JP2013103567A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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拓也 王子
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Abstract

【課題】ドライ操縦安定性などを低下させることなく氷上性能を向上させる。
【解決手段】一対のクラウン周方向主溝と一対のショルダー周方向主溝とにより区分されたクラウン陸部、ミドル陸部、及びショルダー陸部に、それぞれサイピングが設けられる。クラウン陸部の陸部巾Wc、及びミドル陸部の陸部巾Wmは、それぞれトレッド接地巾TWの19〜25%であり、しかもその比Wc/Wmは0.9〜1.1である。クラウン陸部に配されるサイピングの平均角度θc、ミドル陸部に配されるサイピングの平角度θm、及びショルダー陸部に配されるサイピングの平均角度θsは次式を充足する。
θc<θs<θm
【選択図】図1

Description

本発明は、氷上性能を、ドライ路面における操縦安定性(ドライ操縦安定性という場合がある)などを低下させることなく向上させた空気入りタイヤに関する。
氷雪路の走行に適したスタッドレスタイヤ等の空気入りタイヤでは、通常、トレッド部を複数のブロック列に区分したブロックパターンが採用されるとともに、各ブロック列のブロックにサイピングを形成している。そして、主に前記ブロックやサイピングのエッジによる路面掘りおこし摩擦力(エッジ効果)の作用によって、氷上性能を確保している。
そして、この氷上性能をさらに高めるために、サイピングの形成本数及び長さを増加させることが行われている。しかし、サイピングの形成本数及び長さの増加は、一方ではブロック剛性の低下を招き、ドライ操縦安定性などを低下させるという問題が生じる。このように、氷上性能とドライ操縦安定性とは二律背反の関係があり、双方を高い次元で両立させることは難しい問題であった。
なお下記の特許文献1には、トレッド接地端に最も近いショルダー周方向主溝によって、トレッド部を、前記ショルダー周方向主溝よりも外側のショルダー側領域と、その内側のクラウン側領域とに区分し、かつ各領域にジグザグ状のサイピングを設けるとともに、この領域間において、サイピングにおけるジグザグの振幅、ジグザグのピッチ、およびタイヤ軸方向に対するサイピングの角度を相違させることが提案されている。
しかしこのものは、雪上性能とドライ操縦安定性との両立を目的としたものであり、氷上性能については充分満足しうる効果を得るに至っていない。
特開平2010−143532号公報
そこで本発明は、トレッド部が、クラウン陸部とミドル陸部とショルダー陸部とに区分されかつ各陸部にサイピングが設けられた空気入りタイヤにおいて、クラウン陸部とミドル陸部との陸部巾、及び各陸部に設けたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度を規制することを基本として、ドライ操縦安定性などを低下させることなく氷上性能を向上させた空気入りタイヤを提供することを目的としている。
上記課題を解決するために、本願請求項1の発明は、トレッド部に、タイヤ赤道面両側に配される一対のクラウン周方向主溝、及び前記クラウン周方向主溝のタイヤ軸方向外側に配される一対のショルダー周方向主溝を設けることにより、トレッド部が、前記クラウン周方向主溝間のクラウン陸部、クラウン周方向主溝とショルダー周方向主溝との間のミドル陸部、及びショルダー周方向主溝とトレッド接地端との間のショルダー陸部に区分され、
しかも前記クラウン陸部、ミドル陸部、及びショルダー陸部に、それぞれサイピングが設けられた空気入りタイヤであって、
前記クラウン陸部のタイヤ軸方向の陸部巾Wc、及びミドル陸部のタイヤ軸方向の陸部巾Wmは、それぞれトレッド接地巾TWの19〜25%の範囲であり、
しかもこのクラウン陸部の陸部巾Wcと、ミドル陸部の陸部巾Wmとの比Wc/Wmを0.9〜1.1とするとともに、
前記クラウン陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θcの平均角度θc
前記ミドル陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θmの平角度θm
及び前記ショルダー陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θsの平均角度θsは下記式(1)を充足することを特徴としている。
θc < θs < θm −−−(1)
また請求項2では、前記クラウン陸部は、該クラウン陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるクラウン横溝によってクラウンブロックに区分され、前記ミドル陸部は、該ミドル陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるミドル横溝によってミドルブロックに区分され、かつ前記ショルダー陸部は、該ショルダー陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるショルダー横溝によってショルダーブロックに区分されるとともに、
前記クラウン横溝のタイヤ軸方向に対する角度αcは、前記ミドル横溝のタイヤ軸方向に対する角度αmより大としたことを特徴としている。
また請求項3では、前記ミドル陸部は、タイヤ周方向にのびるミドル周方向細溝を具えることにより、前記ミドルブロックは、タイヤ軸方向内側のミドル小ブロック部と、タイヤ軸方向外側のミドル小ブロック部とに区分されるとともに、
前記内側のミドル小ブロック部に配されるサイピングのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きは、前記外側のミドル小ブロック部に配されるサイピングのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きと逆向きとしたことを特徴としている。
また請求項4では、前記クラウン陸部は、タイヤ赤道面上をジグザグ状にのびるクラウン周方向細溝を具えることを特徴としている。
なお前記トレッド接地端とは、正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した状態のタイヤに正規荷重を負荷した時に接地するトレッド接地面のタイヤ軸方向最外端に位置を意味し、又トレッド接地端間のタイヤ軸方向の距離をトレッド接地巾TWと定義する。
又前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、当該規格がタイヤ毎に定めるリムであり、例えばJATMAであれば標準リム、TRAであれば "Design Rim" 、或いはETRTOであれば "Measuring Rim"を意味する。前記「正規内圧」とは、前記規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば最高空気圧、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE"を意味するが、乗用車用タイヤの場合には180kPaとする。
本発明では、クラウン陸部の陸部巾Wc、及びミドル陸部の陸部巾Wmを、それぞれトレッド接地巾の19〜25%の範囲と、従来よりも幅広に設定している。ここで、前記クラウン陸部及びミドル陸部は、接地圧が高い領域であり、従って、前記陸部巾を増加させることにより横剛性が高まり、ドライ操縦安定性が確保される。
又特に、クラウン陸部は、接地面内において最も接地圧が高くなる領域である。従って、クラウン陸部においては、サイピングの角度θcを小とし、制動/駆動時にかかる応力方向(=周方向)に対してより深い角度でサイピングを配することで高いグリップ力を得ることができ、氷上での制動/駆動性を高めうる。
又前記ミドル陸部は、旋回時に接地圧が高くなる領域である。従って、ミドル陸部においては、サイピングの角度θmを大として該サイピングを斜めに配することで、旋回時の横力に対するエッジ効果を高めることができ、氷上での旋回性能を高めうる。
しかも、前記陸部巾の増加により剛性が増しブロック倒れが抑えられる結果、エッジ効果がより有効に発揮されることとなり、前記氷上での制動/駆動性、及び旋回性能がさらに高められる。又前記陸部巾の増加により接地圧が高い領域において接地面積が増すため、氷路面との粘着摩擦力を高めることができ、前記エッジ効果と相俟って氷上性能を向上させることができる。
なお前記ショルダー陸部は、旋回時に最も接地圧が高くなるものの、ショルダー摩耗などの異常摩耗が起こり易い領域である。従って、ショルダー陸部においては、サイピングの角度θsを小とし、旋回時のエッジ効果を犠牲にしながらも、横剛性を確保して異常摩耗の抑制を図っている。
このように、少なくともドライ操縦安定性を確保しながら氷上性能を向上させることができ、又ショルダ摩耗などの耐偏摩耗性の低下を抑制しうる。
本発明の空気入りタイヤのトレッドパターンの一実施例を示す展開図である。 クラウン陸部を拡大して示す展開図である。 ミドル陸部を拡大して示す展開図である。 ショルダー陸部を拡大して示す展開図である。 クラウン周方向主溝及びショルダー周方向主溝を説明する拡大図である。 各サイピングの長さ方向に沿った断面図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。
又図1は、本発明の空気入りタイヤ1が、乗用車用のスタッドレスタイヤである場合のトレッドパターンの一実施例の展開図である。同図に示すように、空気入りタイヤ1は、トレッド部2に、タイヤ赤道面Coの両側でタイヤ周方向にのびる一対のクラウン周方向主溝3と、このクラウン周方向主溝3のタイヤ軸方向外側でタイヤ周方向にのびる一対のショルダー周方向主溝4とを具える。これにより前記トレッド部2を、前記クラウン周方向主溝3、3間のクラウン陸部5、前記クラウン周方向主溝3とショルダー周方向主溝4との間のミドル陸部6、及び前記ショルダー周方向主溝4とトレッド接地端Teとの間のショルダー陸部7に区分している。
そして、前記クラウン陸部5、ミドル陸部6、及びショルダー陸部7には、それぞれサイピング8、9、10が形成される。
前記クラウン周方向主溝3及びショルダー周方向主溝4は、溝巾WMが5.5mm以上、好ましくは6.5mm以上の巾広溝として形成される。なお上限は11.5mm以下、さらには10.5mm以下が好ましい。本例では図5(A)、(B)に示すように、各周方向主溝3、4は、タイヤ軸方向内側の溝側縁3Ei、4Eiと、タイヤ軸方向外側の溝側縁3Eo、4Eoとが、ジグザグ状に屈曲するジグザグ線で形成される。特に本例の周方向主溝3、4では、内側の溝側縁3Ei、4Eiと、外側の溝側縁3Eo、4Eoとが、ジグザグのピッチ数及び振幅の少なくとも一方、本例では双方を相違させたジグザグ線Jにて形成している。これにより、各周方向主溝3、4は、溝全体のタイヤ軸方向の振れ幅Kを低く抑えて排水性の低下を抑制しながら、エッジ成分を増やして氷上でのグリップ性を高めている。又本例では、内側の溝側縁3Ei、4Eiのジグザグ線には、鋭角に屈曲する鋭角屈曲部Qが含まれ、これによりエッジ効果をさらに高めている。
本例では、前記内側の溝側縁3Ei、4Eiと、外側の溝側縁3Eo、4Eoとが異なるジグザグ線Jにて形成されることにより、前記周方向主溝3、4の溝巾WMは、一定とはならずに周方向に変化している。従って本明細書では、前記周方向主溝3の溝巾WMは、両側の溝側縁3Ei、3Eo間の面積S3をタイヤ一周長さLで除した値S3/Lで定義され、又前記周方向主溝4の溝巾WMは、両側の溝側縁4Ei、4Eo間の面積S4をタイヤ一周長さLで除した値S4/Lで定義される。
そして本実施形態のタイヤ1では、前記クラウン陸部5のタイヤ軸方向の陸部巾Wc、及びミドル陸部6のタイヤ軸方向の陸部巾Wmは、それぞれトレッド接地巾TWの19〜25%の範囲と従来よりも幅広に設定されるとともに、前記陸部巾Wcと陸部巾Wmとの比Wc/Wmは0.9〜1.1の範囲に設定される。
本例では、前記陸部巾Wc、Wmは、前記周方向主溝3、4の溝巾WMと同様、周方向で変化している。従って本明細書では、前記クラウン陸部5のタイヤ軸方向の陸部巾Wcは、両側の溝側縁3Ei、3Ei間の面積S5をタイヤ一周長さLで除した値S5/Lで定義され、又前記ミドル陸部6の陸部巾Wmは、両側の溝側縁3Eo、4Ei間の面積S6をタイヤ一周長さLで除した値S6/Lで定義される。
ここで、前記クラウン陸部5及びミドル陸部6は、接地圧が高い領域である。従って、その陸部巾Wc、Wmを増加させることにより横剛性が高まり、優れたドライ操縦安定性を確保することができる。しかも前記陸部巾Wc、Wmの増加によって接地圧が高い領域での接地面積が高まるため、氷路面との粘着摩擦力が増し、氷上性能の向上にも貢献しうる。
なお前記陸部巾Wc、及び陸部巾Wmが、それぞれトレッド接地巾TWの19%を下回ると前記効果が発揮されず、逆に25%を超えると、ウエット性能に不利を招く。又前記陸部巾の比Wc/Wmが前記0.9〜1.1の範囲から外れる場合にも、クラウン陸部5とミドル陸部6との剛性バランスが崩れて前記効果が発揮され難くなる。
次に、前記クラウン陸部5にはサイピング8が配される。
詳しくは、本例のクラウン陸部5には、図2に拡大して示すように、該クラウン陸部5を横切りかつタイヤ周方向に隔置される複数のクラウン横溝11が形成され、これによってクラウン陸部5は、複数のクラウンブロック12に区分される。本例では、前記クラウン横溝11は、一方のクラウン周方向主溝3からタイヤ赤道面Co側にのびる横溝部11aと、他方のクラウン周方向主溝3からタイヤ赤道面Co側にのびる横溝部11bと、この横溝部11a、11b間を継ぐ継ぎ溝部11cとから構成される。
又周方向に隣合うクラウン横溝11、11間は、タイヤ周方向にのびる連結溝13によって互いに接続される。これにより各前記クラウンブロック12は、前記連結溝13両側のクラウン小ブロック部12A、12Bに分割される。本例の場合、前記継ぎ溝部11cと連結溝13とは1本に連なり、互いに協働して、タイヤ赤道面Co上をジグザグ状にのびる1本のクラウン周方向細溝14を構成している。このクラウン周方向細溝14は、溝巾が1.0〜3.0mmの細溝であって、前記横溝部11a、11bとともに、排水性及び氷上性能の向上に役立つ。
そして一方のクラウン小ブロック部12Aにはサイピング8Aが、又外側のクラウン小ブロック部12Bにはサイピング8Bが形成される。本例の場合、前記クラウン小ブロック部12Aに配されるサイピング8A同士は互いに平行であり、そのタイヤ軸方向に対する角度θcAは互いに等しく設定される。同様に、前記クラウン小ブロック部12Bに配されるサイピング8B同士は互いに平行であり、そのタイヤ軸方向に対する角度θcBは互いに等しく設定されている。なお前記角度θcA、θcBを総称して角度θcとよび、又サイピング8A、8Bを総称してサイピング8とよぶ。なお前記サイピング8Aの角度θcAと、サイピング8Bの角度θcBとは相違しても良く、又タイヤ軸方向に対する傾斜の向きが異なっても良い。又要求により、小ブロック部毎にサイピング8の角度θcを相違させても良く、一つの小ブロック部内に配されるサイピング8間で角度θcを相違させることもできる。前記角度θcは好ましくは0〜8°の範囲であり、8°を超えると制動力の低下を招く。
次に、前記ミドル陸部6には、サイピング9が配される。
詳しくは、本例のミドル陸部6には、図3に拡大して示すように、該ミドル陸部6を横切りかつタイヤ周方向に隔置される複数のミドル横溝15が形成され、これによってミドル陸部6は、複数のミドルブロック16に区分される。本例では、前記ミドル横溝15は、タイヤ軸方向外側に向かって溝巾を増加している。これにより水の排出をスムーズにして排水性を高めている。
又周方向に隣合うミドル横溝15、15間は、周方向にのびるミドル周方向細溝17によって接続される。これにより各前記ミドルブロック16は、前記ミドル周方向細溝17によって、タイヤ軸方向内側、外側のミドル小ブロック部16A、16Bに分割される。このミドル周方向細溝17も、溝巾が1.0〜3.0mmの細溝であって、前記ミドル横溝15とともに、排水性及び氷上性能の向上に役立つ。
そして前記内側のミドル小ブロック部16Aにはサイピング9Aが、又外側のミドル小ブロック部16Bにはサイピング9Bが形成される。本例の場合、前記ミドル小ブロック部16Aに配されるサイピング9A同士は互いに平行であり、そのタイヤ軸方向に対する角度θmAは互いに等しく設定される。同様に、前記ミドル小ブロック部16Bに配されるサイピング9B同士は互いに平行であり、そのタイヤ軸方向に対する角度θmBは互いに等しく設定されている。なお前記角度θmA、θmBを総称して角度θmとよび、又サイピング9A、9Bを総称してサイピング9とよぶ。なお前記サイピング9Aの角度θmAと、サイピング9Bの角度θmBとは相違しても良く、又タイヤ軸方向に対する傾斜の向きが異なっても良い。又要求により、小ブロック部毎にサイピング9の角度θmを相違させても良く、一つの小ブロック部内に配されるサイピング9間で角度θmを相違させることもできる。前記角度θmは15〜35°の範囲が好ましく、35°を超えると、制動力の低下および偏摩耗の悪化を招く。又15°を下回ると氷上での旋回性能が低下する。
次に、前記ショルダー陸部7には、サイピング10が配される。
詳しくは、本例のショルダー陸部7には、図4に拡大して示すように、該ショルダー陸部7を横切りかつタイヤ周方向に隔置される複数のショルダー横溝18が形成され、これによってショルダー陸部7は、複数のショルダーブロック19に区分される。
又このショルダーブロック19にサイピング10が形成される。本例の場合、このショルダーブロック19に配されるサイピング10同士は互いに平行であり、そのタイヤ軸方向に対する角度θsは互いに等しい。なお要求により、ショルダーブロック19毎にサイピング10の角度θsを相違させても良く、又一つのショルダーブロック19内に配されるサイピング10間で角度θsを相違させることもできる。前記角度θsは好ましくは5〜25°の範囲である。
そして前記タイヤ1では、前記サイピング8の角度θcの平均角度をθc、サイピング9の角度θmの平均角度をθm、サイピング10の角度θsの平均角度をθsとしたとき、下記式(1)を充足している。
θc < θs < θm −−−(1)
前記平均角度θcは、各前記サイピング8の角度θcの総和Σθcをサイピング8の総数Nで除した値(Σθc)/Nで定義される。同様に、前記平均角度θmは、各前記サイピング9の角度θmの総和Σθmをサイピング9の総数Nで除した値(Σθm)/Nで定義され、又平均角度θsは、各前記サイピング10の角度θsの総和Σθsをサイピング10の総数N10で除した値(Σθs)/N10で定義される。
ここで、前記ミドル陸部6は、旋回時に接地圧が高くなる領域である。従って、ミドル陸部6においては、前記サイピング9の平均角度θmを、他のサイピング8、10の平均角度θc、θsよりも大として該サイピング9を斜めに配することで、旋回時の横力に対するエッジ効果を高めることができ、氷上での旋回性能を高めうる。
しかも、前記陸部巾Wc、Wmの増加により陸部5、6の剛性が増しブロック倒れが抑えられる結果、エッジ効果がより有効に発揮されることとなる。その結果、前記氷上での制動/駆動性、及び旋回性能がさらに高められる。又前記陸部巾Wc、Wmの増加により接地面積が増し、氷路面との粘着摩擦力が高まるため、前記エッジ効果と相俟って、氷上性能をさらに向上させることができる。
なお前記ショルダー陸部7は、旋回時に最も接地圧が高くなるものの、ショルダー摩耗などの異常摩耗が起こり易い領域である。従って、ショルダー陸部7においては、サイピング10の平均角度θsを小とし、旋回時のエッジ効果を犠牲にしながらも、横剛性を確保して異常摩耗の抑制を図っている。なお氷上性能は、前記クラウン陸部5とミドル陸部6とで充分確保される。
又本例では、前記内側のミドル小ブロック部16Aに配されるサイピング9Aのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きは、外側のミドル小ブロック部16Bに配されるサイピング9Bのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きと逆向きとしている。このようにサイピング9A、9Bで傾斜の向きを相違させることで、旋回方向や路面状態に影響されることなく、高い旋回性を発揮することが可能となる。
又本例では、前記クラウン横溝11のタイヤ軸方向に対する角度αcは、前記ミドル横溝15のタイヤ軸方向に対する角度αmよりも大としている。前記クラウン陸部5は、最も高い排水性能が要求される領域であり、従ってこの領域に配されるクラウン横溝11の角度αcを大として周方向に近づけることにより、排水性を高めてウエット性能を確保することができる。なお本例のクラウン横溝11は、前述の如く横溝部11a、11bと継ぎ溝部11cとから構成されており、従って本例では、各部11a、11b、11cにおける角度αcが、前記角度αmよりも大に設定される。又排水性および剛性の観点から、前記角度αmは、ショルダー横溝18のタイヤ軸方向に対する角度αsよりも大に設定される。
なお前記サイピング8、9、10として、本例では直線状のものを例示したが、ジグザグ状にのびるジグザグサイプを採用することもできる。又前記サイピング8、9は、図6に示すように、その長さ方向両端に浅底部を設けることが好ましく、これにより陸部5、6の剛性低下を抑制しうる。なお前記浅底部でのサイプ深さh1を、最深部でのサイプ深さh0の0.2〜0.4倍の範囲とするのが好ましい。
以上、本発明の特に好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施しうる。
図1の基本パターンを有し、かつ表1の仕様に基づきタイヤサイズが225/65R17の乗用車用のスタッドレスタイヤを試作し、氷上性能、ドライ操縦安定性、ウエット性能、及び耐偏摩耗性についてテストするとともに、その結果を表1に記載した。各タイヤとも、表1に記載以外は実質的に同仕様であり、各タイヤのランド比も実質的に同一とした。
(1)氷上性能:
(制動性) 試供タイヤを、リム(17×6.5J)、内圧(200kPa)の条件にて車両(2400ccのSUV車)の全輪に装着し、氷路テストコースにおいて、速度40km/Hで直進走行中にフル制動し、車両が停止するまでの距離を測定した。そして、比較例1を100とする指数にて評価した。指数が大なほど優れている。
(旋回性) 上記車両を用いて上記氷路テストコースを走行し、その時の旋回性を、ドライバーによる官能により比較例1を100とする指数にて評価した。指数が大なほど優れている。
(2)ドライ操縦安定性:
上記車両を用いてドライアスファルト路面のテストコースを走行し、その時の操縦安定性(レーンチェンジ時の安定性、及び旋回性)を、ドライバーによる官能により比較例1を100とする指数にて評価した。指数が大なほど優れている。
(3)ウエット性能:
上記の車両を用い、半径102mのアスファルト路面に、水深10mm、長さ10mの水たまりを設けたコース上を、速度を段階的に増加させながら前記車両を進入させ、横加速度(横G)を計測し、60〜90km/Hの速度における平均横Gを算出した。結果は、比較例1を100とする指数にて評価した。指数が大なほど優れている。
(4)耐偏摩耗性:
上記の車両を用いてドライアスファルト路面のテストコースを約10000km走行し、ショルダー陸部における偏摩耗の発生状況を目視によって検査し、10点法で評価した。数値が大きいほど良好である。
Figure 2013103567
Figure 2013103567
表の如く実施例のタイヤは、優れたドライ操縦安定性及びウエット性能を維持しながら、氷上性能を向上しうるのが確認できる。
2 トレッド部
3 クラウン周方向主溝
4 ショルダー周方向主溝
5 クラウン陸部
6 ミドル陸部
7 ショルダー陸部
8、9、10 サイピング
11 クラウン横溝
12 クラウンブロック
14 クラウン周方向細溝
15 ミドル横溝
16 ミドルブロック
16A、16B ミドル小ブロック部
17 ミドル周方向細溝
18 ショルダー横溝
19 ショルダーブロック
Co タイヤ赤道面
Te トレッド接地端

Claims (4)

  1. トレッド部に、タイヤ赤道面両側に配される一対のクラウン周方向主溝、及び前記クラウン周方向主溝のタイヤ軸方向外側に配される一対のショルダー周方向主溝を設けることにより、トレッド部が、前記クラウン周方向主溝間のクラウン陸部、クラウン周方向主溝とショルダー周方向主溝との間のミドル陸部、及びショルダー周方向主溝とトレッド接地端との間のショルダー陸部に区分され、
    しかも前記クラウン陸部、ミドル陸部、及びショルダー陸部に、それぞれサイピングが設けられた空気入りタイヤであって、
    前記クラウン陸部のタイヤ軸方向の陸部巾Wc、及びミドル陸部のタイヤ軸方向の陸部巾Wmは、それぞれトレッド接地巾TWの19〜25%の範囲であり、
    しかもこのクラウン陸部の陸部巾Wcと、ミドル陸部の陸部巾Wmとの比Wc/Wmを0.9〜1.1とするとともに、
    前記クラウン陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θcの平均角度θc
    前記ミドル陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θmの平角度θm
    及び前記ショルダー陸部に設けられたサイピングのタイヤ軸方向に対する角度θsの平均角度θsは、下記式(1)を充足することを特徴とする空気入りタイヤ。
    θc < θs < θm −−−(1)
  2. 前記クラウン陸部は、該クラウン陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるクラウン横溝によってクラウンブロックに区分され、前記ミドル陸部は、該ミドル陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるミドル横溝によってミドルブロックに区分され、かつ前記ショルダー陸部は、該ショルダー陸部を横切りかつタイヤ周方向に隔置されるショルダー横溝によってショルダーブロックに区分されるとともに、
    前記クラウン横溝のタイヤ軸方向に対する角度αcは、前記ミドル横溝のタイヤ軸方向に対する角度αmより大としたことを特徴とする請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記ミドル陸部は、タイヤ周方向にのびるミドル周方向細溝を具えることにより、前記ミドルブロックは、タイヤ軸方向内側のミドル小ブロック部と、タイヤ軸方向外側のミドル小ブロック部とに区分されるとともに、
    前記内側のミドル小ブロック部に配されるサイピングのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きは、前記外側のミドル小ブロック部に配されるサイピングのタイヤ軸方向に対する傾斜の向きと逆向きとしたことを特徴とする請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記クラウン陸部は、タイヤ赤道面上をジグザグ状にのびるクラウン周方向細溝を具えることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の空気入りタイヤ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN108297623A (zh) * 2016-12-22 2018-07-20 住友橡胶工业株式会社 轮胎
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