JP2012092958A - アッパーサポートの製造方法及びアッパーサポート - Google Patents

アッパーサポートの製造方法及びアッパーサポート Download PDF

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Abstract

【課題】リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具をインナ金具としてゴム弾性体と一体加硫接着するとともにカップ金具の筒状部を拡径させてゴム弾性体に予圧縮を与えるに際し、鍔部を反り返り変形させることのないアッパーサポートの製造方法を提供する。
【解決手段】インナ金具としてのカップ金具28と、アウタ金具30と、それらに一体加硫接着されたゴム弾性体32とを有するアッパーサポート18を製造するに際し、ゴム弾性体32との一体加硫接着前のカップ金具28aの筒状部36の形状を、鍔部42に続く上部の大径部110と、下部の小径部112と、それらの間の段差部114として有する形状となし、ゴム弾性体32との一体加硫接着後において小径部112のみを拡径治具の圧入により拡径加工してゴム弾性体32に予圧縮を与えるようにする。
【選択図】 図5

Description

この発明は車両のサスペンションにおけるショックアブソーバのピストンロッドと車体とを弾性連結し、それらの間で防振作用するアッパーサポートの製造方法及びアッパーサポートに関する。
従来、車両においてサスペンションの要素をなすショックアブソーバのピストンロッドと車体とをアッパーサポートで弾性連結し、アッパーサポートの防振作用でショックアブソーバから車体側に振動が伝達されるのを防止ないし抑制することが行われている。
従来、かかるアッパーサポートとして様々な種類,形態のものが知られているが、その一つとして(a)インナ金具と、(b)径方向に離隔した位置でインナ金具周りに配置されたアウタ金具と、(c)それらインナ金具とアウタ金具とを弾性連結する状態にインナ金具及びアウタ金具に一体に加硫接着されたゴム弾性体とを有し、インナ金具側においてショックアブソーバのピストンロッドに、アウタ金具側において車体にそれぞれ固定されて、車体とショックアブソーバとの間でゴム弾性体の弾性変形により防振作用するアッパーサポートが公知である。
この種アッパーサポートにおいては、インナ金具,アウタ金具及びゴム弾性体を一体に加硫接着した後の冷却によるゴム弾性体の収縮応力を緩和してゴム弾性体に亀裂発生するのを防止し、また使用時におけるゴム弾性体の耐久性を向上させる目的で、上記加硫接着後においてゴム弾性体に予圧縮を与えることが行われている。
その予圧縮を与える手段として、一般にはアウタ金具に絞り加工を施してこれを縮径させ、以てゴム弾性体を予圧縮する方法があるが、アッパーサポートによってはアウタ金具が形状,構造的に複雑で、そのようなアウタ金具に対して絞り加工を施すことができない場合があり、そうした場合にはインナ金具を拡径させることでゴム弾性体に予圧縮を与える方法が採用される。
そのようなものとして、筒状部と筒状部の下端側の、中心部にピストンロッドの挿通孔を有する底部、及び底部とは反対側の筒状部の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部を有する、リバウンドストッパ金具としてのカップ金具を円筒状のインナ金具に圧入してインナ金具を拡径させ、ゴム弾性体に予圧縮を与えるようになしたものが従来公知である。
例えば下記特許文献1,特許文献2にこの種の技術が開示されている。
図12は、その特許文献1に開示されたものの具体例を示している。
同図において、200はゴム弾性体202に一体加硫接着された円筒状のインナ金具、204は円筒状の筒状部206と、底部208と、鍔部210とを備えた、インナ金具200とは別体をなすカップ金具である。
ここではインナ金具200に対してカップ金具204の筒状部206を図中下向きに圧入し、これによりインナ金具200を拡径させてゴム弾性体202に予圧縮を与えている。
尚この図12に示すものでは、筒状部206の上部206aと下部206bとで径方向の寸法を異ならせることで、拡径前においては軸方向(図中上下方向)にストレート形状をなす円筒形状のインナ金具200に対し、上部と下部とで拡径率を異ならせるようにしている。
ところで、近年にあっては車両の燃費低減,コスト低減が強く求められており、そうした中でアッパーサポートにおいてもその軽量化,コスト低減が強く要請されている。
そこで上記のカップ金具をインナ金具として、これにゴム弾性体を一体加硫接着し、そしてカップ金具の筒状部を拡径させることでゴム弾性体に予圧縮を与えるようにすることで、円筒状のインナ金具を省略するといったことが考えられる。
そこで本発明者は、図13に示しているように上下方向(カップ金具204の軸方向で、車両組付状態で上下方向)にストレート形状をなすカップ金具204の筒状部206に対して、外周面が対応するストレート形状をなす拡径治具212を圧入し、筒状部206を拡径させてゴム弾性体(図示省略)に予圧縮を与えることを試みたところ、図中2点鎖線で示すように鍔部210が上向きに反り返る変形を起してしまう不具合の生じることが判明した。
これは、筒状部206の拡径変形に伴って筒状部206の内周面に連続した鍔部210の上面に図中矢印で示す向きの引張りの力が働くことによるものと考えられる。
このような鍔部210の反り返り変形が発生してしまうと、その変形を矯正するための矯正工程が追加の工程として余分に必要となってしまう。
また反り返りを矯正する工程を施したときに、その矯正工程でのばらつきが生じる問題が生じ、更に鍔部210に設けた車両への組付用の穴が変形を生じてしまう等の問題を発生してしまう。
その他に、上記の方法でカップ金具の筒状部206を拡径変形させると、筒状部206の下端から底部208にかけての部分が局部的に大きく伸ばされて歪み,応力を生じ、同部分に亀裂kを発生させてしまう恐れがある。
国際公開第2009/078410号 特開2009−30664号公報
本発明は以上のような事情を背景とし、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具をインナ金具としてゴム弾性体と一体加硫接着することにより、従来別途に必要とされていた円筒状のインナ金具を省略可能とし、またカップ金具の筒状部を拡径させることでゴム弾性体に予圧縮を与えることを可能とし且つその際に鍔部を反り返り変形させることのないアッパーサポートの製造方法及びアッパーサポートを提供することを目的としてなされたものである。
而して請求項1はアッパーサポートの製造方法に関するもので、(a)インナ金具と、(b)径方向に離隔した位置で該インナ金具周りに配置されたアウタ金具と、(c)それらインナ金具とアウタ金具とを弾性連結する状態に該インナ金具及びアウタ金具に一体に加硫接着されたゴム弾性体と、を有し、該インナ金具側においてショックアブソーバのピストンロッドに、該アウタ金具側において車体にそれぞれ固定されて、それらピストンロッドと車体とを弾性連結し防振作用するアッパーサポートの製造方法であって、筒状部と該筒状部の下端側の、中心部に前記ピストンロッドの挿通孔を有する底部、及び該底部とは反対側の該筒状部の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部を有する、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具を前記インナ金具となして前記ゴム弾性体と直接一体加硫接着するようになし、前記カップ金具は、前記ゴム弾性体との一体加硫接着前の前記筒状部の形状を、前記鍔部に続く上部を大径部とし、前記底部側の下部を小径部とし、それら大径部と小径部との間の部分を段差部として有する形状となして、該大径部の内径を、前記筒状部に対する拡径加工後の寸法として求められる内径に設定しておき、前記ゴム弾性体との一体加硫接着後において、前記小径部に対する拡径治具の圧入により該小径部を拡径加工して該ゴム弾性体の該小径部に対応する部分に予圧縮を与える一方、前記大径部に対しては拡径加工を施さずに寸法及び形状を保持することを特徴とする。
請求項2のものは、請求項1において、前記小径部の上端の内径を前記大径部の内径と同内径とし、前記段差部を解消するまで該小径部を拡径加工することを特徴とする。
請求項3のものは、請求項2において、前記大径部の内周面と前記小径部の、前記ゴム弾性体に対して予圧縮を与える部分の下端に到るまでの内周面とを、該小径部の前記拡径加工によって連続した軸方向のストレート形状とすることを特徴とする。
請求項4のものは、請求項1〜3の何れかにおいて、前記アウタ金具には、前記カップ金具の前記筒状部を径方向外方に離隔した位置で取り囲む形状の外筒部が設けてあって、前記ゴム弾性体が、該カップ金具の該筒状部と該外筒部とで径方向に挟まれる筒状の本体ゴム部を有するものとなしてあり、前記小径部の拡径加工により該本体ゴム部に対し予圧縮を与えることを特徴とする。
請求項5のものは、請求項4において、前記ゴム弾性体には、前記段差部の位置する軸方向位置において外周面から該段差部に向う径方向内向きのえぐり部を周方向に沿って環状に設けて、該えぐり部により、前記ゴム弾性体の、前記小径部の拡径により予圧縮の与えられる前記本体ゴム部と、前記鍔部の下面のリバウンド側のストッパゴム部とが、該段差部の外周面に接着剤にて動きの拘束される肉厚の薄い薄ゴム部を残して、径方向全体に亘って軸方向の上下に分断してあることを特徴とする。
請求項6のものは、請求項4,5の何れかにおいて、前記ゴム弾性体は、前記カップ金具の筒状部と前記アウタ金具の外筒部との間において下面から上向きに向う周方向に環状をなす上向きのえぐり部を有して、該えぐり部の上側に前記本体ゴム部を形成するものとなしてあることを特徴とする。
請求項7のものは、請求項4において、前記アウタ金具には、前記鍔部に対向してリバウンド側のストッパ当り部が前記外筒部に続いて設けてあるとともに、前記ゴム弾性体は、該ストッパ当り部の上面を被覆する被覆ゴム層を有する、前記本体ゴム部の上側の上ゴム部を有するものとなしてあり、該ゴム弾性体には、前記段差部の位置する軸方向位置において外周面から該段差部に向う径方向内向きのえぐり部を周方向に沿って環状に設けて、該えぐり部により前記ゴム弾性体を、前記本体ゴム部及び前記上ゴム部と前記鍔部の下面側のリバウンド側のストッパゴム部とに、該段差部の外周面に接着剤にて動きの拘束される肉厚の薄い薄ゴム部を残して、径方向全体に亘って軸方向の上下に分断してあるとともに、前記外筒部は、下方に進むにつれて前記カップ金具の前記筒状部との間の間隔を拡げる下拡がりの傾斜形状となしてあり、更に前記ゴム弾性体は、前記カップ金具の筒状部と前記アウタ金具の外筒部との間において下面から上向きに向う周方向に環状をなす上向きのえぐり部を有して、該えぐり部の上側に前記本体ゴム部を形成するものとなしてあることを特徴とする。
請求項8のものは、請求項6,7の何れかにおいて、前記拡径治具は、圧入側の先端部の外周面を先端に向って外径が漸次減少する形状のテーパ部となし、該テーパ部は、該拡径治具の圧入完了状態の下で上端位置が前記上向きのえぐり部の上端以下の位置に位置する形状となしてあることを特徴とする。
請求項9のものは、請求項8において、前記拡径治具は、前記テーパ部により前記小径部の、前記上向きのえぐり部に対応する部分を拡径するものとなしてあることを特徴とする。
請求項10のものは、請求項1〜9の何れかにおいて、前記拡径治具を前記小径部に圧入して該小径部を拡径加工するに際し、前記拡径治具として、圧入側の先端面で開口して該先端面から軸方向に伸びる孔を有するものを用いるとともに、前記カップ金具の前記底部を下側から受ける受治具を用意して、該受治具からガイドピンを上向きに突出させておき、該受治具にて前記底部を受け且つ前記ガイドピンを該底部の前記挿通孔から上向きに突出させた状態で、該ガイドピンを前記孔に挿入させながら前記拡径治具を前記小径部に対して下向きに圧入して該小径部を拡径加工し、しかる後、前記受治具を前記ガイドピンとともに取り除くとともに、拡径加工品の上下向きを反転させて、前記カップ金具の前記鍔部を第2の受治具で下側から受けた状態で、前記小径部に圧入されて固定状態にある前記拡径治具の前記孔に抜出ピンを下向きに押し込んで、該拡径治具を該カップ金具から抜き出すことを特徴とする。
請求項11はアッパーサポートに関するもので、(a)インナ金具と、(b)径方向に離隔した位置で該インナ金具周りに配置されたアウタ金具と、(c)それらインナ金具とアウタ金具とを弾性連結する状態に該インナ金具及びアウタ金具に一体に加硫接着されたゴム弾性体と、を有し、該インナ金具側においてショックアブソーバのピストンロッドに、該アウタ金具側において車体にそれぞれ固定されて、それらピストンロッドと車体とを弾性連結し防振作用するアッパーサポートであって、筒状部と該筒状部の下端側の、中心部に前記ピストンロッドの挿通孔を有する底部、及び該底部とは反対側の該筒状部の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部を有する、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具を前記インナ金具となして前記ゴム弾性体と直接一体加硫接着してあり、前記カップ金具における前記底部側の下部が軸方向において部分的に拡径されることで、前記ゴム弾性体における該下部に対応した部分に予圧縮が与えられていることを特徴とする。
発明の作用・効果
以上のように請求項1のものは、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具をインナ金具となしてゴム弾性体と直接一体加硫接着するようになし、そしてそのカップ金具は、ゴム弾性体との一体加硫接着前の筒状部の形状を、鍔部に続く上部を大径部とし、底部側の下部を小径部として、それらの間の部分を段差部として有する形状となして、その小径部をゴム弾性体との一体加硫接着後において拡径治具の圧入により拡径加工して、ゴム弾性体の小径部に対応する部分に予圧縮を与える一方、大径部に対しては拡径加工を施さず、予め定めてある寸法及び形状を保持するようになしたものである。
この請求項1の製造方法にあっては、従来、カップ金具とは別途に必要とされていた円筒状のインナ金具を省略し得てアッパーサポートを軽量化及びコスト低減することができるとともに、カップ金具の筒状部を拡径加工することでゴム弾性体に予圧縮を与えるに際し、拡径加工を小径部だけに施して、鍔部に続く筒状部の上部については拡径加工を施さず、変形を生ぜしめないために、拡径加工によってカップ金具の鍔部が上向きに反り返り変形するのを防止できる。
小径部に対する拡径加工によって小径部が拡径方向に伸び、変形したとしても、その小径部と鍔部との間には変形を生じない大径部が存在していて、小径部の変形に伴う引張りの力が大径部で遮られ、鍔部の上面にはその引張りの力が働かないために、鍔部の反り返り変形を良好に防止することができるのである。
従ってカップ金具に対する拡径加工後において鍔部の形状を矯正する工程を不要となし得、従ってまた矯正工程で発生するばらつきの問題も無くすことができるとともに、鍔部の変形により鍔部に設けてある車両への組付用の穴の変形も防ぐことができる。
この場合において、小径部の上端の内径を大径部の内径と同内径とし、段差部を解消するまで小径部を拡径加工するようになすことができる(請求項2)。
更にこの場合において、大径部の内周面と小径部の内周面、詳しくはゴム弾性体に対して予圧縮を与える部分の下端に到るまでの内周面とを、小径部の拡径加工によって連続した軸方向のストレート形状となすことができる(請求項3)。
本発明では、上記のアウタ金具に、カップ金具の筒状部を径方向外方に離隔した位置で取り囲む形状の外筒部を設けて、ゴム弾性体を、それら筒状部と外筒部とで径方向に挟まれる筒状の本体ゴム部を有するものとなし、そして小径部の拡径加工により本体ゴム部に対し予圧縮を与えるものとなしておくことができる(請求項4)。
このようにすることで、小径部の拡径加工により本来予圧縮の必要な本体ゴム部に対して効果的に予圧縮を与えることができる。
本発明ではまた、上記段差部の位置する軸方向位置において、ゴム弾性体にその外周面から段差部に向う径方向内向きのえぐり部を周方向に沿って環状に設けて、そのえぐり部によりゴム弾性体の、小径部の拡径により予圧縮の与えられる上記の本体ゴム部と、上記鍔部の下面のリバウンド側のストッパゴム部とを径方向全体に亘って、詳しくは段差部の外周面に接着剤にて動きの拘束される薄ゴム部を残して径方向全体に亘って軸方向の上下に分断しておくことができる(請求項5)。
例えばリバウンド側のストッパゴム部を本体ゴム部の側に且つこれに連続して段差部の外周側に設けておくと、この部分はカップ金具、詳しくは小径部に対する拡径加工によって予圧縮の与えられない部分であり、カップ金具がアウタ金具に対して相対的に上下方向に繰り返し相対変位したときに、その予圧縮されない部分に作用する引張応力等により同部分で亀裂発生し、これを起点として亀裂がゴム弾性体内部まで深く進行し、成長してしまう恐れがある。
請求項5はこれを考慮して、リバウンド側のストッパゴム部をカップ金具の鍔部の下面に設けて、このストッパゴム部を本体ゴム部の側から、上記の内向きのえぐり部にて径方向全体に亘って分断するようになしたもので、この請求項5によれば、段差部の外周側に予圧縮の与えられないゴム部が生じるのを実質的に防止でき、その予圧縮の与えられない部分で亀裂発生するのを効果的に抑制することができる。
尚、上記の内向きのえぐり部を段差部に達するまで深く形成しておけば、本体ゴム部の側とリバウンド側のストッパゴム部とを完全に分断しておくことができる。
但しこの場合、ゴム弾性体の成形時においてこれを成形する成形型のキャビティもまた完全に分断されることとなり、ゴム材料の注入によって本体ゴム部の側とストッパゴム部とを良好に同時成形することが難しい。
しかるにこの請求項5では、本体ゴム部の側とストッパゴム部の側とが薄ゴム部にて繋がっているため、それらを良好に同時成形することができる。
但しそれらを連絡するゴム部が厚肉であると、インナ金具としてのカップ金具がアウタ金具に対して相対変位(特に上下方向に相対変位)したとき、本体ゴム部の側とストッパゴム部とを連絡する上記のゴム部でゴム肉の移動が生じてそこに局部的な大きな歪み,応力が繰返し生じ、同部分で亀裂を生じる恐れが発生する。
しかるにここでは上記の薄ゴム部を残して本体ゴム部の側とストッパゴム部の側とが分断され、しかもその薄ゴム部は接着剤により動きが拘束されるため、その部分で亀裂発生するのが良好に抑制される。
尚この薄ゴム部の肉厚としては、接着剤により効果的に動きの拘束される厚みとして2mm以下の肉厚となしておくことが望ましい。
本発明では、ゴム弾性体の形状を、カップ金具の筒状部とアウタ金具の外筒部との間において下面から上向きに向う環状の上向きのえぐり部を有して、そのえぐり部の上側に上記の本体ゴム部を形成するものとなしておくことができる(請求項6)。
ところで、カップ金具における筒状部の小径部を拡径加工してゴム弾性体に予圧縮を与えた場合、圧縮されたゴム弾性体の反力によって、アウタ金具に対するカップ金具の軸方向の相対位置が変化する恐れがある。
これに対して請求項7によれば、そのようなカップ金具の軸方向の相対位置のずれを効果的に抑制することができ、そのことによってゴム弾性体に、特に薄ゴム部ないしその近傍に引張り歪みが発生するのを良好に抑制することができる。
上記拡径治具は、圧入側の先端側の外周面を、先端に向って外径が漸次減少する形状のテーパ部となし、そしてそのテーパ部を、拡径治具の圧入完了状態の下で上端位置が上向きのえぐり部の上端以下の位置に位置する形状となしておくことができる(請求項8)。
拡径治具の先端側外周面をこのようなテーパ部とすることで、拡径治具により小径部を拡径したとき、小径部における底部側の下端から底部にかけての部分に亀裂発生するのを有効に防止することができる。
またこのようなテーパ部を拡径治具に設けておくことで、拡径治具をカップ金具の筒状部に円滑に軸方向に圧入して小径部を拡径加工することができる。
上記の上向きのえぐり部を設けた部分においては、カップ金具における小径部を拡径してもゴム弾性体、詳しくは本体ゴム部に対し予圧縮を与える効果はなく、そこでこの請求項8では、その上向きのえぐり部に対応する拡径治具の先端側の外周面を上記のテーパ部となしている。
この場合、テーパ部は拡径治具の圧入時にカップ金具の筒状部の内周面に非接触となしておくこともできるし、或いは内周面に接触して小径部を拡径するものとなしておくこともできる。
但し後者の場合、拡径治具の圧入完了状態の下で、テーパ部がその上端を上向きのえぐり部の上端よりも上側に位置させるものであると、本体ゴム部の下端側に予圧縮が十分に与えられない部分が生じ、そしてそこから亀裂発生する恐れが生ずる。
従ってこの請求項8では、テーパ部にて小径部を拡径する場合においても、テーパ部の上端はえぐり部の上端と同等以下の位置となるようにしておき、テーパ部にて小径部における上向きのえぐり部に対応する部分を拡径するものとなしておく(請求項9)。
尚ここで言うテーパ部は、拡径治具の軸方向にストレート形状をなす外周面に対する角度θが0°より大きく、且つ拡径治具の先端面からの高さが3mm以上であるものを意味する。
そのようなものでなければ、拡径治具の圧入による拡径加工の際に上記の亀裂発生を有効に防止することが難しい。
上記拡径治具を小径部に圧入してこれを拡径する工程においては、拡径治具として圧入側の先端面で開口して、その先端面から軸方向に伸びる孔を有するものを用いるとともに、カップ金具の底部を下側から受ける受治具を用意して、その受治具からガイドピンを上向きに突出させ、そして受治具にて底部を受け且つガイドピンを底部の挿入孔から上向きに突出させた状態で、ガイドピンを上記の孔に挿入させながら、拡径治具を小径部に下向きに圧入して小径部を拡径するようになすことができる。
更にその後において、受治具をガイドピンとともに取り除くとともに、拡径加工品の上下向きを反転させて、カップ金具の鍔部を第2の受治具で下側から受けた状態で、小径部に圧入されて固定状態にある拡径治具の上記の孔に抜き出しピンを下向きに押し込んで、拡径治具をカップ金具から抜き出すようになすことができる(請求項10)。
このようにすれば、拡径治具による小径部の拡径加工を円滑且つ良好に行うことができ、またカップ金具の内部に圧入され固定された状態の拡径治具を良好にカップ金具から抜き出すことができる。
尚、拡径治具を用いて小径部を拡径するに際し、外径が段階的に大径となる複数種類の拡径治具を用い、外径の小なる拡径治具から外径の大なる拡径治具を順次用いながら拡径加工を複数段階に分けて行い、最終的に小径部を目的とする径まで大径化するようになすことができる。
この請求項10において、上記の第2の受治具は、内径が拡径治具の外径よりも大きな環状のものを用いることができる。
次に請求項11はアッパーサポートに関するもので、この請求項9のアッパーサポートでは、従来カップ金具とは別体で備えられていた円筒状のインナ金具を省略することができるために重量を軽量化でき、またコスト低減を果たすことができる。
またカップ金具における筒状部の底部側の下部が、軸方向において部分的に拡径され、ゴム弾性体におけるその下部に対応した部分が予圧縮されているため、加硫後の冷却による収縮応力によって、更には使用時の繰返し変形によってゴム弾性体に亀裂発生するのが効果的に抑制され、ゴム弾性体即ちアッパーサポートの耐久性を高めることができる。
本発明の一実施形態のアッパーサポートを車両の周辺部材への取付状態で示した図である。 同実施形態のアッパーサポートの断面図である。 図2のアッパーサポートの斜視図である。 図2のアッパーサポートの平面図である。 図2のアッパーサポートにおける上カップ金具の拡径加工前の形状を示した単品図である。 図5に示す上カップ金具に対する拡径加工の工程の説明図である。 図6に続く説明図である。 図7に続く説明図である。 本発明の実施形態の効果を説明するために比較例として示した比較図である。 本発明の他の実施形態の要部を示した図である。 図10の実施形態の利点を説明するために示した比較説明図である。 従来のアッパーサポートの一例を示した図である。 アッパーサポートにおけるカップ金具の拡径により生ずる問題点を示した説明図である。
次に本発明の実施形態を図面に基づいて詳しく説明する。
図1において、10は車両のサスペンションの要素をなす金属製のコイルスプリング、12は同じくサスペンションの要素をなすショックアブソーバで、シリンダ14とこれから上向きに突き出したピストンロッド16とを有している。
18は本実施形態のアッパーサポートで、このアッパーサポート18は、ピストンロッド16と図示を省略する車体パネルとを弾性連結して、それらの間で防振作用する。
20は、コイルスプリング10の内側位置でショックアブソーバ12に外挿された、ゴム弾性体から成る円筒状且つ全体として蛇腹形状をなすダストカバーで、上部に厚肉をなす大径部22及びこの大径部22の上端から径方向外方に張り出した周方向に円環状をなす厚肉のフランジ部24を有している。
26は、ゴム等の弾性体で構成されたバウンドストッパで、上部がアッパーサポート18にて保持されている。
このバウンドストッパ26は、下端部をシリンダ14に当接させることによってショックアブソーバ12の過大な収縮動作を規制する。
図2に示しているように、アッパーサポート18は、インナ金具としての上向きのカップ状をなす上カップ金具(カップ金具)28と、径方向に離隔した位置で上カップ金具28周り、詳しくは後述の筒状部36周りに配置されたアウタ金具30と、それら上カップ金具28及びアウタ金具30を弾性連結する状態に、それらに一体に加硫接着されたゴム弾性体32とを有している。
このアッパーサポート18にあっては、更に、上カップ金具28の下側に下向きの逆カップ状をなす下カップ金具34が接合され、固定されている。
上カップ金具28は、円筒状の筒状部36と、その下端側の底部(下底部)40と、底部40とは反対側の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部42とを有している。
ここで鍔部42は板状をなしていて、上カップ金具28の軸方向(車両組付状態で上下方向)に対し軸直角方向に張り出しており、平面視形状が円環状をなしている。
この鍔部42には、図3〜図5(A)に示しているように車両への取付けのための2種類の貫通の穴部44と46とが設けられている。
ここで一方の穴部44は円形の穴とされており、また他方の穴部46は周方向に円弧状をなす長穴とされている。
一方上カップ金具28の底部40には、その中心部にピストンロッド16を挿通させる、詳しくは図1に示す小径のねじ軸部38を挿通させる挿通孔48が設けられている。
上カップ金具28は、鍔部42から筒状部36の上端にかけての部分が円弧形状で湾曲する湾曲部50とされ、また筒状部36の下端から底部40にかけての部分が、同じく円弧形状で湾曲する湾曲部52とされている。
また後述する筒状部36に対する拡径加工後(つまり図2に示す状態)において、筒状部36の下端部が、下端に向って径が漸次減少するテーパ部54をなしており、またこのテーパ部54より上側の部分の全体が、内周面及び外周面ともに上下方向即ち軸方向にストレート形状をなす円筒部56をなしている。
一方下カップ金具34は、底部(上底部)58と、これよりも一段下がった位置において周方向に円環状をなすバウンドストッパ部60と、その外周端から立ち下がる円筒形状の壁部61とを有している。
底部58には、中心部にピストンロッド16の上記の雄ねじ軸部38を挿通させる挿通孔62が設けられており、下カップ金具34は、この挿通孔62を上カップ金具28の挿通孔48に合致させる状態に底部58が上カップ金具28の底部40に重ねられ、その状態で底部58が底部40に溶接接合されて固定されている。
そしてこの下カップ金具34の円筒状の壁部61の内部に、上記のバウンドストッパ26の上端部が内嵌状態に弾性嵌合され、かかるバウンドストッパ26が、下カップ金具34にて保持されるようになっている。
上記アウタ金具30は、上カップ金具28の筒状部36を径方向外方に離隔した位置で全周に亘り取り囲む、筒状部36に対して外筒をなす外筒部64と、その上端側から径方向外方に張り出した周方向に環状をなすフランジ部66とを有している。
ここで外筒部64は、内周面及び外周面ともに上下方向、即ち上カップ金具28の軸方向にストレート形状をなしており、後述のリバウンド側のストッパ当り部68とともにゴム弾性体32の内部に埋め込まれている。
アウタ金具30は、この外筒部64からフランジ部66にかけての部分が逆U字状で全周に亘り上向きに湾曲形状で突出させられており、その突出部が、リバウンドストッパ部となる鍔部42に対するストッパ当り部68を成している。
フランジ部66の外周端部には、全周に亘り下向きに立ち下がる曲げ部72が設けられており、またフランジ部66は、周方向の3個所が更に径方向外方へと突出せしめられており、その突出部分が板状の取付部74を成している。
各取付部74には取付ボルト76用の貫通の固定孔82が形成されており、そこに取付ボルト76が挿通状態で固定されている。
ここで取付ボルト76には、大径の頭部80側にセレーション部78が設けられており、そのセレーション部78を固定孔82の内面に食い込ませる状態に、固定孔82に固定されている。
アウタ金具30にはまた、上記のバウンドストッパ部60に対して上下に対向する位置で、外筒部64の下端から斜め下向きに全周に亘って径方向外方に張り出した曲げ部が設けられており、この曲げ部が、バウンドストッパ部60に対するストッパ当り部70を成している。
上記ゴム弾性体32は、その内部に上記のアウタ金具30の外筒部64が埋り込むことによって、上カップ金具28における筒状部36と外筒部64とで径方向に挟まれた円筒状の内ゴム部から成る本体ゴム部84と、外筒部64の外周側の円筒状の外ゴム部86とに分かれている。
ゴム弾性体32は、本体ゴム部84の上側に、上記のリバウンド側のストッパ当り部68の上面を被覆する被覆ゴム層69を備えた上ゴム部71を本体ゴム部84に連続して有している。
またゴム弾性体32には、本体ゴム部84の下側において、本体ゴム部84及び外ゴム部86に連続する形態で、また上カップ金具28の筒状部36との間に環状の隙間を形成する状態で、下向きに突出する環状のバウンド側のストッパゴム部88が、バウンドストッパ部60に対向して形成されている。
換言すれば、ゴム弾性体32にはその下面から上向きのえぐり部90が設けられ、ゴム弾性体32は、そのえぐり部90の上側に上記の本体ゴム部84を形成する形態をなしている。
この実施形態において、その上向きのえぐり部90の上端は、上カップ金具28における筒状部36の上記のテーパ部54の上端と同等ないし僅かに上側の位置とされている。
アウタ金具30は、その一部が上記のコイルスプリング10の上端を受ける円環状のばね受部92をなしており、その下側に、外ゴム部86から連続して径方向外方に張り出した薄肉のゴム板部94が重ね合せ状態に設けられている。
ここでゴム板部94は、ばね受部92に対し一体に加硫接着されている。
そして図1に示しているようにその下側に、樹脂製の板状且つ円環状のベアリング96が配置されて、このベアリング96を介し金属製のスプリングシート98が配置され、コイルスプリング10からのばね反力が、上記のダストカバー20における厚肉のフランジ部24,スプリングシート98,ベアリング96、更にゴム板部94を介してアウタ金具30のばね受部92で受けられるようになっている。
即ちこの実施形態のアッパーサポート18では、車体の荷重がアウタ金具30,ベアリング96,スプリングシート98等を介して直接にコイルスプリング10にかかり、その荷重がコイルスプリング10にて支持される。
従ってこの実施形態のアッパーサポート18では、車体の荷重はゴム弾性体32における本体ゴム部84を経由しないで、アウタ金具30から直接にコイルスプリング10へと加えられ、本体ゴム部84に対しては車体荷重は実質的に加わらない。
尚、図1に示しているようにピストンロッド16は、その本体部に対して小径をなすねじ軸部38を、下カップ金具34及び上カップ金具28の各挿通孔62,48に上向きに挿通した後、そのねじ軸部38に対してナット99をねじ込むことで、ピストンロッド16の段付部101とナット99とで、上カップ金具28の底部40及び下カップ金具34の底部58を挟み込む状態に、それら上カップ金具28及び下カップ金具34に固定される。
従って上カップ金具28は、本体ゴム部84の弾性変形を伴ってこのピストンロッド16と一体に変位し、またその際の本体ゴム部84の弾性変形に基づいて、ピストンロッド16と車体との間で振動吸収、防振作用が行われる。
図2に示す製品状態において、アッパーサポート18のゴム弾性体32、詳しくは円筒状をなす本体ゴム部84は、加硫成形時の形状から径方向に1.3mm予圧縮が与えられている。
成形状態において本体ゴム部84の径方向の厚みは6.5mmであり、その厚みが径方向に1.3mm予圧縮されることで、その予圧縮率はここでは20%である。
ゴム弾性体32には、上カップ金具28における鍔部42から所定距離下方の位置(この位置は図5に示す拡径加工前の筒状部36の段差部の軸方向(上下方向)位置である)において、外周面から筒状部36に向うえぐり部100が周方向に沿って環状に設けられている。
そしてこのえぐり部100によってゴム弾性体32が、本体ゴム部84の側、詳しくは本体ゴム部84及びその上側の上ゴム部71と、鍔部42の下面のリバウンド側のストッパゴム部102とに、径方向全体に亘って上下に分断されている。
但しえぐり部100は筒状部36までは到達しておらず、筒状部36の外周面に薄ゴム部(ここでは薄ゴム部104の径方向肉厚は0.5mm)104を残す位置まで、ゴム弾性体32を径方向内方に深く入り込んでいる。
従って厳密には本体ゴム部84の側とストッパゴム部102とは、この薄ゴム部104を残して上下に分断されている。
ここで薄ゴム部104は、上カップ金具28の筒状部36とゴム弾性体32との界面を接着する接着剤により動きの拘束される拘束層106(図2の部分拡大図参照)に属しており、従って例えば上カップ金具28がアウタ金具30に対して相対的に上下方向に相対変位しても、薄ゴム部104のゴム肉が本体ゴム部84の側に若しくはストッパゴム部102側に移動したり、或いは本体ゴム部84の側のゴム肉が、この薄ゴム部104を経てストッパゴム部102の側に、又はストッパゴム部102のゴム肉が薄ゴム部104を経て本体ゴム部84の側に移動するのが効果的に抑制される。
例えば図9(B)に示しているように、筒状部36側に比較的肉厚の厚い厚肉ゴム部108aを残す形でえぐり部100を設けると、つまりえぐり部100のえぐりの深さが浅かったりすると、筒状部36側に残った厚肉ゴム部108aのゴム肉が、上カップ金具28の相対変位に伴って本体ゴム部84の側又はストッパゴム部102側に移動し、或いは本体ゴム部84の側のゴム肉が、この厚肉ゴム部108aを経てストッパゴム部102の側に、又はストッパゴム部102のゴム肉が厚肉ゴム部108aを経て本体ゴム部84の側に移動し、その際に厚肉ゴム部108aに局部的に大きな歪み,応力を発生させて、そこから亀裂が発生する恐れがあるが、この実施形態では筒状部36側に肉厚の薄い薄ゴム部104が残るのみであるため、ゴム肉の移動による上記の歪み,亀裂の発生を効果的に抑制できる。
尚上記のえぐり部100は、外周面から径方向内方に進むに連れて図中上下幅が小さくなるような断面形状をなしている。
上記リバウンド側のストッパゴム部102は、リバウンドストッパ作用時にストッパ当り部68に当接して、リバウンドストッパとしての鍔部42と協働してリバウンド方向の変位規制をなすもので、このストッパゴム部102は、全体として比較的厚肉の板状に且つ筒状部36周りに円環状に形成され、上カップ金具28に対し一体に加硫接着されている。
但しこのリバウンド側のストッパゴム部102は、鍔部42の穴部46及び44周りにおいては、穴部46,44に挿入ないし掛止される、車両への取付用の治具との干渉を回避すべく、径方向内方に部分的に凹陥せしめられている。
次に図2に示すアッパーサポートを製造する本実施形態の製造方法を以下に説明する。
図5の28aは、拡径加工前の上カップ金具を示している。
図示のようにここでは拡径加工前の、即ち上記のゴム弾性体32との一体加硫接着前の上カップ金具28aの形状、より詳しくは筒状部36の形状を、鍔部42に続く上部を大径部110とし、底部40側の下部を小径部112とし、それら大径部110と小径部112との間の部分を段差部114として有する形状となしておく。
ここで小径部112は、内周面及び外周面ともに上カップ金具28aの軸方向にストレート形状をなしている。
同様に大径部110もまた(厳密には湾曲部50の下側部分)内周面,外周面が軸方向にストレート形状をなし、更に段差部114は大径部110から小径部112にかけて逆テーパ形状をなしている。
ここで大径部110の内径Xは、筒状部36に対する拡径加工後の寸法として求められる寸法の内径に設定しておく。
尚この実施形態において寸法X=35.4mmである。
一方小径部112の内径X=32.8mmであり、従ってXとXとの差X−X=2.6mmであり、従ってまた大径部110と小径部112との寸法差は径方向片側で1.3mmである。
また肉厚tはt=2.6mmであり、更に大径部110,小径部112,段差部114のそれぞれの軸方向(上下方向)寸法X,X,XはそれぞれX=4.3mm,X=22.7mm,X=4.5mmである。
尚図5(B)において、116は下カップ金具34のプロジェクション溶接用に上カップ金具28aの底部40に設けられた突起である。
本実施形態の製造方法では、図5に示す上カップ金具28aをインナ金具として用い、この上カップ金具28a及びアウタ金具30をゴム弾性体32の成形時にゴム弾性体32に対して一体に加硫接着する。
そしてその後において上カップ金具28aの小径部112に対し拡径加工を行って、ゴム弾性体32、詳しくは本体ゴム部84に対して予圧縮を与える。
図6〜図8に、その際の筒状部36に対する拡径加工の工程が具体的に示してある。
図6(I)において、118は上カップ金具28aの筒状部36、具体的には小径部112を拡径するための拡径治具で、全体として円柱状をなしている。
ここで拡径治具118の外径は、大径部110の内径と同内径のXである。
この拡径治具118には、その中心部に平坦な下端面で開口し、その下端面から上向きに延びる孔120が設けられている。
また下端部(先端部)外周には、下端(先端)に向って径が漸次減少するテーパ部122が形成されている。
尚このテーパ部122に続く下端側には、更に面取り部124が微少範囲に亘って形成されている。
尚テーパ部122の高さX=8mmで、このテーパ部122の高さXは図2に示す上カップ金具28のテーパ部54と実質同じ高さである。
更にこのテーパ部122の傾斜角度θは、ここではθ=15°である。テーパ部122の高さXは3〜10mmの範囲内としておくこと、またテーパ部122の角度θは0超〜15°の範囲内としておくことが望ましい。
126は、上カップ金具28aを拡径加工する際に、上カップ金具28aを受ける受治具で平面視円環状をなしており、中心部に貫通の挿込孔128を有している。
130は、この受治具126から上向きに突出する状態に受治具126に取り付けられたガイドピンで、下端部に小径の挿込部132を有しており、この挿込部132が挿込孔128に挿し込まれることで、受治具126に取り付けられている。
図6(I)は、この受治具126にて上カップ金具28aの底部40を下側から受けて支持し、またガイドピン130を底部40の挿通孔48を挿通して上向きに突出させる状態に、上カップ金具28aをインナ金具とする一体加硫品をセットした状態を示している。
本実施形態の製造方法では、その状態で拡径治具118を一体加硫品の筒状部36に下向きに挿入し(図6(II)参照)、更に拡径治具118を下向きに押し込んで圧入し、拡径治具118にて小径部112を拡径加工する。即ち小径部112を拡径変形させる(このとき段差部114も小径部112の拡径に伴って一定量拡径する)。
図7(B)は、このようにして拡径治具118を筒状部36の内部に一杯まで圧入して、小径部112を拡径させた状態を示している。
この拡径加工によって、小径部112が図7(III)(A)に示すδX(δX=1.3mm)だけ拡径変形させられ、そしてこれに伴って本体ゴム部84が同寸法だけ予圧縮される。
この実施形態においてその予圧縮の圧縮率は上記のように20%である。
ここで予圧縮の圧縮率は、拡径加工前の本体ゴム部84の径方向厚みをAとしたとき、(δX/A)×100(%)で与えられる。
この拡径加工では、小径部112がテーパ部122によってもその下端部において拡径変形させられる。但しその拡径変形の程度は、小径部112における本体ゴム部84に対応する部分よりは小さい。
尚拡径治具118のテーパ部122の上端位置は、拡径治具118を完全圧入した状態の下で、本体ゴム部84の下端つまり上記の上向きのえぐり部90の上端の位置と同等ないしこれよりも低い位置であり、従ってこのようなテーパ部122を拡径治具118に設けておいても、本体ゴム部84は軸方向全長に亘り予定した圧縮率で十分に予圧縮される。
以上のようにして拡径治具118を上カップ金具28の筒状部36に圧入し拡径を行ったら、次に受治具126をガイドピン130とともに拡径加工品から取り除いて、図8に示すように拡径加工品を上下逆向きとなし、第2の受治具134にて上カップ金具28の鍔部42を下側から受け、支持した状態とする。
尚この第2の受治具134もまた円環状をなしていて、中心部に抜出穴136を有しており、その抜出穴136に、筒状部36に圧入されてそこに固定状態に保持された状態の拡径治具118を嵌入させる。
即ち受治具134は、拡径治具118の周りにおいて上カップ金具28の鍔部42を下側から受けてこれを支持する。
138は抜出ピンで、図中上端部に押圧部140を有している。
図8は、拡径治具118を抜き出す工程を示したもので、ここでは同図に示しているように受治具134にて上カップ金具28の鍔部42を支持した状態で、底部40の挿通孔48を通じて抜出ピン138を図中下向きに挿入し、更にこれを下向きに押し込んで、上カップ金具28に固定状態にある拡径治具118を受治具134の抜出孔136を通じて下向きに抜き出し、拡径治具118を上カップ金具28から離脱させる。
尚、ここでは拡径治具118の1回の圧入による拡径によって、小径部112を最終の拡径寸法まで拡径するようになしているが、拡径操作を複数回に分けて、段階的に小径部112を順次に拡径して行き、最終の拡径寸法となすようにしても良い。
以上のようにして上カップ金具28aに対する拡径加工を行い、本体ゴム部84に予圧縮を与えたところで、次に、下カップ金具34を上カップ金具28に溶接接合することで、図2に示すアッパーサポート18が得られる。
以上のように本実施形態の製造方法にあっては、従来、上カップ金具28とは別途に必要とされていた円筒状のインナ金具を省略し得てアッパーサポート18を軽量化及びコスト低減することができるとともに、上カップ金具28aの筒状部38を拡径加工することでゴム弾性体32に予圧縮を与えるに際し、拡径加工を小径部112だけに施して、鍔部42に続く筒状部36の上部の大径部110については拡径加工を施さず、変形を生ぜしめないために、拡径加工によって上カップ金具28aの鍔部42が上向きに反り返り変形するのを防止できる。
従って上カップ金具28aに対する拡径加工後において鍔部42の形状を矯正する工程を不要となし得、従ってまた矯正工程で発生するばらつきの問題も無くすことができるとともに、鍔部42の変形により鍔部42に設けてある車両への組付用の穴44,46の変形も防ぐことができる。
本実施形態ではまた、上記段差部114の位置する軸方向位置において、ゴム弾性体32にその外周面から段差部114に向う径方向内向きのえぐり部100を周方向に沿って環状に設けて、そのえぐり部100によりゴム弾性体32を、本体ゴム部84の側と、上記鍔部42の下面のリバウンド側のストッパゴム部102とに径方向全体に亘って軸方向の上下に分断してあるため、インナ金具としての上カップ金具28の筒状部36とアウタ金具30の外筒部64とを径方向に連結した形で、段差部114の位置していた部分の外周側に予圧縮の与えられないゴム部が生じるのを有効に防止でき、その予圧縮の与えられない部分で亀裂発生するのを効果的に抑制することができる。
一方でこの実施形態では、本体ゴム部84の側とストッパゴム部102の側とが薄ゴム部104にて繋がっているため、ゴム弾性体32の成形時においてそれらを良好に同時成形することができる。
また本実施形態では、拡径治具118の先端側外周面をテーパ部122となしているため、拡径治具118により筒状部36を拡径したときに、底部40側の下端から底部40にかけての部分に亀裂発生するのを有効に防止することができる。
またこのようなテーパ部122を拡径治具118に設けておくことで、拡径治具118を筒状部36に円滑に軸方向に圧入して小径部112を拡径加工することができる。
更に本実施形態の製造方法における上カップ金具28aの筒状部36(具体的には小径部112)の拡径加工の工程では、拡径加工を円滑且つ良好に行うことができ、また上カップ金具28aの内部に圧入され固定された状態の拡径治具118を良好に上カップ金具28から抜き出すことができる。
次に図10は本発明の他の実施形態を示している。
この例では、アウタ金具30の外筒部64が(内周面及び外周面ともに)、下方に進むにつれて上カップ金具28の筒状部36との間の間隔を拡げる形状の、角度αで傾斜した下拡がりの傾斜形状となしてある(従って外筒部64は拡径前の上カップ金具28aの筒状部36に対しても傾斜している)。
図11に示すように外筒部64が上カップ金具28の軸方向にストレート形状をなす上記実施形態の場合、小径部112に対する拡径加工によって、若干上カップ金具28を図中上向きに押し上げようとする力が働く。
そのため、アウタ金具30に対する上カップ金具28の軸方向の相対位置が図中上方に移動する可能性がある。
これは次のような理由による。
ゴム弾性体32は、本体ゴム部84の上側に、ストッパ当り部68の上面を被覆する被覆ゴム層69を備えた上ゴム部71を、本体ゴム部84に連続して有しており、この上ゴム部71は、小径部112の拡径加工によってある程度圧縮されるものの、その圧縮の程度は本体ゴム部84に比べて弱い。
そのため小径部112を拡径加工したとき、強く圧縮される本体ゴム部84のゴム肉が、圧縮の弱い上ゴム部71の方へと逃げようとする。
しかも上ゴム部71の被覆ゴム層69はゴム幅Wが大きく、そこにゴム肉が逃げ易い形となっている。
他方、本体ゴム部84の下側は上向きのえぐり部90とされていて、そこにはゴム部は存在しておらず、僅かに本体ゴム部84からバウンド側のストッパゴム部88への移行部73にゴム部が存在しているに過ぎない。
従って本体ゴム部84のゴム肉は、これより下方の側には逃げ難い。
その結果、拡径加工によって本体ゴム部84のゴム肉が上側に逃げようとすることで、上カップ金具28に対し上向きの力が働いて、上カップ金具28がアウタ金具30に対し、軸方向の相対位置を図中上方に移動させてしまう可能性がある。
而して上カップ金具28がアウタ金具30に対し軸方向の相対位置を上向きに移動させると、図11(D)に示しているように径方向内向きのえぐり部100の内端近傍部が引張られて、そこに引張り歪みが発生する恐れがある。
これに対し図10に示す実施形態のものでは、アウタ金具30の外筒部64が、下拡がりの傾斜形状をなしているため、小径部112を拡径加工したときに、外筒部64の傾斜形状による効果によって、本体ゴム部84に対しこれを下向きに押す力が発生する。
加えて外筒部64を傾斜形状とすることによって、本体ゴム部84の下端側のゴム幅Wが拡大するとともに、本体ゴム部84からストッパゴム部88への移行部73のゴム幅が拡大するため、同部分を通じて本体ゴム部84のゴム肉が、ストッパゴム部88の側へと逃げ易くなる。
その結果として本実施形態のものでは、小径部112の拡径加工時に、本体ゴム部84のゴム肉が上方に逃げようとする力と、下方に逃げようとする力とがバランスし、結果として上カップ金具28を図中上向きに押す力が効果的に低減ないし解消される。
そのために、この図10に示す実施形態においては、上カップ金具28の軸方向の位置移動に基づくゴムの引張り歪みの発生を無くし又は軽減することができる。
尚、外筒部64の傾斜角度αが必要以上に大きいと本体ゴム部84の下部の予圧縮が不十分となる恐れがあるため、角度αはこの点を考慮して適宜に定めることとなる。
以上本発明の実施形態を詳述したがこれはあくまで一例示である。
例えば上例では小径部112に対する拡径加工によって、その内周面を軸方向(上下方向)のストレート形状となしているが、場合によって本体ゴム部84の様々な形状等に応じて、内周面の形状をストレート形状以外の形状となすことも可能であるし、また場合によって筒状部36に若干の段差部を残す形で小径部112を拡径加工するといったことも可能である。
更に図6及び図7に示す拡径加工の工程では、拡径治具として中心部に孔120を有するものを用いているが、このような孔120を有しないものを用いて拡径加工するようになすことも可能である。
その他、本発明は車体荷重が本体ゴム部を経てコイルスプリングにかかる形態のアッパーサポートに対して適用することも可能である等、本発明はその趣旨を逸脱しない範囲において種々変更を加えた態様・構成で実施することも可能である。
12 ショックアブソーバ
16 ピストンロッド
18 アッパーサポート
28,28a 上カップ金具
30 アウタ金具
32 ゴム弾性体
36 筒状部
40 底部
42 鍔部
48 挿通孔
64 外筒部
68,70 ストッパ当り部
84 本体ゴム部
90,100 えぐり部
102 ストッパゴム部
104 薄ゴム部
110 大径部
112 小径部
114 段差部
118 拡径治具
120 孔
122 テーパ部
126 受治具
130 ガイドピン
134 第2の受治具
138 抜出ピン

Claims (11)

  1. (a)インナ金具と、(b)径方向に離隔した位置で該インナ金具周りに配置されたアウタ金具と、(c)それらインナ金具とアウタ金具とを弾性連結する状態に該インナ金具及びアウタ金具に一体に加硫接着されたゴム弾性体と、を有し、該インナ金具側においてショックアブソーバのピストンロッドに、該アウタ金具側において車体にそれぞれ固定されて、それらピストンロッドと車体とを弾性連結し防振作用するアッパーサポートの製造方法であって、
    筒状部と該筒状部の下端側の、中心部に前記ピストンロッドの挿通孔を有する底部、及び該底部とは反対側の該筒状部の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部を有する、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具を前記インナ金具となして前記ゴム弾性体と直接一体加硫接着するようになし、
    前記カップ金具は、前記ゴム弾性体との一体加硫接着前の前記筒状部の形状を、前記鍔部に続く上部を大径部とし、前記底部側の下部を小径部とし、それら大径部と小径部との間の部分を段差部として有する形状となして、該大径部の内径を、前記筒状部に対する拡径加工後の寸法として求められる内径に設定しておき、
    前記ゴム弾性体との一体加硫接着後において、前記小径部に対する拡径治具の圧入により該小径部を拡径加工して該ゴム弾性体の該小径部に対応する部分に予圧縮を与える一方、前記大径部に対しては拡径加工を施さずに寸法及び形状を保持することを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  2. 請求項1において、前記小径部の上端の内径を前記大径部の内径と同内径とし、前記段差部を解消するまで該小径部を拡径加工することを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  3. 請求項2において、前記大径部の内周面と前記小径部の、前記ゴム弾性体に対して予圧縮を与える部分の下端に到るまでの内周面とを、該小径部の前記拡径加工によって連続した軸方向のストレート形状とすることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  4. 請求項1〜3の何れかにおいて、前記アウタ金具には、前記カップ金具の前記筒状部を径方向外方に離隔した位置で取り囲む形状の外筒部が設けてあって、
    前記ゴム弾性体が、該カップ金具の該筒状部と該外筒部とで径方向に挟まれる筒状の本体ゴム部を有するものとなしてあり、
    前記小径部の拡径加工により該本体ゴム部に対し予圧縮を与えることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  5. 請求項4において、前記ゴム弾性体には、前記段差部の位置する軸方向位置において外周面から該段差部に向う径方向内向きのえぐり部を周方向に沿って環状に設けて、該えぐり部により、前記ゴム弾性体の、前記小径部の拡径により予圧縮の与えられる前記本体ゴム部と、前記鍔部の下面のリバウンド側のストッパゴム部とが、該段差部の外周面に接着剤にて動きの拘束される肉厚の薄い薄ゴム部を残して、径方向全体に亘って軸方向の上下に分断してあることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  6. 請求項4,5の何れかにおいて、前記ゴム弾性体は、前記カップ金具の筒状部と前記アウタ金具の外筒部との間において下面から上向きに向う周方向に環状をなす上向きのえぐり部を有して、該えぐり部の上側に前記本体ゴム部を形成するものとなしてあることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  7. 請求項4において、前記アウタ金具には、前記鍔部に対向してリバウンド側のストッパ当り部が前記外筒部に続いて設けてあるとともに、
    前記ゴム弾性体は、該ストッパ当り部の上面を被覆する被覆ゴム層を有する、前記本体ゴム部の上側の上ゴム部を有するものとなしてあり、
    該ゴム弾性体には、前記段差部の位置する軸方向位置において外周面から該段差部に向う径方向内向きのえぐり部を周方向に沿って環状に設けて、該えぐり部により前記ゴム弾性体を、前記本体ゴム部及び前記上ゴム部と前記鍔部の下面側のリバウンド側のストッパゴム部とに、該段差部の外周面に接着剤にて動きの拘束される肉厚の薄い薄ゴム部を残して、径方向全体に亘って軸方向の上下に分断してあるとともに、
    前記外筒部は、下方に進むにつれて前記カップ金具の前記筒状部との間の間隔を拡げる下拡がりの傾斜形状となしてあり、
    更に前記ゴム弾性体は、前記カップ金具の筒状部と前記アウタ金具の外筒部との間において下面から上向きに向う周方向に環状をなす上向きのえぐり部を有して、該えぐり部の上側に前記本体ゴム部を形成するものとなしてあることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  8. 請求項6,7の何れかにおいて、前記拡径治具は、圧入側の先端部の外周面を先端に向って外径が漸次減少する形状のテーパ部となし、該テーパ部は、該拡径治具の圧入完了状態の下で上端位置が前記上向きのえぐり部の上端以下の位置に位置する形状となしてあることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  9. 請求項8において、前記拡径治具は、前記テーパ部により前記小径部の、前記上向きのえぐり部に対応する部分を拡径するものとなしてあることを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  10. 請求項1〜9の何れかにおいて、前記拡径治具を前記小径部に圧入して該小径部を拡径加工するに際し、
    前記拡径治具として、圧入側の先端面で開口して該先端面から軸方向に伸びる孔を有するものを用いるとともに、
    前記カップ金具の前記底部を下側から受ける受治具を用意して、該受治具からガイドピンを上向きに突出させておき、
    該受治具にて前記底部を受け且つ前記ガイドピンを該底部の前記挿通孔から上向きに突出させた状態で、該ガイドピンを前記孔に挿入させながら前記拡径治具を前記小径部に対して下向きに圧入して該小径部を拡径加工し、
    しかる後、前記受治具を前記ガイドピンとともに取り除くとともに、拡径加工品の上下向きを反転させて、前記カップ金具の前記鍔部を第2の受治具で下側から受けた状態で、前記小径部に圧入されて固定状態にある前記拡径治具の前記孔に抜出ピンを下向きに押し込んで、該拡径治具を該カップ金具から抜き出すことを特徴とするアッパーサポートの製造方法。
  11. (a)インナ金具と、(b)径方向に離隔した位置で該インナ金具周りに配置されたアウタ金具と、(c)それらインナ金具とアウタ金具とを弾性連結する状態に該インナ金具及びアウタ金具に一体に加硫接着されたゴム弾性体と、を有し、該インナ金具側においてショックアブソーバのピストンロッドに、該アウタ金具側において車体にそれぞれ固定されて、それらピストンロッドと車体とを弾性連結し防振作用するアッパーサポートであって、
    筒状部と該筒状部の下端側の、中心部に前記ピストンロッドの挿通孔を有する底部、及び該底部とは反対側の該筒状部の上端側で径方向外方に張り出したリバウンドストッパ部として働く鍔部を有する、リバウンドストッパ金具を兼ねたカップ金具を前記インナ金具となして前記ゴム弾性体と直接一体加硫接着してあり、
    前記カップ金具における前記底部側の下部が軸方向において部分的に拡径されることで、前記ゴム弾性体における該下部に対応した部分に予圧縮が与えられていることを特徴とするアッパーサポート。
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