JP2012093330A - ガスセンサ素子及びガスセンサ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ガスセンサ素子1は、酸素イオン伝導性の固体電解質体11と、固体電解質体11に設けた測定電極12及び基準電極13と、被測定ガスを透過させる拡散抵抗層14と、発熱体171を設けたヒータ部170とを有する素子本体部10を備えている。素子本体部10の拡散抵抗層14における被測定ガスを導入するガス導入外表面141上には、被測定ガス中の被毒成分をトラップするための多孔質保護層2と、多孔質保護層2上に形成され、固体電解質体11が活性となる高温時において撥水性を有し、多孔質保護層2よりも気孔率が小さい表面保護層3とが設けられている。表面保護層3は、多孔質保護層2の一部が露出するように形成されている。
【選択図】図1
Description
このようなガスセンサには、例えば、酸素イオン伝導性の固体電解質体と、その固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた測定電極及び基準電極と、測定電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる拡散抵抗層とを有するガスセンサ素子が内蔵されている。
少なくとも、上記素子本体部の上記拡散抵抗層における上記被測定ガスを導入するガス導入外表面上には、上記被測定ガス中の被毒成分をトラップするための多孔質保護層と、該多孔質保護層上に形成され、上記固体電解質体が活性となる高温時において撥水性を有し、上記多孔質保護層よりも気孔率が小さい表面保護層とが設けられており、
該表面保護層は、上記多孔質保護層の一部が露出するように形成されていることを特徴とするガスセンサ素子にある(請求項1)。
そして、外側に設けられた上記表面保護層は、上記固体電解質体が活性となる高温時、すなわち上記ガスセンサ素子の使用時において撥水性を有している。そのため、仮に上記表面保護層に水滴が付着しても、その水滴は上記表面保護層の表面においてはじかれる。これにより、被水部分の温度低下を抑制することができ、熱衝撃を緩和することができる。よって、上記ガスセンサ素子の耐被水性を十分に確保することができ、被水割れを防ぐことができる。
また、上記表面保護層の高温時における撥水性は、例えば、ライデンフロスト現象によって得られる。ライデンフロスト現象とは、高温となっている上記表面保護層の表面に水滴が接触した際に、水滴の表面が瞬時に蒸発し、その蒸発した水蒸気によって形成された層が上記表面保護層と水滴の間に断熱層として作用する現象である。このライデンフロスト現象により、仮に上記表面保護層に水滴が付着したとしても、水滴は瞬時に上記表面保護層の表面から離れるため、撥水性が得られる。例えば、上記表面保護層が500℃以上になると、このライデンフロスト現象が発現される。
この場合には、高温時において上記表面保護層に水滴が付着した場合に、上述したライデンフロスト現象を確実に発現させ、高温時における上記表面保護層の撥水性を十分に確保することができる。
なお、上記表面粗度Raは、JIS B 0601:2001(ISO 4287:1997)における算術平均高さであり、各基準にしたがって測定するものである。
また、上記表面保護層の表面粗度Raは、該表面保護層を構成する微粒子の粒径との間に相関関係がある。したがって、応答性等の特性を十分に確保できるように微粒子の粒径を設定することを考えると、上記表面保護層の表面粗度Raは、0.6μm以上であることが好ましい。例えば、0.6μm未満の場合には、微粒子間に形成される細孔が被毒物によって閉塞され、センサ性能が低下するおそれがある。
例えば、上記表面保護層と上記多孔質保護層との形成範囲をずらし、上記表面保護層の一部を覆わないように上記表面保護層を形成することによって、上記多孔質保護層の一部を露出させることができる(後述する実施例1の図3、実施例5の図10参照)。
また、上記多孔質保護層全体を覆うように上記表面保護層を形成した後、該表面保護層に上記多孔質保護層まで届く貫通孔を形成し、上記多孔質保護層の一部を露出させることもできる(後述する実施例5の図12参照)。
この場合には、上記多孔質保護層が上記素子本体部の全周にわたって上記表面保護層から上記素子本体部への伝熱を緩衝する機能を果たすことになる。そのため、上記ガスセンサ素子の耐被水性をより一層向上させることができる。
この場合には、上記ガスセンサ素子の使用時において特に高温となり、水滴付着による温度低下が大きく、被水割れが起こり易い上記加熱領域に上記表面保護層を形成することにより、被水割れを防止する効果を高めることができる。
なお、上記発熱部とは、上記ヒータ部の上記発熱体において通電により発熱する部分のことである。
この場合には、上記加熱領域全体に上記表面保護層を形成することにより、被水割れを防止する効果をさらに高めることができる。
この場合には、上記加熱領域を含めて該加熱領域からある程度の範囲まで上記表面保護層を形成することにより、被水割れを防止する効果をより一層高めることができる。
この場合には、上記多孔質保護層及び上記表面保護層の厚み及び気孔率を上記特定の範囲とすることにより、上述した上記表面保護層の被水割れ防止効果、上記多孔質保護層による被毒防止効果及び伝熱緩和効果をバランスよく、いずれの効果も十分に発揮することができるようにしている。また、上記ガスセンサ素子全体の熱容量を抑えて早期活性を図ることができると共に、高温時において上記表面保護層の撥水性を十分に得ることができる。
一方、上記多孔質保護層の厚みが600μmを超える場合には、熱容量の増大によって早期活性を図ることが困難となるおそれがある。
一方、上記多孔質保護層の気孔率が90%を超える場合には、上記多孔質保護層自体の強度が低下するおそれがある。
一方、上記表面保護層の厚みが150μmを超える場合には、熱容量の増大によって早期活性を図ることが困難となるおそれがある。また、上記表面保護層のガス透過性を十分に確保することができず、上記ガスセンサ素子の応答性が悪化するおそれがある。
一方、上記表面保護層の気孔率が50%を超える場合には、上記表面保護層自体の強度が低下するおそれがある。
この場合には、上記ガスセンサ素子に対して超絶縁検査を行う際に、その検査で用いる水あるいは水とアルコールの混合液を上記ガスセンサ素子の微小クラック等に十分に染み込ませることができる。これにより、超絶縁検査を正確に行うことができる。
なお、ここでの常温とは、一般的に20±15℃(5〜35℃)をいう。また、超絶縁検査は、例えば、上記ガスセンサ素子を水あるいは水とアルコールの混合液に所定時間浸漬して微小クラック等に含浸させた後、上記測定電極と上記基準電極との間に所定電圧をかけ、その電極間の抵抗を測定することによって行う。
この場合には、上記の材料を主成分とするセラミックとすることにより、高温時においても酸化反応が起こり難く、安定となるため、リーン雰囲気(酸素が多いような雰囲気)においても正確に被測定ガス中の特定ガス濃度を検出することができる。これにより、活性時間(ガスセンサ素子を作動させてから正確な濃度検出が可能となるまでの時間)の遅延を抑制して早期活性を図ることができる。また、上記の材料は、親水性を有するため、常温における上記表面保護層の親水性を確保したい場合に好適である。
この場合には、上記多孔質保護層が多孔質(粒子自体が多孔質)で比表面積の大きいものとなるため、上記被測定ガス中の被毒成分、例えば、オイル中に含まれるP、Si、Ca、Zn等の成分から生成する化合物等を容易にトラップすることができ、耐被毒性を十分に確保することができる。
この場合には、例えば、上記素子本体部の外表面に対して上記多孔質保護層及び上記表面保護層をディップ法により形成する際に、上記素子本体部の先端部においても、均一で薄膜の上記多孔質保護層及び上記表面保護層を形成することができる。
なお、上記テーパ部は、上記素子本体部の先端部の角部に対して切削機等を用いた面取り等を施すことによって設けることができる。
本発明の実施例にかかるガスセンサ素子及びガスセンサについて、図を用いて説明する。
本例のガスセンサ素子1は、図1に示すごとく、酸素イオン伝導性の固体電解質体11と、固体電解質体11の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた測定電極12及び基準電極13と、測定電極12を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質の拡散抵抗層14と、通電により発熱する発熱体171を設けたヒータ部170とを有する素子本体部10を備えている。
以下、これを詳説する。
ガスセンサ素子1の素子本体部10において、ジルコニアからなる酸素イオン伝導性の固体電解質体11の一方の面には、白金からなる測定電極12が設けられている。また、固体電解質体11の他方の面には、白金からなる基準電極13が設けられている。
拡散抵抗層14における固体電解質体11とは反対側の面には、電気的絶縁性を有し、緻密でガスを透過させないアルミナからなる遮蔽層15が積層されている。
表面保護層3は、α−アルミナを主成分とするセラミック粒子31からなる緻密な層である。また、表面保護層3は、表面粗度Raが3.0μm以下であり、厚みd3が20〜150μmであり、気孔率が10〜50%である。また、表面保護層3の気孔率は、多孔質保護層2の気孔率よりも小さい。
本例では、多孔質保護層2は、素子本体部10の先端面101から所定の距離Aまでの範囲において、素子本体部10の全周を覆うように形成されている。また、表面保護層3は、素子本体部10の先端面101から所定の距離B(B<A)までの範囲において、素子本体部10(多孔質保護層2)の全周を覆うように形成されている。すなわち、表面保護層2の一部を覆わないようにして表面保護層3を形成することにより、多孔質保護層2の一部を露出させている。なお、多孔質保護層2及び表面保護層3は、素子本体部10の先端面101も覆うように形成されている。
まず、図1を参照のごとく、ヒータ基板17、基準ガス室形成層16、固体電解質体11、拡散抵抗層14、遮蔽層15を順に積層し、積層型の素子本体部10を作製する。
このとき、図4(a)に示すごとく、素子本体部10の先端部102の外周面103には、先端に向かって断面積が徐々に小さくなるように複数のテーパ部104を設けておく。テーパ部104は、切削機を用いて面取りを施すことによって設けた。
以上により、ガスセンサ素子1(図1、図2参照)を作製する。
同図に示すごとく、ガスセンサ8は、ガスセンサ素子1と、ガスセンサ素子1を内側に挿通保持する絶縁碍子81と、絶縁碍子81を内側に挿通保持するハウジング82と、ハウジング82の基端側Yに配設された大気側カバー83と、ハウジング82の先端側Xに配設されると共にガスセンサ素子1を保護する素子カバー84とを有する。
この外側カバー841及び内側カバー842の側面部や底面部には、被測定ガスを導通させるための導通孔843が設けられている。
本例のガスセンサ素子1において、拡散抵抗層14のガス導入外表面141上には、多孔質保護層2と多孔質保護層2上に形成された表面保護層3との二層が設けられている。
そして、外側に設けられた表面保護層3は、固体電解質体11が活性となる高温時、すなわちガスセンサ素子1の使用時において撥水性を有している。そのため、仮に表面保護層3に水滴が付着しても、その水滴は表面保護層3の表面においてはじかれる。これにより、被水部分の温度低下を抑制することができ、熱衝撃を緩和することができる。よって、ガスセンサ素子1の耐被水性を十分に確保することができ、被水割れを防ぐことができる。
本例は、図8に示すごとく、ガスセンサ素子1の構成を変更した例である。
同図に示すごとく、ガスセンサ素子1は、実施例1と同様に、固体電解質体11、測定電極12及び基準電極13を有する。測定電極12は、被測定ガス室140に面して配設されている。
また、固体電解質体11の測定電極12側には、開口部149を有する拡散抵抗層14が積層されている。また、固体電解質体11の基準電極13側には、絶縁層18及びヒータ基板17が積層されている。また、ヒータ基板17には、発熱体171を有するヒータ部170が設けられている。
また、多孔質保護層2及び表面保護層3は、拡散抵抗層14のガス導入外表面141を含む素子本体部10の全周を覆うように形成されている。ただし、多孔質保護層2の一部は露出している。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、図9に示すごとく、有底筒状のコップ型のガスセンサ素子1の例である。
同図に示すごとく、ガスセンサ素子1は、有底筒状の固体電解質体11と、固体電解質体11の外表面に設けた測定電極12と、内表面に設けた基準電極13とを有する。また、固体電解質体11の内側には、基準ガス室160が形成され、その基準ガス室160には、発熱体171を有するヒータ部170が挿入配置されている。
その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、表1、表2に示すごとく、本発明のガスセンサ素子の性能について調べたものである。
本例では、同表に示すごとく、多孔質保護層及び表面保護層の厚み及び気孔率が異なるガスセンサ素子(試料A1〜A10、B1〜B9)を準備し、それぞれについて被水後膜状態、被水割れ、活性時間、応答性、被毒耐久性の各項目について評価を行った。
また、試料A1〜A8のガスセンサ素子は、表面保護層の厚みを60μm、気孔率を40%とし、多孔質保護層の厚み及び気孔率を表1に示すように変化させたものである。
また、試料A9のガスセンサ素子は、表面保護層の厚みを60μm、気孔率を40%とし、多孔質保護層を設けていないものである。
また、試料A10のガスセンサ素子は、表面保護層の厚みを10μm、気孔率を40%とし、多孔質保護層を設けていないものである。
また、試料B9のガスセンサ素子は、多孔質保護層の厚みを60μm、気孔率を80%とし、表面保護層を設けていないものである。
「被水後膜状態」については、予め700℃に加熱しておいたガスセンサ素子に所定量(1μL)の水を100回滴下する。その後、多孔質保護層又は表面保護層の状態について目視により観察し、膜の剥離・脱落の有無を確認する。
「被水後膜状態」の判定は、多孔質保護層又は表面保護層について膜の剥離・脱落がない場合には○、一部でも剥離・脱落している場合には×とした。
また、超絶縁検査は、ガスセンサ素子を水:エタノール=4:1の混合溶液に1分間浸漬する。次いで、電極間に500Vの電圧をかけ、電気抵抗を測定する。そして、電気抵抗が10MΩ未満の場合には、被水割れが生じていると判断する。
そして、「被水割れ」の判定は、実使用における被水量を考慮し、割れ被水量が10μL以上の場合には○、10μL未満の場合には×とする。
「活性時間」の判定は、活性時間が4秒以下の場合には○、4秒を超える場合には×とする。
「応答性」の判定は、応答時間が200m秒以下の場合には○、200m秒を超える場合には×とする。
また、ILの特性規格の評価は、排ガスのA/F値=13(リッチ)とA/F値=18(リーン)のときのILを測定し、そのIL値が耐久試験前に対して5%以内の変化量の場合には、ILの特性規格を満足していると判断する。
そして、「被毒耐久性」の判定は、耐久試験後の応答性及びILの特性規格の評価についていずれも満足する場合には○、いずれか満足しない場合には×とする。
表1からわかるように、多孔質保護層の厚みが本発明の範囲よりも大きい試料A7、A8は、一部に膜の剥離が生じており、被水後膜状態の項目について×であった。
また、表面保護層のみを設け、多孔質保護層を設けていない試料A9、A10は、多孔質保護層による被毒防止効果を得ることができず、被毒耐久性の項目について×であった。また、表面保護層の厚みが10μmと小さい試料A10は、多孔質保護層による伝熱緩和効果を得ることができず、表面保護層に付着した水滴からの熱が素子母材に直接伝わるため、被水割れの項目について×であった。
また、表面保護層の厚みが本発明の範囲よりも大きい試料B7、B8は、ガスセンサ素子の熱容量が増大し、早期活性を図ることができず、活性時間の項目について×であった。また、ガス透過性を十分に確保することができず、応答性の項目について×であった。
また、多孔質保護層のみを設け、表面保護層を設けていない試料B9は、表面保護層による被水防止効果を得ることができず、被水後膜状態、被水割れの項目について×であった。
本例は、図10〜図12に示すごとく、多孔質保護層2及び表面保護層3の構成を変更した例である。
図10に示す例は、多孔質保護層2の軸方向中央部分を覆うように表面保護層3を形成し、多孔質保護層2の先端側X及び基端側Yに表面保護層3を形成しないことによって、多孔質保護層2の一部を露出させた例である。本例において、表面保護層3は、表面保護層用材料30(図4(c))をスプレーや溶射等の方法を用いて塗布することによって、所定の範囲に形成することができる。
いずれも例も、その他は、実施例1と同様の構成であり、同様の作用効果を有する。
本例は、表3に示すごとく、本発明のガスセンサ素子の性能について調べたものである。
本例では、同表に示すごとく、多孔質保護層の一部を露出させた、表面保護層の形成範囲が異なる本発明のガスセンサ素子(試料C1〜C4)と、多孔質保護層を露出させていない比較としてのガスセンサ素子(試料C5)を準備し、それぞれについて内部に含まれる水分の蒸発に伴う表面保護層の割れ、剥離の評価を行った。
また、試料C2、C3、C4のガスセンサ素子は、それぞれ実施例5の図10、図11、図12に示したガスセンサ素子1と同様の構成である。
また、試料C5のガスセンサ素子は、図13に示すごとく、多孔質保護層2全体を覆うように表面保護層3を形成したガスセンサ素子91である。
そして、本例では、各試料C1〜C5について、所定の試験数(n=50)に対する不具合(表面保護層の割れ、剥離)の発生確率を求めた。
同表からわかるように、比較としてのガスセンサ素子である試料C5は、不具合発生確率が100%であった。これは、表面保護層が多孔質保護層全体を覆うように形成されていることにより、多孔質保護層に含まれる水分の蒸発に伴う応力が表面保護層に発生し、表面保護層に割れ、剥離が生じると考えられる。
本例は、図15に示すごとく、本発明のガスセンサ素子の性能について調べたものである。
本例では、本発明のガスセンサ素子(試料D1)と、比較としてのガスセンサ素子(試料D2)とを準備し、それぞれについて水を滴下する位置を変更させた場合における被水割れの評価を行った。
また、試料D2のガスセンサ素子は、図14(b)に示すごとく、多孔質保護層2のみを設け、表面保護層3を設けていないガスセンサ素子92である。
そして、本例では、素子本体部10の加熱領域Sの基端を基準点T(距離=0mm)として、水を滴下する位置を先端側X(距離=−1mm)又は基端側Y(距離=1、2、3、4、5mm)に移動させる。このとき、各試料D1、D2について、所定の試験数(n=50)に対する被水割れ発生確率を求めた。
同図からわかるように、比較としてのガスセンサ素子である試料D2は、水を滴下する位置が加熱領域から離れるにしたがって被水割れ発生確率が低くなっている。そして、基準点からの距離が3mm以上の場合には、被水割れ発生確率が0%となった。
一方、本発明のガスセンサ素子である試料D1は、表面保護層を設けていることにより、水を滴下する位置にかかわらず、被水割れ発生確率が0%であった。
10 素子本体部
11 固体電解質体
12 測定電極
13 基準電極
14 拡散抵抗層
141 ガス導入外表面
170 ヒータ部
171 発熱体
2 多孔質保護層
3 表面保護層
Claims (10)
- 酸素イオン伝導性の固体電解質体と、該固体電解質体の一方の面と他方の面とにそれぞれ設けた測定電極及び基準電極と、上記測定電極を覆うと共に被測定ガスを透過させる多孔質の拡散抵抗層と、通電により発熱する発熱体を設けたヒータ部とを有する素子本体部を備えたガスセンサ素子であって、
少なくとも、上記素子本体部の上記拡散抵抗層における上記被測定ガスを導入するガス導入外表面上には、上記被測定ガス中の被毒成分をトラップするための多孔質保護層と、該多孔質保護層上に形成され、上記固体電解質体が活性となる高温時において撥水性を有し、上記多孔質保護層よりも気孔率が小さい表面保護層とが設けられており、
該表面保護層は、上記多孔質保護層の一部が露出するように形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。 - 請求項1に記載のガスセンサ素子において、上記表面保護層は、上記素子本体部の軸方向において上記ヒータ部の上記発熱体の発熱部が配設される加熱領域の少なくとも一部に形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項2に記載のガスセンサ素子において、上記表面保護層は、上記素子本体部の上記加熱領域全体において、上記素子本体部の全周を覆うように形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項3に記載のガスセンサ素子において、上記表面保護層は、上記素子本体部の上記加熱領域からさらに基端側に少なくとも3mmの位置まで、上記素子本体部の全周を覆うように形成されていることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、上記多孔質保護層は、厚みが10〜600μm、気孔率が50〜90%であり、上記表面保護層は、厚みが20〜150μm、気孔率が10〜50%であることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜5のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、上記表面保護層は、常温において親水性を有することを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜6のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、上記表面保護層は、α−アルミナ、チタニア、ジルコニア、炭化ケイ素、窒化ケイ素、酸化亜鉛の少なくともいずれか1種を主成分とするセラミックからなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜7のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、上記多孔質保護層は、γ−アルミナ、θ−アルミナ、スピネルの少なくともいずれか1種を主成分とするセラミックからなることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜8のいずれか1項に記載のガスセンサ素子において、該ガスセンサ素子は、積層型のガスセンサ素子であり、上記素子本体部の先端部の外周面の少なくとも一部には、先端に向かって断面積が徐々に小さくなるようにテーパ部が設けられていることを特徴とするガスセンサ素子。
- 請求項1〜9のいずれか1項に記載のガスセンサ素子を備えていることを特徴とするガスセンサ。
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