JP5259471B2 - 定着装置及びそれを用いる画像形成装置 - Google Patents

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Description

本発明は、複写機やプリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置及びそれを用いる画像形成装置に係り、特に、レーザ光照射手段により定着する定着装置及びそれを用いる画像形成装置に関する。
従来、複写機、プリンタ等の電子写真方式の画像形成装置に用いられる定着装置として、熱ローラ定着方式の定着装置が多用されている。熱ローラ定着方式の定着装置は、互いに圧接されたローラ対(定着ローラおよび加圧ローラ)を備え、このローラ対の両方あるいはいずれか一方の内部に配置されたハロゲンヒータ等からなる加熱手段によりローラ対を所定の温度(定着温度)に加熱した後、未定着トナー画像が形成された記録用紙(以下、単に「用紙」と称する。)をローラ対の圧接部(定着ニップ部)に給紙し、圧接部を通過させることで熱と圧力によりトナー画像の定着を行うようになっている。
しかしながら、このような従来の熱ローラ定着方式の定着装置においては、定着ローラや加圧ローラを定着可能な温度に昇温させるためのウオームアップ時間が長いため、待機時においても定着ローラや加圧ローラを予熱しておく必要があり、消費電力が増大するといった課題があった。
このような問題を解決するために、用紙上に形成された未定着トナー像にレーザビームを照射し、トナー像を溶融することで定着を行うレーザ方式の定着装置が提案されている(特許文献1を参照)。
特許第3016685号公報
しかしながら、従来のレーザ定着装置は、特許文献1等に開示されているように、波長780(nm)の半導体レーザを用いているため、780(nm)の波長域においてはレーザ光が黒トナーにしか吸収されず、光吸収率の低いカラートナーに対しては溶融定着することができないという問題がある。
また、黒トナーであっても、画像パターンによって定着性が異なり、例えば、ベタ画像に比べてハーフトーン画像では、相対的に用紙に逃げる熱が大きく、定着性が低下するという問題がある。
更に、半導体レーザ素子でのエネルギー変換効率が50(%)以下と低く、半分以上のエネルギーがレーザ素子での自己発熱となってしまうため、エネルギー効率が低く、且つ半導体レーザ素子を冷却するための冷却手段を設ける必要があるという問題がある。
本発明は、上記従来の問題に鑑みてなされたものであり、レーザ方式の定着装置において、カラー画像にも適用可能で、画像パターン(画像濃度)による定着性に差がなく、エネルギー効率が高く、冷却手段を設ける必要のない定着装置及びそれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
本発明は、記録媒体上の未定着トナー画像を溶融して前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記記録媒体を前記定着手段に押し当てながら搬送する加圧手段とを備え、前記定着手段として、レーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記記録媒体に当接するとともに前記レーザ照射手段から照射されるレーザ光を吸収して熱に変換する定着部材とを備え、前記記録媒体を搬送しながら未定着トナー画像を定着させる定着装置において、前記定着部材を円筒状に形成し、前記レーザ照射手段を前記定着部材の内周側に配置して、前記定着部材により前記未定着トナーを溶融することを特徴とするものである。
また、本発明は、前記レーザ照射手段を、前記定着部材と接触して配置することが好ましい。
また、本発明は、前記レーザ照射手段の構成として、レーザ照射手段自体から発生する熱を拡散する熱拡散部材を備え、前記熱拡散部材を介して前記定着部材と接触して配置することが好ましい。
また、本発明は、前記定着手段の構成として、前記定着部材の内周側で前記加圧手段と対向する位置で前記定着部材を支持する光透過性を有するバックアップ部材を備え、前記定着部材を柔軟性を有する部材で形成し、前記バックアップ部材により前記加圧手段に押圧されるようにすることが好ましい。
また、本発明は、前記定着部材を、光透過性を有する基層と、前記基層の表面に形成される光吸収層とを有する多層構造で構成することが好ましい。
また、本発明は、前記光吸収層には、フッ素樹脂が含まれることが好ましい。
また、本発明は、表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体表面を帯電させる帯電装置と、像担持体表面に静電潜像を形成する露光装置と、像担持体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記定着装置として、請求項1乃至のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることを特徴とするものである。
本発明によれば、記録媒体上の未定着トナー画像を溶融して前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記記録媒体を前記定着手段に押し当てながら搬送する加圧手段とを備え、前記定着手段として、レーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記記録媒体に当接するとともに前記レーザ照射手段から照射されるレーザ光を吸収して熱に変換する定着部材とを備え、前記記録媒体を搬送しながら未定着トナー画像を定着させる定着装置において、前記定着部材を円筒状に形成し、前記レーザ照射手段を前記定着部材の内周側に配置して、前記定着部材により前記未定着トナーを溶融するようにしたので、トナーの種類(色)や画像パターン(濃度)に依らず、均一な定着性を確保することができる。
また、本発明によれば、前記定着部材を、円筒状に形成し、前記レーザ照射手段を前記定着部材の内周側に配置することで、前記レーザ照射手段(例えば、レーザ素子)の自己発熱による熱が前記定着部材に伝わり、トナーの定着に寄与するため、前記レーザ照射手段の自己発熱分が損失とはならず、定着システムのエネルギー効率を向上することができる。
また、本発明によれば、前記レーザ照射手段を、前記定着部材と接触して配置することで、前記レーザ照射手段が前記定着部材と接触することにより、非接触の場合に比べて、自己発熱で発生した熱をより効率的に定着部材に伝えることができる。
また、本発明によれば、前記レーザ照射手段の構成として、レーザ照射手段自体から発生する熱を拡散する熱拡散部材を備え、前記熱拡散部材を介して前記定着部材と接触して配置することで、自己発熱により前記レーザ照射手段で発生した熱を、より広い面積で定着部材に伝えることができるため、単純に接触している場合に比べて、より効率的に定着部材に伝えることができる。
また、本発明によれば、前記定着手段の構成として、前記定着部材の内周側で前記加圧手段と対向する位置で前記定着部材を支持する光透過性を有するバックアップ部材を備え、前記定着部材を柔軟性を有する部材で形成し、前記バックアップ部材により前記加圧手段に押圧されるようにすることで、定着部材に剛性がなくても、レーザ光を遮光することなく、前記記録媒体が加熱、加圧される定着部(ニップ部)で定着部材を加圧手段に押圧することができる。
また、本発明によれば、前記定着部材を、光透過性を有する基層と、前記基層の表面に形成される光吸収層とを有する多層構造で構成することで、レーザ光は透明の基層を透過し、表面の光吸収層で吸収されて熱に変換されるため、前記定着部材の表面のみが発熱し、エネルギー効率を向上することができる。
また、本発明によれば、前記光吸収層には、フッ素樹脂が含まれることで、前記光吸収層のトナーに対する離型性が向上するため、トナーが定着部材にオフセットすることを防止することができる。
また、本発明によれば、表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体表面を帯電させる帯電装置と、像担持体表面に静電潜像を形成する露光装置と、像担持体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、前記定着装置として、請求項1乃至のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることで、トナーの種類(色)や画像パターン(濃度)に依らず、均一な定着性を確保することができる。また、このように構成することで、エネルギー効率を高くできるので、冷却手段を設ける必要のない画像形成装置を実現できる。
本発明の実施形態に係る定着ユニットが用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。 前記定着ユニットの構成を示す説明図である。 前記定着ユニットを構成するレーザヘッドの構成を示す正面から見た説明図である。 前記レーザヘッドの構成を示す側面から見た説明図である。 は前記定着ユニットにおける定着ニップ部の拡大説明図である。 前記定着ユニットにおいて画像情報に基づきレーザヘッド及び加圧ローラの動作を制御する制御システムの構成を示すブロック図である。 前記定着ユニットの定着ニップ部における位置をトナー温度の関係を示すグラフである。 従来の定着ユニットにおける比較例1の原稿の印字率及びドット印字率の条件と、その条件の際に必要となるレーザビームのエネルギー密度、用紙搬送速度、並びに平均消費電力の関係を示す表である。 従来の定着ユニットにおける比較例2の原稿の印字率及びドット印字率の条件と、その条件の際に必要となるレーザビームのエネルギー密度、用紙搬送速度、並びに平均消費電力の関係を示す表である。 本実施形態の定着ユニットにおける実施例1の原稿の印字率及び定着フィルム温度の条件と、その条件の際に必要となるレーザビームのエネルギー密度、用紙搬送速度、並びに平均消費電力の関係を示す表である。 従来の定着ユニットの構成を示す説明図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る定着ユニットが用いられた画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
なお、本明細書および図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
本実施形態は、図1に示すように、表面に静電潜像が形成される感光体ドラム(像担持体)101と、感光体ドラム101表面を帯電させる帯電ユニット(帯電装置)103と、感光体ドラム101表面に静電潜像を形成する光学系ユニット(露光装置)Eと、感光体ドラム101表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像ユニット(現像装置)102と、感光体ドラム101表面のトナー像を中間転写ベルト11に転写する一次転写ユニット(転写装置)13と、中間転写ベルト11に1時的に転写されたトナー像を用紙に転写する二次転写ユニット(転写装置)14と、前記転写されたトナー像を用紙に定着させる定着ユニット(定着装置)15とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置100において、定着ユニット15として、本発明に係る定着装置の構成を採用したものである。
まず、画像形成装置100の全体構成について説明する。
画像形成装置100は、例えば、ネットワーク上の各端末装置から送信される画像データ等に基づいて、所定の用紙に対して多色又は単色の画像を形成する。
画像形成装置100は、図1に示すように、光学系ユニットE、4組の可視像形成ユニットpa,pb,pc,pd、中間転写ベルト11、二次転写ユニット14、定着ユニット15、内部給紙ユニット16及び手差し給紙ユニット17とを備えている。
可視像形成ユニットpaは、トナー像担持体となる感光体ドラム101aの周囲に、現像ユニット102a、帯電ユニット103a、クリーニングユニット104a及び一次転写ユニット13aが配置されている。現像ユニット102aには、ブラック(B)のトナーが収容されている。一次転写ユニット13aは、中間転写ベルト11を介して感光体ドラム101a上に配置されている。
帯電ユニット103aとしては、感光体ドラム101a表面を一様に、またオゾンを極力発生させることなく帯電するために、帯電ローラ方式を採用している。
他の3組の可視像形成ユニットpb,pc,pdは、可視像形成ユニットpaと同様の構成であり、各可視像形成ユニットの現像ユニット102b,102c,102dには、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の各色トナーが収容されている。
光学系ユニットEは、レーザ光源4からの照射光を4組の感光体ドラム101a,101b,101c,101dに照射するように配置されている。
詳しくは、光学系ユニットEは、メモリから読出した画像データ、または外部の装置から転送されてきた画像データに応じてレーザ光を出射するレーザ光源4、レーザ光を等角速度偏向するポリゴンミラー、等角速度で偏向されたレーザ光が感光体ドラム101上において等角速度で偏向されるように補正するf−θレンズなどから構成されている。そして、帯電された感光体ドラム101a,101b,101c,101dを入力された画像データに応じて露光することにより、その表面に画像データに応じた静電潜像を形成するものである。
中間転写ベルト11は、用紙搬送方向に沿って並設された可視像形成ユニットpa,pb,pc,pdに沿って、テンションローラ11a,11bにより撓むことなく配置されている。中間転写ベルトにおいて、テンションローラ11b側には廃トナーボックス12が当接配置され、テンションローラ11a側には二次転写ユニット14が当接配置されている。
定着ユニット15は、用紙上の未定着トナー画像にレーザ光によって発生する熱を利用して該未定着トナー画像を溶融して用紙上に定着させるレーザヘッド(レーザ照射手段)15aと、用紙を加圧・搬送する加圧手段15bとを備え、レーザ光によって発生する熱によりトナー像を用紙に定着するレーザ定着装置である。この定着ユニット15は、二次転写ユニット14の用紙搬送方向下流側に配置されている。
光学系ユニットEの下方には、内部給紙ユニット16が設けられ、装置本体の外側面には手差し給紙ユニット17が設けられている。画像形成装置100の上部には排紙トレイ18が設けられている。この排紙トレイ18は、印刷済みの用紙をフェイスダウンで載置するためのものである。
また、画像形成装置100には、内部給紙ユニット16の用紙及び手差し給紙ユニット17の用紙を二次転写ユニット14や定着ユニット15を経由させて排紙トレイ18に案内するための用紙搬送路Sが設けられている。
用紙搬送路Sには、給紙ローラ16a,17a、レジストローラ19、二次転写ユニット14、定着ユニット15、搬送ローラr等が配置されている。
搬送ローラrは、用紙の搬送を促進・補助するための小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。給紙ローラ16aは、内部給紙ユニット16の端部に備えられ、内部給紙ユニット16から用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。給紙ローラ17aは、手差し給紙ユニット17の近傍に備えられ、手差し給紙ユニット17から用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する呼び込みローラである。
レジストローラ19は、用紙搬送路Sを搬送されている用紙を一旦保持し、中間転写ベルト11上のトナー像の先端と用紙の先端とを合わせるタイミングで用紙を二次転写ユニット14の転写部に搬送するものである。
次に、用紙搬送路Sによる用紙搬送動作について説明する。
画像形成装置100には、図1に示すように、上述したように予め用紙を収納する内部給紙ユニット16及び少数枚の印字を行う場合等に使用される手差し給紙ユニット17が配置されている。これら両ユニットには各々給紙ローラ16a,17aが配置され、これら給紙ローラ16a,17aによって用紙を1枚ずつ用紙搬送路Sに供給するようになっている。
片面印字の場合は、内部給紙ユニット16から搬送される用紙は、用紙搬送路S中の搬送ローラrによってレジストローラ19まで搬送され、レジストローラ19により用紙の先端と中間転写ベルト11上の積層されたトナー像の先端とが整合するタイミングで二次転写ユニット14の転写部に搬送される。転写部では中間転写ベルト11に形成されたトナー像が用紙上に転写され、このトナー像は定着ユニット15にて用紙上に定着される。その後、用紙は排紙ローラ18aから排紙トレイ18上に排出される。
また、手差し給紙ユニット17から搬送される用紙は、複数の搬送ローラrによってレジストローラ19まで搬送される。それ以降の用紙搬送動作は、上述した内部給紙ユニット16から供給される用紙と同様の経過を経て排紙トレイ18に排出される。
一方、両面印字の場合は、上記のようにして片面印字が終了して定着ユニット15を通過した用紙は、排紙ローラ18aに搬送され、後端が排紙ローラ18aにてチャックされる。次に、用紙は、排紙ローラ18aが逆回転することによって搬送ローラrに導かれ、再びレジストローラ19を経て裏面印字が行われた後に、排紙トレイ18に排出される。
次に、画像形成装置100における画像形成の行程について説明する。
可視像形成ユニットpa,pb,pc,pdにおいて行われる画像形成は同様に行われるため、可視像形成ユニットpaを例に挙げて説明する。
可視像形成ユニットpaでは、感光体ドラム101a表面を帯電ユニット103aにより一様に帯電した後、光学系ユニットEにより感光体ドラム101a表面を画像情報に応じてレーザ露光することにより静電潜像を形成する。
その後、現像ユニット102aにより感光体ドラム101a上の静電潜像に基づきトナー像を現像する。感光体ドラム101a上で顕像化されたトナー画像は、トナーとは逆極性のバイアス電圧が印加された一次転写ユニット13aにより中間転写ベルト11上に転写される。
他の3組の可視像形成ユニットpb,pc,pdにおいても、可視像形成ユニットpaと同様に画像形成が行われて、トナー画像が順次中間転写ベルト11上で重ねて転写されるようになっている。
中間転写ベルト11上に形成されたトナー画像は、二次転写ユニット14において、内部給紙ユニット16の給紙ローラ16aまたは手差し給紙ユニット17の給紙ローラ17aにより給紙され、二次転写ユニット14において、トナー画像とは逆極性のバイアス電圧が印加された用紙に転写される。
トナー画像が転写された用紙は、定着ユニット15に搬送され、定着ユニット15においてレーザ照射によって発生した熱により未定着トナー像が加熱されて用紙上に融着された後、排紙ローラ18aにより外部の排紙トレイ18上に排出される。
次に、本実施形態に係る特徴的な定着ユニット15の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本実施形態に係る定着ユニットの構成を示す説明図、図3は前記定着ユニットを構成するレーザヘッドの構成を示す正面から見た説明図、図4は前記レーザヘッドの構成を示す側面から見た説明図、図5は前記定着ユニットにおける定着ニップ部の拡大説明図、図6は前記定着ユニットにおいて画像情報に基づきレーザヘッド及び加圧ローラの駆動を制御する制御システムの構成を示すブロック図である。
定着ユニット15は、用紙Pの表面に形成された未定着トナー画像をレーザ光によって発生した熱により溶融させて用紙Pに定着させるものである。
詳しくは、定着ユニット15は、図2に示すように、主に、無端状の定着フィルム152aとこの定着フィルム152aを加熱すると同時に懸架するためのレーザヘッド(レーザ照射手段)151aを備える定着手段15aと、加圧ローラ151bとこの加圧ローラ151bを駆動するための加圧ローラ駆動装置(図示せず、図6のブロック図を参照)を備える加圧手段15bとにより構成されている。
定着手段15aには、定着フィルム152aを加圧ローラ151bに押圧するためのバックアップ部材153aと、定着フィルム152aの温度を検出する温度センサ154aとしてのサーミスタが設けられている。
未定着トナー画像は、例えば、非磁性トナーを含む非磁性1成分現像剤、非磁性トナーおよびキャリアを含む非磁性2成分現像剤、磁性トナーを含む磁性現像剤などの現像剤に含まれるトナーで形成される。
定着フィルム152aおよび加圧ローラ151bは、所定の荷重(例えば、本実施形態では216(N))で互いに圧接されて、定着ニップ部(定着フィルム152aと加圧ローラ151bとが互いに当接する部分)15cを形成している。
なお、本実施形態では、定着ニップ幅(定着ニップ部15cの用紙搬送方向の幅)を7(mm)としている。この定着ニップ部15cに未定着トナー画像が形成された用紙Pを給紙し、定着ニップ部15cを通過させることで、用紙Pにトナー画像が定着されるようになっている。
用紙Pが定着ニップ部15cを通過する時には、定着フィルム152aは用紙Pのトナー画像形成面に当接する一方、加圧ローラ151bは用紙Pにおけるトナー画像形成面とは反対側の面に当接するようになっている。
加圧ローラ151bは、その内側から順に芯金、弾性層、離型層が形成された3層構造からなる。芯金には、たとえば、鉄、ステンレス鋼、アルミニウム、銅等の金属あるいはそれらの合金等が用いられる。
弾性層にはシリコンゴム、フッ素ゴム等の耐熱性を有するゴム材料が適している。また、離型層にはPFA(テトラフルオロエチレンとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)やPTFE(ポリテトラフルオロエチレン)等のフッ素樹脂が適している。
なお、本実施形態では、加圧ローラ151bの直径は30(mm)で、芯金に直径20(mm)の鉄(STKM)、弾性層に厚さ5(mm)のシリコンソリッドゴム、離型層に厚さ30(μm)のPFAチューブを用いている。
加圧ローラ151bには、加圧ローラ151bを図中の矢印方向に回転駆動するための加圧ローラ駆動装置(図示省略)が連結されており、画像情報検出手段(図示省略)により検出された画像情報156及び温度センサ151a10(図4を参照)により検出されたレーザヘッド151aの温度情報に基づいて、図6に示すように、制御装置155に備える第2の制御手段(速度制御手段)158によって、用紙搬送速度が0〜225(mm/sec)の範囲で可変制御されるよう構成されている。
定着フィルム152aは、レーザヘッド151aから照射されたレーザ光を吸収して熱に変換し、定着ニップ部15cを通過する用紙P上の未定着トナー画像を加熱・溶融するためのものである。定着フィルム152aは、直径33(mm)でレーザヘッド151aの熱拡散部材とバックアップ部材153aによって懸架されている。
定着フィルム152aは、加圧ローラ151bの回転時には、加圧ローラ151bに従動して図の矢印方向に回転するようになっている。定着フィルム152aは、図5に示すように、レーザ光を透過する透明(光透過性)の基材152a1の表面に光吸収層152a2が形成された2層構成となっている。
なお、本実施形態の定着フィルム152aは、基材に厚さ70(μm)のアリルエステル硬化性樹脂、光吸収層に厚さ10(μm)のPTFEコートを用いている。
バックアップ部材153aは、定着フィルム152aを加圧ローラ151bに押圧し定着ニップ部15cを形成するためのものであり、レーザヘッド151aから照射されたレーザ光が定着フィルム152aを照射するのを遮らないように、透明(光透過性)の材料で形成されている。
なお、本実施形態のバックアップ部材153aは厚さ2(mm)で円弧状のガラスからなり、定着フィルム152aとのスムーズな摺動性を確保するため、定着フィルム152aとの摺動面には透明のフッ素樹脂コート(PFAコート)を施している。
レーザヘッド151aは、定着ニップ部15cにおいて定着フィルム152aにレーザ光を照射し、定着フィルム152aを発熱させるものである。この定着フィルム152aが加熱されることにより未定着トナー画像が加熱溶融して用紙Pに定着される。図5中の符号T1は未定着トナー、T2は定着したトナーをそれぞれ示すものである。
レーザ光が照射される領域(レーザ照射部)15c1は、図2,図5に示すように、定着フィルム152aの移動方向に対し、定着ニップ部15cの下流側近傍に位置する。本実施形態では、レーザ照射部15c1は定着ニップ部15cの範囲内で5〜5.3(mm)の領域に設定している。
レーザヘッド151aは、図2,図3に示すように、複数の半導体レーザ素子151a1が長手方向(用紙搬送方向に対して直角方向)に一列状に配列した半導体レーザアレイ151aa、フォトダイオード151a2、シリコン基板151a3及び半円弧状の断面形状からなる高熱伝導性熱拡散部材151a9とを備えている。半導体レーザアレイ151aaは、高熱伝導性熱拡散部材151a9の内面に取り付けられた構成となっている。
本実施形態では、半導体レーザアレイ151aaは1個が150(mW)のレーザ素子を1,000個配列したものを用いている。この時、各レーザ素子の配列ピッチpは0.3(mm)でレーザスポット径dも0.3(mm)となる。
また、高熱伝導性熱拡散部材151a9としては、直径が35(mm)、肉厚1(mm)の半円筒形状のアルミニウム合金から作製され、定着フィルム152aと接する面(外側面)には、定着フィルム152aとの間でスムーズな摺動性を確保するため、フッ素樹脂コートが施されている。ここで、定着フィルム152aと高熱伝導性熱拡散部材151a9との接触幅(加熱ニップ幅)は30(mm)である。
フォトダイオード151a2は、受光素子であるモニター用フォトダイオードである。シリコン基板151a3は、ワイヤーボンド線151a4により表面電極151a5に配線され、セラミック基板151a6に取付けられている。
更に、特徴的なレーザヘッド151aの詳細構成について説明する。
レーザヘッド151aは、図2〜図4に示すように、入力された信号によりレーザ光出力を可変したり、受光素子であるモニター用のフォトダイオード151a2からの信号によりレーザ出力を一定に保つための制御回路(図示せず)とフォトダイオード151a2とがモノシリックに形成されたシリコン基板151a3に、半導体レーザ素子(チップ)151a1をマウントし、半導体レーザ素子151a1とシリコン基板151a3との間にワイヤーボンド線151a4等で電気的接続している。
半導体レーザ素子151a1を具備したシリコン基板151a3は、セラミック基板151a6上に複数個取り付けられ、ワイヤーボンディング等によりセラミック基板151a6の表面電極151a5とシリコン基板151a3上の電極との間を電気的接続している。
この複数個のレーザ装置(半導体レーザ素子151a1を具備したシリコン基板151a3)が並んだセラミック基板151a6には、高熱伝導性熱拡散部材151a9と、複数個の集光光学系としての複数の凸レンズ151a8とが保持されたレンズホルダ151a7が設けられている。
以上により、本実施形態に係るレーザヘッド151aが構成されている。
尚、本実施形態のレーザヘッド151aにおける複数の凸レンズ151a8とレンズホルダ151a7との構成は、各凸レンズ8を樹脂ホルダ等に組み込んだものよりも、樹脂によるレンズ及びレンズホルダを一体成形したものや、平板ガラスをレンズ状にイオン交換して製造される平板マイクロレンズなどのレンズアレイとしたものの方が、価格や工程、組立精度に関して有利である。
また、本実施形態では、レーザヘッド151aの構成として、凸レンズ151a8を用いているが、凸レンズ151a8等の集光光学系を無くし、平行光の状態で定着フィルムにレーザを照射することも可能である。
レーザヘッド151aの熱拡散部材と対向する定着フィルム152aの周面には、温度検知手段としての非接触タイプの温度センサ(サーミスタ)154aが配設されている。温度センサ154aは、定着フィルム152aの表面温度を非接触で検出するようになっている。
尚、温度センサ154aは、定着ユニット15の長手方向(用紙搬送方向に対して直角方向)の略中央の位置に配置されている。そして、温度センサ154aにより検出された定着フィルム152aの温度データに基づいて、図6に示すように、制御装置155に備える第1の制御手段(レーザ出力制御手段)157によって半導体レーザ素子151a1に印加する電圧を制御する。
ここで、定着ユニット15の制御システムの構成について説明する。
定着ユニット15の制御システムは、図6に示すように、定着手段15aを構成するレーザヘッド151aのレーザ出力を制御するレーザ出力制御機能155aと加圧手段15bを構成する加圧ローラ151bによる用紙搬送速度を制御する用紙搬送速度制御機能155bとを有する制御装置155を備え、図示しない画像情報検出手段からの画像情報156や温度センサ154aにより検出された定着フィルムの温度データに基づいて、レーザヘッド151a及び加圧ローラ151bの動作を制御するように構成されている。
画像情報156としては、(1)未定着トナー画像の画像濃度、(2)トナー画像が形成される原稿の印字率(画像の有無を含む)、等の情報が含まれている。
未定着トナー画像の画像濃度は、画像の空隙率やドット印字率により示すことができる。また、トナー画像が形成される原稿の印字率により、未定着トナー画像が存在しているか否かを判定することができる。
制御装置155は、第1の制御手段157及び第2の制御手段158としての機能を兼ね備えている。
次に、本実施形態の定着ユニット15による定着動作について、図面を参照して説明する。
図7は本実施形態に係る定着ユニットの定着ニップ部における位置とトナー温度の関係を示すグラフである。尚、図7は定着ニップ部15cでのトナー温度(用紙Pと接している最下層の温度)をシミュレーションした結果であり、定着フィルム温度としては20(℃)、30(℃)、40(℃)、50(℃)の4条件について計算した結果を示している。
本実施形態の定着ユニット15の定着動作は、以下に示す6つのステップからなる。
(ステップ1)
レーザヘッド151aの自己発熱による熱が伝達することにより、定着フィルム152aが加熱される。
(ステップ2)
定着フィルム152aと加圧ローラ151bとが圧接する定着ニップ部15cに、定着フィルム152aの温度及び原稿印字率によって決定された定着速度(用紙搬送速度)および複写速度で未定着トナー画像を担持した用紙Pが搬送される。
(ステップ3)
定着ニップ部15cの用紙搬送方向上流側(0〜5(mm))において、定着フィルム152aの熱が未定着トナー画像及び用紙Pに伝熱し、図7に示すように、未定着トナー画像が20〜46(℃)の範囲で予熱される。
(ステップ4)
未定着トナー画像がレーザ照射部15c1に到達するタイミングに合わせて、レーザヘッド151aからレーザ光が照射される。
(ステップ5)
レーザ光は、透明のバックアップ部材153a及び定着フィルム152aの透明基材152a1を透過し、定着フィルム152aの光吸収層152a2で吸収され熱に変換される。
(ステップ6)
光吸収層152a2で発生した熱が未定着トナー画像に伝達され、図7に示すように、未定着トナー画像が120(℃)まで加熱される。この定着フィルム152aによる加熱及び定着フィルム152aの圧力によって、未定着トナー画像の用紙Pへの定着が行われる。
次に、本実施形態の定着ユニット15の制御方法について図面を参照して説明する。
図8及び図9は比較例1及び比較例2であり、従来の定着ユニットにおける原稿の印字率及びドット印字率の条件と、その条件の際に必要となるレーザビームのエネルギー密度、用紙搬送速度、並びに平均消費電力の関係を示す表、図10は本実施形態の定着ユニットにおける原稿の印字率及び定着フィルム温度の条件と、その条件の際に必要となるレーザビームのエネルギー密度、用紙搬送速度、並びに平均消費電力の関係を示す表、図11は従来の定着ユニットの構成を示す説明図である。
ここで、図8〜図10に示す表に用いられる用語について説明する。
「原稿印字率」とは、1ページの原稿における平均の印字率(マクロな印字率)であり、具体的には原稿全体の面積に対する印字(画像)部分の面積の割合を示したものである。
「ドット印字率」とは、各レーザ素子のレーザ照射部におけるミクロな印字率であり、具体的にはレーザスポット径(本実施形態ではφ0.3(mm)とする)の面積に対する印字(画像)部分の面積の割合を示したものである。例えば、ソリッド画像の場合は100(%)、ハーフトーン画像の場合、1by1画像では50(%)、1by2画像では33(%)、1by3画像では25(%)となる。
「必要エネルギー密度」とは、各画像パターンに対し、十分な定着強度を得るために必要なレーザ出力から単位面積当たりのエネルギー密度を算出したものである。例えば、用紙搬送速度がV(mm/sec)、画像領域幅がL(mm)、必要なレーザ出力がP(W)としたとき、必要エネルギー密度E(J/cm)は、
E=100*P/(V・L)
となる。
「レーザ平均出力」とは、1ページの原稿を定着する際に必要となるレーザの平均出力のことである。例えば、用紙搬送速度がV(mm/sec)、画像領域幅がL(mm)、原稿の画像が全てソリッド画像でその原稿印字率がRt(%)、ソリッド画像に対する必要エネルギー密度がE(J/cm)とした場合、レーザ平均出力Pa(W)は、
Pa=Rt*E*(V・L)/10000
となる。
また、図8〜図10における制御条件の違いは、以下に示す表の通りである。表中の、「○」は、その制御方法を使用しているもの、「−」は、その制御方法を使用していないものをそれぞれ表している。
Figure 0005259471
以下に、上記表に示す3つの制御方法について説明する。
(1)「用紙搬送速度制御」とは、原稿の印字率や原稿内の画像の最小濃度、或いはレーザヘッド151aの温度測定データに基づいて、用紙搬送速度を0〜225(mm/sec)の間で可変制御する制御方法のことである。尚、用紙搬送速度が0(mm/sec)とは画像形成を一旦停止することを意味する。
(2)「トナー画像選択加熱制御」とは、用紙上のトナー画像が存在する部分にのみ半導体レーザ素子151a1をONして照射する制御方法のことである。具体的には、各レーザ素子のレーザ照射部において、トナー画像が存在する場合にレーザ出力をON、トナー画像が存在しない場合にレーザ出力をOFFする。
(3)「定着フィルム温度による制御」とは、定着フィルム152aに対向して配置された温度センサ154aの温度情報をフィードバックして、レーザ光の照射を可変制御する制御方法のことである。
次に、本実施形態の定着ユニット15において、上記制御方法による実験結果について比較する。
(比較例1)
図8は、上記3つの制御方法を全く使用していない従来のレーザ定着装置での制御方法による比較例1の実験結果である。
具体的には、比較例1は、図11に示すように、本実施形態に係る定着フィルム152aを持たず、レーザ光を直接トナー画像に照射する方式の定着ユニット25を用いたものである。
定着ユニット25は、定着フィルム152aを具備していないので、本実施形態の定着ユニット15のように、定着フィルム152aと加圧ローラ151bとで用紙Pを圧接して搬送することができないことから、加圧ローラ151bの代わりに用紙Pを静電吸着させて搬送するベルト方式の用紙搬送装置25bを用いている。
用紙搬送装置25bは、搬送ベルト25b1、駆動ローラ25b2、従動ローラ25b3、吸着チャージャー25b4、分離チャージャー25b5、除電チャージャー25b6、分離爪25b7、駆動モータ(図示省略)を備えている。
搬送ベルト25b1は、ベルト厚75(μm)、体積抵抗率1×1016(Ω・cm)のポリイミド樹脂からなり、駆動ローラ25b2と従動ローラ25b3に張架されている。駆動ローラ25b2は、駆動モーター(図示せず)により、任意の速度で回転駆動するよう構成されている。すなわち、搬送ベルト25b1は、駆動ローラ25b2の回転により矢印方向に任意の速度で搬送される。また、搬送ベルト25b1の周囲には、吸着チャージャー25b4、分離チャージャー25b5、除電チャージャー25b6、分離爪25b7が設けられている。
このように構成された用紙搬送装置25bにおいて、二次転写ユニット14(図1を参照)から搬送されてきた未定着トナー像が形成された用紙Pは、従動ローラ25b3上の搬送ベルト25b1と吸着チャージャー25b4の間に搬送される。
従動ローラ25b3は、導電性材料で構成され接地されている。この従動ローラ25b3に対向する位置で、吸着チャージャー25b4によって用紙Pに電荷を与えることで、用紙Pと搬送ベルト25b1とは、それぞれ誘電分極を起こす。これにより、用紙Pは、搬送ベルト25b1上に静電吸着される。
用紙Pは、駆動ローラ25b2の駆動によってレーザ光が照射されるレーザ照射部25c1に搬送される。レーザ照射部25c1において、用紙P上の未定着トナー像は、レーザヘッド25aによって画像情報に応じてレーザが照射されることにより溶融して用紙Pに定着する。
そして、レーザ照射部25c1において、トナー画像の定着を終了した用紙Pは、搬送ベルト25b1に静電吸着された状態で、分離チャージャー25b5と駆動ローラ25b2との間に搬送される。
駆動ローラ25b2は、導電性材料で構成され接地されている。分離チャージャー25b5によって用紙P上を除電することで、搬送ベルト25b1と用紙Pとの間の静電吸着力が弱まる。
その状態で搬送ベルト25b1は、駆動ローラ25b2に沿って大きな曲率で回動することにより、用紙Pは、その先端部が搬送ベルト25b1から浮きあがり、さらに、分離爪25b7により完全に搬送ベルト25b1から分離される。用紙Pが剥離された搬送ベルト25b1は、除電チャージャー25b6により外面および内面が除電された後、再び用紙Pの吸着位置へ駆動される。
比較例1において使用するカラートナーは、半導体レーザの波長域(780(nm))での吸光度としてモノクロトナーレベルを確保するため、赤外線吸収剤を添加したものを用いている。
赤外線吸収剤を添加したカラートナーは、例えば、カラートナーのメインバインダーレジン100重量部に対して、赤外線吸収剤であるフタロシアニンを1重量部から5重量部を内添して得ることができる。また、フタロシアニン以外にポリメチン、シアニン、オニウム、ニッケル錯体等を用いることもできるし、併用することもできる。
この比較例1の制御方法では、原稿印字率やドット印字率に関係なく、レーザ出力としては常に定格出力の150(W)でONすることから、図8に示すように、レーザの平均出力としては150(W)となる。
これより、比較例1の制御方法では、用紙搬送速度としては通常速度の225(mm/sec)には対応できず、図8に示すように、一律62.5(mm/sec)に減速しないと対応できない(それ以上速い条件では150(W)のレーザ定格出力では定着できない)ことがわかる。従って、比較例1の制御方法では、用紙搬送速度としては通常速度の225(mm/sec)には対応できない。
また、通常、半導体レーザのエネルギー変換効率は50(%)程度であることから、半導体レーザの平均出力が150(W)の場合、同じ150(W)がレーザ素子(レーザヘッド)での自己発熱となる。一方、一般的にレーザ素子の耐熱温度は40(℃)で、雰囲気温度はHH環境(高温、高湿環境)では最大35(℃)まで上昇することから、レーザ素子の自己発熱による温度上昇としては5(℃)以下に抑える必要がある。
このため、比較例1では、ヒートシンクなどの簡易な空冷式の冷却手段を用いることができず、水冷式(チラー)やペルチエ素子などの複雑で高価な冷却手段が必要となる。
更に、上述のようにカラートナーに高価な赤外線吸収剤を添加する必要があるため、トナーが高価となってしまう。
(比較例2)
図9は、比較例1の定着ユニット25を用いて、「用紙搬送速度制御」と「トナー画像選択加熱制御」の2つを使用した場合のレーザ定着装置での制御方法による比較例2の実験結果である。
用紙搬送速度制御としては、図9に示すように、原稿印字率に応じて225〜12.5(mm/sec)の間で7段階で制御を行っている。
比較例2の制御方法によれば、図9に示すように、用紙搬送速度としては通常速度である225(mm/sec)に対応できる条件が存在することがわかる(グレーの色で示した原稿印字率が0〜5(%)の部分)。
原稿印字率が5(%)を超える場合は、用紙搬送速度を(最大で12.5(mm/sec)まで)減速する必要があるものの、通常のモノクロの文字原稿の場合、平均的な印字率としては5(%)程度であり、このような制御を行っても、実使用においては特に大きくスループット(ジョブ効率)が低下する訳ではない。
また、レーザ平均出力は27〜30(W)であり、レーザ素子での自己発熱も27〜30(W)、平均29.6(W)となることから、比較例1(自己発熱150(W))に比べて、1/5に自己発熱量を抑制することができる。その結果、自然空冷タイプの簡易なヒートシンク(トータル熱抵抗0.16(℃/W))を用いても、温度上昇を5(℃)以内(0.16(℃/W)×30(W)=4.8(℃))に抑えることができる。
しなしながら、カラートナーとしては、高価な赤外線吸収剤を添加したものを用いる必要がある。
(実施例1)
図10は、本実施形態に係る定着フィルム152aを備えた定着ユニット15を用いて、「用紙搬送速度制御」と「トナー画像選択加熱制御」、並びに「定着フィルム温度による制御」の3つのを使用した場合の制御方法による実施例1の実験結果である。
定着フィルム温度による制御としては、図10に示すように、定着フィルム温度に応じて5段階で制御を行っている。
実施例1によれば、図10に示すように、比較例2の制御方法に比べて、225(mm/sec)の用紙搬送速度に対応できる領域(グレーの部分)が更に広がっている。
また、減速しなければならない領域についても、減速率が比較例2より小さくて済み、平均の用紙搬送速度としては144.1(mm/sec)と、比較例1の62.5(mm/sec)や比較例2の70.3(mm/sec)よりも倍以上速く、比較例1や比較例2に比べてスループットが向上することがわかる。
また、レーザ素子を冷却するための高価で複雑な冷却手段を別途設ける必要がなくなる。
更に、カラートナーとしても、比較例1や比較例2とは異なり、高価な赤外線吸収剤を添加していない従来のタイプのものが使用可能となる。
ここで、実施例1において、比較例1や比較例2に対して、上述したような利点が得られる理由を以下に説明する。
まず、第一の理由として、実施例1では、レーザ光を一旦定着フィルム152aに吸収させて発熱させた後、定着フィルム152aにより未定着トナーを加熱溶融することによりトナーの定着を行う構成のため、トナーの種類(色)や画像パターン(濃度)に依らず、均一な定着性を確保することができる。その結果、半導体レーザ光吸光度の低いカラートナーにおいても、そのまま使用することが可能となる。
次に、第二の理由として、実施例1では、半導体レーザ素子151a1の自己発熱による熱が高熱伝導性熱拡散部材151a9を介して定着フィルム152aに伝熱し、その熱が更にトナーや用紙P、バックアップ部材153a、加圧ローラ151bに伝達したり、定着フィルム152a表面から雰囲気中に放熱することから、別途、冷却手段を設ける必要がなく、また、従来(比較例2)のような自然空冷によるヒートシンクに比べて半導体レーザ素子151a1の冷却性能が向上する。
その結果、レーザ出力をUPしても、半導体レーザ素子151a1の温度は耐熱温度以下の50(℃)に抑制されることから、結果としてスループットを向上することができる。
また、第三の理由として、実施例1では、定着フィルム152aからトナーや用紙Pに伝達した熱によりトナーや用紙Pが昇温してトナーの定着に寄与するため、その分、同じレーザ出力であればスループットを向上することができる。また、半導体レーザ素子151a1での自己発熱分が全ては損失とはならないため、定着システム全体のエネルギー効率を向上することができる。
以上のように、本実施形態によれば、画像形成装置100を構成する定着ユニット15において、定着手段15aの構成として、レーザ光を照射するレーザヘッド151aと、用紙Pに当接するとともにレーザヘッド151aから照射されるレーザ光を吸収して熱に変換する定着フィルム152aを備え、定着フィルム152aにより未定着トナーを溶融するようにした。その結果、レーザ光の吸光度の低いカラートナーにおいても、トナーの種類(色)や画像パターン(濃度)に依らず、均一な定着性を確保することができる。
また、定着ユニット15を上述したように構成することで、半導体レーザ素子151a1の自己発熱による熱が伝達することにより、定着フィルム152aが加熱される。その結果、半導体レーザ素子151a1での自己発熱分が全ては損失とはならないため、エネルギー効率を高くでき、冷却手段を設ける必要のない定着装置を実現できる。
更に、本実施形態によれば、レーザヘッド151aの自己発熱による熱エネルギーが定着フィルム152aに伝わって、定着フィルム152aが予熱されて昇温することにより、トナーの溶融に寄与することから、その分レーザ出力を抑制することができる。具体的には、定着フィルム152aの温度を検出する温度センサ154aを設けて、温度センサ154aからの定着フィルム152aの温度情報をフィードバックしてレーザヘッド151aによるレーザ光の照射を制御することで省エネ化を図ることができる。
尚、上述した実施形態では、本発明に係る定着ユニット15を図1に示すような画像形成装置100に適用した例について説明したが、レーザ光の熱を利用して未定着トナー像を溶融して記録媒体に定着させるようにした定着ユニット(定着装置)を用いる画像形成装置であれば、上述したような構成の画像形成装置や複写機に限定されるものではなく、その他の画像形成装置等に展開が可能である。
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
15 定着ユニット(定着装置)
15a 定着手段
15b 加圧手段
15c 定着ニップ部
15c1 レーザ照射部
100 画像形成装置
101 感光体ドラム(像担持体)
102 現像ユニット(現像装置)
103 帯電ユニット(帯電装置)
151a レーザヘッド
151a1 半導体レーザ素子
151a2 フォトダイオード
151a3 シリコン基板
151a4 ワイヤーボンド線
151a5 表面電極
151a6 セラミック基板
151a7 レンズホルダ
151a8 凸レンズ
151a9 高熱伝導性熱拡散部材
151a10 温度センサ
151aa 半導体レーザアレイ
151b 加圧ローラ
152a 定着フィルム
152a1 透明基材
152a2 光吸収層
153a バックアップ部材
154a 温度センサ
155 制御装置
155a レーザ出力制御機能
155b 用紙搬送速度制御機能
156 画像情報
157 第1の制御手段
158 第2の制御手段
P 用紙(記録部材)

Claims (7)

  1. 記録媒体上の未定着トナー画像を溶融して前記記録媒体上に定着させる定着手段と、前記記録媒体を前記定着手段に押し当てながら搬送する加圧手段とを備え、前記定着手段として、レーザ光を照射するレーザ照射手段と、前記記録媒体に当接するとともに前記レーザ照射手段から照射されるレーザ光を吸収して熱に変換する定着部材とを備え、前記記録媒体を搬送しながら未定着トナー画像を定着させる定着装置において、
    前記定着部材は、円筒状に形成され、
    前記レーザ照射手段は、前記定着部材の内周側に配置され、
    前記定着部材により前記未定着トナーを溶融することを特徴とする定着装置。
  2. 前記レーザ照射手段は、前記定着部材と接触して配置されることを特徴とする請求項1に記載の定着装置。
  3. 前記レーザ照射手段は、レーザ照射手段自体から発生する熱を拡散する熱拡散部材を備え、前記熱拡散部材を介して前記定着部材と接触して配置されることを特徴とする請求項2記載の定着装置。
  4. 前記定着手段は、前記定着部材の内周側で前記加圧手段と対向する位置で前記定着部材を支持する光透過性を有するバックアップ部材を備え、
    前記定着部材は柔軟性を有する部材で形成され、前記バックアップ部材により前記加圧手段に押圧されることを特徴とする請求項1乃至3のうちの何れか一項に記載の定着装置。
  5. 前記定着部材は、光透過性を有する基層と、前記基層の表面に形成される光吸収層とを有する多層構造で構成されることを特徴とする請求項1乃至4のうちの何れか一項に記載の定着装置。
  6. 前記光吸収層は、フッ素樹脂を含むことを特徴とする請求項5記載の定着装置。
  7. 表面に静電潜像が形成される像担持体と、像担持体表面を帯電させる帯電装置と、像担持体表面に静電潜像を形成する露光装置と、像担持体表面の静電潜像にトナーを供給してトナー像を形成する現像装置と、像担持体表面のトナー像を記録媒体に転写する転写装置と、前記転写されたトナー像を記録媒体に定着させる定着装置とを備え、電子写真方式によりトナーを用いて画像を形成する画像形成装置において、
    前記定着装置として、請求項1乃至6のうちの何れか一項に記載の定着装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
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