 硬度を有する。例示する実施態様では、伸展性チャンバ188は二重層の構成を有し、内側のチャンバを約50(±約8)のShore A 硬度を有し、外側のスリーブは約30(±約8)の Shore A 硬度を有する。代替的には、この内側のチャンバはより小さい硬度(例えば約30、±約8)の硬度を有することができ、そして外側のスリーブはより高い硬度(例えば約50、±約8)を有することができる。
システム100の作動上の概観を紹介したところで、次に、臓器チャンバ・アセンブリ104、潅流液加熱器アセンブリ110、及び、ポンプ106とインターフェースするポンプ・ヘッドのインターフェース・アセンブリ192を、更に詳述する。図5A−5Fは、図1の例示的な臓器チャンバ・アセンブリ104の多様な図を示す。図5A−5Dに最もはっきり見えるように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、筐体194、外側の蓋196及び中間の蓋198を含む。筐体は、心臓102を容れるための底面194e及び一つ以上の壁面194a−194dを含む。中間の蓋198は筐体194の開口200を覆って心臓102を筐体194内に実質的に封入する。図5E及び5Fに最もはっきりと示すように、中間の蓋198は、フレーム198aと、このフレーム198a内に懸架された可撓性のメンブレン198bを含む。可撓性のメンブレン198bは、好ましくは透明であるとよいが、不透明でも、半透明でも、又は実質的に透明でもよい。ある特徴としては、この可撓性のメンブレンは、筐体195内に収容された心臓102に接触するために充分余分なメンブレン材料を含む。この特徴により、医療上の操作者はメンブレン198bを介して間接的に心臓102に触れる/調べることができたり、あるいは、筐体195の無菌性を維持しながら心臓102にこのメンブレン198bを通じて超音波プローブを印加することができる。メンブレン198bは、例えばポリウレタンなどのいずれかの適した可撓性ポリマ製プラスチックなどから作製できよう。更にメンブレン198bは、一体化された導電性のパッド/接点199a及び199bを有していてもよく、このパッド/接点199a及び199bを通じて、心臓の電気的活性を、電極142及び144などの電極を通じて検出してもよく、及び/又は、パッド/接点199a及び199bを通じて、除細動又はペーシング・シグナルを以下に更に詳述するように送達してもよい。代替的には、接点199a及び199bは、電極142及び144の機能の全部又は一部分を含む電極であってもよい。図5Cに示すように、外側の蓋196は、中間の蓋198とは独立に、中間の蓋198上に開閉する。好ましくは、外側の蓋196は、間接的又は間接的な物理的接触から心臓102を保護するように充分剛性であるとよい。外側の蓋196及びチャンバ194は、更に、ポリカーボネートなどのいずれかの適したポリマ製プラスチックからも作製できよう。
ある実施態様では、筐体194は、2つのヒンジ部分202a及び202bを含み、中間の蓋のフレーム198aは、それぞれ2つの対応する対合するヒンジ部分204a及び204bを含む。筐体194上のヒンジ部分202a及び202bは、中間の蓋のフレーム198a上のヒンジ部分204a及び204bと嵌め合って、中間の蓋198を筐体の開口200上に対して開閉可能にしている。図5D及び5Fに最もはっきり見られるように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、更に、開口200上に中間の蓋198を閉めた状態で固定する2つのラッチ206a及び206bも含む。図5E及び5Fに示すように、このラッチ206a及び206bは、それぞれ筐体194上の壁面194cに付いた一つのラッチ・ヒンジ部分208a及び208bに回転可能に弾性的に嵌め合う。図5A及び5Eに示すように、中間の蓋のフレーム198aも、ヒンジ部分210を含む。このヒンジ部分210は、外側の蓋196上の対合するヒンジ部分212と回転可能に弾性的に嵌め合うため、中間の蓋198を開けなくとも、外側の蓋196を開けることができる。図5B、5D及び5Fに最も良好に示すように、外側の蓋196は、ラッチ206a及び206bが中間の蓋のフレーム198aの端部216を把持できるように2つの切り抜き部214a及び214bを更に含む。図5B、5D及び5Fに示すように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、更に、筐体194の壁面194cに付いたヒンジ部分220に回転可能に弾性的に嵌め合うラッチ218を含む。作用時、このラッチ218は、外側の蓋196の端部225上のタブ221に係合して、この外側の蓋196を中間の蓋198上に閉まった状態に固定する。
図5E及び5Fに最もはっきり示すように、中間の蓋は2つのガスケット198c及び198dも含む。外側の蓋196を閉めると、ガスケット198dは中間の蓋のフレーム198aの周辺と外側の蓋196の周辺との間に適合することで、この中間の蓋198と外側の蓋196との間に流体封止を形成する。中間の蓋198を閉めると、ガスケット198cが筐体194の外側縁部194fと中間の蓋のフレーム198aとの間に適合することで、中間の蓋198と筐体194の周辺部194fとの間で流体封止を形成する。
選択的には、臓器チャンバ・アセンブリ104は、筐体194の内側底面194g上に適合する大きさ及び形状にされたパッド222又はサック・アセンブリを含む。好ましくは、このパッド222は、輸送中の機械的振動及び衝撃から心臓102を緩衝するために充分弾性な材料、例えば独立気泡フォームなど、から形成される。ある特徴としては、パッド222は、図1の電極142及び144など、一対の電極を調節可能に配置するための機構を含む。例示の実施態様では、この機構は、電気リード線をパッド222の下側からパッドの心臓接触表面上の対応する電極142及び144まで通過させる貫通孔224a及び224bを含む。電気リード線をパッド222から電極142及び144まで通すことにより、多様な大きさの心臓に合わせて、パッド222内で電極142及び144を調節可能に配置することができる。他の実施態様では、この機構に、限定はしないが、一つ以上の様々な方向を向いたスロット、くぼみ、突出、貫通孔、部分的に貫通した孔、フック、はとめ、スナップ、接着性パッチ等を含めてもよい。いくつかの実施態様では、パッド222を、このパッド222内に電極を挿入できるように一つ以上のスリーブ様構造と一緒に構成して、パッド222のメンブレン様表面を電極と心臓102との間の配置するようにしてもよい。
いくつかの例示的な実施態様では、パッド222をパッド・アセンブリとして構成し、この場合のアセンブリに、パッド222内又はパッド222上に調節可能に配置した、電極142及び144などの一つ以上の電極を含める。ある利点としては、本発明のパッド/電極という構成により、電極を心臓102に一時的もしくは永久的に縫い付けたり、あるいは機械的に接続たりすることなく、電極と、パッド222上に配された心臓102との間の接触を容易に行わせることができる。心臓102自体の重量も、輸送中に電極を安定させる助けとなる。例示の実施態様では、電極142及び144は、心臓からの一つ以上の電気的シグナルを観察する一つ以上のセンサ、及び/又は、心臓に電気的シグナルを提供する除細動器、を含む。図1及び5Cに示すように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、それぞれ筐体194の壁面194b内に開いた開口234a−234bに取り付けられる電気的インターフェース接続部235a−235bを含む。非使用時にこの電気的インターフェース接続部235a−235bを保護するカバー226が設けられる。
図15を参照しながら以下に更に詳述するように、インターフェース接続部235a及び235bは電極142及び144からのECGシグナルなどの電気的シグナルを、筐体194の外へ、例えば制御器194及び/又は操作者インターフェース146などへ、接続する。図22Aを参照しながら更に以下に詳述するように、インターフェース接続部235a及び235bを更に除細動源に接続してもよく、除細動源は、外部の装置を提供しても、あるいはシステム100の回路内にしてもよいが、この除細動源は、除細動又はペーシング・シグナル143を電極142及び144を通じて心臓102に送ることのできるものである。
図5E及び5Fに最もはっきり示すように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、インターフェースの開口232に取り付けられる解放可能なメンブレン・インターフェース230を含む。インターフェース230は、フレーム230aと、このフレーム230a内に取り付けられた解放可能なポリマ製メンブレン230bとを含む。メンブレン230bを、シリコーン又はいずれか他の適したポリマから作製してよい。作動時、必要な場合は、チャンバの蓋196及び198を開ける必要なく、インターフェース230を用いてペーシング・リード線を心臓102に提供する。メンブレン230bはこのペーシング・リード線周囲を封止することで、心臓102回りの密閉環境を維持する。メンブレン230bはまた、ペーシング・リード線の除去に応答して再封止する。
図5A及び5Bに示すように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、大動脈インターフェース162、肺動脈インターフェース166及び肺静脈インターフェース170を受け取るための開口228a−228cを、図1−4に関して上述した通りに、そして図24A−28Cに関して下に解説するように、含む。図5Dに示すように、臓器チャンバ・アセンブリ104は、更に、潅流液108を筐体から抜いてレザバ160に戻すためのドレイン201と、臓器チャンバ・アセンブリ104を頓用モジュール(図19Aの634で示す)に取り付けるための取付用受口203A−203dとを含む。
図6A−6Fは、図1の潅流液加熱器アセンブリ110の多様な図面を示す。図6A及び6Bに示すように、加熱器アセンブリ110は、吸入口110a及び吐出口110bを有する筐体234を含む。図6Dの長手方向横断面図と図6Eの横方向横断面図の両者に示すように、加熱器アセンブリ110は、吸入口110a及び吐出口110bの間に伸びる流路240を含む。加熱器アセンブリ110を、上側236及び下側238の対称な半分部分を有するものとして概念化してもよい。従って、上側半分のみを図6Fの分解図で示す。
図6D−6Fを参照すると、流路240は第一242及び第二244流路プレート間に形成される。吸入口110aは潅流液を流路240に流し入れ、吐出口110bは潅流液を加熱器110から吐出する。第一242及び第二244流路プレートは、流路240を通って流れる潅流液の直接的な接触を提供する、実質的に生体不活性な潅流液108接触表面(この表面は、いくつかの実施態様では血液生成物を含有していてもよい)を有する。この流体接触表面は、プレートを処理又は被膜形成することにより形成しても、あるいはプレート表面自体であってもよい。加熱器アセンブリ110は、それぞれ第一及び第二電気加熱器246及び248を含む。第一加熱器246は、第一加熱器プレート250に隣接して配置されて熱をこのプレートに接続する。すると第一加熱器プレート250はこの熱を第一流路プレート242に接続する。同様に、第二加熱器248は、第二加熱器プレート252に隣接して配置されて熱をこのプレートに接続する。第二加熱器プレート252は熱を第二流路プレート244に接続する。例示の実施態様では、第一250及び第二252加熱器プレートは、アルミニウムなど、それぞれ第一246及び第二248電気加熱器からの熱を比較的に均一に伝導し、分散させる材料から形成される。加熱器プレート250及び252による均一な熱分散により、流路プレートを、チタンなどの生体不活性な材料から形成することができ、その熱分散特性に関する懸念を減らすことができる。
図6E及び6Fを特に参照すると、加熱器アセンブリ110は、それぞれ流路プレート242及び244を筐体234に対して流体封止して流路240を形成するためのOリング254及び256を更に含む。
加熱器アセンブリ110は更に第一アセンブリ・ブラケット258及び260を含む。アセンブリ・ブラケット258は加熱器アセンブリ110の上側236上で、電気加熱器246の周辺上に取り付けられることで、加熱器246、加熱器プレート250及び流路プレート242を、このアセンブリ・ブラケット258と筐体234との間で挟み込む。ボルト262a−262jが、ブラケット258、電気加熱器246、加熱器プレート250及び流路プレート242に開いた対応する貫通孔に嵌め合い、対応するナット264a−264j内に螺合することで、これらの部品のすべてを筐体234に固定する。アセンブリ・ブラケット260は、加熱器248、加熱器プレート252及び流路プレート244を筐体234に固定するのと同様な態様で、加熱器アセンブリ110の底面238に取り付けられる。弾性のパッド268はブラケット258の周囲内に適合する。同様に、弾性のパッド270はブラケット268の周囲内に適合する。ブラケット272はパッド268上に適合する。ボルト278a−278fは、ブラケット272のそれぞれ孔276a−276f内に嵌め合い、ナット280a−280fに螺合することで、弾性のパッド268を加熱器246に向かって圧縮して、加熱器プレート250に対してより効率的な熱伝達を提供する。弾性のパッド270はブラケット274により同様な態様で加熱器248に向かって圧縮される。
図1に関して言及したように、そして図6Aに示すように、図示の加熱器アセンブリ110は、温度センサ120及び122並びに二重センサ124を含む。二重センサ124は実際には障害許容を提供する二重サーミスタを含み、加熱器アセンブリ110を出てくる潅流液108の温度を測定し、これらの温度を制御器150に提供する。図13の加熱サブシステム149に関して下に更に詳述するように、センサ120、122及び124からのシグナルをフィードバック・ループで用いて、第一246及び/又は第二248加熱器への駆動シグナルを制御することで、加熱器256及び248の温度を制御してもよい。加えて、加熱器プレート250及び252、ひいては加熱器プレート250及び252の血液接触表面242及び244が、潅流液を損傷しかねない温度に達することがないように、図示の加熱器アセンブリ110は、それぞれ加熱器246及び248の温度を観察すると共に制御器150にこれらの温度を提供する温度センサ/リード線120及び122を更に含む。実際には、センサ/リード線120及び122に取り付けられるセンサはRTD (抵抗温度装置)ベースである。 図13に関して更に詳述するように、センサ/リード線120及び122に取り付けられたセンサからのシグナルを、フィードバック・ループで用いて第一246及び/又は第二248加熱器への駆動シグナルを更に制御することで、加熱器プレート250及び252の最大温度を制限してもよい。障害時の保護として、一方が故障した場合に他方のセンサでの温度で本システムが作動できるように、加熱器246及び248のそれぞれにセンサがある。
図13について以下に更に詳述するように、加熱器アセンブリ110の加熱器246は制御器150から駆動シグナル281a及び281b(まとめて281)を対応する駆動リード線282aに受け取る。同様に、加熱器248は制御器150から駆動シグナル283a及び283b(まとめて283)を駆動リード線282bに受け取る。駆動シグナル281及び283は、各加熱器246及び248への電流を制御しひいては各加熱器246及び248により生じる熱を制御する。より具体的には、図7に示すように、駆動リード線282aは、加熱器246の抵抗素子286に接続するハイ・ペア及びロー・ペアを含む。抵抗素子286を通じて提供される電流が大きい程、抵抗素子286は熱くなる。加熱器248は駆動リード線282bに関しても同じ態様で作動する。図示の実施態様では、素子286は、約5オームの抵抗を有する。しかしながら、他の例示的な実施態様では、この素子は約3オーム乃至約10オームの間の抵抗を有していてもよい。図11及び13について以下に更に詳述するように、加熱器246及び248を、プロセッサ150により個別に制御してもよい。
例示的な実施態様では、部品を収めている加熱器アセンブリ110は、ポリカーボネートなどの成型プラスチックから形成され、約1ポンド未満の重さである。より具体的には、筐体234並びにブラケット258、260、272及び274はすべて、ポリカーボネートなどの成型プラスチックから形成される。別の特徴としては、加熱器アセンブリは頓用使い捨てアセンブリである。
作用時、図示の加熱器アセンブリ110は、約1ワット乃至約200ワットの電力を用い、流路240を流れる潅流液108を、約300ml/分乃至約5L/分の流速で、約30℃未満の温度乃至少なくとも約37℃の温度で、約30分未満、約25分未満、約20分未満、約15分未満、又は更に約10分未満で、細胞の溶血を起こしたり、あるいは、たんぱく質を変性させたり、あるいは潅流液のいずれかの血液生成物部分を損傷することなく、移行させるような大きさ及び形状である。
ある特徴としては、加熱器アセンブリ110は、ポリカーボネートから形成されると共に約5ポンド未満の重さである筐体234並びにブラケット258、260、272及び274などの収容部品を含む。他の実施態様では、加熱器アセンブリの重さは、約4ポンド未満、約3ポンド未満、約2ポンド未満、又は約1ポンド未満ですらあってもよい。例示する実施態様では、加熱器アセンブリ110は、吸入口110a及び吐出口110bを含めずに約6.6インチの長さ288を有し、約2.7インチの幅290を有する。加熱器アセンブリ110は、約2.6インチの高さ292を有する。加熱器アセンブリ110の流路240は、約1.5インチの公称幅296、約3.5インチの公称長さ294、及び約0.070インチの公称高さ298を有する。高さ298及び幅296は、潅流液108が流路240を通過するときにそれが均一に加熱されるように選択される。高さ298及び幅296も、流路240の横断面積が、潅流液108を加熱器アセンブリ110内に運ぶ、及び/又は、加熱器アセンブリ110から運び出す流体導管の内側横断面積にほぼ等しくなるように、選択される。 ある構成では、高さ298及び幅296は、流路240内の横断面積が、吸入側流体導管792(図25Cを参照しながら下に示す)の内側横断面積にほぼ等しくなる、及び/又は、吐出側流体導管794(図24Eを参照しながら下に示す)の内側横断面積に実質的に等しくなるように、選択される。
突起部257a−257d及び259a−259dが加熱器アセンブリ110に含まれ、加熱器アセンブリを多重使用ユニット650(図20Aで参照)に結合するための熱活性化接着剤を受容するために用いられる。
図8A−8Cは、本発明のある例示的な実施態様に基づくポンプ・インターフェース・アセンブリ300の様々な図面を示す。図9は、図1の潅流液ポンプ・アセンブリ106のポンプ−駆動装置側から見た透視図を示し、そして図10は、本発明のある例示的な実施態様による潅流液ポンプ・アセンブリ106のポンプ−駆動装置側に対合させたポンプ・インターフェース・アセンブリ300を示す。図8A−10を参照すると、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、外側側面304及び内側側面306を有する筐体302を含む。このインターフェース・アセンブリ300は、吸入口308及び吐出口310を含む。図8Bの底面図及び図8Cの分解図に最もはっきりと示すように、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、内側312及び外側314のOリング・シールと、二つの変形可能なメンブレン316及び318と、ドーナツ型のブラケット320と、前記のOリング314及びブラケット320の間に適合するハーフ・リング319a及び319bとを含む。ハーフ・リング319a及び319bは、フォーム、プラスチック又は他の適した材料から作製されてもよい。
内側のOリング312は、内側側面306の周辺に沿った環状の軌道に適合する。第一の変形可能なメンブレン316は、筐体302の内側側面306と流体密に相互接続した状態で内側のOリング312に取り付けられることで、第一の変形可能なメンブレン316の内側側面と、筐体302の内側側面306との間で、チャンバを形成する。第二の変形可能なメンブレン318は、第一の変形可能なメンブレン316の上に適合することで、第一の変形可能なメンブレン316が破れる又は裂けた場合の障害許容を提供する。例を挙げると、変形可能なメンブレン316及び318は、薄いポリウレタン・フィルム(約0.002インチ厚)から形成される。しかしながら、いずれの適した厚さのいずれの適した材料を用いてもよい。図8A及び8Bを参照すると、ブラケット320は第二の変形可能なメンブレン318上に取り付けられ、リング319a及び319bは、筐体302に、内側側面306の周辺に沿って固定される。ねじ付き留め具322a−322iがブラケット320を筐体302に、ブラケット320のねじ筋の切ってある開口324a−324iを通じて取り付ける。図8Bに示すように、外側のOリング314は、ポンプ・アセンブリ106との流体封止を提供するためにブラケット320の環状の溝に適合する。Oリング314をこのブラケット320の環状の溝に挿入する前に、ハーフ・リング319a及び319bを溝内の定位置に置く。次にOリング314を圧縮してブラケット320の環状の溝内に配置する。環状の溝内に配置後、Oリング314はこの溝内で膨張して、それ自体並びにハーフ・リング319a及び319bを定位置で固定する。
ポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、更に、その外側側面304から突出する熱かしめ点321a−321cを含む。図21A−21C及び24A−24Cを参照して以下に更に詳述するように、この点321a−321cは、熱い接触剤を受容してポンプ・インターフェース・アセンブリ300を頓用使い捨てモジュール・シャシ635のC型ブラケット656に熱かしめる。
図8Cに示すように、流体の吐出口310は、吐出口筐体310a、吐出口管継手310b、液流調節ボール310c及び吐出口ポート310dを含む。ボール310cは吐出口ポート310d内に適合するが、吐出口310の内側開口326を通過しないような大きさである。管継手310bは、吐出口ポート310dに(例えばエポキシ又は別の接着剤により)接着されて、ボール310cを内側開口326と管継手310bとの間で捕らえる。吐出口筐体310aも同様に管継手310bに接着される。
作用時、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、潅流液ポンプ・アセンブリ106のポンプ駆動装置334からのポンプ力を受け取ってこのポンプ力を潅流液108に並進させることで、潅流液108を臓器チャンバ・アセンブリ104に循環させるように位置合わせされる。この例示する実施態様では、潅流液ポンプ・アセンブリ106は、(図9を参照しながら以下に更に詳述される)駆動装置334を有する、メンブレン318に接触する拍動性ポンプを含む。流体の吸入口308は、変形可能なメンブレン316及び318から遠ざかる方向で運動するポンプ駆動装置に応答して、レザバ160などから潅流液108を吸い込んで、この流体を、内側メンブレン316と筐体302の内側側面306との間に形成されたチャンバに提供することで、このメンブレン316及び318を同じ方向に変形させる。ポンプ駆動装置が変形可能なメンブレン316及び318から遠ざかる方向に運動すると、レザバ160内の流体108の圧力頭により、潅流液108がレザバ160からポンプ・アセンブリ106内に流れ込む。この際、ポンプ・アセンブリ106、吸入口バルブ191及びレザバ160は、潅流液108をポンプ・アセンブリ106に自然送りする向きになる。と同時に、液流調節ボール310cが開口326に引っ張られて、潅流液108も吐出口310を通じてチャンバ内に引き込まれることが妨げられる。吐出口バルブ310及び吸入口バルブ191は図示の実施態様では一方向バルブであるが、代替的な実施態様ではこれらのバルブ310及び/又は191は二方向バルブであることに留意されたい。ポンプ駆動装置334が変形可能なメンブレン316及び318に向かう方向で運動することに応答して、液流調節ボール310cは管継手310bに向かって動いて内側開口326を開口させるため、吐出口310は、潅流液108を、筐体302の内側側面306と変形可能なメンブレン316の内側側面との間に形成されたチャンバの外に吐出することができる。図1ではレザバ160と吸入口308との間に示す別の一方向吸入口バルブ191は、流体液が吸入口308から吐出されてレザバ160に戻ることを制止する。
図18A−27Bを参照して以下に更に詳述するように、いくつかの実施態様では、臓器管理システム100は、機械的には、頓用使い捨てユニット(図19A−19C及び24A−25Cで634と示す)と使い捨てではない多重使用ユニット(図20Aで650と示す)とに分割する。このような実施態様では、ポンプ・アセンブリ106が多重使用モジュール650に固定的に取り付けられ、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300が頓用使い捨てモジュール634に固定的に取り付けられる。ポンプ・アセンブリ106及びポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、互いに対合させると2つのアセンブリ106及び30間で流体封止を形成させられる対応する相互鎖錠接続を有する。
より具体的には、図9の透視図に示すように、潅流液ポンプ・アセンブリ106は、上面340を有するポンプ駆動装置筐体338と、この筐体338のシリンダ336内に収容されたポンプ駆動装置334とを含む。ポンプ駆動装置筐体338は更に、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300から突出するフランジ328と対合する大きさ及び形状とされたスロット332を含む結合ポート342を含み。図10に示すように、ポンプ駆動装置筐体338の上面340は、使い捨てではない多重使用モジュールユニット65上のブラケット346に取り付けられる。このブラケット346は、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300のそれぞれ先細りになった突起部323a及び323bと当接する特徴344a及び344bを含む。更にブラケット346は、結合ポート342と、ポンプ駆動装置筐体338のスロット332と位置合わせできる大きさ及び形状にされた切り欠き部330を含む。
作動上、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300と流体ポンプ・アセンブリ106との間の封止は、図9及び10して実例を挙げる2段階で形成される。一番目の段階では、フランジ328を結合ポート342内に配置し、先細りになった突起部323a及び323bを、ブラケット346上の対応する特徴344a及び344bに隣り合った時計方向の側面に配置する。二番目の段階では、図9の矢印345、347及び349に示すように、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300及び流体ポンプ・アセンブリ106を反対方向に回転させる(例えばポンプ・インターフェース・アセンブリ300を反時計方向に回転させつつ、ポンプ・アセンブリ106は固定したまま保持するなど)ことで、フランジ328は結合ポート342のスロット332内に摺動させる。同時に、先細りになった突起部323a及び323bは、それぞれブラケットの特徴344a及び344b下で摺動して、ブラケットの特徴344a及び344bの内側表面を、先細りになった突起部323a及び323bの先細りになった外側表面と係合させることで、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300の内側側面306をポンプ駆動装置334に向かって引っ張ると共に、フランジ328を結合ポート342と、そして先細りになった突起部323a及び323bをブラケットの特徴344a及び344bと相互鎖錠して、2つのアセンブリ300及び106間で流体封止を形成する。
例示的な臓器管理システム100をシステム上、作動上及び部品上の観点から解説したところで、システム100の作動を達成するための例示的な制御システム及び方法を次に論じる。より具体的には、図11は、システム100の例示的な制御スキームのブロック図を示す。図1を参照して上述したように、システム100は、システム100の作動を制御する制御器150を含む。図示するように、制御器150は以下の6つのサブシステムと相互作動的に接続する:本システム100を監視及び制御する上で、かつ、心臓102の状態を監視する上で操作者を支援する操作者インターフェース146;多種のセンサを有し、心臓102及び本システム100に関するデータを得ると共に制御器150に該データを運ぶデータ獲得サブシステム147;障害許容電力を本システム100に提供する電力管理サブシステム148;制御されたエネルギを、潅流液108を暖める加熱器110に提供する加熱サブシステム149;本システム100の作動及び心臓102に関するデータを記憶し、維持するデータ管理サブシステム151;及び、本システム100を通じた潅流液108のポンプ注入を制御するポンプ・サブシステム153.本システム100は単一の制御器150に関して概念的に解説されているが、本システム100の制御を複数の制御器又はプロセッサに分散させてもよいことに留意されたい。例えば、解説されたサブシステムのいずれか又は全ては、専用のプロセッサ/制御器を含んでいてもよい。選択的には、多様なサブシステムの専用のプロセッサ/制御器を中央の制御器/プロセッサに通信及び中継させてもよい。
図12−17Jは、図11の多様なサブシステムの相互作動を示す。図12のブロック図をまず参照すると、データ獲得サブシステム147は、本システム100及び心臓102がどのように機能するかに関する情報を得ると共に、本システム100によるプロセッシング及び使用に向けて制御器150にその情報を通信するセンサを含む。図1に関して解説したように、サブシステム147のセンサには、限定はしないが、温度センサ120、122及び124;圧力センサ126、128、及び130;流速センサ 134、136及び138;酸素付加/ヘマトクリット・センサ140;並びに電極142及び144が含まれる。データ獲得サブシステム147は更に:潅流ポンプ・アセンブリ106からの一組のHallセンサ388及びシャフト・エンコーダ390;それぞれ電池352a−352cが充分に充電されているかどうかを検出する電池センサ362a−362c;外部AC電力を利用できるかどうかを検出する外部電力利用可能なセンサ354;操作者インターフェースのモジュール電池の充電状態を検出する操作者インターフェース・モジュール電池センサ370;及びガス流チャンバ176からのガス流を検出するガス圧センサ132を含む。本システム100がデータ獲得サブシステム147からの情報をどのように用いるかについてを、それぞれ図13−17Jに更に詳しく示す加熱149、電力管理148、ポンプ注入153、データ管理151、及び操作者インターフェース146サブシステムを参照しながら以下に解説する。
加熱サブシステム149を図13のブロック図に示す。更に図1も続けて参照すると、加熱サブシステム149は、本システム100内の潅流液108の温度を、二重フィードバック・ループ法を通じて制御する。第一のループ251(潅流液温度ループ)では、潅流液温度サーミスタ・センサ124が2つの(障害許容)シグナル125及び127を制御器150に提供する。このシグナル125及び127は、潅流液108が加熱器アセンブリ110を出るときのその温度を示すものである。制御器150は、それぞれ駆動装置247及び249への駆動シグナル285及び287を調節する。駆動装置247及び249は、この制御器150からの対応するデジタル・レベルのシグナル285及び287を、潅流液108を操作者の選択した温度範囲内まで加熱するために第一246及び第二248加熱器を駆動するのに充分な電流レベルを有する、それぞれ加熱器駆動シグナル281及び283に変換する。潅流液温度125及び127が操作者の選択した温度範囲未満であることを制御器150が検出したことに応答して、それは、それぞれ第一246及び第二248加熱器に対する駆動シグナル281及び283を、潅流液108を引き続き加熱するのに充分なレベルに設定する。反対に、潅流液温度125及び127が操作者の選択した温度範囲を超えることを制御器150が検出したことに応答して、それは、第一246及び第二248加熱器に対するそれぞれ駆動シグナル281及び283を減少させる。潅流液108の温度が操作者の選択した温度範囲内であることを検出したことに応答して、制御器150は駆動シグナル281及び283を一定又は実質的に一定なレベルに維持する。
好ましくは、制御器150が駆動シグナル281及び283を実質的に同じ態様で変更するとよい。しかしながら、これが必ずしも当てはまらない場合がある。例えば、各加熱器246及び248は、特定の電流又は電圧レベルの駆動シグナルに対して異なる応答をしてもよい。このような場合、制御器150は、それぞれから同じ温度を得るために、各加熱器246及び248を僅かに異なるレベルで駆動するかも知れない。ある特徴としては、加熱器246及び248はそれぞれ関連する較正因数を有するが、この較正因数を制御器150は記憶し、特定の駆動シグナルのレベルを決定する際に用いて、特定の加熱器に提供して特定の温度結果を達成しようとする。いくつかの構成では、制御器150は、二重センサ124のサーミスタのうちの一つをデフォルト・サーミスタに設定し、サーミスタが二つの異なる読み取り値を出した場合にこのデフォルト・サーミスタからの温度読み取り値を用いるであろう。いくつかの構成では、温度読み取り値が所定の範囲内である場合、制御器150は2つの読み取り値の高い方を用いる。駆動装置247及び249は加熱器駆動シグナル281及び283を、加熱器アセンブリ110の対応する駆動リード線282a及び282bに適用する。
第二のループ253(加熱器温度ループ)では、加熱器温度センサ120及び122は、それぞれ加熱器246及び248の温度を示すシグナル121及び123を制御器150に提供する。図示の実施態様では、加熱器246及び248の温度がそれを超えて上昇することを許されない温度天井が加熱器246及び248に(例えばデフォルトにより、又は操作者の選択により)確定される。加熱器246及び248の温度が上昇してこの温度天井に近づくと、センサ121及び123がこのことを制御器150に示し、すると制御器150は、加熱器246及び248への駆動シグナル281及び283を降下させて、加熱器246及び248への電力供給を減少又は停止する。このように、潅流液温度センサ124からの低温シグナル125又は127が、制御器150に加熱器246及び248への電力を増加させることができる一方で、高温センサ120及び122は、加熱器246及び248が、それらの各加熱器プレート250及び252が潅流液108を損傷するほど熱くなるまで駆動されることはないように確実にするものである。多様な例示的実施態様では、制御器150は、潅流液温度を約32℃乃至約37℃の間に、又は約34℃乃至約36℃の間に維持するように、設定される。更なる実施態様では、制御器150は、加熱器プレート250及び252の最大温度を約38℃、39℃、40℃、41℃、又は42℃未満に制限するように設定される。
図示のように、必要に応じ、加熱器246及び248が許容最大温度に達しつつあることを示す温度センサ120及び122からの温度読み取り値が、潅流液温度センサ124からのいずれの低温シグナルの効果もオーバーライドするように、第二のループ253が第一のループ251をオーバーライドするように構成される。この観点では、サブシステム149は、潅流液108の温度が操作者の選択する温度値に達していなくても、加熱器プレート250及び252の温度が最大許容温度を超えて上昇することがないように確実にするものである。このオーバーライドという特徴は、故障の場合に特に重要である。例えば潅流液温度センサ124が両者とも故障した場合、第二のループ253が、制御を加熱器温度センサ120及び122のみに切り換えて温度設定ポイントをより低い値に低下させることにより、加熱器アセンブリ110を過熱したり、潅流液108を損傷したりしないように制止する。ある特徴では、制御器150は、温度制御の動的応答を最適化するために、加熱器246及び248並びに潅流液108からの温度測定値に関連するずれに指定した2つの時間定数を考慮に入れる。
図14は、本システム100に障害許容電力を提供する電力管理システム148のブロック図を示す。図示のように、本システム100には、4つ − 外部AC電源351(例えば 北アメリカでは60 Hz、120 VAC、あるいはヨーロッパでは50Hz、230 VAC)の電源のうちの一つ、あるいは3つの個別の電池352a−352cのうちのいずれかから電力供給してもよい。制御器150は、AC電圧351をシステム100が利用できるかどうかを示すACライン電圧利用可能性センサ354からデータを受け取る。AC電圧351が利用可能でないことを検出した制御器150に応答して、制御器150は、電力切換回路系356にシグナルを送って、電池352a−352cの一つからシステム電力高358を提供する。制御器150は電池充電センサ362a−362cから、利用可能な電池352a−352cのうちのどれが最も充分に充電されているかを判断した後、切換網356を通じて切換を行ってその電池を作動させる。
反対に、外部AC電圧351が利用可能であることを制御器150が検出すると、この利用可能なAC電圧351(例えば整流後に)を、システム電力358を提供するのに、そして使用者インターフェース・モジュール146に電力を提供するのに、電池352a−352cのうちの一つ以上を充電するのに、及び/又は、それ自体の内部充電器及び充電制御器を有する使用者インターフェース・モジュール146の内部電池368を充電するのに、用いるべきかどうかを判断する。利用可能なAC電圧351を用いるために、制御器150は、切換システム364を通じてシグナルを送ることで、AC電圧351を電源350に引き込む。電源350はAC電圧351を受け取ると、システム100に電力を提供するためにそれをDC電流に変換する。電源350は汎用であり、世界中で共通に用いられているいずれの線周波数又は線電圧も操作することができる。例示する実施態様では、更に制御器150は、電池センサ362a−362cのうちの一つ以上が低電池を示したことに応答して、切換網364及び充電回路366を通じて電力を適した電池に差し向ける。制御器150が低電池シグナルをセンサ370から受け取ると、これに応答して更に、又は代替的に、充電用電圧367を使用者インターフェース電池368に差し向ける。別の特徴としては、電力管理サブシステム148は、本システム100に電力供給する電池を、最も充電されていないものを最初にし、最も充電されている電池を後にとっておく順番で選択していく。もしシステム100に電力供給するために現在用いられている電池が使用者により取り外された場合は、電力管理サブシステム148は、システム100に引き続き電力供給するために、次に充電の少ない電池に自動的に切り換える。
別の特徴としては、電力管理サブシステム148は、ロックアウト機構を利用して、電池352a−352cのうちの二つ以上がシステム100から一度に取り外されてしまうことを防ぐ。一つの電池が取り外されたら、その他の2つがシステム100内の位置に機械的に固定される。この点では、該システム148は、電源358が常にシステム100にとって確実に利用可能であるように支援するレベルの障害許容を提供するものである。
図11のポンプ注入サブシステム153を、図15及び16を参照しながら以下に更に詳述することとする。より具体的には、図15は、例示的なポンプ注入サブシステム153を示す概念的なブロック図であり、図16は、サブシステム153によるポンプ出力を示す波形385例と同期させた心臓102の例示的なECG414を示す。図16に示すECG414はP、Q、R、S、T、及びUピークを有する。ポンプ注入サブシステム153は、図8A−10を参照して上に更に詳述したように、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300に相互作動的に接続させた潅流液ポンプ106を含む。図15に示すように、制御器150は、駆動シグナル399をブラシレス三相ポンプ・モータ360にHall Sensorフィードバックを用いて送ることにより、ポンプ注入サブシステム153を作動させる。この駆動シグナル339により、ポンプ・モータ・シャフト337が回転させられることで、ポンプ・スクリュー341がポンプ駆動装置334及び上及び/下に向かって運動させる。例示する実施態様では、駆動シグナル339を制御して、モータ・シャフト337の回転方向及び回転速度を変更することで、ポンプ駆動装置334を周期的に上下運動させる。この周期的な運動により、潅流液108がシステム100に注入される。
作用時、制御器150は、ポンプ・モータ・シャフト337内に一体に配置されたHallセンサ388から第一のシグナル387を受け取って、モータの巻上げ電流を整流する目的で、ポンプ・モータ・シャフト337の位置を示す。制御器150は、シャフト・エンコーダ・センサ390から、ポンプ・スクリュー341の精確な回転位置を示す第二のより分解能の高いシグナル389を受け取る。制御器150は、現在のモータ整流相位置387及び現在の回転位置389から、適した駆動シグナル339(振幅及び極性の両者)を計算して、モータ・シャフト337の必要な回転変化を起こさせて、ポンプ・スクリュー341に適した垂直位置変化を起こさせ、所望のポンプ作用を達成する。制御器150は、駆動シグナル339の振幅を変更することにより、ポンプ速度(即ちポンプ注入サイクルがどれくらい頻回、繰り返されるか)を変え、また回転方向変化を変えることにより、制御器150は、ポンピング・ストローク量(例えばポンプ駆動装置334が一回のサイクル中にどれほど遠くまで動くかを変えることなどにより)を変えることができる。一般的に言って、周期的なポンピング速度により、潅流液108が心臓102に提供される拍動速度が調節され、他方(決まった速度では)ポンピング・ストロークにより、心臓102に提供される潅流液108の量が調節される。
速度及びストローク量の両者が、心臓102に行き来する潅流液の流速に影響し、そして間接的にはその圧力に影響する。図1に関して言及したように、本システムは、三つの流速センサ134、136及び138と、三つの圧力センサ126、128及び130とを含む。図15に示すように、センサ134、136、及び138は、対応する流速シグナル135、137及び130を制御器150に提供する。同様に、センサ126、128及び130は対応する圧力シグナル129、131及び133を制御器150に提供する。制御器150はこれらのシグナルの全てをフィードバックで利用して、それが潅流ポンプ106に提供しているコマンドが、システム100に対して所望の効果を確実に有するようにする。場合によっては、そして図17A−17Jを参照して以下に更に詳述するように、制御器150は、ある特定の流速又は流体圧力が許容可能な範囲を外れたことを示すシグナルに応答して様々な警報を発生してもよい。加えて、複数のセンサを利用することにより、制御器150は、システム100の機械的な問題(例えば導管の破断)と心臓102の生体上の問題とを区別することができる。
本発明の特徴の一つによれば、ポンプ注入システム153を、ポンピング周期の各モーメント中にポンプ駆動装置334の位置を制御してポンピング速度及び容量プロファイルを微調整できるように、構成してもよい。すると、ポンプ・システム153が潅流液108を心臓に所望の拍動パターンで供給できるようになる。ある例示的な実施態様では、シャフト337の回転位置がシャフト・エンコーダ390により検出され、1回の回転毎に少なくとも約100増分ずつ、制御器150により調節される。別の例示的な実施態様では、シャフト337の回転位置はシャフト・エンコーダ390により検出され、1回の回転毎に少なくとも約1000増分ずつ、制御器150により調節される。更なる例示的な実施態様では、シャフト337の回転位置はシャフト・エンコーダ390により検出され、1回の回転毎に少なくとも約2000増分ずつ、制御器150により調節される。ポンプねじ341、ひいてはポンプ駆動装置334の垂直位置は、ポンプねじ341の基準位置に相当するゼロ又は地上位置に当初、較正される。
例示的な実施態様では、ポンプ・サブシステム153の位置上の精確さにより、制御器150は潅流液108の心臓102を通じたポンプ注入を精確に調節することができる。潅流液の拍動性の流れを心臓の自然な速度に同調させるというこの過程を、ここでは、図2、15、及び16を引き続き参照しながら解説する「r波同調」と呼ぶ。正常に機能している心臓は拡張期及び収縮期という2相の拍出周期を有する。「休止期」としても知られる拡張期では心臓の心房157及び152は収縮することで、心房157及び152の間、そして心室154及び156の間で弁が開いて血流が心室154及び156に流入して負荷を加える。収縮期では、負荷を加えられた心室が血液を噴出し、心房157及び152が開放して血液で満たされる。この過程の間、心臓102の周期的拡張及び収縮は、心臓の図16の414に示す心室のECG波形をグラフにすることで表すことができる。図16は、サブシステム153によるポンピング出力を表した例示的な波385と同調させた該ECG波形414を示す。
ポンピング・サブシステム153は、潅流液108の心臓102への送達が最も有利な時点で起きるような時点で最大出力を提供するように構成される。図示の実施態様では、ポンピング・サブシステム153は、逆行モードにおいては、最大ポンプ出力382が、図16に示すSピーク後に始まると共に左心室156が大動脈158を通じて潅流液108を噴出し終える時点である心臓の拡張期中に起きるように、潅流液108を心臓102にポンプ注入するように構成される。このようにポンプ出力をタイミング調整することにより、使用者は、大動脈158を通じた冠状静脈洞155への潅流液108の注入を最大にすることができる。タイミング調節されたポンプ注入は、時点382よりも前の時点であると共に、心臓のr波パルス380のピークと心室収縮期間の中間点とに相当する波385上の時点377でポンプ注入を開始することにより、このようなタイミング調整されたポンプ注入が達成される。時点377は、シグナルを制御器150から提供して流体をポンピングする時点と、ポンピングされた潅流液108を心臓102に実際に送達する時点との時間差を見越すように選択される。別の例では、心臓の左側が満たされて潅流液を(図24Aを参照して更に詳述するように)噴出する正常流モードでは、制御器150は、ポンピング・サブシステム153をr波380後のある固定された時点でポンピングを開始させるように同調させることで、左心房152の自然な充填周期に合致するようにする。この同調を、システム100の作動ソフトウェア中の予めプログラムされたルーチンを通じてオペレータが調節及び微調整するようにしても、及び/又は、図17A−17Jを参照して下に更に詳述するように、使用者インターフェースディスプレイ・エリア410の制御を手動で操作することにより、調節及び微調整するようにしても、よい。
ポンプ出力を同調させるために、制御器150は、いつ心臓のr波パルス380が起きてECG414中の適当な時点でポンプにポンプ送達させるかを予測する。この予測を行うために、制御器150は、それぞれ電極142及び144から提供される電気シグナル379及び381から、長さの多様なr波パルス380を測定する。制御器150はこれらのパルスから、ある一つのパルス380から次のものまでに経過する時間を追跡すると共に、この情報を用いて、2つの連続したr波パルスを分けている時間長の移動平均を計算する。制御器150は、この情報から、2つの連続したr波パルスを分けている平均時間を前のr波380の時点に加算することにより、次のr波の時点を予測する(そして、最適な出力送達を達成するためには、予測されたr波前の、又は、予測されたr波後の、いつにポンピングを開始すべきかを決定する)。このR波間の分離時間の移動平均に基づき、制御器150は、図16の矢印383で示すように、ECG414に沿った左又は右側への波385の移動に反映される、次のr波に応じたポンプ出力時点を調節する選択肢を有する。このように、波385を調節すると、使用者はポンプ106による出力のタイミングを調節及びカスタマイズすることで、心臓の充填を最適化することができる。加えて、ポンプ106を調節してポンプ・ストローク量を増減させることで、ポンプ106により提供される潅流液108の量を最適化してもよく、またこれを、r波の同調と協調させて行っても、又はr波の同調から独立に行ってもよい。
サブシステム153は具体的にはr波周期385と同調するが、これは必ずしもそうでなくともよいことに留意されたい。代替的な実施態様では、サブシステム153を、特定のチャンバ又は容器内への又はチャンバ又は容器外への液圧を含め、利用可能であればいずれの心臓特性と同調させてポンピングさせてもよい。更に、サブシステム153を、周期的でも、周期的でなくてもよいが、いずれの任意のパターンでポンピングするようにプログラムしてもよい。
再度図11を参照すると、データ管理サブシステム151は、種々の他のサブシステムからデータ及びシステム情報を受け取って保存する。操作者の希望に応じて、このデータ及び他の情報を携帯用記憶装置にダウンロードしてデータベース内に構成してもよい。保存されたデータ及び情報には、操作者がアクセスすることができ、操作者インターフェース・サブシステム146を通じて表示させることができる。
操作者インターフェース・サブシステム146に戻ると、図17A−17Jは、操作者インターフェース・サブシステム146の多様な表示スクリーン例を示す。図17A−17Jの表示スクリーンにより、操作者は、システム100から情報を受け取り、システム100に命令を提供することができる。図17Aは、本発明のある例示的な実施態様によるトップ・レベルの「ホームページ」表示スクリーン400を示す。操作者は、この表示スクリーン400から、データ獲得サブシステム147から利用可能なデータの全てにアクセスすることができ、また、制御器150にいずれの所望の命令も提供することができる。図17B−17Jを参照して更に詳述するように、図17Aの表示スクリーン400により、更に操作者は、情報を得たり、命令を提供したり、 操作者の選択可能なパラメータを設定したりするために、より詳細な表示スクリーンにアクセスすることもできる。
図1を引き続き参照すると、表示スクリーン400は、システム100の作動に関連する数多くの数値及び地理上の指標を示す表示区域402を含む。具体的には、表示区域402は、臓器チャンバ・アセンブリ104上の大動脈インターフェース162を出る潅流液108の大動脈出力圧(AOP)404の数値読み取り値と、大動脈液圧(AOP)404の波形図406と、液圧404が高すぎるか、又は低すぎるかを示すAOPアラーム画像408(アラーム408は図17Aでは「オフ」で示されている)とを含む。表示スクリーン400は、心臓102が拍動している速度の数値指標412と、心臓102のECG414と、心臓速度(HR)412が操作者設定閾値を超えているか、又は下回っているかを示す心臓速度(HR)アラーム画像416と、プライミング時間(図20を参照して下に更に詳述する)を含め、システム100がどのくらい長く作動しているかを示すタイム・ログと418とを有する表示区域410も含む。数値表示419は、システム100が心臓102をそれまでに心臓102を支援した時間を示す。指示器アラーム413は、操作者が予め設定した時間を越えた場合にこれを指し示す。
表示スクリーン300は、数多くの付加的な表示区域420、424、432、438、444、450、456、460、462、466、472、480、及び482を含む。表示区域420は、肺動脈圧(PAP)422の数値読み取り値を示す。PAP422は、圧力センサ130で測定された、心臓の肺動脈164から流れる潅流液108の圧力の指標である。更に表示区域420は、PAP422が操作者の予め設定した範囲の外にあるときにシグナルを出すPAPアラーム・インジケータ424も提供する。表示区域426は潅流液108が加熱器110を出るときのその温度(Temp)428を示す。表示区域426も、Temp428が操作者の予め設定した範囲の外にあるときに応答してシグナルを出すTempアラーム・インジケータ430を含む。操作者の予め設定する範囲の上限を427に示す。表示区域432は、潅流液108のヘマトクリット(HCT)434の数値読み取り値と、このHCT434が操作者の予め設定した閾値を下回ったときに操作者にシグナルを送るHCTアラーム・インジケータ436とを示す。表示区域438は、潅流液108の酸素飽和度(SvO2)440を示す。更に表示区域438は、潅流液108のSvO2440が操作者の予め設定した閾値を下回ったときにそれを示すSvO2アラーム442も含む。表示区域444は、潅流液108が大動脈158を流れ出すときのその大動脈出力流速 (AOF)446を示す。 AOF446は、流速センサ134により測定される。AOFアラーム448は、流速446が操作者の予め設定した範囲の外にあるかどうかを示す。表示区域450は臓器チャンバ流速(CF)452を示す。CF452は、流速センサ136で測定された、潅流液108が臓器チャンバ104を出るときの流速の指標である。更に表示区域450も、操作者の予め設定した範囲の外にCF454があるときにこれに応答してシグナルを出すCFアラーム454を含む。表示区域456はメモリ・カードへのファイル移送が発生中であることを示すグラフィック458を含む。
表示区域460は、乾電池352a−352c(図14を参照して上述する)のそれぞれがどれくらい充電されているかの程度のグラフィック表示459を示す。表示区域460は更に、乾電池352a−352cが現在の作動モードでシステム100を引き続き作動させられる残りの時間量の数値指標461も提供する。表示区域462は、操作者インターフェース・モジュール146が無線464モードで作動しているかどうかを、操作者インターフェース・モジュール146とシステム100の残りの部分との間の無線接続の強度のグラフィック表示463と共に明らかにする。更に表示区域462は、操作者インターフェース・モジュール電池368(図14を参照して上に解説した)に残っている充電のグラフィック指標467と、操作者インターフェース・モジュール乾電池368が無線作動モードでそれを支援することのできる残りの時間量の数値指標465とを提供する。表示区域466は、ガス流チャンバ176からの酸素の流速468を示す。更にそれは、搭載酸素タンクがどれくらい満タンであるかのグラフィック指標469、及び、搭載酸素タンクが空になるまでの残りの時間量の数値指標470も提供する。表示区域472は、心臓102の心拍数と、心臓102がシステム100にカニューレ挿入されている時間量476とを示す。 この領域は上述した領域419の重複である。表示区域480及び482は、システム100の作動をそれぞれ現在時間及び日付を示す。
操作者インターフェース146上で、図18Aに示すダイアル626などのダイアル(又はマウス、又は他の制御装置)を作動させると、図17Bの表示スクリーン401に示すものなど、構成メニュー484が開く。図示のように、構成メニュー484にアクセスすると表示区域402及び410が覆われるため、これらはその後、圧力406及び心拍414のグラフィック表示を示さず、重要なアルファ//数値情報を表示し続ける。更に図示のように、他の表示区域はすべて、変化のないままである。これにより操作者は、重要な情報の観察を続けながら、システム100の作動を調節することができる。ある特徴としては、構成メニュー484により、操作者は、システム100にとって好ましい作動上のパラメータを予めプログラムすることができる。表示スクリーン401を用いると、操作者は、領域488及び490を選択することにより、それぞれ作動モード及び拡張(又は逆行)モード・アラームを監視/編集することができる。操作者は領域492及び494を選択することにより、特定のECG及びLAPグラフィック選択肢を設定することができる。更に、操作者は領域496及び498を選択することにより、それぞれ酸素流速及び潅流液温度を設定することができる。領域500を選択すると、操作者は時間及び日付を設定できるようになるが、領域502を選択すると、操作者は情報を表示する原語を選択することができる。表示領域484の一番下では、操作者は、表示スクリーン400に戻る504、作動上の設定値になされたいずれかの変更をキャンセルする506、変更を新しいデフォルトとして保存する508、あるいは作動上の設定値を工場デフォルト値に再設定する510、といった選択肢を有する。
図17C−17Dを参照すると、監視/編集作業モード・アラーム領域488を選択すると、図17Dの作業モード・アラーム・ダイアローグ512が、図17Cの表示領域484内で開く。この作業モード・ダイアローグ512は、正常流モード(図1及び3を参照して上述)に関係するパラメータを表示するものであり、正常流モード・アラームのそれぞれについて数値上の閾値を設定するための領域を含む。より具体的には、ダイアローグ512は、CFアラーム領域514;PAP
アラーム領域516;AOPアラーム領域518;LAP
アラーム領域520;潅流液Tempアラーム領域524;SvO2
アラーム領域526;HCTアラーム領域528;及びHRアラーム領域530を含む。特定のアラーム領域を選択し、上向き532及び/又は下向き534の矢印を作動させることにより、操作者は、該アラームのそれぞれに関係するパラメータのそれぞれについて、許容できる上限及び/又は下限閾値を調節することができる。ダイアログ512は、更に、そのそれぞれが特定の正常流モード・アラームに関係するアラーム・グラフィック536a−536iを含む。操作者は、関連するアラーム・グラフィック536a−536iを選択することにより、上記の正常流モード・アラームのいずかを動作可能/動作不可にすることができる。ダイアローグ512を用いてなされたいずれの変更も、図17Aの表示スクリーン400の対応する領域に反映される。
図17A、17B及び17Eを参照すると、監視/編集非作動モード・アラーム領域490を選択すると、図17Eの休止モード・アラーム・ダイアローグ538が図17Cの表示領域484内に開く。休止モード・ダイアローグ538は、(図1及び4を参照して上述する)逆行流モードに関連するパラメータを表示し、逆行流モード・アラームのそれぞれについて数値閾値を設定するための領域を含む。例示の実施態様によれば、正常及び逆行流モードに利用可能なアラームは同様であるが、必ずしも同じでなくともよい。更に、これらが同じ場合でも、閾値は異なっていてもよい。従って、本発明では、操作者は、作動流モードのそれぞれについて異なるアラーム及び/又は異なる閾値を選択することができる。より具体的には、ダイアローグ538は、 CFアラーム領域540;PAPアラーム領域542;AOF アラーム領域544;AOP
アラーム領域546;LAP アラーム領域548;潅流液Tempアラーム領域550;SvO2 アラーム領域552;HCTアラーム領域556;及びHRアラーム領域558を含む。特定のアラーム領域を選択し、上向き560及び/又は下向き562矢印を作動させることにより、操作者は、アラームのそれぞれに関連するパラメータのそれぞれについて、許容できる数値上の上限及び/又は下限閾値を調節することができる。ダイアローグ538はまた、そのそれぞれが特定の正常流モード・アラームに関連するアラーム・グラフィック564a−564iも含む。操作者は関連するアラーム・グラフィック564a−564iを選択することにより、上記の正常流モード・アラームのいずれかを動作可能/動作不可にすることができる。ダイアローグ512の場合と同様に、ダイアローグ538を用いてなされたいずれの変更も、図17Aの表示スクリーン400中の対応する領域に反映される。ある例では、液流モードの変更時に、ある特定の液流モードについて数組のアラーム限界同士の間で自動的に切り換えられるようにシステム100を構成してもよい。
図17A、17B、17F及び17Gを参照すると、操作者インターフェース146は、種々のパラメータを調節するためのグラフィック機構も提供するものである。例えば図16を参照して上述したように、使用者表示区域402の利点の一つは、操作者が、サブシステム153のポンピングを観察(及び調節)できるようにする点である。表示区域410は、心臓102のECG波形414を明らかにし、ディスプレイ402は、波形406中に、大動脈を流れる流体の圧力を示す。これら2つのディスプレイで、操作者は、心臓のECG414に対するポンピング・プロファイルの効果を観察することができるため、使用者は、ポンピング・サブシステム153のストローク量を調節したり、ポンピング中のサブシステム153の速度(ひいてはシステム100を通じてポンピングされる潅流液108の流速)を調節したり、サブシステムの始動を手動で促がす又は時点を調節したりる(例えばr波380とポンピング・サイクルの開始との間に一定の遅れを課すなどにより)、あるいは、心臓が逆行又は正常モードのいずれで潅流されているかに従って心臓を正しく充填するために必要な場合には、心臓のECG波形414に沿って所定の時点でポンピングするようにポンピング・サブシステム153を自動的にプログラムしたりすることができる。これらのポンピングの調節は、操作者インターフェース146の多様なグラフィック・フレームを用いて行えよう。例を挙げると、表示スクリーン401の表示領域484に位置するECGグラフィック・フレーム選択肢492を操作者が選択すると、これに応答して操作者インターフェース146が図17Fのダイアローグ568を表示する。ダイアローグ568はECG414のグラフィック表示572をカーソル570と併せて示す。カーソル570の位置は、ポンピング・サブシステム153が心臓102のECG414に対して出力ポンピング・ストロークを開始するであろう点(即ち、ポンピング周期のうちで、ポンプ・モータ106が潅流液108を心臓102に向かって押す部分)を示す。操作者インターフェース146上の機械的ノブ626(図18A及び18Bに示す) を回転させることにより、操作者はカーソル570の位置を移動させて、ポンピング・サブシステム153が、r波パルス380に対して出力ポンピング・ストロークを開始するであろう時を調節する。図15及び16を参照しながら上述したように、ポンピング・サブシステム153は、ECGセンサ142及び144からr波シグナル380を受け取る。ポンピング・サブシステム153はr波シグナル380を、カーソル570からのポンピング調節情報と併せて用いて、潅流液のポンピングを心臓102の拍動と同調させる。別の例では、操作者がポンプ調節ボタン625を押したことに応答して操作者インターフェース146が図17Gのダイアローグ574を表示する。このダイアローグ574から、操作者はポインタ576を選択し、ノブ626を回転させて、ポンプ・モータ106の電源を入れたり、切ったりすることができる。更に、操作者は、棒グラフィック578を選択し、ノブ626を回転させて、リットル/分で表示される、ポンピングされる潅流液量を調節することができる。
更に操作者インターフェース146は複数の警告/リマインダ・メッセージも提供する。例を挙げると、図17Hでは、操作者インターフェース146は、操作者にAC電源に接続して乾電池を充電することを思い出させるメッセージを表示する。このメッセージは、例えば低電池状態が近いことを制御器150が検出した場合にこれに応答して現れる。操作者インターフェース146は、図17Iのメッセージを表示することで、使用者がスタンバイ・モードに入りたいことを確認したり、システム100の特定の使用に関する情報をダウンロード及び保存するために磁気又は光ディスク、携帯ディスク・ドライブ、フラッシュ・メモリ・カード又は他の適した記憶装置などの携帯用記憶装置を挿入するよう操作者に思い出させたりする。操作者インターフェース146は、判別可能な障害が発生した場合にこれに応答して図17Jのエラー・メッセージなどのエラー・メッセージを示す。図17Jのエラー・メッセージは、例えば障害を診断及び/又は修復する際に修理技術者の助けとなるエラー情報580などを含む。
システム100の例示的な制御システム及び作動を行わせるための方法を解説したところで、システム100の機械的な特徴例を、頓用使い捨てモジュール634及び多重使用モジュール650装置との間の構成部品の例示的分割と併せて論じる。より具体的には、図18A−18Bは、本発明のある例示的な実施態様による、図1のシステムの機械システム設計600を示す。図示のように、例示のシステム設計600は筐体602及びカート604を含む。筐体602は、概念的には上側602a及び下側602b筐体部分に分かれ、前方606a、後方606b、左側606c、及び右側606d側面を含む。カート604は、システム600を場所間で移動させるためのプラットホーム608及び車輪610a−601dを含む。ラッチ603は筐体602をカート604に固定する。携帯性を更に支援するように、システム600は、筐体602の左側側面606cの上側部分602aにヒンジで取り付けられたハンドル610を、筐体602の左側606c及び右側606d側面の下側部分602bに取り付けられた、2つの固定的に取り付けられたハンドル612a及び612bと併せて含む。
筐体602は、更に、取り外し可能なトップ上面614、並びに、上側パネル613と、下側パネル617にヒンジ616a及び616bによりヒンジ付けされた中間パネル616とを有する前方パネル615を更に含む。上面614は取り外しの助けとなるハンドル614a及び614bを含む。図示の実施態様では、上側パネル613は、上面614を取り外すとパネル613も外れるように、上面614にねじで取り付けられるか、ボルトで取り付けられるか、あるいは他の方法で接続される。
図18Aに示すように、システム600は、AC電源ケーブル618を、この電源ケーブル618を固定するためのフレーム620と併せて、筐体602の左側側面606cの下側部分602b上に両者とも配置された状態で、含む。やはり左側側面602cの下側部分602bに配置されたソフトウェア・リセット・スイッチ622により、操作者は、システム・ソフトウェア及び電子部品を再スタートさせることができる。
図18A及び18Bに示すように、システム設計600は、操作者インターフェース・モジュール146を、この操作者インターフェース・モジュール146を保持するための受け台623と併せて含む。操作者インターフェース・モジュール146は、例としては図17A−17Jの表示スクリーンのような、操作者に情報を示すためのディスプレイ624を含む。上述したように、操作者インターフェース・モジュール146は、多様なパラメータを選択するための回転可能かつ押圧可能なノブ626と、図17A−17Jの表示スクリーンとを含む。ノブ626は、更に、システム100の自動制御用のパラメータを設定したり、システム100の作動を手動制御したりするためにも用いられよう。例えばノブ626は、ガス流速などの潅流液流速を増すような指示を制御器150に提供するために用いられよう。更に図1、14及び17A−17Jに関して上に論じたように、操作者インターフェース・モジュール146はそれ自身の乾電池368を含んでいてもよく、受け台623から外して無線モードで用いられるようにしてもよい。受け台623内にあるときは、電源との接続により、操作者インターフェース・モジュール146を充電することができる。図示のように、操作者インターフェース・モジュールは、更に、ポンプを制御したり、アラームを停止又は動作不可にしたり、スタンバイ・モードに入る又は出たり、ECG同調モードに入る又は調節したり、臓器管理の間に得られるデータの表示を開始する潅流時計を始動させたりするための制御ボタン625も含む。
図18Bに示すように、図示のシステム設計600は、両者とも筐体602の右側側面606dの下側部分602b上に配置された乾電池区画628及び酸素タンク・ベイ630を更に含む。図示のように、乾電池区画628は、図14を参照した上述した三つのシステム乾電池352a−352cを収容する。ある特徴としては、乾電池区画626は、三つの乾電池係止部632a−632cを含む。図14を参照して上述したように、過電池係止部632a−632cは、三つの乾電池352a−352cのうちの一個のみがいずれかの時点で取り外せるように機械的に相互作動する。
使い捨てモジュール634及び多重使用ユニット650は、耐久性があるが軽量である材料から構成される。いくつかの例示的な実施態様では、ポリカーボネート・プラスチックを用いて、ユニット634及び650の部品のうちの一つ以上を形成する。更に重量を減らすために、シャシ635及び多重使用モジュール・シャシ602は、例えばカーボン・ファイバ・エポキシ複合材、ポリカーボネートABS-プラスチック混合材、ガラス繊維強化ナイロン、アセタール、単独ABS、アルミニウム又はマグネシウムなどの軽量材料から形成される。ある例示的な実施態様では、システム100全体の重量は、多重使用モジュール、心臓、乾電池、ガス・タンク、並びにプライミング、栄養分、保存剤及び潅流液を含め約85ポンド未満であり、このような部分を除くと約50ポンド未満である。別の例示的な実施態様では、使い捨てモジュール634の重量は、いずれの溶液をも除くと約12ポンド未満である。更なる例示的な実施態様では、全ての流体、乾電池352a−352c並びに酸素共有分172を除いた多重使用モジュール650は、約50ポンド未満の重さである。
図19A−19Cを引き続き参照すると、本発明のある例示的な実施態様による、上面614及び上側前方パネル613を取り除き、前方中間パネル616を開放した状態で、図18A及び18Bのシステム設計600の多様な図面が示されている。図19A−19Cを参照すると、システム100は、頓用使い捨てモジュール634(図24A−24Cを参照して下に示し、詳述する)及び多重使用モジュール650(図20では頓用モジュールなしで示す)として構成される。下に更に詳しく論じるように、例示的な実施態様の一つの特徴としては、システム100のうちの血液接触部品のすべては頓用使い捨てモジュール634に含まれているため、使用後、頓用モジュール634全体を廃棄し、大変な短時間で再度の使用に向けて新しいモジュール634を設置することができ、システム100を入手することができる。
ある例示的な実施態様では、頓用モジュール634は、頓用モジュール634の部品の全てを支持するためのシャシ635を含む。図24A−25Cを参照して更に詳述するように、頓用モジュール634の部品は、図5A−5Fを参照して上に詳述した臓器チャンバ・アセンブリ104と、潅流液レザバ160と、酸素付加器114と、潅流液ポンプ・インターフェース300と、多様な流体流導管のすべてと、周辺観察部品633とを含む。
図19A−20Aに示すように、上面614を取り外し、前方パネル616を開くと、操作者は使い捨て634及び多重使用650モジュールの部品の多くに容易にアクセスすることができる。例えば操作者は、栄養分サブシステム115の栄養分116及び保存剤118供給供給分を設置し、取り外し、そしてそのレベルを観察できよう。更に操作者は、栄養分116及び保存剤118注入ポンプ182の作動を制御できよう。操作者は、心臓102などの臓器を臓器チャンバ・アセンブリ104にカニューレ挿入できよう。図21A−21Cを参照して下に詳述するように、この構成は更に、頓用モジュール634の多重使用モジュール650への着脱のための充分なアクセスを操作者に提供するものである。
図20Aは、頓用モジュール634を外した状態の多重使用モジュール650の前方斜視図を示す。図示のように、多重使用モジュール650は:カーと604;それに外部から取り付けられる部品のすべてと、その内部に含有されるものと一緒の筐体602の下側部分602b(図21A−21C及び23A−23Cを参照して更に更に詳述する);筐体602の上側部分602a、並びに、上部カバー614、ハンドル610、612a、及び612b、及び前方パネル616を含め、それに外部から取り付けられる部品のすべて;操作者インターフェース・モジュール146;並びに潅流液ポンプ・モータ・アセンブリ106を含む。図21A−21Cを参照して下に詳述するように、多重使用モジュール650は、更に、頓用モジュール534を受け取り、また定位置に係止するためのブラケット・アセンブリ638も含む。
図20Aに示し、そして図22A−22Cを参照して下に更に詳述するように、多重使用モジュール650は、更に、使い捨てモジュール634の前方端部の回路盤(図24Dに637で示す)とインターフェースするための前方端部インターフェース回路盤636も含む。やはり図22A−22Cを参照して詳述するように、多重使用モジュール650と使い捨てモジュール634との間の電力及び駆動シグナルの接続は、それぞれ前方端部インターフェース回路盤636及び前方端部回路盤637上の対応する電子機械的コネクタ640及び647を介してなされる。例を挙げると、前方端部回路盤637は、使い捨てモジュール634用の電力を前方端部インターフェース回路盤636から電子機械的コネクタ640及び647を介して受け取る。前方端部回路盤637は更に、多様な部品(例えば加熱器アセンブリ110、及び酸素付加器114)の駆動シグナルを制御器150から前方端部インターフェース回路盤636並びに電子機械的コネクタ640及び647を介して受け取る。前方端部回路盤637及び前方端部インターフェース回路盤は制御及びデータシグナルを(例えば制御器及び使い捨てモジュール134間で)光コネクタ(図22Bに648で示す)を利用して交換する。図22A−22Fを参照して詳述するように、前方端部637及び前方端部インターフェース636回路盤間で用いられるコネクタの構成により、それぞれ頓用及び多重使用モジュール634及び650間の重要な電力及びデータの相互接続が、臓器輸送中に遭遇するかも知れないでこぼこ道の上の移動でも各日に作動し続けることができる。
図20Aに示すように、別の特徴としては、筐体602の上側部分602aは、不慮に漏れ出しかねないいずれかの潅流液108及び/又は栄養分116及び/又は保存剤118溶液を捕獲するように構成された流体密な桶652を含む。桶652は、更に、漏れた潅流液108又は溶液116/118が筐体602の下側部分602b内に至らないように妨げるものでもある。この方法で、桶652は、いずれかのこのような漏れた潅流液108又は溶液116/118からシステム100の電子部品を遮っている。遮られる部品には、例えば図23C及び23Dを参照しつつ下に更に図示及び詳述する配電盤720がある。桶652は、潅流液ポンプ106上方に延び、いずれかの不慮で漏れた流体から潅流液ポンプ106を遮る部分658を含む。別の特徴としては、桶652は、いずれかの時点でシステム100内に収容された潅流液108(維持溶液116/118を含む)の体積全体に適合する大きさにされている。
やはり図20Bを参照すると、例示する実施態様の更なる特徴としては、桶652のポンプ・カバー部分658の外側側面659はスロット660を含む。図21A−21C及び24Aを参照しつつ更に下に詳述するように、スロット660は、頓用モジュール634を多重使用モジュール650内に設置しているときには頓用モジュール634の突起部662に係合する。
頓用モジュール634の多重使用モジュール650への設置に目を向けると、図21Aは、頓用モジュール634を受け取り、頓用モジュール634を受容し、頓用モジュール634を定位置に係止するために、多重使用モジュール650上に配置された上記のブラケット・アセンブリ638の詳細な図面を示す。図21Bは、ブラケット・アセンブリ638上の多重使用モジュール650内に設置された頓用モジュール634の側方斜視図を示し、そして図21Cは、多重使用モジュール650内に設置された頓用モジュール634の側面図を示す。図21A及び21Bを参照すると、ブラケット・アセンブリ638は、上側筐体部分602aの後方パネル654の内側側面に、それぞれ取付用穴644a−644dを介して取り付けられる2つの取付用ブラケット642a及び642bを含む。横棒641が前記の取付用ブラケット642a及び642b間に延び、回転可能にこれらに取り付けられる。係止アーム643及び645が互いに距離を置き、横棒641から半径方向に延びる。各係止アーム643及び645はそれぞれ下向きに延びる係止突起部643a及び645bを含む。レバー639が横棒641に取り付けられ、また横棒641から半径方向上向きに延びる。レバー639を矢印651の方向に作動させると、係止アーム643及び645が、筐体602の背面606bに向かって回転する。レバー639を矢印653の方向に作動させると、係止アーム643及び645が、筐体602の前面606aに向かって回転する。
図10を参照して上述したように、潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリ300は、4つの突出する熱かしめ点321a−321dを含む。図24Aに示すように、組立て中、突起部321a−321dを対応する孔657a−657dに整列させ、この孔657a−657dを通じて突起部321a−321dに熱かしめすることで、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300の外側側面304を頓用モジュールシャシ635のC型ブラケット656に不動的に取り付ける。
図10、20B、21A、21B及び24Aを参照すると、設置中、一番目の段階では、頓用モジュール634を前方に向かって傾けながら(図21Bに示す)、頓用モジュール634を多重使用モジュール650内に降下させる。この過程で図24Aの突起部662が図20Bのスロット660内に摺動する。図10に示すように、これにより更に、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300のフランジ328が、潅流ポンプ・アセンブリ106のドッキング・ポート342内に配置され、そしてポンプ・インターフェース・アセンブリ300の先細りになった突起部323a−及び323bが、ポンプ・アセンブリ・ブラケット346の特徴344a及び344bのうちの対応する一つの時計方向の側面上に配置される。二番目のステップでは、頓用モジュール634を、頓用モジュール・シャシ635の係止アーム受け台672及び674が、ばねで荷重を受けたロッキング・アーム638の突起部643及び645に係合してこの突起部643及び645に係合するまで後方に回転させて、係止突起部643a及び645aが係止アーム受け台672及び674の高さの邪魔にならなくなるまで突起部643及び645を上に向かって(方向651)回転させると、この時点で、ばねにより係止アーム638が下に向かって(方向653)回転させられて、係止突起部643a及び645aが使い捨てモジュール・シャシ635の係止アーム受け台672及ぶ674に解放可能に係止できるようになる。この運動により、図24Aの使い捨てモジュール・シャシ突起部662の湾曲表面668が回転させられて、図20Bの桶スロット660の平らな側面670に係合する。レバー639は、頓用モジュール635を解放する際に係止アーム638を上に向かって(方向651)回転させるために用いることができる。
図10に示すように、更にこの運動により、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300がポンプ・アセンブリ106に対して反時計方向に回転させられて、フランジ328をドッキング・ポート342のスロット332内に摺動させ、と同時に、先細りになった突起部323a及び323bを各ブラケット特徴344a及び344bの下方に摺動させる。先細りになった突起部323a及び323bが各ブラケット特徴344a及び344bの下方に摺動すると、ブラケット特徴344a及び344bの内側表面が、先細りになった突起部323a及び323bの先細りになった外側表面と係合して、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300の内側側面306をポンプ駆動装置334に向かって引き付けることで、ポンプ・インターフェース・アセンブリ300とポンプ・アセンブリ106との間で流体密な封止が形成される。レバー639を定位置で係止すると、使い捨てモジュール634が多重使用モジュール650内でしっかりと保持されよう。
図20Aを参照して上に簡単に言及したように、頓用モジュール374を多重使用モジュール650内に相互鎖錠させると、多重使用モジュール650上の前方端部インターフェース回路盤636と、頓用モジュール634上の前方端部回路盤637との間で電気及び光の両方による相互接続が形成される。この電気及び光による接続により、多重使用モジュール650は頓用モジュール634に対して電力供給、制御及び情報収集することができる。図22Aは、多重使用モジュール650の前方端部インターフェース回路盤636上の対応する光結合器及び電気機械的コネクタと連絡するために用いられる、頓用使い捨てモジュール634の前方端部回路盤637上の多様な光結合器及び電気機械的コネクタを示す概念図である。この対応は1対1であるため、多様な光結合器及び電気機械的コネクタは、前方端部回路盤650も示すのではなく、前方端部回路盤637のみを参照して解説されている。
例示的な実施態様では、前方端部回路盤637は前方端部インターフェース回路盤636から光結合器及び電気機械的コネクタの両者を介してシグナルを受け取る。例えば前方端部回路盤637は電力358(図14にも示す)を前方端部インターフェース回路盤636から電気機械的コネクタ712及び714を介して受け取る。するとこの前方端部回路盤637は、頓用モジュール634の多様なセンサ及び変換器など、頓用モジュール634の部品に電力供給する。選択的には、前方端部回路盤637はこの電力を配電する前に適したレベルに変換する。更に前方端部インターフェース回路盤636は、図13の加熱器駆動シグナル281a及び281bを、図6Eの加熱器246上の適用可能な接続点282aに電気機械的コネクタ704及び706を介して提供する。同様に、電気機械的コネクタ708及び710は、図13の加熱器駆動シグナル283a及び283bを加熱器248の適用可能な接続点282bに接続する。前方端部回路盤637に、前方端部回路盤636からの除細動指令を電気機械的コネクタ687を介して受け取らせてもよい。これに応答して、前方端部回路盤637は、適した電流及び電圧レベルを有する除細動シグナル143を発生させ、図5Eに示すように、このシグナル143を臓器チャンバ・アセンブリ104に電気インターフェース接続点235a−235bを介して接続する。
別の例示的な実施態様では、除細動指令を、回路盤636を通じてではなく、外部源(図示せず)から提供させることもできる。一例としては、そして図5E及び図1を参照すると、外部除細動装置を、電気的インターフェース接続点235a−235bに接続された、図24Eに示す電気結合器613に差し込むことができる。外部除細動装置は除細胞シグナル143を結合器613及びインターフェース接続点235a及び235bを通じて電極142及び144に送る。すると電極142及び144はこのシグナル143を心臓102に送達する。この代替的な実施態様により、使用者は除細動(及びペーシング)を、シグナル143を回路盤618、636、及び637を通すことなく、提供することができる。外部除細動装置の一例には、Zoll M-シリーズ携帯用除細動器が含まれよう。
前記の例示的な実施態様によれば、前方端部回路盤637はシグナルを温度、圧力、液流流速、酸素付加/ヘマトクリット及びECGセンサから受け取り、これらのシグナルを増幅し、これらのシグナルをデジタル・フォーマットに変換し、それらを前方端部インターフェース回路盤636に光結合器を利用して提供する。例えば前方端部回路盤637は、加熱器プレート250(図6A及び13に示す)上のセンサ120からの温度シグナル121を前方端部インターフェース回路盤636に光結合器676を介して提供する。同様に、前方端部回路盤637は、加熱器プレート252(図6A及び13に示す)上のセンサ122からの温度シグナル123を前方端部インターフェース回路盤636に光結合器678を介して提供する。更に前方端部回路盤637は、サーミスタ・センサ124(図6A及び13に示す)からの潅流液温度シグナル125及び127を前方端部インターフェース回路盤636に各光結合器680及び682を介して提供する。潅流液圧力シグナル129、131及び133は各圧力変換器126、128及び130から前方端部インターフェース回路盤636に各光結合器688、690及び692を介して提供される。更に前方端部回路盤637は、各流速センサ134、136及び138からの潅流液流速シグナル135、137及び139を前方端部インターフェース回路盤636に各光結合器694、696及び698を介して提供する。加えて、前方端部回路盤637は、酸素飽和センサ140からの酸素飽和度141及びヘマトクリット145シグナルを前方端部インターフェース回路盤636に各光結合器700及び702を介して提供する。
他の例示的な実施態様では、前記のセンサのうちの一つ以上を、処理及び分析に向けてメインシステム盤718(図23Dを参照して下に解説する)に直接有線接続することで、前方端部インターフェース盤636及び前方盤637をまとめてバイパスする。このような実施態様は、使用者が廃棄までのセンサのうちの一つ以上を再利用したい場合に好ましいであろう。あるこのような例で、流速センサ134、136及び138並びに酸素及びヘマトクリット・センサ140を、システムメイン盤718に図23Cに示す電気的結合器611を通じて電気的に直接、接続することで、回路盤636及び637とのいずれの接続もバイパスする。
図11−16に関して上述したように、制御器150は、前方端部インターフェース回路盤636に提供されたシグナルを他のシグナルと一緒に利用して、データを伝送し、そうでなければシステム100の作動を制御する。図17A−17Jに関して解説したように、更に制御器150はセンサ情報を表示するが、操作者インターフェース・モジュール146を介してセンサ情報に関連する多様なアラームを操作者に対して表示させてもよい。
図22Bは、回路盤636及び637間の電気的相互接続に用いられる種類の例示的な電気機械的コネクタ対の作動を示す。同様に、図22Cは、回路盤636及び637間の光接続された相互接続に用いられる種類の光結合器対の作動を示す。電気的コネクタ及び光結合器の両方を用いることの利点の一つは、これらにより、例えば空港の滑走路上で車輪に載せられたり、悪天候下で空港内を輸送されたり、あるいはでこぼこな道路を救急車で輸送されたりする場合など、システム100がでこぼこ道の上を輸送されるときであっても、接続の一体性が確実になることである。加えて、光結合器は温度、圧力及びECGセンサをシステム100の他の部分から電気的に絶縁するため、除細動シグナルがシステム100を損傷することが妨げられる。前方端部盤637のための電力は、前方端部インターフェース盤636上に配置されたDC電源内に絶縁されている。
図22Bに示すように、コネクタ704などの電気機械的コネクタは、コネクタ704などの電気機械的コネクタには、前方端部インターフェース回路盤636上に配置された、部分703などの部分と、前方端部回路盤637上に配置された、部分705などの部分とを含む。部分703は実質的にまっすぐで剛性のステム703b上に取り付けられた拡大されたヘッド703を含む。前記ヘッド703は外に向いた実質的に平らな表面708を含む。部分705は、表面708に接触する端部705aと、ばねで負荷された端部705bとを含む、実質的にまっすぐで剛性のピン705を含む。ピン705は、方向の矢印721により示されるように軸方向に出たり入ったりする運動をしつつ、拡大されたヘッド703aの表面708との電気的接触を維持することができる。この特徴により、頓用モジュール634は、でこぼこ道での輸送に伴う機械的な衝撃を被っている間でも、多重使用モジュール650との電気的接触を維持することができる。平らな表面708の利点は、それにより、多重使用モジュール650の内側表面を容易に清掃できることである。この例示的な実施態様では、システム100は、頓用使い捨て634及び多重使用650モジュール間の電気的相互接続のためにコネクタを利用する。コネクタの一例は、Interconnect Devices社製造の番号101342番である。しかしながら、いずれの適したコネクタを用いてもよい。
前方端部回路盤637の光結合器684及び687などの光結合器が用いられるが、その中には、例えば前方端部インターフェース回路盤636の光結合器683及び685などの対応する相対物が含まれる。光結合器のうちの光送信器及び光受信器部分を回路盤636又は637のいずれに配置してもよい。例えばECGシグナル379の場合、光送信器684は回路盤637上に配置されており、電気シグナル379を受け取ると共に、選択的にはそれを回路盤636上の光受信器683に接続する。除細動シグナルが(メインボード718に直接送られるのではなく)回路盤636及び637を通じて送信される場合、回路盤636上の光送信器685は、選択的には、このシグナルを回路盤637上の光受信器687に接続する。
用いた電気機械的コネクタの場合と同様に、光送信器と対応する光受信器との間の光学的位置合わせの許容誤差により、回路盤636及び637は、でこぼこ道での輸送の間でも光連絡した状態に保たれる。図示の実施態様では、システム100はOsram社による部品番号SFH485P 及び/又はSFH203PFA
で製造された光結合器を用いている。しかしながら、いずれの適した結合器を用いてもよい。
該結合器及びコネクタにより、システム100内のデータ伝送が容易になる。前方端部インターフェース回路盤636及び前方端部盤637はシステム100に関するデータを間隔を置いて伝送する。図22Cに示すように、回路盤636は前方端部盤637にクロック・シグナル計に同期させたクロック・シグナルを伝送する。前方端部回路盤637はこのクロックシグナルを受け取って、それを用いて、そのシステムデータ(温度、圧力ECG、r波検出、又は他の所望の情報)伝送を制御器150のクロック周期と同期させる。このデータは、前方端部回路盤637のプロセッサにより、クロック・シグナルと、予め設定されたデータ種別及びソース・アドレスの順(即ち、データを提供しているセンサの種類及び位置)とに従ってデジタル化される。前方端部インターフェース回路盤636は、データを前方端部盤637から受け取って、このデータ・セットをメイン・ボード618に伝送し、図11、12及び14を参照して上述したように、評価、表示、及びシステム制御における制御器150の使用に向ける。付加的な光結合器を多重使用モジュールと頓用モジュールとの間に加えて、加熱器制御シグナル又はポンプ制御シグナルを含め、多重使用モジュールからの制御データを頓用モジュールに伝送させることができる。
頓用モジュール634と多重使用モジュール650との間の機械的、電気的及び光学的相互接続を解説したところで、多重使用モジュール650の付加的な部品を図23A−23Dを参照して以下、論じることとするが、その次に図24A−28Cを参照して頓用モジュール634の部品の機械的構成を解説することとする。図23A−23Dに示すように、筐体602の壁面を取り外すと、多重使用モジュール650は、これまで論じた部品に加え、今日602の下側部分602bに位置する、搭載型ガス供給部172を含む。このガス供給部172は、図23A−23Dではタンクとして示され、タンク172に当接する指示構造712によりガス・タンク・ベイ630内に配置されている。選択的には、ガス供給部172を、ガス・タンク・ベイ630内にひも及びバックル・アセンブリ714又は他の適した機構により更に固定してもよい。特に図23Bを参照すると、そして図1を参照して上述したように、ガス供給部172はシステム100にガス調節器174及びガス流チャンバ176を介してガスを提供する。ガス圧センサ132はガス供給部172でのガス圧を測定し、ガス圧計178はガス供給部172の充填度の視覚的指標を提供する。加えて、制御器150とガス流チャンバ176との間の電気的接続により、制御器150は酸素付加器114へのガス流を自動的に調節することができる。
図23Cに最もはっきりと示すように、乾電池ベイ628は乾電池352a−352cを収容する。図14を参照して上述したように、乾電池352a−352cのうちの二つ以上が乾電池ベイ628から、システム100が作動中のいずれかの時点で外れないように係止機構が用いられる。
上に論じたように、システム100は、システム100との間の配電及びデータ伝送を容易にするために複数の相互接続された回路盤を含む。特に、図22A−22Eを参照して上に論じたように、そして図23Cに示すように、多重使用モジュール650は、頓用モジュール650の前方端部回路盤637に光学的かつ電気機械的に接続する前方端部インターフェース回路盤636を含む。更に図23Cにも示すように、システム100は更に、多重使用モジュール650上に配置されたメイン・ボード718、電力回路盤720、及び乾電池インターフェース盤711を含む。メイン・ボード718は、ある回路盤の作動に障害が(図23Dに示すように)起きた場合にメイン・ボード718がポンピング及び加熱パラメータを非揮発性メモリに保存するという点で、システム100が障害許容性であるように構成される。システム100がリブートすると、それはこのようなパラメータを再捕獲し、実行し続けることができる。
図23Dの概念図を参照すると、ケーブル配線731は電力(例えばAC電力351)を電源350から電力回路盤720にコネクタ744及び730を介して運ぶ。電力供給部350はAC電力をDC電力に変換し、このDC電力を図14の電力サブシステムを参照して上述したように配電する。更に図14及び22Aを参照すると、電力回路盤720はDC電力及びデータ・シグナル358を各ケーブル727及び729を介してコネクタ726及び728から、前方端部インターフェース回路盤636の対応するコネクタ713及び715に接続する。ケーブル729は電力及びデータ・シグナルの両方を前方端部インターフェース盤636に運ぶ。ケーブル727は電力を加熱器110に前方端部インターフェース盤636に運ぶ。コネクタ713及び715は、頓用モジュール634の前方端部回路盤637の対応するコネクタ712及び714(図22Aを参照して上述)と嵌合して、電力をこの頓用モジュール634に提供する。
図23Dに示すように、電力回路盤720は更に、電力回路盤720のそれぞれコネクタ732及び734からのDC電力358及びデータ・シグナルをメイン回路盤718の対応するコネクタ736及び738にケーブル733及び735を介して提供する。更に図14及び19Aを参照すると、ケーブル737はメイン回路盤718のコネクタ740からのDC電力358及びデータ・シグナルを操作者インターフェース・モジュール146に操作者インターフェース・モジュール受け台623のコネクタ742を介して接続する。更に電力回路盤720は、コネクタ745及び747からのDC電力358及びデータ・シグナルをケーブル741及び743を介して乾電池インターフェース盤711のコネクタ749及び751に提供する。ケーブル741はDC電力をシグナルを運び、そしてケーブル743はデータ・シグナルを運ぶ。乾電池インターフェース盤711はDC電力及びデータを乾電池352a、352b及び352cに分配する。乾電池352a、352b及び352cは、図14を参照して上述したように、各充電を観察するためにこれらを相互に連絡可能にする電子回路を含有しているため、制御器150は乾電池352a−352cの充電及び放電を観察及び制御することができる。
いくつかの図示する実施態様では、制御器150はメイン回路盤718上に配置されており、システム100が必要とする全ての制御及び処理を行う。しかしながら、他の例示的な実施態様では、制御器150は分散されて降り、いくつかの処理機能は前方端部インターフェース回路盤636に配置され、いくつかのものは電力回路盤720に、及び/又は、いくつかのものは操作者インターフェース・モジュール146に配置されている。制御器150がシステム100内で分散されているか、そしてその分散の程度に応じて、多様な回路盤の間で適したケーブル配線が提供される。
図19A−19C及び23A−23Cを参照して上述したように、システム100は、頓用使い捨てモジュール634及び多重使用モジュール650に機械的に分割されている。上述したように、例示的な実施態様では、頓用モジュール634はシステム100の潅流液108接触素子/アセンブリのすべて又は実質的に全てを、血液接触部品を作動させるための多様な周辺部品、流れ導管、センサ及びサポート電子装置と併せて、含む。図22A及び23Dを参照して上に論じたように、例示的な実施態様によれば、モジュール634はプロセッサを含まず、代わりに、例えば前方端部インターフェース回路盤636、電力回路盤720、操作者インターフェース・モジュール146、及びメイン回路盤718間で制御について分配されていてもよい制御器150に依存している。しかしながら、他の例示的な実施態様では、頓用モジュール634はそれ自体の制御器/プロセッサを、例えば前方端部回路盤637上に含んでいてもよい。
図24A−28Cを参照しつつ、次に頓用モジュール634をそこに含まれた部品の観点から解説することとする。その後、例示的な正方向及び逆行流モードを、解説された部品を通じて追跡する。
図24Aをまず参照すると、使い捨てモジュール634は、上側750a及び下側750b部分を有するシャシ635を含む。上側部分750aは、多様な部品を支持するプラットフォーム752を含む。下側部分750bはプラットフォーム752を支持し、多重使用モジュール650に揺動可能に接続する構造を含む。より具体的には、下側シャシ部分750bは潅流液ポンプ・インターフェース・アセンブリ300に固定的に取り付けられるC型取付具656と、図20Bのスロット660内に摺動してこのスロット660に弾性的に嵌め合う突起部662とを含む。更に下側シャシ部分750bは酸素付加器114を取り付けるための構造も提供する。図25A及び25Cに示すように、下側部分750bは加熱器アセンブリ110を取り付けるための構造も更に含む。加えて、レザバ160がプラットフォーム725の下側に取り付けられ、下側シャシ部分750b内に延びる。O飽和度及びヘマトクリット・センサ140(図24Aに示し、図28A−28Cを参照して下に詳述する)、流速センサ136(図24Aに示す)、流速センサ138(図25Bに示す)などの多様なセンサが、下側シャシ部分750b内に配置される、及び/又は、取り付けられる。流圧コンプライアンス・チャンバ188(図25Bに示す)も下側シャシ部分750bに配置される。図24Dに示すように、下側シャシ部分750bは更に前方端部回路盤637にも取り付けられる。下側シャシ部分750b内に配置された導管を、頓用モジュール634を通ずる正常流及び逆行流路を参照して下に更に詳述する。
図24A−25Cを参照すると、そして上述したように、上側シャシ部分750aはプラットフォーム752を含む。プラットフォーム752は、頓用モジュール634の多重使用モジュール650に対する設置及び着脱を支援するために形成されたハンドル752a及び752bを含む。代替的には、このようなハンドルをプラットフォーム757上に配置して、頓用モジュールを多重使用モジュールに設置する際に容易にアクセスできるようにすることができる。図24Cに最もはっきり示すように、傾斜したプラットフォーム757はプラットフォーム752に取り付けられる。臓器チャンバ・アセンブリ104はこの傾斜したプラットフォーム757に取り付けられる。頓用モジュール634を多重使用モジュール650内に設置した状態の図示する実施態様では、プラットフォーム757は水平に対して約10度乃至約80度に傾斜しており、臓器チャンバ・アセンブリ104内に配置されたときに、心臓102にとって最適な作動角度となっている。いくつかの例示的な実施態様では、プラットフォーム757は水平に対して約20度乃至約60度、又は約30度乃至約50度の傾斜である。液流モード選択バルブ112、流速センサ134、及び潅流液流圧コンプライアンス・チャンバ184及び186も、前記の傾斜したプラットフォーム757に取り付けられる。
図24Eを参照すると、いくつかの潅流液ポートがプラットフォーム752に取り付けられる。例えば潅流液サンプリング・ポート754により、操作者は、大動脈158に対して流入及び/又は流出する潅流液を、臓器チャンバ・アセンブリ104のカニューレ挿入インターフェース162を介して試料採取することができる。また潅流液サンプリング・ポート755により、操作者は、左心房152に対して流入及び/又は流出する潅流液を、臓器チャンバ・アセンブリ104のインターフェース170を介して試料採取することができる。加えて、潅流液ポート758により、操作者は、肺動脈164から出る冠状動脈流を臓器チャンバ・アセンブリ104の肺動脈インターフェース166を介して試料採取することができる。例示する実施態様では、操作者は、各バルブ754a、755a又は758aを回転させて、試料採取ポート754、755及び758から液流を得ることができる。選択された特定のポートからの流れは、一個の共通の吐出口764で提供される。ある特徴としては、選択された最も左側のポートからの流れのみが吐出口764で提供される。一例としては、操作者がポート755及び758の両方を開放すると、ポート755からの液流のみが吐出口764で提供される。このようにして、システム100では、操作者が複数のポートからの試料を混合してしまう可能性を減らしている。
頓用モジュール634は、操作者が医薬を潅流液108にレザバ160などを介して注入できるようにするために、バルブ762aで操作可能な汎用注入ポートも含む。試料採取764及び吸入762ポートの両者はプラットフォーム752に取り付けられる。更に、上側シャシ部分750aには、栄養分116及び保存剤118液を潅流液108中に流し込むために、バルブ766aで操作可能な注入ポート766が配置される。更に上側シャシ部分750aは、ドナーから採った瀉血をレザバ160に充填するチューブ774を含む。図24Dに示すように、頓用モジュール634は、滅菌中に滅菌ガスを頓用モジュール634に流す間に用いられる、選択された流体ポートの排気キャップに替える非排気キャップも更に含む。好ましくは、このような滅菌が、販売に向けて頓用モジュール634を梱包する前に行われるとよい。
上側シャシ部分750aは、心臓102をカニューレ挿入し、臓器チャンバ・アセンブリ104内で正常流モードで作動中に、左心房152に印加される負圧を調節するためのフロー・クランプ190を更に含む。上側シャシ部分750aは細流バルブ768を更に含む。この細流バルブ768を、ハンドル768aで開閉することで、逆行流モード中に左心房152を湿らせるために左心房152への僅かな液流を調節できるようにしてもよい。上側シャシ部分750aは、更に、追加の溶液を注入するポート770と、各バルブ770a及び772aで作動可能な酸素付加器114をパージするポート772とを含む。
図24A及び24Dに最もはっきり示すように、上側シャシ部分750は流圧プローブ126、128及び130を更に含む。図1を参照して上述したように、プローブ126は大動脈158に出入りする潅流液108の圧力を測定する。プローブ128は肺静脈168を通じて左心房152に出入りする潅流液108の圧力を測定する。プローブ130は、肺動脈164から流れ出る潅流液108の圧力を測定する。各プローブは、各シグナル129、131、及び133を前方端部回路盤637に接続するための各コネクタ126a、128a及び130a(明確になるように短くして示す)を含む。
特に図24Cの頓用モジュール654横断面側面図を参照すると、レザバ160はいくつかの部品を含む。より具体的には、レザバ160は、四つの吸入口782、784、786及び788を含む。吸入口782は潅流液108を臓器チャンバ194のドレイン201からレザバ160に移す。吸入口784はチューブ774から瀉血を受け取る。吸入口786は酸素付加された潅流液108を酸素付加器114から受け取り、そして吸入口788は潅流液108を大動脈158から背圧クランプ190を介して受け取る。更にレザバ160は、潅流液を一方向吸入口バルブ191に提供する、吐出口790も有する。レザバ160は脱泡剤778及びフィルタ780を含む。脱泡剤778は潅流液がレザバ160に進入するときにそれから泡を取り除く。例示的な実施態様によれば、前記の脱泡剤は、泡止め剤をコーティングした多孔質のポリウレタン・フォームから形成される。フィルタ780は、潅流液がレザバ160に進入するときのそれから細片、血液粒子、塞栓、及び気泡をろ過するポリエステル製フェルトである。
概要で上述したように、頓用モジュール634に用いられたO飽和度及びヘマトクリット・センサ140は 常法に比べて重要な利点を持つ。図28A−28Cは、本発明のO飽和度及びヘマトクリット・センサ140の例示的な実施態様を示す。図28Aに示すように、センサ140は、導管798に接続されたチューブ812のインライン・キュベット型部分を含み、このインライン・キュベット型部分は、赤外センサが赤外光を提供することのできる光学的に透明な少なくとも一つの窓を有する。インライン・キュベット型チューブ812に用いられるセンサの例は、Datamed社製のBL0P4である。図28Bの横断面図に示すように、キュベット812は、コネクタ801a及び801bを有する一体成型部分である。コネクタ801a及び801bはそれぞれ導管798a及び798bの接続する受容部803a及び803bに隣接するように構成される。キュベット812と導管端部798a及び798bとの間のこのような相互接続は、導管798及びキュベット812の内側の横断流面積が実質的に一定になるように構成される。こうしてこの構成により、キュベット812と導管798との間のインターフェース814a及び814bでの不連続性が減り、そしていくつかの実施態様では実質的に取り除かれる。不連続性の減少/除去により、血液ベースの潅流液108は赤血球の溶解や乱れも少なく、キュベットを通過して流れることができるため、潅流液酸素レベルの読み取りをより精確にすることができる。またこれによりシステム100による潅流液108への損傷も減り、最終的にはシステム100により潅流中の心臓102になされる損傷が減る。
例示する実施態様によれば、キュベット812は、いずれかの適した光透過性ガラス又はポリマなどの光透過性材料から形成される。図28Aに示すように、センサ140は、更に、キュベット812を通過する潅流液108に光波を指向させると共に、光透過及び/又は光反射率を測定して、潅流液108中の酸素量を決定するための光送受信機816を含む。図28Cに示すように、いくつかの実施態様では、光送受信機はキュベット812の一方の側に配置され、潅流液108を通る光透過率を測定する検出器はキュベット812の反対側に配置される。図28Cは、キュベット812及び送受信機816の上横断面図を示す。送受信機816は、この送受信機の内側の平らな表面811及び813がそれぞれキュベットの平らな表面821及び823に対合し、他方、送受信機816の内側の凸面表面がキュベット812の凸面表面819と対合するように、キュベット812の周囲に適合する。作動時、紫外光が送受信機816を透過すると、それは平らな表面811からキュベット812内の潅流液108を通って移動し、平らな表面813に受け取られる。この平らな表面813は、潅流液108を通る光透過率を測定する検出器と一緒に構成できよう。
正常流及び逆行流モードの両方における頓用モジュール634を通る液流路を、図24A−24D及び図25Aを参照して解説することとする。図1−4を参照しつつ上述したように、システム100は、図3に示す正常流モードと、図4に示す逆行流モードという2つの作動モードで心臓102を維持することができる。図1を参照しつつ上述したように、正常流及び逆行流モード間を切り換えるために、システム100は、図26A及び26Bに詳しく示す液流モード選択バルブ112を提供する。正常流モードで作動させるためには、操作者は液流モード選択バルブ・ハンドル112eを、図24Aに示す位置に設定する。これは、選択バルブ112を通じて流路を図26Aに示す通りに位置合わせする効果を有する。具体的には、正常流モードでは、潅流液は液流チャンネル112fを通じてポート112bに流入し、そしてポート112cから流出することができる。加えて、潅流液は液流チャンネル112gを通じてポート112dに流入し、そしてポート112aから流出することができる。逆行流モードで作動させるためには、操作者は、液流モード選択バルブ・ハンドル112eを、図24Bに示す位置に設定する。これは選択バルブ112を通じて流路を図26Bに示す通りに位置合わせする効果を有する。具体的には、逆行流モードでは、潅流液は液流チャンネル112hを通じてポート112bへ流入し、ポート112dから流出することができる。
図24Aを参照すると、正常流モードでは、レザバ160は潅流液108を潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリ300の一方向注入バルブ191に提供する。図25Aを参照すると、潅流ポンプ106は潅流液108を吐出バルブ310から吸い出す。図25Cを参照すると、次に潅流液108は導管792及びコンプライアンス・チャンバ188を通じて、加熱器アセンブリ110の吸入口110aに流れ込む。加熱器アセンブリ110は潅流液108を加熱した後、それを加熱器吐出口110bから流出させる。図24Aを参照すると、加熱された潅流液108は下側シャシ部分750bの加熱器吐出口110bからシャシ・プレート752を通じて、モード選択バルブ112のポート112b内へ導管794を介して流れ込む。図24Dを参照すると、潅流液108はモード・バルブ・ポート112cからコンプライアンス・チャンバ186、導管796及び圧力センサ128を通じて臓器チャンバ・アセンブリ104の肺静脈カニューレ挿入インターフェース170内へ流れ込む。
図24Aを参照すると、正常流モードでは、心臓102は潅流液108を肺動脈164から肺動脈インターフェース166及び圧力センサ130を通じて吸い出す。次に導管796が潅流液108を肺動脈インターフェース166からプレート752を通じ、そしてO飽和度及びヘマトクリット・センサ140を通じて流れさせる。図25A及び25Cを参照すると、次に導管798はセンサ140からの潅流液108を流速センサ136を通じて酸素付加器114内に流れ込ませる。導管800は酸素付加器114からの潅流液108をレザバ160内にレザバ吸入口786を介して返す。
図24A、24D及び24Eを参照すると、正常流モードでは、心臓102も潅流液108を大動脈158から大動脈インターフェース162及び圧力センサ126を通じて吸い出す。導管802は潅流液108を圧力センサ126から流速センサ134を通じて流し、液流モード選択バルブ112のポート112d内に返す。クランプ804は導管802を定位置に保持する。導管806は液流モード選択バルブ112からの潅流液108を、コンプライアンス・チャンバ184及び背圧調節クランプ190を通じてポート112aを介して流出させる。上述したように、クランプ190は、正常な生理条件をより理想的にシミュレートするために、導管806を通じた流れを制限することで正常流モード中に大動脈158が被る背圧を調節するように調節してもよい。潅流液108がコンプライアンス・チャンバ184内にポンピングにより出入りするときに膨張したり収縮したりすることのできるこのコンプライアンス・チャンバ184は、クランプ190と相互作動して流圧スパイクを減衰することで、正常に近い生理条件のシミュレーションを更に向上させる。負荷後のクランプ190は、大動脈圧、左心房圧及び冠状動脈流に影響を与える人体の全身血管抵抗をそっくり模倣するように構成される。導管808は潅流液108をレザバ160内にレザバ吸入口788を介して返す。
逆行流モードでは、液流モード選択バルブ112は図24Bに示す通りに配置される。図24Bを参照すると、レザバ160は潅流液108を吸入口バルブ191に提供する。図25Aに示すように、潅流ポンプ106は潅流液108を吐出バルブ310から吸い出す。図25Cに示すように、次に潅流液108は導管792を通じてコンプライアンス・チャンバ188及び加熱器アセンブリ110の吸入口110aへと流れ込む。加熱器アセンブリ110は潅流液108を加熱した後、それを加熱器吐出口110bから流れ出させる。図24Bを参照すると、加熱された潅流液108は、下側シャシ部分750bの加熱器吐出口110bからシャシ・プレート752を通り、モード選択バルブの112の吸入口112bへ導管794を介して流れる。更に図24Dを参照すると、潅流液108はモード・バルブ吐出口112dから導管802へ、流速センサ134、圧力センサ126を通じ、大動脈158内へと、大動脈インターフェース162を介して流れ込む。その後この潅流液108は冠状動脈洞155及び冠状動脈構造の他の部分を通って流れる。
図24Bを参照すると、逆行流モードでは、心臓102は潅流液108を肺動脈164から肺動脈インターフェース166及び圧力センサ130を通じて拍出させる。次に導管796が、肺動脈インターフェース166からの潅流液をプレート752を通じて流れ出させ、そしてO飽和度及びヘマトクリット・センサ140内へと流れ込ませる。更に図25A及び25Cも参照すると、その後、導管798はセンサ140からの潅流液108を流速センサ136を通じて酸素付加器114内に流す。導管800は、この酸素付加器114からの潅流液108をレザバ160にレザバ吸入口786を介して返す。逆行流モードでは、実質的には何の潅流液も左心房152に対して肺静脈168及び肺静脈インターフェース170を介してポンピングにより注入されることも、又は吸い出されることもないが、例外として、細流バルブ768により少量の潅流液が、液流モード選択バルブ112周りの導管794からコンプライアンス・チャンバ186に分岐される。上述したように、この細流は、左心房152を逆行流中に湿った状態に維持するために充分な潅流液108を提供するものである。
上述したように、例示的な実施態様のシステム100は、液流及び液圧を測定するための一つ以上のセンサ又はプローブを有する。該プローブ及び/又はセンサは標準的な市販のものを入手できよう。流速センサ134、136及び138は、例えばニューヨーク州イサカのTransonic Systems社から入手可能なものなど、従来の超音波流センサである。液圧プローブ126、128及び130は、MSI 又はG.E. Thermometrics社から入手可能な従来のひずみゲージ圧力センサでもよい。代替的には、予め較正された圧力変換器チップを臓器チャンバ・コネクタ内に包埋し、前方端部盤637などのデータ収集部位に有線接続することもできる。
例示的な実施態様のシステム100の電気及び機械部品や機能性、そしてそれらのいくつかの作動モードを解説したところで、次にシステム100を、図29A及び29Bの例示の臓器収集及び移植法を参照しながら解説することとする。より具体的には、図29Aは、ドナーの心臓102を採集すると共にそれをシステム100にドナー位置でカニューレ挿入する方法の例を示したフロー図900である。図29Bは、カニューレ挿入調整時に心臓102を操作する際の具体的な留意点を示し、そして図30は、システム100からドナー臓器102を取り出し、それを患者にレシピエント部位で移植する方法の例の負ロー図902である。
図29Aに示すように、カニューレ挿入及び輸送に向けて心臓102を得、調整するプロセスは、適した臓器ドナー904を提供することで始まる。この臓器ドナーをドナー位置に運び、カニューレ挿入及び輸送に向けてドナーの心臓102を受け取り、調整するプロセスを、二つの交差する経路906及び908で進める。経路906は、主に、移植用のドナーの心臓102を調整するステップを含み、他方、経路908は、主に、ドナーの心臓102を受け取った後、この心臓102をシステム100を介してレシピエント部位に輸送するためにシステム100を調整するステップを含む。
図29Aを特に参照すると、第一経路906は、ドナーを瀉血するステップ910と、ドナーの心臓を停止させるステップ914と、心臓を外植するステップ916と、システム100へのカニューレ挿入に向けて心臓102を調整するステップ918とを含む。具体的には、瀉血ステップ910では、ドナーの血液を採取し、システム100での保存中に心臓102の潅流に使用できるように、それを横に置いておく。このステップは、ドナーの動脈又は静脈のいずれかの血管構造にカテーテルを挿入することにより行われ、こうして、ドナーの血液がドナーから流れ出し、血液採集バッグで採集できるようにする。典型的には1.0−2.5リットルである必要な血液量が採集されるまでドナーの血液を流れ出させ、その時点でカテーテルを外す。その後、瀉血により抽出された血液をろ過し、システムで用いる調整段階として、システム100の潅流液レザバ160に加える。代替的には、血液をドナーから瀉血し、カニューレ及び血液採取バッグに一体化されたフィルタを有する装置を用いる単一の段階で、白血球及び血小板をろ過することができる。このようなフィルタの一例は、Pall BC2B フィルタである。心臓102の採集のための調整として、ドナーの血液を瀉血後、ドナーの心臓102をステップ914で心臓麻痺性溶液と一緒に注射して拍動を一時的に止める。
心臓102を停止させた後、心臓102をドナーから外植し916、システム100への装填に向けて調整する918。概略的には、心臓を外植するステップ916及び装填に向けて調整するステップ918は、心臓102の血管肝臓とドナーの内部胸腔との間の接続を切断するステップと、多様な切断された接続を縫合するステップと、その後、この胸腔から心臓102を持ち上げるステップとを含む。
より具体的には、図29Bに示すように、右及び左肺動脈164a及び164bを切断し、身背動脈164aを手術用縫合糸901a又は他の適した機構で結ぶ。こうして締結することにより、左背動脈164aの切断された端部903aを通じて潅流液が流れ出すことが防がれる。図24A−24Bを参照して上述したように、左肺動脈164bは未締結のままにして、臓器チャンバ・アセンブリ104内にそれをカニューレ挿入できるようにすることで、潅流液108を左肺動脈164bを通じ、肺動脈カニューレ挿入インターフェース170を通じて流させ、レザバ160に戻るようにする。左肺静脈168b及び169b並びに右肺静脈168a及び169bも切断し、一本の肺静脈169bを除くすべてをそれぞれ手術用縫合糸901b、901c、及び901dで結ぶ。これにより、右肺静脈168a及び169aの切断された端部903b及び903cや、又は左肺静脈168bの切断された端部903dからの潅流液の流れが妨げられ、しかし未締結の肺静脈を臓器チャンバ・アセンブリ104に肺静脈インターフェース170を通じてカニューレ挿入することができる。図24A−24Bを参照して上述したように、この構成により、潅流液108は右肺動脈164bを通じ、肺動脈インターフェース166を通じて流れ、酸素付加器114内に帰ることができる。代替的には、血液を、肺動脈幹をカニューレ挿入している右心室から吐き出させることもできる。肺動脈幹は図示されていないが、肺動脈164の枝164a及び164bと右心室159との間の、肺動脈164部分を含む。上大静脈161も切断し、心臓をシステム100に接続し、拍動が開始したら糸901eで結んで、その端部903eから潅流液が流れ出さないようにする。下大静脈163も同様に切断し、糸901fで結ぶか、又はかがり縫いをして、その端部903fから潅流液が流れ出さないようにする。大動脈158も(図示の実施態様では冠静脈洞155から下流の地点で)切断するが、結ばず、臓器チャンバ・アセンブリ104にそれをカニューレ挿入できるようにする。ある実施態様では、大動脈158を大動脈コネクタにカニューレ挿入して、大動脈インターフェース170に容易に取り付けられるようにする。
図29Aのフローチャートを引き続き参照すると、心臓の血管構造を切断後、適宜結んだ後、心臓102を臓器チャンバ・アセンブリ104内に挿入し、大動脈158、左肺動脈164b、及び肺静脈169bを臓器チャンバ・アセンブリ104の適した位置にカニューレ挿入することにより、それをシステム100に装填する。
しばしば、肺も提供したようなドナーから得られた心臓は、左心房152の一部又は全部を失っていることがある。この場合、それでも尚、大動脈158の、右肺動脈164a又は肺動脈幹(図示せず、しかし上述されている)のいずれかとをカニューレ挿入し、いずれかの残っている左心房152部分を保存期間中、開放したままにすることにより、この心臓102を利用し、逆行モードで潅流することができる。
図29Aを引き続き参照すると、経路906を通じた心臓の調整中、システム100は、心臓102が調整されたらすぐに、プライミングされ、カニューレ挿入及び輸送に向けて心臓102を待機するように、経路908のステップを通じて調整される。ドナーからの心臓102をシステム100に迅速に輸送し、続いて心臓102を潅流液108で潅流することにより、医療操作者は、心臓102から酸素及び他の栄養分が枯渇している時間量を抑えることができるため、現行の臓器管理技術で発生するような虚血及び他の悪影響を減らすことができる。いくつかの実施態様では、心臓麻痺性溶液を心臓に輸注する時点と、システム100を通じて心臓102に潅流液108を流す時点との間の時間量は約15分未満である。他の例示的な実施態様では、この間の時間は約2分の1時間未満、約1時間未満、約2時間未満、又は約3時間未満ですらある。同様に、心臓を臓器管理システム100に移植する時点と、心臓102を生理的温度に近い温度(例えば約34℃乃至約37℃など)にする時点との間の時間は、心臓組織内での虚血を減らすよう、迅速な時間である。いくつかの例示的な実施態様では、前記の時間は約5分未満であるが、他の用途では、約2分の1時間未満、約1時間未満、約2時間未満、又は約3時間未満ですらあってもよい。いくつかの例示的な実施態様では、心臓をドナーからシステム100に、心臓麻痺を用いることなく直接、移すことができ、そしてこのような用途では、暖かい潅流液108流を介させる時点、及び/又は、生理温度に近い温度に心臓を達させる時点は、同様に、約5分未満、約2分の1時間未満、約1時間未満、約2時間未満、又は約3時間未満ですらある。ある実施態様では、ドナーの心臓をドナーからの摘出前には停止させず、心臓102がまだ拍動中にシステム100内に据える。
図29Aに示すように、システム100は、一連のステップを通じて経路908で調整されるが、この一連のステップには、頓用モジュール634を調整するステップ(ステップ922)、システム100をプライミング溶液でプライミングするステップ(ステップ924)、ドナーからの血液をろ過し、それをシステム100レザバ160に加えるステップと(ステップ912)、及び、心臓102をシステム100に接続するステップ(ステップ904)が含まれる。具体的には、頓用モジュール634を調整するステップ922は、使い捨て頓用モジュール634を組み立てるステップを含む。適したアセンブリは例えば図24A−24D、図25A−25C、及び図26に示されている。モジュール634を組み立てた後、又は、適したアセンブリで提供した後、それを多重使用モジュール650に、図21A−21Cを参照しながら上述したプロセスを通じて、挿入する。
ステップ924では、装填後のシステム100を、表1を参照しながら下により詳細に解説するようにプライミング溶液でプライミングする。ある特徴としては、プライミングを助けるために、システム100は、図27Aの臓器チャンバ・アセンブリ104に据えつけた状態で示した臓器バイパス導管810を提供する。図示のように、該バイパス導管は、三つのセグメント810a−810cを含む。セグメント810aは肺動脈カニューレ挿入インターフェース170に取り付けられる。セグメント810bは大動脈カニューレ挿入インターフェース810bに取り付けられ、そしてセグメント810cは、肺静脈カニューレ挿入インターフェース166に取り付けられる。このように臓器チャンバ・アセンブリ104に取り付けられた/カニューレ挿入されたバイパス導管810を用いることで、操作者は、システム100に、実際の作動中に用いられる経路のすべてを通じて潅流液108を循環させることができる。これにより、システム100を完全に検査し、心臓102を定位置でカニューレ挿入する前にプライミングすることができる。
次のステップ912では、ドナーからの血液をろ過し、レザバ160に加える。このろ過プロセスは白血球及び血小板の完全又は部分的に除去することで、炎症プロセスを減らす。加えて、ドナーの血液を一種以上の栄養分116及び/又は保存剤118溶液と混合して、潅流液108を形成する。ステップ926では、図24Bを参照して上述したように、そしてバイパス導管810を定位置に置いた状態で、潅流液108をシステム100に逆行流モードでポンピングすることで、システム100を潅流液108でプライミングする。プライミングステップ926で潅流液108がシステム100を循環する間に、それが加熱器アセンブリ110を通過するときに所望の温度まで暖められる。この所望ノン度範囲及び加熱の適用は、図6A乃至6Eを参照して、そして図13に関して上述されている。ステップ920では、システム100を潅流液108でプライミングした後、バイパス導管810を取り外し、上述した通りに、そして図27Bで示すように、心臓102をシステム100内に据え付ける。
心臓102をシステム100内に据え付けた後、ポンプ104を作動させ、液流モード・バルブ112を(図1及び4を参照した上述した)逆行流モードに配置して、潅流液108を逆行流モードで大動脈を通じて心臓102の血管構造内へポンピングする。暖かく、酸素及び栄養分を濃縮された潅流液108を心臓102を通してポンピングすることにより、心臓102は、正常に近い生理状態でex vivoで機能することができる。具体的には、暖かい潅流液108は心臓102を、それがそれを通って潅流するときに暖め、それにより心臓102をその天然の態様で拍動を再開させてもよい。場合によっては、心臓102をその拍動再開を支援することが好ましく、この支援は、ハンド・マッサージ又は除細動シグナル143(図22Eに示す)を心臓102に提供することにより、行われよう。これは図5A−5Fの臓器チャンバ・アセンブリに、そして図17A−17Jの操作者インターフェース146について上述した通りに行われてもよい。
心臓をシステム100にステップ920で据え付けた後、次にステップ928及び930により、操作者は心臓102及びシステム100を検査し、それらの各々の状態を評価することができる。描写すると、ステップ928は、(図27Aに示す通りに配置された)センサ142及び144からのそれぞれECGシグナル379及び381や、センサ140からの潅流液108のヘマトクリット145及び酸素飽和度141レベルを評価するステップを含む。図12及び図17A−17Iを参照しながら更に解説するように、更に操作者は、心臓102をカニューレ挿入中、システム100の液流、圧力、及び温度を観察することもできる。図5E及び5Fを参照しつつ上述したように、検査ステップ928には、更に、臓器チャンバ104の外側の蓋196を持ち上げ、可撓性のメンブレン198bを通じて間接的に心臓102に触れる/調べることにより、操作者に心臓102に触れさせる/調べさせるステップを含めてもよい。評価ステップ930の間、検査ステップ928の間に得られたデータ及び他の情報に基づき、操作者は、システム100の特性(例えば液流、圧力、及び温度)を調節すべきか、そしてどのように調節するか、そして付加的な除細動、又は他の必要な形態の処理を心臓102に提供すべきかどうかを判断する。操作者は、いずれかこのような調節をステップ932で行った後、ステップ928及び930を繰り返して、心臓102及びシステム100を再検査及び再評価する。いくつかの実施態様では、操作者は、調節ステップ932の間に、外科的、治療的又は他の手法を心臓102に対して行うことを選択してもよい。例えば操作者は、心臓の生理的健康の評価を行うことができ、例えば超音波又は他の画像検査を行う、心臓に対して心エコー検査又は診断検査を行う、動脈血中気体レベル及び他の評価検査を行うことができる。
別の用例では、ステップ932中又はステップ932後、システム100により、医療上の操作者は、外植後に、しかしドナーへの移植前に、目的のレシピエントの適合性について臓器を評価することができる。例えば操作者は、臓器をシステム100にカニューレ挿入した状態で、ヒト白血球抗原(HLA)適合検査を臓器に対して行うことができる。このような検査は、12時間以上を必要とし、また、目的のレシピエントとの臓器の適合性を確認するために用いられる。上述のシステム100を用いた臓器の保存により、HLA適合を完了するために必要な時間を越えた保存時間が可能となり、これにより、おそらくは、移植後の結果が向上するであろう。このHLA適合検査例では、保存剤溶液を心臓にポンピングしながら、HLA検査を心臓に対して行うことができる。
更なる例示的な実施態様では、ステップ932により心臓が機能中であると判断された後で、操作者はこの心臓に対して外科術を行うか、あるいは免疫治療、化学療法、遺伝子検査及び両方、又は放射線療法などの治療又は他の処置を提供することができる。システム100により、心臓102を生理的温度に近い温度、液流速度、及び酸素飽和レベルで潅流することができるため、調節ステップ932後の長期間(例えば少なくとも3日間以上、少なくとも1週間、少なくとも3週間、又は1ヶ月もしくはそれ以上を超えて長い時間)、心臓102を維持することができるため、評価及び処理を繰り返すこともできる。
例示的な実施態様では、検査928、評価930及び調節932ステップを、逆行流モードで作動中のシステム100で行わせてもよく、あるいは、正常流モードで作動中のシステム100で行わせてもよい。正常流モードでは、操作者は心臓102の機能を、正常又は正常に近い生理的血流条件下で検査することができる。評価930に基づき、システム100の設定値を、必要であればステップ932に調節して、液流、加熱及び/又は他の特徴を変更して、ステップ934で心臓102を安定させて、ステップ936でのレシピエント部位への輸送に備えて調整してもよい。心臓102及びシステム100を検査し、評価して適切な性能を確認したら、心臓102を装填したシステム100をステップ936でレシピエント部位に輸送する。
今度は図30を参照すると、移植プロセスの第一段階942は、検査928及び評価930ステップを、ドナー部位を離れる直前に繰り返すステップを含む。心臓102の機能及び特徴が許容できるものでなければ、システム100を適宜調節942して、適した潅流液酸素付加又は栄養分レベルを提供したり、あるいは、適切な潅流液温度を上下させたりすることができる。上述したように、外科的及び/又は他の治療的/療法的手法を心臓102に対し、検査928及び評価930と併せて行ってもよい。図示の実施態様によれば、レシピエント部位での検査を、逆行流モード、正常流モード、又は両者の組合せで行ってもよい。
ステップ946では、検査終了後、システム100を正常/正方向流モードにする。いくつかの実施態様では、このステップ946を、左心房152及び肺静脈164にカニューレ挿入するまで開始せず、システムに充分な作動溶液があり、心臓は安定な電気活性を示し、ABG及び電解質は許容可能な範囲内であり、SvO2 は80%を超え、そして血液温度は約34℃乃至約36℃の間である。ステップ946は、システム100の逆行性ポンピングを遅くする及び/又は停止させてた後、正方向でポンピングを再開することにより、行われてもよい。いくつかの実施態様では、正方向モードを再開する前に、使用者は大動脈試料採取ポート754aを開き、圧力制御クランプ190を反時計方向に回すことでそれを解放した後、ポンプ106の流速を約1.0 L/minまで上げ、液流制御バルブ112を正常/正方向流に設定し、ポンプ106の流速を約 2.0 L/min まで上げて、血液102がシステム100の潅流液線(例えば802)中の空気を変位させて心臓102の左側を通過してレザバの戻りライン808まで至ることができるようにする。その後使用者は大動脈試料採取ポート754aを閉じる。
次に、ポンプ106から吐出される潅流液108の流速は、ステップ950で、臨床医の選択したレベル(典型的には約1L/min 乃至約 5 L/minの間)まで上げられ、正常拍動モードで機能中の心臓102が提供する生理的流速に近づける。心臓102及びシステム100を再度、ステップ952で、ステップ928及び930に関して上述したのと同様な態様で検査する。臨床医は、更に、例えば心エコー、電解質測定、心臓酵素測定、代謝産物測定、血管内超音波評価、圧力−体積ループ評価、及びMillar圧力評価など、心臓に対していずれか他の検査又は評価を行うことを選択してもよい。
レシピエント部位での三番目の段階946では、心臓をレシピエントへの移植に向けて調整する。この段階は、ポンプ106を減衰させて、潅流液108の液流を停止させるステップ956を含む。次に、ステップ958では、例えば心臓麻痺性溶液を、ドナー部位でステップ914で行われたのと同様な態様で心臓102に注射することで、それを停止させる。ステップ960では、心臓102からカニューレを抜き、臓器チャンバ・アセンブリ106から取り出す。ステップ962では、まず縫合糸901a−901fを取り除いた後、心臓をレシピエントの胸腔に挿入し、多様な心嚢(例えば158、164a、164b、168a、168b、169a、169b及び903a−903f)を、レシピエント内でそれらの適した対合する心嚢に縫合することにより、心臓102をレシピエントの患者に移植する。
心臓を除細動し、ペーシング・シグナルを心臓に送達し、血液の化学的分析を潅流液から採取された試料で行う外部装置及び方法を解説したが、これらの特徴を当該の携帯システムに一体化することも有益であろう。このような特徴には、除細動、ペーシング、診断的ECG検出、及び血液化学分析がある。
上述したように、システム100はプライミング溶液を利用し、更に、栄養分補助分116溶液及び保存剤溶液118を血液生成物又は合成血液生成物と配合することで潅流液108を形成した潅流液108を利用する。次に、該プライミング、補助剤116、及び保存剤118溶液を解説する。
いくつかの実施態様によれば、臓器が生理的又は生理的に近い条件で機能できるように、特定の溶質及び濃度を持つ溶液を選択し、配合する。例えば、このような条件には、臓器機能を生理的温度又は生理的温度に近い温度で維持する、及び/又は、臓器を、たんぱく質合成などの正常な細胞代謝ができる状態で保存する、が含まれる。
いくつかの実施態様では、成分を、より高い濃度の溶液を由来とする流体と、希釈により配合することにより、あるいは、より薄い溶液由来の流体と、濃縮により配合することにより、組成物から形成する。いくつかの実施態様では、適した溶液には、エネルギ源、移植前及び異色中に臓器がその正常な生理機能を続行する助けとなる一種以上の刺激剤、及び、潅流中に臓器がその細胞代謝を続行するように選択及び配合された一種以上のアミノ酸、が含まれる。細胞代謝には、例えば、潅流中に機能しながらもたんぱく質合成を行うなどがある。いくつかの例示的な溶液は水性ベースであるが、他の例示的な溶液は、例えば有機溶媒ベース、イオン性液体ベース、又は脂肪酸ベースであるなど、非水性である。
溶液には、臓器がその正常な生理機能を行うことを支援する一種以上のエネルギ豊富な成分が含まれよう。これらの成分には、代謝可能なエネルギ豊富な物質、及び/又は、潅流中に臓器がエネルギ源を合成するために用いることのできる、このような物質の成分、が含まれよう。エネルギ豊富な分子の源の例には、例えば一種以上の糖がある。糖の例には、単糖、二糖、オリゴ糖、多糖、又はこれらの組合せ、あるいはこれらの前駆体又は代謝産物がある。限定的なことを意図しないが、当該溶液に適した単糖の例には、オクトース;ヘプトース;フルクトース、アロース、アルトロース、グルコース、マンノース、グロース、イドース、ガラクトース、及びタロースなどのヘキソース;リボース、アラビノース、キシロース、及びリキソースなどのペントース;エリスロース及びトレオースなどのテトロース;及びグリセルアルデヒドなどのトリオース、がある。限定的なことを意図していないが、当該溶液に適した二糖の例には、(+)-マルトース (4-O-(α-D-グルコピラノシル)-α-D-グルコピラノース), (+)-セロビオース (4-O-(β-D-グルコピラノシル)-D-グルコピラノース)、(+)-ラクトース (4-O-(β-D-ガラクトピラノシル)-β-D-グルコピラノース)、スクロース (2-O-(α-D-グルコピラノシル)-β-D-フルクトフラノシド)がある。限定的なことを意図していないが、当該溶液に適した多糖の例には、セルロース、でんぷん、アミロース、アミロペクチン、スルホムコ多糖(例えばデルマタンスルフェート、コンドロイチン硫酸、スロデキシド(原語:sulodexide)、メソグリカン、ヘパラン硫酸、イドサン、ヘパリン及びヘパリノイド)、及びグリコーゲンがある。いくつかの実施態様では、アルドース、ケトースの両者、又はこれらの組合せ、の単糖、二糖、及び多糖が用いられる。ここで解説されたものや解説されていないものも含め、単糖、二糖、及び/又は多糖のエナンチオマ、ジアステレオマ、及び/又は、互変異性体を含む一種以上の異性体を、ここで解説する溶液に用いてもよい。いくつかの実施態様では、一種以上の単糖、二糖、及び/又は多糖を、例えば誘導体化及び/又は一つ以上の官能基の(保護基による)保護などにより、化学修飾してもよい。いくつかの実施態様では、デキストロース又は他の形のグルコースなどの糖質が好ましい。
他の可能なエネルギ源には、アデノシン三リン酸 (ATP)、コエンザイムA、ピルビン酸、フラビンアデノシンジヌクレオチド(FAD)、チアミンピロホスフェートクロリド(コ-カルボキシラーゼ)、β--ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド (NAD)、β-ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドホスフェート (NADPH)、及び、ヌクレオシドのリン酸誘導体、即ちモノ-、ジ-、及びトリ-ホスフェートを含むヌクレオチド(例えばUTP、GTP、GDF、及びUDP)、コエンザイム、又は、同様な細胞代謝機能を有する他の生体分子、及び/又は、それらの代謝産物又は前駆体、がある。例えば、アデノシン、グアノシン、チミジン(5-Me-ウリジン)、シチジン、及びウリジンのリン酸誘導体や、他の天然及び化学修飾されたヌクレオチドが考察される。
いくつかの実施態様では、一種以上の糖質をヌクレオチドなどのリン酸源と併せて提供する。糖質は、潅流中に臓器がATP又は他のエネルギ源を産生する助けとなる。リン酸源はATP、ADP、 AMP 又は他の源を通じて直接、提供させてもよい。他の例示的な実施態様では、リン酸を、グリセロホスフェート、リン酸ナトリウム又は他のリン酸イオンなどのリン酸塩を通じて提供させる。リン酸には、プロトン化型及び一種以上の対イオンを持つ型を含め、いずれかのイオン性状態のこれらの型が含まれよう。
当該の溶液には、潅流中に臓器の正常な生理的機能を支援する一種以上の臓器刺激剤を含めてもよい。いくつかの例示的な実施態様では、移植される臓器が心臓である場合、心臓刺激剤を提供して、この心臓が潅流中及び移植中に機能(例えば拍動を続けるなど)し続けられるようにする。このような刺激剤には、例えばエピネフリン及び/又はノルエピネフリンなど、心臓の拍動を促すカテコールアミンが含まれよう。例えば特定の形のペプチド及びポリペプチド(例えばバソプレッシン、アンスロプロイリン−A及びアンストプロイリン−B)、及び/又はβ1/β2−アドレナリン受容体遮断剤(CGP 12177など)、ブプリナロール、ピンドロール、アルプレノロール、及び強心性配糖体などの他の心臓刺激剤を用いてもよい。ジギタリス(ジゴキシン)、パルストリン、及び/又はフェルラ酸などの一種以上の天然生成物も用いてよい。上述したものなどの刺激剤を当該溶液に含めることも、あるいは、使用者による使用時に加えることもできる。
場合によっては、潅流中に臓器がその代謝を行う支援をするために付加的な成分を提供する。これらの成分には、例えば、内皮機能の維持、及び/又は、虚血及び/又は再潅流損傷を弱めるためのATP合成に用いられるであろう、アデニン及び/又はアデノシンの形又は誘導体がある。いくつかの実施態様では、マグネシウム・イオン源に、リン酸を提供し、そしていくつかの実施態様では、アデノシンを提供して、潅流された臓器の細胞内でのATP合成を更に亢進させる。
ここで解説された溶液には、臓器の細胞によるたんぱく質合成を助けるための一種以上のアミノ酸、好ましくは複数のアミノ酸を含めてもよい。適したアミノ酸には、例えば天然型アミノ酸のうちの何れかがある。アミノ酸は多様なエナンチオマ型又はジアステレオマ型であってよい。例えば、溶液はD型又はL型アミノ酸のいずれか、あるいはこれらの組合せを利用してもよく、溶液を、D型又はL型異性体あるいはラセミ溶液をよりエナンチオリッチにした溶液であってもよい。適したアミノ酸は、例えばシトルリン、オルニチン、ホモシステイン、ホモセリン、β-アラニンなどのβ-アミノ酸、アミノ-カプロン酸、又はこれらの組合せなど、非天然型又は修飾されたアミノ酸であるかも知れない。
いくつかの溶液の例には、いくつかの、しかし全部ではない天然型アミノ酸が含まれる。いくつかの実施態様では、溶液に必須アミノ酸が含まれる。例えば、溶液を以下のアミノ酸のうちの一つ以上又はすべてで調製してもよい:
Figure 2012255003
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いくつかの実施態様では、非必須及び/又は準必須アミノ酸は溶液に含まれない。例えば、いくつかの実施態様では、アスパラギン、グルタミン、及び/又はシステインは含まれない。他の実施態様では、当該溶液は一種以上の非必須及び/又は準必須アミノ酸を含有する。従って、他の実施態様では、アスパラギン、グルタミン、及び/又はシステインが含まれる。
当該の溶液は、更に、酵素反応、心臓の収縮性、及び/又は、臓器内での凝縮を促す電解質、特にカルシウムイオンを含んでいてもよい。ナトリウム、カリウム、塩化物、硫酸塩、マグネシウム及び他の無機及び有機帯電種、又はこれらの組合せなどの他の電解質を用いてもよい。電荷及び安定性が許す限り、ここで紹介するいずれの成分を、イオン型、プロトン化型もしくは非プロトン化型、塩もしくは遊離塩基型で、又は、イオン性もしくは共有結合置換基として、適切であれば適宜、加水分解して当該成分を水溶液中で利用可能にする他の成分と組み合わせて、提供してもよいことは留意されたい。
いくつかの実施態様では、当該の溶液は緩衝成分を含む。例えば、適した緩衝系には、2-モルホリノエタンスルホン酸モノヒドレート (MES)、カコジル酸、H2CO3 / NaHCO3
(pKa1)、クエン酸(pKa3)、ビス(2-ヒドロキシエチル)-イミノ-トリス-(ヒドロキシメチル)-メタン(Bis-Tris)、N-カルバモイルメチルイミジノ酢酸(ADA)、3-ビス[トリス(ヒドロキシメチル)メチルアミノ]プロパン(Bis-Tris プロパン) (pKa1)、ピペラジン-1,4-ビス(2-エタンスルホン酸) (PIPES)、N-(2-アセトアミド)-2-アミノエタンスルホン酸
(ACES)、イミダゾール、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル)-2-アミノエタンスルホン酸(BES)、3-(N-モルホリノ)プロパンスルホン酸(MOPS)、NaH2PO4/Na2HPO4
(pKa2)、N-とリス(ヒドロキシメチル)メチル-2-アミノエタンスルホン酸(TES)、N-(2-ヒドロキシエチル)-ピペラジン-N'-2-エタンスルホン酸(HEPES)、N-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン-N'-(2-ヒドロキシプロパンスルホン酸)
(HEPPSO)、トリエタノールアミン、N-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]グリシン(トリシン)、トリスヒドロキシメチルアミノエタン(Tris)、グリシンアミド、N,N-ビス(2-ヒドロキシエチル) グリシン(ビシン)、グリシルグリシン(pKa2)、N-トリス(ヒドロキシメチル)メチル-3-アミノプロパンスルホン酸 (TAPS)、又はこれらの組合せ、がある。いくつかの実施態様では、当該の溶液は重炭酸ナトリウム、リン酸カリウム、又はTRIS緩衝剤を含む。
当該の溶液には、臓器を維持し、それを潅流中の虚血、再潅流損傷及び他の病的作用から保護するのに役立つ他の成分を含めてもよい。いくつかの例示的な実施態様では、これらの成分には、ホルモン(例えばインシュリン)、ビタミン(例えば成人マルチビタミン、例えばマルチビタミンMVI-アダルト)、及び/又はステロイド類(例えばデキサメタゾン及びソリュメドロール)が含まれよう。
別の局面では、血液生成物に当該溶液を提供して、代謝中の臓器を助ける。適した血液生成物の例には、全血、及び/又は、例えば血清、血漿、アルブミン、及び赤血球などのその一種以上の成分が含まれよう。全血が用いられる実施態様では、血液を白血球及び血小板を取り除くフィルタを通して、臓器内で炎症を起こしかねない発熱因子、抗体及び/又は他の物質を取り除いてもよい。このように、いくつかの実施態様では、当該の溶液は、白血球を少なくとも部分的に取り除いた全血、及び/又は、血小板を少なくとも部分的に取り除いた全血を利用する。
当該の溶液を、好ましくは生理的温度で提供し、潅流及び再循環全般にわたってその近辺の温度で維持するとよい。ここで用いられる場合の「生理的温度」とは、約25℃乃至約37℃の間、例えば約30℃乃至約37℃の間、例えば約34℃乃至約37℃の間などの温度を言う。
表1は、水性のプライミング溶液例に用いられる成分を挙げたものである。表1での成分量は相対的なものであり、当該溶液中に用いられた水性溶媒量(例示する実施態様では約500mL)に対してであるが、適宜、比例増減させてもよい。いくつかの実施態様では、水性溶媒の量は、±約10%で様々である。
Figure 2012255003
例示のプライミング溶液は、図29Aを参照してより十二分に解説するように、プライミング・ステップ924を通じてシステム100に加えられる。
栄養分補助溶液116に関して言うと、いくつかの実施態様では、それには一種以上の糖質が含まれるが、リン酸源も含まれてもよい。栄養分補助溶液116は典型的には約5.0乃至約6.5、例えば約5.5乃至約6.0に維持される。
表2は、栄養分補助溶液116例で用いられる成分を挙げたものである。いくつかの実施態様では、栄養分溶液116はリン酸グリセロールナトリウムを更に含む。表2の成分の量は、溶液116中に用いられる水性溶媒の量(約500mL)に対して相対的なものであるが、適宜、比例増減してもよい。いくつかの実施態様では、水性溶媒の量は約±10%で様々である。
Figure 2012255003

いくつかの実施態様では、栄養分溶液116は一種以上の糖質を含むが、更にリン酸源を含んでいてもよい。栄養分溶液116は典型的には約5.0乃至約6.5、例えば約5.5乃至約6.0のpHに維持される。
保存剤溶液118には一種以上の保存剤を含めてもよい。ある例示的な実施態様では、一種以上の心臓刺激剤を、潅流及び異色中に心臓102の正常な生理的機能を支援するために含める。このような刺激剤には、例えばエピネフリン及び/又はノルエピネフリンなど、心臓の拍動を促すカテコールアミンが含まれよう。
アデノシン、マグネシウム、リン酸、カルシウム、及び/又はこれらの源などを含め、他の成分を保存剤溶液118に加えてもよい。場合によっては、付加的な成分を提供して、臓器が潅流中にその代謝を行うのを助ける。これらの成分には、例えば、内皮機能を維持する、及び/又は、虚血及び/又は再潅流損傷を弱めるためにATP合成に用いられるであろう種々の形のアデノシンが含まれよう。成分には、更に、グアノシン、チミジン(5-Me-ウリジン)、シチジン、及びウリジンなどの他のヌクレオシドや、それらのヌクレオチドを含め、他の天然及び化学修飾されたヌクレオシドが含まれよう。いくつかの例では、マグネシウム・イオン源にリン酸源を提供し、そしていくつかの実施態様では、アデノシンを提供して、潅流された臓器の細胞内でのATP合成を更に亢進する。更に複数のアミノ酸を加えて、心臓102の細胞によるたんぱく質合成を助けてもよい。該当するアミノ酸には、例えば、天然型アミノ酸のいずれかや、上述したものが含まれよう。
表3は、ここで解説する通りに臓器を保存するために溶液118に用いてもよい成分を挙げたものである。溶液118には、表3に記載された成分の一種以上を含めてもよい。
Figure 2012255003
Figure 2012255003
Figure 2012255003
表4は、保存剤溶液118例に用いられる成分を挙げたものである。表4に紹介した量は、表中の他の成分に対して好適な量を記載したものであり、充分な量の組成物を提供するために比例増減させてもよい。いくつかの実施態様では、表4に挙げた量を±約10%、変更することができ、それでも尚、ここで解説された溶液中に用いることができる。
Figure 2012255003

Figure 2012255003
溶液118の例示する実施態様では、表4中の成分を、約1Lの水性流体当りここで挙げた相対量で配合して、溶液118を形成する。いくつかの実施態様では、表4の成分を、約500mLの水性流体当りここに挙げた相対量を配合した後、やはり約500mLの溶液116と配合して、約1Lの水性流体の維持溶液116/118を提供する。いくつかの実施態様では、溶液116、118、及び/又は116/118中の水性流体の量は、±約10%分、変更することができる。表119のpHは、例えば約7.3乃至約7.6など、約7.0乃至約8.0の間で調節してもよい。溶液118を、例えばオートクレーブなどにより滅菌して純度を高めてもよい。
表5は、別の例示的な保存剤溶液118を挙げたものであり、この保存剤溶液118は、表5で明らかにした成分を有すると共に水性の流体と配合された組織培養基を含み、ここで解説された通りに潅流液108中に用いられよう。表5に挙げた成分の量は相互と、用いた水溶液の量とに対して相対的なものである。いくつかの実施態様では、約500mLの水性流体を用いる。他の実施態様では、約1Lの水性流体を用いる。例えば、約500mLの保存剤溶液118と500mLの栄養分溶液116との組合せにより、約1Lの維持溶液116/118が出来上がる。いくつかの実施態様では、水溶液の量は±約10%分、変更することができる。成分量及び水溶液の量は、使用に向けて適宜、比例増減してもよい。この実施態様での保存剤溶液118のpHを、例えば約7.3乃至約7.6など、約7.0乃至約8.0に調節してもよい。
Figure 2012255003

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アミノ酸はたんぱく質の構成ブロックであるため、各アミノ酸の固有の特徴が、例えば構造を提供したり生化学的反応を触媒したりするなど、たんぱく質に対していくつかの重要な特性をもたらす。保存剤溶液中に提供されるアミノ酸の選択及び濃度により、例えばエネルギを提供するための糖の代謝、たんぱく質代謝の調節、ミネラルの輸送、核酸(DNA及びRNA)の合成、血糖の調節、及び、電気活性の支援など、たんぱく質構造の提供に加え、正常な生理的機能の支援が提供される。加えて、保存剤溶液中に見られる特定のアミノ酸の濃度を用いれば、維持溶液116/118及び潅流液108のpHを予測可能に安定化させることができる。
保存剤溶液118のいくつかの実施態様には、エピネフリン及び複数のアミノ酸が含まれる。いくつかの実施態様では、保存剤溶液118は、カルシウム及びマグネシウムなどの電解質を含む。
ある実施態様では、維持溶液116/118を、一種以上のアミノ酸を含む保存剤溶液118と、グルコース又はデキストロースなどを含む一種以上の糖質を含む栄養分溶液116との組合せから作製する。更に維持溶液116/118は、臓器潅流システムへの注入前の使用時に施される、ここで解説したものなどの添加剤を有していてもよい。例えば、当該の溶液と一緒に含めることができる、あるいは使用者による使用時に添加することのできる、付加的な添加剤には、デキサメタゾン及びインシュリンなどのホルモン及びステロイド類や、例えばMVI-Adultなどの輸注用の成人用マルチビタミンなど、成人用マルチビタミンがある。例えば治療薬、及び/又は、アルブミンなど、血液又は血漿に典型的に伴う成分など、付加的な低分子及び巨大生物分子を当該溶液に含めても、あるいは、ポート762で使用者による使用時点で加えてもよい。
いくつかの実施態様では、ここで解説された組成物、溶液、及び系に含めてもよい治療薬には、T及び/又はT甲状腺ホルモンなどの甲状腺ホルモンなど、ホルモンがある。含めてもよい更なる治療薬には、心臓治療用の抗不整脈薬やベータ遮断剤などの薬物がある。例えば、いくつかの実施態様では、一種以上の甲状腺ホルモン、一種以上の抗不整脈薬、及び一種以上のベータ遮断剤を、栄養分溶液116、保存剤溶液118、及び/又は維持溶液116/118に、臓器の潅流前又は潅流中のいずれかで加える。更に、上記の治療薬を、臓器の潅流前又は潅流中に、潅流液108など当該系へ直接、加えてもよい。
表4を参照すると、保存剤溶液118例中に用いられるいくつかの成分は、滅菌処理を通過させた場合には分解又は変性などして失活しかねない低有機分子又は巨大生物分子などの分子である。システム100では、溶液118のうちの失活可能な成分を、溶液118の残りの成分とは別に調製してもよい。この分割した調製は、各成分を公知の技術を通じて別々に精製するステップを含む。溶液118の残りの成分は、例えばオートクレーブなどで滅菌された後、生物学的成分と配合される。
表6は、この2段階プロセスに従って、別々に精製し、滅菌後にここで解説された溶液に加えてもよいいくつかの生物学的成分を挙げたものである。これらの付加的又は補助的な成分を溶液118、116、116/118、プライミング溶液又はこれらの組合せに、個別に、多様な組合せで、組成物として一度に、あるいは配合された溶液として、加えてよい。例えば、いくつかの実施態様では、表6に挙げたエピネフリン、インシュリン、及びMVI-Adultを、維持溶液116/118に加える。別の例では、表6に挙げられたソリュメドロール及び重炭酸ナトリウムをプライミング溶液に加える。更に付加的な成分を一種以上の組合せ又はひとまとめに配合し、溶液116、118、116・118、及び/又は、プライミング溶液に加える前に溶液中に配置してもよい。いくつかの実施態様では、付加的な成分を潅流液108にポート672を通じて直接、加える。表6に挙げられた成分量は、相互に、及び/又は、表1乃至5のうちの一つ以上に挙げられた成分の量や、溶液116、118、116/118、及び/又は、プライミング溶液を調製する際に用いられた水溶液の量に対して、相対的であり、必要な溶液量に合わせて適宜、比例増減させてもよい。
Figure 2012255003

ある実施態様では、維持溶液116/118で用いる組成物を、一種以上の糖質、一種以上の臓器刺激剤、及び、アスパラギン、グルタミン、又はシステインを含まない複数のアミノ酸を含めるようにして、提供する。該組成物には、ここで解説された溶液に用いられるものなど、他の物質も含めてよい。
別の実施態様では、心臓などの臓器を潅流するシステムを、臓器及び実質的に無細胞の組成物を含めるようにして提供し、前記の実質的に無細胞の組成物は、一種以上の糖質、一種以上の臓器刺激剤、及び、アスパラギン、グルタミン、又はシステインを含まない複数のアミノ酸を含む。実質的に無細胞には、細胞物質を実質的に含まない系;特に、細胞を由来としない系、がある。例えば、実質的に無細胞には、非細胞性の源から調製された組成物及び溶液がある。
別の局面では、溶液116及び118を、一種以上の臓器維持溶液を含むキットの形で提供してもよい。維持溶液の一例は、上記の成分を、臓器潅流液108で用いるための一種以上の流体溶液に入れて含むものであろう。いくつかの実施態様では、維持溶液116/118は、保存溶液118及び栄養分溶液116及び/又は補助的組成物又は溶液などの複数の溶液を含んでいてもよく、あるいは、流体中で再生させて一種以上の溶液116/118を形成できる乾燥成分を含んでいてもよい。前記のキットは、更に、溶液116及び/又は118由来の成分を、一種以上の濃縮された溶液として含んでいてもよく、この場合、この濃縮された溶液を希釈すると、ここで解説された通りの保存、栄養分、及び/又は、補助的溶液が提供される。前記のキットには、更にプライミング溶液も含めてよい。ある例示的な実施態様では、維持溶液には、上述したものなどの保存溶液118及び栄養分溶液116と、上述したものなどのプライミング溶液とが含まれる。
いくつかの実施態様では、前記のキットは一個の梱包物として提供され、この場合の当該キットは、一種以上の溶液(又は適した流体と混合することにより一種以上の溶液を調合するのに必要な成分)と、滅菌、液流及び潅流中の温度管理や使用に関する指示や、当該キットを臓器潅流に適応するために必要又は適切な他の情報とを含む。いくつかの実施態様では、キットに、一種の溶液116、118及び/又は116/118(又は、適した流体と混合する溶液に用いられる一式の乾燥成分)のみを提供し、該一種の溶液116、118、及び/又は116/118(又は一式の乾燥成分)を、系100で溶液116、118及び/又は116/118を作動させるために必要又は有用な他の情報又は物質と併せて提供する。
別の局面では、当該の系、溶液及び方法を用いて、潅流中の臓器へ治療薬を送達してもよい。例えば上述の溶液及び/又は系のうちの一つ以上に、潅流中に臓器に送達される一種以上の薬物、生物製剤、遺伝子療法ベクタ、又は他の治療薬を含めてもよい。適した治療薬例には、薬物、生物製剤、又は両者が含まれよう。適した薬物には、例えば抗真菌約、抗微生物薬又は抗生物質、抗炎症薬、抗増殖薬、抗ウィルス薬、ステロイド、レチノイド、NSAID、ビタミンD3及びビタミンD3類似体、カルシウム・チャンネル遮断剤、補体中和剤、ACE阻害剤、免疫抑制剤、及び他の薬物が含まれよう。適した生物製剤にはたんぱく質が含まれよう。適した生物製剤には、更に、遺伝子治療用途用の一種以上の遺伝子を装填したベクタも含まれよう。
例えば適したステロイドには、限定はしないが、アンドロゲン性及びエストロゲン性ステロイドホルモン、アンドロゲン受容体アンタゴニスト及び5-α-レダクターゼ阻害剤、及びコルチコステロイドがある。具体的な例には、限定はしないが、アルクロメタゾン、クロベタゾール、フルオキノロン、フルオコルトロン、ジフルコルトロン、フルチカゾン、ハルシノニド、モメタゾン、プレドニゾン、プレドニゾロン、メチルプレドニゾロン、トリアムキノロン、ベータメタゾン、及びデキサメタゾン、並びにこれらの多様なエステル及びアセトアミドがある。
適したレチノイドには、限定はしないが、レチノール、レチナール、イソトレチノイン、アシトレチン、 アダパレン、タザロテン、及びベキサロテン、がある。
適したNSAIDには、限定はしないが、ナプロキセン、スプロフェン、ケトプロフェン、イブプロフェン、フルルビプロフェン、ジクロフェナック、インドメタシン、セレコキシブ、及びロフェコキシブ、がある。
適したビタミンD3類似体には、限定はしないが、ドキセルカルシフェロール、セオカルシトール、カルシポトリエン、タカルシトール、カルシトリオール、エルゴカルシフェロール、及びカルシフェジオール、がある。
適した抗ウィルス薬には、限定はしないが、トリフルリジン、シドフォビル、アシクロヴィル、ペンシクロヴィル、ファムシクロヴィル、バルシクロヴィル、ガンシクロヴィル、及びドコサノール、がある。
適したヒト脱炭酸酵素阻害剤には、限定はしないが、メタゾリアミド、アセタゾラミド、及びドルゾラミド、がある。
適した抗増殖薬には、限定はしないが、5-FU、タキソール、ダウノルビシン、及びミトマイシンがある。
適した抗生物質(抗微生物薬)には、限定はしないが、バシトラシン、クロルヘキシジン、クロルヘキシジンジグルコネート、シプロフロキサシン、クリンダマイシン、エリスロマイシン、ゲンタマイシン、ロメフロキサシン、メトロニダゾール、ミノサイクリン、モキシフロキサシン、ムピロシン、ネオマイシン、オフロキサシン、ポリミキシンB、リファンピシン、ルフロザシン、テトラサイクリン、トブラマイシン、トリクロザン、及びバンコマイシン、がある。ここで解説される抗ウィルス性及び抗菌性のプロドラッグを用いて、応答性の全身感染を適宜、治療してもよい。
いくつかの実施態様では、潅流液108で用いるための溶液系は、一種以上の心臓刺激剤と、アスパラギン、グルタミン、又はシステインを含まない複数のアミノ酸とを含む、保存溶液118などの第一溶液を含有する第一チャンバと、デキストロースなど、一種以上の糖質を含む栄養分溶液116などの第二溶液を含有する第二チャンバとを含む。当該の系は、更に、当該溶液を心臓を潅流するために用いる前に、第一溶液及び第二溶液を滅菌するための滅菌系を含んでいてもよい。いくつかの実施態様では、溶液118及び116のうちの一つ以上は一種以上の治療薬を含む。いくつかの実施態様では、当該の溶液系は、例えば上述したものなど、一種以上の糖質を含んでいてもよいプライミング溶液を含む第三チャンバを含む。いくつかの実施態様では、第一溶液118は、エピネフリン、アデノシン、インシュリン、一種以上の免疫抑制剤、マルチビタミン、及び/又は一種以上の電解質を含む。
いくつかの実験データを、ここで解説された溶液や、臓器潅流におけるそれらの使用の特定の実施態様を解説するために利用することができる。いくつかのデータを図31−33に挙げる。図31は、ある実施態様のシステム100による正方向モードで潅流中の臓器の電解質安定性を実証するチャートを示す。図31に関連する実施態様では、臓器は心臓102であり、潅流は、溶液106/108を含有する潅流液108を左心房152に大動脈158からポンピング注入することにより、(上述した通り)正方向モードで行われる。 潅流の速度はほぼ30
mL/hr.である。図31に見られるように、多様な電解質:ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び塩化物イオンのレベルや、溶解したグルコースのレベルは、臓器を潅流システム100にカニューレ挿入する前から、システム100内へのカニューレ挿入後6時間に至る潅流経過全般にわたって安定なレベルのままである。
図32は、別の実施態様のシステム100による逆行性潅流中の臓器の電解質安定を実証するチャートを示す。図32に関連する実施態様では、臓器は心臓102であり、潅流は、溶液116/118を含有する潅流液108を大動脈158に、そして冠状静脈洞155を通じてポンピング注入することにより、行われる。潅流の速度はほぼ30 mL/hrである。図32に見られるように、多様な電解質:ナトリウム、カリウム、カルシウム、及び塩化物イオンのレベルや、溶解したグルコースのレベルは、臓器を潅流システム100にカニューレ挿入する前から、カニューレ挿入後6時間に至る潅流経過全般にわたって安定なレベルのままである。図32はまた、電解質及びグルコースのレベルが、臓器にとって基線(BL)正常生理状態と同様なレベルのままであることも実証している。
図33は、本発明による別の実施態様で潅流を行っている臓器の大動脈血液ガス・プロファイルを実証するチャートを示す。図33に見られるように、様々な血液ガス:二酸化炭素及び酸素のレベルやpHは、6時間にわたる潅流全般にわたって安定なレベルのままである。更に図33は、二酸化炭素、酸素、及びpHのレベルが、臓器にとって正常な生理的状態の2つの基線(BL)測定と同様なレベルのままであることも実証している。図31−33は、更に、本システムの能力と、安定な生理的又は生理的に近い条件に臓器を維持する方法も実証している。
以上、本発明は多様な実施態様との関連から解説してきたが、前記の解説は本発明の実例を挙げることを意図しており、付属の請求項によって定義された本発明の範囲を限定することは意図していないことを理解されたい。例えば、多様なシステム及び/又は方法を、本開示に基づき、実施でき、また本発明の範囲内に入るものであろう。他の局面、利点、及び変更は、以下の請求項の範囲内である。ここで引用されたすべての参考文献の全文を、引用をもってここに編入することとし、本出願の一部と成す。
以下の図面は、本発明の例示的な実施態様を示したものであり、同図面において同様な参照番号は同様な要素を言及している。これらの図示の実施態様は実寸ではなく、本発明の例であり、付属の請求項に定義される本発明の範囲を限定するものではないと理解されたい。
図1は、本発明の例示的な実施態様による携帯可能な臓器管理システムの概略図である。 図2は、採集された心臓を示す図である。 図3は、図2の採集された心臓を、図1の臓器管理システムに本発明の例示的な実施態様に従って正常流モードの構成で相互接続して示す概念図である。 図4は、図2の採集された心臓を、本発明の例示的な実施態様に従って図1の臓器管理システムに逆行流モードの構成で相互接続して示す概念図である。 図5Aは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図5Bは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図5Cは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図5Dは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図5Eは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図5Fは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の臓器チャンバ・アセンブリの多様な図面を示す。 図6Aは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図6Bは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図6Cは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図6Dは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図6Eは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図6Fは、本発明のある例示的な実施態様による、図1の臓器管理システムに用いられる種類の潅流加熱器アセンブリの多様な図面を示す。 図7は、図6A−6Fの加熱器アセンブリに用いられる種類の例示的な抵抗性加熱器素子のより詳細な図面を示す。 図8Aは、本発明の例示的な実施態様による潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリの多様な図面を示す。 図8Bは、本発明の例示的な実施態様による潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリの多様な図面を示す。 図8Cは、本発明の例示的な実施態様による潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリの多様な図面を示す。 図9は、図1に示す種類の潅流液ポンプ・アセンブリのポンプ駆動装置側の斜視図を、潅流ポンプ・インターフェース・アセンブリに取り付けるブラケットと一緒に示す。 図10は、図9の潅流液ポンプ・アセンブリのポンプ駆動装置側と対合させた、図8A−8Cの潅流液ポンプ・インターフェース・アセンブリの側面図を示す。 図11は、図1の臓器管理システムの作動を制御するための例示的制御スキームのブロック図を示す。 図12は、図1の例示的臓器管理システムと一緒に用いてもよい種類の例示的データ獲得サブシステムのブロック図である。 図13は、図1の例示的臓器管理システムの潅流液温度を維持するために用いてもよい種類の例示的加熱制御サブシステムのブロック図である。 図14は、図1の例示的臓器管理システムに用いてもよい種類の例示的電力管理サブシステムのブロック図である。 図15は、図1の例示的臓器管理システムの潅流液ポンプの作動を制御するために用いてもよい種類の例示的ポンピング制御サブシステムのブロック図である。 図16は、本発明の例示的実施態様により、図15のポンピング制御サブシステムが同期するr波を示すグラフである。 図17Aは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Bは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Cは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Dは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Eは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Fは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Gは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Hは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Iは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図17Jは、本発明のある例示的実施態様による操作者インターフェースに用いてもよい種類の例示的表示スクリーンを示す。 図18Aは、本発明のある例示的実施態様による図1のシステムのシステム設計例を示す。 図18Bは、本発明のある例示的実施態様による図1のシステムのシステム設計例を示す。 図19Aは、本発明のある例示的な実施態様に従った、上面を外し、前方パネルを開放した、図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図19Bは、本発明のある例示的な実施態様に従った、上面を外し、前方パネルを開放した、図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図19Cは、本発明のある例示的な実施態様に従った、上面を外し、前方パネルを開放した、図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図20Aは、上面を取り外し、前方パネルを開放し、頓用使い捨てモジュールを取り外した、本発明のある例示的な実施態様による図18A及び18Bのシステムの前方斜視図である。 図20Bは、頓用使い捨てモジュールの対応する突起部に係合させるために、図20Aの多重使用モジュールの受け台に形成されたスロットの側面図である。 図21Aは、図20Aの多重使用モジュール内に頓用使い捨てモジュールを受け取らせ、定位置で係止するための取付用ブラケットを示す。 図21Bは、本発明のある例示的実施態様に従った、図21Aの取付用ブラケットを用いた多重使用モジュールへの頓用使い捨てモジュールの設置を示す 図21Cは、本発明のある例示的実施態様に従った、図21Aの取付用ブラケットを用いた多重使用モジュールへの頓用使い捨てモジュールの設置を示す 図22Aは、図21B及び21Cの設置中の頓用使い捨てモジュールと多重使用モジュールとの間の電子的光学的相互接続を自動的に行わせるための機構例を示す。 図22Bは、図21B及び21Cの設置中の頓用使い捨てモジュールと多重使用モジュールとの間の電子的光学的相互接続を自動的に行わせるための機構例を示す。 図22Cは、図21B及び21Cの設置中の頓用使い捨てモジュールと多重使用モジュールとの間の電子的光学的相互接続を自動的に行わせるための機構例を示す。 図23Aは、外部壁面のすべてを取り外した、本発明のある例示的実施態様による図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図23Bは、外部壁面のすべてを取り外した、本発明のある例示的実施態様による図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図23Cは、外部壁面のすべてを取り外した、本発明のある例示的実施態様による図18A及び18Bのシステムの多様な図面を示す。 図23Dは、本発明のある例示的実施態様による、図23A−23Cの回路盤同士の間の相互接続を示す概念図である。 図24Aは、本発明のある例示的な実施態様による頓用使い捨てモジュールの多様な上面斜視図を示す。 図24Bは、本発明のある例示的な実施態様による頓用使い捨てモジュールの多様な上面斜視図を示す。 図24Cは、本発明のある例示的な実施態様による頓用使い捨てモジュールの多様な上面斜視図を示す。 図24Dは、本発明のある例示的な実施態様による頓用使い捨てモジュールの多様な上面斜視図を示す。 図24Eは、本発明のある例示的な実施態様による頓用使い捨てモジュールの多様な上面斜視図を示す。 図25Aは、図24A−24Dの例示的頓用使い捨てモジュールの多様な底面斜視図を示す。 図25Bは、図24A−24Dの例示的頓用使い捨てモジュールの多様な底面斜視図を示す。 図25Cは、図24A−24Dの例示的頓用使い捨てモジュールの多様な底面斜視図を示す。 図26Aは、本発明のある例示的実施態様による液流モード選択バルブの作動を示す。 図26Bは、本発明のある例示的実施態様による液流モード選択バルブの作動を示す。 図27Aは、例示の臓器チャンバの上面を外した、図19A−19Cの頓用使い捨てモジュールの多様な上面図を示す。 図27Bは、例示の臓器チャンバの上面を外した、図19A−19Cの頓用使い捨てモジュールの多様な上面図を示す。 図28Aは、図19A−19Cの例示的頓用使い捨てモジュールに用いられる種類のヘマトクリット及び酸素飽和度センサ例の多様な図面を示す。 図28Bは、図19A−19Cの例示的頓用使い捨てモジュールに用いられる種類のヘマトクリット及び酸素飽和度センサ例の多様な図面を示す。 図28Cは、図19A−19Cの例示的頓用使い捨てモジュールに用いられる種類のヘマトクリット及び酸素飽和度センサ例の多様な図面を示す。 図29Aは、本発明のある例示的実施態様により、ドナーから臓器を取り出し、図1の臓器管理システム内にそれを配置するドナー側プロセスを示したフロー図である。 図29Bは、本発明のある例示的実施態様に従って、縫合及びカニューレ挿入部位と一緒に採集された心臓を示した図である。 図30は、本発明のある例示的実施態様に従って、図1の臓器管理システムから臓器を取り出し、それをレシピエントに移植するためのレシピエント側プロセスを示したフロー図である。 図31は、本発明のある実施態様に従って、正方向モードで潅流中の臓器の電解質安定性を実証した図を示す。 図32は、本発明の別の実施態様に従って、逆行モードで潅流中の臓器の電解質安定性を実証した図を示す。 図33は、本発明のある実施態様に従って潅流中の臓器の大動脈血液ガス・プロファイルを実証した図を示す。

Claims (78)

  1. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に心臓を配置するステップと、
    心臓に潅流液をポンプ注入するステップであって、潅流液が25℃乃至37℃の温度で、200 ml/min 乃至5 L/minの体積である、ステップと、
    心臓が保護チャンバ内で拍動中にその一つ以上の生理的特徴を観察するステップと、
    心臓をex vivoで保存するために、生理的特徴に少なくとも部分的に基づいてポンピング特徴を調節するステップと
    を含む、心臓をex vivoで保存する方法。
  2. 生理的特徴に電気的特徴が含まれる、請求項1に記載の方法。
  3. 生理的特徴に圧力特徴が含まれる、請求項1に記載の方法。
  4. 潅流液が血液生成物ベースである、請求項1に記載の方法。
  5. 潅流液が合成血液代替物ベースである、請求項1に記載の方法。
  6. 拍動性ポンプで潅流液をポンピングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  7. 生理的特徴に、心臓が拍動する速度が含まれ、ポンピング特徴に、拍動性ポンプがポンピングする速度が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して拍動性ポンプの速度を調節するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  8. 生理的特徴に、心臓が拍動する速度が含まれ、ポンピング特徴に、拍動性ポンプがポンピングするストローク量が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して拍動性ポンプのストローク量を調節するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  9. ポンピング特徴に、ポンプが潅流液を心臓にポンピングする時点が含まれ、生理的特徴に、拡張期にある心臓の一部分の一表現が含まれ、ポンピング特徴に、拍動性ポンプがポンピングする速度が含まれ、そして心臓の前記部分の拡張期の間に、心臓に潅流液をポンピングするステップを含む、請求項1に記載の方法。
  10. 拡張期が心臓の心室の拡張期である、請求項9に記載の方法。
  11. 前記心室が左心室である、請求項10に記載の方法。
  12. 拡張期が心臓の心房の拡張期である、請求項9に記載の方法。
  13. 前記心房が右心室である、請求項10に記載の方法。
  14. ポンピング特徴に、ポンプが潅流液を心臓にポンピングする速度及びストローク量を表す波形の形状が含まれ、そして心臓の生理的特徴に応答して、波形の形状を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  15. ポンピング特徴に、ポンプが潅流液をポンピングする単位時間当たりの流体流量が含まれ、そして心臓の生理的特徴に応答して、前記流量を変更するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  16. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  17. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして使用者選択可能なポンピング遅れ分を調節した後の前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項1に記載の方法。
  18. 潅流液加熱器の二枚の被加熱プレート間に形成された流路を通じて潅流液を流すことで、潅流液を32℃乃至37℃の間の温度に維持するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  19. 流路に入るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  20. 流路を出るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  21. 潅流液加熱器の温度を観察するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  22. ポンピングを行うために、潅流液からポンプ駆動装置を分離するステップを含む、請求項1に記載の方法。
  23. 潅流液を心臓の冠状静脈洞に心臓の大動脈の逆行性潅流を通じてポンピングするステップと、
    心臓の右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    200 ml/min 乃至400 ml/min の潅流液の心臓への流量を提供するステップと
    を含む、請求項1に記載の方法。
  24. 大動脈を通じた心臓への潅流液のポンピングと、右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを、2時間を越えて、心臓を移植に適した状態に維持したまま、維持するステップを含む、請求項23に記載の方法。
  25. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内の一つ以上の電極上に心臓を配置するステップと、
    心臓に潅流液をポンプ注入するステップであって、潅流液が25℃乃至37℃の温度で、200 ml/min 乃至5 L/minの体積である、ステップと、
    心臓をex vivoで保存するために潅流液を心臓にポンピングしながら、電極からの電気シグナルを観察するステップと
    を含む、心臓をex vivoで保存する方法。
  26. 電気シグナルに、心臓が拍動する速度の一表現が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して、心臓に潅流液がポンピングされる速度を調節するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  27. 電気シグナルに、心臓が拍動する速度の一表現が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して、心臓に潅流液がポンピングされる量を調節するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  28. 電気シグナルに、拡張期にある心臓の一部分の一表現が含まれ、そして心臓の前記部分の拡張期の間に、心臓に潅流液をポンピングするステップを含む、請求項25に記載の方法。
  29. 拡張期が心臓の心室の拡張期である、請求項28に記載の方法。
  30. 前記心室が左心室である、請求項29に記載の方法。
  31. 拡張期が心臓の心房の拡張期である、請求項28に記載の方法。
  32. 前記心房が右心房である、請求項31に記載の方法。
  33. ポンピング特徴に、ポンプが潅流液を心臓にポンピングする速度及びストローク量を表す波形の形状が含まれ、そして心臓の生理的特徴に応答して、波形の形状を変更するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  34. ポンピング特徴に、ポンプが潅流液をポンピングする単位時間当たりの流体流量が含まれ、そして心臓の生理的特徴に応答して、前記流量を変更するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  35. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
  36. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして使用者選択可能なポンピング遅れ分を調節した後の前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
  37. 潅流液を心臓に心臓の大動脈通じてポンピングするステップと、
    心臓の右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    200 ml/min 乃至400 ml/min の潅流液の心臓への流量を提供するステップと
    を含む、請求項25に記載の方法。
  38. 大動脈を通じた心臓への潅流液のポンピングと、右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを、2時間を越えて、心臓を移植に適した状態に維持したまま、維持するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  39. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
  40. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして使用者選択可能なポンピング遅れ分を調節した後の前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項25に記載の方法。
  41. 潅流液加熱器の二枚の被加熱プレート間に形成された流路を通じて潅流液を流すことで、潅流液を32℃乃至37℃の間の温度に維持するステップを含む、請求項25に記載の方法。
  42. 流路に入るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項41に記載の方法。
  43. 流路を出るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項41に記載の方法。
  44. 潅流液加熱器の温度を観察するステップを含む、請求項41に記載の方法。
  45. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に移植用の心臓を配置するステップと、
    潅流液を心臓に心臓の大動脈を通じてポンピングするステップと、
    心臓の右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    携帯用臓器管理システムの心臓をドナー部位からレシピエント部位に、潅流液を心臓に大動脈を通じてポンピングしながら輸送し、右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと
    を含む、心臓をex vivoで移植する方法。
  46. 輸送中の心臓の生理的パラメータを観察するステップを含む、請求項45に記載の方法。
  47. 生理的パラメータに、心臓が拍動する速度が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して、潅流液を心臓にポンピングする速度を調節するステップを含む、請求項46に記載の方法。
  48. 生理的パラメータに、心臓が拍動する速度が含まれ、そして心臓が拍動する速度に応答して、心臓にポンピングする潅流液量を調節するステップを含む、請求項46に記載の方法。
  49. 生理的パラメータに、拡張期にある心臓の一部分の一表現が含まれ、そして心臓の前記部分の拡張期の間に、心臓に潅流液をポンピングするステップを含む、請求項46に記載の方法。
  50. 拡張期が心臓の心室の拡張期である、請求項49に記載の方法。
  51. 前記心室が左心室である、請求項50に記載の方法。
  52. 拡張期が心臓の心房の拡張期である、請求項49に記載の方法。
  53. 前記心房が右心房である、請求項51に記載の方法。
  54. 大動脈を通じた心臓への潅流液のポンピングと、右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを、2時間を越えて、心臓を移植に適した状態に維持したまま、維持するステップを含む、請求項45に記載の方法。
  55. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項45に記載の方法。
  56. 生理的特徴に心臓からのr波が含まれ、そして使用者選択可能なポンピング遅れ分を調節した後の前記r波に潅流液のポンピングを同期させるステップを含む、請求項45に記載の方法。
  57. 一体型加熱器の二枚の被加熱プレート間に形成された流路を通じて潅流液を流すことで、潅流液を32℃乃至37℃の間の温度に維持するステップを含む、請求項45に記載の方法。
  58. 保護チャンバの外部にある流れスイッチを操作して、潅流液が心臓内へ心臓の左心房を通じてポンピングされ、心臓の右心室及び左心室を通じて心臓から流れ出すように、潅流液の流れを変更するステップを含む、請求項45に記載の方法。
  59. レシピエント部位への到着後に前記操作ステップを行うステップを含む、請求項58に記載の方法。
  60. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に心臓を配置するステップと、
    心臓が保護チャンバ内にあるときに、潅流液を心臓に提供するステップと、
    二枚の被加熱プレート間に形成された流路を通じて潅流液を心臓に流すことで、潅流液を32℃乃至37℃の間の温度に加熱するステップと
    を含む、心臓をex vivoで保存する方法。
  61. 流路に入るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項60に記載の方法。
  62. 流路を出るときの潅流液の温度を観察するステップを含む、請求項60に記載の方法。
  63. 被加熱プレートの少なくとも一方の温度を観察するステップを含む、請求項60に記載の方法。
  64. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に心臓を配置するステップと、
    潅流液を心臓に心臓の大動脈を通じてポンピングするステップと、
    心臓の右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    携帯用臓器管理システムを介して心臓をドナー部位からレシピエント部位に、潅流液を心臓に大動脈を通じてポンピングしながら輸送し、右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    心臓をレシピエントに移植する前に、保護チャンバの外部で液流制御を操作して、潅流液が心臓内へ心臓の左心房を通じてポンピングされ、心臓の右心室及び左心室を通じて心臓から流れ出すように、潅流液の流れを変更するステップと、
    心臓の評価を行うステップと
    を含む、移植用の心臓を評価する方法。
  65. 臓器の評価が、心臓に対して心エコーを行うステップを含む、請求項64に記載の方法。
  66. 臓器の評価が、大動脈血液ガスを測定するステップを含む、請求項64に記載の方法。
  67. 臓器の評価が、HLA適合検査を行うステップを含む、請求項64に記載の方法。
  68. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に心臓を配置するステップと、
    潅流液を心臓に心臓の大動脈を通じてポンピングするステップと、
    心臓の右心室を通じて心臓から遠ざかる潅流液の流れを提供するステップと、
    保護チャンバの外部で液流制御を操作して、潅流液が心臓内へ心臓の左心房を通じてポンピングされ、心臓の右心室及び左心室を通じて心臓から流れ出すように、潅流液の流れを変更するステップと、
    一種以上の免疫抑制治療、化学療法、遺伝子療法及び放射線療法を心臓に施与するステップと
    を含む、心臓に治療法を提供する方法。
  69. ドナーの心臓を停止させるステップと、
    ドナーから心臓を外植するステップと、
    心臓を臓器管理システムに移すステップと、
    ドナーから心臓を外植後30分未満以内で心臓に潅流液をポンピングするステップであって、前記潅流液が32℃乃至37℃の間の温度である、ステップと
    を含む、心臓を移植する方法。
  70. 心臓を臓器管理システムに移してから25分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項69に記載の方法。
  71. 心臓を臓器管理システムに移してから20分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項69に記載の方法。
  72. 心臓を臓器管理システムに移してから18分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項69に記載の方法。
  73. 心臓を臓器管理システムに移してから15分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項69に記載の方法。
  74. 心臓を臓器管理システムに移してから10分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項69に記載の方法。
  75. ドナーから心臓を外植し、該心臓を臓器管理システムに心臓を停止させずに移すステップと、
    ドナーから心臓を外植後30分未満以内で心臓に潅流液をポンピングするステップであって、前記潅流液が32℃乃至37℃の間の温度である、ステップと
    を含む、心臓を移植する方法。
  76. 心臓を臓器管理システムに移してから10分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項75に記載の方法。
  77. 心臓を臓器管理システムに移してから5分未満以内に、心臓を34℃乃至37℃の温度にするステップを含む、請求項76に記載の方法。
  78. 携帯用臓器管理システムの保護チャンバ内に心臓を配置するステップと、
    心臓の心室を介して心臓に潅流液を少なくとも12時間、ポンピングするステップであって、前記潅流液が、32℃乃至37℃の間の温度である、ステップと、
    潅流液をポンピングしながら、心臓に対してHLA検査を行うステップと
    を含む、移植用の心臓を評価する方法。

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