JPH06305901A - 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法 - Google Patents

室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法

Info

Publication number
JPH06305901A
JPH06305901A JP9977593A JP9977593A JPH06305901A JP H06305901 A JPH06305901 A JP H06305901A JP 9977593 A JP9977593 A JP 9977593A JP 9977593 A JP9977593 A JP 9977593A JP H06305901 A JPH06305901 A JP H06305901A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
perfusion
room temperature
perfusate
preservation
kidney
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP9977593A
Other languages
English (en)
Inventor
Akio Kawamura
明夫 川村
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Individual
Original Assignee
Individual
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Individual filed Critical Individual
Priority to JP9977593A priority Critical patent/JPH06305901A/ja
Publication of JPH06305901A publication Critical patent/JPH06305901A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

(57)【要約】 【構成】 パーフルオロカーボン化合物0.1〜10(w
/v)%、グルコース1〜20mmol/L、インシュリン10〜
200U/L、アロプリノール0.1〜5mmol/L、PEG
化SOD1〜10mg/L、アデノシン1〜10mmol/L、デ
キサメタゾン1〜20mg/L、ヒドロキシエチル澱粉1〜
5(w/v)%、ナトリウムイオン140〜145mEq/L 、カ
リウムイオン2〜6mEq/L および塩化物イオン90〜9
5mEq/L を加え、そのpHを7〜8、浸透圧を300〜
340mOsm/Lに調製して、灌流液2とする。 【効果】 灌流液2を酸素化した後、灌流圧60〜10
0mmHgにて移植臓器10等を灌流することによって、代
謝を維持するために充分な酸素を供給できるため、室温
下で長時間にわたり移植臓器10等を保存・灌流するこ
とができる。したがって、低温下保存による移植臓器1
0等への障害がない。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、移植臓器等を室温下に
て保存するのに有用な灌流液、およびこの灌流液を用い
て移植臓器等を室温下にて保存する方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年において臓器移植に際しての臓器の
保存技術の進展はめざましく、保存技術の進歩は、例え
ば腎臓移植の普及をますます促進している。臨床的に採
用されている臓器保存法には、低温単純浸漬法〔Lance
t, 2, 1219-1222 (1969) 〕および低温灌流法〔Lancet,
2, 536 (1967) 〕がある。これらの方法は、通常0〜
10℃の低温下での保存により移植臓器の代謝を抑制さ
せて、長時間の保存を可能とする。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、低温下保存時
に移植臓器の代謝を一旦抑制させるため、移植時に保存
臓器の(代謝)機能が再現できるかどうか問題があり、
その評価方法も確立されていない。また、低温下保存に
よる移植臓器への障害も検討を要するとされている。
【0004】そこで、移植臓器の代謝を行わせつつ保存
する方法として、室温下での保存・灌流方法が検討され
ている。例えば、第28回日本人工臓器学会大会予稿
集,No.192, p120(1990年9月)に記載されている方法
では、酸素および基質の供給が適正になされれば長時間
の保存が可能となるものと期待される。
【0005】また、パーフルオロカーボンを用いた室温
下での腎臓あるいは肝臓の保存方法は既に各種報告され
ている(特開昭55−51016号公報、Proceedings
of the Xth international congress for nutrition :
Synposium on perfluorochemical artificial blood, K
yoto 1975, 187-201、Nihon Gekagakukai Zasshi (J.Ja
p. Surg. Soc.), 74(5), 397 [1973]等)。
【0006】そこで本発明の目的は、従来のものよりも
さらに優れた臓器保存作用を有し、室温下で代謝を維持
しながら移植臓器等を保存することができる灌流液、お
よび室温下での臓器等の保存方法を提供することであ
る。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成すべく研究を重ねた結果、パーフルオロカーボン化
合物を基本要素とし、下記の特定組成(細胞外液の組成
を有する)からなる灌流液が優れた臓器保存作用を有す
ること、およびこの灌流液を用いて室温下で臓器を保存
する方法を見出して本発明を完成した。
【0008】即ち本発明は、パーフルオロカーボン(P
FC)化合物0.1〜10(w/v)%、グルコース1〜20
mmol/L、インシュリン10〜200U/L、アロプリノー
ル0.1〜5mmol/L、PEG化SOD1〜10mg/L、ア
デノシン1〜10mmol/L、デキサメタゾン1〜20mg/
L、ヒドロキシエチル澱粉(HES)1〜5(w/v)%、ナ
トリウムイオン140〜145mEq/L 、カリウムイオン
2〜6mEq/L および塩化物イオン90〜95mEq/L の組
成からなる灌流液であって、そのpHが7〜8、浸透圧
が300〜340mOsm/Lである室温下保存用灌流液に関
する。
【0009】また、当該室温下保存用灌流液を酸素化
し、灌流圧60〜100mmHgで灌流することを特徴とす
る臓器の室温下保存方法に関する。
【0010】本発明で用いられるパーフルオロカーボン
化合物は、化学的に不活性で、酸素溶解性に優れ、室温
で液状のものであれば特に限定されない。かかるパーフ
ルオロカーボン化合物の好適な例としては、炭素数9〜
12のパーフルオロ炭化水素、炭素数9〜12のパーフ
ルオロ第三級アミン等が挙げられる。
【0011】パーフルオロカーボン化合物の具体例とし
ては、例えばパーフルオロシクロアルカン、パーフルオ
ロアルキルシクロアルカン、パーフルオロシクロヘキサ
ン、パーフルオロデカリン、パーフルオロアルキルデカ
リン、パーフルオロアルキルテトラハイドロピラン、パ
ーフルオロアルキルテトラハイドロフラン、パーフルオ
ロアルカン、パーフルオロターシャリーアルキルアミ
ン、パーフルオロ−N,N−ジアルキルシクロヘキシル
アミン、パーフルオロアルキルピペリジン、パーフルオ
ロアルキルモルホリン、パーフルオロアダマンタン、パ
ーフルオロアルキルアダマンタン等(特開昭50−69
219号公報参照)が挙げられる。また、パーフルオロ
−N−メチルパーヒドロキノリン、パーフルオロ−N−
メチルデカハイドロイソキノリン、パーフルオロ−4−
メチルオクタハイドロキノリジン、パーフルオロ−3−
メチルオクタハイドロキノリジン、パーフルオロ−2−
メチルオクタハイドロキノリジン、パーフルオロ−1−
メチルオクタハイドロキノリジン、パーフルオロ−9a
−メチルオクタハイドロキノリジン、パーフルオロ−4
−エチルオクタハイドロキノリジン等も好ましいパーフ
ルオロカーボン化合物として例示される。
【0012】パーフルオロカーボン化合物の濃度は、当
該灌流液中0.1〜10(w/v)%であり、より好適には1
〜5(w/v)%である。
【0013】本発明にて使用されるパーフルオロカーボ
ン化合物の酸素溶解性は、一般に液温36℃において4
0〜60(v/v)%、好ましくは45〜55(v/v)%である。
【0014】当該パーフルオロカーボン化合物は、灌流
液の酸素運搬を目的として用いられ、酸素を高濃度に含
有する状態で臓器保存用に供される。従って、パーフル
オロカーボン化合物は予め高濃度に酸素を溶解させてお
くか、より好ましくは使用時に酸素を溶解させながら使
用に供される。
【0015】本発明において、パーフルオロカーボン化
合物は乳剤の形態で使用され、好適にはパーフルオロカ
ーボン化合物が水中に分散した水中油型乳剤である。
【0016】乳化剤としては高分子系非イオン性界面活
性剤、リン脂質等が用いられる。高分子非イオン系界面
活性剤としては分子量2,000 〜20,000のものが好適であ
り、例えばポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン
コポリマー、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、ポリ
オキシエチレンヒマシ油誘導体等が挙げられる。また、
リン脂質としては卵黄リン脂質、大豆リン脂質等が挙げ
られる。乳化剤は、当該灌流液中1〜5(w/v)%となるよ
うに添加される。
【0017】さらに所望により、炭素数8〜22(好ま
しくは炭素数14〜20)の脂肪酸、またはこれらの生
理的に受け入れられる塩〔例:アルカリ金属塩(ナトリ
ウム塩、カリウム塩等)、モノグリセライド等〕等を乳
化補助剤として加えることができる。具体的には、例え
ばカプリル酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン
酸、パルミチン酸、ステアリン酸、ベヘン酸、パルミト
レイン酸、オレイン酸、リノール酸、アラキドン酸、あ
るいはそれらのナトリウムまたはカリウム塩、もしくは
それらのモノグリセライド等が挙げられる。乳化補助剤
は、当該灌流液中0.001〜0.1(w/v)%となるよう
に添加される。
【0018】さらにグリセロールの如き等張化剤の使用
は結果として不要である。
【0019】乳剤の調製は従来公知の方法で行えばよ
く、例えば特開昭52−96722号公報、特開昭58
−225013号公報等に記載の方法等が例示される。
【0020】当該乳剤は各成分を任意の順序に混合して
粗乳化し、適当な乳化機(例えば、マントンゴーリン型
乳化機)によって粒子径が0.3μm以下となるように
均質化することによって調製される。
【0021】本発明の室温下保存用灌流液において、パ
ーフルオロカーボン(乳剤)以外の組成としては、グル
コース1〜20mmol/L、インシュリン10〜200U/
L、アロプリノール0.1〜5mmol/L、PEG化SOD
1〜10mg/L、アデノシン1〜10mmol/L、デキサメタ
ゾン1〜20mg/L、ヒドロキシエチル澱粉1〜5(w/v)
%、ナトリウムイオン140〜145mEq/L 、カリウム
イオン2〜6mEq/L および塩化物イオン90〜95mEq/
L である。特に好ましくは、グルコース5〜15mmol/
L、インシュリン20〜100U/L、アロプリノール
0.5〜3mmol/L、PEG化SOD3〜7mg/L、アデノ
シン3〜7mmol/L、デキサメタゾン5〜10mg/L、ヒド
ロキシエチル澱粉2〜4(w/v)%、ナトリウムイオン14
0〜145mEq/L、カリウムイオン約4mEq/L および塩
化物イオン約93mEq/L である。
【0022】当該灌流液において、グルコースは組織の
エネルギー源として用いられ、同時に浸透圧を維持する
ためにも使用される。また、これに対応したインシュリ
ンも加える。
【0023】アロプリノールとPEG化SODは活性酸
素捕捉剤として用いられる。ここでPEG化SODと
は、ポリエチレングリコール(PEG)をスーパーオキ
サイドジスムターゼ(SOD)に化学結合させたもので
ある(特開昭62−115280号公報参照)。
【0024】デキサメタゾンは膜安定化剤として用いら
れる。
【0025】ヒドロキシエチル澱粉は分子量1万〜35
万程度、好ましくは20万〜30万程度のものが例示さ
れる。また、置換度としては0.4〜0.7程度が例示
される。
【0026】上記成分以外に、障害腎がconditioningさ
れる時の基質として、アミノ酸類を使用することもでき
る。さらに、緩衝液も使用することができ、具体的には
HEPES等が例示される。
【0027】本発明の灌流液は、細胞外液により近づけ
るためにpH7〜8とし、組織の浮腫を防ぐために浸透
圧300〜340mOsm/Lとする。特にpH約7.4、浸
透圧約320mOsm/Lであることが好ましい。
【0028】本発明の灌流液の製法は特に限定されな
い。上記の成分を適宜混和することにより、本発明の灌
流液を調製することができる。
【0029】次に、本発明の臓器の室温下保存方法は、
当該灌流液を酸素化し、灌流圧60〜100mmHgで灌流
することにより、移植臓器等の臓器を室温下(10〜3
0℃、好ましくは約24℃)で保存する方法である。
【0030】灌流液の酸素化は公知の手法により行うこ
とができる。本発明においては、バブリング法、膜型人
工肺法等により酸素化を行うことが好ましい。
【0031】臓器を灌流による物理的障害から保護し、
かつ十分な酸素や基質の供給を維持するためには、灌流
圧を60〜100mmHgにすることが必要である。灌流圧
が60mmHg未満であると、灌流液の流量が不充分とな
り、一方、100mmHgを越えると、保存臓器の血管障害
等を来すからである。
【0032】この条件により、当該灌流液は、室温下に
おいて酸素分圧450mmHg以上で酸素を供給することが
できる。
【0033】本発明の保存方法の対照となる臓器として
は、臓器移植における腎臓あるいは肝臓等が例示され
る。
【0034】
【発明の効果】本発明の室温下保存用灌流液によれば、
安定した灌流圧を維持し、充分な酸素を供給できるた
め、室温下(10〜30℃、好ましくは約24℃)で長
時間(1〜20時間程度)にわたり移植臓器を保存・灌
流することができる。
【0035】また、室温下で保存することにより、例え
ば移植臓器の代謝を抑制せずに維持することが可能にな
る。従って、保存臓器のviability を移植前に知り得る
という利点を有する。即ち、保存中の臓器のviability
を各種検査法により連続的にモニターしながら、限界ま
での長時間保存が可能となる。例えば、腎臓を保存する
場合には、利尿の程度、尿の色調、尿pHや尿中ナトリ
ウム、カリウム値等の簡便かつ迅速な検査法等により、
保存腎臓のviability を判定することが可能となる。
【0036】さらに、室温下保存法を行う目的の一つ
に、保存臓器や障害を受けた臓器のconditioning効果が
ある。本発明の灌流液を用いる臓器の室温下保存方法に
よれば、温阻血または冷却による障害を受けたヒトを含
む哺乳類動物の臓器を良好な状態にconditioningするこ
とが可能となる。
【0037】
【実施例】本発明をさらに詳細に説明するために実施例
および実験例を挙げるが、本発明はこれらにより何ら限
定されるものではない。
【0038】実施例1 ヒドロキシエチル澱粉およびアロプリノール(A液
用)、グルコース、塩化ナトリウム、酪酸ナトリウムお
よびリン酸二水素カリウム(B液用)を各々精製水に溶
解した。A液およびB液を混合し、アデノシンを添加、
溶解した。HEPES、硫酸マグネシウム、アミノ酸製
剤、ホスミシンの各水溶液を添加した。水酸化ナトリウ
ム溶液でpHを7.4に調整した。全量を合わせた後、
孔径0.20μmのメンブランフィルターにて加圧濾過
した。パーフルオロトリブチルアミン(商品名FC−4
3,ミドリ十字社製)、デキサメタゾン、インシュリン
およびPEG化SODを無菌的に添加した。最終組成は
表1のようになる。
【0039】
【表1】
【0040】実験例1 実施例1の灌流液を用いて、以下に示す実験を行った。 実験動物と腎摘出法 実験動物は、体重2.5〜3.5kgの家兎(日本白色種
・雌雄)を一定期間ケージ内で飼育した後に用いた。麻
酔は、耳静脈より、チアミラールナトリウム20〜25
mg/kgとヘパリンナトリウム100単位/kgの静注によ
り導入し、エーテル麻酔で維持した。腹部正中切開後、
尿管に外径5Frのカテーテル(テルモ社製)を挿入固
定し、採尿ルートとした。次に、腎動脈および腎静脈を
剥離し、腎動脈に5Frのカテーテルを挿入後、腎静脈
を切断し、4℃の乳酸リンゲル液(ヘパリン5000単
位/500ml)で洗浄した。腎の重量を測定後、図1に
示される灌流回路に接続した。
【0041】 灌流回路と灌流条件 a.灌流回路 図1において、振盪恒温槽1内には実施例1の灌流液2
の入った灌流液リザーバー3が載置され、灌流液2の温
度は一定に保持されている。灌流液リザーバー3中の灌
流液2は、ライン4を介してローラーポンプ5によって
汲み上げられ、膜型人工肺6〔HSO-03,メラシロックス
−S(登録商標)、泉工医科社製〕により灌流液2の酸
素化が行われ、圧力計7を備えたエアートラップ8に供
給される。エアートラップ8中の灌流液2は、臓器チャ
ンバー9中の灌流液2に浸漬された摘出腎10に、腎動
脈に接続された動脈ライン11を介して供給されてい
る。供給された灌流液2の一部は、摘出腎10により濾
過されて、尿としてチューブ12を介してメスシリンダ
ー13に捕集され、残余の灌流液2は、ライン14を介
して灌流液リザーバー3に回収される。
【0042】b.酸素化法 最初は灌流液リザーバー3内に直接酸素を吹き込むバブ
リング法により酸素化を行い、途中からはhollow fiber
型の膜型人工肺を使用する方法に変更した。バブリング
法では、多孔性のチューブを灌流液リザーバー3の灌流
液2中に浸漬し、酸素分圧が150mmHg以下にならぬよ
うに純酸素の流量を調節した。また、使用した膜型人工
肺6は、膜面積0.3m2 、priming volume20ml、最
大流量300ml/minで、内径200μm、膜厚100μ
mのシリコンhollow fiberを3000本束ね、ポリカー
ボネート樹脂で被覆したものである。酸素流量は1.0
L/minとした。
【0043】c.灌流圧と灌流方法 灌流保存における灌流による損傷を防ぎ、代謝を維持す
るための、必要十分な酸素や基質を供給するのに適切な
灌流圧を検討する目的で、50mmHgと80mmHgの群につ
いて検討した。12時間まで灌流し、灌流液は6時間毎
に交換した。
【0044】 実験群 実験群は温阻血時間と灌流圧により以下の6群に分け
た。 I群:灌流圧50mmHg、温阻血0分群(n=5) II群:灌流圧80mmHg、温阻血0分群(n=6) III 群:灌流圧80mmHg、温阻血30分群(n=6) 動脈血流遮断後、30分間腹腔内に放置し、その後洗浄
を行った。 IV群:灌流圧80mmHg、温阻血35分群(n=8) 動脈血流遮断後、35分間腹腔内に放置し、その後洗浄
を行った。 V群:灌流圧80mmHg、温阻血40分群(n=6) VI群:UW液内24時間冷却(4℃)保存群(n=6) 他群と同様の操作で腎の剥離と、カニュレーションを施
行し、腎動脈血流遮断直後から4℃に冷却したUW液内
に単純浸漬し、24時間の保存後に灌流圧80mmHgで、
12時間まで室温下灌流を行った。I〜II群は、適切な
灌流圧を決定すると共に、室温下灌流保存法の可能性の
検討、およびIII 〜VI群のコントロールとして位置付け
られるものである。また、III 〜VI群は、機能判定およ
びconditioningの可能性を検討するものとして位置付け
られるものである。
【0045】 検査項目と測定方法 1)灌流量:流量調節機能のあるローラーポンプ5(MP
-101、東京理科器機社製)の表示目盛による検量線グラ
フを作成し、流量を測定した。 2)灌流圧:エアートラップ8に圧力計7(最小目盛5
mmHg、Aneroid Sphygmomanometer、NITIRIN 社製、0〜
500 mmHg)を設置して、連続的にモニターした。 3)灌流液ガス分析(pH、酸素分圧、炭酸ガス分
圧):全自動アナライザー(ABL-30、Radiomet社製)で
測定した。 4)2時間毎の尿量:容量20mlのメスシリンダー13
(Pyrex 社製)を用いて測定した。 5)尿pH、尿中電解質(ナトリウム、カリウム値):
尿pHは全自動アナライザー(ABL-30)で、電解質は日
立7150(日立社製)で測定した。 6)灌流前後の腎の重量変化:最小目盛1gの台式秤量
計(ヤマト社製)を用いて測定した。 7)腎の病理組織学的検査:灌流終了時に、ヘマトキシ
リン・エオジン(HE)染色および酵素組織化学染色で
観察した。後者は、アルカリフォスファターゼ(Al−
P)、酸フォスファターゼ(Ac−P)、乳酸脱水素酵
素(LDH)、コハク酸脱水素酵素(SDH)、γ−グ
ルタミルトランスペプチダーゼ(γ−GTP)について
検討した。 なお、数値は全て平均値±SDで表し、有意差検定は、
unpaired t test (個体数が異なる2群間の有意差検定
法)にて行い、危険率5%以内を有意差ありとした。
【0046】〔結果〕I群 初期灌流量は0.91±0.01ml/min/g腎であった。
しかし、経過中に回路内圧の上昇により、最終的には
0.31±0.27ml/min/g腎と約1/3に低下した。
腎の重量変化は、平均19.2%増加した。5例中3例
は、回路内圧の上昇により、12時間までの灌流が不可
能となった。一方、利尿は回路内圧の上昇を契機に出現
した。しかし、全例で利尿および回路内圧の調節が不良
で、実験の継続は困難であった。
【0047】II群 初期流量は1.58±0.13ml/min/g腎であり、灌流
中もほぼ一定の流量を維持した。灌流液のpHは、ほぼ
設定値の7.40前後を示し、利尿の程度や保存状態に
より多少の変化はあるものの、最低で7.33△pH、
最高で7.47△pHの範囲の変動に留まった。灌流液
の酸素分圧は、465.8mmHgから850.0mmHgの間
で変動したが、400mmHgを下回ることはなかった。全
例で灌流開始直後より透明な尿の流出を認め、全経過を
通じて一定の利尿が認められた。尿のpHは6時間後に
最低値の6.55±0.14△pHを示したが、以後漸
増した。尿中ナトリウム値は、4時間後は最低の55.
0±22.9mEq/L で、以後漸増し、12時間目では1
13.7±21.7mEq/L を示した。尿中カリウム値
は、最初の2時間で50.5±6.4mEq/L と最高値を
示し、以後減少して、12時間目では19.3±9.0
mEq/L となった。摘出腎の重量は、灌流開始直後で15
〜19gであり、6例中3例は重量変化なく、2例で増
加、1例で減少した。平均重量増加率は+8.7±1
1.1%であった。組織学的変化をHE染色でみると、
糸球体の構築は良好に保たれ、尿細管上皮にも扁平化や
脱落の所見を認めなかった。また、酵素組織化学染色で
は、Al−P染色で、尿細管の胞体内に酵素反応が紫赤
色に濃染され、良好なviability を示した。これは他の
酵素染色でも同様の所見を認めた。以上の成績は、6例
全例を総括した成績である。しかし、この6例のうち1
例は他の5例と比較して尿組成の変動が大幅に異なって
いた。即ち、尿中ナトリウム値は、他の5例に比して全
経過を通じて明らかに低値であった。また、尿中カリウ
ム値も同様に高値であり、この傾向は尿pHについても
同様であった。
【0048】III 群 初期流量は1.69±0.20ml/min/g腎であり、灌流
中もほぼ一定の流量を維持した。終了時の流量は1.7
2±0.1ml/min/g腎となった。灌流液のpHは7.3
1〜7.40△pHの間で変動した。灌流液の酸素分圧
はII群と同様に400mmHgを下回ることはなかった。ま
た、炭酸ガス分圧は、2.4〜6.1mmHgの間で変動し
た。全例で、開始後間もなく利尿を認め、II群と同様に
全経過を通じて一定の利尿を認めた。尿pHは4時間目
には最低値の6.67±0.13△pHに達し、以後漸
増した。尿中ナトリウム値は、4時間後に最低の50.
7±10.7mEq/L で以後漸増し、12時間目では12
2.0±16.9mEq/L となった。尿中カリウム値も4
時間に最高値の56.0±7.7mEq/L となり、以後漸
減した。摘出腎の重量は、灌流開始直後で11〜19g
であり、1例が灌流前後も変化なく、4例が増加、1例
が減少した。平均の重量増加率は9.2±9.2%であ
った。HE染色では、糸球体・尿細管共にII群と同様、
その構築は良好に保たれていたが、尿細管胞体の扁平化
がわずかに認められた。酵素組織化学染色では、Al−
P染色で、尿細管の胞体内の染色性はII群とほぼ同じで
あった。また、他の酵素染色も同様であった。
【0049】IV群 8例中2例で殆ど利尿を認めず、1例で利尿を認めたも
のの、尿組織が灌流液の組成とほぼ同じであったため、
脱落例とし、5例について検討した。5例の初期流量は
1.85±0.39ml/min/g腎であり、全経過を通して
良好な流量が得られた。灌流液のpHの12時間の変動
は7.23〜7.41△pHと、II、III 群に比してや
や低くなる例があったが、大部分は7.30△pH以上
で留まった。灌流液の酸素分圧は、400mmHgを下回る
事はなかった。また、炭酸ガス分圧は2.7〜6.7mm
Hgと低値で経過した。5例は灌流後間もなく利尿を認め
たが、流出量はII群に比較して少なくIII 群とほぼ同じ
傾向が認められた。尿pHは6.88±0.17△pH
であり、6時間まで徐々に低下し、6.69±0.14
△pHとなったが、以後上昇に転じ、12時間目では
6.91±0.16△pHであった。尿中ナトリウム値
は、4時間後に最低の76.2±16.5mEq/L となっ
たが次第に増加し、12時間後は117.0±10.9
mEq/Lに達した。尿中カリウム値は最初の2時間で4
2.6±12.2mEq/L と最高値を示し、以後漸減し
た。摘出腎の重量は、不変が1例、増加が3例であり、
減少したのは1例であった。平均の増加率は13.2±
11.3%であった。III ,IV群の成績ではいずれの値
もII群との間に有意差はなかった。HE染色では、糸球
体の構築は良好に保たれたが、III 群と同様に、尿細管
の胞体の扁平化が軽度に認められた。また、上皮の脱落
は認められなかった。酵素組織化学染色では、Al−P
染色で、染色性が劣ったが、完全に失われた訳ではなか
った。これは他の染色法でも同様の傾向であった。
【0050】V群 6例中3例では利尿不良で尿の各種組成は灌流液の組成
に近かったので、分析には利尿が良好な3例についての
み検討した。即ち、温阻血40分では、半数の腎が不可
逆的な機能不全をきたした。良好例3例と不良例3例と
を、灌流量で比較すると、初期流量では良好例が1.9
2±0.41ml/min/g腎であったのに対して、不良例で
は1.35±0.14ml/min/g腎と明らかに低下してお
り、終了時の流量は、前者で1.81±0.40ml/min
/g腎、後者で1.51±0.31ml/min/g腎であった。
利尿良好例3例では、灌流開始後間もなく利尿を認め、
最初の2時間では10.4±5.6mlであり、12時間
の総尿量は50.0±13.1mlに達し、むしろ他の群
より多い傾向を認めた。良好例の尿pHは、6.95±
0.22△pHであり、6時間までは徐々に低下し6.
88±0.15△pHとなったが、以後上昇し、12時
間目では7.05±0.07△pHと7.00△pHを
越えた。これは、II群と比べて有意(P<0.05)に
高値であった。尿中ナトリウム値は、3例のばらつきが
大きく、最初の2時間で89.7±44.4mEq/L であ
った。以後、4時間後に86.3±31.5mEq/L とや
や回復の微をみせたものの、次第に上昇し、12時間後
には、灌流液のナトリウム組成に近い130.7±1
7.6mEq/L となった。即ち、尿細管の再吸収能の破綻
が示唆された。尿中カリウム値は、最初の2時間で3
5.7±25.8mEq/L であり、4時間後まではほぼ一
定に経過し、以後漸減して12時間後には12.3±
7.6mEq/L に低下した。しかし、ナトリウム、カリウ
ムいずれの値もばらつきが大きいため、II群とは有意差
がなかった。比較的数値の良好な1例を除いての検定で
は5%の危険率で有意差を認めた。摘出腎の重量の変化
は、不変が1例、増加が2例であり、平均の増加率は
7.7±5.6%であった。良好例のHE染色では、糸
球体の構築は良好に維持されており、尿細管は胞体の扁
平化をわずかに認めるものの、全体の変化は軽微であっ
た。一方、酵素組織化学染色のうちのAl−P染色で
は、その染色性は極めて不良で、尿細管の胞体内に淡く
染まるのみで、細胞膜の維持機構の破綻が示された。
【0051】VI群 6例の初期流量は2.88±0.88ml/min/g腎とII〜
V群に比べて非常に多かったが(P<0.01)、これ
は、24時間の浸漬保存中に腎が脱水により軽くなった
ため、計算上、流量が多くなったものである。従って、
腎1個当たりの流量は、26〜28ml/min であり、他
の群とほぼ同じであった。また、終了時の流量は、逆に
腎の重量が増加したために、1.23±0.20ml/min
/g腎と低流量になったが、腎1個当たりの流量は、初期
の1個当たりの流量と変わらなかった。灌流液のpH
は、7.28〜7.42△pHの間で変動し、他の群と
差は認められなかった。灌流液の酸素分圧は、400mm
Hgを下回ることはなかった。また、炭酸ガス分圧も2.
6〜6.8mmHgと低い分圧で経過した。本群では、II〜
V群に比して尿量が多く、この傾向は全経過を通じて認
められた(P<0.05)。尿pHは、7.01±0.
10△pHで、以後経時的に上昇し、12時間目には
7.21±0.03△pHであった。いずれもII群に比
して有意に高値であった(P<0.01)。尿中ナトリ
ウム値は、最初の2時間で117.7±20.2mEq/L
を示し、以後経時的に増加した。II群に比して有意(P
<0.01)に高値であった。尿中カリウム値は、ナト
リウム値と同様に、2時間値を最高値に経時的に低下し
た。II群に比して有意(P<0.01)に低値であっ
た。摘出腎の重量変化は、極めて特徴的で6例全例が大
幅に増加した。その増加率は、冷却保存前と常温灌流後
間で+61.6±36.1%であり、冷却保存後の灌流
直前と灌流後間で、154.7±110.4%であっ
た。これは24時間の冷却保存中に発現した脱水による
重量減と、灌流中に出現する輸出入血管の著明な浮腫に
よる重量の増加であった。HE染色では、糸球体は正常
であり、一部に尿細管胞体の扁平化を認めるものの、全
体としての構築は良く保たれていた。本群で特徴的なの
は、輸出入血管の著明な浮腫状変化であり、これが灌流
終了後の腎重量増加の重要な原因と考えられた。一方、
酵素組織化学染色のAl−P染色では、II群に比して劣
るものの、IV群とほぼ同等の染色性が保たれていた。
【0052】以上のI〜VI群の実験結果から、以下のこ
とがわかった。安定した酸素供給と基質の供給のため
に、80mmHgの灌流圧としたところ、12時間あるいは
それ以上の長時間保存の可能性が示された。利尿の程
度、尿の色調、尿pH、尿中ナトリウム、カリウム値の
簡便かつ迅速な検査法により、保存された腎のviabilit
y 判定が可能であった。温阻血群の結果(尿pH、尿中
ナトリウム、カリウム値の変動が4〜6時間で最も良好
な値を示した)から、本方法による障害腎のconditioni
ngが可能であることが示唆され、家兎腎の温阻血限界は
40分前後と考えられた。
【0053】実験例2 実施例1の灌流液を用い、以下に示す実験を行った。実
験動物は、体重15〜20kgの雌ブタ(n=5)を用い
た。麻酔および灌流液の酸素化は、実験例1に準じて行
った。全麻下に開腹した後、門脈、肝動脈、肝上部およ
び肝下部下大静脈を遮断し、門脈よりチュービングして
灌流した。肝下部下大静脈にチュービングして灌流液を
回収し、閉鎖回路として肝を灌流保存しながら、50%
肝切除施行した。計2時間灌流した後、血流を再開し
た。下大静脈血、門脈血はバイオポンプで外脛静脈に返
血した。血流再開30分後に肝生検を行ない、組織学的
に検討した。また、実験終了直後、24時間後、48時
間後に採血し、肝機能、凝固・線溶系因子の変動を検討
した。その結果、全例において長期の生存が得られた。
組織学的にはHE染色で肝の構築は保たれており、肝細
胞にも異常を認めず、Al−P染色でも肝細胞の機能温
存が証明された。T.Bil(血清総ビリルビン値)は
0.5mg/dL 以下で推移し、GOTは24時間後に最
高値をとり(平均265)、GPTは観察期間中全て4
0以下であった。凝固・線溶系因子にも異常を認めなか
った。以上より、肝切除時における本灌流法の肝保護の
有用性が示された。
【図面の簡単な説明】
【図1】灌流回路の構成を示す概略図である。
【符号の説明】
2 灌流液 10 摘出腎(臓器)

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 パーフルオロカーボン化合物0.1〜1
    0(w/v)%、グルコース1〜20mmol/L、インシュリン1
    0〜200U/L、アロプリノール0.1〜5mmol/L、P
    EG化SOD1〜10mg/L、アデノシン1〜10mmol/
    L、デキサメタゾン1〜20mg/L、ヒドロキシエチル澱
    粉1〜5(w/v)%、ナトリウムイオン140〜145mEq/
    L 、カリウムイオン2〜6mEq/L および塩化物イオン9
    0〜95mEq/L の組成からなる灌流液であって、そのp
    Hが7〜8、浸透圧が300〜340mOsm/Lであること
    を特徴とする室温下保存用灌流液。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の灌流液を酸素化し、臓器
    に灌流圧60〜100mmHgで灌流することを特徴とする
    臓器の室温下保存方法。
JP9977593A 1993-04-26 1993-04-26 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法 Pending JPH06305901A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9977593A JPH06305901A (ja) 1993-04-26 1993-04-26 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP9977593A JPH06305901A (ja) 1993-04-26 1993-04-26 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JPH06305901A true JPH06305901A (ja) 1994-11-01

Family

ID=14256335

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP9977593A Pending JPH06305901A (ja) 1993-04-26 1993-04-26 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JPH06305901A (ja)

Cited By (20)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2002030192A3 (en) * 2000-10-13 2002-09-06 Pike Lab Inc Organ and biological tissue preservation machine perfusion solution
US7005253B2 (en) 2000-10-13 2006-02-28 Ben O'Mar Arrington Cold storage solution for organ and biological tissue preservation
CN101578976A (zh) * 2008-05-16 2009-11-18 共鸣俱乐部株式会社 摘出器官的保存、复苏和移植方法
JP2011157374A (ja) * 1997-09-23 2011-08-18 Department Of Vaterans Affairs 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
WO2014038473A1 (ja) * 2012-09-08 2014-03-13 株式会社オーガンテクノロジーズ 移植のための臓器又は組織の長期維持方法
WO2015182019A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 Sbiファーマ株式会社 臓器保存液
US9756850B2 (en) 1997-09-23 2017-09-12 The Department Of Veteran Affairs Compositions, methods and devices for maintaining an organ
US9814230B2 (en) 2008-01-31 2017-11-14 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex vivo lung care
US9894894B2 (en) 2004-10-07 2018-02-20 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care and for using lactate as an indication of donor organ status
WO2018037835A1 (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 株式会社Screenホールディングス 肝臓保存方法及び手術方法
US10039276B2 (en) 2005-06-28 2018-08-07 Transmedics, Inc. Systems, methods, compositions and solutions for perfusing an organ
US10076112B2 (en) 2014-06-02 2018-09-18 Transmedic, Inc. Ex vivo organ care system
US10194655B2 (en) 2015-09-09 2019-02-05 Transmedics, Inc. Aortic cannula for ex vivo organ care system
US10314303B2 (en) 2004-10-07 2019-06-11 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care
US10327443B2 (en) 2007-03-20 2019-06-25 Transmedics, Inc. Systems for monitoring and applying electrical currents in an organ perfusion system
JP2020002062A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 株式会社Screenホールディングス 灌流装置および灌流方法
JP2020517702A (ja) * 2017-04-28 2020-06-18 ライフライン サイエンティフィック インコーポレイテッドLifeline Scientific, Inc. 補助酸素供給システムを備えた臓器搬送器
WO2021014997A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 株式会社Screenホールディングス 灌流液および灌流方法
US11856944B2 (en) 2011-04-14 2024-01-02 Transmedics, Inc. Organ care solution for ex-vivo machine perfusion of donor lungs
US11963526B2 (en) 2014-12-12 2024-04-23 Transmedics, Inc. Apparatus and method for organ perfusion

Cited By (49)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2015025023A (ja) * 1997-09-23 2015-02-05 ザ デパートメント オブ ベテランズ アフェアズ 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
JP2017165789A (ja) * 1997-09-23 2017-09-21 ザ デパートメント オブ ベテランズ アフェアズ 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
US9756849B2 (en) 1997-09-23 2017-09-12 The Department Of Veteran Affairs Compositions, methods and devices for maintaining an organ
JP2016104750A (ja) * 1997-09-23 2016-06-09 ザ デパートメント オブ ベテランズ アフェアズ 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
JP2011157374A (ja) * 1997-09-23 2011-08-18 Department Of Vaterans Affairs 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
JP2014040491A (ja) * 1997-09-23 2014-03-06 Department Of Vaterans Affairs 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
JP2016053081A (ja) * 1997-09-23 2016-04-14 ザ デパートメント オブ ベテランズ アフェアズ 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
JP2014148553A (ja) * 1997-09-23 2014-08-21 Department Of Vaterans Affairs 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
US9756851B2 (en) 1997-09-23 2017-09-12 The Department Of Veteran Affairs Compositions, methods and devices for maintaining an organ
US9756850B2 (en) 1997-09-23 2017-09-12 The Department Of Veteran Affairs Compositions, methods and devices for maintaining an organ
JP2014177484A (ja) * 1997-09-23 2014-09-25 Department Of Vaterans Affairs 臓器を維持するための組成物、方法及び装置
US7005253B2 (en) 2000-10-13 2006-02-28 Ben O'Mar Arrington Cold storage solution for organ and biological tissue preservation
WO2002030192A3 (en) * 2000-10-13 2002-09-06 Pike Lab Inc Organ and biological tissue preservation machine perfusion solution
US7014990B2 (en) 2000-10-13 2006-03-21 Ben O'Mar Arrington Machine perfusion solution for organ and biological tissue preservation
US11191263B2 (en) 2004-10-07 2021-12-07 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care
US10314303B2 (en) 2004-10-07 2019-06-11 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care
US10321676B2 (en) 2004-10-07 2019-06-18 Transmedics, Inc. System and methods for ex-vivo organ care and for using lactate as an indication of donor organ status
US10736314B2 (en) 2004-10-07 2020-08-11 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care and for using lactate as an indication of donor organ status
US9894894B2 (en) 2004-10-07 2018-02-20 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care and for using lactate as an indication of donor organ status
US11570985B2 (en) 2004-10-07 2023-02-07 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care and for using lactate as an indication of donor organ status
US11723357B2 (en) 2004-10-07 2023-08-15 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex-vivo organ care
US10039276B2 (en) 2005-06-28 2018-08-07 Transmedics, Inc. Systems, methods, compositions and solutions for perfusing an organ
US11844345B2 (en) 2005-06-28 2023-12-19 Transmedics, Inc. Systems, methods, compositions and solutions for perfusing an organ
US11917991B2 (en) 2007-03-20 2024-03-05 Transmedics, Inc. Systems for monitoring and applying electrical currents in an organ perfusion system
US10327443B2 (en) 2007-03-20 2019-06-25 Transmedics, Inc. Systems for monitoring and applying electrical currents in an organ perfusion system
US9814230B2 (en) 2008-01-31 2017-11-14 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex vivo lung care
US10750738B2 (en) 2008-01-31 2020-08-25 Transmedics, Inc. Systems and methods for ex vivo lung care
CN101578976A (zh) * 2008-05-16 2009-11-18 共鸣俱乐部株式会社 摘出器官的保存、复苏和移植方法
US11856944B2 (en) 2011-04-14 2024-01-02 Transmedics, Inc. Organ care solution for ex-vivo machine perfusion of donor lungs
JPWO2014038473A1 (ja) * 2012-09-08 2016-08-08 株式会社オーガンテクノロジーズ 移植のための臓器又は組織の長期維持方法
JP2018154617A (ja) * 2012-09-08 2018-10-04 株式会社オーガンテクノロジーズ 移植のための臓器又は組織の長期維持方法
US9877474B2 (en) 2012-09-08 2018-01-30 Organ Technologies, Inc. Method for maintaining organ or tissue for transplantation use for long period
WO2014038473A1 (ja) * 2012-09-08 2014-03-13 株式会社オーガンテクノロジーズ 移植のための臓器又は組織の長期維持方法
CN107148215A (zh) * 2014-05-30 2017-09-08 思佰益药业股份有限公司 器官保存液
JPWO2015182019A1 (ja) * 2014-05-30 2017-04-20 Sbiファーマ株式会社 臓器保存液
WO2015182019A1 (ja) * 2014-05-30 2015-12-03 Sbiファーマ株式会社 臓器保存液
US11944088B2 (en) 2014-06-02 2024-04-02 Transmedics, Inc. Ex vivo organ care system
US11903381B2 (en) 2014-06-02 2024-02-20 Transmedics, Inc. Ex vivo organ care system
US10076112B2 (en) 2014-06-02 2018-09-18 Transmedic, Inc. Ex vivo organ care system
US11154050B2 (en) 2014-06-02 2021-10-26 Transmedics, Inc. Ex vivo organ care system
US11963526B2 (en) 2014-12-12 2024-04-23 Transmedics, Inc. Apparatus and method for organ perfusion
US10194655B2 (en) 2015-09-09 2019-02-05 Transmedics, Inc. Aortic cannula for ex vivo organ care system
US11122795B2 (en) 2015-09-09 2021-09-21 Transmedics, Inc. Aortic cannula for ex vivo organ care system
JPWO2018037835A1 (ja) * 2016-08-25 2019-06-20 株式会社Screenホールディングス 肝臓保存方法及び手術方法
WO2018037835A1 (ja) * 2016-08-25 2018-03-01 株式会社Screenホールディングス 肝臓保存方法及び手術方法
JP2020517702A (ja) * 2017-04-28 2020-06-18 ライフライン サイエンティフィック インコーポレイテッドLifeline Scientific, Inc. 補助酸素供給システムを備えた臓器搬送器
JP2020002062A (ja) * 2018-06-28 2020-01-09 株式会社Screenホールディングス 灌流装置および灌流方法
JP2021017423A (ja) * 2019-07-23 2021-02-15 株式会社Screenホールディングス 灌流液および灌流方法
WO2021014997A1 (ja) * 2019-07-23 2021-01-28 株式会社Screenホールディングス 灌流液および灌流方法

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JPH06305901A (ja) 室温下保存用灌流液およびこれを用いた保存方法
EP1339279B2 (en) Evaluation and preservation solution
US5066578A (en) Long-term preservation of organs for transplantation
Van Raemdonck et al. Warm ischemic tolerance in collapsed pulmonary grafts is limited to 1 hour
RU2161405C2 (ru) Растворы для трансплантатов органов и способ трансплантации органа
US4186253A (en) Perfusate for preserving organ to be transplanted and preserving method
US5702881A (en) Method and solution for organ preservation comprising retinal-derived growth factor, cyclodextrin, mucopolysaccharide and fluorocarbon
JPH07196401A (ja) 移植器官の保存のための方法、装置及び潅流液
Steen et al. Safe pulmonary preservation for 12 hours with low-potassium-dextran solution
Aeba et al. University of Wisconsin solution for pulmonary preservation in a rat transplant model
Ferrera et al. Comparison of different techniques of hypothermic pig heart preservation
KR100844191B1 (ko) 이식 대기중인 기관의 저장 및 관류를 위한 용액
JPH05305123A (ja) 輸血用血液または血液製剤の保存方法
Fuller et al. An isolated rabbit kidney preparation for use in organ preservation research
Fukuse et al. Influence of red blood cells on lung function in an ex vivo rat heart-lung model
ALEssANDRINI et al. Vasoactive intestinal peptide enhances lung preservation
Terada et al. Scanning electron microscopic study of flowing erythrocytes in hepatic sinusoids as revealed by ‘in vivo cryotechnique’
Nakamoto et al. A study on optimal temperature for isolated lung preservation
Armitage et al. An evaluation of colloidal solutions for normothermic perfusion of rabbit hearts: an improved perfusate containing Haemaccel
WO1991009520A1 (en) Novel and improved technology for preservation of organs for transplantation
Okada et al. Successful 24-hour reabbit heart preservation by hypothermic continuous coronary microperfusion with oxygenated university of wisconsin solution
Swanson et al. Improving function of hearts preserved for 24 hours by controlling reperfusion
Voiglio et al. Aerobic preservation of organs using a new perflubron/lecithin emulsion stabilized by molecular dowels
Uchida et al. Effect of verapamil on hepatic reperfusion injury after prolonged ischemia in pigs
Lambert Jr et al. Enhanced pulmonary function using dimethylthiourea for twelve-hour lung preservation