JP2012230725A - メモリデータ読み出し回路 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも1つの記憶用抵抗素子13と少なくとも1つの選択トランジスタ14と、を含むメモリセル10から記憶されたデータを読み出すメモリデータ読み出し回路1であって、メモリセル1にデータを書き込みまたは読み出しするビット線(BL1、BL2)の動作点電位を設定する手段30と、メモリセル10からの読み出しデータを増幅する差動アンプ20の入力(D1、D2)の動作点電位を設定するための手段40と、ビット線と差動アンプ20の入力とを互いに接続する手段40と、を備えている。従来のメモリデータ読み出し回路に比較して大きな読み出し信号が得られる。
【選択図】図1
Description
図13は、特許文献1に記載された従来のスピントルクメモリ100の回路図である。図13に示すように、従来のスピントルクメモリ100では、メモリデータの“1”、“0”に対応する抵抗値RAP,RP(RAP>RP)をそれぞれ持つTMR素子101とセルトランジスタ102とからなるメモリセル103と、このメモリセル103からの読み出し信号を増幅するセンスアンプ(Sense Amp,S/A)105とを含んで構成されている。
図14に示すように、従来のスピントルクメモリ100におけるデータ読み出し動作は、負荷トランジスタCC1から選択ビット線BL1を介して、メモリセル103へ電流Icellを流す。このとき、負荷トランジスタCC1とメモリセル103のオン抵抗比で決まるBL1電位が、センスアンプへの入力となる。TMR101の抵抗値が、RAPかRPかによってIcellが変わる。ここで、RAP>RPである。このIcellの違いはビットBL1電位の違いに反映する。そのBL1電位の違いをセンスアンプ105が検知することにより、データ“1”とデータ“0”の判別を行っている。
先ず、BL電位の高い領域では、メモリセル103における総抵抗の“1”/“0”比が小さくなる。これは、セルトランジスタ102が飽和領域で動作、所謂定電流源となることにより、TMR素子101の抵抗RTMRが低いとき(データ“0”)にはセルトランジスタ102の抵抗Rtrが高くなる。
逆に、TMR素子101の抵抗RTMRが高いとき(データ“1”)にはセルトランジスタ102の抵抗Rtrが低くなるという効果による。すなわち、セルトランジスタ102が飽和領域で動作していることにより、セルトランジスタ102の抵抗Rtrは、TMR素子101の抵抗RTMRに対してメモリセル総抵抗(Rtotal=Rtr+RTMR)をキャンセルする方向で動作してしまう。
差動アンプの入力の動作点電位を設定するための手段は、好ましくは、入力に接続されるトランジスタからなる。
ビット線と差動アンプの入力とを互いに接続する手段は、好ましくは、電流伝達回路からなる。
電流伝達回路は、好ましくは、トランジスタのソース−ドレイン間電流をもって電流を伝える回路からなる。
ビット線の動作点電位は、好ましくは、差動アンプ入力の動作点電位よりも低く設定される。
図1は、本発明のメモリデータ読み出し回路1の基本構成を示す回路図であり、図2〜図4は、本発明のメモリデータ読み出し回路1の具体例を示す回路図である。
図1に示すように、本発明のメモリデータ読み出し回路1は、少なくとも1つの記憶用抵抗素子13と少なくとも1つの選択トランジスタ14と、を含むメモリセル10から記憶されたデータを読み出すメモリデータ読み出し回路であって、メモリデータ読み出し回路1は、差動アンプ20を含み、メモリセル10にデータを書き込みまたは読み出しするビット線(BL1、BL2)の動作点電位を設定する手段30と、メモリセル10からの読み出しデータを増幅する差動アンプ20の入力(D1、D2)の動作点電位を設定するための手段40と、ビット線と上記差動アンプ20の入力とを互いに接続する手段50と、を備えている。
一方、BL電圧は低いレベルとされるので、記憶用セル11の抵抗値がRAPのときのRtotalと、RPのときのRtotalとの間には大きな差が得られる。
図2に示すように、本発明のメモリデータ読み出し回路1Aは、pMOSFET31,32からなるメリセル動作点設定用負荷回路30Aと、pMOSFET41,42からなる差動アンプ動作点設定用付加回路40Aと、nMOSFET51〜54からなる電流伝達回路50Aとから構成されている。
第1のnMOSFET51のドレインは、差動アンプ20の第1の入力D1に接続されると共に、差動アンプ動作点設定用付加回路40の第1のpMOSFET41のドレインに接続されている。第1のnMOSFET51のソースは、第2のnMOSFET52のドレインに接続されている。第1のnMOSFET51のゲートは、第3のnMOSFET53のゲートに接続され、ビット線選択信号SELが印加されている。
第2のnMOSFET52のドレインは、第1のnMOSFET51のソースに接続されると共に、第4のnMOSFET54のゲートに接続されている。第2のnMOSFET52のソースは、記憶用セル11の記憶用抵抗素子13に接続されている。第2のnMOSFET52のゲートは、第3のnMOSFET53のソースに接続されている。
第3のnMOSFET53のドレインは、差動アンプ20の第2の入力D2に接続されると共に、差動アンプ動作点設定用付加回路40の第2のpMOSFET42のドレインに接続されている。第3のnMOSFET53のソースは、第4のnMOSFET54のドレインに接続されている。第3のnMOSFET53のゲートは、第1のnMOSFET51のゲートに接続され、ビット線選択信号SELが印加されている。
第4のnMOSFET54のドレインは、第3のnMOSFET53のソースに接続されると共に、第2のnMOSFET52のゲートに接続されている。第4のnMOSFET54のソースは、参照用抵抗素子15に接続されている。第4のnMOSFET54のゲートは、第2のnMOSFET52のドレインに接続されている。
図3に示すように、本発明のメモリデータ読み出し回路1Bは、nMOSFET33,34からなるメモリセル動作点設定用負荷回路30Bと、nMOSFET43,44からなる差動アンプ動作点設定用付加回路40Bと、pMOSFET55,56,57,58からなる電流伝達回路50Bとから構成されている。本発明のメモリデータ読み出し回路1Bにおいて、メモリセル動作点設定用負荷回路30B及び差動アンプ動作点設定用付加回路40Bが、nMOSFETで構成さている点が、図2に示すメモリデータ読み出し回路1Aとは異なっている。
図4に示すように、本発明のメモリデータ読み出し回路1Cが図2に示すメモリデータ読み出し回路1と異なるのは、電流伝達回路50Cである。この電流伝達回路50Cは、図2においてクロスカップルの接続がされるnMOSFET52,54がダイオード接続されたnMOSFET52A,54Aから構成されている。
次に、メモリセル10に使用する抵抗変化型の記憶用抵抗素子13について説明する。
抵抗変化型の記憶用抵抗素子13としては、MTJ素子、TMR素子や相変化型の素子を用いることができる。電流だけでスピン注入磁化反転ができるMTJ素子は、不揮発性、高速書き換えが可能で、原理的には無限の書き換え回数を有している。MTJ素子の書き込み電流は素子の微細化と共に縮小可能であり、Si基板等上に形成されるCMOS集積回路と共に同一基板上に製作できるという利点を有している。
図5(A),(B)に示すように、MTJ素子60は、トンネル障壁層61で隔てられた強磁性体からなる固定層62及び強磁性体からなる自由層63によって構成されている。固定層62は、図の矢印(↓)で示す磁化方向、つまりスピンの向きが固定されている層であり、強磁性固定層とも呼ばれている。自由層63は磁化の向きが固定されていない層であり、強磁性自由層とも呼ばれている。トンネル障壁層61は、MgOやAl2O3の薄膜で形成され、固定層62及び自由層63は、鉄(Fe)やコバルト(Co)等の強磁性体又はこれらの合金からなる単層や複数の層で形成される。さらに、図5に示すように、自由層63には上部電極64が、固定層62には下部電極65が形成されている。
TMR比(%)=(RAP−RP)/RP×100(%) (1)
図5(C)に示すように、反平行状態から平行状態に書き込むためには、自由層63から固定層62の向きで電流(I)を印加する。このとき、電子は電流と逆向きに流れる。これにより、固定層62から自由層63へ多数スピンの注入が起きる。スピン分極された電流が自由層63の磁化に作用し、自由層63の磁化が固定層62と同じ向きに反転し、平行状態になる。
一方、自由層63の磁化方向を固定層62の磁化方向に対して互いに反平行状態になると、磁気抵抗(RAP)が大きくなる。このように、MTJ素子60は、自由層63の磁化の状態によって異なる2値の抵抗を持つ可変抵抗素子である。
図7は、PCRAMのメモリセル70の構造を示す断面図である。
図7に示すように、PCRAMのメモリセル70は、下部電極71と、ヒーター層72と、カルコゲナイド層73と、上部電極74と、が順に積層されて構成されている。
図8に示すように、PCRAMのメモリセル70では、ヒーター層72により温度を上昇させた後、急激に冷却するアモルファス化パルスが印加されると、カルコゲナイド層73がアモルファスの高抵抗状態(RESET)となる。
一方、PCRAMのメモリセル70では、ヒーター層72により温度を上昇させた後、ゆっくり冷やす結晶化パルスが印加されると、カルコゲナイド層73が結晶の低抵抗状態(SET)となる。
このように、PCRAMのメモリセル70は、図7に示されるPCRAMのメモリセル70のカルコゲナイド層73がアモルファス化しているか結晶化しているかにより異なる抵抗値を”1”と”0”に対応させて記憶させる。
図9に示すように、PCRAMのメモリセル70では、上記のカルコゲナイド層73の高抵抗状態と低抵抗状態とを“1”と“10”に対応させて記憶させることができる。
図10はReRAMのメモリセル80の構造を示す断面図である。
図10に示すように、ReRAMのメモリセル80は、下部電極81と、金属酸化物層82と、上部電極83と、が順に積層されて構成されている。
金属酸化物層82としては、NiO、FeO、TiO2等を用いる。下部電極81及び上部電極83は、Pt等を用いる。ReRAMのメモリセル80では、下部電極81と上部電極83との間に電圧を印加したときの金属酸化物層82の抵抗値が変わる現象を用いている。
図11に示すように、ReRAMのメモリセル80は、2Vで100nsのパルス幅を有しているパルスを印加すると低抵抗(RL)状態となる。低抵抗(RL)状態は、−2Vで100nsのパルス幅を有しているパルスを印加すると、高抵抗(RH)状態に移行する。これにより、ReRAMのメモリセル80は、図10に示されるReRAMのメモリセル80の金属酸化物層82における高抵抗状態と低抵抗状態とを、“1”と“0”に対応させて記憶させることができる。
本発明の図2に示すメモリデータ読み出し回路1Aのシミュレーションを、ソフトウェアとしてSPICE(Simulation Program with Integrated Circuit Emphasis)を用いて行った。nチャネル及びpチャネルのMOSFET11,13,31,32等は、90nmプロセスにおける標準トランジスタを用いた。標準トランジスタの寸法は、ゲート幅W/ゲート長L=Wmin/Lminを、最少加工寸法が90nmプロセスで許容される最小サイズとした。これは、メモリセル10が一般に高集積化するために小面積であることが要求されるためである。記憶用抵抗素子11としては、TMR素子13を用いた。TMR素子13の抵抗状態としては、高抵抗RH(RAP)=4kΩ及び低抵抗RL(RP)=2kΩと仮定した。
10:メモリセル
11:記憶用セル
12:参照用セル
13:記憶用抵抗素子
14,16:選択トランジスタ
15:参照用抵抗素子
20:差動アンプ
30:ビット線(BL1,BL2)の動作点電位を設定する手段
30A,30B:メモリセル動作点設定用負荷回路
31,32:pMOSFET
33,34:nMOSFET
40:差動アンプの入力(D1、D2)の動作点電位を設定するための手段
40A,40B:差動アンプ動作点設定用負荷回路
41,42:pMOSFET
43,44:nMOSFET
50,50A,50B,50C:電流伝達回路
51,52,53,54:nMOSFET
52A,54A:ダイオード接続されたnMOSFET
55,56,57,58:pMOSFET
60:MTJ素子
61:トンネル障壁層
62:固定層
63:自由層
64:上部電極
65:下部電極
70:PCRAMのメモリセル
71:下部電極
72:ヒーター層
73:カルコゲナイド層
74:上部電極
80:ReRAMのメモリセル
81:下部電極
82:金属酸化物層
83:上部電極
Claims (6)
- 少なくとも1つの記憶用抵抗素子と少なくとも1つの選択トランジスタと、を含むメモリセルから記憶されたデータを読み出すメモリデータ読み出し回路であって、
上記メモリセルにデータを書き込みまたは読み出しするビット線の動作点電位を設定する手段と、
上記メモリセルからの読み出しデータを増幅する差動アンプの入力の動作点電位を設定するための手段と、
上記ビット線と上記差動アンプの入力とを互いに接続する手段と、
を備えることを特徴とする、メモリデータ読み出し回路。 - 前記ビット線の動作点電位を設定する手段は、前記記憶用抵抗素子に接続されるトランジスタからなることを特徴とする、請求項1に記載のメモリデータ読み出し回路。
- 前記差動アンプの入力の動作点電位を設定するための手段は、該入力に接続されるトランジスタからなることを特徴とする、請求項1に記載のメモリデータ読み出し回路。
- 前記ビット線と前記差動アンプの入力とを互いに接続する手段は、電流伝達回路からなることを特徴とする、請求項1に記載のメモリデータ読み出し回路。
- 前記電流伝達回路は、トランジスタのソース−ドレイン間に流れる電流を用いる回路からなることを特徴とする、請求項1に記載のメモリデータ読み出し回路。
- 前記ビット線の動作点電位が、前記差動アンプ入力の動作点電位よりも低く設定されることを特徴とする、請求項1〜5の何れかに記載のメモリデータ読み出し回路。
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