JP2006102698A - イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 イオン交換基を有する充填剤粒子表面をオゾン水により洗浄することにより親水化処理を施すイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
【選択図】 なし
Description
ヘモグロビンA1cは、血液中の糖がヘモグロビンのα鎖N末端と化学的に結合したものであり、ヘモグロビン中に占めるヘモグロビンA1cが占める割合、すなわち、ヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計に対するヘモグロビンA1cの割合は、1〜2ヶ月の期間の血糖値の平均を反映するものと言われている。そのため、ヘモグロビンA1cが占める割合を示すヘモグロビンA1c値(%)は、一時的に大きく変動し得る血糖値に代えて、糖尿病診断の指標として広く用いられるようになってきている。
以下に本発明を詳述する。
このような方法により親水化処理を行った場合には、オゾン水が直接触れた表面部分のみが親水化されることから、水系媒体中でも膨潤したり収縮したりすることがなく、一方、その親水化表面にはタンパク質等が非特異吸着することもない。更に、化学的な親水化処理であることから、物理的な親水化処理方法のように親水化合物が脱落したりすることもなく、長期間にわたって親水性を維持することができる。
上記粒子の表面にイオン交換基を導入する方法としては特に限定されず、従来公知の方法を用いることができる。例えば、高分子からなる有機系粒子の場合では、官能基を有する高分子からなる粒子を調製した後、該官能基にイオン交換基を有する化合物を化学的に反応させる方法等が挙げられる。
上記イオン交換基を有する単量体を含む単量体混合物を重合して粒子とする方法としては、例えば、イオン交換基を有する単量体と架橋性単量体とを混合し、重合開始剤の存在下で重合する方法等が挙げられる。また、特公平8−7197号公報に記載された方法ように、架橋性重合体粒子を調製した後、イオン交換基を有する単量体を添加し、重合体粒子の表面付近にイオン交換基を有する単量体を重合させる方法;(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチル等の重合性エステル化合物を架橋性単量体等と混合し、重合
開始剤の存在下で重合した後、得られた粒子を加水分解処理し、エステル化合物を陽イオン交換基に変換する方法等も用いることができる。
このような高濃度のオゾン水は、例えば、特開2001−330969号公報等に記載されているように、原料水とオゾンガスとを気体のみ通し液体の透過を阻止するオゾンガス透過膜を介して接触させる方法等により調製することができる。
本発明のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法により製造されたものであるイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤もまた、本発明の1つである。
本発明のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法により製造されたものである糖化ヘモグロビン分析用イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤もまた、本発明の1つである。
本発明の糖化ヘモグロビン分析用イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いる糖化ヘモグロビンの分析方法もまた、本発明の1つである。
を効果的に抑制することができ、更にこれらの性能を長期間にわたって維持することができるイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法を提供することができる。
(1)イオン交換基を有する充填剤粒子の調製
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、ジエチレングリコールジメタクリレート400g、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン80g、及び、ベンゾイルパーオキサイド1.5gを混合し、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、80℃で8時間重合した後、洗浄・分級して、スルホン酸基を有する充填剤粒子を得た。
得られた充填剤粒子についてレーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径は8μm、CV値は14%であった。
上記充填剤粒子10gを溶存オゾンガス濃度150ppmのオゾン水300mLに浸漬し、5分間攪拌した後、吸引濾過洗浄を行った。この操作を2回繰り返して親水化処理を施し、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
なお、オゾン水は、内径15cm×長さ20cmの円柱形を有する外套内に、パーフルオロアルコキシ樹脂からなる内径0.5mm×厚さ0.04mm×長さ350cmの中空管状のオゾンガス透過膜400本収容されたオゾン溶解モジュールを含むオゾン水製造システム(積水化学工業社製)を用いて調製した。
実施例1で調製したスルホン酸基を有する充填剤粒子を、オゾン水洗浄を行わずにそのままイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤とした。
実施例1で調製したスルホン酸基を有する充填剤粒子20gにリン酸緩衝液(pH5.7)に溶解させた0.2重量%ウシ血清アルブミン(BSA)200mLを加え、2分間超音波処理し、80℃の恒温水槽中で24時間ゆるやかに撹拌したのち、恒温水槽から取り出し、室温になるまで放置した。その後、遠心分離にて上清を除去し、リン酸緩衝液(pH8.5)を200mL添加し、再度遠心分離により上清を除去した。次いで、リン酸緩衝液(pH5.7)を200mL添加し、再々度遠心分離にて上清を除去し、物理吸着によるBSAが固定されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
実施例1及び比較例1、2で得られたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤について以下の評価を行った。
実施例1及び比較例1で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬社製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。
得られたカラムを用いて、下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及び非糖
化ヘモグロビン量を測定し、ヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計に対するヘモグロビンA1cの割合(ヘモグロビンA1c値(%))を求めた。測定は10検体連続で行い、その後半5検体の平均値を測定値とした。
結果を表1に示した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
資料注入量:10μL
実施例1及び比較例2で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬社製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。また、負荷資料として、健常人血をNaF採血し、溶血希釈液(0.1重量%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈したものを用いて、1日に300検体を測定した。
各負荷検体数測定した後のカラムを用いて、下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及び非糖化ヘモグロビン量を測定し、ヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計に対するヘモグロビンA1cの割合(ヘモグロビンA1c値(%))を求めた。測定は10検体連続で行い、その平均値を測定値とした。また、ヘモグロビンA1cの保持時間も測定した。
結果を表2に示した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
Claims (6)
- イオン交換基を有する充填剤粒子表面をオゾン水により洗浄することにより親水化処理を施すことを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
- オゾン水は、溶存オゾンガス濃度が20ppm以上であることを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
- イオン交換基がスルホン酸基であることを特徴とする請求項1又は2記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法。
- 請求項1、2又は3記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法により製造されたものであることを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項1、2又は3記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の製造方法により製造されたものであることを特徴とする糖化ヘモグロビン分析用イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項5記載の糖化ヘモグロビン分析用イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いることを特徴とする糖化ヘモグロビンの分析方法。
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