JP7135033B2 - 鞍乗型車両のカバー構造 - Google Patents
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(1)本発明の態様に係る鞍乗型車両のカバー構造は、物品を収納可能に開口する収納部(50)の収納口(49)を覆うカバー(60)を備え、前記カバー(60)は、一方向への移動により前記収納口(49)を開閉可能に前記収納部(50)に対して着脱可能とされ、前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記収納部(50)を左右側方から覆う側方覆い部(64)を備え、前記側方覆い部(64)は、前記収納口(49)にアクセス可能に上方に凹む上方凹部(70)を有し、前記収納部(50)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態において前記側方覆い部(64)に対向する側壁(54)を備え、前記側壁(54)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記上方凹部(70)に繋がるように下方に凹む下方凹部(55)を有する。
(2)本発明の態様に係る鞍乗型車両のカバー構造は、物品を収納可能に開口する収納部(50)の収納口(49)を覆うカバー(60)を備え、前記カバー(60)は、一方向への移動により前記収納口(49)を開閉可能に前記収納部(50)に対して着脱可能とされ、前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記収納部(50)を左右側方から覆う側方覆い部(64)を備え、前記側方覆い部(64)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記収納口(49)にアクセス可能に上方に凹む上方凹部(70)を有し、前記収納部(50)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態において前記側方覆い部(64)に対向する側壁(54)を備え、前記側壁(54)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記上方凹部(70)に繋がるように下方に凹む下方凹部(55)を有する。
カバーの一方向への移動により収納口を開閉可能に収納部に対して着脱可能とされていることで、カバーを開閉するためのヒンジを設ける必要がない。したがって、部品点数を削減することができる。
カバーを持ち上げることにより収納口を開口することができる。
シート下方の空間を収納部及びカバーの配置スペースとして有効に活用することができる。
側方覆い部が上方凹部を有しない場合と比較して短い距離だけカバーを上方へ移動することにより収納口にアクセスすることができるため、収納口にアクセスしやすい。
カバーが収納口を覆っている状態では収納口内への水の浸入を抑制することができる。
側壁が下方凹部を有しない場合と比較して短い距離だけカバーを上方へ移動することにより収納口にアクセスすることができるため、より効果的に収納口にアクセスしやすい。
カバーをフレームに沿った形状にできるため、カバーの大きさを可及的に小さくすることができる。したがって、カバーの形成材料を削減することができ、低コストに寄与する。
カバーを一方向へ移動するときに覆い部を収納部の外面に沿わせることができるため、収納部に対してスムーズな着脱が可能となる。
後覆い部が上覆い部の後端から前覆い部と平行に下方に延びている場合と比較して、後覆い部が上覆い部の後端からの下方に向けて延びる長さを可及的に小さくすることができる。したがって、上覆い部の後端下方の車両部品と後覆い部との干渉を回避することができる。
収納部に対してカバーを着脱するときにシートをカバーと一緒に着脱することができる。
シートがカバーの上面に取り付けられている状態では収納凹部内への水の浸入を抑制することができる。
複数の収納凹部に互いに異なるサイズの工具を収納することができる。加えて、車両走行時に工具が収納凹部内で揺れることを抑制することができる。
カバーを一方向へ移動する際に乗員等がカバーを抑えておく必要がないため、カバーを着脱しやすくなるとともに、収納口へのアクセスが容易となる。
<車両全体>
図1は、鞍乗型車両の一形態である電動式の自動二輪車1の左側面図である。本実施形態の自動二輪車1は、シート2に着座した運転者が足を載せることが可能なステップフロア3を有するスクータ型の車両である。
側面視で、リアクッション8は、車両後方に向かうに従って下方に位置するように上下方向に対して傾斜して延びている。リアクッション8の上端部は、シートフレーム25の第二延在部25cの後部に連結されている。リアクッション8の下端部は、スイングアーム7の後部に連結されている。
バッテリ11は、収納部50内に配置されている。例えば、バッテリ11は、充放電可能なエネルギーストレージとして、リチウムイオンバッテリで構成されている。バッテリ11は、不図示のコンタクタを介してインバータ(制御装置)の入力側に電気的に接続されている。インバータの出力側は、三相の電線(三相交流ライン)によってモータ12(三相の各コイル)に接続されている。
自動二輪車1は、車両後部にカバー構造48を備える。カバー構造48は、物品を収納可能な収納部50を覆うカバー60を備える。収納部50は、カバー60が外された状態で上方に開口する収納口49(図3参照)を有する。なお、カバー構造48は、収納部50とカバー60との間にヒンジ等の開閉機構を有しない。すなわち、カバー60は、ヒンジ軸回りの回転により収納部50の収納口49を開閉する構成となっていない。
側壁54は、前壁51の車幅方向外端と後壁52の車幅方向外端とをわたすように前後方向に延びている。側壁54は、シートフレーム25よりも車幅方向内側に配置されている。
後覆い部62は、カバー60が収納口49を覆っている状態において収納部50を後方から覆う部分である。
上覆い部63は、カバー60が収納口49を覆っている状態において収納部50を上方から覆う部分である。
側方覆い部64は、カバー60が収納口49を覆っている状態において収納部50を左右側方から覆う部分である。
前膨出部64aは、カバー60の前部71の下端部に設けられている。側面視で、前膨出部64aは、前支持部28aに沿って上下方向に対して傾斜して延びている。具体的に、前膨出部64aは、側面視でステップフロア3の後端近傍から車両後方に向かうに従って上方に位置するように傾斜して延びている。
後膨出部64bは、カバー60の後部72の下端部に設けられている。側面視で、後膨出部64bは、前膨出部64aの延長線上に配置されている。
第一実施形態に係るカバー60を移動したときの上方凹部70及び下方凹部55の作用について説明する。
上述の通り、上方凹部70は、カバー60の側方覆い部64に設けられている。一方、下方凹部55は、収納部50の側壁54に設けられている。
図2に示すように、上方凹部70は、カバー60がシートフレーム25により支持されている状態(以下単に「支持状態」という。)においてシートフレーム25の一部を露出させる。ここで、支持状態は、カバー60の側方覆い部64がシートフレーム25の前支持部28a及び後支持部28bのそれぞれによって支持されている状態を意味する。支持状態は、カバー60が収納口49を覆っている状態である。
以上説明したように、上記実施形態の自動二輪車1のカバー構造48は、物品を収納可能に開口する収納部50の収納口49を覆うカバー60を備え、カバー60は、上下方向への移動により収納口49を開閉可能に収納部50に対して着脱可能とされている。
この構成によれば、カバー60の上下方向への移動により収納口49を開閉可能に収納部50に対して着脱可能とされていることで、カバー60を開閉するためのヒンジを設ける必要がない。したがって、部品点数を削減することができる。
カバー60を持ち上げることにより収納口49を開口することができる。
シート2下方の空間を収納部50及びカバー60の配置スペースとして有効に活用することができる。
側方覆い部64が上方凹部70を有しない場合と比較して短い距離だけカバー60を上方へ移動することにより収納口49にアクセスすることができるため、収納口49にアクセスしやすい。
カバー60が収納口49を覆っている状態では収納口49内への水の浸入を抑制することができる。
側壁54が下方凹部55を有しない場合と比較して短い距離だけカバー60を上方へ移動することにより収納口49にアクセスすることができるため、より効果的に収納口49にアクセスしやすい。
カバー60をシートフレーム25に沿った形状にできるため、カバー60の大きさを可及的に小さくすることができる。したがって、カバー60の形成材料を削減することができ、低コストに寄与する。
カバー60を上下方向へ移動するときに前覆い部61及び側方覆い部64をそれぞれ収納部50の前面51a及び側面54aに沿わせることができるため、収納部50に対してスムーズな着脱が可能となる。
後覆い部62が上覆い部63の後端から前覆い部61と平行に下方に延びている場合と比較して、後覆い部62が上覆い部63の後端からの下方に向けて延びる長さを可及的に小さくすることができる。したがって、上覆い部63の後端下方の車両部品(例えば、リアフェンダ44)と後覆い部62との干渉を回避することができる。
収納部50に対してカバー60を着脱するときにシート2をカバー60と一緒に着脱することができる。
シート2がカバー60の上面63aに取り付けられている状態では収納凹部67A,67B内への水の浸入を抑制することができる。
複数の収納凹部67A,67Bに互いに異なるサイズの工具を収納することができる。加えて、車両走行時に工具が収納凹部67A,67B内で揺れることを抑制することができる。
カバー60の上下方向の高さを可及的に低くすることができるため、カバー60を着脱しやすい。
第一実施形態では、収納部50の前面51aは、凹凸を有しない平面とされている例を挙げて説明したが、これに限らない。図6に示すように、第二実施形態は、収納部50の前面51aの態様が上述した第一実施形態と相違している。なお、以下の説明においては、上述した第一実施形態と同様の構成については同一の符号を付して説明を省略する。
例えば、付勢部材282は、板ばねである。図7に示すように、付勢部材282は、収納部50の前壁51の内面(後面)に取り付けられている。
係合凹部283は、車幅方向に間隔をあけて複数(例えば、本実施形態では2つ)設けられている。係合凹部283は、アクセス可能状態において、前覆い部61が係合凸部281と対向する位置に設けられている。
第二実施形態に係るカバー60を移動したときの移動状態保持構造280の作用について説明する。
図7に示すように、支持状態では、係合凹部283は、係合凸部281よりも下方に配置される。言い換えると、支持状態では、係合凸部281は、前面視で前覆い部61における係合凹部283の上方領域と重なる。支持状態では、係合凸部281は、前覆い部61の後面により付勢部材282の付勢力に抗して後方へ押される。これにより、支持状態では、係合凸部281の前端(先端)は、収納部50の前面51aよりも前方に突出しない。すなわち、支持状態では、係合凸部281は、係合凹部283に係合されない。
第二実施形態では、カバー60を上下方向へ所定距離だけ移動した状態でカバー60を保持可能な移動状態保持構造280を更に備えることで、以下の効果を奏する。
カバー60を上下方向へ移動する際に乗員等がカバー60を抑えておく必要がないため、カバー60を着脱しやすくなるとともに、収納口49へのアクセスが容易となる。
なお、上記実施形態では、収納部50は、上方に開口する収納口49を有する例を挙げて説明したが、これに限らない。例えば、収納部50は、前方、左右側方等の上方以外の方向に開く収納口49を有していてもよい。例えば、収納部50の収納口49が開口する方向は、要求仕様に応じて変更することができる。
そして、上記実施形態における構成は本発明の一例であり、実施形態の構成要素を周知の構成要素に置き換える等、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能である。
2 シート
25 シートフレーム(フレーム)
28a 前支持部
28b 後支持部
48 カバー構造
49 収納口
50 収納部
51a 前面(外面)
54 側壁
54a 側面(外面)
55 下方凹部
60 カバー
61 前覆い部
62 後覆い部
63 上覆い部
63a 上面
64 側方覆い部
67A 前側凹部(収納凹部)
67B 後側凹部(収納凹部)
70 上方空間
71 カバーの前部
72 カバーの後部
280 移動状態保持構造
L1 カバーの前部の上下方向の長さ
L2 カバーの後部の上下方向の長さ
Claims (13)
- 物品を収納可能に開口する収納部(50)の収納口(49)を覆うカバー(60)を備え、
前記カバー(60)は、一方向への移動により前記収納口(49)を開閉可能に前記収納部(50)に対して着脱可能とされ、
前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記収納部(50)を左右側方から覆う側方覆い部(64)を備え、
前記側方覆い部(64)は、前記収納口(49)にアクセス可能に上方に凹む上方凹部(70)を有し、
前記収納部(50)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態において前記側方覆い部(64)に対向する側壁(54)を備え、
前記側壁(54)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記上方凹部(70)に繋がるように下方に凹む下方凹部(55)を有することを特徴とする鞍乗型車両のカバー構造。 - 物品を収納可能に開口する収納部(50)の収納口(49)を覆うカバー(60)を備え、
前記カバー(60)は、一方向への移動により前記収納口(49)を開閉可能に前記収納部(50)に対して着脱可能とされ、
前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記収納部(50)を左右側方から覆う側方覆い部(64)を備え、
前記側方覆い部(64)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記収納口(49)にアクセス可能に上方に凹む上方凹部(70)を有し、
前記収納部(50)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態において前記側方覆い部(64)に対向する側壁(54)を備え、
前記側壁(54)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記上方凹部(70)に繋がるように下方に凹む下方凹部(55)を有することを特徴とする鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態から上方への移動により前記収納口(49)を開口することが可能とされていることを特徴とする請求項1または2に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
- 前記収納部(50)は、乗員が着座可能なシート(2)の下方に配置され、
前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記シート(2)と前記収納部(50)との間に配置されていることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記側方覆い部(64)は、前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態から前記カバー(60)を上方へ移動したときに前記収納口(49)にアクセス可能に上方に凹む前記上方凹部(70)を有することを特徴とする請求項1、3または4のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
- 前記カバー(60)が前記収納口(49)を覆っている状態では前記上方凹部(70)を通じて前記収納口(49)にアクセス不能とされていることを特徴とする請求項2または5に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
- 前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態では、
前記カバー(60)の前部(71)を支持する前支持部(28a)と、
前記前支持部(28a)よりも後方かつ上方の位置で前記カバー(60)の後部(72)を支持する後支持部(28b)と、を有するフレーム(25)により支持され、
前記カバー(60)の後部(72)の上下方向の長さ(L2)は、前記カバー(60)の前部(71)の上下方向の長さ(L1)よりも小さいことを特徴とする請求項1から6のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において前記収納部(50)の外面(51a,54a)に沿って前記一方向へ延び前記収納部(50)を外方から覆う覆い部(61,64)を備えることを特徴とする請求項1から7のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
- 前記カバー(60)は、前記収納口(49)を覆っている状態において、
前記収納部(50)を前方から覆う前覆い部(61)と、
前記収納部(50)を後方から覆う後覆い部(62)と、
前記収納部(50)を上方から覆う上覆い部(63)と、を備え、
前記前覆い部(61)は、前記上覆い部(63)の前端から下方に延び、
前記後覆い部(62)は、前記上覆い部(63)の後端から前記前覆い部(61)よりも緩やかに傾斜して後下方に延びていることを特徴とする請求項1から8のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記カバー(60)には、乗員が着座可能なシート(2)が取り付けられていることを特徴とする請求項1から9のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
- 前記シート(2)は、前記カバー(60)の上面(63a)に対して着脱可能とされ、
前記カバー(60)は、前記カバー(60)の上面(63a)から下方に凹む収納凹部(67A,67B)を有することを特徴とする請求項10に記載の鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記収納凹部(67A,67B)は、工具を収納可能に前記カバー(60)の上面(63a)に複数設けられ、
前記複数の収納凹部(67A,67B)は、収納される前記工具のサイズに合わせて互いに異なる大きさを有することを特徴とする請求項11に記載の鞍乗型車両のカバー構造。 - 前記カバー(60)を前記一方向へ所定距離だけ移動した状態で前記カバー(60)を保持可能な移動状態保持構造(280)を更に備えることを特徴とする請求項1から12のいずれか一項に記載の鞍乗型車両のカバー構造。
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