JP7402297B2 - センサ素子 - Google Patents

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Description

本発明は、被測定ガス中の所定ガス成分を検知するガスセンサに関し、特に、ガスセンサに備わるセンサ素子において被水割れを防止する構成に関する。
従来より、被測定ガス中の所望ガス成分の濃度を知るためのガスセンサとして、ジルコニア(ZrO)等の酸素イオン伝導性を有する固体電解質からなり、表面や内部にいくつかの電極を備えるセンサ素子を有するものが、広く知られている。このようなセンサ素子においては、水滴が付着することに起因して熱衝撃によりセンサ素子(より詳細には素子基体)が割れる、いわゆる被水割れを防止する目的で、多孔質体からなる保護層(多孔質保護層)が設けられる。この被水割れを防止する効果の程度は、耐被水性とも称される。
このようなセンサ素子として、長尺平板状の素子基体の両主面に保護層を設けたうえで、先端部に対しさらに多孔質保護層を設ける構成が、すでに公知である(例えば、特許文献1参照)。
また、長尺平板状の素子基体の先端部に、素子との間に空間を設ける態様にて多孔質保護層を形成したセンサ素子もすでに公知である(例えば、特許文献2および特許文献3参照)。
特開2016-48230号公報 特開2016-188853号公報 特開2015-87161号公報
特許文献1には、センサ素子先端部の、ガスセンサの使用時に500℃以上の温度状態となる領域には多孔質保護層を形成する一方で、使用時に300℃以下の温度状態となる領域には形成しないようにすることで、多孔質保護層の形成面積の低減による消費電力や検出までの待機時間の低減と、耐被水性の向上によるクラックの抑制とが実現できるとの開示がある。
しかしながら、特許文献1に係るセンサ素子の耐被水性は必ずしも十分なものではなく、被水量が多い場合には被水割れが生じることがある。
また、特許文献2には、素子基体の一方の先端面に対しては密着する一方で、係る先端面と垂直な側面に対しては素子基体との間に空間が設けられる態様にて多孔質保護層を備えるセンサ素子が、開示されてなる。係る構成は、多孔質保護層から素子基体への熱伝導を弱めるという点では効果的である。
しかしながら、特許文献2には、ガスセンサ使用時にセンサ素子において高温になる部分と空間の位置関係に関する概略的な開示はなされているものの、ガスセンサ使用時のセンサ素子の温度分布と多孔質保護層の形状および配置との関係について、詳細な開示はない。それゆえ、特許文献2に開示された構成を採用した場合、耐被水性が十分に確保されない場合がある。また、特許文献2に開示されたセンサ素子においては、緻密な固体電解質層に対し直接に接合される態様にて、多孔質保護層が設けられてなる。特許文献2に開示された構成では、素子基体の側面に対する多孔質保護層の密着性が必ずしも確保されず、多孔質保護層の剥離さらには脱離が生じる可能性もある。このような剥離や脱離の発生も、本来想定されていたセンサ素子の耐被水性を損ねることになるため、好ましくない。
一方、特許文献3に開示されているように、センサ素子の一方端部の角部にのみ空間が形成されるようにする態様は、ガスセンサ使用時に高温になるものの空間が設けられない部分において被水割れが生じることがあり、好ましくない。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、被測定ガスの導入口が備わる一方端部側に多孔質の保護層を有し、従来よりもさらに耐被水性が優れているセンサ素子を提供することを、目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、被測定ガス中の所定ガス成分を検知するガスセンサに備わるセンサ素子であって、酸素イオン伝導性の固体電解質からなり、一方端部にガス導入口を備える長尺板状のセラミックス体と、前記セラミックス体の内部に備わり、前記ガス導入口と所定の拡散抵抗の下で連通する少なくとも2つの内部空室と、前記セラミックス体の外面に形成された外側ポンプ電極と、前記少なくとも2つの内部空室のそれぞれに面して設けられた少なくとも2つの内側ポンプ電極と、前記外側ポンプ電極と前記少なくとも2つの内側ポンプ電極のそれぞれの間に存在する固体電解質からなり、前記少なくとも2つの内部空室と外部との間で酸素の汲み入れおよび汲み出しを行う、少なくとも2つの電気化学的ポンプセルと、前記セラミックス体の前記一方端部側の所定範囲に埋設されてなるヒータと、を有する素子基体と、前記素子基体の前記一方端部側のうち、少なくとも、先端面から前記ガス導入口に近い前記2つの内部空室までを含む第1の範囲を囲繞する、多孔質の第1の先端保護層と、を備え、前記第1の先端保護層と、前記素子基体のうち少なくとも前記ガス導入口に近い2つの内部空室が備わる部分の側面との間に、前記素子基体を囲繞する一の断熱空間が介在してなり、前記第1の先端保護層と前記素子基体の前記先端面とは固着してなる、ことを特徴とする。
本発明の第2の態様は、第1の態様に係るセンサ素子であって、前記第1の先端保護層の厚みが、150μm以上600μm以下である、ことを特徴とする。
本発明の第3の態様は、第1また第2の態様に係るセンサ素子であって、前記一の断熱空間の厚みが、30μm以上150μm以下である、ことを特徴とする。
本発明の第4の態様は、第1ないし第3の態様のいずれかに係るセンサ素子であって、前記素子基体のうち少なくとも前記第1の範囲における側面全体に、前記第1の先端保護層よりも気孔率が大きい多孔質からなる第2の先端保護層、をさらに備え、前記第1の先端保護層の前記一方端部側とは反対側の端部が、前記第1の先端保護層の前記第2の先端保護層に対し固着された固着部である、ことを特徴とする。
本発明の第5の態様は、第4の態様に係るセンサ素子であって、前記固着部が、前記素子基体のうち、あらかじめ特定された被水割れ不発生領域に設けられてなる、ことを特徴とする。
本発明の第6の態様は、第5の態様に係るセンサ素子であって、前記固着部が、前記素子基体のうち、前記ガスセンサの使用時に500℃以下に保たれる第2の範囲に設けられてなる、ことを特徴とする。
本発明の第7の態様は、第4ないし第6の態様のいずれかに係るセンサ素子であって、前記第1の先端保護層の気孔率が15%以上30%以下であり、前記第2の先端保護層の気孔率が30%以上50%以下である、ことを特徴とする。
本発明の第8の態様は、第4ないし第7の態様のいずれかに係るセンサ素子であって、前記第1の先端保護層の前記固着部と前記第2の先端保護層との接触部分の面積が、前記第1の範囲の面積の10%以上50%以下である、ことを特徴とする。
本発明の第9の態様は、第1ないし第8の態様のいずれかに係るセンサ素子であって、前記少なくとも2つの内部空室が3つの内部空室であり、前記少なくとも2つの電気化学的ポンプセルが、前記外側ポンプ電極と、前記3つの内部空室のそれぞれに面して設けられた3つの内側ポンプ電極と、前記外側ポンプ電極と前記3つの内側ポンプ電極のそれぞれの間に存在する固体電解質からなり、前記3つの内部空室と外部との間で酸素の汲み入れおよび汲み出しを行う、3つの電気化学的ポンプセルであり、前記第1の先端保護層が囲繞する前記第1の範囲が、前記素子基体の前記一方端部側のうち、少なくとも、先端面から前記3つの内部空室を含む、ことを特徴とする。
本発明の第1ないし第9の態様によれば、従来よりも耐被水性に優れたセンサ素子が実現される。
かつ、第1ないし第9の態様によれば、第1の先端保護層の剥離さらには脱離が好適に抑制されたセンサ素子が実現される。
第1の実施の形態に係るセンサ素子10の概略的な外観斜視図である。 センサ素子10の長手方向に沿った断面図を含むガスセンサ100の構成の概略図である。 外側先端保護層2と断熱空間4の具体的な配置位置とその意義についてより詳細に説明するための図である。 あるセンサ素子10を、あらかじめ定めた当該センサ素子10の使用時の制御条件に従ってヒータ150により加熱したときの、センサ素子10における温度プロファイルと、センサ素子10の構成との関係を例示する図である。 センサ素子10を作製する際の処理の流れを示す図である。 断熱空間4および外側先端保護層2の形成の具体的な手順について、模式的に示す図である。 第2の実施の形態に係るセンサ素子10の長手方向に沿った断面図である。 外側先端保護層12と断熱空間4の具体的な配置位置とその意義についてより詳細に説明するための図である。 あるセンサ素子20を、あらかじめ定めた当該センサ素子20の使用時の制御条件に従ってヒータ150により加熱したときの、センサ素子20における温度プロファイルと、センサ素子20の構成との関係を例示する図である。
<第1の実施の形態>
<センサ素子およびガスセンサの概要>
図1は、本発明の第1の実施の形態に係るセンサ素子(ガスセンサ素子)10の概略的な外観斜視図である。また、図2は、センサ素子10の長手方向に沿った断面図を含むガスセンサ100の構成の概略図である。センサ素子10は、被測定ガス中の所定ガス成分を検知し、その濃度を測定するガスセンサ100の主たる構成要素である。センサ素子10は、いわゆる限界電流型のガスセンサ素子である。
ガスセンサ100は、センサ素子10のほか、ポンプセル電源30と、ヒータ電源40と、コントローラ50とを主として備える。
図1に示すように、センサ素子10は概略、長尺板状の素子基体1の一方端部側が、多孔質の外側先端保護層(第1の先端保護層)2にて被覆された構成を有する。
素子基体1は概略、図2に示すように、長尺板状のセラミックス体101を主たる構造体とするとともに、該セラミックス体101の2つの主面上には主面保護層170を備え、さらに、一先端部側の4つの側面の外側に(先端面101e以外の外周に)内側先端保護層(第2の先端保護層)180を備える。加えて、センサ素子10においては、この内側先端保護層180のさらに外側に、外側先端保護層2が設けられてなる。ただし、外側先端保護層2は、素子基体1との間に空間(断熱空間)4が介在する態様にて、設けられてなる。なお、以降においては、センサ素子10(もしくは素子基体1、セラミックス体101)の長手方向における両端面を除く4つの側面を単に、センサ素子10(もしくは素子基体1、セラミックス体101)の側面と称する。また、セラミックス体101の先端面101eを素子基体1の先端面101eとも称する。
セラミックス体101は、酸素イオン伝導性固体電解質であるジルコニア(イットリウム安定化ジルコニア)を主成分とするセラミックスからなる。また、係るセラミックス体101の外部および内部には、センサ素子10の種々の構成要素が設けられてなる。係る構成を有するセラミックス体101は、緻密かつ気密なものである。なお、図2に示すセンサ素子10の構成はあくまで例示であって、センサ素子10の具体的構成はこれに限られるものではない。
図2に示すセンサ素子10は、セラミックス体101の内部に第一の内部空室102と第二の内部空室103と第三の内部空室104とを有する、いわゆる直列三室構造型のガスセンサ素子である。すなわち、センサ素子10においては概略、第一の内部空室102が、セラミックス体101の一方端部E1側において外部に対し開口する(厳密には外側先端保護層2を介して外部と連通する)ガス導入口105と第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120を通じて連通しており、第二の内部空室103が第三の拡散律速部130を通じて第一の内部空室102と連通しており、第三の内部空室104が第四の拡散律速部140を通じて第二の内部空室103と連通している。なお、ガス導入口105から第三の内部空室104に至るまでの経路を、ガス流通部とも称する。本実施の形態に係るセンサ素子10においては、係る流通部がセラミックス体101の長手方向に沿って一直線状に設けられてなる。
第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140はいずれも、図面視上下2つのスリットとして設けられている。第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140は、通過する被測定ガスに対して所定の拡散抵抗を付与する。なお、第一の拡散律速部110と第二の拡散律速部120の間には、被測定ガスの脈動を緩衝する効果を有する緩衝空間115が設けられている。
また、セラミックス体101の外面には外部ポンプ電極141が備わり、第一の内部空室102には内部ポンプ電極142が備わっている。さらには、第二の内部空室103には補助ポンプ電極143が備わり、第三の内部空室104には測定電極145が備わっている。加えて、セラミックス体101の他方端部E2側には、外部に連通し基準ガスが導入される基準ガス導入口106が備わっており、該基準ガス導入口106内には、基準電極147が設けられている。
例えば、係るセンサ素子10の測定対象が被測定ガス中のNOxである場合であれば、以下のようなプロセスによって、被測定ガス中のNOxガス濃度が算出される。
まず、第一の内部空室102に導入された被測定ガスは、主ポンプセルP1のポンピング作用(酸素の汲み入れ或いは汲み出し)によって、酸素濃度が略一定に調整されたうえで、第二の内部空室103に導入される。主ポンプセルP1は、外部ポンプ電極141と、内部ポンプ電極142と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101aとによって構成される電気化学的ポンプセルである。第二の内部空室103においては、同じく電気化学的ポンプセルである、補助ポンプセルP2のポンピング作用により、被測定ガス中の酸素が素子外部へと汲み出されて、被測定ガスが十分な低酸素分圧状態とされる。補助ポンプセルP2は、外部ポンプ電極141と、補助ポンプ電極143と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101bとによって構成される。
外部ポンプ電極141、内部ポンプ電極142、および補助ポンプ電極143は、多孔質サーメット電極(例えば、Auを1%含むPtとZrO2とのサーメット電極)として形成されてなる。なお、被測定ガスに接触する内部ポンプ電極142および補助ポンプ電極143は、被測定ガス中のNOx成分に対する還元能力を弱めた、あるいは、還元能力のない材料を用いて形成される。
補助ポンプセルによって低酸素分圧状態とされた被測定ガス中のNOxは、第三の内部空室104に導入され、第三の内部空室104に設けられた測定電極145において還元ないし分解される。測定電極145は、第三の内部空室104内の雰囲気中に存在するNOxを還元するNOx還元触媒としても機能する多孔質サーメット電極である。係る還元ないし分解の際には、測定電極145と基準電極147との間の電位差が、一定に保たれている。そして、上述の還元ないし分解によって生じた酸素イオンが、測定用ポンプセルP3によって素子外部へと汲み出される。測定用ポンプセルP3は、外部ポンプ電極141と、測定電極145と、両電極の間に存在するセラミックス体101の部分であるセラミックス層101cとによって構成される。測定用ポンプセルP3は、測定電極145の周囲の雰囲気中におけるNOxの分解によって生じた酸素を汲み出す電気化学的ポンプセルである。
主ポンプセルP1、補助ポンプセルP2、および測定用ポンプセルP3におけるポンピング(酸素の汲み入れ或いは汲み出し)は、コントローラ50による制御のもと、ポンプセル電源(可変電源)30によって各ポンプセルに備わる電極の間にポンピングに必要な電圧が印加されることにより、実現される。測定用ポンプセルP3の場合であれば、測定電極145と基準電極147との間の電位差が所定の値に保たれるように、外部ポンプ電極141と測定電極145との間に電圧が印加される。ポンプセル電源30は通常、各ポンプセル毎に設けられる。
コントローラ50は、測定用ポンプセルP3により汲み出される酸素の量に応じて測定電極145と外部ポンプ電極141との間を流れるポンプ電流Ip2を検出し、このポンプ電流Ip2の電流値(NOx信号)と、分解されたNOxの濃度との間に線型関係があることに基づいて、被測定ガス中のNOx濃度を算出する。
なお、好ましくは、ガスセンサ100は、それぞれのポンプ電極と基準電極147との間の電位差を検知する、図示しない複数の電気化学的センサセルを備えており、コントローラ50による各ポンプセルの制御は、それらのセンサセルの検出信号に基づいて行われる。
また、センサ素子10においては、セラミックス体101の内部にヒータ150が埋設されている。ヒータ150は、ガス流通部の図2における図面視下方側において、一方端部E1近傍から少なくとも測定電極145および基準電極147の形成位置までの範囲にわたって設けられる。ヒータ150は、センサ素子10の使用時に、セラミックス体101を構成する固体電解質の酸素イオン伝導性を高めるべく、センサ素子10を加熱することを主たる目的として、設けられてなる。より詳細には、ヒータ150はその周囲を絶縁層151に囲繞される態様にて設けられてなる。
ヒータ150は、例えば白金などからなる抵抗発熱体である。ヒータ150は、コントローラ50による制御のもと、ヒータ電源40からの給電により発熱する。
本実施の形態に係るセンサ素子10はその使用時、ヒータ150によって、少なくとも第一の内部空室102から第二の内部空室103に至る範囲の温度が500℃以上となるように、加熱される。さらには、ガス導入口105から第三の内部空室104に至るまでのガス流通部全体が500℃以上となるように、加熱される場合もある。これらは、各ポンプセルを構成する固体電解質の酸素イオン伝導性を高め、各ポンプセルの能力が好適に発揮されるようにするためである。係る場合、最も高温となる第一の内部空室102付近の温度は、700℃~800℃程度となる。
以降においては、セラミックス体101の2つの主面のうち、図2において図面視上方側に位置する、主に主ポンプセルP1、補助ポンプセルP2、および測定用ポンプセルP3が備わる側の主面(あるいは当該主面が備わるセンサ素子10の外面)をポンプ面と称し、図2において図面視下方に位置する、ヒータ150が備わる側の主面(あるいは当該主面が備わるセンサ素子10の外面)をヒータ面と称することがある。換言すれば、ポンプ面は、ヒータ150よりもガス導入口105、3つの内部空室、および各ポンプセルに近接する側の主面であり、ヒータ面はガス導入口105、3つの内部空室、および各ポンプセルよりもヒータ150に近接する側の主面である。
セラミックス体101のそれぞれの主面上の他方端部E2側には、センサ素子10と外部との間の電気的接続を図るための複数の電極端子160が形成されてなる。これらの電極端子160は、セラミックス体101の内部に備わる図示しないリード線を通じて、上述した5つの電極と、ヒータ150の両端と、図示しないヒータ抵抗検出用のリード線と、所定の対応関係にて電気的に接続されている。よって、センサ素子10の各ポンプセルに対するポンプセル電源30から電圧の印加や、ヒータ電源40からの給電によるヒータ150の加熱は、電極端子160を通じてなされる。
さらに、センサ素子10においては、セラミックス体101のポンプ面およびヒータ面に、上述した主面保護層170(170a、170b)が備わっている。主面保護層170は、アルミナからなる、厚みが5μm~30μm程度であり、かつ20%~40%程度の気孔率にて気孔が存在する層であり、セラミックス体101の主面(ポンプ面およびヒータ面)や、ポンプ面側に備わる外部ポンプ電極141に対する、異物や被毒物質の付着を防ぐ目的で設けられてなる。それゆえ、ポンプ面側の主面保護層170aは、外部ポンプ電極141を保護するポンプ電極保護層としても機能するものである。
なお、本実施の形態において、気孔率は、評価対象物のSEM(走査電子顕微鏡)像に対し公知の画像処理手法(二値化処理など)を適用することで求めるものとする。
図2においては、電極端子160の一部を露出させるほかはポンプ面およびヒータ面の略全面にわたって主面保護層170が設けられてなるが、これはあくまで例示であり、図2に示す場合よりも、主面保護層170は、一方端部E1側の外部ポンプ電極141近傍に偏在させて設けられてもよい。ただし、少なくともポンプ面およびヒータ面において内側先端保護層180が形成される範囲には、主面保護層170が備わるようにする。
センサ素子10を構成する素子基体1の一方端部E1側においてはさらに、側面の外側に(ガス導入口105が備わる先端面101e以外の外周に)、上述した内側先端保護層180が設けられてなる。内側先端保護層180は、アルミナにて構成される多孔質層であり、30%~50%という比較的大きな気孔率にて、20μm~50μmの厚みを有するように設けられる。
内側先端保護層180は、外側先端保護層2や主面保護層170ともども、センサ素子10の被毒や被水を防ぐ役割を有する。例えば、内側先端保護層180は、気孔率が大きいことに由来して、外側先端保護層2や主面保護層170に比して高い断熱性を有しており、このことは、センサ素子10の耐被水性の向上に資するものとなっている。
また、内側先端保護層180は、外側先端保護層2を素子基体1に対し形成する際の下地層としての役割も有する。内側先端保護層180は、素子基体1の各側面の、少なくとも外側先端保護層2により囲繞される範囲に形成されればよい。
<外側先端保護層と断熱空間>
センサ素子10においては、上述のような構成を有する素子基体1の一方端部E1側から所定範囲の最外周部に、純度99.0%以上のアルミナからなる多孔質層である外側先端保護層2が設けられてなる。
ただし、外側先端保護層2は、図2からわかるように、素子基体1との間に空間(断熱空間)4を介在させる態様にて、素子基体1の一方端部E1側を囲繞するように設けられてなる。ただし、外側先端保護層2の素子基体1に対する固着(接合)は、先端部から所定距離離隔した位置に設けられた、内側先端保護層180との接触部分においてのみなされる。なお、断熱空間4は、あくまで多孔質層である外側先端保護層2によって外部と隔てられているのみであるので、密閉空間ではない。それゆえ、断熱空間4と外部との間における気体の流出入は絶えず起こっている。当然ながら、ガス導入口105からの素子基体1(セラミックス体101)の内部への被測定ガスの導入は、問題なく行われる。
以降においては、断熱空間4のうち、素子基体1の側面に沿った部分を第1空間4aとし、先端面101eに沿った部分を第2空間4bとする。特に、第1空間4aのうち、ポンプ面に沿った部分をポンプ面側空間4a1とも称し、ヒータ面に沿った部分をヒータ面側空間4a2とも称する。ただし、第1空間4aと第2空間4bはいずれも独立してはおらず、互いに連続している。すなわち、断熱空間4はあくまで、全体として一の空間をなしている。
また、外側先端保護層2のうち、内側先端保護層180との接触部分を固着部201と称し、素子基体1の側面を囲繞し、素子基体1との間に第1空間4aをなす部分を側面部202と称し、素子基体1の先端面101eを囲繞し、素子基体1との間に第2空間4bをなす部分を端面部203と称する。
すなわち、外側先端保護層2は、素子基体1のそれぞれの側面に順次に沿って帯状をなしている固着部201においてのみ、素子基体1に(具体的には内側先端保護層180に)固着されてなる。固着部201と素子基体1(内側先端保護層180)との接触部分の面積は、外側先端保護層2が素子基体1を囲繞する範囲についての総面積の10%以上であることが好ましい。係る場合、素子基体1に対する安定的な固着が実現される。なお、固着部201の面積比(固着面積比)が10%未満の場合は、十分な密着強度が得られないため好ましくない。なお、固着面積比の上限は、所望される条件をみたす断熱空間4の最小形成範囲に応じて定まるが、実用的には、50%もあれば十分である。
外側先端保護層2を設けるのは、素子基体1のうちガスセンサ100の使用時に高温となる部分を囲繞することによって、当該部分における耐被水性を得るためである。外側先端保護層2を設けることで、当該部分が直接に被水することによる局所的な温度低下に起因した熱衝撃により素子基体1にクラック(被水割れ)が生じることが、抑制される。そして、係る外側先端保護層2と素子基体1との間に断熱空間4を介在させるのは、熱容量の大きい空間が介在することにより、たとえ外側先端保護層2が被水して局所的な温度低下が生じたとしても、素子基体1に熱衝撃が作用して被水割れが生じることが、好適に抑制されるからである。
外側先端保護層2は、150μm以上600μm以下の厚みに形成されてなる。なお、以降において、外側先端保護層2の厚みとは、側面部202および端面部203の厚みを指し示すものとする。ただし、側面部202と端面部203の厚みは同じでなくともよい。一方、固着部201の厚みは、センサ素子10の素子厚み方向および素子幅方向において固着部201が側面部202よりも突出しない限りにおいて、側面部202の厚みよりも大きい値であってよい。
外側先端保護層2の厚みを150μm未満とするのは、外側先端保護層2自体の強度が低下するために、熱衝撃に対する耐性が小さくなり耐被水性が低下するほか、振動その他の要因で作用する衝撃に対する耐性も低下するために、好ましくない。一方、外側先端保護層2の厚みを600μm超とするのは、外側先端保護層2の熱容量が大きくなるためにヒータ150による加熱に際して消費電力が増大するという理由や、ガス拡散時間が大きくなってしまいセンサ素子10の応答性が悪くなるという理由から、好ましくない。
また、外側先端保護層2は、断熱空間4の厚み(素子基体1と外側先端保護層2との距離)が30μm以上150μm以下となるように設けられる。
断熱空間4の厚みが30μm未満となる場合、断熱効果が好適に得られず、耐被水性が低下するために好ましくない。一方、断熱空間4の厚みが150μm超となる場合、外側先端保護層2の固着部201に作用する応力が増大し、外側先端保護層2の剥離さらには脱離が生じる可能性が高くなるため好ましくない。
また、外側先端保護層2の気孔率は、内側先端保護層180の気孔率よりも小さいことが好ましい。
内側先端保護層180の気孔率の方が大きい場合、外側先端保護層2の固着部201と下地層たる内側先端保護層180との間に、いわゆるアンカー効果が作用する。係るアンカー効果が作用することにより、センサ素子10においては、その使用時に外側先端保護層2と素子基体1との熱膨張率の差に起因して外側先端保護層2が素子基体1から剥離することが、より好適に抑制される。
ちなみに、主面保護層170も内側先端保護層180と同様にアルミナにて構成されるが、内側先端保護層180に比して気孔率が小さく、また厚みも小さいため、仮に内側先端保護層180を省略して外側先端保護層2を直接に主面保護層170上に設けたとしても、内側先端保護層180のような熱膨張差の緩和効果はあまり期待できない。
なお、断熱空間4に隣接する内側先端保護層180は、上述のように30%~50%という比較的大きな気孔率にて形成されてなるので、断熱空間4には劣るものの、外側先端保護層2や主面保護層170に比して大きな熱容量を有している。係る内側先端保護層180の存在も、断熱空間4とともに、被水割れの抑制に資するものとなっている。
また、外側先端保護層2の気孔率は、15%~30%であることがより好ましい。外側先端保護層2の気孔率を15%未満とするのは、被毒物質による目詰まりが起きるリスクが高くなるほか、センサ素子10の応答性が悪くなるため、好ましくない。一方、気孔率を30%超とするのは、外側先端保護層2の強度が確保されなくなるため好ましくない。
さらに、外側先端保護層2は、断熱空間4の端部側において外側先端保護層2の固着部201と内側先端保護層180とが所定の端部角(鋭角)θをなすように設けられる。好ましくは、端部角θは、5°~15°とされる。係る場合、外側先端保護層2と内側先端保護層180との密着性が、より強固となる。なお、端部角θは各側面において同一であることは必須ではなく、例えばポンプ面側における当該端部角θ1とヒータ面側における当該端部角θ2の値が相異なっていてもよい。
図3は、外側先端保護層2と断熱空間4の具体的な配置位置とその意義についてより詳細に説明するための図である。図3に示すように、素子基体1においては、素子長手方向においてゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCという3つのゾーンが観念される。そして、これらのゾーンに基づき、外側先端保護層2と断熱空間4の配置が定まっている。
ゾーンAは、ガスセンサ100の使用時に、ヒータ150によって500℃以上の温度に加熱される領域である。上述したように、ガスセンサ100の使用時、センサ素子10においては、少なくとも第一の内部空室102から第二の内部空室103に至る範囲が500℃以上となるように、ヒータ150による加熱がなされる。それゆえ、当該範囲は必ず、ゾーンAに属することになる。なお、図3においては、ゾーンAが、素子基体1の素子長手方向においてガス導入口105から第三の内部空室104に至るガス流通部を含む部分と略一致してなる場合を例示している。
一方、ゾーンBは、外側先端保護層2の内側先端保護層180に対する固着部201の一方端部E1側の端部位置を始点位置とし、素子基体1の他方端部E2を終点位置とする領域である。ゾーンBは、センサ素子10がヒータ150によって加熱される、ガスセンサ100の使用時であっても、500℃以下に保たれる。より具体的には、ゾーンBにおいては、素子基体1の一方端部E1から離れるほど温度が低くなっており、500℃となるのは、ゾーンCまたはゾーンAとの境界近傍に限られる。
また、ゾーンCは、素子基体1の素子長手方向においてゾーンAとゾーンBの間の領域である。ただし、ゾーンCは必須ではなく、ゾーンAとゾーンBとが隣接していてもよい。
本実施の形態に係るガスセンサ100のセンサ素子10においては、外側先端保護層2の内側先端保護層180に対する固着部201がゾーンBに含まれることにより、先端部分を含め、少なくとも素子基体1のうちゾーンAに属する部分の周囲には必ず、断熱空間4(第1空間4aおよび第2空間4b)が介在してなる。
換言すると、素子基体1のうちガスセンサ100の使用時に500℃以上の高温に加熱される部分は、外側先端保護層2とは非接触とされており、当該部分の周囲には必ず、断熱空間4が設けられてなる。なお、ガスセンサ100の使用時には、外側先端保護層2のうち側面部202および端面部203についても、500℃以上の高温となる。
以上のような態様にて外側先端保護層2および断熱空間4が設けられてなるセンサ素子10を備えたガスセンサ100が、実際に使用される場合、センサ素子10は、ゾーンAの温度は500℃以上となる一方で、ゾーンBは500℃以下となる温度プロファイルが実現されるように、ヒータ150によって加熱される。
係る加熱状況において、ゾーンAに属する外側先端保護層2の側面部202または端面部203に、被測定ガスに含まれる水蒸気が水滴として付着すると、すなわち、センサ素子10において500℃以上の高温に加熱された部分が被水すると、該付着部分(被水部分)において局所的かつ急激な温度低下が生じる。しかしながら、外側先端保護層2の側面部202および端面部203と素子基体1は非接触であり、両者の間には熱容量が大きい断熱空間4(第1空間4aおよび第2空間4b)が介在することから、素子基体1においては、係る被水部分の温度低下に起因した熱衝撃は生じない。これはすなわち、本実施の形態に係るガスセンサ100のように、使用時に500℃以上となる部分に多孔質の外側先端保護層2を設け、さらに該外側先端保護層2と素子基体1との間に断熱空間4を介在させる構成を採用することで、センサ素子10における被水割れの発生が好適に防止されることを、意味している。
なお、温度が500℃以下である部分に水滴が付着しても、急激な温度低下は生じにくく、それゆえ被水割れを引き起こすような熱衝撃も生じにくいことが、あらかじめ確認されている。
図4は、あるセンサ素子10を、あらかじめ定めた当該センサ素子10の使用時の制御条件に従ってヒータ150により加熱したときの、センサ素子10における温度プロファイルと、センサ素子10の構成との関係を例示する図である。図4に示す温度プロファイルは、センサ素子10のポンプ面側における表面温度を素子長手方向に沿って測定し、一方端部E1側の先端面101eの位置を原点としてプロットしたものである。表面温度の測定には、サーモグラフィを用いた。
図4に示す例においては、素子先端(一方端部E1)から距離L1の範囲がゾーンAとなっており、素子先端から距離L2以上離れた範囲がゾーンBとなっている。
なお、ヒータ150の制御条件を違えれば、センサ素子10の温度プロファイル異なるものとなる。しかしながら、センサ素子10の特性は加熱状態に依存することから、ヒータ150による加熱は通常、製造時にあらかじめ固定的に(通常はさらに、素子の特性が最大限に発揮されるように)定められた一の制御条件に基づいて、常に同じ温度プロファイルが得られるようになされる。それゆえ、センサ素子10は、同じ温度プロファイルが得られるように加熱される。従って、素子基体1において500℃以上に加熱される部分は常に同じであり、ゾーンA、ゾーンB、さらにはゾーンCの範囲は、個々のセンサ素子10において固定的なものと考えてよい。
それゆえ、センサ素子10の作製時に、各ゾーンを特定し、その範囲に応じて断熱空間4が形成されるよう、外側先端保護層2を設けさえすれば、その後の使用時においては常に、ヒータ150によって500℃以上の温度に加熱される領域(つまりはゾーンA)の周囲には断熱空間4が存在することになる。
さらに、工業的に量産されるセンサ素子10など、同一の条件で作製される多数のセンサ素子10についていえば、ヒータ150による加熱を同一の制御条件にて行った場合、正常に作製されている限りは、それぞれのセンサ素子10から得られる温度プロファイルは略同一となる。それゆえ、個々のセンサ素子10全てについて実際に温度プロファイルを特定せずとも、サンプルとして抽出したセンサ素子10について温度プロファイルを特定し、係る温度プロファイルに基づいてゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCとなる範囲を画定しさえすれば、それらの結果に基づいて、同一の条件で作製された全てのセンサ素子10についての外側先端保護層2の形成条件を定めることが、可能となる。すなわち、個々のセンサ素子10全てについて実際に温度プロファイルを求め、その結果に基づいてゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCとなる範囲を画定する必要はない。
換言すれば、上記のように同一の条件で作製されるセンサ素子10については、素子基体1のうち、使用時に水滴の付着に起因した熱衝撃を受けると被水割れが生じ得る可能性がある領域であって、それゆえに係る被水割れに対して対処を要する領域(被水割れ要対処領域)が、あらかじめヒータ150の制御条件の設定に伴い特定されているといえる。図3および図4の場合はゾーンAがこれに該当する。そして、係る被水割れ要対処領域と外側先端保護層2との間に断熱空間4が介在するように、外側先端保護層2が素子基体1の一方端部E1側の所定範囲を囲繞しているといえる。また、その際の素子基体1に対する(内側先端保護層180に対する)外側先端保護層2の固着は、使用時に被水割れが生じない領域としてあらかじめ特定されている領域(被水割れ不発生領域)に対してなされている、ということもいえる。図3および図4の場合はゾーンBがこれに該当する。
以上、説明したように、本実施の形態によれば、ガスセンサを構成するセンサ素子の素子基体のうち、少なくとも、あらかじめ特定された、第一の内部空室から第二の内部空室に至る範囲を含む被水割れ要対処領域の周囲に、素子基体との間に断熱空間を介在させる態様にて、多孔質層である外側先端保護層を設けるようにすることで、従来よりも耐被水性に優れたセンサ素子を実現することができる。しかも、素子基体の外周に外側先端保護層よりも気孔率が大きい内側先端保護層を設け、係る内側先端保護層のうち、あらかじめ特定されている被水割れ不発生領域にて外側先端保護層を固着させるようにすることで、外側先端保護層の剥離さらには脱離を好適に抑制することができる。
<センサ素子の製造プロセス>
次に、上述のような構成および特徴を有するセンサ素子10を製造するプロセスの一例について説明する。図5は、センサ素子10を作製する際の処理の流れを示す図である。図5に示すように、本実施の形態においては概略、公知のグリーンシートプロセスを利用することにより、セラミックス体101を複数の固体電解質層の積層体として含む素子基体1を作製(ステップSa)したうえで、係る素子基体1に対し、外側先端保護層2を付設することにより断熱空間4を形成する(ステップSb)という手順により、センサ素子10を作製するものとする。それゆえ、ゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCとなる範囲については既知であるとする。
素子基体1の作製に際しては、まず、ジルコニアなどの酸素イオン伝導性固体電解質をセラミックス成分として含み、かつ、パターンが形成されていないグリーンシートであるブランクシート(図示省略)を、複数枚用意する(ステップS1)。
ブランクシートには、印刷時や積層時の位置決めに用いる複数のシート穴が設けられている。係るシート穴は、パターン形成に先立つブランクシートの段階で、パンチング装置による打ち抜き処理などで、あらかじめ形成されている。なお、セラミックス体101の対応する部分に内部空間が形成されることになるグリーンシートの場合、該内部空間に対応する貫通部も、同様の打ち抜き処理などによってあらかじめ設けられる。また、それぞれのブランクシートの厚みは、全て同じである必要はなく、最終的に形成される素子基体1におけるそれぞれの対応部分に応じて、厚みが違えられていてもよい。
各層に対応したブランクシートが用意できると、それぞれのブランクシートに対してパターン印刷・乾燥処理を行う(ステップS2)。具体的には、各種電極のパターンや、ヒータ150および絶縁層151のパターンや、電極端子160のパターンや、主面保護層170のパターンや、図示を省略している内部配線のパターンなどが、形成される。また、係るパターン印刷のタイミングで、第一の拡散律速部110、第二の拡散律速部120、第三の拡散律速部130、および第四の拡散律速部140を形成するための昇華性材料の塗布あるいは配置も併せてなされる。
各々のパターンの印刷は、それぞれの形成対象に要求される特性に応じて用意したパターン形成用ペーストを、公知のスクリーン印刷技術を利用してブランクシートに塗布することにより行う。印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
各ブランクシートに対するパターン印刷が終わると、グリーンシート同士を積層・接着するための接着用ペーストの印刷・乾燥処理を行う(ステップS3)。接着用ペーストの印刷には、公知のスクリーン印刷技術を利用可能であり、印刷後の乾燥処理についても、公知の乾燥手段を利用可能である。
続いて、接着剤が塗布されたグリーンシートを所定の順序に積み重ねて、所定の温度・圧力条件を与えることで圧着させ、一の積層体とする圧着処理を行う(ステップS4)。具体的には、図示しない所定の積層治具に積層対象となるグリーンシートをシート穴により位置決めしつつ積み重ねて保持し、公知の油圧プレス機などの積層機によって積層治具ごと加熱・加圧することによって行う。加熱・加圧を行う圧力・温度・時間については、用いる積層機にも依存するものであるが、良好な積層が実現できるよう、適宜の条件が定められればよい。
上述のようにして積層体が得られると、続いて、係る積層体の複数個所を切断して、それぞれが最終的に個々の素子基体1となる単位体(素子体と称する)に切り出す(ステップS5)。
次に、切り出された個々の素子体に対し、完成した素子基体1において内側先端保護層180となるパターンの形成(塗布および乾燥)を行う(ステップS6)。係るパターンの形成は、最終的に所望される内側先端保護層180が形成されるよう、あらかじめ調製されたペーストを用いて行う。
続いて、内側先端保護層180となるパターンが形成された素子体を、1300℃~1500℃程度の焼成温度で焼成する(ステップS7)。これにより、素子基体1が作製される。すなわち、素子基体1は、固体電解質からなるセラミックス体101と、各電極と、主面保護層170と、内側先端保護層180とが、一体焼成されることによって生成されるものである。なお、係る態様にて一体焼成がなされることで、素子基体1においては、各電極が十分な密着強度を有するものとなっている。
以上の態様にて素子基体1が作製されると、続いて、係る素子基体1に対し、断熱空間4の形成を伴う外側先端保護層2の形成が行われる。本実施の形態においては、焼成(燃焼)により消失する昇華性の消失材を利用することにより、断熱空間4を形成する。図6は、係る断熱空間4および外側先端保護層2の形成の具体的な手順について、模式的に示す図である。図6は、素子基体1のある面に対する形成を例示している。
まず、焼成(燃焼)により消失する昇華性の消失材のパターンが、最終的に形成したい断熱空間4の範囲および形状に応じて形成される(ステップS11)。
具体的には、図6(a)に示すように、素子基体1の一方端部E1側のそれぞれの面に対応させて、ゾーンAおよびゾーンCとして画定される範囲を印刷範囲とする印刷版301が用意され、矢印AR1に示すように、内側先端保護層180上に配置される。
図6(b)に示すように、係る印刷版301は、断熱空間4の形状に応じた開口を有するスクリーンメッシュ部301aと、該スクリーンメッシュ部301aを張設保持しつつ内側先端保護層180上に配置される支持部301bとを有する。より詳細には、支持部301bは、内側先端保護層180上に配置された場合、断熱空間4が形成された以降はその端部となる位置において、内側先端保護層180との間に所定の角αにて隙間301cが生じるように、形成されてなる。なお、端部角θを5°~15°とする場合には、角αは3°~13°であればよい。
係る状態にて印刷版301が載置されると、図6(c)に示すように、あらかじめ調製された消失材ペースト5をスクリーンメッシュ部301a上に配置した状態でスキージ302を矢印AR2にて示すように移動させることによって、消失材パターン5aを順次に形成していく。最終的には、図6(d)に示すように、隙間301cにまで延在する態様にて、消失材パターン5aが形成される。なお、隙間301cが完全に消失材パターン5aによって埋設されることは必須ではなく、最終的に得られる断熱空間4における端部角θが所望の値になるのであれば、図6(d)に示すように、隙間301cが残る態様であってもよい。
消失材パターン5aが形成されると、印刷版301が取り除かれて、消失材パターン5aが適宜に乾燥されられる。素子基体1の全ての側面および先端面101eに対し消失材パターン5aの形成およびその後の乾燥がなされた後、外側先端保護層2の形成材料を含むスラリーが、消失材パターン5aが形成された素子基体1の、外側先端保護層2の形成対象位置に溶射される(ステップS12)。係る溶射後の様子を示すのが図6(e)である。すなわち、係る溶射により、消失材パターン5aを被覆する態様にて、外側先端保護層2の形成材料を含む溶射膜2aが形成される。
続いて、これら消失材パターン5aと溶射膜2aとが形成された素子基体1を、300℃~600℃程度の焼成温度で焼成する(ステップS13)。これにより、消失材パターン5aは昇華して消失し、図6(f)に示すように、その形成位置に断熱空間4が形成されるとともに、溶射膜2aから有機成分が揮発することで、外側先端保護層2が形成される。これにより、センサ素子10が得られる。
このようにして得られたセンサ素子10は、所定のハウジングに収容され、ガスセンサ100の本体(図示せず)に組み込まれる。
<第2の実施の形態>
外側先端保護層と素子基体との間に断熱空間を介在させることで被耐水性を確保しつつ、外側先端保護層の剥離および脱離を抑制するセンサ素子の構成は、第1の実施の形態に示すものに限られない。本実施の形態においては、第1の実施の形態に係るセンサ素子10よりも低温側にシフトした温度プロファイルに従って加熱されるセンサ素子20の構成について説明する。
図7は、本発明の第2の実施の形態に係るセンサ素子10の長手方向に沿った断面図である。センサ素子20の構成要素は、一部を除き第1の実施の形態に係るセンサ素子10の構成要素と共通している。それゆえ、係る共通の構成要素については、第1の実施の形態と同一の符号を付すとともに、以下において詳細な説明は省略する。
また、図7においては図示を省略しているが、センサ素子20も、第1の実施の形態に係るセンサ素子10と同様に、ガスセンサ100の主たる構成要素として、コントローラ50によるポンプセル電源30およびヒータ電源40の制御を通じた各ポンプセルおよびヒータ150の動作制御のもと、使用される。従って、ガスセンサ100の測定対象が被測定ガス中のNOxである場合であれば、コントローラ50によるポンプセル電源30およびヒータ電源40の制御を介してセンサ素子20の各ポンプセルおよびヒータ150の動作が制御され、係る制御のもとで測定用ポンプセルP3を流れるポンプ電流Ip2の電流値(NOx信号)と、分解されたNOxの濃度との間に線型関係があることに基づき、コントローラ50において被測定ガス中のNOx濃度が算出される。
図7に示すように、センサ素子20は、センサ素子10に備わる外側先端保護層2に代えて、該外側先端保護層2とは素子基体1に対する固着の仕方が異なる外側先端保護層(第1の先端保護層)12を有してなる。具体的には、センサ素子20の外側先端保護層12は、素子基体1の側面との間に断熱空間4を介在させる態様にて設けられる点ではセンサ素子10の外側先端保護層2と共通するが、素子基体1の一方端部E1側において端面部204が素子基体1の先端面101eに固着した構成を有している点で、端面部203が素子基体と離隔している外側先端保護層2とは相違する。それゆえ、センサ素子20内に存在する断熱空間4は外側先端保護層12と素子基体1の側面との間に介在する第1空間4aのみであり、センサ素子10に介在していた第2空間4bは存在しない。なお、外側先端保護層12はあくまで多孔質層であるので、ガス導入口105からの素子基体1(セラミックス体101)の内部への被測定ガスの導入は、問題なく行われる。
すなわち、本実施の形態に係るセンサ素子20に備わる外側先端保護層12は、素子基体1のそれぞれの側面に順次に沿って帯状をなしている固着部201と、端面部204とにおいて、素子基体1に固着されてなる。
外側先端保護層12も、センサ素子10の外側先端保護層2と同様、固着部201と素子基体1(内側先端保護層180)との接触部分の面積は、外側先端保護層2が素子基体1を囲繞する範囲についての総面積の10%以上であることが好ましい。端面部204における固着はあることから、外側先端保護層12の全体が脱離することは外側先端保護層2に比して生じ難いが、固着面積比が10%未満の場合は、外側先端保護層2と同様、固着部201の密着強度が確保されないため、好ましくない。一方で、固着面積比の上限は、所望される条件をみたす断熱空間4の最小形成範囲に応じて定まるが、実用的には、センサ素子10の場合よりも小さい値であってよく、例えば8%もあれば十分である。
さらには、端部角θについても、固着部201の密着強度の確保という点からは、センサ素子10と同程度であることが好ましい。すなわち、端部角θは、5°~15°とされるのが好ましい。
以上のような構成を有するセンサ素子20の作製は、最終的に形成する断熱空間4および外側先端保護層12の形状の相違に起因して、消失材パターン5aが素子基体1の先端面101eに対し形成されず、溶射膜2aが当該先端面101eに接触する態様にて形成されるほかは、図5および図6に基づき説明した、第1の実施の形態に係るセンサ素子10の作製と同様に行える。
第2空間4bの介在の有無というセンサ素子10とセンサ素子20の相違は、ガスセンサ100が使用される際の両者の温度プロファイルの相違に対応している。上述したように、本実施の形態に係るセンサ素子20は、第1の実施の形態に係るセンサ素子10よりも、低温側にシフトした温度プロファイルにて使用されることが想定されたものである。この点について、図8に基づき説明する。図8は、図3と同様、外側先端保護層12と断熱空間4の具体的な配置位置とその意義についてより詳細に説明するための図である。
センサ素子20の場合も、センサ素子10と同様に、素子基体1を区分するゾーンに基づき、外側先端保護層12と断熱空間4の配置が定まっている。図8に示すように、センサ素子20も、センサ素子10と同様、ゾーンA、ゾーンB、およびゾーンCを有する。これらのゾーンの定義は、センサ素子10の場合と同じである。すなわち、ゾーンAは、少なくとも第一の内部空室102から第二の内部空室103に至る範囲を含む、ガスセンサ100の使用時に、ヒータ150によって500℃以上の温度に加熱される領域である。また、ゾーンBは、外側先端保護層12の内側先端保護層180に対する固着部201の一方端部E1側の端部位置を始点位置とし、素子基体1の他方端部E2を終点位置とする領域であって、ガスセンサ100の使用時であっても、500℃以下に保たれる領域である。また、ゾーンCは、素子基体1の素子長手方向においてゾーンAとゾーンBの間の領域である。
ただし、図3に示したセンサ素子10においてはゾーンAが第一のガス導入口105にまで達していたのに対し、図8に示したセンサ素子20においては、ガス導入口105から所定範囲が、ゾーンAとは別のゾーンDとして区分されている。
ゾーンDは、センサ素子20の一方端部E1側において、ガスセンサ100の使用時であっても500℃以下に保たれる領域である。換言すると、センサ素子20を備えるガスセンサ100が使用される際、センサ素子20は、ゾーンA~ゾーンCに加え係るゾーンDが形成される温度プロファイルが実現されるように、その内部に備わるヒータ150によって加熱される。
係るセンサ素子20の場合も、センサ素子10と同様、少なくとも素子基体1のうちゾーンAに属する部分の周囲には必ず、断熱空間4(第1空間4a)が介在してなる。それゆえ、ガスセンサ100の使用時にゾーンAに属する500℃以上の高温に加熱された部分が被水すると、該被水部分において局所的かつ急激な温度低下が生じるものの、外側先端保護層12の側面部202と素子基体1は非接触であり、両者の間には熱容量が大きい断熱空間4(第1空間4a)が介在することから、素子基体1においては、係る被水部分の温度低下に起因した熱衝撃は生じない。
また、ガスセンサ100の使用時に、温度が500℃以下である部分に水滴が付着しても、急激な温度低下は生じにくく、それゆえ被水割れを引き起こすような熱衝撃も生じにくい点も、センサ素子10の場合と同様である。センサ素子20の場合は、そのような使用時に温度が500℃以下である部分が、他方端部E2側のゾーンBのみならず一方端部E1側のゾーンDにおいても存在しているということになる。
外側先端保護層12の好適な厚みや気孔率の範囲は、センサ素子10の外側先端保護層2と同様である。また、断熱空間4の厚みについても、センサ素子10と同様である。
図9は、あるセンサ素子20を、あらかじめ定めた当該センサ素子20の使用時の制御条件に従ってヒータ150により加熱したときの、センサ素子20における温度プロファイルと、センサ素子20の構成との関係を例示する図である。図9に示す温度プロファイルは、センサ素子20のポンプ面側における表面温度を素子長手方向に沿って測定し、一方端部E1側の先端面101eの位置を原点としてプロットしたものである。表面温度の測定には、サーモグラフィを用いた。
図9に示す例においては、図4の場合と異なり、素子先端(一方端部E1)から距離L3までの範囲がゾーンDとなっており、係る範囲に隣接する、距離L3の位置から距離L1の位置に至るまでの範囲がゾーンAとなっている。素子先端から距離L2以上離れた範囲がゾーンBとなっている。
センサ素子20の場合も、その作製時に、各ゾーンを特定し、その範囲に応じて断熱空間4が形成されるよう、外側先端保護層12を設けさえすれば、その後の使用時においては常に、ヒータ150によって500℃以上の温度に加熱される領域(つまりはゾーンA)の周囲には断熱空間4が存在することになる。
さらに、センサ素子10の場合と同様、工業的に量産されるセンサ素子20など、同一の条件で作製される多数のセンサ素子20についていえば、個々のセンサ素子20全てについて実際に温度プロファイルを特定せずとも、サンプルとして抽出したセンサ素子10について温度プロファイルを特定し、係る温度プロファイルに基づいてゾーンA、ゾーンB、ゾーンC、およびゾーンDとなる範囲を画定しさえすれば、それらの結果に基づいて、同一の条件で作製された全てのセンサ素子20についての外側先端保護層2の形成条件を定めることが、可能となる。すなわち、個々のセンサ素子20全てについて実際に温度プロファイルを求め、その結果に基づいてゾーンA、ゾーンB、ゾーンC、およびゾーンDとなる範囲を画定する必要はない。
換言すれば、上記のように同一の条件で作製されるセンサ素子20についても、センサ素子10の場合と同様、素子基体1においては被水割れ要対処領域が、あらかじめヒータ150の制御条件の設定に伴い特定されているといえる。図8および図9の場合はゾーンAがこれに該当する。ただし、センサ素子20では被水割れ要対処領域が素子基体1の側面の一部のみとなっている点で、センサ素子10とは相違する。そして、係る被水割れ要対処領域と外側先端保護層12との間に断熱空間4が介在するように、外側先端保護層12が素子基体1の一方端部E1側の所定範囲を囲繞しているといえる。また、その際の素子基体1に対する(内側先端保護層180に対する)外側先端保護層12の固着も、センサ素子10と同様、素子基体1の側面被水割れ不発生領域に対してなされている。図8および図9の場合はゾーンBがこれに該当する。ただし、センサ素子20ではさらに、外側先端保護層12は素子基体1の先端面101eに対しても固着しているという点で、センサ素子10とは相違する。
なお、図9のセンサ素子20のように一方端部E1側の温度が500℃以下となる場合においても、第1の実施の形態に係るセンサ素子10と同様に、素子基体1との間に第2空間4bを介在させる外側先端保護層2が備わる態様であってもよい。ゾーンAの周囲に断熱空間4が存在することに変わりはないからである。
以上、説明したように、本実施の形態においても、第1の実施の形態と同様に、ガスセンサを構成するセンサ素子の素子基体のうち、少なくとも、あらかじめ特定された、第一の内部空室から第二の内部空室に至る範囲を含む被水割れ要対処領域の周囲に、素子基体との間に断熱空間を介在させる態様にて、多孔質層である外側先端保護層を設けているので、耐被水性に優れたセンサ素子が実現される。
しかも、素子基体の外周に外側先端保護層よりも気孔率が大きい内側先端保護層を設け、係る内側先端保護層のうち、あらかじめ特定されている被水割れ不発生領域にて外側先端保護層を固着させることに加えて、素子先端部においても外側先端保護層を素子基体に固着させているので、第1の実施の形態よりもさらに確実に、外側先端保護層の剥離さらには脱離を好適に抑制することができる。
<変形例>
上述の実施の形態においては、3つの内部空室を備えたセンサ素子を対象としているが、3室構造であることは必須ではない。すなわち、素子基体のうち、少なくともガス流通部が備わる端部側の最外面を気孔率の大きな内側先端保護層とし、さらにその外側に、素子基体のうち少なくとも使用時に500℃以上となる部分との間に(断熱)空間を介在させる態様にて、内側先端保護層よりも気孔率の小さい多孔質層である外側先端保護層を設ける構成は、内部空室が2つあるいは1つのセンサ素子にも適用可能である。
また、上述の実施の形態においては、図2または図7に示したセンサ素子の構造を前提に、使用時に500℃以上に加熱される領域を被水割れ要対処領域と設定しているが、センサ素子の構造によっては、被水割れ要対処領域の対象となる領域の加熱温度は異なっていてもよい。
(試験1)
第1の実施の形態に係るセンサ素子10として、断熱空間4の第1空間4aの厚みと、外側先端保護層2の厚み(側面部202および端面部203の厚み)との組み合わせを違えた6種類のセンサ素子10(実施例1~実施例6)を作製し、その耐被水性について試験した。
また、比較例として、断熱空間4を介在させることなく、全体を素子基体1に密着させる態様にて外側先端保護層2を形成したセンサ素子(比較例1)と、外側先端保護層2を設けず素子基体1を露出させたままのセンサ素子(比較例2)を作製し、それらについても同様の試験を行った。
表1に、各センサ素子についての、第1空間4aの有無、第1空間4aの厚み、外側先端保護層2の厚み、および、耐被水性試験における判定結果を、一覧にして示す。なお、素子基体1の作製条件は、全てのセンサ素子について同じとした。また、実施例1~実施例6に係るセンサ素子については、固着面積比を30%とし、端部角θを10°とし、第2空間4bの厚みも第1空間と同じとした。
Figure 0007402297000001
耐被水性試験は以下の要領にて行った。まず、ヒータ150に通電して、センサ素子10を、ゾーンAにおける最高温度が800℃となり、かつ、ゾーンBが500℃以下となる温度プロファイルが得られるように加熱した。なお、係る温度プロファイルは、素子長手方向においてガス導入口105から第三の内部空室104に至るまでの範囲がゾーンAに属するものであった。
係る加熱状態を維持しつつ、大気雰囲気中で、センサ素子の各ポンプセルさらにはセンサセル作動させて、第一の内部空室102内の酸素濃度を所定の一定値に保つように制御し、主ポンプセルP1におけるポンプ電流Ip0が安定する状況を得た。
そして、係る状況のもと、ゾーンAに属する外側先端保護層2の側面部202に対し(比較例2においては素子基体1の対応部分に対し)所定量の水滴を滴下し、係る滴下の前後におけるポンプ電流Ip0の変化が所定の閾値を超えるか否かを確認した。ポンプ電流Ip0の変化が閾値を超えなかった場合、滴下量を増やして係る確認を繰り返した。最終的にポンプ電流Ip0の変化が閾値を超えたときの滴下量を、クラック発生滴下量と定義し、係るクラック発生滴下量の値の大小に基づいて、耐被水性の良否を判定した。係る態様での判定を、判定1と称する。ただし、滴下量の最大値は25μLとした。
なお、この試験では、ポンプ電流Ip0の変化を、素子基体1におけるクラックの発生の有無の判断基準として用いている。これは、外側先端保護層2への水滴の滴下(付着)に起因する熱衝撃によって素子基体1にクラックが生じると、酸素が該クラック部分を通過して第一の内部空室102内に流入することにより、ポンプ電流Ip0の値が大きくなる、という因果関係があることを利用している。
具体的には、クラック発生滴下量が20μL以上であった場合、センサ素子は、優れた耐被水性を有していると判定した。クラック発生滴下量が10μL以上20μL未満である場合、センサ素子は、実用的に許容される範囲の耐被水性を有していると判定した。クラック発生滴下量が10μL未満のセンサ素子は、実用性の点から耐被水性が十分ではないと判定した。なお、10μLという値は、特許文献3に開示された被水試験における被水量の評価値の最大値である。また、特許文献1では、滴下量が3μLでクラックが発生しなかった場合につき、実施例と位置付けられている。それゆえ、クラック発生滴下量が10μL以上のセンサ素子については、従来よりも優れた耐被水性を有していると判断される。
なお、外側先端保護層2を設けたセンサ素子においては、素子基体1にクラックが生じるまで、固着部201における外側先端保護層2の剥離は生じなかった。
表1においては、判定1の結果につき、クラック発生滴下量が20μL以上であったか、あるいは最大滴下量に到達してもクラックが発生しなかったセンサ素子には「◎」(二重丸印)を、クラック発生滴下量が10μL以上20μL未満であったセンサ素子には「〇」(丸印)を、クラック発生滴下量が10μL未満であったセンサ素子には「×」(バツ印)を付している。
表1に示す結果においては、実施例1ないし実施例6のセンサ素子には「◎」または「〇」が付されているのに対し、比較例1および比較例2のセンサ素子にはいずれも「×」が付されている。なお、比較例1のセンサ素子については5μL~9μLの滴下量でクラックが発生したと判断された。また、比較例1のセンサ素子については1μL未満の滴下量でクラックが発生したと判断された。
表1に示す結果からは、例えば第1の実施の形態のように、ガスセンサを構成するセンサ素子の素子基体のうち、少なくとも、ガスセンサの使用時に500℃以上の高温に加熱される部分の周囲に、素子基体との間に30μm以上150μm以下の厚みにて断熱空間を介在させる態様にて、多孔質層である外側先端保護層を150μm以上600μm以下の厚みに設けるようにすることで、従来よりも耐被水性に優れたセンサ素子が実現されることがわかる。
(試験2)
被水割れ要対処領域と断熱空間4および外側先端保護層2の配置位置との関係が耐被水性に与える影響を確認する試験を行った。なお、係る試験は本来的には、同じ温度プロファイルのもと加熱される素子基体に対し、異なる位置に外側先端保護層2を設けることにより行うべきであるが、以下においては、用意の簡単のため、第1の実施の形態に係るセンサ素子に関しては、断熱空間4の厚みが100μmであり、外側先端保護層2の厚み300μmであり、固着面積比が30%であり、端部角θが10°であるという、共通の条件にて作製されたものを複数用意し、それらに対するヒータ150の加熱条件を意図的に違えることにより、センサ素子における温度分布と断熱空間4および外側先端保護層2の配置位置との組み合わせを4通り(実施例7~実施例10)に違えるようにした。
一方、断熱空間4が第2空間4bを有さない態様にて外側先端保護層12が設けられた、第2の実施の形態に係るセンサ素子についても、1種類用意した(実施例11)。係るセンサ素子の断熱空間4の厚み、外側先端保護層12の厚み、固着面積比、端部角θは、実施例7~実施例10と同様とした。
また、比較例として、断熱空間4を介在させることなく、全体を素子基体1に密着させる態様にて、厚みが300μmの外側先端保護層を形成したセンサ素子を複数用意し、それらに対するヒータ150の加熱条件を意図的に違えることにより、センサ素子における温度分布を3通り(比較例3~比較例5)に違えるようにした。
表2に、各センサ素子についての、第1空間4aの有無、外側先端保護層の側面部と素子基体との間に断熱空間4(第1空間4a)が介在する部分の中央におけるセンサ素子の表面温度(表2においては「第1空間介在部温度」)、外側先端保護層の固着部の一方端部側近傍におけるセンサ素子の表面温度(表2においては「第1空間非介在部温度」)、第2空間4bの有無、一方端部E1側における表面温度(表2においては「素子先端部温度」)、および、耐被水性試験における判定結果とを一覧にして示す。ただし、断熱空間が存在しない比較例のセンサ素子については、対応部分の表面温度を測定した。なお、表面温度は、サーモグラフィにより測定している。また、素子基体1の作製条件は、全てのセンサ素子について同じとした。
Figure 0007402297000002
耐被水性試験は、水滴の滴下箇所を3箇所としたほかは、試験1と同じ要領で行った。第1の滴下箇所は、試験1と同じとした。第2の滴下箇所は、固着部201とした(比較例3~比較例5については外側先端保護層の対応部分とした)。第3の滴下箇所は、一方端部E1側の端面部203または204とした(比較例3~比較例5については外側先端保護層の対応部分とした)。
また、それぞれの滴下箇所についての耐被水性の良否の判定も、試験1と同様とした。表2においては、第1ないし第3滴下箇所についての判定をそれぞれ、「判定1」、「判定2」、「判定3」としている。
表2に示す結果においては、実施例7~実施例11のセンサ素子については、判定1~判定3の全てにおいて、「◎」または「〇」が付されているのに対し、比較例3~比較例5のセンサ素子については、比較例3および比較例5の判定2においてそれぞれ、「◎」、「〇」が付されているほかは、「×」が付されている。
係る結果からは、センサ素子のうち少なくとも使用時に500℃以上となる部分において、素子基体1との間に断熱空間4が介在するように外側先端保護層を設けるとともに、かつ、外側先端保護層の素子基体に対する固着部の温度が500℃以下に保たれるようにした場合には、外側先端保護層を設けた部分の全体において良好な耐被水性が得られることもわかる。
一方で、センサ素子に断熱空間4を設けない場合、使用時に500℃以下に保たれる部分については耐被水性が確保されるものの、500℃以上の高温となる部分については良好な耐被水性が得られないことがわかる。
以上の結果は、被水割れ要対処領域に対応させて断熱空間を設けることの有効性を示している。
1 素子基体
2、12 外側先端保護層
2a 溶射膜
4 断熱空間
4a (断熱空間の)第一空間
4b (断熱空間の)第二空間
5 消失材ペースト
5a 消失材パターン
10、20 センサ素子
30 ポンプセル電源
40 ヒータ電源
50 コントローラ
100 ガスセンサ
101 セラミックス体
102~104 第一~第三の内部空室
105 ガス導入口
110 第一の拡散律速部
115 緩衝空間
120 第二の拡散律速部
130 第三の拡散律速部
140 第四の拡散律速部
141 外部ポンプ電極
142 内部ポンプ電極
143 補助ポンプ電極
145 測定電極
147 基準電極
150 ヒータ
151 絶縁層
160 電極端子
170(170a、170b) 主面保護層
180 内側先端保護層
201 (外側先端保護層の)固着部
202 (外側先端保護層の)側面部
203、204 (外側先端保護層の)端面部
301 印刷版
E1 一方端部
E2 他方端部
P1 主ポンプセル
P2 補助ポンプセル
P3 測定用ポンプセル

Claims (9)

  1. 被測定ガス中の所定ガス成分を検知するガスセンサに備わるセンサ素子であって、
    酸素イオン伝導性の固体電解質からなり、一方端部にガス導入口を備える長尺板状のセラミックス体と、
    前記セラミックス体の内部に備わり、前記ガス導入口と所定の拡散抵抗の下で連通する少なくとも2つの内部空室と、
    前記セラミックス体の外面に形成された外側ポンプ電極と、前記少なくとも2つの内部空室のそれぞれに面して設けられた少なくとも2つの内側ポンプ電極と、前記外側ポンプ電極と前記少なくとも2つの内側ポンプ電極のそれぞれの間に存在する固体電解質からなり、前記少なくとも2つの内部空室と外部との間で酸素の汲み入れおよび汲み出しを行う、少なくとも2つの電気化学的ポンプセルと、
    前記セラミックス体の前記一方端部側の所定範囲に埋設されてなるヒータと、
    を有する素子基体と、
    前記素子基体の前記一方端部側のうち、少なくとも、先端面から前記ガス導入口に近い前記2つの内部空室までを含む第1の範囲を囲繞する、多孔質の第1の先端保護層と、
    を備え、
    前記第1の先端保護層と、前記素子基体のうち少なくとも前記ガス導入口に近い2つの内部空室が備わる部分の側面との間に、前記素子基体を囲繞する一の断熱空間が介在してなり、
    前記第1の先端保護層と前記素子基体の前記先端面とは固着してなる、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  2. 請求項1に記載のセンサ素子であって、
    前記第1の先端保護層の厚みが、150μm以上600μm以下である、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  3. 請求項1または請求項2に記載のセンサ素子であって、
    前記一の断熱空間の厚みが、30μm以上150μm以下である、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  4. 請求項1ないし請求項3のいずれかに記載のセンサ素子であって、
    前記素子基体のうち少なくとも前記第1の範囲における側面全体に、前記第1の先端保護層よりも気孔率が大きい多孔質からなる第2の先端保護層、
    をさらに備え、
    前記第1の先端保護層の前記一方端部側とは反対側の端部が、前記第1の先端保護層の前記第2の先端保護層に対し固着された固着部である、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  5. 請求項4に記載のセンサ素子であって、
    前記固着部が、前記素子基体のうち、あらかじめ特定された被水割れ不発生領域に設けられてなる、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  6. 請求項5に記載のセンサ素子であって、
    前記固着部が、前記素子基体のうち、前記ガスセンサの使用時に500℃以下に保たれる第2の範囲に設けられてなる、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  7. 請求項4ないし請求項6のいずれかに記載のセンサ素子であって、
    前記第1の先端保護層の気孔率が15%以上30%以下であり、
    前記第2の先端保護層の気孔率が30%以上50%以下である、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  8. 請求項4ないし請求項7のいずれかに記載のセンサ素子であって、
    前記第1の先端保護層の前記固着部と前記第2の先端保護層との接触部分の面積が、前記第1の範囲の面積の10%以上50%以下である、
    ことを特徴とするセンサ素子。
  9. 請求項1ないし請求項8のいずれかに記載のセンサ素子であって、
    前記少なくとも2つの内部空室が3つの内部空室であり、
    前記少なくとも2つの電気化学的ポンプセルが、
    前記外側ポンプ電極と、前記3つの内部空室のそれぞれに面して設けられた3つの内側ポンプ電極と、前記外側ポンプ電極と前記3つの内側ポンプ電極のそれぞれの間に存在する固体電解質からなり、前記3つの内部空室と外部との間で酸素の汲み入れおよび汲み出しを行う、3つの電気化学的ポンプセルであり、
    前記第1の先端保護層が囲繞する前記第1の範囲が、前記素子基体の前記一方端部側のうち、少なくとも、先端面から前記3つの内部空室を含む、
    ことを特徴とするセンサ素子。
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