JP2010286743A - 定着装置および該定着装置を備える画像形成装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】通電により発熱する抵抗発熱体の熱を利用して定着ベルトを加熱するように構成されるベルト定着方式の定着装置において、定着ベルトの回転始動時における駆動トルクを低減することができるとともに、定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる定着装置を提供する。
【解決手段】定着装置15は、定着ローラ15aと加熱手段21との間に巻き掛けられる定着ベルト25を備えるベルト定着方式の定着装置である。そして、定着ベルト25を加熱する加熱手段21は、定着ベルト25が回転始動時に弛緩状態となるように、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aに近接する方向に、角変位付与手段22によって角変位される。
【選択図】図2

Description

本発明は、熱および加圧によってトナー像を記録媒体に定着させる定着装置および該定着装置を備える画像形成装置に関する。
複写機、プリンター等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によってローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー像が形成された記録紙などの記録媒体をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで、熱と圧力とによって記録紙にトナー像の定着を行うようになっている。
ところで、カラー画像形成装置に備えられる定着装置においては、定着ローラ表層にシリコンゴム等からなる弾性層を設けた弾性ローラを用いることが一般的である。定着ローラを弾性ローラとすることで、定着ローラ表面が、未定着トナー像の凸凹に対応して弾性変形し、トナー像面を覆い包むように接触するため、モノクロに比べてトナー量の多いカラーの未定着トナー像に対して良好に加熱定着を行うことが可能となる。また、定着ニップ部での弾性層の歪開放効果によって、モノクロに比べてオフセットしやすいカラートナーに対して離型性を向上することができる。さらに、定着ニップのニップ形状が上(定着ローラ側)に凸(所謂、逆ニップ形状)となることから、記録紙の剥離性能を向上させることができ、剥離爪等の剥離手段を用いずとも記録紙の剥離が可能となり(セルフストリッピング)、剥離手段に起因する画像欠陥を解消することができる。
ところで、このようなカラー画像形成装置に備えられる定着装置において、高速化に対応するには、定着ニップ部のニップ幅を広くする必要がある。ニップ幅を広くする方法としては、定着ローラの弾性層の層厚を厚くすることや、定着ローラ径を大きくするなどの方法がある。しかしながら、弾性層を具備した定着ローラでは、弾性層の熱伝導性が非常に低いので、定着ローラ内部に加熱手段がある場合、プロセス速度を高速化した場合に定着ローラ温度が追従しなくなる問題がある。一方、定着ローラ径を大きくした場合には、ウォームアップ時間が長くなる問題や、消費電力が増大するといった問題が発生する。
このような問題を解決するカラー画像形成装置に備えられる定着装置として、特許文献1には、定着ローラと加熱ローラとの間に定着ベルトを掛け渡し、定着ベルトを介して定着ローラと加圧ローラとを圧接させた構成のベルト定着方式の定着装置が開示されている。このベルト定着方式の定着装置では、熱容量が小さい定着ベルトを加熱するため、ウォームアップ時間が短く、また定着ローラにハロゲンランプ等の熱源を内蔵する必要がないので、スポンジゴム等からなる低硬度の弾性層を厚く設けることができ、広いニップ幅を確保することができる。
さらに、特許文献2には、ベルト定着方式の定着装置において、加熱手段を面状発熱体(抵抗発熱体が全体として一定の形状の面を形成するようにされた発熱体)とした面状発熱ベルト定着方式の定着装置が開示されている。この面状発熱ベルト定着方式の定着装置では、加熱手段の熱容量が小さくなると同時に、加熱手段としての面状発熱体が直接発熱することから、ハロゲンランプ等を用いて間接的に加熱ローラを加熱する方式に比べて熱応答速度も向上し、ウォームアップ時間の更なる短縮や更なる省エネ化が達成できる。また、加熱手段における面状発熱体からなる発熱層は、周方向の長さを短く設定しても充分な発熱量を得ることができるので、定着ベルトと接触する放熱部材の内面に対して、塗装、スクリーン印刷法などによって比較的容易に形成することができる。
ところで、ベルト定着方式の定着装置では、定着動作が開始される定着ベルトの回転始動時は、定着動作が継続される定着ベルトの定速回転時と比較して、非常に大きな駆動トルクが必要となる。そのため、定着ベルトの回転始動時に、定着ベルトを回転させる駆動手段の駆動負荷が大きくなってしまう。
このような問題を解決するために、特許文献3には、回転体(定着ベルト)の駆動開始直後は、定着ベルトが定着時の速度よりも低速で駆動するように制御することを特徴とする定着装置が開示されている。特許文献3に開示される定着装置では、定着ベルトが低速で回転始動するように制御されるので、定着ベルトの回転始動時における駆動トルクを低減することができる。
特開平10−307496号公報 特開2002−333788号公報 特開2000−221830号公報
しかしながら、特許文献3に開示される定着装置では、定着ベルトは、常に一定のテンションが付与された状態で張架されているので、定着ベルトが低速で回転始動するように制御するだけでは、駆動トルクの低減には不充分であり、さらに、支持部材と接触する定着ベルトの接触部分が摩耗劣化を受けてしまう。
したがって本発明の目的は、通電により発熱する抵抗発熱体の熱を利用して定着ベルトを加熱するように構成されるベルト定着方式の定着装置において、定着ベルトの回転始動時における駆動トルクを低減することができるとともに、定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる定着装置、および該定着装置を備える画像形成装置を提供することである。
本発明は、回転駆動される定着ローラと、
通電により発熱する抵抗発熱体を含む発熱部材と、前記発熱部材を保持し、前記発熱部材で発生する熱を外部に伝達する保持部材とを有する加熱手段と、
前記定着ローラと前記加熱手段との間に巻き掛けられて、前記定着ローラの回転に従動して回転搬送される無端状の定着ベルトと、
前記定着ベルトを介して前記定着ローラに対向しかつ圧接して設けられる加圧部材と、
前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向下流側に対応する一端部の軸線まわりに、前記加熱手段を角変位させる角変位付与手段であって、前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部を前記定着ローラに近接する方向に角変位させて、前記定着ベルトを張架状態から弛緩状態に切り替え、前記他端部を前記定着ローラから離反する方向に角変位させて、前記定着ベルトを弛緩状態から張架状態に切り替える角変位付与手段と、を含み、
前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時に弛緩状態となるように、前記角変位付与手段によって、予め角変位されることを特徴とする定着装置である。
また本発明は、前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時に弛緩状態となり、定速回転している間は張架状態となるように、前記角変位付与手段によって角変位されることを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時の弛緩状態から定速回転時の張架状態となるように、前記角変位付与手段によって角変位されるとき、前記定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部の周速度が、始動回転から定速回転に移行するときの前記定着ベルトの回転速度と同速度であることを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向下流側に対応する一端部を支持する支持部材であって、前記定着ベルトの内周面に接触して設けられるローラ状の部材で構成される支持部材をさらに含み、
前記支持部材の回転軸線は、前記加熱手段が前記角変位付与手段によって角変位されるときの軸線と一致することを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段は、前記定着ベルトとの接触面に、低摩擦係数を有する材料からなるコート層が設けられることを特徴とする。
また本発明は、前記角変位付与手段は、前記定着ベルトの内側に配設されて、前記加熱手段を前記定着ベルトに向けて押圧するように構成され、押圧力を変化させることによって、前記定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、前記加熱手段を角変位させることを特徴とする。
また本発明は、前記角変位付与手段は、前記定着ベルトの外側に配設されて、前記加熱手段を前記定着ベルトに向けて引張するように構成され、引張力を変化させることによって、前記定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、前記加熱手段を角変位させることを特徴とする。
また本発明は、前記角変位付与手段は、ばね部材からなることを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段は、前記定着ベルトの回転方向上流側および下流側に対応する両端部が、前記定着ベルトの内周面に沿うように湾曲する形状であることを特徴とする。
また本発明は、前記保持部材は、内方側に凹んだ凹部を有し、前記凹部に嵌め込まれた状態の前記発熱部材を保持するように構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記加熱手段は、前記保持部材に対する所定位置に前記発熱部材を固定する内側固定部材をさらに含んで構成されることを特徴とする。
また本発明は、前記定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置である。
本発明によれば、定着装置は、定着ローラと加熱手段との間に巻き掛けられる定着ベルトを備えるベルト定着方式の定着装置である。そして、定着ベルトを加熱する加熱手段は、定着ベルトの回転始動時に、定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラに近接する方向に、角変位付与手段によって予め角変位される。これによって、駆動負荷が大きい定着ベルトの回転始動時に、定着ベルトを弛緩状態にすることができ、回転始動時の駆動トルクを軽減することができるとともに、定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、加熱手段は、定着ベルトが回転始動時に弛緩状態となり、定速回転している間は張架状態となるように、角変位付与手段によって角変位される。このように、加熱手段は、回転始動時において弛緩状態の定着ベルトが定速回転時に張架状態となるように、角変位されるので、定速回転する定着ベルトに対する充分な密着性を確保することができ、定着ベルトに対する加熱効率の低下を抑制することができる。
また本発明によれば、加熱手段は、角変位付与手段によって、定着ベルトが回転始動時の弛緩状態から定速回転時の張架状態となるように角変位されるとき、定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部の周速度が、始動回転から定速回転に移行するときの定着ベルトの回転速度と同速度である。これによって、加熱手段の角変位動作がスムースに行われるので、加熱手段の角変位動作による定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、加熱手段における定着ベルトの回転方向下流側に対応する一端部を支持する支持部材をさらに含む。この支持部材は、定着ベルトの内周面に接触して設けられるローラ状の部材である。このように構成された支持部材は、加熱手段に接触して回転する定着ベルトを案内して搬送することができ、そのため、定着ベルトの駆動負荷を低減することができるとともに、定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、加熱手段は、定着ベルトとの接触面に、低摩擦係数を有する材料からなるコート層が設けられている。これによって、加熱手段と定着ベルトとの間の摩擦力を低減することができ、定着ベルトの摩耗劣化を抑制して、定着ベルトの高い耐久性を確保することができる。また、加熱手段と定着ベルトとの間の摩擦力が低減可能になると、定着ベルトの回転をスムースにすることができ、加熱手段の定着ベルトに対する加熱効率が低下するのを防止することができる。
また本発明によれば、角変位付与手段は、定着ベルトの内側に配設されて、加熱手段を定着ベルトに向けて押圧するように構成されている。このように構成された角変位付与手段は、押圧力を変化させることによって、定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、加熱手段を角変位させることができる。
また本発明によれば、角変位付与手段は、定着ベルトの外側に配設されて、加熱手段を定着ベルトに向けて引張するように構成されている。このように構成された角変位付与手段は、引張力を変化させることによって、定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、加熱手段を角変位させることができる。
また本発明によれば、角変位付与手段は、ばね部材からなる。このように構成された角変位付与手段は、ばね部材が有するばね弾性によって、加熱手段に付与する押圧力または引張力を変化させることができ、これによって加熱手段を角変位させることができる。
また本発明によれば、加熱手段は、定着ベルトの回転方向上流側および下流側に対応する両端部が、定着ベルトの内周面に沿うように湾曲するR形状である。これによって、定着ベルトの回転方向上流側および下流側に対応する両端部における定着ベルトの駆動負荷を低減することができるとともに、定着ベルトの摩耗劣化を抑制することができる。
また本発明によれば、保持部材は、内方側に凹んだ凹部を有し、凹部に嵌め込まれた状態の発熱部材を保持するように構成される。発熱部材が嵌め込まれる凹部が形成された保持部材は、熱容量が小さなものとなるので、定着装置としてのウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
また本発明によれば、加熱手段は、保持部材に対する所定位置に発熱部材を固定する内側固定部材をさらに含んで構成される。内側固定部材が、保持部材に対する所定位置に発熱部材を固定することによって、加熱手段としての加熱効率の低下を抑制することができ、定着装置としてのウォームアップ時間が短く、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成でき、かつ、高い安全性を確保することができる。
また本発明によれば、画像形成装置は、定着ベルトの回転始動時における駆動トルクを低減することができる定着装置を備える。そのため、画像形成装置は、画像形成に必要な電力を低減することができ、省エネ化を図ることができる。
本発明の実施の一形態である画像形成装置100の構成を示す図である。 本発明の実施の一形態である定着装置15の構成を示す図である。 加熱手段21の構成を示す図である。 加熱手段21を角変位させる構成の一例を示す図である。 加熱手段21を角変位させる構成の他の例を示す図である。 定着装置15の電気的構成を示すブロック図である。 定着装置15の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 定着装置15の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。 加熱手段21が有する発熱部材211の発熱層の構成を示す図である。 発熱層の表面における発熱部分の分割状態を示す図である。 発熱層の表面における発熱部分の分割状態を示す図である。 複数の抵抗発熱体が積層された積層構造を有する発熱層における発熱部分の分割状態を示す図である。 内側固定部材の構成を示す図である。 ハニカム状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。 孔付板状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。 孔付板状部材における貫通孔が形成されていない部分を厚み方向から見た場合の形状を示す図である。 切り欠き板状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。 切り欠き板状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。 切り欠き板状部材の枝部を厚み方向から見た場合の形状を示す図である。
<画像形成装置>
図1は、本発明の実施の一形態である画像形成装置100の構成を示す図である。画像形成装置100は、読み取った原稿の画像データやネットワーク等を介して送信された画像データに基づいて、記録媒体である記録紙に対して多色および単色の画像を形成する装置である。画像形成装置100は、露光ユニット10、感光体ドラム101(101a〜101d)、現像装置102(102a〜102d)、帯電ローラ103(103a〜103d)、クリーニングユニット104(104a〜104d)、中間転写ベルト11、一次転写ローラ13(13a〜13d)、二次転写ローラ14、定着装置15、用紙搬送路P1,P2,P3、給紙カセット16、手差し給紙トレイ17および排紙トレイ18を備えている。
画像形成装置100は、ブラック(K)およびカラー画像を色分解して得られる減法混色の3原色であるシアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)の4色の各色相に対応した画像データを用いて、各色相に対応した画像形成部Pa〜Pdにおいて画像形成を行う。各画像形成部Pa〜Pdは、同様の構成であり、たとえば、ブラック(K)の画像形成部Paは、感光体ドラム101a、現像装置102a、帯電ローラ103a、一次転写ローラ13aおよびクリーニングユニット104a等から構成される。この画像形成部Pa〜Pdは、中間転写ベルト11の移動方向(副走査方向)に一列に配列されている。
帯電ローラ103は、感光体ドラム101の表面を所定の電位に均一に帯電させる接触方式の帯電器である。帯電ローラ103に代えて、帯電ブラシを用いた接触方式の帯電器、または、帯電ワイヤを用いた非接触方式の帯電器を用いることもできる。
露光ユニット10は、図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー4、第1反射ミラー7、第2反射ミラー8等を備えており、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相の画像データによって変調されたレーザビーム等の光ビームのそれぞれを感光体ドラム101a〜101dのそれぞれに照射する。各感光体ドラム101a〜101dは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相の画像データによる静電潜像を形成する。
現像装置102は、静電潜像が形成された感光体ドラム101の表面に現像剤であるトナーを供給し、静電潜像をトナー像に現像する。現像装置102a〜102dのそれぞれは、ブラック(K)、シアン(C)、マゼンタ(M)およびイエロー(Y)の各色相のトナーを収納しており、感光体ドラム101a〜101dのそれぞれに形成された各色相の静電潜像を、各色相のトナー像に顕像化する。クリーニングユニット104は、現像・画像転写後における感光体ドラム101上の表面に残留したトナーを除去・回収する。
中間転写ベルト11は、感光体ドラム101の上方に配置されており、駆動ローラ11aと従動ローラ11bとの間に張架されてループ状の移動経路を形成している。中間転写ベルト11の外周面は、感光体ドラム101d、感光体ドラム101c、感光体ドラム101bおよび感光体ドラム101aにこの順に対向する。この中間転写ベルト11を挟んで各感光体ドラム101a〜101dに対向する位置に、一次転写ローラ13a〜13dが配置されている。中間転写ベルト11が感光体ドラム101a〜101dに対向する位置のそれぞれが一次転写位置である。また、中間転写ベルト11は、厚さ100〜150μm程度のフィルムで形成されている。
一次転写ローラ13a〜13dには、感光体ドラム101a〜101dの表面に担持されたトナー像を中間転写ベルト11上に転写するために、トナーの帯電極性と逆極性の一次転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム101a〜101dに形成された各色相のトナー像は、中間転写ベルト11の外周面に順次重ねて転写され、中間転写ベルト11の外周面にフルカラーのトナー像が形成される。
ただし、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)およびブラック(K)の色相の一部のみの画像データが入力された場合には、4つの感光体ドラム101a〜101dのうち、入力された画像データの色相に対応する一部の感光体ドラム101のみにおいて静電潜像およびトナー像の形成が行われる。たとえば、モノクロ画像形成時には、ブラックの色相に対応した感光体ドラム101aのみにおいて静電潜像の形成およびトナー像の形成が行われ、中間転写ベルト11の外周面にはブラックのトナー像のみが転写される。
各一次転写ローラ13a〜13dは、直径8〜10mmのステンレスなどの金属を基材とする軸の表面を導電性の弾性材(たとえばEPDM、発泡ウレタン等)によって被覆して構成されており、導電性の弾性材によって中間転写ベルト11に均一に高電圧を印加する。
各一次転写位置において中間転写ベルト11の外周面に転写されたトナー像は、中間転写ベルト11の回転によって、二次転写ローラ14との対向位置である二次転写位置に搬送される。二次転写ローラ14は、画像形成時において、内周面が駆動ローラ11aの周面に接触する中間転写ベルト11の外周面に所定のニップ圧で圧接されている。給紙カセット16または手差し給紙トレイ17から給紙された記録紙が、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間を通過する際に、二次転写ローラ14にトナーの帯電極性とは逆極性の高電圧が印加される。これによって、中間転写ベルト11の外周面から記録紙の表面にトナー像が転写される。
なお、感光体ドラム101から中間転写ベルト11に付着したトナーのうち、記録紙上に転写されずに中間転写ベルト11上に残存したトナーは、次工程での混色を防止するために、転写クリーニングユニット12によって回収される。
トナー像が転写された記録紙は、後述する本発明に係る定着装置15に導かれ、定着ニップ部を通過して加熱および加圧を受ける。これによって、トナー像が、記録紙の表面に堅牢に定着する。トナー像が定着した記録紙は、排紙ローラ18aによって排紙トレイ18上に排出される。
また、画像形成装置100には、給紙カセット16に収納されている記録紙を、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間および定着装置15を経由して、排紙トレイ18に送るための略垂直方向に延びる用紙搬送路P1が設けられている。用紙搬送路P1には、給紙カセット16内の記録紙を一枚ずつ用紙搬送路P1内に繰り出すピックアップローラ16a、繰り出された記録紙を上方に向けて搬送する搬送ローラ16b、搬送されてきた記録紙を所定のタイミングで二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導くレジストローラ19、記録紙を排紙トレイ18に排出する排紙ローラ18aが配置されている。
また、画像形成装置100の内部には、手差し給紙トレイ17からレジストローラ19に至る間に、ピックアップローラ17aおよび搬送ローラ16bを配置した用紙搬送路P2が形成されている。さらに、排紙ローラ18aから用紙搬送路P1におけるレジストローラ19の上流側に至る間には、用紙搬送路P3が形成されている。
排紙ローラ18aは、正逆両方向に回転自在にされており、記録紙の片面に画像を形成する片面画像形成時、および、記録紙の両面に画像を形成する両面画像形成における第2面画像形成時に正転方向に駆動されて記録紙を排紙トレイ18に排出する。一方、両面画像形成における第1面画像形成時には、排紙ローラ18aは、用紙の後端が定着装置15を通過するまで正転方向に駆動された後、記録紙の後端部を挟持した状態で逆転方向に駆動されて記録紙を用紙搬送路P3内に導く。これによって、両面画像形成時に片面のみに画像が形成された記録紙は、表裏面および前後端を反転した状態で用紙搬送路P1に導かれる。
レジストローラ19は、給紙カセット16または手差し給紙トレイ17から給紙され、または、用紙搬送路P3を経由して搬送された記録紙を、中間転写ベルト11の回転に同期したタイミングで二次転写ローラ14と中間転写ベルト11との間に導く。このため、レジストローラ19は、感光体ドラム101や中間転写ベルト11の動作開始時には回転を停止しており、中間転写ベルト11の回転に先立って給紙または搬送された記録紙は、前端をレジストローラ19に当接させた状態で用紙搬送路P1内における移動を停止する。この後、レジストローラ19は、二次転写ローラ14と中間転写ベルト11とが圧接する位置で、記録紙の前端部と中間転写ベルト11上に形成されたトナー像の前端部とが対向するタイミングで回転を開始する。
なお、画像形成部Pa〜Pdの全てにおいて画像形成が行われるフルカラー画像形成時には、一次転写ローラ13a〜13dが中間転写ベルト11を感光体ドラム101a〜101dの全てに圧接させる。一方、画像形成部Paのみにおいて画像形成が行われるモノクロ画像形成時には、一次転写ローラ13aのみを中間転写ベルト11を感光体ドラム101aに圧接させる。
<定着装置>
図2は、本発明の実施の一形態である定着装置15の構成を示す図である。定着装置15は、定着ローラ15aと、加圧部材である加圧ローラ15bと、無端状ベルト部材である定着ベルト25と、加熱手段21と、加熱手段21を支持するローラ状の支持部材217(以下、「加熱支持ローラ217」と呼ぶ)と、角変位付与手段22とを含んで構成される。定着装置15においては、定着ベルト25が定着ローラ15aと加熱手段21との間に巻き掛けられて、加圧ローラ15bが定着ベルト25を介して定着ローラ15aに対向するように配置されている。そして、定着ローラ15aと加熱手段21とは、定着ローラ15aの軸線方向において、略平行となるように配置されている。そのため、定着ローラ15aと加熱手段21との間に巻き掛けられる定着ベルト25が摺動するとき、蛇行するのを防止して、定着ベルト25の耐久性を高く維持することができる。
定着装置15は、加熱手段21が定着ベルト25と接触して定着ベルト25を加熱し、定着ベルト25と加圧ローラ15bとで形成する定着ニップ部15cを、所定の定着速度および複写速度で記録媒体である記録紙32が通過したとき、記録紙32上に担持されている未定着のトナー像31を記録紙32上に加熱加圧して定着するベルト定着方式の定着装置である。このようなベルト定着方式の装置である定着装置15は、熱容量が小さい定着ベルト25を高電力密度の発熱層を有する加熱手段21で加熱する構成であるので、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
なお、未定着のトナー像31は、たとえば、非磁性一成分現像剤(非磁性トナー)、非磁性二成分現像剤(非磁性トナーおよびキャリア)、磁性現像剤(磁性トナー)などの現像剤(トナー)によって形成される。また、定着速度とは所謂プロセス速度であり、複写速度とは1分あたりのコピー枚数のことである。また、記録紙32が定着ニップ部15cを通過するときには、定着ベルト25は、記録紙32のトナー像担持面に当接するようになっている。定着ニップ部15cにおけるニップ幅(定着ニップ部15cの記録紙搬送方向の幅)は、7mm程度である。
定着ローラ15aは、定着ベルト25を介して加圧ローラ15bに圧接することで定着ニップ部15cを形成すると同時に、図示しない駆動モータ(駆動手段)により回転軸線まわりに回転方向A方向に回転駆動されることによって、定着ベルト25を搬送する。このとき、定着ローラ15aの回転軸線は、定着ベルト25の回転方向Aに垂直である。定着ローラ15aは、直径が30mmで、その内側から順に芯金、弾性層が形成された2層構造からなり、芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。本実施の形態では、定着ローラ15aは、直径が15mmである鉄からなる芯金に、厚さ5mmのシリコンゴムからなる弾性層が形成されたものである。また、定着ローラ15aが定着ベルト25を介して加圧ローラ15bに圧接するときの力は、216N程度である。
加圧ローラ15bは、定着ベルト25を介して定着ローラ15aに対向しかつ圧接し、回転軸線まわりに回転自在に設けられている。加圧ローラ15bは、定着ローラ15aの回転に従動して回転方向B方向に回転する。加圧ローラ15bは、その内側から順に芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造からなっている。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適しており、離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。加圧ローラ15bは、たとえば、ローラ直径が30mmで、芯金に直径28mm(肉厚2mm)の鉄(STKM)パイプ、弾性層に厚みが1mmのシリコンソリッドゴム、離型層に厚みが30μmのPFAチューブからなるローラを用いることができる。
また、加圧ローラ15bの内部には、加圧ローラ15bを加熱するヒータランプ26(たとえば、定格電力400W)が配置されている。制御回路(不図示)が電源回路(不図示)からヒータランプ26に電力を供給(通電)させることによって、ヒータランプ26が発光し、ヒータランプ26から赤外線が放射される。これによって、加圧ローラ15bの内周面が赤外線を吸収して加熱され、加圧ローラ15b全体が加熱される。なお、上述したヒータランプ26は、加圧ローラ15bの内面より加熱するものであるが、これとは別に外周面加熱用のローラにて、加圧ローラ15bの表面より加熱する方法も構成可能である。また、加圧ローラ15bの周面には、温度検知手段として加圧ローラ側サーミスタ24bが配設されており、加圧ローラ15bの表面温度を検出するようになっている。
定着ベルト25は、加熱手段21によって所定の温度に加熱され、定着ニップ部15cを通過する未定着のトナー像31が形成された記録紙32を加熱する。定着ベルト25は、無端状のベルトで、加熱手段21と定着ローラ15aとによって懸架され、定着ローラ15aに所定の角度で巻きかかっている。定着ベルト25は、定着ローラ15aの回転時には、定着ローラ15aに従動して回転方向A方向に回転するようになっている。定着ベルト25は、ポリイミド等の耐熱性樹脂あるいはステンレスやニッケル等の金属材料からなる中空円筒状の基材の表面に、弾性層として耐熱性および弾性に優れたエラストマー材料(たとえばシリコンゴム)が形成され、さらにその表面に離型層として耐熱性および離型性に優れた合成樹脂材料(たとえばPFAやPTFE等のフッ素樹脂)が形成された3層構造となっている。また、基材のポリイミドにフッ素樹脂を内添してもよい。これによって、加熱手段21との摺動負荷を低減することができる。本実施の形態では、定着ベルト25は、断面径が50mmで厚みが50μmである中空円筒状のポリイミドからなる基材に、厚みが150μmのシリコンゴムからなる弾性層が形成され、さらに、厚みが30μmのPFAからなる離型層が形成されたものである。また、加熱手段21に接触する定着ベルト25の周面には、温度検知手段として発熱体側サーミスタ24aが配設されており、定着ベルト25の表面温度を検出するようになっている。
図3は、加熱手段21の構成を示す図である。加熱手段21は、定着ベルト25の内周面に接触して定着ベルト25を所定の温度に加熱する手段であり、通電により発熱する抵抗発熱体を含んで構成される発熱部材211と、発熱部材211を保持する保持部材210と、発熱部材211を押圧して保持部材210に対する所定位置に発熱部材211を固定する内側固定部材218とを含む。
保持部材210は、発熱部材211を保持する部材であり、定着ベルト25の幅方向(定着ローラ15aの軸線方向)に延びる略半円柱状に形成されている。保持部材210は、略半円弧状の上面において定着ベルト25に接触し、発熱部材211から発生する熱を定着ベルト25に伝導させる。保持部材210を構成する材料は、特に限定されないが、高い熱伝導性を有する金属材料であることが好ましく、その金属材料としては、鉄、アルミニウム、銅などを挙げることができるが、ステンレスを用いることも可能である。
そして、保持部材210には、定着ベルト25と接触する上面(以下、「ベルト接触面」という)の周方向中央部に対応して、底面の中央部から内方側に凹んだ凹部が形成され、この凹部に発熱部材211が嵌め込まれるようになっている。なお、保持部材210の凹部に嵌め込まれた状態の発熱部材211は、凹部を塞ぐように保持部材210の底面部に接触して配設される内側固定部材218によって固定されている。このように、発熱部材211が嵌め込まれる凹部が形成された保持部材210は、熱容量が小さなものとなるので、定着装置15としてのウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
以上のように、保持部材210は、通電によって発熱する発熱部材211を凹部で保持し、定着ベルト25に接触する半円弧状の上面(ベルト接触面)から発熱部材211で発生する熱を定着ベルト25に伝達するように構成され、定着ベルト25を加熱する加熱手段21の本体部となる。
定着ベルト25の回転方向上流側および下流側に対応する加熱手段21の両端部、すなわち、保持部材210における略半円弧状のベルト接触面の周方向両端部は、曲率半径R1が3mm程度に設定されている。これによって、定着ベルト25の回転方向上流側および下流側に対応する両端部における定着ベルト25の駆動負荷を低減することができるとともに、定着ベルト25の摩耗劣化を抑制することができる。また、保持部材210のベルト接触面の周方向中央部は、曲率半径R2が15〜50mmの範囲に設定されている。保持部材210のベルト接触面の周方向中央部における曲率半径R2が50mm以下に設定されることによって、定着ベルト25との充分な密着性を確保することができ、曲率半径R2が15mm以上に設定されることによって、熱容量が大きくなり過ぎるのを防止して、定着装置15としてのウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
また、保持部材210のベルト接触面に、コート層210aが設けられるのが好ましい。コート層210aは、発熱部材211から発生する熱を定着ベルト25に伝導するための良熱伝導性を有するとともに、定着ベルト25との間の摩擦力が低減可能な材料から形成する必要がある。このようなコート層210aが保持部材210のベルト接触面に設けられることによって、定着ベルト25に熱を伝導させるとともに、保持部材210と接触して摺動する定着ベルト25の摩耗を防止して高い耐久性を確保することができる。また、定着ベルト25との間の摩擦力が低減可能となるので、定着ベルト25を駆動する定着ローラ15aおよび加圧ローラ15bへの負荷も低減することができ各ローラ15a,15bの耐久性も確保し、より低トルクで駆動することが可能となる。コート層210aを構成する材料としては、PFAやPTFE等のフッ素樹脂を挙げることができる。本実施の形態では、コート層210aは、PTFEからなる厚み20μmの層である。
また、加熱手段21における定着ベルト25の回転方向下流側に対応する一端部、すなわち、保持部材210の周方向一端部は、定着ベルト25の幅方向に延びるローラ状の支持部材である加熱支持ローラ217によって支持されている。この加熱支持ローラ217は、その表面が定着ベルト25の内周面に接触するように設けられている。加熱支持ローラ217の回転軸線は、定着ローラ15aの回転軸線と平行で、かつ、定着ベルト25の回転方向Aと垂直である。
加熱支持ローラ217は、直径が4mmで、その内側から順に芯金、コート層が形成された2層構造からなり、芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。また、コート層には保持部材210と同様にPFAやPTFE等のフッ素樹脂が用いられる。本実施形態におけるコート層はPTFEからなる20μmの層である。このように、ローラ状に形成された加熱支持ローラ217は、保持部材210のベルト接触面に接触して回転する定着ベルト25を案内して搬送することができ、そのため、定着ベルト25の駆動負荷を低減することができるとともに、定着ベルト25の摩耗劣化を抑制することができる。
そして、本実施の形態では、加熱手段21は、加熱支持ローラ217の回転軸線まわりに、角変位付与手段22によって角変位される。つまり、加熱手段21は、加熱支持ローラ217の回転軸線を角変位中心にして、角変位付与手段22によって角変位される。具体的には、加熱手段21は、保持部材210の周方向他端部、すなわち、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aに近接する方向に角変位付与手段22によって角変位されて、定着ベルト25が図3(a)に示す張架状態から図3(b)に示す弛緩状態に切り替えられて、前記他端部が定着ローラ12aから離反する方向に角変位されて、定着ベルト25が図3(b)に示す弛緩状態から図3(a)に示す張架状態に切り替えられる。
そして、加熱手段21は、定着ベルト25が回転始動時に弛緩状態となり、定速回転している間は張架状態となるように、角変位付与手段22によって角変位される。
また、加熱手段21が定着ベルト25の張架状態および弛緩状態にわたって角変位されるときの角変位角度は2〜10°であり、定着ベルト25は、弛緩状態では、張架状態に対して50〜100%低減した力で、加熱手段21と定着ローラ15aとの間に巻き掛けられた状態となる。
定着装置15は、定着ローラ15aと加熱手段21との間に巻き掛けられる定着ベルト25を備えるベルト定着方式の定着装置である。このようなベルト定着方式の定着装置15では、定着ベルト25が静止状態から回転動作状態に変化する回転始動時には、定着ベルト25の定速回転時と比較して、非常に大きな駆動トルクが必要となるばかりではなく、加熱手段21と接触する定着ベルト25の接触部分が摩耗劣化を受けてしまう。
これに対して、本実施の形態では、駆動負荷が大きい定着ベルト25の回転始動時に、加熱手段21は、加熱支持ローラ217の回転軸線まわりに、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部(保持部材210の周方向他端部)が定着ローラ15aに近接する方向に、角変位付与手段22によって角変位された状態となっている。これによって、定着ベルト25の回転始動時に、定着ベルト25を弛緩状態にすることができ、回転始動時の駆動トルクを軽減することができるとともに、定着ベルト25の摩耗劣化を抑制することができる。また、定着ベルト25の回転始動時の駆動トルクを軽減可能な構成とすることによって、定着ローラ15aを駆動させる駆動手段などの低コスト化を図ることができる。また、加熱手段21は、回転始動時において弛緩状態であった定着ベルト25が定速回転時に張架状態となるように、角変位されるので、定速回転する定着ベルト25に対する充分な密着性を確保することができ、定着ベルト25に対する加熱効率の低下を抑制することができる。
図4は、加熱手段21を角変位させる構成の一例を示す図である。加熱手段21を角変位させる角変位付与手段22としては、たとえば、図4に示す角変位付与手段219を挙げることができる。角変位付与手段219は、定着ベルト25の内側における加熱手段21を構成する内側固定部材218に接触して配設される、ばね部材からなる手段である。そして、角変位付与手段219は、加熱手段21を定着ベルト25に向けて押圧するように構成されている。このように構成された角変位付与手段219は、ばね部材が有するばね弾性によって、加熱手段21に付与する押圧力を変化させることができ、この押圧力の変化により、定着ベルト25の張架状態および弛緩状態にわたって、加熱手段21を角変位させることができる。
すなわち、加熱手段21は、角変位付与手段219による押圧力の変化によって、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aに近接および離反する方向に、加熱支持ローラ217の回転軸線まわりに、定着ベルト25の張架状態および弛緩状態にわたって、角変位される。
そして、本実施の形態では、加熱手段21は、定着ベルト25が回転始動時に弛緩状態となり、定速回転時に張架状態となるように、角変位付与手段219によって角変位される。駆動負荷が大きい定着ベルト25の回転始動時に、定着ベルト25を弛緩状態にすることによって、回転始動時の駆動トルクを軽減することができるとともに、定着ベルト25の摩耗劣化を抑制することができる。また、加熱手段21は、回転始動時において弛緩状態の定着ベルト25が定速回転時に張架状態となるように、角変位されるので、定速回転する定着ベルト25に対する充分な密着性を確保することができ、定着ベルト25に対する加熱効率の低下を抑制することができる。
図5は、加熱手段21を角変位させる構成の他の例を示す図である。図5に示す角変位付与手段220は、一対の加熱手段支持部220aと、引張部220bとを含む。一対の加熱手段支持部220aのそれぞれは、定着ベルト25の幅方向外方において、一端部が、加熱支持ローラ217の回転軸と同軸の回転軸に支持され、他端部が、引張部220bの一方側先端部に接続されている。引張部220bは、定着ベルト25の幅寸法よりも広い間隔をあけて配置される、一対の加熱手段支持部220aの間隔中央部に配設されて、一方側先端部が加熱手段支持部220aに接続されて、他方側先端部が定着ベルト25から離反する方向に引張されるように構成されている。このように構成された角変位付与手段220は、引張部220bが引張されることによって、定着ベルト25の外方から加熱手段21を定着ベルト25に向けて引張するようにされている。そして、角変位付与手段220は、加熱手段21に付与する引張力を変化させることによって、定着ベルト25の張架状態および弛緩状態にわたって、加熱手段21を角変位させることができる。
すなわち、加熱手段21は、角変位付与手段220による引張力の変化によって、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aに近接および離反する方向に、加熱支持ローラ217の回転軸線まわりに、定着ベルト25の張架状態および弛緩状態にわたって、角変位される。そして、本実施の形態では、加熱手段21は、定着ベルト25が回転始動時に弛緩状態となり、定速回転時に張架状態となるように、角変位付与手段220によって角変位される。
図6は、定着装置15の電気的構成を示すブロック図である。定着装置15では、制御回路510が、角変位付与手段22による加熱手段21の角変位動作を制御する。また、制御回路510は、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25の回転始動時に、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する保持部材210の一端部が他端部よりも定着ローラ15aに近接した状態であるように、保持部材210を角変位させる。また、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25を回転させる。
また、制御回路510は、発熱体側サーミスタ24aおよび加圧ローラ側サーミスタ24bによって検出された温度データ、サーモスタット24cによって検出された定着ベルト25の異常昇温データに基づいて、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面温度が所定の温度(たとえば、200℃)となるように、電源回路520を介して、加熱手段21が有する発熱部材211、およびヒータランプ26への通電を制御する。
そして、制御回路510および電源回路520は、画像形成装置100の全動作を制御するCPU(Central Processing Unit、中央処理装置)500によって統括的に制御される。
定着装置15において、定着ベルト25は、回転始動時に弛緩状態となっていればよく、角変位付与手段22が加熱手段21を角変位させて、定着ベルト25を張架状態から弛緩状態に切り替えるタイミングは特に限定されるものではなく、定着ベルト25の回転始動直前であってもよいし、定着ベルト25の回転停止直後であってもよい。
次に、定着装置15の動作について、3つの具体例を挙げて、図7Aおよび図7Bを用いて説明する。図7Aおよび図7Bは、定着装置15の動作のタイミングを示すタイミングチャートである。
図7A(a)に示す定着装置15の動作の具体例では、まず、CPU500に制御された制御回路510は、画像形成装置100に設けられる操作パネルまたは画像形成装置100に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される画像形成指示信号に基づいて、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が張架状態から弛緩状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t1)。角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21は、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部(保持部材210の周方向他端部)が、所定の周速度で、定着ローラ15aに近接する方向に角変位され、定着ベルト25が弛緩状態となったときに角変位動作が一旦停止される(時刻t2)。
このようにして、定着ベルト25が弛緩状態になると、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25の回転動作を開始させる(時刻t2)。定着ローラ15aが回転駆動されることによって回転動作が開始された定着ベルト25は、所定の回転速度で回転搬送されて、定速回転となる(時刻t3)。
このようにして、定着ベルト25が定速回転状態になると、制御回路510は、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が弛緩状態から張架状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t3)。角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21は、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が、所定の周速度で、定着ローラ15aから離反する方向に角変位され、定着ベルト25が張架状態となったときに角変位動作が一旦停止される(時刻t4)。
このようにして、定着ベルト25が定速回転動作を継続し、かつ、張架状態になると、CPU500は、電源回路520に電力供給を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21に電力を供給して定着ベルト25を加熱させ、ヒータランプ26に電力を供給して加圧ローラ15bを加熱させる(時刻t4)。
また、発熱体側サーミスタ24aが検出した定着ベルト25の表面温度データに関する信号、加圧ローラ側サーミスタ24bが検出した加圧ローラ15bの表面温度データに関する信号、サーモスタット24cが検出した定着ベルト25の異常昇温データに関する信号が制御回路510に入力される。
CPU500に制御された制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25、加圧ローラ15bの表面温度が所定の温度(定着温度)となるように、電源回路520からの加熱手段21およびヒータランプ26に対する供給電力を制御する。制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面温度が所定の定着温度になったと判断すると、ウォームアップが完了したと判断し、定着装置15の定着動作が開始される。定着動作が開始された定着装置15では、定着ベルト25と加圧ローラ15bとの間に形成される定着ニップ部15cに、未定着トナー像31が形成される記録紙32が搬送される。このとき、記録紙32は、未定着トナー像31を担持した面を定着ベルト25側に向けて搬送される。そして、記録紙32上の未定着トナー像31が定着ベルト25の外周面に密着したまま挟持搬送されていくことにより、定着ベルト25から熱が付与され、また加圧力を受けて記録紙32の表面に定着される。
そして、定着装置15における定着動作が終了すると、CPU500は、電源回路520に電力供給停止を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給を停止する(時刻t5)。
このようにして、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給が停止されると同時に、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aの回転駆動動作を停止させ、定着ベルト25の回転動作を停止させる(時刻t5)。
次に、図7A(b)に示す定着装置15の動作の具体例では、まず、CPU500に制御された制御回路510は、画像形成装置100に設けられる操作パネルまたは画像形成装置100に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される画像形成指示信号に基づいて、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が張架状態から弛緩状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t11)。角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21は、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部(保持部材210の周方向他端部)が、所定の周速度で、定着ローラ15aに近接する方向に角変位され、定着ベルト25が弛緩状態となる(時刻t12)。
このようにして、定着ベルト25が弛緩状態になると、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25の回転動作を開始させる(時刻t12)。この定着ベルト25の回転動作の開始と同時に、制御回路510は、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が弛緩状態から張架状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t12)。
このとき、加熱手段21は、角変位付与手段22によって、定着ベルト25が回転始動時の弛緩状態から定速回転時の張架状態となるように角変位されるとき、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部の周速度が、始動回転から定速回転に移行するときの定着ベルト25の回転速度と同速度であるように、角変位される。これによって、加熱手段21の角変位動作がスムースに行われるので、加熱手段21の角変位動作による定着ベルト25の摩耗劣化を抑制することができるとともに、ウォームアップ時間を短縮することができる。
そして、定着ローラ15aが回転駆動されることによって回転動作が開始された定着ベルト25が定速回転となり、角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21が、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aから離反する方向に角変位され、定着ベルト25が張架状態となる(時刻t13)。
このようにして、定着ベルト25が定速回転動作になり、かつ、張架状態になると、CPU500は、電源回路520に電力供給を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21に電力を供給して定着ベルト25を加熱させ、ヒータランプ26に電力を供給して加圧ローラ15bを加熱させる(時刻t13)。
また、発熱体側サーミスタ24aが検出した定着ベルト25の表面温度データに関する信号、加圧ローラ側サーミスタ24bが検出した加圧ローラ15bの表面温度データに関する信号、サーモスタット24cが検出した定着ベルト25の異常昇温データに関する信号が制御回路510に入力される。
CPU500に制御された制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25、加圧ローラ15bの表面温度が所定の温度(定着温度)となるように、電源回路520からの加熱手段21およびヒータランプ26に対する供給電力を制御する。制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面温度が所定の定着温度になったと判断すると、ウォームアップが完了したと判断し、定着装置15の定着動作が開始される。
そして、定着装置15における定着動作が終了すると、CPU500は、電源回路520に電力供給停止を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給を停止する(時刻t14)。
このようにして、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給が停止されると、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aの回転駆動動作を停止させ、定着ベルト25の回転動作を停止させる。
次に、図7B(c)に示す定着装置15の動作の具体例では、定着装置15における前回の定着動作の終了時に、加熱手段21は、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が、定着ローラ15aに近接する方向に角変位され、定着ベルト25が弛緩状態となっている。
まず、CPU500に制御された制御回路510は、画像形成装置100に設けられる操作パネルまたは画像形成装置100に接続されるコンピュータなどの外部機器から入力される画像形成指示信号に基づいて、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aを回転軸線まわりに回転させて、定着ベルト25の回転動作を開始させる(時刻t21)。この定着ベルト25の回転動作の開始と同時に、制御回路510は、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が弛緩状態から張架状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t21)。
このとき、加熱手段21は、角変位付与手段22によって、定着ベルト25が回転始動時の弛緩状態から定速回転時の張架状態となるように角変位されるとき、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部の周速度が、始動回転から定速回転に移行するときの定着ベルト25の回転速度と同速度であるように、角変位される。
そして、定着ローラ15aが回転駆動されることによって回転動作が開始された定着ベルト25が定速回転となり、角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21が、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が定着ローラ15aから離反する方向に角変位され、定着ベルト25が張架状態となる(時刻t22)。
このようにして、定着ベルト25が定速回転動作になり、かつ、張架状態になると、CPU500は、電源回路520に電力供給を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21に電力を供給して定着ベルト25を加熱させ、ヒータランプ26に電力を供給して加圧ローラ15bを加熱させる(時刻t22)。
また、発熱体側サーミスタ24aが検出した定着ベルト25の表面温度データに関する信号、加圧ローラ側サーミスタ24bが検出した加圧ローラ15bの表面温度データに関する信号、サーモスタット24cが検出した定着ベルト25の異常昇温データに関する信号が制御回路510に入力される。
CPU500に制御された制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25、加圧ローラ15bの表面温度が所定の温度(定着温度)となるように、電源回路520からの加熱手段21およびヒータランプ26に対する供給電力を制御する。制御回路510は、入力された信号に基づいて、定着ベルト25および加圧ローラ15bの表面温度が所定の定着温度になったと判断すると、ウォームアップが完了したと判断し、定着装置15の定着動作が開始される。
そして、定着装置15における定着動作が終了すると、CPU500は、電源回路520に電力供給停止を指示する制御信号を出力する。CPU500から制御信号が入力された電源回路520は、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給を停止する(時刻t23)。
このようにして、加熱手段21およびヒータランプ26に対する電力供給が停止されるのと同時に、制御回路510は、駆動モータ23を制御して、定着ローラ15aの回転駆動動作を停止させ、定着ベルト25の回転動作を停止させる(時刻t23)。
そして、定着ベルト25の回転速度がゼロになったときに、制御回路510は、角変位付与手段22を制御して、定着ベルト25が張架状態から弛緩状態となるように、加熱手段21の角変位動作を開始させる(時刻t24)。角変位付与手段22によって角変位動作が開始された加熱手段21は、定着ベルト25の回転方向上流側に対応する他端部が、所定の周速度で、定着ローラ15aに近接する方向に角変位され、定着ベルト25が弛緩状態となったときに角変位動作が停止される。
次に、図3に戻って、加熱手段21が有する発熱部材211について説明する。発熱部材211は、保持部材210の長手方向(定着ベルト25の幅方向)に延びる矩形板状の部材であり、保持部材210の凹部に嵌め込まれた状態で内側固定部材218によって固定されている。
発熱部材211は、断熱層216の表面上に、第1絶縁体層214、発熱層212、第2絶縁体層213および良熱伝導体層215が、この順で積層された積層構造を有し、断熱層216が形成される側の面が内側固定部材218と接触する側の面となり、良熱伝導体層215が形成される側の面が保持部材210の凹部上面と接触する側の面となる。
断熱層216は、断熱性を有する材料によって形成される層であり、好ましくは断熱性と弾性とを兼ね備えた材料によって形成される層である。断熱性と弾性とを兼ね備えた材料としては、シリコンゴムやフッ素ゴムなどを挙げることができ、これらの材料を用いて気泡を有するように構成し、断熱効果を向上させることもできる。を挙げることができる。本実施の形態では、断熱層216は、フッ素ゴムからなる厚み2mmの層である。
断熱層216は、発熱層212から発生した熱が、発熱部材211における内側固定部材218と接触する側の面から放射されてしまうのを防止し、発熱部材211における保持部材210と接触する側の面(良熱伝導体層215が設けられる側の面)からの熱放射効率を向上させる。このように、断熱層216が、発熱部材211における保持部材210と接触する側の面からの熱放射効率を向上させるので、保持部材210を効率よく加熱することができる。そのため、保持部材210のベルト接触面に接触する定着ベルト25を効率よく加熱することができ、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
また、発熱部材211における内側固定部材218と接触する断熱層216が弾性を有する材料で形成されることによって、断熱層216は、内側固定部材218による押圧力を受けて弾性変形し、この弾性変形による弾性力が発熱部材211から保持部材210に向けて働く。これによって、保持部材210に対する発熱部材211の密着性が向上し、保持部材210を効率よく加熱することができる。そのため、保持部材210のベルト接触面に接触する定着ベルト25を効率よく加熱することができ、ウォームアップ時間が短く、かつ、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成できる。
第1絶縁体層214および第2絶縁体層213は、耐熱性と電気絶縁性とを兼ね備えた材料によって形成される層である。耐熱性と電気絶縁性とを兼ね備えた材料としては、特に限定されないが、ポリイミド樹脂などの耐熱性ポリマー材料、アルミナなどのセラミックス材料を挙げることができる。本実施の形態では、第1絶縁体層214および第2絶縁体層213は、ポリイミド樹脂からなる厚み30μmの層である。第1絶縁体層214は、断熱層216と発熱層212との間に介在して両層間、および、発熱層212と内側固定部材218との間の絶縁を確保し、第2絶縁体層213は、発熱層212と良熱伝導体層215との間に介在して両層間、および、発熱層212と保持部材210との間の絶縁を確保する。このように、第1絶縁体層214および第2絶縁体層213が、通電によって発熱する発熱層212を電気的に絶縁するので、安全な加熱手段21とすることができる。
良熱伝導体層215は、発熱層212で発生する熱が保持部材210に伝導する熱伝導性を向上させるために形成する層である。良熱伝導体層215を構成する材料としては、高温環境下でも熱伝導性に優れ、経時変化が生じ難い材料であれば特に限定されないが、たとえば、300℃以上の耐熱性を有する耐熱シリコングリスを挙げることができる。また、熱伝導性をさらに向上させるために、金、銀、銅、白金、カーボン、グラファイトなどの粉末を耐熱シリコングリスに添加したものを、良熱伝導体層215を構成する材料として用いてもよい。
発熱部材211と保持部材210との接触部分で隙間が開くと、空気層が介在することになり、熱伝導性が悪くなる。そこで、発熱部材211における保持部材210との接触部分に良熱伝導体層215を設けることによって、熱抵抗を増加させる空気層を除去し、熱伝動性を向上させることができる。また、発熱部材211における保持部材210との接触部分に良熱伝導体層215を設けることによって、発熱層212で発生した熱が良熱伝導体層215を介して保持部材210に素早く伝達されるので、ウォームアップ時間の短縮や保持部材210における温度分布均一性を短時間のうちに確保することができ、高速印字においても十分な熱量を保持部材210から定着ベルト25に供給することができる。
発熱層212は、通電によりジュール熱が発生して発熱する抵抗発熱体からなる層である。発熱層212を構成する抵抗発熱体としては、ニッケル−クロムの合金を主成分とした金属材料やステンレス鋼からなる電気抵抗成分を有する金属抵抗体や、銀−パラジウム系などの抵抗材料で形成されたものを挙げることができる。また、幅12mmのセラミック基板上に幅1mm前後の抵抗線をスクリーン印刷により形成したセラミック発熱体、薄膜セラミックシートを複数積層し、該シートの間に細い抵抗線を形成して焼成したセラミック発熱体、チタン酸バリウム系の半導体セラミックを主成分とした無機材料を焼成したセラミック発熱体を、抵抗発熱体とすることができる。本実施の形態では、発熱層212は、厚みが15μmの層である。
図8は、加熱手段21が有する発熱部材211の発熱層の構成を示す図である。本実施の形態では、発熱層212は、図8(a)に示すように、保持部材210の長手方向(定着ベルト25の幅方向)に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121が、保持部材210におけるベルト接触面の周方向(定着ベルト25の回転方向)に相互に間隔をあけて配列されている。そして、給電端子部221に電圧が印加されると、複数の抵抗発熱体2121がそれぞれ個別に発熱する。このように個別に発熱する抵抗発熱体2121から発生した熱が保持部材210に伝達され、さらに保持部材210から定着ベルト25に伝達されて定着ベルト25が加熱される。
また、発熱部材211の発熱層を、図8(b)に示すような構成とすることもできる。図8(b)に示す発熱層320では、保持部材210におけるベルト接触面の周方向(以下、「保持部材210の周方向」という)に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121が、保持部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列されている。そして、給電端子部221に電圧が印加されると、複数の抵抗発熱体2121がそれぞれ個別に発熱する。このように個別に発熱する抵抗発熱体2121から発生した熱が保持部材210に伝達され、さらに保持部材210から定着ベルト25に伝達されて定着ベルト25が加熱される。
また、発熱部材211の発熱層は、通電によって発熱する発熱部分が複数に分割されるように構成することもできる。図9Aおよび図9Bは、発熱層の表面における発熱部分の分割状態を示す図である。
図9A(a)に示す発熱層321は、保持部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域321aと、第2発熱領域321bと、第3発熱領域321cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する保持部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層321の第1発熱領域321aおよび第2発熱領域321bが、保持部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域321cが、保持部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域321a内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121aが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121aの両端部は一対の給電端子部221aに接続されている。第2発熱領域321b内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121bが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121bの両端部は一対の給電端子部221bに接続されている。第3発熱領域321c内には、保持部材210の長手方向に延びる複数の抵抗発熱体2121cが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121cの両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。
つまり、第1発熱領域321a内の各抵抗発熱体2121aと、第2発熱領域321b内の各抵抗発熱体2121bと、第3発熱領域321c内の各抵抗発熱体2121cとは、それぞれ異なる給電端子部221a,221b,221cに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層321の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域321a,321b,321cごとに通電状態を切り替えて、発熱層321表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。このように、分割された発熱領域ごとに通電状態を切り替えて加熱副制御し、抵抗発熱体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することによって、定着不良、定着画像劣化を防止することができるとともに、抵抗発熱体自身の破損を防止し、消費電力の増大を防止することができる。また、定着ベルト25表面における加熱の必要な領域に対応して、分割される発熱領域の通電状態を切り替えて、異なる動作モードごとに加熱副制御を行うことができるので、温度リップルや動作モード移行後の急激な温度低下を抑えることができる。
また、図9A(b)に示す発熱層322は、保持部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域322aと、第2発熱領域322bと、第3発熱領域322cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する保持部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層322の第1発熱領域322aおよび第2発熱領域322bが、保持部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域322cが、保持部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域322a内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121aが保持部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121aの両端部は一対の給電端子部221aに接続されている。第2発熱領域322b内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121bが保持部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121bの両端部は一対の給電端子部221bに接続されている。第3発熱領域322c内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121cが保持部材210の長手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121cの両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。
つまり、第1発熱領域322a内の各抵抗発熱体2121aと、第2発熱領域322b内の各抵抗発熱体2121bと、第3発熱領域322c内の各抵抗発熱体2121cとは、それぞれ異なる給電端子部221a,221b,221cに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層322の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域322a,322b,322cごとに通電状態を切り替えて、発熱層322表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の抵抗発熱体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
また、図9B(c)に示す発熱層323は、保持部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域323aと、第2発熱領域323bと、第3発熱領域323cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する保持部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層323の第1発熱領域323aおよび第2発熱領域323bが、保持部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域323cが、保持部材210の長手方向中央部に対応している。
第1発熱領域323a内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121aが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121aの両端部は一対の給電端子部221aに接続されている。このとき、発熱層323における端部側の給電端子部221aは保持部材210の周方向に延びて形成され、発熱層323における中央側の給電端子部221aは保持部材210の長手方向に所定の角度で傾斜する方向に延びて形成されている。第2発熱領域323b内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121bが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121bの両端部は一対の給電端子部221bに接続されている。このとき、発熱層323における端部側の給電端子部221bは保持部材210の周方向に延びて形成され、発熱層323における中央側の給電端子部221bは保持部材210の長手方向に所定の角度で傾斜する方向に延びて形成されている。第3発熱領域323c内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121cが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121cの両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。このとき、給電端子部221cは、給電端子部221aおよび給電端子部221bの中央側端子と平行になるように設けられている。
つまり、第1発熱領域323a内の各抵抗発熱体2121aと、第2発熱領域323b内の各抵抗発熱体2121bと、第3発熱領域323c内の各抵抗発熱体2121cとは、それぞれ異なる給電端子部221a,221b,221cに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層323の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域323a,323b,323cごとに通電状態を切り替えて、発熱層323表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の抵抗発熱体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
図9B(d)に示す発熱層324は、保持部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域324aと、第2発熱領域324bと、第3発熱領域324cとに分割されている。本実施の形態では、保持部材210表面が、長手方向一端側に2つの領域と、残領域との3つの領域に分割されている。そして、発熱層324の第1発熱領域324aが保持部材210の残領域に対応し、第2発熱領域324bが保持部材210の長手方向一端側の2つの領域のうち中央側の領域に対応し、第3発熱領域324cが保持部材210の長手方向一端側の2つの領域のうち端部側の領域に対応している。
第1発熱領域324a内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121aが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121aの両端部は一対の給電端子部221aに接続されている。第2発熱領域324b内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121bが保持部材210の周方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121bの両端部は一対の給電端子部221bに接続されている。第3発熱領域324c内には、保持部材210の長手方向に蛇行して延びる複数の抵抗発熱体2121cが保持部材210の短手方向に相互に間隔をあけて配列して設けられ、各抵抗発熱体2121cの両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。
つまり、第1発熱領域324a内の各抵抗発熱体2121aと、第2発熱領域324b内の各抵抗発熱体2121bと、第3発熱領域324c内の各抵抗発熱体2121cとは、それぞれ異なる給電端子部221a,221b,221cに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、発熱層324の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域324a,324b,324cごとに通電状態を切り替えて、発熱層324表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御することができる。
以上の実施形態では、複数の抵抗発熱体に対応する通紙領域部が同一層に形成された発熱層の表面における発熱部分の分割状態について説明したが、以下では、図10を用いて、複数の抵抗発熱体が積層された積層構造を有する発熱層の表面における発熱部分の分割状態について説明する。
図10は、複数の抵抗発熱体が積層された積層構造を有する発熱層における発熱部分の分割状態を示す図である。図10(a)は、複数の抵抗発熱体が積層された積層構造を有する発熱層325の構成を示し、図10(b)は、発熱層325における抵抗発熱体の積層構造を平面視した場合の各抵抗発熱体の通紙領域部の配置状態を示す。
図10に示す発熱層325は、保持部材210の周方向に対応する幅が12mmのセラミックシートを複数枚積層して形成され、各セラミックシートの合わせ面には、銀−パラジウム系の薄膜抵抗発熱体を線幅1mmで2.5往復折り返すようにスクリーン印刷して設け、その後、焼成して形成したものである。なお、各セラミックシートの大きさ、薄膜抵抗発熱体の材質、幅、厚み、スクリーン印刷時の折り返しパターンなどは、発熱層325に求められる発熱能力に応じて適宜設定される。また、複数のセラミックシートを積層したセラミック発熱体からなる発熱層325は、急速加熱を行うことができ、さらに、発熱層325自信が過熱状態になったとしても、破損はするけれども発煙、発火には至らない安全性も有している。
発熱層325は、保持部材210表面の複数領域に対応して、第1発熱領域325aと、第2発熱領域325bと、第3発熱領域325cとに分割されている。本実施の形態では、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合を想定して、記録紙32と接触する定着ベルト25を加熱する保持部材210表面が、長手方向両端部と中央部との3つの領域に分割されている。そして、発熱層325の第1発熱領域325aおよび第2発熱領域325bが、保持部材210の長手方向両端部にそれぞれ対応し、第3発熱領域325cが、保持部材210の長手方向中央部に対応している。
発熱層325は、第1発熱領域325aと第2発熱領域325bとは同一層内に形成され、第3発熱領域325cは別の層に形成された積層構造を有する。第1発熱領域325a内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる抵抗発熱体2121aが設けられ、抵抗発熱体2121aの両端部は一対の給電端子部221aに接続されている。第2発熱領域325b内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる抵抗発熱体2121bが設けられ、抵抗発熱体2121bの両端部は一対の給電端子部221bに接続されている。第3発熱領域325c内には、保持部材210の周方向に蛇行して延びる抵抗発熱体2121cが設けられ、抵抗発熱体2121cの両端部は一対の給電端子部221cに接続されている。
つまり、第1発熱領域325a内の抵抗発熱体2121aと、第2発熱領域325b内の抵抗発熱体2121bと、第3発熱領域325c内の抵抗発熱体2121cとは、それぞれ異なる給電端子部221a,221b,221cに接続されて、各発熱領域ごとに区別された状態で通電可能となっている。これによって、異なる大きさの記録紙32を通紙させて印字する場合には、異なる通紙サイズに対応して発熱層325の表面において所望の温度分布が得られるように、各発熱領域325a,325b,325cごとに通電状態を切り替えて、発熱層325表面における所望の特定領域のみが発熱するように加熱副制御し、記録紙32の通紙幅両端部に対応する発熱領域内の抵抗発熱体の通紙領域部の局部的な異常昇温を抑制することができる。
次に、図3に戻って、加熱手段21が有する内側固定部材218について説明する。内側固定部材218は、保持部材210の凹部に嵌め込まれた状態の発熱部材211に対して、発熱部材211の厚み方向一表面(断熱層216が形成されている側の面)に略線接触または略点接触して、発熱部材211を保持部材210に近接する方向に弾発的に押圧し、発熱部材211の厚み方向他表面(良熱伝導体層215が形成されている側の面)が保持部材210の凹部上面に面接触するように、発熱部材211を固定する部材である。
発熱部材211と保持部材210との間の接触部分に浮きが発生していると、加熱手段21としての加熱効率が低下するだけではなく、局所的に過熱状態になる部分が生じ、抵抗発熱体および絶縁体の破損だけでなく加熱手段21や定着ベルト25の破損を招いてしまう恐れがある。これに対して、内側固定部材218が、保持部材210に対する所定位置に発熱部材211を固定することによって、加熱手段21としての加熱効率の低下を抑制することができ、定着装置15としてのウォームアップ時間が短く、消費電力の増大を抑えて省エネ化が達成でき、かつ、高い安全性を確保することができる。
内側固定部材218を構成する材料としては、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅、ニッケル等の金属あるいはそれらの合金、耐熱樹脂等を挙げることができる。内側固定部材218を耐熱樹脂によって形成した場合には、金属によって形成した場合に比べて断熱性に優れた部材とすることができ、発熱部材211の発熱層212で発生した熱が、内側固定部材218を伝達して放散してしまうことによる熱損失を抑制する効果を高めることができる。一方、内側固定部材218を金属によって形成した場合には、樹脂によって形成した場合に比べて耐熱性に優れ、弾性係数の高い部材とすることができ、発熱部材211を保持部材210に近接する方向に弾発的に押圧して所定位置に安定して固定する効果を高めることができる。
図11は、内側固定部材の構成を示す図である。図11(a)に示すように、内側固定部材218は、弾性を有する複数の極細い板状部材218aが、矩形板状の発熱部材211の短手方向に相互に間隔をあけて配列し、弾性を有する複数の極細い板状部材218bが前記複数の極細い板状部材218aに直交して発熱部材211の長手方向(定着ベルト25の幅方向)に間隔をあけて配列して、メッシュ状に形成される。
また、発熱部材211を保持部材210に対する所定位置に固定する内側固定部材は、図11(b)に示すような構成とすることもできる。図11(b)に示す内側固定部材330は、複数の極細い板状部材330aが発熱部材211の長手方向に所定の角度で傾斜する方向に相互に間隔をあけて配列し、複数の極細い板状部材330bが前記複数の極細い板状部材330aに直交して相互に間隔をあけて配列して、メッシュ状に形成される。
メッシュ状に形成される内側固定部材218,330は、発熱部材211表面に略線接触するように構成されているので、発熱部材211の発熱層212で発生した熱が内側固定部材218,330を伝達して放散してしまうのを抑制することができる。また、内側固定部材218を構成する極細い板状部材218a,218b、および内側固定部材330を構成する極細い板状部材330a,330bの厚み、メッシュ目の開口面積、メッシュ目の大きさの縦横比(アスペクト比)、極細い板状部材の配置方向、材質を種々組み合わせることで、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
また、発熱部材211を保持部材210に対する所定位置に固定する内側固定部材としては、前述したメッシュ状に形成される部材以外に、ハニカム状部材、孔付板状部材、切り欠き板状部材を用いることができる。
図12は、ハニカム状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。図12に示す内側固定部材331は、弾性を有する線材331aが複数組み合わされてハニカム状に形成されるハニカム状部材331bと、ハニカム状部材331bの端部に接続されてハニカム状部材331bを固定して支持する支持部331cとを含んで構成される。ハニカム状部材331bによって構成された内側固定部材331は、発熱部材211表面に略線接触するように構成されているので、発熱部材211の発熱層212で発生した熱が内側固定部材331を伝達して放散してしまうのを抑制することができる。また、ハニカム形状を構成する各セル間の間隔などを変化させることによって、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
図13は、孔付板状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。図13(a)に示す内側固定部材332は、弾性を有する単一の板状部材の表面に、円形状の複数の貫通孔332aが形成されている。また、図13(b)に示す内側固定部材333は、弾性を有する単一の板状部材の表面に、四角形状の複数の貫通孔333aが形成されている。また、図13(c)に示す内側固定部材334は、弾性を有する単一の板状部材の表面に、三角形状の複数の貫通孔334aが形成されている。表面に貫通孔が形成された内側固定部材332,333,334は、発熱部材211表面に略線接触するように構成されているので、発熱部材211の発熱層212で発生した熱が内側固定部材332,333,334を伝達して放散してしまうのを抑制することができる。また、貫通孔の開口面積などを変化させることによって、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
図14は、孔付板状部材における貫通孔が形成されていない部分を厚み方向から見た場合の形状を示す図である。単一の板状部材に貫通孔が形成されて構成される内側固定部材332,333,334は、発熱部材211表面に略点接触するように構成してもよい。具体的には、内側固定部材332,333,334における貫通孔が形成されていない部分332b,333b,334bを厚み方向から見た場合に、図14(a)に示すような、基準面から発熱部材211側に突出する矩形状の凸部335aが複数形成されるように構成してもよいし、図14(b)に示すような、基準面から発熱部材211側に突出する三角形状の凸部335bが複数形成されるように構成してもよいし、図14(c)に示すような、基準面から発熱部材211側に突出する半円形状の凸部335cが複数形成されるように構成してもよい。これらの凸部335a,335b,335cにおける基準面からの突出寸法、配置位置などを変化させることによって、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
以上のような、貫通孔が形成されていない部分に複数の凸部が形成される内側固定部材332,333,334は、単一の板状部材にエッチングやプレス加工などを施すことによって貫通孔が形成された孔付板状部材を予め準備し、孔付板状部材における貫通孔が形成されていない部分にプレス加工で凸部を設けることで作製することができる。また、単一の板状部材にプレス加工などを施して凹部を形成し、凹部の底にあたる部分に貫通孔を設けるようにしてもよい。このような、凹部の底にあたる部分に貫通孔が設けられるような構成は、単一の板状部材に貫通孔を形成した後、プレス加工などを施して貫通孔に対応する部分が凹部となるようにして作製することができる。
また、発熱部材211表面に略点接触して発熱部材211を保持する内側固定部材としては、単一の板状部材の表面に、凸部と凹部との少なくともいずれか一方が形成されるようにしてもよい。このような内側固定部材は、単一の板状部材にプレス加工などを施して、凸部と凹部との少なくともいずれか一方を複数形成して作製することができる。
図15Aおよび図15Bは、切り欠き板状部材からなる内側固定部材の構成を示す図である。図15A(a)に示す内側固定部材336は、弾性を有する単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて、極細い板状部336bの両側面から発熱部材211の短手方向に延びる複数の三角形状の枝部336aが接続されたフィッシュボーン形状に形成されている。また、図15A(b)に示す内側固定部材337は、弾性を有する単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて、極細い板状部337bの両側面から発熱部材211の短手方向に延びる複数の板状の枝部337aが接続されたフィッシュボーン形状に形成されている。また、図15A(c)に示す内側固定部材338は、弾性を有する単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて、極細い板状部338bの両側面から発熱部材211の短手方向に延びる複数の板状の枝部338aが交互に接続されたフィッシュボーン形状に形成されている。
図15B(d)に示す内側固定部材339は、弾性を有する単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて、極細い板状部339bの両側面から発熱部材211の短手方向に延びる複数の板状の枝部339aが交差するように接続されたフィッシュボーン形状に形成されている。また、図15B(e)に示す内側固定部材340は、弾性を有する単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて、極細い板状部340bの両側面から発熱部材211の短手方向に延びる複数のS字状の枝部340aが接続されたフィッシュボーン形状に形成されている。
以上のような、単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて形成される内側固定部材336,337,338,339,340は、発熱部材211表面に略線接触するように構成されているので、発熱部材211の発熱層212で発生した熱が内側固定部材336,337,338,339,340を伝達して放散してしまうのを抑制することができる。
また、内側固定部材336,337,338,339,340は、単一の板状部材からエッチングや切断、打ち抜きなどの方法によって作製することができ、複数の枝部の配置位置、大きさなどを変化させることによって、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
図16は、切り欠き板状部材の枝部を厚み方向から見た場合の形状を示す図である。単一の板状部材が所定の形状で切り欠かれて形成される内側固定部材336,337,338,339,340では、発熱部材211の表面に沿うように設けられる枝部336a,337a,338a,339a,340aが、発熱部材211表面に略点接触するように構成してもよい。
具体的には、枝部336a,337a,338a,339a,340aを厚み方向から見た場合に、図16(a)に示すような、各枝部の基準面から発熱部材211側に突出する半円形の凸部341aが複数形成されるように各枝部を構成してもよいし、図16(b)に示すような、各枝部の基準面から発熱部材211側に突出する三角形の凸部341bが複数形成されるように各枝部を構成してもよいし、図16(c)および図16(d)に示すような、各枝部の基準面から発熱部材211側に突出する半円形の凸部341cと、発熱部材211とは反対側に突出する半円形の凹部341dとが繰り返して連なるように各枝部を構成してもよい。これらの凸部341a,341b,341cと、凹部341dとにおける基準面からの突出寸法、配置位置などを変化させることによって、保持部材210に対する発熱部材211の押圧力分布を調整することができる。
15 定着装置
15a 定着ローラ
15b 加圧ローラ
21 加熱手段
22,219,220 角変位付与手段
25 定着ベルト
100 画像形成装置
210 保持部材
211 発熱部材
217 加熱支持ローラ
218 内側固定部材

Claims (12)

  1. 回転駆動される定着ローラと、
    通電により発熱する抵抗発熱体を含む発熱部材と、前記発熱部材を保持し、前記発熱部材で発生する熱を外部に伝達する保持部材とを有する加熱手段と、
    前記定着ローラと前記加熱手段との間に巻き掛けられて、前記定着ローラの回転に従動して回転搬送される無端状の定着ベルトと、
    前記定着ベルトを介して前記定着ローラに対向しかつ圧接して設けられる加圧部材と、
    前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向下流側に対応する一端部の軸線まわりに、前記加熱手段を角変位させる角変位付与手段であって、前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部を前記定着ローラに近接する方向に角変位させて、前記定着ベルトを張架状態から弛緩状態に切り替え、前記他端部を前記定着ローラから離反する方向に角変位させて、前記定着ベルトを弛緩状態から張架状態に切り替える角変位付与手段と、を含み、
    前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時に弛緩状態となるように、前記角変位付与手段によって、予め角変位されることを特徴とする定着装置。
  2. 前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時に弛緩状態となり、定速回転している間は張架状態となるように、前記角変位付与手段によって角変位されることを特徴とする請求項1記載の定着装置。
  3. 前記加熱手段は、前記定着ベルトが回転始動時の弛緩状態から定速回転時の張架状態となるように、前記角変位付与手段によって角変位されるとき、前記定着ベルトの回転方向上流側に対応する他端部の周速度が、始動回転から定速回転に移行するときの前記定着ベルトの回転速度と同速度であることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記加熱手段における前記定着ベルトの回転方向下流側に対応する一端部を支持する支持部材であって、前記定着ベルトの内周面に接触して設けられるローラ状の部材で構成される支持部材をさらに含み、
    前記支持部材の回転軸線は、前記加熱手段が前記角変位付与手段によって角変位されるときの軸線と一致することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載の定着装置。
  5. 前記加熱手段は、前記定着ベルトとの接触面に、低摩擦係数を有する材料からなるコート層が設けられることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載の定着装置。
  6. 前記角変位付与手段は、前記定着ベルトの内側に配設されて、前記加熱手段を前記定着ベルトに向けて押圧するように構成され、押圧力を変化させることによって、前記定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、前記加熱手段を角変位させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  7. 前記角変位付与手段は、前記定着ベルトの外側に配設されて、前記加熱手段を前記定着ベルトに向けて引張するように構成され、引張力を変化させることによって、前記定着ベルトの張架状態および弛緩状態にわたって、前記加熱手段を角変位させることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載の定着装置。
  8. 前記角変位付与手段は、ばね部材からなることを特徴とする請求項6または7記載の定着装置。
  9. 前記加熱手段は、前記定着ベルトの回転方向上流側および下流側に対応する両端部が、前記定着ベルトの内周面に沿うように湾曲する形状であることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1つに記載の定着装置。
  10. 前記保持部材は、内方側に凹んだ凹部を有し、前記凹部に嵌め込まれた状態の前記発熱部材を保持するように構成されることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1つに記載の定着装置。
  11. 前記加熱手段は、前記保持部材に対する所定位置に前記発熱部材を固定する内側固定部材をさらに含んで構成されることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1つに記載の定着装置。
  12. 請求項1〜11のいずれか1つに記載の定着装置を備えることを特徴とする画像形成装置。
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