JP2012071787A - 鞍乗り型車両 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、シートの後方に物品収納部を備えている鞍乗り型車両において、物品収納部の開閉操作を簡便に行うことができる技術を提供することを課題とする。
【解決手段】車両後部にトレイ79を配置し、このトレイ79の上部開口131をアッパカバー56で塞ぐようにした自動二輪車10において、トレイ79に物品を収納する物品収納部77を形成し、この物品収納部の上部開口119のうち、前部開口125を除く残部を中蓋部材117で塞ぎ、前部開口125の上方位置にてアッパカバー56にアッパカバー側開口部126が設けられ、このアッパカバー側開口部126にリッド127が取付けられ、このリッド127を開けることで、物品収納部77へ物品を出し入れすることができるようにした。
【選択図】図5

Description

本発明は、シートの後方に物品収納部を備えている鞍乗り型車両の改良に関する。
運転者が座るシートの後方に、荷物を載せる荷台が設けられ、この荷台の下方に物を収納する物品収納部が備えられている鞍乗り型車両が知られている(例えば、特許文献1(図2)参照。)。
特許文献1の図2に示されるように、自動二輪車にシート(14)(括弧付き数字は、特許文献1記載の符号を示す。以下同じ。)が設けられ、このシート(14)の後方に荷物を括り付けることができるリアキャリア(17)が設けられている。このリアキャリア(17)の下方に、センターカバー(21)が設けられ、このセンターカバー(21)の下方に荷物収納部(19)(以下、「物品収納部(19)」という。)が設けられている。この物品収納部(19)の上部に開閉カバー(22)が開閉可能に設けられ、この開閉カバー(22)の上方位置にてセンターカバー(21)に蓋(18)が開閉可能に設けられている。
特許文献1の技術で、物品収納部(19)へ物品を出し入れするには、センターカバー(21)に設けられている蓋(18)を開け、さらに、この蓋(18)の内側に設けられている開閉カバー(22)を開ける操作が必要であった。蓋(18)と開閉カバー(22)の2つの部材を開ける操作が必要であるため、物品の出し入れの際に物品収納部の開閉操作が煩雑なものとなっており、改良の余地があった。
特開2007−176444公報
本発明は、シートの後方に物品収納部を備えている鞍乗り型車両において、物品収納部の開閉操作を簡便に行うことができる技術を提供することを課題とする。
請求項1に係る発明は、車体フレームの一部である左右のリヤフレームの車両前方位置に運転者が座るシートを配置し、左右のリヤフレームの間にトレイを配置し、このトレイの上部開口をアッパカバーで塞ぐようにした鞍乗り型車両において、トレイを壁で区分することで、トレイに物品を収納する物品収納部を形成し、この物品収納部の上部開口のうち、前部開口を除く残部を中蓋部材で塞ぎ、前部開口の上方位置にてアッパカバーにアッパカバー側開口部が設けられ、このアッパカバー側開口部に開閉可能なリッドが取付けられており、このリッドを開けることで、アッパカバー側開口部及び前部開口を通じて物品収納部へ物品を出し入れすることができるようにし、アッパカバーの下方で、物品収納部の後部上方に重なる位置には、車両取り回し時に運転者が把持することができるグラブレールが備えられていることを特徴とする。
請求項2に係る発明は、トレイを壁部で区分し、物品収納部以外の部位に、車体部品を収納する車体部品収納部が設けられていることを特徴とする。
請求項3に係る発明は、車体部品を支える部品ステーが前記中蓋部材に一体的に設けられ、車体部品が、車体部品収納部に配置されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、部品ステーは、中蓋部材が上部開口に組み付けられる際に、中蓋部材から水平に延びた後、トレイに向けて下方に折り曲げられる折り曲げ部を有し、この部品ステーの先端部が収納トレーの底部に開けた穴に係合支持されることを特徴とする。
請求項5に係る発明では、中蓋部材は、樹脂製の型成形品であって、折り曲げ部は、型成形後に折り曲げられることを特徴とする。
請求項6に係る発明では、グラブレールは、左右のリヤフレームから車幅方向内側に付設されるグラブレール取付ステーに締結固定されるものであって、部品収納部に、グラブレール取付ステーを挿通する挿通孔が設けられていることを特徴とする。
請求項7に係る発明では、アッパカバーは、平坦な荷台であって、このアッパカバーとグラブレールは、車体フレームに共締めされていることを特徴とする。
請求項8に係る発明は、アッパカバーの下方で、物品収納部の後部上方に重なる位置には、車両取り回し時に運転者が把持することができるグラブレールが備えられていることを特徴とする。
請求項1に係る発明では、物品収納部の上部開口のうちの前部に開けた前部開口の上方位置にて、アッパカバーにアッパカバー側開口部が設けられ、このアッパカバー側開口部に開閉可能なリッドが取付けられている。開閉操作は、リッドを開閉するだけで済むことになる。
従って、物品収納部に2重の蓋が設けられている場合に較べて、物品収納部の開閉に係る操作を簡便に行うことができるようになる。
請求項2に係る発明では、トレイは、壁部によって区画され、この壁部の内側に物品収納部が設けられ、壁部の外側に、車体部品収納部が設けられている。壁部の外側に効率良く部品を配置することができる。
請求項3に係る発明では、車体部品収納部に部品が配置され、これらの部品が取付けられる部品ステーが中蓋部材に一体形成されている。
中蓋部材に部品ステーが一体形成されているので、別個に部品ステーを設ける必要はなくなり、部品点数を減らすことができる。加えて、中蓋部材をトレイに組付ける際に、部品ステーをトレイに同時に組付けることができるので、組付け工数を減らすことができる。
請求項4に係る発明では、中蓋部材と部品ステーとは一体化され、中蓋部材がトレイに組み付けられる際に、部品ステーの先端部がトレイの底部に開けた穴に係合支持される。 予め、中蓋部材に部品を部分的に組み立てておき、その後、部品が組付けられた中蓋部材をトレイに組付けるだけで良い。中蓋部材に部品の部分組立が可能なれば、メインラインでの組立作業の柔軟性が高まる。
また、組付け時に、部品ステーは、下方に向け屈曲されるので、車体部品収納部の高さを利用して収納される。従って、車体部品収納部を効率的に利用することができる。
請求項5に係る発明では、中蓋部材の折り曲げ部は、型成形後に、作業者が折り曲げる作業を行うことで折り曲げ形成される。従って、型(金型)を簡単な構造にすることができる。
請求項6に係る発明では、車体部品収納部に挿通孔を設け、この挿通孔にグラブレールが締結固定されるグラブレール取付ステーを挿通させた。このような挿通孔を設け、グラブレール取付ステーを車体部品収納部に挿通させて、グラブレール取付ステーが車体部品収納部に干渉する部分を逃がすようにした。
車体部品収納部にグラブレール取付ステーを逃がす挿通孔を設けたので、挿通孔を設けない場合に較べて、車体部品収納部のスペースが損なわれ難くでき、スペースが十分に確保される。
請求項7に係る発明では、アッパカバーとグラブレールは、車体フレームに共締めされている。共締めにより、アッパカバーを車体フレームに強固に取付けることが可能になる。加えて、共締めにより部品点数の増加を抑えることができる。
請求項8に係る発明は、アッパカバーの下方で、車体部品収納部の後部上方に重なる位置には、グラブレールが備えられている。グラブレールの上方はアッパカバーで覆われているので、アッパカバーの上方にグラブレールが配置されている場合に較べて、車両後部の外観性を高めることができる。
本発明に係る自動二輪車の左側面図である。 自動二輪車の後部平面図である。 図2からアッパカバーを取り外したときの平面図である。 グラブレールの斜視図である。 車体フレームの後部平面図である。 物品収納部の構造を説明する要部断面図である。 図3の7−7線断面図である。 図3の8−8線断面図である。 図3の9−9線断面図である。 図3の10−10線断面図である。 図3の11−11線断面図である。 図3の12−12線断面図である。 中蓋部材の取付けに係る作用説明図である。
以下、本発明の実施の形態について、詳細に説明する。図中及び実施例において、「上」、「下」、「前」、「後」、「左」、「右」は、各々、自動二輪車に乗車する運転者から見た方向を示す。なお、図面は符号の向きに見るものとする。
本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1に示されているように、鞍乗り型車両としての自動二輪車10に、ヘッドパイプ11と、このヘッドパイプ11から斜め後下方に延ばされるメインフレーム12と、このメインフレーム12の後端部に車幅方向に延ばされているフロントクロスフレーム13と、ヘッドパイプ11から車幅方向左右外方へ延ばされ、フロントクロスフレーム13の左右両端部に連結された後、車両後方へ延ばされ、中間部14にて、車両後方斜め上方へ延ばされた後、車両後方水平へ延ばされる左右のサイドフレーム15L、15R(図手前側の符号15Lのみ示す。)と、中間部14に付設され車幅方向左右にピボット軸16が渡される左右のピボットプレート17L、17R(図手前側の符号17Lのみ示す。)と、中間部14の車両後方で左右のサイドフレーム15L、15Rの間に渡される中間クロスフレーム19と、左右のサイドフレーム15L、15Rの後端部の間に渡されるリヤクロスフレーム18と、を主要素とする車体フレーム20が設けられ、ヘッドパイプ11の下方にてヘッドパイプ11に回動可能にフォーク部材31が設けられ、ヘッドパイプ11の上方にてヘッドパイプ11に回動可能にフォーク部材31と一体化した操向ハンドル32が設けられ、ピボット軸16に揺動自在にエンジン33及び変速機34を含むパワーユニット35が設けられ、このパワーユニット35と左サイドフレーム15Lの後部の間に、クッションユニット36が介在されている車両である。
以下、左右のサイドフレーム15L、15Rのうち、シート49の後方へ延びている後部を、各々、左右のリヤフレーム37L、37Rと云うことにする。
自動二輪車10は、ピボット軸16にリンク41を介して上下揺動自在に支持されるパワーユニット35を備えた、いわゆる、ユニットスイング式車両であり、パワーユニット35の上方に、エアクリーナユニット42が取付けられ、このエアクリーナユニット42の先端にエンジン33に連結されるスロットルバルブ43が取付けられている。
フォーク部材31の下端部に前輪45が軸支され、パワーユニット35の後端部に、駆動輪としての後輪46が軸支されている。
前輪45と後輪46の間には、運転者が足を置くステップフロア47が設けられ、このステップフロア47の前方に風よけとしてのレッグシールド48が設けられ、ステップフロア47の後方でレッグシールド48に対向する位置に運転者が座るシート49が設けられている。
このシート49は、燃料タンク51の上面52に載置されている。燃料タンク51は、中間クロスフレーム19及び左右のサイドフレーム15L、15Rによって支持されている。シート49は、左右のリヤフレーム37L、37Rの車両前方位置に配置されている。
車体フレーム20を含む車体21は、カバー部材50で覆われている。このカバー部材50は、運転者の足の前方を覆う風よけとしてのレッグシールド48と、乗員のステップフロア47の側方を覆うアンダカバー53と、このアンダカバー53に連続するように設けられ車両の側方を覆うサイドカバー54と、このサイドカバー54の車両後方へ連続するように設けられているリヤサイドカバー55L、55R(図手前側の符号55Lのみ示す。)と、これらのリヤサイドカバー55L、55Rの間を上方から覆うリヤアッパカバー56(アッパカバー56)とからなる。レッグシールド48は、ヘッドパイプ11に取付けられ、レッグシールド48の下端部がステップフロア47と連結されている。
フロントカバー51の車両前方に突出するようにしてヘッドパイプ11から車両前方に荷かご57を支持する金属製のフロントステー61が延ばされ、このフロントステー61の前端部近傍に灯火器62が配置されている。
ヘッドパイプ11は、操向系63を支持する。操向系63は、ステアリング軸64と、このステアリング軸64の下端に接続され前輪45を支えるフォーク部材31と、ステアリング軸64の上端に接続される操向ハンドル32とを有する。
前輪45の上方位置でフォーク部材31に、前輪45の泥よけとしてのフロントフェンダ67が取付けられ、後輪46の上方位置でパワーユニット35に、後輪46の泥よけとしての第1リヤフェンダ68が取付けられ、サイドフレーム15L、15Rの後端部に、第2リヤフェンダ69が取付けられている。71L、71R(図手前側の符号71Lのみ示す。)は左右のフロントウインカ、72L、72R(図手前側の符号72Lのみ示す。)は左右のリヤウインカ、73はテールライト、74はサイドスタンド、75はメインスタンド、76はグラブレールである。
次に、車両後部の構成について説明する。
図2に示されているように、シート49の車両後方に、平坦な荷台であるアッパカバー56が設けられ、このアッパカバー56の車両幅方向左右外方に延ばされ、次いで、車両前方に延ばされた後、車両幅方向左右内方に延ばされこれら左右の部材が連結されるグラブレール76が設けられている。アッパカバー56は、平坦な一枚の部材で構成されているので、荷台をすっきりとまとめることができ、車両の外観性が高まる。
次に、図2から荷台を構成するアッパカバーを取り外したときの車両後部の内部構造について説明する。グラブレールを止めるボルト104、105、106、107は想像線にて表示されている。
図3に示されているように、車両後部に、物品収納部77と車体部品収納部78とを有するトレイ79が配置されている。トレイ79の車両後方に第2リヤフェンダ69が配置されている。物品収納部77には、オーナーズマニュアルや車載工具等が収納される。
左右のリヤフレーム37L、37Rの間にトレイ79が配置されている。このトレイ79は、壁部80で区分されて、トレイ79に物品を収納する物品収納部77が形成され、壁部80の外側に、車体部品を収納する車体部品収納部78が設けられている。
トレイ79は、車両幅方向中心に配置され箱状を呈する物品収納部77と、この物品収納部77の車幅方向外方に配置され左右の車体部品収納部78とからなる。
トレイ79は、第1ボルト101〜第3ボルト103によりリヤフレーム37L、37Rに締結されている。それらの締結構造の詳細については後述する。トレイ79の上方には、グラブレール76が配置されている。
次にグラブレールの構成について説明する。
図4に示されているように、グラブレール76は、車両取り回し時に運転者が把持することができる部材である。グラブレール76は、車両平面視で略C字状を呈し、車両前方が開放側に、車両後方が閉じ側86となるように配置されると共に水平に延びているC字部材81と、このC字部材81の左右の開放端部を前端部とし車両長手方向後方に延ばされ後端部が閉じ側に連結される左右のサイド部材82L、82Rと、これらの左右のサイド部材の中間部82Lb、82Rbの間に車幅方向に渡される直線状の第1クロス部材83と、車両後面視で下側に開放側、上側に閉じ側が配置され略U字状を呈し両端がC字部材の左右前端部近傍に固着される第2クロス部材84と、車両平面視で後側に閉じ側、前側に開放側が配置され略U字状を呈し両端がC字部材81の閉じ側86に固着される第3クロス部材85と、C字部材81の車幅方向左側に固着され車両前後に延びて車両平面視で略U字を呈するグラブ部材87とからなる。
第1クロス部材83と左サイド部材82Lとで形成される角部には、左前ステー91Lが取付けられ、第1クロス部材83と右サイド部材82Rとで形成される角部には、右前ステー91Rが取付けられている。また、第3クロス部材85とC字部材81の閉じ側86との間に形成される左右の角部に左後ステー92Lと右後ステー92Rとが各々取付けられている。
図3に戻って、第4ボルト104及び第5ボルト105によって左前ステー91L及び右前ステー91Rが各々車両側に締結され、第6ボルト106及び第7ボルト107によって左後ステー92L及び右後ステー92Rが各々車両側に締結される。締結構造の詳細については後述する。
左の車体部品収納部78の前部に、加速度センサ111が設けられている。右の車体部品収納部78の後部に、ECU113が設けられ、このECU113の車両後方に警報アラーム114が設けられている。物品収納部77内には、FI診断カプラ112が配置されている。
すなわち、自動二輪車10の後部に、左右一対のリヤフレーム37L、37Rと、これらの左右一対のリヤフレーム37L、37Rの間に設けられ上方に開口し部品や物を収納するトレイ79と、このトレイ79を上方から覆い左右一対のリヤフレーム37L、37Rに取付けられるアッパカバー(図2、符号56)と、が備えられている。
トレイ79は、壁部80を有しこの壁部80によって区画され物品を収納する物品収納部77と、この物品収納部77の後部を上方から塞ぐ中蓋部材117と、この中蓋部材117が物品収納部77の後部を上方から塞ぐことで物品収納部の前部118に開口される物品収納開口部119と、が備えられている。
次に、前述したアッパカバー、グラブレール及びトレイが取付けられる左右のリヤフレームについて説明する。
図5に示されているように、左右のリヤフレーム37L、37Rの後端部に、リヤクロスフレーム18が渡され、このリヤクロスフレーム18の車両前方位置に、リヤサブクロスフレーム121が渡されている。
リヤサブクロスフレーム121の車幅方向中央位置で車両後方側へトレイ(図3、符号79)が締結される中央ステー122が延ばされている。車両長手方向に向けリヤサブクロスフレーム121とリヤクロスフレーム18の中間位置で車幅方向内方には、左右のサイドフレーム15L、15Rから左右のサイドステー123L、123Rが延ばされている。左右のサイドステー123L、123Rには、トレイ(図3、符号79)及びグラブレール(図4、符号76)の前部が締結される。
また、リヤクロスフレーム18の左右に、車両後方側へ左右のリヤステー124L、124Rが延ばされている。左右のリヤステー124L、124Rには、グラブレール76の後部が締結される。左右のリヤステー124L、124Rには、第2リヤフェンダ(図3、符号69)が取付けられるサブステー130L、130Rが付設されている。
以下、図6〜図12では、物品収納部と車体部品収納部を含むトレイ、リッド、中蓋部材及びアッパカバーの詳細な構造について説明する。
図6に示されている断面は、車幅方向中央の断面であって、リヤサブクロスフレーム121に中央ステー122が固着され、この中央ステー122に第1ボルト101を介してトレイ79が締結されている。第1ボルト101は、リッド127を開けることで、工具にて締めたり緩めたりすることができる位置に設けられている。
トレイ79の車幅方向中央に位置する物品収納部77は、周囲に壁部80を有し、この物品収納部77の上部開口119のうち、前部開口125を除く残部を中蓋部材117で塞ぎ、前部開口125の上方位置にてアッパカバー56にアッパカバー側開口部126が設けられている。
すなわち、トレイの上部開口131は、前部開口125を除く残部が中蓋部材117で塞がれると共にアッパカバー56で塞がれている。
アッパカバー側開口部126に、開閉可能なリッド127が取付けられている。このリッド127を開けることで、アッパカバー側開口部126及び前部開口125を通じて物品収納部77へ物品を出し入れすることができるようにした。
以下、アッパカバー開口部126の構造についてさらに詳しく説明する。
アッパカバー開口部126には、上方に立ち上がるリブ161が設けられ、このリブ161とラバーシール126とが当接することにより、ラバーシール126の密着性の向上を図っている。また、上方に立ち上がるリブ161によって、ラバーシール126よりも外側に付着した水分の侵入も防いでいる。
次に、物品収納部のシール構造について説明する。
物品収納部77と中蓋部材117との間には、ラビリンス構造120が形成され物品収納部77の周囲からの防水を図っている。また、リッドの縁128にラバーシール129が設けられ、リッド127とアッパカバー開口126との間のシール性を確保している。
リッド127は、上方から締結されるねじ132によってアッパカバー56へ締結可能となっている。上記ラビリンス構造120とリッドの縁128にラバーシール129を設けたので、物品収納部77に良好なシール性が確保される。
以下、ラビリンス構造120の構造についてさらに詳しく説明すると、壁部80の上端部80aよりも外側に中蓋部材117の外縁117aが張り出し、且つ、この外縁117aは、上端部80aよりも下方に垂れ下がっている。つまり、外縁117aは、上端部80aよりも下方に位置する。これにより、中蓋部材117の上にのった水分が壁部80より外側に流れるときに、物品収納部77内に水が侵入することを防いでいる。
アッパカバー56の下方で、物品収納部77の後部上方に重なる位置には、グラブレール76が備えられている。
図2及び図3を併せて参照して、詳細には、グラブレール76のうちで、アッパカバー56で覆われていない第2クロス部材84、C字部材81の左右両端部、グラブ部材87及び第3クロス部材85の後部が車両外方に露出している。
以下、図7〜図8では、グラブレール及びアッパカバーの車体フレームへの共締め構造等について説明する。
図7に示されているように、左右のリヤフレーム37L、37Rから車幅方向内側に、各々、左右のサイドステー123L、123Rが延ばされ、これらの左右のサイドステー123L、123Rにトレイ79が載置され、左右のサイドステー123L、123Rに各々設けたトレイ締結部155L、155Rへ第2ボルト102及び第3ボルト103によってトレイ79が締結されている。
上記トレイ79締結部の車幅方向内方位置で左右のサイドステー123L、123Rの上面に、アッパカバー56が載置され、第4ボルト104及び第5ボルト105にて、左右のサイドステー123L、123Rに、グラブレール76の左前ステー91L及び右前ステー91Rが締結されると共にアッパカバー56が締結されている。つまり、グラブレール76を構成する左右の前ステー91L、91Rとアッパカバー56とが、車体フレーム20の構成要素である左右のリヤフレーム37L、37Rに共締めされている。
すなわち、グラブレール76とアッパカバー56は、車体フレーム20に共締めされている。共締めにより、アッパカバー56を車体フレーム20に強固に取付けることが可能になる。加えて、共締めにより部品点数の増加を抑えることができる。
また、グラブレール76は、左右のリヤフレーム37L、37Rから車幅方向内側に延ばされるグラブレール取付ステーとしての左前ステー91Lおよび右前ステー91Rに締結固定されるものであって、車体部品収納部78に、左前ステー91Lおよび右前ステー91Rを挿通する挿通孔133L、133Rが設けられている。
車体部品収納部78に挿通する挿通孔133L、133Rを設け、挿通孔133L、133Rにグラブレール76が締結固定されるグラブレール取付ステーを構成する左右のサイドステー123L、123Rを挿通させた。このような挿通孔133L、133Rを設けることで、左右のサイドステー123L、123Rを車体部品収納部78に挿通させて、左右のサイドステー123L、123Rが車体部品収納部78に干渉する部分を逃がすようにした。
車体部品収納部78の側壁78sに挿通孔133L、133Rを設けたので、挿通孔を設けない場合に較べると、車体部品収納部78の容量が小さくなり難くなり十分なスペースが確保される。また、側壁78sを設けることで、水、泥の侵入を防ぐこともできる。
図8に示されているように、車体フレーム側に設けられる左リヤステー124L及び右リヤステー124Rに、グラブレール76の左後ステー92L及び右後ステー92Rが各々が載置され、それらの上に、アッパカバー56が載置され、第6ボルト106及び第7ボルト107にて左後ステー92L及び右後ステー92Rに締結されている。
すなわち、グラブレール76とアッパカバー56は、車体フレーム20に共締めされている。共締めにより、アッパカバー56を車体フレーム20に強固に取付けることが可能になる。加えて、共締めにより部品点数の増加を抑えることができる。
左右のリヤサイドカバーとトレイとの間の締結構造について説明する。
図9に示されているように、トレイ79の左右に形成される左右の座部135L、135Rに、左右のリヤカバー55L、55Rが各々載置され、上方からビス136、136にて、トレイ79に各々左右のリヤカバー55L、55Rが締結されている。
図10に示されているように、リヤサブクロスフレーム121に中央ステー122が固着され、この中央ステー122に第1ボルト101を介してトレイ79の底部79sが載置され、第1ボルト101によってトレイ79が中央ステー122に締結されている。
次に、中蓋部材のトレイへの締結構造について説明する。
図11に示されているように、トレイ79を構成する物品収納部77の左右に、座部137L、137Rが形成され、これらの座部137L、137Rに中蓋部材117が載置され、上方から中蓋ビス138、138で中蓋部材117をトレイ79に締結させた。
図中、151は水抜き穴であり、152はFI診断カプラから延びるケーブルを通す孔である。
次に、部品ステーが一体形成されている中蓋部材について説明する。
図12に示されているように、左右を壁部80で囲まれるトレイ79の物品収納部77に、中蓋部材117が取付けられている。中蓋部材117は、部品ステー141を含み、この部品ステー141に複数のカプラ142a、142b、142cが取付けられている。
トレイ79において、物品収納部77の外側に、車体部品収納部78が形成され、この車体部品収納部に部品としてのカプラ142a、142b、142cが配置されている。
次に、中蓋部材の取付けに係る作用説明を行う。
図13(a)に示されているように、中蓋部材117をトレイ79の上部開口119に載置する。中蓋部材117は、樹脂製の金型成形品とした。中蓋部材117は、部品ステー141を含んでおり、この部品ステー141とトレイ79の上方を覆う中蓋部材117との境界に折り曲げ部144としての薄肉部が形成されている。中蓋部材117の折り曲げ部144は、金型成形後に折り曲げられ形成される。成形時に中蓋部材117の折り曲げ部144は折り曲げられていないため、金型を簡単な構造にすることができる。なお、部品ステー141には、予め、車体部品としてのカプラ142a、142b、142cが装着される。
図13(b)に示されているように、中蓋部材117に一体形成される部品ステー141を薄肉部にて折り曲げ、部品ステーの先端部145がトレイの底部79sに開けた穴147に係合支持される。
図13(c)に、折り曲げ部144が折り曲げられ、カプラ142a、142b、142cが装着された部品ステー141の先端部145がトレイの底部79sに開けた穴147に係合されると共に、上部開口119が塞がれるように中蓋部材117が取付けられた状態が示されている。
中蓋部材117に部品ステー141が一体形成されているので、別個に部品ステーを設ける必要はなくなり、部品点数を減らすことができる。加えて、中蓋部材117を組付ける際に、部品ステー141を同時に組付けることができるので、組付け工数を減らすことができる。
上記組付け手順であれば、中蓋部材117に部品を部分的に組立てる(サブアセンブリする)ことができる。部品のサブアセンブリが可能なれば、メインラインでの組立作業の柔軟性が高まる。
組付け時に、部品ステー141は、下方に向け折り曲げられ屈曲されるので、スペースが限られている車体部品収納部を効率的に利用することができる。
以上に述べた鞍乗り型車両の作用を次に述べる。
図6に戻って、物品収納部77の前部の上部開口119のうち、前部開口125を除く残部を中蓋部材117で塞ぎ、前部開口125の上方位置にてアッパカバー56にアッパカバー側開口部126が設けられ、このアッパカバー側開口部126に開閉可能なリッド127が取付けられている。
物を出し入れする際は、リッド127を開閉するだけで物品収納部77に手を入れ物を出し入れすることが可能になる。
物品収納部77は、リッド127で覆われているので、例えば、物品収納部にその内側及び外側に2つの蓋が設けられている場合に較べて、物品収納部77の開閉に係る操作性を高めることができる。
尚、本発明は、実施の形態では自動二輪車に適用したが、鞍乗り型車両としての不整地走行車(三輪バギー、四輪バギー)等にも適用可能であり、一般の車両に適用することは差し支えない。
本発明は、自動二輪車に好適である。
10…鞍乗り型車両(自動二輪車)、20…車体フレーム、37L、37R…左右のリヤフレーム、49…シート、56…アッパカバー、76…グラブレール、77…物品収納部、78…車体部品収納部、79…トレイ、80…壁部、117…中蓋部材、119…物品収納部の上部開口、123L、123R…グラブレール取付ステー(左右のサイドステー)、124L、124R…グラブレール取付ステー(左右のリヤステー)、125…前部開口、126…アッパカバー側開口部、127…リッド、131…トレイの上部開口、133L、133R…挿通孔、141…部品ステー、142a〜142c…車体部品(カプラ)、144…折り曲げ部、147…トレイの底部に開けた穴。

Claims (8)

  1. 車体フレーム(20)の一部である左右のリヤフレーム(37L、37R)の車両前方位置に運転者が座るシート(49)を配置し、前記左右のリヤフレーム(37L、37R)の間にトレイ(79)を配置し、このトレイ(79)の上部開口(131)をアッパカバー(56)で塞ぐようにした鞍乗り型車両(10)において、
    前記トレイ(79)を壁部(80)で区分することで、前記トレイ(79)に物品を収納する物品収納部(77)を形成し、この物品収納部の上部開口(119)のうち、前部開口(125)を除く残部を中蓋部材(117)で塞ぎ、前記前部開口(125)の上方位置にて前記アッパカバー(56)にアッパカバー側開口部(126)が設けられ、このアッパカバー側開口部(126)に開閉可能なリッド(127)が取付けられており、
    このリッド(127)を開けることで、前記アッパカバー側開口部(126)及び前記前部開口(125)を通じて前記物品収納部(77)へ物品を出し入れすることができるようにしたことを特徴とする鞍乗り型車両。
  2. 前記トレイ(79)を前記壁部(80)で区分し、前記物品収納部(77)以外の部位に、車体部品を収納する車体部品収納部(78)が設けられていることを特徴とする請求項1記載の鞍乗り型車両。
  3. 車体部品(142a、142b、142c)を支える部品ステー(141)が前記中蓋部材(117)に一体的に設けられ、前記車体部品(142a、142b、142c)が、前記車体部品収納部(78)に配置されていることを特徴とする請求項2記載の鞍乗り型車両。
  4. 前記部品ステー(141)は、前記中蓋部材(117)が前記上部開口(119)に組み付けられる際に、前記中蓋部材(117)から水平に延びた後、前記トレイ(79)に向けて下方に折り曲げられる折り曲げ部(144)を有し、この部品ステー(141)の先端部が前記トレイ(79)の底部に開けた穴(147)に係合支持されることを特徴とする請求項3記載の鞍乗り型車両。
  5. 前記中蓋部材(117)は、樹脂製の型成形品であって、前記折り曲げ部(144)は、型成形後に折り曲げられることを特徴とする請求項4記載の鞍乗り型車両。
  6. 前記グラブレール(76)は、前記左右のリヤフレーム(37L、37R)から車幅方向内側に延ばされるグラブレール取付ステー(123L、123R、124L、124R)に締結固定されるものであって、前記車体部品収納部(78)に、前記グラブレール取付ステー(123L、123R)を挿通する挿通孔(133L、133R)が設けられていることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
  7. 前記アッパカバー(56)は、平坦な荷台であって、このアッパカバー(56)と前記グラブレール(76)は、前記車体フレーム(20)に共締めされていることを特徴とする請求項6記載の鞍乗り型車両。
  8. 前記アッパカバー(56)の下方で、前記物品収納部(77)の後部上方に重なる位置には、車両取り回し時に運転者が把持することができるグラブレール(76)が備えられていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項記載の鞍乗り型車両。
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