JPH0834380A - 車両の車体構造 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【目的】車体後部の外観性を向上させる。 【構成】サイドフレーム後部に設けられた後方段部５２
上に、物入れ６８とその後方の燃料タンク７０をそれぞ
れ支持させ、燃料タンク７０の前後の後方段部５２に前
部ブラケット７４、後部ブラケット７６を設け、燃料タ
ンク７０の上部を囲むインナーステ−７８を車体カバー
後部１３０の上面内側に沿って前後方向へ配設し、イン
ナーステー７８の前端部をシートキャッチャー８０を介
して前部ブラケット７４へ連結し、後端部を後部ブラケ
ット７６へ連結する。これにより、外部から力が加わっ
てもインナーステー７８で受け止め、車体カバーの後部
及びその内側にある燃料タンク７０などの部材を保護で
きる。また、インナーステ−７８が外観されないため外
観性が向上する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】この出願は車両の車体構造に係
り、特に、車体後部の外観性を向上させたものに関す
る。

【０００２】

【従来の技術】実公平５−３９０３８号には、上方へ開
放された開口部がシートで開閉される物入れと、その後
方に配設された燃料タンクとを車体フレーム後部上に支
持し、これら燃料タンクと物入れの周囲を車体カバーで
覆うとともに、シート後方の車体カバーの上面部上に荷
物支持用のキャリヤを取付けた形式のスクータ型車両が
示されている。

【０００３】

【この発明が解決しようとする課題】ところで、上記従
来例のようにキャリヤを車体カバーの上に設けると、キ
ャリヤが露出するので、外観性を向上するために困難な
デザインが要求された。一方、キャリヤを省略すると、
直接車体カバー上へ荷物を乗せることにより、車体カバ
ーを変形させてしまう等の不都合がある。そこで本願は
このような問題点の解決を目的とする。

【０００４】

【上記課題を解決するための手段】上記課題を解決する
ため本願発明は、上方へ開放された開口部がシートで開
閉される物入れと、その後方に配設された燃料タンクと
を車体フレーム後部上に支持し、これら燃料タンクと物
入れの周囲を車体カバーで覆う形式の車両において、燃
料タンクの少なくとも上部側を囲むとともに、シート後
方の車体カバー上面部内側に沿って前後方向へ延びるイ
ンナーステ−を設けたことを特徴とする。

【０００５】

【作用】本願発明はインナーステ−を車体カバーの内側
に設けたので、インナーステ−は非外観部材となる。し
たがって、シート後方の車体カバー上には従来のキャリ
ヤに相当する外観部材が存在しなくなるため、車体後部
における外観性が向上し、デザイン処理も容易になる。
また、インナーステ−はシート後方の車体カバー上面部
内側に沿って前後方向へ延びるため、車体カバーへ外部
から力が加わってもインナーステーで受け止めることが
で、車体カバー及びその内側の部材を保護できる。特
に、燃料タンクの少なくとも上部側を囲むため、燃料タ
ンクの保護部材として役立つ。さらに、シート後方の車
体カバー上へ荷物を乗せたい場合には、トランクなどの
オプション部材をインナーステ−へ取付けることがで
き、その結果、車体カバー上へ直接荷物を乗せないよう
にすることができる。

【０００６】

【実施例】図１乃至図７に基づいて１実施例を説明す
る。図１は燃料タンク部分を主体に示す車体要部の拡大
側断面図、図２は車体全体の外観側面図、図３は要部の
全体側面図、図４はその平面図、図５は背面図、図６は
燃料タンク部分を主体とする車体後部の要部平面図、図
７は物入れの平面図である。

【０００７】まず、図２に示すように、この自動２輪車
の前輪２を支持するフロントフォーク４の上部はフロン
トカバー６、フロントフェンダー８、レッグシールド１
０で覆われている。フロントフェンダー８には左右の側
面にウインカ１２が設けられている。これらのさらに上
方にはグリップが見えているハンドル１４を覆うハンド
ルカバー１６が設けられ、その前面にヘッドライト１８
が設けら得れている。

【０００８】フロントフェンダー８とレッグシールド１
０の各後部下方は、それぞれステップフロア２０とアン
ダーカバー２２に接続している。ステップフロア２０と
アンダーカバー２２はそれぞれ前後方向へ略水平に延
び、アンダーカバー２２の右後部にはロック穴２４と２
６が設けられている。

【０００９】ステップフロア２０の後部はボデイカバー
２８に接続している。ボデイカバー２８の上方にはシー
ト３０が支持され、かつボデイカバー２８によりパワー
ユニット３２上方の車体後部が覆われている。３４は後
輪、３６はリヤクッション、３８はエアクリーナであ
る。

【００１０】図３乃至５にも併せて示すように、車体フ
レーム４０はメインフレーム４２とサイドフレーム４４
を備え、メインフレーム４２の前端部にヘッドパイプ４
６が設けられている。ヘッドパイプ４６は繰向軸４８を
回転自在に支持するとともにフロントフォーク４と連結
されている。

【００１１】メインフレーム４２はヘッドパイプ４６か
ら斜め下方へ延び、ステップフロア２０とアンダーカバ
ー２２の内側で車幅方向中央部を車体中心に沿って略水
平に後方へ延び、その後端部は上下連結部材を兼ねる第
１のクロスメンバ５０へ接続されている。

【００１２】第１のクロスメンバ５０は図５に明らかな
ように、車幅方向へ延びる略Ｕ字状のパイプ部材であ
り、左右両端はそれぞれ左右のサイドフレーム４４へ接
続して溶接されている。また、第１のクロスメンバ５０
の中央部にはメインフレーム４２の後端部が溶接されて
いる。

【００１３】サイドフレーム４４はメインフレーム４２
の後端部から左右へ広がりながら斜め上方かつ後方へ延
び、後端部はパワーユニット３２上方で略水平の後方段
部５２になっている。サイドフレーム４４の側面には第
１のクロスメンバ５０を挟んで前後にサイドブラケット
５４とピボットブラケット５６が設けられている。ピボ
ットブラケット５６には後端部がパワーユニット３２の
前端部に連結されたリンクアーム５８の前端部がピボッ
ト５９で回動自在に支持されている。

【００１４】右側の第１のクロスメンバ５０からはルー
プ状をなすロックアーム６０が側方へ突出し（図５）、
突出先端部はアンダーカバー２２に形成された前後のロ
ック穴２４、２６間に位置し、ループ状をなす公知のワ
イヤーやチェーンのロックで駐車場所の不動物へ連結さ
れている。なお、ロックアーム６０は右側走行用には右
側に設けられ（図４）、左側走行用には左側に設けられ
る。

【００１５】ステップフロア２０の下方にはこれを支持
するためのフロアフレーム６２がメインフレーム４２と
平行にその左右へ対をなして前後方向へ延びている。ス
テップフロア２０の後端部にはバッテリホルダー６４が
設けられ、ここにバッテリ６６が支持されている。

【００１６】物入れ６８はボデイカバー２８の内側でサ
イドフレーム４４に支持され、上方に向かって開口し、
この開口部はシート３０で開閉される。シート３０は物
入れ６８の開口縁部前端６９へヒンジ結合されている。

【００１７】後方段部５２には燃料タンク７０が支持さ
れている。燃料タンク７０は側方へ突出して全周に形成
されたフランジ７２で前部ブラケット７４と後部ブラケ
ット７６へ固定されている。燃料タンク７０の外方は左
右に対をなして前後方向へ延びるインナーステー７８で
囲まれている。インナーステー７８の前後両端はシート
キャッチャー８０と後部ブラケット７６に取付けられて
いる。

【００１８】図４に示すように、車体フレーム４０の前
後方向へ第２クロスメンバ８２、第３クロスメンバ８
４、第４クロスメンバ８６を備えている。第２クロスメ
ンバ８２はフロアフレーム６２の前端部を支持し、第３
クロスメンバ８４の上面中間部にはウエルドナット９８
が設けられ、ここに物入れ６８の底部前端から下方へ突
出した取付穴１００において 、物入れ６８の内部から
差し込まれた図示しないネジによって締結されている。

【００１９】図１及び６によって明らかなように、第４
クロスメンバ８６の中央部には前部ブラケット７４が取
付けられ、ここで燃料タンク７０に形成されたフランジ
７２の前側中央部１０２が、防振ラバー１０４を介して
ボルト１０６で取付けられている。

【００２０】さらに、前部ブラケット７４の左右にはシ
ートキャッチャー８０の脚部１１０がボルト１１２及び
ナット１１４で締結されている。シートキャッチャー８
０の上端部１１６上にはインナーステー７８の先端部１
２０がボルト１１８及びナット１１９で締結されてい
る。

【００２１】インナーステー７８は前後方向へ略水平に
延びる直線部１２２と下方へ屈曲して延びる下方延出部
１２４を備え、下方延出部１２４の先端部すなわち下端
部１２６は、後方段部５２の後端部左右に設けられてい
る後部ブラケット７６の各上面へ、フランジ７２の後端
部に形成された突出部１０３とともに、防振ラバー１０
５を介してボルト１０７及びナット１０９で締結されて
いる。

【００２２】左右の直線部１２２間には、クロスメンバ
１２８が設けられ、その中央部にナット１２９が取付け
られている。このナット１２９には、車体カバー２８の
後部上面１３０の先端部１３２が重ねられ、ボルト１３
４で締結されている。このボルト締結部上を物入れ６８
に形成された後方延出部１４０の後端部が重なり、さら
にその上方にシート３０に設けられた底板３１の後端部
が重なっている。

【００２３】物入れ６８はその平面形状を図７に示すよ
うに、大きな物入れ空間をなす本体部１４１の開口縁部
から後方へ後方延出部１４０が一体に形成され、この上
に、燃料タンクのキャップ穴１４２、オイルタンクのキ
ャップ穴１４４が形成され、燃料タンクのキャップ穴１
４２を挟んで前後方向に一対のリブ１４６が形成され、
さらにこのリブ１４６の前方に一対の取付穴１４８が形
成されている。

【００２４】図１に明らかなように、後方延出部１４０
は直線部１２２の上方から被せて取付けられ、直線部１
２２の前部は、リブ１４６の下を通って前方へ延び、取
付穴１４８を通したボルト１１８で後方延出部１４０と
インナーステー７８の前端部１２０とがシートキャッチ
ャー８０の上端部１１６へ共締めされる。

【００２５】また、後方延出部１４０に設けられた燃料
タンクのキャップ穴１４２及びオイルタンクのキャップ
穴１４４からは、それぞれ燃料タンクキャップ１５０、
及びオイルタンクキャップ１５２が上方へ突出し、シー
ト３０を開くことでこれらのキャップを操作できるよう
になっている。オイルタンク１５４は上下方向へ長く延
び、下部は溝部１５５で第４クロスメンバ８６へ係合支
持されている。

【００２６】なお、図中の符号１３６はテールランプ、
１３８はフェンダであり、それぞれ後部ブラケット７６
へ支持されている。また１５８は燃料コックである。

【００２７】次に、本実施例の作用を説明する。図１及
び図７に明らかなように、インナーステ−７８を車体カ
バー後部１３０の内側に設けたので、インナーステ−７
８は非外観部材となる。したがって、シート３０後方の
車体カバー後部１３０上には従来のキャリヤに相当する
外観部材が存在しなくなるため、車体後部における外観
性が向上し、デザイン処理も容易になる。

【００２８】また、インナーステ−７８は前端部１２０
がシート３０後方の車体カバー後部１３０の上面部内側
に沿って前後方向へ延びるため、車体カバー後部１３０
へ外部から力が加わってもインナーステー７８で受け止
めることができ、車体カバー後部１３０及びその内側の
部材を保護できる。特に、燃料タンク７０の少なくとも
上部側を囲むため、燃料タンク７０の保護部材として役
立つ。

【００２９】さらに、シート後方の車体カバー後部１３
０の上面へ荷物を乗せたい場合には、トランクなどのオ
プション部材をインナーステ−７８へ取付けることがで
き、その結果、車体カバー後部１３０上へ直接荷物を乗
せないようにすることができる。

【００３０】そのうえ、インナーステ−７８は、前端部
１２０をシートキャッチャー８０を利用して取付けで
き、かつ下端部１２６を燃料タンク７０に形成されたフ
ランジ部７２の突出部１０３と共締めされるので、取付
構造が簡単になる。

【００３１】なお、本願発明は上記実施例に限定されず
種々に変形可能である。例えば、対象となる車両は、ス
クータ型車両に限らず他の種々な形式のものが可能であ
り、また、自動２輪車及び自動３輪車が可能である。さ
らに、インナーステ−７８の前端部は直接車体フレーム
へ取付けることもできる。

【図面の簡単な説明】

【図１】実施例に係る車体後部の要部側断面図

【図２】実施例に係る車体全体の外観側面図

【図３】実施例に係る車体全体の要部側面図

【図４】実施例に係る車体要部の平面図

【図５】実施例に係る車体要部の背面図

【図６】実施例に係る車体後部の要部平面図

【図７】実施例に係る物入れの平面図

【符号の説明】

４０：車体フレーム、４２：メインフレーム、４４：サ
イドフレーム、５２：後方段部、７０：燃料タンク、７
２：フランジ、７４：前部ブラケット、７６：後部ブラ
ケット、７８：インナーステー、８０：シートキャッチ
ャー、１３０：車体カバー後部

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】上方へ開放された開口部がシートで開閉さ
   れる物入れと、その後方に配設された燃料タンクとを車
   体フレーム後部上に支持し、これら燃料タンクと物入れ
   の周囲を車体カバーで覆う形式の車両において、燃料タ
   ンクの少なくとも上部側を囲むとともに、シート後方の
   車体カバー上面部内側に沿って前後方向へ延びるインナ
   ーステ−を設けたことを特徴とする車両の車体構造。