JP2012032375A - 液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法 Download PDF

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Abstract

【課題】核酸を短時間で高精度に分離検出できる液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法を提供する。
【解決手段】オゾン処理したカラム充填剤を用いる液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、核酸を短時間で高精度に分離検出できる液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法に関する。
近年、様々な遺伝子検査技術が開発されており、検出対象物質を、短時間で高精度に分離検出することが重要になっている。例えば、検出対象物質が核酸の場合、核酸が有するリン酸基のマイナス電荷を利用したアニオン交換クロマトグラフィー(特許文献1及び特許文献2)、逆相クロマトグラフィー(特許文献3)、ゲルクロマトグラフィー(特許文献4)、ヒドロキシアパタイトを用いたクロマトグラフィー(特許文献5)、種々のリガンドを固定したカラム充填剤を用いたアフィニティクロマトグラフィー(特許文献6)等の方法がある。なかでも、アニオン交換クロマトグラフィーは分離性能に優れており、核酸類を鎖長別に分離検出できる。
しかし、従来のカラム充填剤は、検出対象物質を短時間で分離検出する場合の分離性能が不充分である。分離性能は、カラム長を長くすることで向上させることができるが、カラム長を長くすると、分離時間が長くなり、カラム圧力が高くなる。カラム圧力が高くなると、耐圧性の大きな装置が必要となるため、装置が高価になるという問題が生じる。
特表平09−505402号公報 特表2009−518627号公報 特表2002−506425号公報 特開昭63−245698号公報 特開平10−153589号公報 特開2006−122851号公報
本発明は、核酸を短時間で高精度に分離検出できる液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法の提供を目的とする。
本発明は、オゾン処理したカラム充填剤を用いる液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法である。
本発明者らは液体クロマトグラフィーに用いるカラム充填剤として、オゾン処理したカラム充填剤を用いることにより、核酸を短時間で高精度に分離検出できることを見出した。
この分離性能を向上させる効果は、従来から行われているオゾン処理による非特異吸着の抑制効果とは異なり、核酸の分離検出時において認められる特有の効果である。
以下に本発明を詳述する。
本発明の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法(以下、本発明の分離検出方法ともいう)に用いるカラム充填剤のオゾン処理は、カラム充填剤とオゾンとを接触させることにより行う。カラム充填剤と接触させるオゾンの形態は、オゾンガス、又は、オゾンガスを溶解した水(以下、オゾン水という)が好ましい。より好ましくはオゾン水による処理である。
カラム充填剤とオゾンとを接触させる方法は、例えば、カラム充填剤をオゾン水に浸漬する方法、カラム充填剤をエンプティカラムに充填した後、得られたカラムにオゾン水を通液する方法等が挙げられる。
オゾン水中のオゾン濃度の好ましい下限は20ppmである。オゾン濃度が20ppm未満であると、オゾン処理に長時間を要したり、オゾン処理の効果が不充分なため、カラム充填剤の分離性能が悪くなることがある。オゾン濃度のより好ましい下限は50ppmである。
オゾン水の製造方法としては、例えば、特開2001−330969号公報に開示されている、原料水に透過膜を介してオゾンガスを溶解させる方法等が挙げられる。また、オゾン処理の際には、特開2007−178417号公報に開示されているオゾンによる酸化を促進する方法を併用してもよい。更に、カラム充填剤とオゾンとを接触させる時に、紫外線照射、超音波照射、アルカリ水添加等のオゾンの分解を促進する方法を併用できる。
オゾン処理するカラム充填剤は、少なくとも表面に強カチオン性基を有することが好ましい。
本明細書において「強カチオン性基」とは、pH1〜14の全ての範囲で解離するカチオン性基を意味する。即ち、強カチオン性基は、水溶液のpHに影響を受けず解離した(カチオン化した)状態を保つことが可能である。
強カチオン性基としては、4級アンモニウム基が好ましい。
4級アンモニウム基としては、例えば、トリメチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基、ジメチルエチルアンモニウム基等のトリアルキルアンモニウム基等が挙げられる。
強カチオン性基量の好ましい下限は、カラム充填剤の乾燥重量1gあたり1μeq、好ましい上限は、カラム充填剤の乾燥重量1gあたり500μeqである。強カチオン性基量が1μeq/g未満であると、カラム充填剤の保持力が弱く、分離性能が悪くなることがある。強カチオン性基量が500μeq/gを超えると、カラム充填剤の保持力が強くなりすぎ、短時間で溶出させることが困難になる。
少なくとも表面に強カチオン性基を有するカラム充填剤は、(1)強カチオン性基を有する単量体を重合させたカラム充填剤、(2)強カチオン性基に変換可能な官能基(以下、反応性基という)を有する単量体を重合させた後、反応性基を強カチオン性基に変換させたカラム充填剤等が好ましい。より好ましくは(1)のカラム充填剤である。
上記(1)のカラム充填剤を構成する強カチオン性基を有する単量体としては、4級アンモニウム基を有する単量体が好ましい。
4級アンモニウム基を有する単量体としては、(メタ)アクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリル酸エチルトリエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリル酸エチルジメチルエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリルアミドエチルトリメチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリルアミドエチルトリエチルアンモニウムクロリド、(メタ)アクリルアミドエチルジメチルエチルアンモニウムクロリド等のアクリル系単量体が挙げられる。
なお、本明細書において「アクリル系」とは、アクリル基又はメタクリル基を有することを意味する。また本明細書において「(メタ)アクリル」とは、「アクリル又はメタクリル」であることを示す。
上記(2)のカラム充填剤を構成する単量体が有する反応性基は、非イオン性の官能基が好ましく、例えば、エステル結合、疎水性基、環状構造基、水酸基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基、シアノ基、アルデヒド基等が挙げられる。なかでも、水酸基、エポキシ基、1級アミノ基、2級アミノ基が好ましい。
これらの反応性基を有する単量体としては、例えば、水酸基を有する(メタ)アクリレート類、エポキシ化(メタ)アクリレート類、アミノ化(メタ)アクリレート類、アルデヒド化(メタ)アクリレート類、シアノ化(メタ)アクリレート類等が挙げられる。
なお、本明細書において「(メタ)アクリレート」とは、「アクリレート又はメタクリレート」であることを示す。
水酸基を有する(メタ)アクリレート類としては、例えば、エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシトリ(ポリ)エチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート類や、プロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート類や、ポリ(エチレングリコール・プロピレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(エチレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール・テトラメチレングリコール)モノ(メタ)アクリレート、オクトキシポリエチレングリコールポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールモノ(メタ)アクリレート類や、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシルエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジヒドロキシルプロピル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
エポキシ化(メタ)アクリレート類としては、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アミノ化(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−アミノエチル(メタ)アクリレート、2,3−ジアミノエチル(メタ)アクリレート、2−アミノプロピル(メタ)アクリレート、2,3−ジアミノプロピル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
アルデヒド化(メタ)アクリレート類としては、例えば、(メタ)アクロレイン等が挙げられる。
シアノ化(メタ)アクリレート類としては、例えば、シアノ(メタ)アクリレート、エチル−2−シアノアクリレート等が挙げられる。
反応性基を強カチオン性基に変換する方法としては、例えば、反応性基がエポキシ基の場合、エポキシ基を有する重合体粒子を水又は有機溶媒中に分散し、エポキシ基を活性化した後、3級アミン類を反応させる方法等が挙げられる。
反応させる3級アミン類としては、例えば、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、1−メチルピペリジン、1−メチルピロリジン、ピリジン、メチルピリジン類等が挙げられる。
本発明の分離検出方法に用いるカラム充填剤は、強カチオン性基に加えて、弱アニオン性基を少なくとも表面に有することがより好ましい(以下、強カチオン性基及び弱アニオン性基を合わせて、単にイオン交換基ともいう)。
弱アニオン性基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基等が挙げられる。なかでも、カルボキシル基が好ましい。
弱アニオン性基量の好ましい下限は、カラム充填剤の乾燥重量1gあたり1μeq、好ましい上限は、カラム充填剤の乾燥重量1gあたり500μeqである。弱アニオン性基量が1μeq/g未満であると、弱アニオン性基によるイオン交換反応が弱く、分離性能が悪くなることがある。弱アニオン性基量が500μeq/gを超えると、弱アニオン性基が、強カチオン性基によるイオン交換反応を阻害し分離性能が悪くなることがある。
少なくとも表面に弱アニオン性基を有するカラム充填剤は、(3)弱アニオン性基を有する単量体を重合させたカラム充填剤、(4)弱アニオン性基に変換可能な官能基を有する単量体を重合させた後、該弱アニオン性基に変換可能な官能基を弱アニオン性基に変換させたカラム充填剤等が好ましい。より好ましくは(3)のカラム充填剤である。
上記(3)のカラム充填剤を構成する弱アニオン性基を有する単量体としては、弱アニオン性基を有するが強カチオン性基を有しない単量体が好ましく、弱アニオン性基としてカルボキシル基を有する単量体がより好ましい。このような単量体としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、エタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、メサコン酸、イソクロトン酸、シトラコン酸、β−カルボキシエチルアクリレート等が挙げられる。
上記(4)の弱アニオン性基に変換可能な官能基は、上記(2)の反応性基と同様である。以下、弱アニオン性基に変換可能な官能基も反応性基という場合がある。
反応性基を弱アニオン性基に変換する方法としては、例えば、アミノ基にカルボキシル基を有するシランカップリング剤を反応させる方法、水酸基にハロゲン化酢酸類やアルデヒド化合物を反応させる方法、エポキシ基にカルボキシル基を有する化合物を反応させる方法、エステル基を加水分解する方法、反応性基のエポキシ基を開環反応させる方法、不飽和結合等の疎水性基を紫外線やプラズマ照射等の公知の酸化処理反応によって酸化する方法等が挙げられる。
反応性基が水酸基である場合、クロロ酢酸ナトリウム等のハロゲン化酢酸類を、水酸化アルカリ水溶液中で反応させることによりカルボキシル基を導入することができる。
反応性基がアルデヒド基である場合、酸触媒下にてアセタール化反応により水酸基と反応させることにより、カルボキシル交換基を導入することができる。また、トリカルバリル酸、ブタンテトラカルボン酸等の多官能カルボン酸化合物と水酸基の脱水反応によるエステル化により、カルボキシル基を導入することができる。
反応性基がエポキシ基である場合、グリコール酸等のカルボン酸化合物を反応させる方法等によりカルボキシル基を導入することができる。
反応性基がアミノ基である場合、エピクロルヒドリンやトリグリシジルエーテルのようなエポキシ化合物を水酸化アルカリ水溶液中又は水酸化アルカリの有機溶媒溶液中で反応させてエポキシ化した後、上述した反応性基がエポキシ基の場合と同様の処理を行うことによりカルボキシル基を導入することができる。
本発明の分離検出方法に用いるカラム充填剤が、少なくとも表面に強カチオン性基と弱アニオン性基とを有する場合、強カチオン性基と弱アニオン性基とは、両者とも重合反応により導入されてもよいし、両者とも変換により導入されてもよい。また、それぞれ別々の方法により導入されてもよい。即ち、強カチオン性基が重合反応により導入され、弱アニオン性基が変換による方法により導入されてもよいし、強カチオン性基が変換により導入され、弱アニオン性基が重合反応により導入されてもよい。
本発明の分離検出方法に用いるカラム充填剤は、ポリアクリレート等の有機合成高分子系の架橋重合体粒子や、シリカ等の無機高分子系の架橋重合体粒子に、上記(1)〜(4)等の方法によりイオン交換基を導入した充填剤であることが好ましい。なかでも、有機合成高分子系の架橋重合体粒子が好ましい。
上記架橋重合体粒子は、少なくとも1種の架橋性単量体を重合した架橋重合体粒子、又は、少なくとも1種の架橋性単量体及び少なくとも1種の非架橋性単量体を共重合した架橋重合体粒子が好ましい。
架橋性単量体としては、例えば、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類、アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類、ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類、分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類、芳香族系架橋性単量体類等が挙げられる。
ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる
ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリ(プロピレングリコール−テトラメチレングリコール)−ジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールポリプロピレングリコールポリエチレングリコール−ジ(メタ)アクリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサグリコールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
ヒドロキシアルキルジ(メタ)アクリレート類としては、例えば、2−ヒドロキシ−1,3−ジ(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−1−(メタ)アクリロキシ−3−(メタ)アクリロキシプロパン、2−ヒドロキシ−3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル(メタ)アクリレート、グリセロールジ(メタ)アクリレート、グリセロールアクリレートメタクリレート、ウレタン(メタ)ジアクリレート、イソシアヌル酸ジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,10−ジ(メタ)アクリロキシ−5−メチル−4,7−ジオキサデカン−2,9−ジオール、1,11−ジ(メタ)アクリロキシ−4,8−ジオキサウンデガン−2,6,10−トリオール等が挙げられる。
分子内に少なくとも2個の(メタ)アクリル基を有するアルキロールアルカン(メタ)アクリレート類としては、例えば、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタントリ(メタ)アクリレート、テトラメチロールメタンテトラ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
芳香族系架橋性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルトルエン、ジビニルキシレン、ジビニルナフタレン等が挙げられる。
これらの架橋性単量体は単独で用いてもよいし、2種以上を併用して用いてもよい。特にアクリル系単量体が好ましい。
架橋重合体粒子を構成する非架橋性単量体としては、上記反応性基を有する単量体、(メタ)アクリル酸アルキル類、芳香族系非架橋性単量体等が挙げられる。
(メタ)アクリル酸アルキル類としては、例えば、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル等が挙げられる。
芳香族系非架橋性単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチレン等のスチレン系単量体等が挙げられる。なかでも、アクリル系単量体が好ましい。
架橋重合体粒子が、架橋性単量体と非架橋性単量体との共重合体からなる場合、該共重合体における架橋性単量体に由来するセグメントの含有割合の好ましい下限は10重量%である。架橋性単量体に由来するセグメントの含有割合が10重量%未満であると、架橋重合体粒子の耐圧性、耐膨潤性が低下し、カラム充填剤として用いた場合の分離性能が悪くなる。架橋性単量体に由来するセグメントの含有割合のより好ましい下限は20重量%である。
本発明の分離検出方法に用いるカラム充填剤の平均粒子径の好ましい下限は0.1μm、好ましい上限は20μmである。平均粒子径が0.1μm未満の場合、カラム圧が高くなり分離性能が悪くなることがある。平均粒子径が20μmを超える場合、カラム内のデッドボリュームが大きくなり分離性能が悪くなることがある。
本発明の分離検出方法は、ウイルス由来の核酸及びヒト由来の核酸を分離検出できる。例えば、ウイルス由来の核酸を分離検出し、ウイルスの存在や型を判別することができる。また、ヒト由来の核酸を分離検出し、ヒト遺伝子の一塩基多型を含む遺伝子多型を判別することができる。
測定対象の核酸としては、公知の方法により抽出及び精製した核酸、又は、精製した核酸を公知のPCR(Polymerase Chain Reaction)法等により増幅した増幅産物等が挙げられる。また、これらの核酸やPCR増幅産物を、制限酵素により切断した制限酵素断片等が挙げられる。
本発明の分離検出方法に用いる溶離液は公知の溶離液を用いることができる。特に、公知の塩化合物を含む緩衝液類や有機溶媒類を用いることが好ましい。例えば、トリス塩酸緩衝液、トリス及びEDTAを含むTE緩衝液、トリス、酢酸、及びEDTAを含むTAE緩衝液、トリス、ホウ酸、及びEDTAを含むTBA緩衝液等が挙げられる。
溶離液は塩類を含有してもよい。
塩類としては、例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、臭化ナトリウム、臭化カリウム等のアルカリ金属のハロゲン化物や、塩化カルシウム、臭化カルシウム、塩化マグネシウム、臭化マグネシウム等のアルカリ土類金属のハロゲン化物等が挙げられる。また、過塩素酸ナトリウム、過塩素酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カリウム、硫酸アンモニウム、硝酸ナトリウム、硝酸カリウム等の無機酸塩、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、コハク酸ナトリウム、コハク酸カリウム等の有機酸塩を用いることもできる。
溶離液のpHの好ましい下限は5、好ましい上限は10である。pHが5未満であると、充填剤が弱アニオン性基を有する場合、弱アニオン性基の解離度が減少して分離性能が低下する。pHが10を超えると、クロマトグラムが変形し測定精度が低下する。溶離液のpHのより好ましい下限は6、より好ましい上限は9である。
溶離液の塩濃度の好ましい下限は10mmol/L、好ましい上限は2000mmol/Lであり、より好ましい下限は100mmol/L、より好ましい上限は1500mmol/Lである。
本発明によれば、核酸を短時間で高精度に分離検出できる液体クロマトグラフィーによる分離検出方法を提供できる。
実施例1のカラムを用いて、DNAラダーマーカーを分離したクロマトグラムである。 実施例3のカラムを用いて、DNAラダーマーカーを分離したクロマトグラムである。 比較例1のカラムを用いて、DNAラダーマーカーを分離したクロマトグラムである。 比較例3のカラムを用いて、DNAラダーマーカーを分離したクロマトグラムである。 実施例2のカラムを用いて、インフルエンザウイルスAH1型、AH3型、B型の遺伝子のPCR増幅産物を分離したクロマトグラムである。 実施例2のカラムを用いて、UGT1A1の野生型及び変異型遺伝子のPCR増幅産物を分離したクロマトグラムである。 比較例4のカラムを用いて、ヒトヘモグロビンを分離したクロマトグラムである。
(実施例1)
実施例1では、強カチオン性基として4級アンモニウム基を有するカラム充填剤を調製した。
攪拌機付き反応器中の3重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液に、テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300g、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100g、メタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド(和光純薬工業社製、4級アンモニウム基を有する単量体)100g、及び、過酸化ベンゾイル(キシダ化学社製)1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃で12時間重合した。得られた重合物を水及びアセトンで洗浄することにより、4級アンモニウム基を有する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子の平均粒子径を、粒度分布測定装置(Particle Sizing Systems社製、「Accusizer780」)を用いて測定した結果、10μmであった。
得られた架橋重合体粒子10gを、オゾン水製造システム(積水化学工業社製)により調製されたオゾン水(オゾン濃度100ppm)300mLに浸漬し、30分間攪拌した。攪拌後、遠心分離機(日立製作所社製、「Himac CR20G」)を用いて遠心分離し、上澄みを除去した。この操作を2回繰り返して、オゾン処理したカラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤を、エンプティカラム(カラムサイズ:内径4.6mm×長さ20mm)に充填し、カラムを得た。
(実施例2)
実施例2では、強カチオン性基として4級アンモニウム基を有するカラム充填剤を調製した。
攪拌機付き反応器中の3重量%ポリビニルアルコール水溶液に、テトラエチレングリコールジメタクリレート300g、トリエチレングリコールジメタクリレート100g、及び、過酸化ベンゾイル1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間重合した。次に、50重量%のメタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液200gを反応器中に添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下にて80℃で2時間重合した。得られた重合物を水及びアセトンで洗浄することにより、4級アンモニウム基を有する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定した結果、10μmであった。
実施例1と同様にオゾン処理をし、カラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤を、エンプティカラム(カラムサイズ:内径4.6mm×長さ20mm)に充填し、カラムを得た。
(実施例3)
実施例3では、強カチオン性基として4級アンモニウム基を、弱アニオン性基としてカルボキシル基を有するカラム充填剤を調製した。
攪拌機付き反応器中の3重量%ポリビニルアルコール水溶液に、テトラエチレングリコールジメタクリレート300g、トリエチレングリコールジメタクリレート100g、及び、過酸化ベンゾイル1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間重合した。次に、50重量%のメタクリル酸エチルトリメチルアンモニウムクロリド水溶液200g、及び、20gのメタクリル酸(和光純薬工業社製、カルボキシル基を有する単量体)を反応器中に添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下にて80℃で2時間重合した。得られた重合物を水及びアセトンで洗浄することにより、4級アンモニウム基及びカルボキシル基を有する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子の平均粒子径を、実施例1と同様の方法で測定した結果、10μmであった。
実施例1と同様にオゾン処理をし、カラム充填剤を得た。得られたカラム充填剤を、エンプティカラム(カラムサイズ:内径4.6mm×長さ20mm)に充填し、カラムを得た。
(比較例1)
オゾン水処理を行わなかったこと以外は実施例1と同様の操作を行い、カラムを得た。
(比較例2)
オゾン水処理を行わなかったこと以外は実施例2と同様の操作を行い、カラムを得た。
(比較例3)
オゾン水処理を行わなかったこと以外は実施例3と同様の操作を行い、カラムを得た。
<評価1>
(1)分離性能の評価1:DNAラダーマーカーの検出
実施例1〜3、及び、比較例1〜3のカラムを用いて、下記の条件でDNAラダーマーカーを分離検出し、分離性能の比較を行った。
システム :LC−20Aシステム(島津製作所社製)
溶離液A :25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶離液B :1mol/LのNaClを含む25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶出条件 :分離時間0分から30分にかけて、溶離液Bの混合比率を直線的に増加させるリニアグラジエント法
0分(溶離液A100%)→30分(溶離液B100%)
測定試料 :20bpDNAラダーマーカー(タカラバイオ社製)
(20bp、40bp、60bp、80bp、100bp、120bp、140bp、160bp、200bp、300bp、400bp、500bpの断片が含まれる)
流速 :1.0mL/min
検出波長 :260nm
試料注入量:10μL
実施例1で得られたカラムを用いて得られたクロマトグラムを図1に、実施例3で得られたカラムを用いて得られたクロマトグラムを図2に、比較例1で得られたカラムを用いて得られたクロマトグラムを図3に、比較例3で得られたカラムを用いて得られたクロマトグラムを図4に示す。なお、実施例2で得られたカラムを用いた場合は図1と同様のクロマトグラムが得られ、比較例2で得られたカラムを用いた場合は図3と同様のクロマトグラムが得られた。
図1と図3、図2と図4とをそれぞれ比較した結果、オゾン処理したカラム充填剤を用いた場合は、オゾン処理をしなかったカラム充填剤を用いた場合に比べて、より短い分離時間で高い分離性能を示した。特に、オゾン処理によってピーク7〜12の分離性能が向上した。
(2)分離性能の評価2:インフルエンザウイルスの型判別検出
実施例2で得られたカラムを用いて、下記の条件でインフルエンザウイルスのPCR増幅産物を分離検出し、ウイルスの型の判別を行った。
システム :LC−20Aシステム(島津製作所社製)
溶離液A :25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶離液C :1mol/Lの硫酸アンモニウムを含む25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶出条件 :分離時間0分から5分にかけて、溶離液Cの混合比率を直線的に増加させるリニアグラジエント法
0分(溶離液A40%、溶離液C60%)→5分(溶離液C100%)
測定試料 :下記に示す3種類のインフルエンザウイルス株より精製したRNAの、RT−PCR増幅産物
・AH1型株(A/New Caledonia/20/1999)、得られたPCR増幅産物のサイズ:431bp
・AH3型株(A/Urugay/716/2007)、得られたPCR増幅産物のサイズ:1141bp
・B型株(B/Florida/4/2006)、得られたPCR増幅産物のサイズ:329bp
・RNA精製用キット:QIAamp Viral RNA mini Kit(Quiagen社製)
・RT−PCRキット:PrimeScript OneStep RT−PCR Kit Ver.2(タカラバイオ社製)
・RT−PCRに使用したプライマー:
AH1型、B型・・・感染症学雑誌 第71巻 第6号
<AH1型株用プライマー>
5´−3´
Forward;tgagggagcaattgagttca(配列番号1)
Reverse;tgcctcaaatattattgtgt(配列番号2)
<B型株用プライマー>
5´−3´
Forward;aatcttctcagaggatatga(配列番号3)
Reverse;ttggcagatgaggtgaactt(配列番号4)
AH3型・・・インフルエンザ診断マニュアル平成14年4月版(国立感染研究所発行)
<AH3型株用プライマー>
5´−3´
Forward;agcaaaagcaggggataattc(配列番号5)
Reverse;tgcctgaaaccgtaccaacc(配列番号6)
流速 :1.5mL/min
検出波長 :260nm
試料注入量:10μL
得られたクロマトグラムを図5に示す。3種類のPCR増幅産物のピークは約5分間で分離でき、インフルエンザウイルスの型を判別できた。また、PCR増幅産物のピークは、PCR原料等に由来するピークから良好に分離できた。
(3)分離性能の評価3:一塩基多型の測定
実施例2で得られたカラムを用いて、下記の条件で、UDP−グルクロン酸転移酵素1A1(UGT1A1)の野生型遺伝子と変異型遺伝子のPCR増幅産物を分離検出し、一塩基多型の判別を行った。
システム :LC−20Aシステム(島津製作所社製)
溶離液A :25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶離液B :1mol/LのNaClを含む25mmol/Lトリス塩酸緩衝液(pH7.5)
溶出条件 :分離時間0分から5分にかけて、溶離液Bの混合比率を直線的に増加させるリニアグラジエント法
0分(溶離液A100%)→5分(溶離液B100%)
試料 :UGT1A1の野生型遺伝子と変異型遺伝子(野生型遺伝子の一塩基多型:UGT1A1*6)の、変異領域のPCR増幅産物とその制限酵素断片
・PCRに用いたプライマー:
5´−3´
Forward;tggagaccgtcctcgtt(配列番号7)
Reverse;aagacacgctgcaccaaataa(配列番号8)
・PCR増幅産物のサイズ:706bp
・使用した制限酵素:BsmBI(Biolabs社製)
認識部位;
5´・・・cgtctcn・・・3´(配列番号9)
3´・・・gcagagnnnnn・・・5´(配列番号10)
(上記nは、a又はt又はc又はgを表す)
流速 :1.5mL/min
検出波長 :260nm
試料注入量:10μL
得られたクロマトグラムを図6に示す。UGT1A1の野生型遺伝子のPCR増幅産物を測定した場合は、制限酵素によって切断された235bpと471bpの二つの断片が検出された。変異型遺伝子(UGT1A1*6)のPCR増幅産物を測定した場合は、制限酵素の認識部位を持たないために切断されず、一つのピーク(706bp)として検出された。この結果から、測定時間5分で一塩基多型を判別できることが分かった。また、PCR増幅産物と制限酵素断片のピークは、PCR原料等に由来するピークから良好に分離できた。
以下の比較例4及び比較例5では、分離検出対象が核酸以外の場合において、オゾン処理がカラム充填剤の分離性能に及ぼす効果を確認するため、強アニオン性基以外のイオン交換基を有するカラム充填剤を調製した。
(比較例4)
攪拌機付き反応器中の3重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液に、テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)300g、トリエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学工業社製)100g、及び、過酸化ベンゾイル(キシダ化学社製)1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃で1時間重合した。次に、50重量%の2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亞合成社製、スルホン酸基を有する単量体)水溶液200gを反応器中に添加し、攪拌しながら窒素雰囲気下にて80℃で2時間重合した。得られた重合物を水及びアセトンで洗浄することにより、スルホン酸基を有する架橋重合体粒子を得た。得られた架橋重合体粒子の平均粒子径を、実施例1と同様に測定した結果、10μmであった。
得られた架橋重合体粒子10gを、実施例1と同様に操作してオゾン処理したカラム充填剤を得た。カラム充填剤を、エンプティカラム(カラムサイズ:内径4.6mm×長さ20mm)に充填し、カラムを得た。
(比較例5)
比較例4で得られた架橋重合体粒子を、オゾン処理せずに同様のエンプティカラムに充填し、カラムを得た。
<評価2>
(1)分離性能の評価4:ヘモグロビン類の検出
比較例4及び比較例5で得られたカラムを用いて、下記の条件でヒト血液中のヘモグロビン類を分離検出し、分離性能の比較を行った。
システム :LC−20Aシステム(島津製作所社製)
溶離液D :30mmol/Lリン酸緩衝液(pH5.8)
溶離液E :220mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.1)
溶出条件 :溶離液D100%から溶離液E100%へのステップグラジエント
試料 :フッ化ナトリウム採血したヒト健常人血液を、0.05%のTritonX−100(Sigma−Aldrich社製)を含むリン酸緩衝液(pH6.7)により180倍に溶血希釈したもの
流速 :1.5mL/分
検出波長 :415nm
比較例4で得られたカラムを用いて得られたクロマトグラムを図7に示す。比較例4で得られたカラムは、45秒間でヘモグロビンA1cが良好に分離できた。比較例5で得られたカラムの場合も同様のクロマトグラムが得られた。即ち、オゾン処理による分離性能への影響は認められなかった。
(2)分離性能の評価5:修飾ヘモグロビン類の検出
比較例4及び比較例5で得られたカラム、並びに、分離性能の評価7の測定条件を用いて、人為的に調製した修飾ヘモグロビン類の分離を行った。修飾ヘモグロビン類を含む試料として、不安定型ヘモグロビンA1c含有試料(試料L)、アセチル化ヘモグロビン含有試料(試料A)、カルバミル化ヘモグロビン含有試料(試料C)の3種類を、公知の方法により調製した。
試料Lは、健常人血試料に、グルコースを2000mg/dLとなるように添加し、37℃で3時間加温することにより調製した。試料Aは、健常人血試料に、アセトアルデヒドを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。試料Cは、健常人血試料に、シアン酸ナトリウムを50mg/dLとなるように添加し、37℃で2時間加温することにより調製した。
分離性能は、修飾ヘモグロビン類を含む試料のヘモグロビンA1c値から、修飾ヘモグロビン類を含む試料の調製に用いた健常人血試料(非修飾品)のヘモグロビンA1c値を差し引いた値(Δ値)を算出して比較することにより評価した。結果を表1に示す。
比較例4及び比較例5で得られたカラムは、ともにΔ値が0.2%以下と小さく、修飾ヘモグロビン類が含まれる試料においても、正確にヘモグロビンA1cが分離できた。
分離性能の評価4及び5の結果から、オゾン処理によるカラム充填剤の分離性能の向上効果は、核酸の分離検出時において認められる特有の効果であることが確認できた。
Figure 2012032375
本発明によれば、核酸を短時間で高精度に分離検出できる液体クロマトグラフィーによる分離検出方法を提供できる。
1 DNAラダーマーカー(20bp)
2 DNAラダーマーカー(40bp)
3 DNAラダーマーカー(60bp)
4 DNAラダーマーカー(80bp)
5 DNAラダーマーカー(100bp)
6 DNAラダーマーカー(120bp)
7 DNAラダーマーカー(140bp)
8 DNAラダーマーカー(160bp)
9 DNAラダーマーカー(200bp)
10 DNAラダーマーカー(300bp)
11 DNAラダーマーカー(400bp)
12 DNAラダーマーカー(500bp)
21 PCR原料に由来する物質
22 AH1型株遺伝子のPCR増幅産物(329bp)
23 AH3型株遺伝子のPCR増幅産物(431bp)
24 B型株遺伝子のPCR増幅産物(1143bp)
31 PCR原料に由来する物質
32 UGT1A1野生型遺伝子のPCR増幅産物(235bp)
33 UGT1A1野生型遺伝子のPCR増幅産物(471bp)
34 UGT1A1変異型遺伝子のPCR増幅産物(706bp)
41 ヘモグロビンF
42 ヘモグロビンA1c
43 ヘモグロビンA0

Claims (6)

  1. オゾン処理したカラム充填剤を用いることを特徴とする液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
  2. カラム充填剤は、少なくとも表面に強カチオン性基を有することを特徴とする請求項1記載の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
  3. 強カチオン性基は、4級アンモニウム基であることを特徴とする請求項2記載の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
  4. カラム充填剤は、更に、少なくとも表面に弱アニオン性基を有することを特徴とする請求項2又は3記載の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
  5. 弱アニオン性基は、カルボキシル基であることを特徴とする請求項4記載の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
  6. カラム充填剤は、架橋重合体粒子からなることを特徴とする請求項1、2、3、4又は5記載の液体クロマトグラフィーによる核酸の分離検出方法。
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