JP2012188080A - 空気入りタイヤ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】トレッド12に設けられタイヤ周方向に延び幅狭部14Aと幅広部14Bとがタイヤ周方向に交互に形成された中央周方向主溝14と、幅広部14Bのタイヤ幅方向両側の中央陸部18及び中間陸部20に渡って連続して形成され中央周方向主溝14と交差する方向に延び中央陸部18内及び中間陸部20内でそれぞれ終端する幅方向溝24と、をタイヤ10が有すること。
【選択図】図1
Description
しかし、市場では、雪上走行時のトラクション性能のさらなる向上が期待されている。
このため、請求項2の空気入りタイヤでは、溝部のタイヤ周方向に対する角度を30度以上150度以下の範囲に設定している。これにより、上記空気入りタイヤは、雪上走行時における良好なトラクション性能を得ることができる。
このため、請求項3の空気入りタイヤでは、溝部のタイヤ幅方向に沿った長さを、該溝部が形成された陸部のタイヤ幅方向に沿った長さの15%以上70%以下の範囲に設定している。これにより、上記空気入りタイヤは、ドライ路面での制動性能と雪上走行時でのトラクション性能をバランスよく発揮することができる。
以上のことから、上記空気入りタイヤによれば、雪上走行時において良好なトラクション性能を得ることができる。
このため、請求項5の空気入りタイヤでは、溝部の溝幅を、2mm以上5mm以下の範囲に設定している。これにより、上記空気入りタイヤは、ドライ路面での制動性能と雪上走行時でのトラクション性能をバランスよく発揮することができる。
[第1実施形態]
図1には、本発明の第1実施形態の空気入りタイヤ10(以下、単に「タイヤ10」と記載。)の平面図が示されている。なお、タイヤ10の内部構造は、従来公知の空気入りタイヤの内部構造と同様のものを用いることができる。そのため、タイヤ10の内部構造に関しては、その説明を省略する。
また、本実施形態では、タイヤ10のサイズが215/55R17に設定されているが、本発明はこのサイズに限定されるものではない。
(周方向主溝)
図1に示すように、空気入りタイヤ10のトレッド12には、タイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向両外側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対の中央周方向主溝14と、一対の中央周方向主溝14よりもタイヤ幅方向外側にタイヤ周方向に沿って直線状に延びる一対のショルダー周方向主溝16とが形成されている。なお、中央周方向主溝14は、周方向主溝の一例である。
トレッド12には、一対の中央周方向主溝14によって区画されたタイヤ周方向に沿って連続して延びる中央陸部18が形成され、中央周方向主溝14とショルダー周方向主溝16とによって区画されたタイヤ周方向に沿って連続して延びる中間陸部20がタイヤ赤道面CLを挟んでタイヤ幅方向両側にそれぞれ形成されている。
また、トレッド12には、一対のショルダー周方向主溝16のタイヤ幅方向両外側にショルダー陸部22がそれぞれ形成されている。
図1に示すように、トレッド12には、幅広部14Bのタイヤ幅方向両側の2つの陸部である中央陸部18及び中間陸部20に渡って幅方向溝24が形成されている。この幅方向溝24は、中央周方向主溝14と交差する方向に連続して延びて中央陸部18内及び中間陸部20内でそれぞれ終端している。また、幅方向溝24は、トレッド12に、タイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。
なお、本実施形態では、図1に示すように、タイヤ赤道面CLを挟んで左右に配置される幅方向溝24をいずれも同一方向(図1では、左下から右上へ傾斜している)に傾斜させる構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、タイヤ赤道面CLを挟んで左右に配置される幅方向溝24を左右対称となるように傾斜させる構成としても構わない。
同様に、溝部26は、タイヤ周方向に対する角度θ2が30度以上150度以下の範囲に設定されている。なお、角度θ2は、接地面内における溝部26のエッジ部のタイヤ周方向に対する角度(図1のタイヤ周方向に沿った直線L2に対する角度)である。
同様に、溝部26は、タイヤ周方向に沿った長さW2が該溝部26の形成された中間陸部20のタイヤ幅方向に沿った長さWMの15%以上70%以下の範囲に設定されている。なお、本実施形態の中間陸部20の長さWMは、該中間陸部20のタイヤ幅方向に沿った長さの平均値である。
同様に、溝部26は、中央周方向主溝14から中間陸部20へ延びる該溝部26全長の50%以上の領域において、溝深さが中央周方向主溝14の50%以上に設定されている。
同様に、溝部26は、溝幅が2mm以上5mm以下の範囲に設定されている。この溝部26の溝幅は、該溝部26の開口部(中央周方向主溝14に対する開口部)を他の部分と同じ又は広めに設定することが好ましい。
図1に示すように、トレッド12には、幅広部16Bからタイヤ赤道面CL側へショルダー周方向主溝16と交差する方向に延び、中間陸部20内で終端する中間ラグ溝28が形成されている。この中間ラグ溝28は、トレッド12に、タイヤ周方向に間隔をあけて複数形成されている。また、中間ラグ溝28は、幅方向溝24と同方向に延びている。
図1に示すように、中央陸部18には、タイヤ周方向に間隔をあけてサイプ32が複数形成されている。このサイプ32は、幅方向溝24と同方向に延び、中央陸部18の踏面側をタイヤ周方向に複数に分断している。また、互いに隣接するサイプ32間には、タイヤ赤道面CLを挟んで両側にそれぞれ溝部25が配置されている。
なお、本実施形態では、サイプ32が幅方向溝24と同方向に傾斜しているが、本発明はこの構成に限定されない。
また、ここで言う「サイプ」とは、路面接地時に閉じる幅の溝を指している。
また、ショルダー陸部22には、ショルダー周方向主溝16から周方向サイプ36へ向かってショルダーラグ溝30と同方向に延びるサイプ38が形成されている。このサイプ38により、ショルダー陸部22の互いに隣接するショルダーラグ細溝部30A間の踏面側がタイヤ周方向に複数に分断されている。
図2に示すように、タイヤ10では、雪上走行時に中央周方向主溝14の幅広部14Bに入り込んだ雪(図中のSNOW)を踏み固めて中央周方向主溝14の幅狭部14Aよりもタイヤ幅方向の幅が広い雪柱を形成し、この雪柱と段差14Cとの当接により生じる雪柱のせん断力を利用してトラクション性能を向上させることができる。
さらに、上記のように、中央陸部18及び中間陸部20が幅方向溝24によってタイヤ周方向に分断されず、中央陸部18及び中間陸部20のそれぞれのタイヤ周方向のせん断剛性の低下が抑制されることから、例えば、分断されてブロック状の陸部が形成されたものと比べて、中央陸部18及び中間陸部20のヒールアンドトゥ摩耗の発生が抑制される。これにより、トレッド12の偏摩耗の発生が抑制される。
また、中間ラグ溝28が中間陸部20内でそれぞれ終端する、すなわち、中間陸部20が幅方向溝24によってタイヤ周方向に分断されないことから、例えば、分断されたものと比べて、中間陸部20のタイヤ周方向のせん断剛性の低下が抑制される。これにより、ドライ路面での制動性能が確保される。
このため、タイヤ10では、溝部25の角度θ1を30度以上150度以下の範囲に設定し、溝部26の角度θ2を30度以上150度以下の範囲に設定している。これにより、タイヤ10は、雪上走行時における良好なトラクション性能を得ることができる。
一方、溝部26の長さW2が、中間陸部20の長さWMの15%未満の場合には、溝部26で形成される雪柱のタイヤ周方向の雪柱せん断力が小さくトラクション性能を向上させる効果が十分でなく、70%を超えた場合には、中間陸部20のタイヤ周方向のせん断剛性が低下してドライ路面での制動性能の低下を抑制する効果が十分に得られない虞がある。
このため、タイヤ10では、溝部25の長さW1を、中央陸部18の長さWCの15%以上70%以下の範囲に設定し、溝部26の長さW2を、中間陸部20の長さWMの15%以上70%以下の範囲に設定している。これにより、タイヤ10は、ドライ路面での制動性能と雪上走行時でのトラクション性能をバランスよく発揮することができる。
一方、溝部26の溝深さが該溝部26の全長の50%以上の領域において中央周方向主溝14の溝深さの50%以上であることから、例えば、溝部26の溝深さが該溝部26の全長の50%未満の領域において中央周方向主溝14の溝深さの50%の未満の場合と比べて、溝部26で形成される雪柱のせん断力が向上する。
以上のことから、タイヤ10によれば、雪上走行時における良好なトラクション性能を得ることができる。
このため、タイヤ10では、溝部25の溝幅を、2mm以上5mm以下の範囲に設定し、溝部26の溝幅を、2mm以上5mm以下の範囲に設定している。これにより、タイヤ10は、ドライ路面での制動性能と雪上走行時でのトラクション性能をバランスよく発揮することができる。
溝部は、タイヤ周方向に対する角度が90度に近づくほど、タイヤ周方向の雪柱せん断力が増加するため、図3では、角度が90度のときの雪柱せん断力を100とした指数表示をしている。
図3に示すように、タイヤ周方向の雪柱せん断力は、溝部の上記角度が30度を下回ると急激に低下する。このため、タイヤ周方向の雪柱せん断力を確保する観点からは、上記角度を30度以上に設定することが好ましい。一方、上記角度を90度に近づけると、タイヤ周方向の雪柱せん断力は大きくなるが、タイヤ幅方向の雪柱せん断力は小さくなる。つまり、雪上走行時のトラクション性能と横滑り防止機能を両立するためには、溝部の上記角度を、30度以上60度以下の範囲Xに設定することが好ましい。
第1実施形態では、トレッド12に、中央陸部18と中間陸部20に渡って幅方向溝24を形成する構成としているが、本発明はこの構成に限定されず、中間陸部20とショルダー陸部22に渡って幅方向溝を形成する構成としてもよい。例えば、ショルダー陸部22の中間ラグ溝28の延長線上にショルダー周方向主溝16から該ショルダー周方向主溝16に対して交差する方向に延びる溝を形成し、当該溝と中間ラグ溝28とで幅方向溝をトレッド12に構成してもよい。
本発明の効果を確かめるために、本発明を適用したタイヤ(実施例)3種と、本発明を適用していないタイヤ(比較例)1種を用いて以下の評価を行なった。なお、供試タイヤのサイズは215/55R17であり、リム(7J)に組付け、所定の空気圧(230kPa)になるように空気を充填して試験に使用した。
実施例1:第1実施形態の構造を有し、かつ幅方向溝のタイヤ周方向に対する角度が30度、溝幅が2mmに設定されたタイヤである。なお、幅方向溝のタイヤ周方向に対する角度が30度とは、第1実施形態の角度θ1、θ2がともに30度であることを指している。
実施例2:第1実施形態の構造を有し、かつ幅方向溝のタイヤ周方向に対する角度が90度、溝幅が2mmに設定されたタイヤである。なお、幅方向溝のタイヤ周方向に対する角度が90度とは、第1実施形態の角度θ1、θ2がともに90度であることを指している。
実施例3:第1実施形態の構造を有し、かつ幅方向溝のタイヤ周方向に対する角度が90度、溝幅が4mmに設定されたタイヤである。
比較例1:図4に示すように、第1実施形態の中央陸部18に、溝部25の代わりにタイヤ幅方向に横断する横断サイプ102を形成し、かつ中間陸部20に、1本の溝部26の代わりに2本のタイヤ幅方向に延びるサイプ104を形成したタイヤ100である。
雪上でのトラクション性能試験:雪上でのトラクション性能は、雪路コースにおいて、供試タイヤを装着した車両を、停止状態から50m間走行させ、車両の加速時間を計測して評価した。評価は、比較例1の加速時間の逆数を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほどトラクション性能に優れていることを表している。
ドライ路面での制動性能試験:供試タイヤを装着した車両に2名乗車させた状態で、ドライ路面を100km/hからフル制動したときの制動距離を測定して評価した。評価は、比較例1の制動距離の逆数を100とする指数表示とした。なお、指数の数値が大きいほど制動性能に優れていることを表している。
12 トレッド
14 中央周方向主溝(周方向主溝)
14A 幅狭部
14B 幅広部
16 ショルダー周方向主溝(周方向主溝)
16A 幅狭部
16B 幅広部
18 中央陸部
20 中間陸部
24 幅方向溝
25 溝部
26 溝部
40 中央周方向主溝(周方向主溝)
40A 幅狭部
40B 幅広部
42 幅方向溝
43 溝部
44 溝部
CL タイヤ赤道面
S タイヤ周方向
W タイヤ幅方向
W1 長さ
W2 長さ
θ1 角度
θ2 角度
Claims (5)
- トレッドに設けられ、タイヤ周方向に延び、幅狭部と該幅狭部よりもタイヤ幅方向に沿った幅が広い幅広部とがタイヤ周方向に交互に形成された周方向主溝と、
前記幅広部のタイヤ幅方向両側の2つの陸部に渡って形成され、前記周方向主溝と交差する方向に連続して延びて前記2つの陸部内でそれぞれ終端する幅方向溝と、
を有する空気入りタイヤ。 - 前記幅方向溝は、前記幅広部から前記周方向主溝と交差する方向へ互いに逆向きに延びて前記2つの陸部内でそれぞれ終端する一対の溝部によって構成され、
前記溝部は、タイヤ周方向に対する角度が30度以上150度以下である請求項1に記載の空気入りタイヤ。 - 前記溝部のタイヤ幅方向に沿った長さが、該溝部が形成された前記陸部のタイヤ幅方向に沿った長さの15%以上70%以下である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記溝部は、前記周方向主溝から前記陸部へ延びる該溝部全長の50%以上の領域において、溝深さが前記周方向主溝の50%以上である請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 前記溝部は、溝幅が2mm以上5mm以下である請求項2〜4のいずれが1項に記載の空気入りタイヤ。
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