JP2012088678A - 定着装置及び画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】簡単な構成で内周面に潤滑剤が塗布された定着部材に対して面状発熱体を潤滑剤の温まり方に応じて加圧力を変化させて当接させ、前記定着部材を効率的かつ均一に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】内周面に潤滑剤が塗布された定着スリーブ21と、加圧ローラ31と、加圧ローラ31の押圧により定着スリーブ21を介して該加圧ローラ31と当接してニップ部を形成する当接部材26と、定着スリーブ21の内周側で接触して加熱する面状発熱体22と、定着スリーブ21の内周側で面状発熱体22を支持する発熱体支持部材32aと、発熱体支持部材32aの面状発熱体22を支持する面とは反対側の面と離間して固設されたコア保持部材28と、コア保持部材28と発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22を支持する面とは反対側の面との間に配置され、発熱体支持部材32aを定着スリーブ21側に押圧する弾性部材32bと、を備える。
【選択図】図4

Description

本発明は、面状発熱体を用いた定着装置及び該定着装置を備える電子写真方式、静電記録方式等を利用したFAX、プリンタ、複写機またはそれらの複合機等の画像形成装置に関するものである。
従来から、複写機、プリンタ等の画像形成装置として、電子写真方式を利用した画像形成装置が種々考案されており公知技術となっている。その画像形成プロセスは、像担持体である感光ドラムの表面に静電潜像を形成し、感光ドラム上の静電潜像を現像剤であるトナー等によって現像して可視像化し、現像された画像を転写装置により記録紙(用紙、記録媒体ともいう)に転写して画像を担持させ、圧力や熱等を用いる定着装置によって記録紙上のトナー画像を定着する過程により成立している。
この定着装置では、対向するローラもしくはベルトもしくはそれらの組み合わせにより構成された定着部材及び加圧部材が当接してニップ部を形成するように配置されており、該ニップ部に記録紙を挟みこみ、熱および圧力を加え前記トナー像を記録紙上に定着することを行っている。
前記定着装置の一例を挙げると、複数のローラ部材に張架された定着ベルトを定着部材として用いる技術が知られている(例えば、特許文献1参照。)。このような定着ベルトを用いた装置は、定着部材としての定着ベルト(無端状ベルト)、定着ベルトを張架・支持する複数のローラ部材、複数のローラ部材のうち1つのローラ部材に内設されたヒータ、加圧ローラ(加圧部材)、等で構成されている。ヒータは、ローラ部材を介して定着ベルトを加熱する。そして、定着ベルトと加圧ローラとの間に形成されたニップ部に向けて搬送された記録媒体上のトナー像は、ニップ部にて熱と圧力とを受けて記録媒体上に定着される(ベルト定着方式)。
また、上述した画像形成装置に用いられる定着装置において、回転体である定着部材の内面に摺接する固定部材を有している定着装置がある。
例えば、特許文献2では、発熱体としてのセラミックヒータと、加圧部材としての加圧ローラとの間に耐熱性フィルム(定着フィルム)を挟ませて定着ニップ部を形成させ、前記定着ニップ部のフィルムと加圧ローラとの間に画像定着すべき未定着トナー画像を形成担持させた被記録材を導入して、フィルムと一緒に挟持搬送させることで、ニップ部においてセラミックヒータの熱がフィルムを介して被記録材に与えられ、また、定着ニップ部の加圧力にて未定着トナー画像を被記録材面に熱圧定着させるフィルム加熱方式の定着装置が開示されている。このフィルム加熱方式の定着装置は、セラミックヒータ及びフィルムとして低熱容量の部材を用いてオンデマンドタイプの装置を構成することができるとともに、画像形成装置の画像形成実行時のみ熱源としてのセラミックヒータに通電して所定の定着温度に発熱させた状態にすればよく、画像形成装置の電源オンから画像形成実行可能状態までの待ち時間が短く(クイックスタート性)、スタンバイ時の消費電力も大幅に小さい(省電力)等の利点がある。
また、特許文献3,4では、表面が弾性変形する回転可能な加熱定着ロールと、前記加熱定着ロールに接触したまま走行可能なエンドレスベルト(加圧ベルト)と、前記エンドレスベルトの内側に非回転状態で配置されて、前記エンドレスベルトを前記加熱定着ロールに圧接させ、前記エンドレスベルトと前記加熱定着ロールとの間に記録紙が通過させられるベルトニップを設けると共に、前記加熱定着ロールの表面を弾性変形させる加圧パッドとを具備してなる加圧ベルト方式の画像定着装置が提案されている。この定着方式によれば、下の加圧部材をベルトにし、用紙とロールの接触面積を広げることで熱伝導効率を大幅に向上させ、エネルギー消費を抑制すると同時に小型化を実現することが可能となっている。
しかしながら、上述した特許文献1記載の定着装置は、定着ローラを用いた装置に比べて装置の高速化に適しているものの、ウォームアップ時間(プリント可能な温度に達するまでに要する時間である。)やファーストプリント時間(プリント要求を受けた後にプリント準備を経てプリント動作をおこない排紙が完了するまでの時間である。)の短縮化に限界があった。
これに対して、特許文献2記載の定着装置は、低熱容量化によりウォームアップ時間やファーストプリント時間の短縮化が可能になるとともに、装置の小型化も可能になる。しか、特許文献2記載の定着装置では、耐久性の問題と、ベルト温度安定性の問題があった。すなわち、熱源であるセラミックヒータとベルト内面の摺動による耐磨耗性が不十分であり、長時間運転すると連続摩擦を繰り返す面が荒れて摩擦抵抗が増大し、ベルトの走行が不安定になる、もしくは定着装置の駆動トルクが増大する等の現象が生じ、その結果、画像を形成する転写紙のスリップが生じ画像のずれが生じる、または駆動ギヤに係る応力が増大し、ギヤの破損を引き起こすという不具合が発生した(課題1)。
また、フィルム加熱方式の定着装置では、ベルトをニップ部で局所的に加熱しているため回転するベルトがニップ入り口に戻ってくる際に、ベルト温度は最も冷えた状態になり、(特に高速回転を行うと)定着不良が出やすいという問題があった(課題2)。
一方、特許文献3では、圧力パッドの表層に低摩擦シート(シート状摺動材)としてPTFEを含浸させたガラス繊維シート(PTFE含浸ガラスクロス)を用い、ベルト内面と固定部材の摺動性の問題を改善する手段が開示されている。しかし、このような加圧ベルト方式の定着装置(特許文献3,4)では、定着ローラの熱容量が大きく、昇温が遅いため、ウォームアップにかかる時間が長いという問題があった。(課題3)。
以上のような課題1〜3に対して、特許文献5,6では、無端状の定着ベルトの内周側に配置される略パイプ状の対向部材(金属熱伝導体)と、前記対向部材の内周側に配置され該対向部材を加熱するセラミックヒータ等の抵抗発熱体とを設けることにより、定着ベルト全体を温めることを可能にし、ウォームアップ時間やファーストプリント時間を短縮することができ、かつ高速回転時の熱量不足を解消することのできる定着装置が提案されている。しかしながら、可撓性のある定着ベルトが回転走行中に金属熱伝導体から大きく離間する箇所が発生することがあり、その箇所では熱伝達が行われないことから、金属伝導体が過昇温の状態となってヤケが発生し定着ベルトの回転トルクが上昇する問題があった。
また、特許文献7では、無端状の定着ベルトと、該定着ベルトに圧接して記録媒体が搬送されるニップ部を形成する加圧ローラと、前記定着ベルトの内周面側に固設されて当該定着ベルトを加熱する抵抗発熱体と、を備え、前記抵抗発熱体は、前記定着ベルトの内周面に対して圧接しないように微小ギャップで配設され、輻射熱で定着ベルト全体を加熱する定着装置が提案されている。これにより、ウォームアップ時間やファーストプリント時間をより短くし、装置を高速化した場合であっても定着不良や定着部材及び抵抗発熱体の磨耗・破損等の不具合が生じないようにすることができるものとしている。
しかしながら、特許文献7記載の定着装置では、加熱効率の低下を抑制するために定着ベルトと抵抗発熱体とを近接した状態に配置していることから、可撓性のある定着ベルトが回転走行する際には部分的に抵抗発熱体と接触することがあり、その接触部分の伝熱によって定着ベルトが不均一に加熱されて温度ムラが発生することがあった。
また、特許文献7記載の定着装置においては、加圧ローラの回転、振動に起因する応力が抵抗発熱体に繰り返し作用して、前記抵抗発熱体の屈曲が繰り返し行われるようになるが、該抵抗発熱体が金属材料からなるものであるため、繰り返しの屈曲による疲労破壊により断線して定着ベルトの適切な加熱が行われないことがあった。
また一方、特許文献5記載の定着装置では、定着ベルト側に加圧部材である加圧ローラを押圧して形成するニップ部を金属熱伝導体で支持する構成であるため、ニップ部におけるニップ幅、圧力などが不安定なものとなっていた。
そこで、特許文献8では、定着ベルトと加圧ローラとによるニップ部やパイプ状の金属体の状態、形状、位置などを保持して安定させるため、ニップ部が形成される部位に対応させてニップ形成部材(当接部材)及び補強部材などを設ける構成が提案されている。
しかしながら、特許文献8記載の定着装置では、ニップ形成部材(当接部材)と定着ベルトとの摩擦を低減させるために両者の間にグリスやオイル等の潤滑剤を塗布しているが、装置始動時(立上げ時初期)など装置が冷えているときにはこの潤滑剤の温度も低く粘性が高いためにニップ形成部材(当接部材)と定着ベルトの間の摺動抵抗が大きく、加圧ローラの駆動トルクがかえって大きくなるという問題が発生した。
そこで、特許文献9では、サーミスタの検知温度を用いて温度が低い場合には加圧ローラの加圧力を小さくし、高くなると加圧力を大きくするように加圧力を変化させる技術が提案されている。しかしながら、サーミスタ検知温度に応じて加圧力を多段階に変化させる機構が必要になり複雑な制御も必要となり好ましいものではなかった。
また、特許文献10では、抵抗発熱体をベルトにバネで押し付けて加熱する定着装置が開示されており、押し付け力が大きくなるごとに接触熱抵抗が小さくなることが報告されているが、バネ荷重を可変にする機構がないため、潤滑剤の温度が低く摺動抵抗が最も大きくなるときに押し付け荷重は制限されてしまうことになる。
本発明は、以上の従来技術における問題に鑑みてなされたものであり、簡単な構成で内周面に潤滑剤が塗布された定着部材に対して面状発熱体を潤滑剤の温まり方に応じて加圧力を変化させて当接させ、前記定着部材を効率的かつ均一に加熱する定着装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
前記課題を解決するために提供する本発明は、以下の通りである。
〔1〕 回転する無端状ベルトであって内周面に潤滑剤(グリス、潤滑オイル等)が塗布されてなる定着部材(定着スリーブ21)と、前記定着部材の外周側に該定着部材を押圧可能に配置される加圧部材(加圧ローラ31)と、前記定着部材の内周側に配置され、前記加圧部材の押圧により前記定着部材を介して該加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材(当接部材26)と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材と接触して加熱する面状発熱体(面状発熱体22)、前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され、該面状発熱体を支持する発熱体支持部材(発熱体支持部材32a)と、定着部材の内周側に前記発熱体支持部材の前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面と離間して固設された支持部材(コア保持部材28)と、前記支持部材と前記発熱体支持部材における前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面との間に配置され、前記発熱体支持部材を前記定着部材側に押圧する弾性部材(弾性部材32b)と、を備え、前記発熱体支持部材は、前記面状発熱体の発熱に伴って前記弾性部材の押圧に対向する方向に熱膨張することを特徴とする定着装置(定着装置20、図4,図11,図13,図14)。
〔2〕 前記支持部材は前記当接部材を保持しており、前記加圧部材の押圧方向に、前記当接部材、前記支持部材、前記弾性部材、前記発熱体支持部材、前記面状発熱体がこの順番で配列されていることを特徴とする前記〔1〕に記載の定着装置(図4,図11,図13)。
〔3〕 前記支持部材と前記発熱体支持部材における前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面との間に配置され、前記発熱体支持部材における前記弾性部材の押圧に対向する方向への熱膨張を制限するストッパ部材(ストッパ部材32s,32t)を備えることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の定着装置(図4,図11)。
〔4〕 前記発熱体支持部材は、耐熱樹脂発泡体からなることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の定着装置(図11,図14)。
〔5〕 前記発熱体支持部材は、耐熱樹脂発泡体(耐熱樹脂発泡体32a1)と該耐熱樹脂発泡体よりも熱膨張率の大きな耐熱ゴム部材(耐熱ゴム部材32a2)とからなることを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の定着装置(図4,図13)。
〔6〕 前記面状発熱体は、絶縁性を有する基層(基層22a)上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層(抵抗発熱層22b)と、該抵抗発熱層に電力を供給する電極層(電極層22c)と、が形成され、前記定着部材の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シート(発熱シート22s)を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の定着装置(図3)。
〔7〕 前記面状発熱体と接触している位置の前記定着部材の温度を検知する定着部材温度検知手段(温度検知手段40)を備え、前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度に応じて、前記面状発熱体に投入する電力を変化させることを特徴とする前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の定着装置(図4,図11,図13,図14、表1)。
〔8〕 前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度(所定温度A)未満の場合、前記面状発熱体に投入する電力の上限値を前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度(所定温度A)以上の場合の上限値よりも小さくすることを特徴とする前記〔7〕に記載の定着装置(表1)。
〔9〕 当該定着装置近傍の環境温度を検知する環境温度検知手段(環境温度検知手段41)を備え、前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段及び前記環境温度検知手段により検知される温度に応じて、前記面状発熱体に投入する電力を変化させることを特徴とする前記〔7〕または〔8〕に記載の定着装置(図12、表2)。
〔10〕 前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度(所定温度A)未満の場合、前記面状発熱体に投入する電力の上限値を前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度(所定温度A)以上の場合の上限値よりも小さくするとともに、さらに前記環境温度検知手段により検知される温度が所定の環境温度(環境温度B)未満の場合にはその上限値を前記環境温度検知手段により検知される温度が所定の環境温度(環境温度B)以上の場合の上限値よりも小さくすることを特徴とする前記〔9〕に記載の定着装置(表2)。
〔11〕 前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の定着装置(定着装置20)を備えることを特徴とする画像形成装置(画像形成装置1、図12)。
本発明の定着装置によれば、面状発熱体を支持する発熱体支持部材の熱膨張と弾性部材の弾性力を利用することで、潤滑剤の温まり方に対応させて定着部材への面状発熱体の押し付け力を変化させるので、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置の回転駆動における低トルク化と定着部材への面状発熱体の押し付け力の適正化とを両立することができる。
本発明の画像形成装置によれば、本発明の定着装置を用いるので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
本発明に係る定着装置の前提となる参考例の構成を示す断面図である。 定着スリーブにおける軸方向、周方向を示す概略図である。 本発明で用いる発熱シートの構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の第1の実施形態の構成を示す断面図である。 発熱体押圧機構部の構成を示す斜視図である。 発熱体押圧機構部の構成を示す上面図である。 本発明の定着装置の立ち上げ動作における定着スリーブと面状発熱体の接触力(面圧)の変化を示す図である。 本発明の定着装置の立ち上げ動作における回転駆動に関する動トルクの変化を示す図である。 発熱体支持部材への面状発熱体の接着例(1)を示す断面図である。 発熱体支持部材への面状発熱体の接着例(2)を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の第2の実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る画像形成装置の構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の第3の実施形態の構成を示す断面図である。 本発明に係る定着装置の第4の実施形態の構成を示す断面図である。 本発明の定着装置において、ウォームアップ動作中の面状発熱体への投入電力制限を1200W一定とした場合の面状発熱体と定着スリーブの温度プロファイルである。 本発明の定着装置において、ウォームアップ動作中の面状発熱体への投入電力制限を800W一定とした場合の面状発熱体と定着スリーブの温度プロファイルである。 本発明の定着装置において、ウォームアップ動作中の面状発熱体への投入電力制限を定着スリーブの検知温度に基づいて可変とした場合の面状発熱体と定着スリーブの温度プロファイルである。
まず、本発明に係る定着装置の前提となる参考例について説明する。
図1は、本発明に係る定着装置の前提となる参考例の構成を示す断面図である。
図1に示すように、定着装置50は、回転する無端状ベルトからなる定着部材(定着スリーブ21(定着回転体ともいう))と、前記定着部材の外周面と当接する加圧部材(加圧ローラ31(加圧回転体ともいう))と、前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材を介して前記加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材(当接部材26)と、前記定着部材の内周側に該定着部材と当接または近接して配置され、前記定着部材を直接または間接的に加熱する面状発熱体(面状発熱体22)と、前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され、該面状発熱体を所定位置で支持する発熱体支持部材(発熱体支持部材23)と、を備える。なお、図1では、面状発熱体22と定着スリーブ21の内周面とが離間しているように図示しているが、実際には面状発熱体22が定着スリーブ21の内周面と当接し、直接加熱する構成となっている。
ここで、定着スリーブ21は、軸方向が通紙される記録媒体Pの幅に対応する長さを有し、可撓性を有するパイプ形状の無端状ベルトであり、例えば厚さが30〜50μmの金属材料からなる基材上に少なくとも離型層を形成したものであって、外径が30mmになっている。また、定着スリーブ21の内周面には、当接部材26との間の摺動抵抗を低減させるために、グリスや潤滑オイルなどの潤滑剤が塗布されている。
なお以降、図2(a)に示すように、定着スリーブ21のパイプ長手方向を軸方向と、図2(b)に示すように、定着スリーブ21のパイプ円周方向を周方向と称する。
定着スリーブ21の基材を形成する材料としては、鉄、コバルト、ニッケル、又はこれらの合金等の伝熱性のよい金属材料を用いることができる。
定着スリーブ21の離型層は、層厚が10〜50μmであって、PFA(4フッ化エチレンバーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂)、PTFE(4フッ化エチレン樹脂)、ポリイミド、ポリエーテルイミド、PES(ポリエーテルサルファイド)、等の材料で形成されている。
離型層は、記録媒体P上のトナー像(トナー)Tが直接的に接する定着スリーブ21表面のトナー離型性を高めるためのものである。
加圧ローラ31は、アルミニウム、銅等の金属材料からなる芯金上に、シリコーンゴム(ソリッドゴム)等の耐熱性弾性層、離型層が順次形成されたものであって、外径が30mmになっている。弾性層は、肉厚が2mmとなるように形成されている。離型層は、PFAチューブを被覆したものであって、厚さが50μmになるように形成されている。また、芯金内には必要に応じてハロゲンヒータなどの発熱体を内蔵してもよい。また、加圧ローラ31は、加圧手段(不図示)により定着スリーブ21を介して当接部材26に圧接され、その圧接部が定着スリーブ21側が凹んだニップ部を形成している。そして、このニップ部に、記録媒体Pが搬送されることになる。
また、加圧ローラ31は、定着スリーブ21に圧接した状態で不図示の駆動機構により駆動回転され(図1において時計回り方向に回転)、この加圧ローラ31の回転に伴って定着スリーブ21が従動回転することになる(図1において反時計回り方向に回転)。
当接部材26は、定着スリーブ21の軸方向に長さを有し、少なくとも定着スリーブ21を介して加圧ローラ31と圧接する部分がフッ素系ゴムなどの耐熱性を有する弾性体からなるものであり、コア保持部材28により定着スリーブ21の内周側の所定位置に保持された状態で固定されている。また、当接部分26の定着スリーブ21の内周面と接する部分はテフロン(登録商標)シートなどの摺動性及び耐磨耗性の優れた材料からなるものとするとよい。
コア保持部材28は、金属などの板材が板金加工されてなり、定着スリーブ21の軸方向の長さに対応する長さを有し断面がH型形状の剛性部材であり、定着スリーブ21の内周側の略中心部分に配置されるものである。
またコア保持部材28は、定着スリーブ21の内周側に配置される種々の部材を所定位置に保持するものであり、例えばコア保持部材28のH型の一方(加圧ローラ31に対向する側)のくぼんだ部分に当接部材26を収納保持し、当接部材26が加圧ローラ31により加圧されても大きく変形しないようにニップ部とは反対面側から支持している。また、コア保持部材28は、当接部材26を該コア保持部材28から加圧ローラ31側に少し突出するように保持しており、ニップ部でコア保持部材28が定着スリーブ21に接触しないように配置されている。
また、コア保持部材28のH型の他方(加圧ローラ31側とは反対側)のくぼんだ部分に、定着スリーブ21の軸方向の長さに対応する長さを有し断面がT字型形状の端子台ステイ24及び端子台ステイ24上に延設され外部からの電力を供給する給電線25を収納保持している。さらに、コア保持部材28のH型の外面に発熱体支持部材23を保持している。図1では、定着スリーブ21の下方半周分(ニップ部の入側半周分)の領域で発熱体支持部材23を保持している。その際、組み立て性を勘案して発熱体支持部材23とコア保持部材28を接着してもよい。あるいは発熱体支持部材23側からコア保持部材28側への伝熱を防止するために、両者を非接着としてもよい。
発熱体支持部材23は、面状発熱体22を定着スリーブ21の内周面と当接させて配置するために該面状発熱体22を支持するものである。そのため、発熱体支持部材23は、断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面を有している。
また、発熱体支持部材23は、面状発熱体22の発熱に耐えるだけの耐熱性と、回転走行する定着スリーブ21が面状発熱体22に接触した際に変形することなく面状発熱体22を支持するだけの強度と、面状発熱体22の熱をコア保持部材28側に伝えずに、定着スリーブ21側に伝えるようにする断熱性と、を有することが好ましく、例えばポリイミド樹脂の発泡成形体であることが好ましい。また、このポリイミド樹脂の発泡体の内部に補助的にソリッドの樹脂部材を設けて剛性を向上させるようにしてもよい。
面状発熱体22は、図3に示すように、絶縁性を有する基層22a上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層22bと、該抵抗発熱層22bに電力を供給する電極層22cと、が形成され、定着スリーブ21の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シート22sを有する。また、基層22a上には、抵抗発熱層22bと隣接する別の給電系統の電極層22cとの間や発熱シート22sの縁部分と外部との間を絶縁する絶縁層22dが設けられている。なお、面状発熱体22は、発熱シート22sの端部で電極層22cに接続され、給電線25から供給される電力を該電極層22cに供給する電極端子(不図示)を備える。
また、発熱シート22sの厚さは0.1〜1mm程度であり、少なくとも発熱体支持部材23の外周面に沿って巻きつけることができる程度の可撓性を有している。
ここで、基層22aは、PETまたはポリイミド樹脂などのある程度の耐熱性を有する樹脂からなる薄膜の弾性体フィルムであり、このうちポリイミド樹脂からなるフィルム部材であることが好ましい。これにより、耐熱性と、絶縁性と、ある程度の柔軟性(可撓性)を備える。
抵抗発熱層22bは、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂中にカーボン粒子や金属粒子などの導電性粒子が均一に分散してなる導電性を有する薄膜であり、通電されると内部抵抗によりジュール熱として発熱する構成となっている。このような抵抗発熱層22bは、ポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂の前駆体中にカーボン粒子や金属粒子などの導電性粒子を分散させた塗料を基層22a上に塗布して成膜するとよい。
また、抵抗発熱層22bは、基層22a上にまずカーボン粒子や金属粒子からなる薄膜の導電層が形成され、ついでその導電層上にポリイミド樹脂などの耐熱性樹脂からなる絶縁性薄膜を積層して一体化したものであってもよい。
なお、抵抗発熱層22bに使用するカーボン粒子は、通常のカーボンブラック粉末でもよいが、カーボンナノファイバ、カーボンナノチューブ、カーボンマイクロコイルの少なくともいずれかからなるカーボンナノ粒子であってもよい。
また、金属粒子は、Ag、Al、Niなどからなる粒子であり、その形状は粒状であってもよいし、フィラメント状であってもよい。
絶縁層22dは、ポリイミド樹脂などの基層22aと同じ耐熱性樹脂からなる絶縁材料を塗布により形成するとよい。
電極層22cは、導電性インクやAgなどの導電性ペーストなどを塗布して形成したものでもよいし、金属箔や金属網などを接着して形成したものであってもよい。
面状発熱体22を構成する発熱シート22sは、厚みの薄いシートであることから熱容量が小さく、急速な加熱が可能であり、その発熱量は抵抗発熱層22bの体積抵抗率によって任意に設定できる。すなわち、抵抗発熱層22bを構成する導電性粒子の構成材料、形状、大きさ、分散量などにより発熱量を調整することが可能であり、例えば単位面積当りの発熱量35W/cmで、総電力1200W程度の出力が得られる面状発熱体22の実現が可能である。この場合、発熱シート22sは、例えば幅(軸方向)20cm、長さ(周方向)2cm程度のサイズとなる。
また、面状発熱体としてステンレスなどの金属フィラメントからなるものを用いた場合、フィラメントの存在により面状発熱体の表面には凹凸が生じていることから、本発明のように定着スリーブ21の内周面と摺動させると、表面が容易に磨耗してしまうが、本発明で使用する発熱シート22sは前述のように表面に凹凸がなく平坦であることから、定着スリーブ21の内周面との摺動に対して優れた耐久性を示す。またさらに、発熱シート22sの抵抗発熱層22b表面にフッ素系樹脂をコーティングすると、定着スリーブ21の内周面との接触に対する耐久性がさらに向上するので好ましい。
なお、発熱シート22sの定着スリーブ21内周面における配置領域としては、図1では、定着スリーブ21の内周面のニップ部とは反対側の位置からニップ部手前までにかけて配置された構成が示されているが、これに限定されるものではない。
このように構成された定着装置50は、次のように動作する。
まず、画像形成装置が出力信号を受けると(例えばユーザの操作パネルの操作あるいはパソコンからの通信などにより画像形成装置に印刷要求があると)、定着装置50において、加圧脱圧手段により加圧ローラ31が定着スリーブ21を介して当接部材26を押圧し、ニップ部を形成する。
ついで、不図示の駆動装置によって、加圧ローラ31が図1において時計回り方向に回転駆動されると、定着スリーブ21も連れ回りして反時計回り方向に回転する。このとき、定着スリーブ21は、ニップ部上流側が張り側となり、発熱シート22sが定着スリーブ21と当接し摺動する状態となる。
そして、それと同期して外部電源または内部の蓄電装置から給電線25を通じて面状発熱体22に電力が供給され、発熱シート22sが発熱し、定着スリーブ21は該発熱シート22sから軸方向全幅において効率的に熱が伝達され、急速に加熱される。なお、駆動装置の動作と面状発熱体22による加熱は同時刻に同時に開始する必要はなく、適宜時間差を設けて開始しても良い。
このとき、ニップ部上流側であって、定着スリーブ21に対して接触又は非接触に配置された温度検知手段(不図示、温度検知手段40でもよい)で検知される温度により、ニップ部が所定の温度となるように、面状発熱体22による加熱制御が行われており、定着に必要な温度まで昇温された後、保持され、記録媒体Pの通紙が開始される。
このように、定着装置50では、定着スリーブ21及び面状発熱体22の熱容量が小さいため、省エネを図りつつウォームアップ時間やファーストプリント時間を短くすることができる。また、面状発熱体22における発熱シート22sは樹脂ベースのシートであるため、加圧ローラ31の回転、振動に起因する応力が発熱シート22sに繰り返し作用して、発熱シート22sの屈曲が繰り返し行われても疲労破壊することがなく、長時間の運転が可能である。
しかしながら、定着装置50では、定着スリーブ21の軸方向において温度ムラが生じ、安定した定着処理を行うことが困難なことがあった。発明者らは、その温度ムラの原因を調査したところ、定着スリーブ21の軸方向において面状発熱体22(発熱シート22s)が均一に接触していない場合があり、軸方向での伝熱の効率にばらつきがあることにより温度ムラが発生していることを把握した。
ここで、面状発熱体22(発熱シート22s)を定着スリーブ21の内周面に押し付けるようにして軸方向に均一に接触させると温度ムラを抑えることが可能となる。しかしながら、このとき面状発熱体22と定着スリーブ21の間の接触熱抵抗を小さくするために押し付け力を大きくしたいが、あまり押し付け力が大きいと両者間の摺動抵抗が増加し定着スリーブ21が回転しなくなってしまう。また、定着スリーブ21の内周面にグリス等の潤滑剤を塗布している場合、装置立上げ初期などの冷間時では潤滑剤が冷えていてその粘度が大きいため特に面状発熱体22と定着スリーブ21の間の摺動抵抗が大きい。そのため、それらの関係を考慮すると、潤滑剤の温度が低いときは面状発熱体22と定着スリーブ21の間の押し付け力を小さくし、潤滑剤の温度が高くなるにつれてその押し付け力を大きくなるようにすることが望ましい。また、その押し付け機構はできるだけ簡単な構成のものであることが好適である。
発明者らは、この考え方に基づいて鋭意検討を行い、本発明を完成させた。
以下、本発明に係る定着装置の構成について説明する。
図4は、本発明に係る定着装置の第1の実施形態における構成を示す断面概略図である。図4(a)は、定着装置20の装置立ち上げ時など装置が室温程度に冷えている時(冷間時)の状態を示しており、図4(b)は定着装置20の装置立ち上げ後など装置内の所定部材(発熱体支持部材32aなど)が熱膨張している時(熱膨張時)の状態を示している。
図4に示すように、定着装置20は、回転する無端状ベルトであって内周面に潤滑剤(グリス、潤滑オイル)が塗布されてなる定着スリーブ21と、定着スリーブ21の外周側に該定着スリーブ21を押圧可能に配置される加圧ローラ31と、定着スリーブ21の内周側に配置され、加圧ローラ31の押圧により定着スリーブ21を介して該加圧ローラ31と当接してニップ部を形成する当接部材26と、定着スリーブ21の内周側に配置され、該定着スリーブ21と接触して加熱する面状発熱体22(発熱シート22s)と、定着スリーブ21の内周側に該定着スリーブ21との間に面状発熱体22(発熱シート22s)を挟むように配置され、該面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する発熱体支持部材32aと、定着スリーブ21の内周側に発熱体支持部材32aの面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面と離間して固設されたコア保持部材28と、コア保持部材28と発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面との間に配置され、発熱体支持部材32aを定着スリーブ21側に押圧する弾性部材32bと、を備える。
また、コア保持部材28と発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面との間に配置されるプレート形状のストッパ部材32sを備える。
このとき、発熱体支持部材32aと弾性部材32bとストッパ部材32sにより発熱体押圧機構部32を構成している。
また、面状発熱体22と接触している位置の定着スリーブ21の温度を検知する温度検知手段40を備えている。その詳細については後述する。
ここで、定着スリーブ21、端子台ステイ24、給電線25、当接部材26、コア保持部材28、加圧ローラ31は、図1に示した定着装置50を構成するものと同じであり、発熱体押圧機構部32が定着装置50と異なる部分である。以下、発熱体押圧機構部32について詳述する。
図5に発熱体押圧機構部32の斜視図を、図6に発熱体押圧機構部32を上から見た図(上面図)を示す。
発熱体押圧機構部32において、発熱体支持部材32aは、面状発熱体22(発熱シート22s)を定着スリーブ21の内周面と当接させて配置するために該面状発熱体22(発熱シート22s)を支持するものである。そのため、発熱体支持部材32aにおいて面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面は、断面形状を円形とした定着スリーブ21の内周面に沿った所定の弧の長さの外周面を有している。
また、発熱体支持部材32aは、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱に耐えるだけの耐熱性と、回転走行する定着スリーブ21が面状発熱体22(発熱シート22s)に接触した際に変形することなく面状発熱体22(発熱シート22s)を支持するだけの強度と、面状発熱体22(発熱シート22s)の熱をコア保持部材28側に伝えずに、定着スリーブ21側に伝えるようにする断熱性と、を有することが好ましく、例えばポリイミド樹脂の発泡成形体などの耐熱樹脂発泡体からなることが好ましい。
あるいは、発熱体支持部材32aは、図4に示すように、耐熱樹脂発泡体32a1と、該耐熱樹脂発泡体32a1よりも熱膨張率の大きな耐熱ゴム部材32a2とからなることが好ましい。これにより、発熱体支持部材32aとして、線膨張率の高い耐熱ゴム部材32a2を用いることで、熱膨張時の定着スリーブ21と面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力(後述)を大きくすることができる。
また、耐熱樹脂発泡体32a1がポリイミドからなるときには、耐熱ゴム部材32a2はシリコーンゴムからなることが好適である。例えば、発熱体支持部材32aを構成する耐熱ゴム部材32a2をシリコーンゴムからなるものとした場合、その線膨張係数は2.5×10−4〜4.0×10−4/℃であることから、耐熱ゴム部材32a2の厚みを10mmとすると100degの温度上昇で最大0.4mmの熱膨張が発生することになる。
また、発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面は、対向するコア保持部材28の面と略平行な平面となっている。
弾性部材32bは、スプリングバネや板バネなどからなり、発熱体支持部材32aとコア保持部材28の間でコア保持部材28に支持されるとともに発熱体支持部材32aに接触した状態にあり、少なくとも発熱体支持部材32aの軸方向2箇所(図5,図6では両端部)を定着スリーブ21側に押圧するように配置されている。
ストッパ部材32sは、発熱体支持部材32aとコア保持部材28の間に、その板面が発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面と平行となるように定着装置20の側板20fでその両端が固設されている(図6)。なお、コア保持部材28も側板20fに固設されている。また、ストッパ部材32sには、弾性部材32bと接触しないように、弾性部材32bを通す貫通孔を有する。
このような発熱体押圧機構部32における発熱体支持部材32aとストッパ部材32sの配置関係は、定着装置20が20℃程度の室温状態にある冷間時には、発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面とストッパ部材32sとは離間した状態にあり(図4(a))、装置立ち上げに伴って発熱体支持部材32aが熱膨張すると該発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面とストッパ部材32sとが接触する(図4(b))、配置関係とする。
例えば、冷間時の発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面とストッパ部材32sとのギャップを0.1〜0.5mmとするとよい。
このような発熱体支持部材32aとストッパ部材32sの配置関係としておくと、定着装置における立ち上げ動作において、定着スリーブ21と面状発熱体22(発熱シート22s)の接触力(面圧)及び定着装置20の回転駆動に関する動トルクはつぎのようになる。図4,図7,図8を参照しながら説明する。なお、図7,図8において、「弱バネ」は、バネ定数0.15〜0.2kgf/mm程度の比較的弾性力の小さいものであり、「強バネ」は、バネ定数2〜2.5kgf/mm程度の比較的弾性力の大きいものである。
すなわち、装置立ち上げ開始時である冷間時には、発熱体支持部材32aは熱膨張しておらず、発熱体支持部材32aとストッパ部材32sとは離間した状態にあることから(図4(a))、発熱体支持部材32aは弾性部材32bの小さい弾性力のみで押圧されるようになり、面状発熱体22(発熱シート22s)は比較的低い面圧で定着スリーブ21の内周面と当接することになる(図7の経過時間0のとき)。
このとき、定着スリーブ21の内周面に塗布されている潤滑剤も冷えた状態にあり粘性が高く摺動抵抗が大きいため、定着装置20の回転駆動に関する動トルクも大きい状態にある。ただし、本発明で使用する弾性部材32bは比較的弾性力の小さいもの(弱バネ)を使用しているため、定着装置20の回転駆動を行うことのできる許容範囲内(許容限界未満)の動トルクとなっている(図8の経過時間0のとき)。
ちなみに、弾性部材32bのみで装置立ち上げ後において定着スリーブ21と面状発熱体22(発熱シート22s)の間で十分な接触力(面圧)を確保しようとした場合、弾性力の大きいもの(強バネ)を使用する必要があるが、この場合には冷間時に定着装置20の回転駆動に関する動トルクが許容限界を超えてしまい不適である(図8の「強バネのみ」の経過時間0のときを参照。)。
つぎに、面状発熱体22(発熱シート22s)に通電を開始すると、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱は接触している定着スリーブ21を加熱すると同時に、面状発熱体22(発熱シート22s)と接触する発熱体支持部材32aも加熱されて熱膨張を開始する。このとき、発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22を支持する面は所定の張力で張られた定着スリーブ21と当接支持された状態にあるため、発熱体支持部材32aは面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側に(すなわち弾性部材32bの押圧に対向する方向に)熱膨張し、弾性部材32bが発熱体支持部材32aにより圧縮されるのに伴って面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)は徐々に増加することになる(図7の経過時間aまで)。
一方、定着装置20の回転駆動に関する動トルクに関しては、面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)が増加するに伴い両者の摺動抵抗は増加するが、定着スリーブ21の加熱に伴って潤滑剤も加熱されて粘性が低下するため、動トルクは徐々に低下することになる(図8の経過時間aまで)。ここまでは、弾性力の小さい弾性部材32bのみを作用させて定着スリーブ21に面状発熱体22(発熱シート22s)を押し付けている場合(弱バネのみ)と同様な動トルクの挙動を示す。
さらに、発熱体支持部材32aが熱膨張すると、図4(b)のように発熱体支持部材32aとストッパ部材32sが接触するようになる。ここでストッパ部材32sは側板20fに固設されていることから、発熱体支持部材32aはそれ以上面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側(弾性部材32bの押圧に対向する方向)に膨張することができないため、以降の熱膨張分はそのまま面状発熱体22(発熱シート22s)の定着スリーブ21への押し付け力増加につながる(図7の経過時間a以降)。すなわち、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱により定着スリーブ21及び発熱体支持部材32aがある程度まで加熱されると、面状発熱体22(発熱シート22s)は弾性部材32bで与える面圧よりも高い面圧で定着スリーブ21の内周面と当接することになり、最終的には発熱体支持部材32aの温度が飽和したところで面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)も飽和し、「強バネのみ」と同等の面圧(接触力)が得られるようになる。
このとき、発熱体支持部材32aがストッパ部材32sに接触した後は面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)増加の勾配が大きくなるため動トルク低下が鈍化するが、定着スリーブ21の内周面にある潤滑剤は十分に加熱されて粘性が低くなっているため、動トルク全体としては低い値に抑えられており、低い動トルクでの定着装置20の回転駆動を行うことが可能である(図8の経過時間a以降)。
ところで、定着装置20の組み立てに際しては、発熱シート22sの位置ずれを防ぐために、発熱体支持部材32aの外周面に沿って面状発熱体22の発熱シート22sを接着剤により貼り付けることが好ましい。
なお、このとき発熱シート22sのシート全面を接着すると発熱シート22sの発熱がシート全面において発熱体支持部材32aに移動しやすくなるため好ましくなく、定着スリーブ21の軸方向に対応する両端部のうち、記録媒体Pが通過しない領域すなわち非通紙領域(面)のみを発熱体支持部材32aに接着することが好適である。これにより、発熱シート22sの位置ずれ防止とともに、発熱シート22sの最大通紙領域は発熱体支持部材32aに接着されず浮いた状態にあることから発熱シート22sの通紙領域から発熱体支持部材32aへの熱移動がなくなり、発熱シート22sの通紙領域で発生した熱を効率的に定着スリーブ21の加熱に利用することが可能となる。
また、この発熱シート22sの接着は、塗布型の液体接着剤を用いてもよいが、耐熱性のあるアクリル系材料あるいはシリコーン系材料からなる両面に接着性または粘着性のあるテープ状の接着部材(両面テープ)を用いて行うとよい。これにより、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱体支持部材32aへの貼り付けが容易になるだけではなく、面状発熱体22に異常が発生したときに両面テープを剥すだけで面状発熱体22の交換ができる構成となり、メンテナンス性に優れたものとなる。
なおこのとき、単に発熱シート22sと発熱体支持部材32aの間に両面テープを挟むようにすると、発熱シート22sの表面は定着スリーブ21の軸方向において両面テープで接着した部分がその両面テープの厚み分だけ盛り上がり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21との距離が一定とはならなくなり、加熱効率が低下するとともに軸方向の温度分布も不均一になってしまう。
そこで、面状発熱体22において両面テープを貼り付ける部分の発熱シート22sの厚みを両面テープの厚み分だけ薄くすることが好ましい。すなわち、両面テープはある程度の厚み(例えば0.1mm)があるので、図9に示すように、発熱シート22sにおける例えば基層22aの発熱体支持部材32a側の面の軸方向の両端部分に両面テープ22tの厚み分に相当する深さで周方向に延びるくぼみを設けて、そのくぼみに両面テープ22tを接着し、ついでその発熱シート22sを両面テープ22tを介して発熱体支持部材32aの所定位置に接着するようにする。これにより、発熱シート22sを発熱体支持部材32aに接着したときに、発熱シート22sの定着スリーブ21側の表面は定着スリーブ21の軸方向において平坦となり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21との距離が均一になるので、良好な加熱効率で定着スリーブ21の軸方向の温度分布の均一化も図ることができる。
あるいは、図10に示すように、発熱体支持部材32aの発熱シート22sの非通紙領域に対応する位置に両面テープ22tの厚み分だけくぼませることが好ましい。すなわち、発熱体支持部材32aの軸方向の両端部分であって発熱シート22sの非通紙領域に対応する位置に両面テープ22tの厚み分に相当する深さで周方向に延びるくぼみを設けて、そのくぼみに両面テープ22tを接着し、ついでその状態の発熱体支持部材32aに発熱シート22sを両面テープ22tを介して接着するようにする。これによっても、発熱シート22sの定着スリーブ21側の表面は定着スリーブ21の軸方向において平坦となり、通紙領域において面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21との距離が均一になるので、良好な加熱効率で定着スリーブ21の軸方向の温度分布の均一化も図ることができる。
このように構成された定着装置20は、次のように動作する。
まず、画像形成装置が出力信号を受けると(例えばユーザの操作パネルの操作あるいはパソコンからの通信などにより画像形成装置に印刷要求があると)、定着装置20において、加圧脱圧手段により加圧ローラ31が定着スリーブ21を介して当接部材26を押圧し、ニップ部を形成する。
ついで、不図示の駆動装置によって、加圧ローラ31が図4の時計回り方向に回転駆動されると、定着スリーブ21も連れ回りして反時計回り方向に回転する。このとき、定着スリーブ21の内周面と発熱シート22sとは、弾性部材32bの弾性力により当接している。
そして、それと同期して外部電源または内部の蓄電装置から給電線を通じて面状発熱体22に電力が供給され、発熱シート22sが発熱し、定着スリーブ21は該発熱シート22sから軸方向全幅において効率的に熱が伝達され、急速に加熱される。なお、駆動装置の動作と面状発熱体22による加熱は同時刻に同時に開始する必要はなく、適宜時間差を設けて開始しても良い。
このとき、ニップ部上流側であって、定着スリーブ21に対して接触又は非接触に配置された温度検知手段(不図示、温度検知手段40でもよい)で検知される温度により、ニップ部が所定の温度となるように、面状発熱体22による加熱制御が行われており、定着に必要な温度まで昇温された後、保持され、記録媒体Pの通紙が開始される。
このように、本発明の定着装置では、定着スリーブ21及び面状発熱体22の熱容量が小さいため、省エネを図りつつウォームアップ時間やファーストプリント時間を短くすることができる。また、面状発熱体22における発熱シート22sは樹脂ベースのシートであるため、加圧ローラ31の回転、振動に起因する応力が発熱シート22sに繰り返し作用して、発熱シート22sの屈曲が繰り返し行われても疲労破壊することがなく、長時間の運転が可能である。またさらに、面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する発熱体支持部材32aの熱膨張と弾性部材32bの弾性力を利用することで、潤滑剤の温まり方に対応させて定着スリーブ21への面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力を変化させるので、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置20の回転駆動における低トルク化と定着スリーブ21への面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力の適正化とを両立することができる。またその結果、定着スリーブ21は、軸方向で均一に加熱されるので、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
また、画像形成装置への出力信号がない場合、通常は消費電力を抑えるために加圧ローラ31及び定着スリーブ21は非回転で、面状発熱体22は通電を停止されているが、すぐに再出力を開始したい(復帰させたい)場合は、加圧ローラ31及び定着スリーブ21が非回転の状態でも面状発熱体22に通電しておくことが可能である。この場合は、面状発熱体22に定着スリーブ21全体を保温させておく程度の通電を行う。
なお、図4に示す構成のように、コア保持部材28は当接部材26を保持しており、加圧ローラ31の押圧方向に、当接部材26、コア保持部材28、弾性部材32b、発熱体支持部材32a、面状発熱体22(発熱シート22s)がこの順番で配列されていることが好適である。定着スリーブ21に対して、当接部材26と発熱体支持部材32aで反対方向の力をかけることで、発熱体支持部材32aと定着スリーブ21の間のテンションを効率的に付与することができるためである。
ところで、図4に示す定着装置20では、回転時はニップ部で加圧ローラ31に引っ張られることから、ニップ部の上流側の定着スリーブ21は張力が付与された張り側となり、ニップ部の下流側では定着スリーブ21に張力は作用しておらず弛んだ状態となっており、この状態のまま装置の高速化を図ろうとすると、ニップ部の下流側の定着スリーブ21の弛む程度がひどくなり、定着スリーブ21の回転走行安定性に支障が出てくることになる。また、定着スリーブ21が撓んだ状態で発熱体支持部材32aに進入してくると、発熱シート22sとの当接状態も不安定になりかねない。
そこで、図11に示すように、定着装置20において、定着スリーブ21の内周側であって少なくとも前記ニップ部下流側で、該定着スリーブ21の回転状態を支持する回転支持部材27を備えることが好ましい。
図11は、本発明に係る定着装置の第2の実施形態における構成を示す断面図である。
ここで、本実施形態の定着装置20は、第1の実施形態とは回転支持部材27を備え、ストッパ部材32sの代わりにストッパ部材32tを備える点で異なる。それ以外の構成は第1の実施形態と同じであるため、その部分の説明は省略する。
回転支持部材27は、例えば厚さ0.1〜1mmの鉄、ステンレス等の薄肉金属からなるパイプ形状のものであり、その外径が定着スリーブ21の内径よりも直径で0.5〜1mm程度小さいものとなっている。また、回転支持部材27のパイプ円周上において、ニップ部に対応する箇所に凹部を有し、該凹部がコア保持部材28の凹部に嵌め込まれるとともに、回転支持部材27の凹部にさらに当接部材26が嵌め込まれている。
また、回転支持部材27のニップ部とは円周中心を挟んで反対側は、面状発熱体22(発熱シート22s)を露出させて定着スリーブ21に当接させる開口部を有している。さらに、回転支持部材27の内部には、発熱体押圧機構部32を構成する発熱体支持部材32a、ストッパ部材32s、弾性部材32b、弾性部材ホルダ32hが前述した作用効果を奏するように配置されている。
したがって、面状発熱体22(発熱シート22s)は、発熱体支持部材32aに支持されて、定着スリーブ21の内周面と接触して配置され、定着スリーブ21を効率的に加熱することが可能である。
なお、パイプ形状の回転支持部材27のそのパイプ周面が軸方向に切断されてできた端部は、コア保持部材28にニップ部の周方向前後で拘持されることにより、回転支持部材27は保持されている。また、回転支持部材27の軸方向両端は定着装置20のフレームを構成する側板20fで保持されている。
以上の構成のように、回転支持部材27により定着スリーブ21の回転走行安定性が確保できるだけでなく、定着スリーブ21を剛性の高い金属製の回転支持部材27で支持できるので組立上のハンドリングが容易となる。
また、本実施形態では、コア保持部材28と発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面との間であって、発熱体支持部材32aにおける面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側の面に、発熱体支持部材32aとともに移動可能に固設されるプレート形状のストッパ部材32tを備える。またこのとき、発熱体支持部材32aと弾性部材32bとストッパ部材32tにより発熱体押圧機構部32を構成する。
このような発熱体押圧機構部32におけるストッパ部材32tとコア保持部材28の配置関係は、定着装置20が20℃程度の室温状態にある冷間時には、ストッパ部材32tとコア保持部材28とは離間した状態にあり(図11)、装置立ち上げに伴って発熱体支持部材32aが熱膨張するとストッパ部材32tとコア保持部材28とが接触する配置関係とする。
このような配置関係としておくことで、第1の実施形態における発熱体支持部材32aとストッパ部材32sの関係と同様の作用効果を得ることができる。すなわち、発熱体支持部材32aが熱膨張すると、ストッパ部材32tとコア保持部材28が接触するようになるが、ここでコア保持部材28は側板20fに固設されていることから、ストッパ部材32tと一体となった発熱体支持部材32aはそれ以上面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側(弾性部材32bの押圧に対向する方向)に膨張することができないため、以降の熱膨張分はそのまま面状発熱体22(発熱シート22s)の定着スリーブ21への押し付け力増加につながるようになる。
したがって、本実施形態でも第1の実施形態と同様に、面状発熱体22を支持する発熱体支持部材32aの熱膨張と弾性部材32bの弾性力を利用することで、潤滑剤の温まり方に対応させて定着スリーブ21への面状発熱体22の押し付け力を変化させるので、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置20の回転駆動における低トルク化と定着スリーブ21への面状発熱体22の押し付け力の適正化とを両立することができる。
つぎに、本発明に係る画像形成装置について説明する。
図12は、本発明に係る画像形成装置の構成を示す全体構成図である。
図12に示すように、画像形成装置1は、タンデム型カラープリンタである。画像形成装置本体1の上方にあるボトル収容部101には、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した4つのトナーボトル102Y、102M、102C、102Kが着脱自在(交換自在)に設置されている。
ボトル収容部101の下方には中間転写ユニット85が配設されている。その中間転写ユニット85の中間転写ベルト78に対向するように、各色(イエロー、マゼンタ、シアン、ブラック)に対応した作像部4Y、4M、4C、4Kが並設されている。
各作像部4Y、4M、4C、4Kには、それぞれ、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kが配設されている。また、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの周囲には、それぞれ、帯電部75、現像部76、クリーニング部77、除電部(不図示である。)等が配設されている。そして、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上で、作像プロセス(帯電工程、露光工程、現像工程、転写工程、クリーニング工程)がおこなわれて、各感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に各色の画像が形成されることになる。
感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kは、不図示の駆動モータによって図12中の時計方向に回転駆動される。そして、帯電部75の位置で、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面が一様に帯電される(帯電工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、露光部3から発せられたレーザ光Lの照射位置に達して、この位置での露光走査によって各色に対応した静電潜像が形成される(露光工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、現像装置76との対向位置に達して、この位置で静電潜像が現像されて、各色のトナー像が形成される(現像工程である。)。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、中間転写ベルト78及び第1転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kとの対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上のトナー像が中間転写ベルト78上に転写される(1次転写工程である。)。このとき、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上には、僅かながら未転写トナーが残存する。
その後、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、クリーニング部77との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上に残存した未転写トナーがクリーニング部77のクリーニングブレードによって機械的に回収される(クリーニング工程である。)。
最後に、感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kの表面は、不図示の除電部との対向位置に達して、この位置で感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の残留電位が除去される。
こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上でおこなわれる、一連の作像プロセスが終了する。
その後、現像工程を経て各感光体ドラム上に形成した各色のトナー像を、中間転写ベルト78上に重ねて転写する。こうして、中間転写ベルト78上にカラー画像が形成される。
ここで、中間転写ユニット85は、中間転写ベルト78、4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79K、2次転写バックアップローラ82、クリーニングバックアップローラ83、テンションローラ84、中間転写クリーニング部80、等で構成される。中間転写ベルト78は、3つのローラ82〜84によって張架・支持されるとともに、1つのローラ82の回転駆動によって図12中の矢印方向に無端移動される。
4つの1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kは、それぞれ、中間転写ベルト78を感光体ドラム5Y、5M、5C、5Kとの間に挟み込んで1次転写ニップを形成している。そして、1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kに、トナーの極性とは逆の転写バイアスが印加される。
そして、中間転写ベルト78は、矢印方向に走行して、各1次転写バイアスローラ79Y、79M、79C、79Kの1次転写ニップを順次通過する。こうして、感光体ドラム5Y、5M、5C、5K上の各色のトナー像が、中間転写ベルト78上に重ねて1次転写される。
その後、各色のトナー像が重ねて転写された中間転写ベルト78は、2次転写ローラ89との対向位置に達する。この位置では、2次転写バックアップローラ82が、2次転写ローラ89との間に中間転写ベルト78を挟み込んで2次転写ニップを形成している。そして、中間転写ベルト78上に形成された4色のトナー像は、この2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体P上に転写される。このとき、中間転写ベルト78には、記録媒体Pに転写されなかった未転写トナーが残存する。
その後、中間転写ベルト78は、中間転写クリーニング部80の位置に達する。そして、この位置で、中間転写ベルト78上の未転写トナーが回収される。
こうして、中間転写ベルト78上でおこなわれる、一連の転写プロセスが終了する。
ここで、2次転写ニップの位置に搬送された記録媒体Pは、装置本体1の下方に配設された給紙部12から、給紙ローラ97やレジストローラ対98等を経由して搬送されたものである。
詳しくは、給紙部12には、転写紙等の記録媒体Pが複数枚重ねて収納されている。そして、給紙ローラ97が図12中の反時計方向に回転駆動されると、一番上の記録媒体Pがレジストローラ対98のローラ間に向けて給送される。
レジストローラ対98に搬送された記録媒体Pは、回転駆動を停止したレジストローラ対98のローラニップの位置で一旦停止する。そして、中間転写ベルト78上のカラー画像にタイミングを合わせて、レジストローラ対98が回転駆動されて、記録媒体Pが2次転写ニップに向けて搬送される。こうして、記録媒体P上に、所望のカラー画像が転写される。
その後、2次転写ニップの位置でカラー画像が転写された記録媒体Pは、定着装置20の位置に搬送される。そして、この位置で、定着スリーブ21及び加圧ローラ31による熱と圧力とにより、表面に転写されたカラー画像が記録媒体P上に定着される。
その後、記録媒体Pは、排紙ローラ対99のローラ間を経て、装置外へと排出される。排紙ローラ対99によって装置外に排出された被転写Pは、出力画像として、スタック部100上に順次スタックされる。
こうして、画像形成装置における、一連の画像形成プロセスが完了する。
以上説明したように、本発明の画像形成装置において、前述した定着装置20を備えているので、ウォームアップ時間やファーストプリント時間が短く、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置20の回転駆動における低トルク化と定着スリーブ21への面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力の適正化とを両立することができる。またその結果、軸方向で良好な定着性及び均一な画像光沢を得ることが可能となる。
なお、これまで本発明を図面に示した実施形態をもって説明してきたが、本発明は図面に示した実施形態に限定されるものではなく、他の実施形態、追加、変更、削除など、当業者が想到することができる範囲内で変更することができ、いずれの態様においても本発明の作用・効果を奏する限り、本発明の範囲に含まれるものである。
例えば、図4に示す定着装置20においてストッパ部材32sを省略してもよい。
図13にその構成例を示す。
図13の定着装置20は、図4においてストッパ部材32sを省略したのみで、それ以外の構成は同じである。また、発熱体支持部材32aと弾性部材32bにより発熱体押圧機構部32を構成している。
ここで、定着装置20における立ち上げ動作において、定着スリーブ21と面状発熱体22(発熱シート22s)の接触力(面圧)及び定着装置20の回転駆動に関する動トルクはつぎのようになる。
(冷間時)
すなわち、装置立ち上げ開始時である冷間時には、発熱体支持部材32aは熱膨張しておらず、発熱体支持部材32aとストッパ部材32sとは離間した状態にあることから(図13(a))、発熱体支持部材32aは弾性部材32bの弾性力のみで押圧されるようになり、面状発熱体22(発熱シート22s)は比較的低い面圧で定着スリーブ21の内周面と当接することになる。
このとき、定着スリーブ21の内周面に塗布されている潤滑剤も冷えた状態にあり粘性が高く摺動抵抗が大きいため、定着装置20の回転駆動に関する動トルクも大きい状態にある。ただし、本発明で使用する弾性部材32bは、定着装置20の回転駆動を行うことのできる許容範囲内(許容限界未満)の動トルクとなるものの中で、比較的弾性力の大きいものを使用する。
(熱膨張時)
つぎに、面状発熱体22(発熱シート22s)に通電を開始すると、面状発熱体22(発熱シート22s)の発熱は接触している定着スリーブ21を加熱すると同時に、面状発熱体22(発熱シート22s)と接触する発熱体支持部材32aも加熱されて熱膨張を開始する。このとき、発熱体支持部材32aは面状発熱体22(発熱シート22s)を支持する面とは反対側に(すなわち弾性部材32bの押圧に対向する方向に)熱膨張し、弾性部材32bが発熱体支持部材32aにより圧縮されるのに伴って面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)は徐々に増加する。
一方、定着装置20の回転駆動に関する動トルクに関しては、定着スリーブ21の加熱に伴って潤滑剤も加熱されて粘性が低下するため、動トルクは徐々に低下することになる。最終的には発熱体支持部材32aの温度が飽和したところで面状発熱体22(発熱シート22s)と定着スリーブ21の内周面との面圧(接触力)も飽和し、所定の面圧(接触力)が得られるようになる。
このとき、定着スリーブ21の内周面にある潤滑剤は十分に加熱されて粘性が低くなっているため、動トルク全体としては低い値に抑えられており、低い動トルクでの定着装置20の回転駆動を行うことが可能である。
したがって、図13の定着装置20においても、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置20の回転駆動における低トルク化と定着スリーブ21への面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力の適正化とを両立することが可能である。
また、図4に示す定着装置20のものよりも面状発熱体22(発熱シート22s)をニップ部上流側に配置してもよい。図14に、その構成例を示す。
図14の定着装置20は、図4においてストッパ部材32sを省略し、面状発熱体22(発熱シート22s)をニップ部に対して回転中心を挟んで反対側の位置よりもニップ部上流側(図中下側)に配置している。また、発熱体支持部材32aと板バネからなる弾性部材32bにより発熱体押圧機構部32を構成しており、弾性部材32bの弾性力により発熱体支持部材32a及び面状発熱体22(発熱シート22s)は図中下方側に押圧されるようになっている。
このような構成の定着装置20においても、図4のものと同様の作用効果を得ることができ、特別な加圧力変更機構を有することなしに、定着装置20の回転駆動における低トルク化と定着スリーブ21への面状発熱体22(発熱シート22s)の押し付け力の適正化とを両立することが可能である。
(本発明の定着装置における加熱制御例)
ところで、前述したような構成の定着装置20では、定着スリーブ21のウォームアップ時に、発熱体支持部材32aの温度が低いときには、面状発熱体22と定着スリーブ21との押し付けが弱く、両者間の接触熱抵抗が大きくなることから、面状発熱体22から定着スリーブ21への熱移動がスムーズに進まず、面状発熱体22自身の過昇温となり該面状発熱体22の故障につながりやすかった。よって、面状発熱体22の昇温が遅くなるように、面状発熱体22に給電する電力を小さくする必要があるが、その場合、今度は定着スリーブ21のウォームアップに時間を要するようになる。
一方、発熱体支持部材32aの温度が高くなると、該発熱体支持部材32aが熱膨張して面状発熱体22と定着スリーブ21の押し付け力が強くなるため、面状発熱体22から定着スリーブ21への熱移動がスムーズに進むようになる。この場合には、面状発熱体22の発熱が大きくても定着スリーブ21に効率的に熱が伝えられることから、面状発熱体22が過昇温となることなく、かつ定着スリーブ21の温度を速く上昇されることができ、ウォームアップ時間の短縮が可能である。
また、発熱体支持部材32aの温まり状態(温度)は、その温度が高ければ発熱体支持部材32aが膨張し、面状発熱体22が定着スリーブ21へ強く接触し、定着スリーブ21の温度が上昇することになり、その温度が低ければ発熱体支持部材32aが膨張せず、面状発熱体22の定着スリーブ21への接触が弱く、定着スリーブ21の温度があまり上昇しないというように、定着スリーブ21のウォームアップ時には、発熱体支持部材32aの温まり状態(温度)と定着スリーブ21の温度とは相関している。
そこで、発明者らは、面状発熱体22による定着スリーブ21のウォームアップ中に、面状発熱体22によって加熱される位置の定着スリーブ21の温度に応じて、面状発熱体22の昇温速度を変えるように、面状発熱体22への投入電力を変えることにより、面状発熱体22の過昇温を抑えつつ、ウォームアップ時間の短縮を図る工夫を施した。以下、本発明の定着装置20における加熱制御例について説明する。
すなわち、本発明は、定着装置20において、図4に示すように、面状発熱体22と接触している位置の定着スリーブ21の温度を検知する温度検知手段40を備え、ウォームアップなどの面状発熱体22による定着スリーブ21の加熱昇温中に、温度検知手段40により検知される温度に応じて、面状発熱体22に投入する電力を変化させることを特徴とするものである。
ここで、温度検知手段40は、定着スリーブ21の外周表面の温度を該定着スリーブ21に非接触で検知する温度センサである。また、温度検知手段40が温度を検知する位置は、定着スリーブ21の外周表面のうち、面状発熱体22が内周側で接触して加熱している領域に対応する位置であり、その領域のうち、加熱開始位置となるニップ部下流側の位置でないことが好ましく、弾性部材32bの押圧力が最も大きく作用する位置がより好ましい。これは、図4,図11,図13では、定着スリーブ21の回転中心を挟んでニップ部とは反対側となる位置であり、図14に示す定着装置20の構成においては、図中下方側である。なお、温度検知手段40は、定着スリーブ21の幅方向中央部の温度を検知するとよい。
また、本実施形態の加熱制御としては、面状発熱体22による定着スリーブ21の加熱昇温中に、温度検知手段40により検知される温度が所定温度A未満の場合、面状発熱体22に投入する電力の上限値を温度検知手段40により検知される温度が所定温度A以上の場合の上限値よりも小さくすることが好ましい。表1にその加熱制御条件の例を示す。
所定温度Aは、温度検知手段40で検知される温度がその温度に到達した時点から面状発熱体22にその装置で投入できる最大の電力を供給しても、面状発熱体22がある圧力以上で定着スリーブ21に押圧され面状発熱体22から効率的に伝熱されるようになっており、定着スリーブ21が目標温度となるまでに、面状発熱体22の温度がその耐熱温度とならない温度である。表1では、所定温度A=100℃である。
また、表1における投入電力の上限値としての1200Wは、ウォームアップ時に面状発熱体22にその電力を投入すると、定着スリーブ21が目標温度となる前に、面状発熱体22の温度がその耐熱温度に到達してしまう電力である(短時間で面状発熱体22がオーバーヒートする電力である)。図15にその例を示す。
図15は、ウォームアップ動作中の面状発熱体22への投入電力制限(上限値)を温度検知手段40の出力に関わらず、1200W一定とした場合の面状発熱体22と定着スリーブ21の温度プロファイルである。
ウォームアップ開始時のような定着スリーブ21および面状発熱体22の温度が低いときには、発熱体支持部材32aの熱膨張が少ないため、定着スリーブ21と面状発熱体22の間の接触熱抵抗が大きく面状発熱体22から定着スリーブ21への熱移動がスムーズに進まない。そのため、定着スリーブ21の昇温に伴って、面状発熱体22の温度が急上昇して時間経過とともに定着スリーブ21の温度との差が広がり、定着スリーブ21が目標温度となる前に、面状発熱体22の温度がその耐熱温度を超えてしまうことになる。
また、表1における投入電力の上限値としての800Wは、ウォームアップ時に面状発熱体22にその電力を投入しても、面状発熱体22の温度がその耐熱温度に到達する前に、定着スリーブ21を目標温度まで加熱することが可能な電力値である。図16にその例を示す。
図16は、ウォームアップ動作中の面状発熱体22への投入電力制限(上限値)を温度検知手段40の出力に関わらず、800W一定とした場合の面状発熱体22と定着スリーブ21の温度プロファイルである。
面状発熱体22への投入電力を最大800Wに制限した場合には、面状発熱体22と定着スリーブ21の間の温度差が図15の場合よりも広がらず、面状発熱体22の温度がその耐熱温度に到達する前に、定着スリーブ21が目標温度まで加熱される。しかしながら、定着スリーブ21の昇温が遅いため、ウォームアップ時間t2は、図15の場合のウォームアップ時間t1に比べて長くなってしまう。
このように構成された定着装置20では次のような動作を行う。
まず、画像形成装置が出力信号を受けると(例えばユーザの操作パネルの操作あるいはパソコンからの通信などにより画像形成装置に印刷要求があると)ウォームアップ動作を開始し、定着装置20において、加圧脱圧手段により加圧ローラ31が定着スリーブ21を介して当接部材26を押圧し、ニップ部を形成する。
ついで、不図示の駆動装置によって、加圧ローラ31が図4の時計回り方向に回転駆動されると、定着スリーブ21も連れ回りして反時計回り方向に回転する。このとき、定着スリーブ21の内周面と発熱シート22sとは、弾性部材32bの弾性力により当接している。
そして、それと同期して外部電源または内部の蓄電装置から給電線を通じて面状発熱体22に電力が供給され、発熱シート22sが発熱し、定着スリーブ21は該発熱シート22sから軸方向全幅において熱が伝達され、急速に加熱される。なお、駆動装置の動作と面状発熱体22による加熱は同時刻に同時に開始する必要はなく、適宜時間差を設けて開始しても良い。
このとき、面状発熱体22に供給する電力は、表1にしたがって決定する。すなわち、画像形成装置が出力信号を受けたタイミングで、温度検知手段40によって定着スリーブ21の温度を検知し、その検知温度が100℃未満の時には、面状発熱体22に投入する電力の上限値を800Wとする。また、温度検知手段40の検知温度が100℃以上の時は面状発熱体22に投入する電力の上限値を1200Wにする。ウォームアップ動作中では、温度検知手段40による温度検知を100msec間隔で行い、上述したように、その検知温度に応じて、面状発熱体22に投入する電力の上限値を変える制御を行う。図17にその例を示す。
図17は、本発明の定着装置20において、ウォームアップ動作中の面状発熱体22への投入電力制限(上限値)を定着スリーブ21の検知温度に基づいて可変とした場合の面状発熱体22と定着スリーブ21の温度プロファイルである。
ウォームアップ開始時には定着スリーブ21および面状発熱体22の温度が低く、温度検知手段40の検知温度(図17における定着スリーブ温度である。)は100℃未満であることから、面状発熱体22に投入電力の上限値は800Wである。
その後、面状発熱体22により定着スリーブ21は加熱されその温度は上昇するが、定着スリーブ温度(温度検知手段40の検知温度)が100℃に到達するまでは、発熱体支持部材32aの熱膨張が少なく定着スリーブ21と面状発熱体22の間の接触熱抵抗が大きいと推測し、面状発熱体22への投入電力を最大800Wに制限する。そのため、面状発熱体22の昇温は遅くなり、面状発熱体22と定着スリーブ21の間の温度差は小さく保たれる。
ついで、定着スリーブ温度(温度検知手段40の検知温度)が100℃に到達したt4時点で、面状発熱体22への投入電力の上限値を1200Wに変更する。このとき、発熱体支持部材32aの熱膨張により定着スリーブ21と面状発熱体22の間の接触熱抵抗は小さいことから、面状発熱体22の発熱量を増加させても面状発熱体22の熱が定着スリーブ21に効率的に伝達され、ウォームアップ完了時点(t3)でも、面状発熱体22は耐熱温度以下に保たれる。また、ウォームアップ時間t3は、図16の場合のウォームアップ時間t2に比べて1秒以上短くなった。
このように本実施形態の加熱制御によれば、発熱体支持部材32aの温度と相関のある定着スリーブ21の温度を検知することにより、発熱体支持部材32aの熱膨張具合を推測し、発熱体支持部材32aの熱膨張、すなわち面状発熱体22と定着スリーブ21への押し付け力に応じて面状発熱体22への投入電力を調整するので、面状発熱体22の過昇温を防止するとともに、ウォームアップ時間を短縮することができる。つまり、ウォームアップ初期の面状発熱体22及び発熱体支持部材32aの温度が低いときには、発熱体支持部材32aの熱膨張が小さく、面状発熱体22の定着スリーブ21への押し付け力が小さくなり、その間の接触熱抵抗が大きくなる。そこで、温度検知手段40の検知温度が低いときは面状発熱体22に投入する電力の上限値を小さくすることで、面状発熱体22の昇温を遅くし、過昇温を防止することができる。また、発熱体支持部材32aが温まり、面状発熱体22及び発熱体支持部材32aの温度が高くなると、発熱体支持部材32aの熱膨張が大きく、面状発熱体22の定着スリーブ21への押し付け力が大きくなり、その間の接触熱抵抗が小さくなる。そこで、温度検知手段40の検知温度が高くなると面状発熱体22に投入する電力の上限値を大きくすることで、面状発熱体22の昇温を速くし、ウォームアップ時間を短縮することができる。
また、このような加熱制御を行うことにより、エネルギーの利用効率を向上させることが可能となる。
なお、定着装置20が長時間オフ状態で保持された後などでは、発熱体支持部材32aの温度は環境温度近くまで下がっており、特に冬場の朝の始業時など環境温度が低い場合には、発熱体支持部材32aの熱膨張が所定量に達するまでには時間を要し、定着スリーブ21と面状発熱体22の間の接触熱抵抗が大きい状態が長くなる場合がある。そこで、前述した加熱制御(面状発熱体22への投入電力の上限値の切り替え)について、温度検知手段40の検知温度に、定着装置20の環境温度もその加熱制御の制御条件に加えて制御を行うとよい。
すなわち、図12に示すように、当該定着装置20近傍の環境温度を検知する環境温度検知手段41を備え、ウォームアップなどの面状発熱体22による定着スリーブ21の加熱昇温中に、温度検知手段40及び環境温度検知手段41により検知される温度に応じて、面状発熱体22に投入する電力を変化させることが好ましい。なお、図12では、定着装置20のフレームの外側に、環境温度検知手段41を配置している。
また、この場合の加熱制御としては、面状発熱体22による定着スリーブ21の加熱昇温中に、温度検知手段40により検知される温度が所定温度A未満の場合、面状発熱体22に投入する電力の上限値を温度検知手段40により検知される温度が所定温度A以上の場合の上限値よりも小さくするとともに、さらに環境温度検知手段41により検知される温度が所定の環境温度B未満の場合にはその上限値を環境温度検知手段41により検知される温度が所定の環境温度B以上の場合の上限値よりも小さくすることが好適である。表2にその加熱制御条件の例を示す。ここでは、環境温度B=20℃である。
本例の場合、ウォームアップを開始すると、面状発熱体22に供給する電力は、表2にしたがって決定する。すなわち、画像形成装置が出力信号を受けたタイミングで、温度検知手段40によって定着スリーブ21の温度を検知し、環境温度検知手段41によって定着装置20近傍の温度を検知する。そして、表2に示すように、温度検知手段40の検出温度が100℃未満であって、かつ環境温度検知手段41の検知温度が20℃未満のときには、面状発熱体22と定着スリーブ21との接触熱抵抗が最も大きくなっていると推測し、面状発熱体22への投入電力を最大600Wに制限する。また、温度検知手段40の検出温度が100℃未満であって、かつ環境温度検知手段41の検知温度が20℃以上のときには、面状発熱体22への投入電力を最大800Wに制限する。そして、温度検知手段40の検出温度が100℃以上のときには、面状発熱体22への投入電力を最大1200Wにする。
ウォームアップ動作中では、温度検知手段40及び環境温度検知手段41による温度検知を100msec間隔で行い、上述したように、それらの検知温度に応じて、面状発熱体22に投入する電力の上限値を変える制御を行う。
このような加熱制御を行うことによって、定着スリーブ21の温度と環境温度の両方から発熱体支持部材32aの熱膨張具合を推測し、発熱体支持部材32aの熱膨張、すなわち面状発熱体22と定着スリーブ21への押し付け力に応じて面状発熱体22への投入電力を調整するので、面状発熱体22の過昇温を防止するとともに、ウォームアップ時間を最小限にすることができる。つまり、ウォームアップ初期の面状発熱体22及び発熱体支持部材32aの温度、さらに環境温度が低いときには、発熱体支持部材32aの熱膨張が小さく、面状発熱体22の定着スリーブ21への押し付け力が小さくなり、その間の接触熱抵抗が最も大きくなる。そこで、温度検知手段40及び環境温度検知手段41の検知温度が低いときは面状発熱体22に投入する電力の上限値を最も小さくすることで、面状発熱体22の昇温を遅くし、過昇温を防止することができる。
1 画像形成装置
3 露光部
4Y、4M、4C、4K 作像部
5Y、5M、5C、5K 感光体ドラム
12 給紙部
20,50 定着装置
20f 側板
21 定着スリーブ
22 面状発熱体
22a 基層
22b,22b1,22b2 抵抗発熱層
22c 電極層
22d 絶縁層
22s 発熱シート
22t 両面テープ
23 発熱体支持部材
24 端子台ステイ
25 給電線
26 当接部材
27 回転支持部材
28 コア保持部材
31 加圧ローラ
32 発熱体押圧機構部
32a 発熱体支持部材
32a1 耐熱樹脂発泡体
32a2 耐熱ゴム部材
32b 弾性部材
32h 弾性部材ホルダ
32s,32t ストッパ部材
40 温度検知手段
41 環境温度検知手段
75 帯電部
76 現像部
77 クリーニング部
78 中間転写ベルト
79Y、79M、79C、79K 第1転写バイアスローラ
80 中間転写クリーニング部
82 2次転写バックアップローラ
83 クリーニングバックアップローラ
84 テンションローラ
89 2次転写ローラ
85 中間転写ユニット
97 給紙ローラ
98 レジストローラ対
99 排紙ローラ対
100 スタック部
101 ボトル収容部
102Y、102M、102C、102K トナーボトル
L レーザ光
P 記録媒体
T トナー
特開平11−2982号公報 特開平4−44075号公報 特開8−262903号公報 特開10−213984号公報 特開2007−334205号公報 特開2008−158482号公報 特開2008−216928号公報 特開2009−3410号公報 特開2004−286929号公報 特開2008−070736号公報

Claims (11)

  1. 回転する無端状ベルトであって内周面に潤滑剤が塗布されてなる定着部材と、
    前記定着部材の外周側に該定着部材を押圧可能に配置される加圧部材と、
    前記定着部材の内周側に配置され、前記加圧部材の押圧により前記定着部材を介して該加圧部材と当接してニップ部を形成する当接部材と、
    前記定着部材の内周側に配置され、該定着部材と接触して加熱する面状発熱体と、
    前記定着部材の内周側に該定着部材との間に前記面状発熱体を挟むように配置され、該面状発熱体を支持する発熱体支持部材と、
    定着部材の内周側に前記発熱体支持部材の前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面と離間して固設された支持部材と、
    前記支持部材と前記発熱体支持部材における前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面との間に配置され、前記発熱体支持部材を前記定着部材側に押圧する弾性部材と、
    を備え、
    前記発熱体支持部材は、前記面状発熱体の発熱に伴って前記弾性部材の押圧に対向する方向に熱膨張することを特徴とする定着装置。
  2. 前記支持部材は前記当接部材を保持しており、
    前記加圧部材の押圧方向に、前記当接部材、前記支持部材、前記弾性部材、前記発熱体支持部材、前記面状発熱体がこの順番で配列されていることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記支持部材と前記発熱体支持部材における前記面状発熱体を支持する面とは反対側の面との間に配置され、前記発熱体支持部材における前記弾性部材の押圧に対向する方向への熱膨張を制限するストッパ部材を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の定着装置。
  4. 前記発熱体支持部材は、耐熱樹脂発泡体からなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  5. 前記発熱体支持部材は、耐熱樹脂発泡体と該耐熱樹脂発泡体よりも熱膨張率の大きな耐熱ゴム部材とからなることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の定着装置。
  6. 前記面状発熱体は、絶縁性を有する基層上に、耐熱性樹脂中に導電性粒子が分散されてなる抵抗発熱層と、該抵抗発熱層に電力を供給する電極層と、が形成され、前記定着部材の軸方向、周方向に対応して所定の幅及び長さをもち可撓性を示す発熱シートを有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の定着装置。
  7. 前記面状発熱体と接触している位置の前記定着部材の温度を検知する定着部材温度検知手段を備え、
    前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度に応じて、前記面状発熱体に投入する電力を変化させることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の定着装置。
  8. 前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度未満の場合、前記面状発熱体に投入する電力の上限値を前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度以上の場合の上限値よりも小さくすることを特徴とする請求項7に記載の定着装置。
  9. 当該定着装置近傍の環境温度を検知する環境温度検知手段を備え、
    前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段及び前記環境温度検知手段により検知される温度に応じて、前記面状発熱体に投入する電力を変化させることを特徴とする請求項7または8に記載の定着装置。
  10. 前記面状発熱体による前記定着部材の加熱昇温中に、前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度未満の場合、前記面状発熱体に投入する電力の上限値を前記定着部材温度検知手段により検知される温度が所定温度以上の場合の上限値よりも小さくするとともに、さらに前記環境温度検知手段により検知される温度が所定の環境温度未満の場合にはその上限値を前記環境温度検知手段により検知される温度が所定の環境温度以上の場合の上限値よりも小さくすることを特徴とする請求項9に記載の定着装置。
  11. 請求項1〜10のいずれかに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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