JP2020165770A - ガスセンサのセンサ素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐熱衝撃性を確保しつつ、駆動開始時の水分蒸発が早く、かつ、駆動時の熱応力が好適に緩和された、ガスセンサのセンサ素子を提供する。【解決手段】ガスセンサのセンサ素子が、測定対象ガス成分の検知部を備えたセラミックス構造体である素子基体と、素子基体のうち検知部が備わる側の先端部から所定範囲を囲繞するように設けられた、多孔質層である先端保護層と、を備え、先端保護層が、素子基体の長手方向において素子基体の先端部を囲繞する部分とは反対側の端部において突出してなり、先端保護層の最大厚みをAとし、先端保護層のうち突出していない部分であるベース部における厚みをBとするときに、A/B≧1.1である、ようにした。【選択図】図2

Description

本発明は、ガスセンサのセンサ素子に関し、特にその表面保護層に関する。
従来より、内燃機関からの排ガスなどの被測定ガス中に含まれる所望ガス成分の濃度を知るためのガスセンサとして、ジルコニア(ZrO)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり、表面や内部にいくつかの電極を備えるセンサ素子を有するものが、広く知られている。係るセンサ素子として、長尺板状の素子形状を有し、かつ、被測定ガスを導入する部分が備わる側の端部に、多孔質体からなる保護層(多孔質保護層)が設けられ、さらに該多孔質保護層の外側に、多孔質保護層よりも気孔率が小さい表面保護層が設けられるものが公知である(例えば、特許文献1参照)。
特許第5387555号公報
センサ素子の表面に保護層を設けるのは、ガスセンサの使用時におけるセンサ素子の耐被水性を確保するためである。具体的には、センサ素子の表面に付着した水滴からの熱(冷熱)に起因する熱衝撃がセンサ素子に作用して、センサ素子が割れてしまう、被水割れを防止するためである。
本発明の発明者が鋭意検討したところ、保護層が設けられたセンサ素子において、水滴の付着によって該保護層が熱衝撃を受ける場合、センサ素子のエッジ部分に沿って応力が集中する傾向があり、被水割れまでには至らないとしても、該エッジ部分において保護層が剥離しやすいことがわかった。
このような熱衝撃に対する耐性(耐熱衝撃性)を高める対応として、熱容量が大きい保護層の厚みを増すことが考えられる。係る場合、保護層が水分を多く含んだ状態でもセンサ素子は動作が可能であるが、一方で、含水量の多いセンサ素子ほど、駆動を開始させるべく加熱される際に水分が蒸発するまでに要する時間が長くなり、結果としてガスセンサの始動が遅くなるという問題がある。さらには、駆動開始時の熱応力によってセンサ素子にクラックが生じてしまうという問題もある。
本発明は上記課題に鑑みてなされたものであり、耐熱衝撃性を確保しつつも、駆動開始時の水分蒸発が早く、かつ、駆動開始時の熱応力が好適に緩和された、ガスセンサのセンサ素子を提供することを、目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、ガスセンサのセンサ素子であって、測定対象ガス成分の検知部を備えたセラミックス構造体である素子基体と、前記素子基体のうち前記検知部が備わる側の先端部から所定範囲を囲繞するように設けられた、多孔質層である先端保護層と、を備え、前記先端保護層が、前記素子基体の長手方向において前記素子基体の前記先端部を囲繞する部分とは反対側の端部において突出してなり、前記先端保護層の最大厚みをAとし、前記先端保護層のうち突出していない部分であるベース部における厚みをBとするときに、A/B≧1.1である、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るセンサ素子であって、前記先端保護層が、30%〜90%の気孔率を有する内側先端保護層と、10%〜30%の気孔率を有する外側先端保護層と、を備え、前記内側先端保護層が突出部を有することで前記先端保護層が前記端部において突出してなり、前記内側先端保護層が前記先端保護層の前記端部において外部に露出してなる、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第2の態様に係るセンサ素子であって、前記ベース部の厚みは300μm以上であり、前記ベース部における前記内側先端保護層の厚みは50μm〜1500μmであり、前記ベース部における前記外側先端保護層の厚みは20μm〜300μmである、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第3の態様に係るセンサ素子であって、前記ベース部の厚みが400μm以上である、ことを特徴とする。
本発明の第1ないし第4の態様によれば、ガスセンサの駆動開始時におけるセンサ素子からの水分の蒸発時間が短縮されてなる。また、係る駆動開始時に先端保護層に作用する応力が緩和され、センサ素子にクラックが生じることが好適に抑制される。
センサ素子10の概略的な外観斜視図である。 センサ素子10の長手方向に沿った断面図を含むガスセンサ100の構成の概略図である。 センサ素子10を作製する際の処理の流れを示す図である。
<センサ素子およびガスセンサの概要>
図1は、本発明の実施の形態に係るセンサ素子(ガスセンサ素子)10の概略的な外観斜視図である。また、図2は、センサ素子10の長手方向に沿った断面図を含むガスセンサ100の構成の概略図である。センサ素子10は、被測定ガス中の所定ガス成分を検知しその濃度を測定するガスセンサ100の、主たる構成要素であるセラミックス構造体である。センサ素子10は、いわゆる限界電流型のガスセンサ素子である。センサ素子10は、いわゆる限界電流型のガスセンサ素子である。
ガスセンサ100は、センサ素子10のほか、ポンプセル電源30と、ヒータ電源40と、コントローラ50とを主として備える。
図1に示すように、センサ素子10は概略、長尺板状の素子基体1の一方端部側が、多孔質の先端保護層2にて被覆された構成を有する。
素子基体1は概略、図2に示すように、長尺板状のセラミックス体101を主たる構造体とするとともに、該セラミックス体101の2つの主面上には主面保護層170を備え、さらに、センサ素子10においては、一先端部側の端面(セラミックス体101の先端面101e)および4つの側面の外側に先端保護層2が設けられてなる。なお、以降においては、センサ素子10(もしくは素子基体1、セラミックス体101)の長手方向における両端面を除く4つの側面を単に、センサ素子10(もしくは素子基体1、セラミックス体101)の側面と称する。
セラミックス体101は、酸素イオン伝導性固体電解質であるジルコニア(イットリウム安定化ジルコニア)を主成分とするセラミックスからなる。また、係るセラミックス体101の外部および内部には、センサ素子10の種々の構成要素が設けられてなる。係る構成を有するセラミックス体101は、緻密かつ気密なものである。なお、図2に示すセンサ素子10の構成はあくまで例示であって、センサ素子10の具体的構成はこれに限られるものではない。
図2に示すセンサ素子10は、セラミックス体101の内部に第一の内部空室102と第二の内部空室103と第三の内部空室104とを有する、いわゆる直列三室構造型のガスセンサ素子である。すなわち、センサ素子10においては概略、第一の内部空室102が、セラミックス体101の一方端部E1側において外部に対し開口する(厳密には先端保護層2を介して外部と連通する)ガス導入口105と第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120を通じて連通しており、第二の内部空室103が第三の拡散律速部130を通じて第一の内部空室102と連通しており、第三の内部空室104が第四の拡散律速部140を通じて第二の内部空室103と連通している。なお、ガス導入口105から第三の内部空室104に至るまでの経路を、ガス流通部とも称する。本実施の形態に係るセンサ素子10においては、係る流通部がセラミックス体101の長手方向に沿って一直線状に設けられてなる。
第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140はいずれも、図面視上下2つのスリットとして設けられている。第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140は、通過する被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する。なお、第一の拡散律速部110と第二の拡散律速部120の間には、被測定ガスの脈動を緩衝する効果を有する緩衝空間115が設けられている。
また、セラミックス体101の外面には外部ポンプ電極141が備わり、第一の内部空室102には内部ポンプ電極142が備わっている。さらには、第二の内部空室103には補助ポンプ電極143が備わり、第三の内部空室104には、測定対象ガス成分の直接の検知部である測定電極145が備わっている。加えて、セラミックス体101の他方端部E2側には、外部に連通し基準ガスが導入される基準ガス導入口106が備わっており、該基準ガス導入口106内には、基準電極147が設けられている。
例えば、係るセンサ素子10の測定対象が被測定ガス中のNOxである場合であれば、以下のようなプロセスによって、被測定ガス中のNOxガス濃度が算出される。
まず、第一の内部空室102に導入された被測定ガスは、主ポンプセルP1のポンピング作用(酸素の汲み入れ或いは汲み出し)によって、酸素濃度が略一定に調整されたうえで、第二の内部空室103に導入される。主ポンプセルP1は、外部ポンプ電極141と、内部ポンプ電極142と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101aとによって構成される電気化学的ポンプセルである。第二の内部空室103においては、同じく電気化学的ポンプセルである、補助ポンプセルP2のポンピング作用により、被測定ガス中の酸素が素子外部へと汲み出されて、被測定ガスが十分な低酸素分圧状態とされる。補助ポンプセルP2は、外部ポンプ電極141と、補助ポンプ電極143と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101bとによって構成される。
外部ポンプ電極141、内部ポンプ電極142、および補助ポンプ電極143は、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成されてなる。なお、被測定ガスに接触する内部ポンプ電極142および補助ポンプ電極143は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセルP2によって低酸素分圧状態とされた被測定ガス中のNOxは、第三の内部空室104に導入され、第三の内部空室104に設けられた測定電極145において還元ないし分解される。測定電極145は、第三の内部空室104内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する多孔質サーメット電極である。係る還元ないし分解の際には、測定電極145と基準電極147との間の電位差が、一定に保たれている。そして、上述の還元ないし分解によって生じた酸素イオンが、測定用ポンプセルP3によって素子外部へと汲み出される。測定用ポンプセルP3は、外部ポンプ電極141と、測定電極145と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101cとによって構成される。測定用ポンプセルP3は、測定電極145の周囲の雰囲気中におけるNOxの分解によって生じた酸素を汲み出す電気化学的ポンプセルである。
主ポンプセルP1、補助ポンプセルP2、および測定用ポンプセルP3におけるポンピング(酸素の汲み入れ或いは汲み出し)は、コントローラ50による制御のもと、ポンプセル電源(可変電源)30によって各ポンプセルに備わる電極の間にポンピングに必要な電圧が印加されることにより、実現される。測定用ポンプセルP3の場合であれば、測定電極145と基準電極147との間の電位差が所定の値に保たれるように、外部ポンプ電極141と測定電極145との間に電圧が印加される。ポンプセル電源30は通常、各ポンプセル毎に設けられる。
コントローラ50は、測定用ポンプセルP3により汲み出される酸素の量に応じて測定電極145と外部ポンプ電極141との間を流れるポンプ電流Ip2を検出し、このポンプ電流Ip2の電流値(NOx信号)と、分解されたNOxの濃度との間に線型関係があることに基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を算出する。
なお、好ましくは、ガスセンサ100は、それぞれのポンプ電極と基準電極147との間の電位差を検知する、図示しない複数の電気化学的センサセルを備えており、コントローラ50による各ポンプセルの制御は、それらのセンサセルの検出信号に基づいて行われる。
また、センサ素子10においては、セラミックス体101の内部にヒータ150が埋設されている。ヒータ150は、ガス流通部の図2における図面視下方側において、一方端部E1近傍から少なくとも測定電極145および基準電極147の形成位置までの範囲にわたって設けられる。ヒータ150は、センサ素子10の使用時に、セラミックス体101を構成する固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるべく、センサ素子10を加熱することを主たる目的として、設けられてなる。より詳細には、ヒータ150はその周囲を絶縁層151に囲繞される態様にて設けられてなる。
ヒータ150は、例えば白金などからなる抵抗発熱体である。ヒータ150は、コントローラ50による制御のもと、ヒータ電源40からの給電により発熱する。
本実施の形態に係るセンサ素子10はその使用時、ヒータ150によって、少なくとも第一の内部空室102から第二の内部空室103に至る範囲の温度が500℃以上となるように、加熱される。さらには、ガス導入口105から第三の内部空室104に至るまでのガス流通部全体が500℃以上となるように、加熱される場合もある。これらは、各ポンプセルを構成する固体電解質の酸素イオン伝導性を高め、各ポンプセルの能力が好適に発揮されるようにするためである。係る場合、最も高温となる第一の内部空室102付近の温度は、700℃〜800℃程度となる。使用時(駆動時)のセンサ素子10の温度を素子駆動温度と称する。
以降においては、セラミックス体101の2つの主面のうち、図2において図面視上方側に位置する、主に主ポンプセルP1、補助ポンプセルP2、および測定用ポンプセルP3が備わる側の主面(あるいは当該主面が備わるセンサ素子10の外面)をポンプ面と称し、図2において図面視下方に位置する、ヒータ150が備わる側の主面(あるいは当該主面が備わるセンサ素子10の外面)をヒータ面と称することがある。換言すれば、ポンプ面は、ヒータ150よりもガス導入口105、3つの内部空室、および各ポンプセルに近接する側の主面であり、ヒータ面はガス導入口105、3つの内部空室、および各ポンプセルよりもヒータ150に近接する側の主面である。
セラミックス体101のそれぞれの主面上の他方端部E2側には、センサ素子10と外部との間の電気的接続を図るための複数の電極端子160が形成されてなる。これらの電極端子160は、セラミックス体101の内部に備わる図示しないリード線を通じて、上述した5つの電極と、ヒータ150の両端と、図示しないヒータ抵抗検出用のリード線と、所定の対応関係にて電気的に接続されている。よって、センサ素子10の各ポンプセルに対するポンプセル電源30から電圧の印加や、ヒータ電源40からの給電によるヒータ150の加熱は、電極端子160を通じてなされる。
さらに、センサ素子10においては、セラミックス体101のポンプ面およびヒータ面に、上述した主面保護層170(170a、170b)が備わっている。主面保護層170は、アルミナからなる、厚みが5μm〜30μm程度であり、かつ20%〜40%程度の気孔率にて気孔が存在する層であり、セラミックス体101の主面(ポンプ面およびヒータ面)や、ポンプ面側に備わる外部ポンプ電極141に対する、異物や被毒物質の付着を防ぐ目的で設けられてなる。それゆえ、ポンプ面側の主面保護層170aは、外部ポンプ電極141を保護するポンプ電極保護層としても機能するものである。
なお、本実施の形態において、気孔率は、評価対象物のSEM(走査電子顕微鏡)像に対し公知の画像処理手法(二値化処理など)を適用することで求めるものとする。
図2においては、電極端子160の一部を露出させるほかはポンプ面およびヒータ面の略全面にわたって主面保護層170が設けられてなるが、これはあくまで例示であり、図2に示す場合よりも、主面保護層170は、一方端部E1側の外部ポンプ電極141近傍に偏在させて設けられてもよい。
<先端保護層の詳細>
センサ素子10においては、上述のような構成を有する素子基体1の一方端部E1から所定範囲の最外周部に、先端保護層2が設けられてなる。
先端保護層2を設けるのは、素子基体1のうちガスセンサ100の使用時に高温(最高で700℃〜800℃程度)となる部分を囲繞することによって、当該部分における耐被水性を確保し、当該部分が直接に被水することによる局所的な温度低下に起因した熱衝撃により素子基体1にクラック(被水割れ)が生じることを、抑制するためである。
加えて、先端保護層2は、センサ素子10の内部にMgなどの被毒物質が入り込むことを防ぐ、耐被毒性の確保のためにも、設けられてなる。
図2に示すように、本実施の形態に係るセンサ素子10においては、先端保護層2が、内側先端保護層22、外側先端保護層23の2層で構成される。また、先端保護層2と(内側先端保護層22と)素子基体1の間には、下地層3が設けられる。
下地層3は、その上に形成される内側先端保護層22(さらには外側先端保護層23)との間における接着性(密着性)を確保するべく設けられる層である。下地層3は少なくとも、素子基体1のポンプ面側およびヒータ面側の2つの主面上に設けられてなる。すなわち、下地層3は、ポンプ面側の下地層3aとヒータ面側の下地層3bとを備える。ただし、下地層3は、セラミックス体101の(素子基体1の)先端面101e側には設けられない。
下地層3は、アルミナにて、30%〜60%の気孔率を有しかつ15μm〜50μmの厚みに形成されてなる。なお、下地層3は、後述するように、内側先端保護層22および外側先端保護層23とは異なり、素子基体1の作製の過程で素子基体1ともども形成される。
内側先端保護層22と外側先端保護層23は、素子基体1の一方端部E1側の先端面101eと4つの側面とを覆うように(素子基体1の一方端部E1側の外周に)、内側から順に設けられてなる。内側先端保護層22のうち、先端面101e側の部分を特に先端部221と称し、ポンプ面側とヒータ面側の部分を特に主面部222と称する。同様に、外側先端保護層23のうち、先端面101e側の部分を特に先端部231と称し、ポンプ面側とヒータ面側の部分を特に主面部232と称する。内側先端保護層22の主面部222は、下地層3と隣接している。
内側先端保護層22は、アルミナにて、30%〜90%の気孔率を有するように、設けられてなる。また、外側先端保護層23は、アルミナにて、10%〜30%の気孔率を有するように、設けられてなる。これにより、先端保護層2においては概略、熱伝導率の小さい内側先端保護層22が、該内側先端保護層22よりも気孔率の小さい外側先端保護層23に、被覆された構成となっている。
ただし、内側先端保護層22のうち、先端部221とは反対側の端部近傍は、他の部分より厚みの大きな突出部223となっている。そして、外側先端保護層23も、係る突出部223の形状に倣うように形成されてなる。これにより、先端保護層2は全体として、素子基体1の一方端部E1から所定の距離にある端部において突出した形状(突出部)を有してなる。また、係る端部においては、内側先端保護層22は(その突出部223は)外側先端保護層23によって被覆されず、その端面224が傾斜しつつ外部に露出している。より詳細には、突出部223は、セラミックス体101の内部に備わるガス流通部よりも他方端部E2側に備わる。
なお、図2においては突出部223が断面視三角形状をなしており、突出部223と外側先端保護層23とが一断面をなしているが、これらは必須の態様ではなく、先端保護層2が突出部223を備え、かつその端面224が十分な面積にて外部に露出していれば、他の形態にて設けられていてもよい。
さらに、先端保護層2においては、突出部223近傍において見出されるその最大厚みAが、内部ポンプ電極142の上方における厚みに代表される、ポンプ面側の突出部223以外の部分(ベース部)における厚み(以下、ベース厚み)Bの1.1倍以上とされてなる。つまりは、先端保護層2は、A/B≧1.1をみたすように、設けられてなる。
このような先端保護層2の構成は、先端保護層2が一様な厚みにて(A/B=1.0となるように)構成される場合に比して、ガスセンサ100の始動開始時におけるセンサ素子10からの水分の蒸発時間を短縮させる効果がある。具体的にいえば、センサ素子10においては、最高で700℃〜800℃の高温となるその使用時、先端保護層2の表面(外側先端保護層23の表面)に付着した水滴に由来する水分(水蒸気)が外側先端保護層23を介して先端保護層2の内部つまりは内側先端保護層22に侵入するが、その一部は、使用後にセンサ素子10が冷却されるに伴って凝縮し、再び水滴となって先端保護層2の内部に留まる。このように先端保護層2の内部に留まった水分は、次の使用を開始するべくセンサ素子10がヒータ150によって加熱される際に蒸発し、水蒸気となって外部へと排出されることとなる。
係る場合においては、上述のように、A/B≧1.1をみたすように突出部223が設けられ、かつ、気孔率の大きな内側先端保護層22の端面224が他の部分よりも厚みの大きな突出部223に沿って傾斜させる態様にて外部に露出させられてなることにより、水分は、気孔率の小さい外側先端保護層23を経由するよりもむしろ、気孔率の大きな内側先端保護層22を経由して、端面224から優先的に排出される。その結果、センサ素子10においては、ガスセンサ100の始動開始時におけるセンサ素子10からの水分の蒸発時間が短縮される。
なお、このような蒸発時間短縮の効果は例えば、センサ素子10を加熱した状態において、先端保護層2の表面に所定量の水を吸収させたときの蒸発時間を評価することによって、確認することが可能である。
また、突出部223を設けることは、先端保護層2が一様な厚みにて(A/B=1.0となるように)構成される場合に比して、センサ素子10の駆動開始時(センサ素子10の温度を素子駆動温度とするためのヒータ150による昇温時)に先端保護層2に作用する応力を緩和する効果がある。係る応力の緩和の効果は例えば、係る駆動開始時にクラックが発生する統計的確率の大小により、評価することが可能である。
なお、これらの効果を好適に得るという観点からは、ベース厚みBを与える部分における内側先端保護層22の厚みは50μm〜1500μmであり、当該部分における外側先端保護層23の厚みは20μm〜300μmであり、ベース厚みBは300μm以上であることが好ましい。
ただし、当該効果は、ベース厚みBが300μm程度であれば、A/B=1.0であるセンサ素子10においても得ることが可能であるので、当該効果がより技術的意義を有するのは、ベース厚みBが300μmより十分に大きい場合である。
例えば、ベース厚みBが1200μm以上でありかつA/B=1.0である場合、ガスセンサ100の使用を開始するべくヒータ150によって先端保護層2を含むセンサ素子10の全体を加熱すると、センサ素子10に作用する熱応力が大きくなってしまいセンサ素子10におけるクラックの発生が多発するが、A/B≧1.1とすることで、このようなクラックの発生が好適に抑制される。
内側先端保護層22と外側先端保護層23は、表面に下地層3が形成された素子基体1に対し、それぞれの構成材料を順次に溶射(プラズマ溶射)することで形成される。これは、素子基体1の作製とともにあらかじめ形成されてなる下地層3と内側先端保護層22の間にアンカー効果を発現させ、下地層3に対する(外側に形成される外側先端保護層23も含めた)内側先端保護層22の接着性(密着性)を、確保するためである。これは、換言すれば、下地層3が内側先端保護層22との間における接着性(密着性)を確保する機能を有しているということを意味する。係る態様にて接着性(密着性)が確保されてなることは、水滴の付着による熱衝撃に起因した、素子基体1からの先端保護層2の剥離の抑制に、資するものとなっている。
なお、内側先端保護層22と外側先端保護層23は、下地層3(21a、21b)の全体を被覆するように設けられるのではなく、下地層3のうち、センサ素子10の長手方向において一方端部E1側とは反対側の端部を露出させる態様にて、形成される。これは、下地層3に対する(外側に形成される外側先端保護層23も含めた)内側先端保護層22の接着性(密着性)を、より確実に確保するためである。
以上、説明したように、本実施の形態に係るセンサ素子10においては、耐熱衝撃性を確保する目的で、素子基体1のうちガスセンサ100の使用時に高温となる部分を囲繞するように設けられる先端保護層2を、内側先端保護層22と該内側先端保護層よりも気孔率の小さい外側先端保護層23の2層構成とするとともに、素子基体の一方端部E1側とは反対側の端部に突出部223を設け、かつ、該突出部の端面224を傾斜させつつ露出させてなる。さらには、先端保護層の最大厚みAとベース厚みBとが、A/B≧1.1をみたすように構成されてなる。これらの構成により、センサ素子10においては、ガスセンサ100の駆動開始時における水分の蒸発時間が短縮されてなる。また、係る駆動開始時に先端保護層2に作用する応力が緩和され、センサ素子10にクラックが生じることが好適に抑制される。
<センサ素子の製造プロセス>
次に、上述のような構成および特徴を有するセンサ素子10を製造するプロセスの一例について説明する。図3は、センサ素子10を作製する際の処理の流れを示す図である。
素子基体1の作製に際しては、まず、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性固体電解質をセラミックス成分として含み、かつ、パターンが形成されていないグリーンシートであるブランクシート(図示省略)を、複数枚用意する(ステップS1)。
ブランクシートには、印刷時や積層時の位置決めに用いる複数のシート穴が設けられている。係るシート穴は、パターン形成に先立つブランクシートの段階で、パンチング装置による打ち抜き処理などで、あらかじめ形成されている。なお、セラミックス体101の対応する部分に内部空間が形成されることになるグリーンシートの場合、該内部空間に対応する貫通部も、同様の打ち抜き処理などによってあらかじめ設けられる。また、それぞれのブランクシートの厚みは、全て同じである必要はなく、最終的に形成される素子基体1におけるそれぞれの対応部分に応じて、厚みが違えられていてもよい。
各層に対応したブランクシートが用意できると、それぞれのブランクシートに対してパターン印刷・乾燥処理を行う(ステップS2)。具体的には、各種電極のパターンや、ヒータ150および絶縁層151のパターンや、電極端子160のパターンや、主面保護層170のパターンや、図示を省略している内部配線のパターンなどが、形成される。また、係るパターン印刷のタイミングで、第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140を形成するための昇華性材料(消失材)の塗布あるいは配置も併せてなされる。加えて、積層後に最上層および最下層となるブランクシートに対しては、下地層3(21a、21b)を形成するためのパターンの印刷もなされる(ステップS2a)。
各々のパターンの印刷は、それぞれの形成対象に要求される特性に応じて用意したパターン形成用ペーストを、公知のスクリーン印刷技術を利用してブランクシートに塗布することにより行う。例えば、下地層3の形成に際しては、最終的に得られるセンサ素子10において所望の気孔率および厚みの下地層3を形成可能なアルミナペーストが用いられる。印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
各ブランクシートに対するパターン印刷が終わると、グリーンシート同士を積層・接着するための接着用ペーストの印刷・乾燥処理を行う(ステップS3)。接着用ペーストの印刷には、公知のスクリーン印刷技術を利用可能であり、印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
続いて、接着剤が塗布されたグリーンシートを所定の順序に積み重ねて、所定の温度・圧力条件を与えることで圧着させ、一の積層体とする圧着処理を行う(ステップS4)。具体的には、図示しない所定の積層治具に積層対象となるグリーンシートをシート穴により位置決めしつつ積み重ねて保持し、公知の油圧プレス機などの積層機によって積層治具ごと加熱・加圧することによって行う。加熱・加圧を行う圧力・温度・時間については、用いる積層機にも依存するものであるが、良好な積層が実現できるよう、適宜の条件が定められればよい。なお、係る態様にて得られた積層体に対し下地層3を形成するためのパターンの形成がなされる態様であってもよい。
上述のようにして積層体が得られると、続いて、係る積層体の複数個所を切断して、それぞれが最終的に個々の素子基体1となる単位体に切り出す(ステップS5)。
続いて、得られた単位体を、1300℃〜1500℃程度の焼成温度で焼成する(ステップS6)。これにより、両主面に下地層3を備えた素子基体1が作製される。すなわち、素子基体1は、固体電解質からなるセラミックス体101と、各電極と、主面保護層170とが、下地層3ともども一体焼成されることによって、生成されるものである。なお、係る態様にて一体焼成がなされることで、素子基体1においては、各電極が十分な密着強度を有するものとなっている。
以上の態様にて素子基体1が作製されると、続いて、係る素子基体1に対し、内側先端保護層22と外側先端保護層23の形成が行われる。内側先端保護層22の形成は、あらかじめ用意した内側先端保護層形成用のスラリー(アルミナスラリー)を素子基体1における内側先端保護層22の形成対象位置に対し狙いの形成厚みに応じて溶射(ステップS7)した後、係る態様にて塗布膜が形成された素子基体1を焼成する(ステップS8)ことによって行われる。内側先端保護層形成用のアルミナスラリーには、所定の粒度分布を有するアルミナ粉末と造孔材とが所望する気孔率に応じた割合にて含まれており、溶射後に素子基体1を焼成することによって係る造孔材を熱分解させることで、30%〜90%という高い気孔率の内側先端保護層22が好適に形成されるようになっている。
なお、溶射および焼成には公知の技術を適用可能であり、所望の形態の突出部223の形成についても、溶射に際して素子基体1の姿勢を好適に調整することで、特段の問題なく行い得る。
内側先端保護層22が形成されると、続いて、同じくあらかじめ用意した、所定の粒度分布を有するアルミナ粉末が含まれる外側先端保護層形成用のスラリー(アルミナスラリー)を、素子基体1における外側先端保護層23の形成対象位置に対し狙いの形成厚みに応じて溶射する(ステップS9)ことにより、所望の気孔率の外側先端保護層23を形成する。外側先端保護層形成用のアルミナスラリーには造孔材は含まれない。係る溶射についても、公知の技術を適用可能である。
以上の手順によりセンサ素子10が得られる。得られたセンサ素子10は、所定のハウジングに収容され、ガスセンサ100の本体(図示せず)に組み込まれる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、3つの内部空室を備えたセンサ素子を対象としているが、センサ素子が3室構造であることは必須ではない。すなわち、センサ素子が、内部空室を2つあるいは1つ備える態様であってもよい。
先端保護層2のベース厚み(膜厚)Bが相異なり、かつ、内側先端保護層22に突出部223を設けることによって最大厚み(A)をベース厚み(膜厚)Bよりも大きくした(A/B>1.0である)7通りのセンサ素子10(試料No.1、3、5、7、9、11、13)を作製した。より具体的は、No.13の試料のみA/B<1.1とし、他の試料はA/B>1.1とした。また、突出部223を有さず、先端保護層2の厚みが全体として試料No.1、3、5、7、9、11、13のそれぞれにおけるベース厚みBと同じ値で一様な(つまりは最大厚みA=ベース厚みBである)7通りのセンサ素子10(試料No.2、4、6、8、10、12、14)についても作製した。No.1〜No.14のいずれのセンサ素子10においても、内側層22の端面224は外側先端保護層23によって被覆されず、外部に露出するようにした。
内側層22および外側層23はいずれも、アルミナにて構成した。また、いずれの試料においても、外側層23は少なくとも100μm〜300μmの厚みを有するようにした。
得られたそれぞれのセンサ素子10を対象に、駆動前の段階で先端保護層2に対し同様に10μLの水を滴下して内部に浸透させたうえで駆動を開始(ヒータ150による加熱を開始)したときの、浸透した水の蒸発時間の評価(評価1)を行った。
また、それぞれのセンサ素子10について、駆動時に作用する熱応力の緩和の程度についても評価(評価2)を行った。
表1に、それぞれの試料についての、ベース厚み(膜厚)Bおよび最大厚み(膜厚)Aと、比A/Bと、評価1および評価2の結果とを、一覧にして示す。
なお、評価1については、先端保護層2に水を浸透させたセンサ素子10の駆動を開始してから、ヒータ150における電圧出力Duty比が水を浸透させずに駆動したときの定常制御時の値に到達するまでの時間を、水の蒸発時間とした。蒸発時間が1s未満であれば十分に短いと判断され、該当する試料については表1において「〇」(丸印)を付している。また、蒸発時間が1s以上5s未満の場合も許容範囲と判断されることから、該当する試料については表1において「△」(三角印)を付している。一方、蒸発時間が5s以上であった試料については表1において「×」(バツ印)を付している。
さらに、評価2については、同じ条件で作製した多数個のセンサ素子10のうち、駆動開始後のヒータ150による昇温時にクラックが生じたセンサ素子10の割合(統計的確率)により、先端保護層2の応力緩和の程度を判定している。当該割合が5%未満の場合には効果が大きいと判定し、該当する試料については表1において「〇」(丸印)を付している。また、当該割合が5%以上20%未満の場合には中程度に効果があると判定し、該当する試料については表1において「△」(三角印)を付している。一方、当該割合が20%を超えるの場合には効果がないものと判定し、該当する試料については表1において「×」(バツ印)を付している。
Figure 2020165770
表1に示すように、評価1については、いずれもベース厚みBと最大厚みAの比A/Bが1.0であるNo.8、10、12の試料について、蒸発時間が5s以上と判定されたものの、他の試料については、5s未満に収まっていた。
また、評価2については、比A/Bが1.0でありかつベース厚みBの値が1200μm以上と大きいNo.10およびNo.12の試料を除いて、少なくとも中程度には応力緩和の効果があると判定された。
より詳細には、A/Bの値が1より大きい試料のうち、ベース厚みBが300μm程度であるNo.1およびNo.13の試料については、対応するA/B=1.0の試料(No.2およびNo.14)についても評価1および評価2の双方で「〇」印が付されているのに対し、いずれもベース厚みBが400μm以上と300μmよりも十分に大きくかつA/B≧1.1であるNo.3、No.5、No.7、No.9、およびNo.11の試料については、評価1および評価2の少なくとも一方で、対応するA/B=1.0の試料(No.4、No.6、No.8、No.10、およびNo.12)よりも優れた評価が得られた。
係る結果は、センサ素子10において先端保護層2のベース厚みBを300μmより十分に大きな厚みに設ける場合には、A/B≧1.1をみたすようにすることが、ガスセンサ100の始動開始時における水の蒸発時間の短縮と応力緩和とを実現するうえで効果的であることを、示している。
特に、ベース厚みBの値が1200μmを超えておりA/B=1.0である試料(No.10およびNo.12)の評価結果と、ベース厚みBの値が同じでA/B≧1.1をみたすNo.9およびNo.11の試料の評価結果とを対比すると、後者の方が前者よりも評価1および評価2の双方において優れた結果が得られていることがわかる。このことは、A/B≧1.1をみたすように先端保護層2を設ける態様は、該先端保護層2のベース厚みBが大きい場合により効果を奏する、ということを示唆している。
1 素子基体
2 先端保護層
3(3a、3b) 下地層
10 センサ素子
22 内側先端保護層
23 外側先端保護層
100 ガスセンサ
101 セラミックス体
102 第一の内部空室
103 第二の内部空室
104 第三の内部空室
105 ガス導入口
106 基準ガス導入口
110 第一の拡散律速部
115 緩衝空間
120 第二の拡散律速部
130 第三の拡散律速部
140 第四の拡散律速部
141 外部ポンプ電極
142 内部ポンプ電極
143 補助ポンプ電極
145 測定電極
147 基準電極
150 ヒータ
151 絶縁層
160 電極端子
170(170a、170b) 主面保護層
221 (内側先端保護層の)先端部
222 (内側先端保護層の)主面部
223 (内側先端保護層の)突出部
224 (内側先端保護層の)端面
231 (外側先端保護層の)先端部
232 (外側先端保護層の)主面部
P1 主ポンプセル
P2 補助ポンプセル
P3 測定用ポンプセル

Claims (4)

  1. ガスセンサのセンサ素子であって、
    測定対象ガス成分の検知部を備えたセラミックス構造体である素子基体と、
    前記素子基体のうち前記検知部が備わる側の先端部から所定範囲を囲繞するように設けられた、多孔質層である先端保護層と、
    を備え、
    前記先端保護層が、前記素子基体の長手方向において前記素子基体の前記先端部を囲繞する部分とは反対側の端部において突出してなり、
    前記先端保護層の最大厚みをAとし、前記先端保護層のうち突出していない部分であるベース部における厚みをBとするときに、
    A/B≧1.1である、
    ことを特徴とする、ガスセンサのセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のセンサ素子であって、
    前記先端保護層が、
    30%〜90%の気孔率を有する内側先端保護層と、
    10%〜30%の気孔率を有する外側先端保護層と、
    を備え、
    前記内側先端保護層が突出部を有することで前記先端保護層が前記端部において突出してなり、
    前記内側先端保護層が前記先端保護層の前記端部において外部に露出してなる、
    ことを特徴とする、ガスセンサのセンサ素子。
  3. 請求項2に記載のセンサ素子であって、
    前記ベース部の厚みは300μm以上であり、
    前記ベース部における前記内側先端保護層の厚みは50μm〜1500μmであり、
    前記ベース部における前記外側先端保護層の厚みは20μm〜300μmである、
    ことを特徴とする、ガスセンサのセンサ素子。
  4. 請求項3に記載のセンサ素子であって、
    前記ベース部の厚みが400μm以上である、
    ことを特徴とする、ガスセンサのセンサ素子。
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