JP2005233905A - イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤 - Google Patents

イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤 Download PDF

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Abstract

【課題】 分離・定量対象物質やそれ以外の物質による非特異吸着を抑制することができ、保持時間や測定値の経時による変動が生じ難く、カラムの耐久性を高め得るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤、並びにヘモグロビンA1cの分離・定量に好適なイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を提供する。
【解決手段】 イオン交換基を有する充填剤粒子表面に、等電点が3〜7の範囲にある蛋白質が共有結合により固定化されている、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤、上記イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤が、ヘモグロビンA1cの分離・定量に用いられるものである、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
【選択図】 なし

Description

本発明は、液体クロマトグラフィー用充填剤に関し、特に、強度の低下を招くことなく親水性が高められており、さらにブロッキング蛋白質の脱離が生じ難いイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤に関する。
イオン交換液体クロマトグラフィー法は、糖化ヘモグロビン類の分析をはじめとして、各種生体関連物質の分離分析に極めて有効な方法である。糖化ヘモグロビン(以下、ヘモグロビンA1cと略す)とは、血液中の糖がヘモグロビンのα鎖N末端と化学的に結合したものであり、ヘモグロビンA1cが占める割合、すなわち、糖化ヘモグロビンと非糖化ヘモグロビンとの合計に対する糖化ヘモグロビンの割合は、1〜2ヶ月の期間の血糖値の平均を反映すると言われている。そのため、ヘモグロビンA1cが占める割合を示すヘモグロビンA1c値(%)は、血糖値と異なり、一時的な変動を示さないため、糖尿病診断の指標として広く用いられている。
これまで、イオン交換液体クロマトグラフィー法に用いられる充填剤としては、シリカ系化合物からなる基剤にイオン交換基を導入したもの、有機合成高分子からなる架橋性粒子にイオン交換基含有化合物を反応して得られたもの(特許文献1)、あるいは架橋性単量体とイオン交換基含有化合物とを反応させて得られたもの(特許文献2、特許文献3など)などが知られている。
上記充填剤において、イオン交換基以外の基剤部分は、膨潤や収縮を避けるために、より架橋度の高い粒子であることが望ましい。しかしながら、架橋度を高めると、親水性が低下するため、蛋白質などの非特異吸着を引き起し、測定精度が低下するという問題があった。
他方、上記非特異吸着を抑制するために、親水性の単量体を多く含有させることなどにより、親水性を高めると、上述したように膨潤や収縮が生じがちとなる。従って、高流速下における分析ができなくなったり、複数の溶離液を用いた場合の平衡化が遅れたりし、測定の遅延を招くという問題があった。
また、上記のような問題を解決する方法として、下記の特許文献4には、イオン交換基を有する充填剤粒子表面に親水基を有する化合物として蛋白質を物理吸着により固定化する方法が開示されている。
特開平1−262468号公報 特公昭63−59463号公報 特公平8−7197号公報 特開2001−91505号公報
しかしながら、特許文献4に記載のように、物理吸着法によりブロッキング蛋白質が固定化されている場合、使用初期の段階では性能は維持されるものの、長期間使用しているうちに充填剤粒子表面からブロッキング蛋白質が脱離しがちであった。そのため、保持時間や測定値が変動するという問題があった。
本発明の目的は、上述した従来技術の問題点に鑑み、膨潤や収縮性を生じさせることな
く親水性を高めることができ、かつ蛋白質などの非特異吸着を抑制することができ、すなわち測定精度を高めることができ、さらに長期間に渡り使用した場合でもブロッキング蛋白質の脱離が生じ難く、性能を維持することができるイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を提供することにある。
本発明の他の目的は、膨潤や収縮を生じさせることなく親水性を高めることができ、かつヘモグロビンA1cの分離・定量に好適に用いられ、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン類の非特異吸着を抑制することができ、さらに長期間に渡り使用した場合であってもブロッキング蛋白質の脱離が生じ難く、性能を維持することができるイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を提供することにある。
本発明は、イオン交換基を有する充填剤粒子表面に等電点が3〜7の範囲にある蛋白質を共有結合により固定化したことを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤である。
本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤では、好ましくは、充填剤粒子のイオン交換基はスルホン酸基である。
また、本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤のある特定の局面では、上記蛋白質の共有結合による固定化は、ジアルデヒド化合物を用いて行なわれている。
本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤は、様々な物質の分析に用いられ得るが、特に、ヘモグロビンA1cの分離・定量に好適に用いられる。すなわち、本発明のある特定の局面では、ヘモグロビンA1cの分離・定量用のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤が提供される。
本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤では、充填剤粒子表面に等電点が3〜7の範囲にある蛋白質が共有結合により固定化されている。従って、ブロッキング蛋白質となる上記蛋白質が充填剤粒子表面に強固に固定化されているため、長期間に渡って、ブロッキング蛋白質の脱離が生じ難い。よって、蛋白質などの測定対象物質または非測定対象物質や、試料中の夾雑物質などの非特異吸着を継続的かつ確実に抑制することができ、従って、保持時間及び測定値のばらつきが少なくなり、さらにカラムの耐久性を高めることが可能となる。
上記充填剤のイオン交換基がスルホン酸基である場合には、上記性能をより効果的に発現することができる。
蛋白質の共有結合による固定化は、様々な化合物を用いて行なわれるが、ジアルデヒド化合物を用いて行なわれる場合には、蛋白質を構成するアミノ酸の側鎖のアミノ基を充填剤粒子表面に容易に結合させることができる。
本発明においては、特にヘモグロビンA1cの分離・定量に用いられる場合、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン類の非特異吸着を効果的に抑制することができ、ヘモグロビンA1cの保持時間のばらつきを効果的に低減することができる。
本発明において、上記充填剤粒子はイオン交換液体クロマトグラフィー用として用いられる充填剤粒子であれば特に限定されず、陽イオン交換基を有するものであってもよく、
陰イオン交換基を有するものであってもよい。陽イオン交換基としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基などが挙げられ、陰イオン交換基としては、例えば、3級もしくは4級アミノ基などが挙げられる。特に好ましくは、スルホン酸基を有する充填剤粒子が用いられ、それによって性能をより長期間に渡って維持することができる。
上記イオン交換基を有する充填剤粒子の調製方法は特に限定されず、例えば、粒子にイオン交換基を導入する方法、あるいはイオン交換基を有する単量体を重合して粒子とする方法などを用いることができる。
上記粒子としては、例えば、シリカ、ジルコニアなどの無機系粒子や、高分子粒子などの有機系粒子が挙げられ、高分子粒子としては、セルロース、ポリアミノ酸、キトサンなどの天然高分子粒子や、ポリスチレン、ポリアクリル酸エステルなどの合成高分子粒子などを挙げることができる。中でも、合成高分子粒子を用いる場合には、耐圧性及び耐膨潤性を高めるために、架橋度の高い合成高分子粒子を用いることが望ましい。
上記粒子にイオン交換基を導入する方法としては、特に限定されず、公知の方法を用いることができる。高分子粒子の場合では、例えば、官能基を有する高分子粒子を調製した後、その後官能基にイオン交換基を有する化合物を化学反応によって導入する方法、または、イオン交換基を有する単量体と、架橋性単量体とを混合し、重合開始剤の存在下で重合し、粒子とする方法などが用いることがきる。また、特公平8−7197号公報に記載のように、架橋性重合体粒子を調製した後、イオン交換基を有する単量体を添加し、重合体粒子の表面付近にイオン交換基を有する単量体を重合させる方法を用いてもよい。また、(メタ)アクリル酸メチルや(メタ)アクリル酸エチルなどの重合性エステル化合物を架橋性単量体などと混合し、重合開始剤の存在下で重合した後、得られた粒子を加水分解処理し、エステル化合物を陽イオン交換基に変換させてもよい。
本発明で用いられる充填剤粒子の平均粒径(直径)は、0.1〜20μmであることが好ましい。また、粒度分布は、CV値(標準偏差÷平均粒径×100)で40%以下が好ましく、15%以下がより好ましい。平均粒径が0.1μm未満では、カラム内が高圧になりすぎ、分離不良を起こすことがあり、20μmを超えると、カラム内のデッドボリュームが大きくなりすぎ、分離不良を起こすことがあり、また、CV値が40%を超えても、カラム内のデッドボリュームが大きくなりすぎ、分離不良を起こすことがある。
本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤では、上記充填剤粒子表面に、等電点3〜7の範囲にある蛋白質が共有結合により固定化されている。
本発明において、上記等電点とは、蛋白質などのような両性電解質において、分子全体の電荷が±0になるpHである。
上記等電点が3〜7の範囲にある蛋白質としては、等電点が3〜7の範囲にある水溶性の蛋白質であれば特に限定されない。上記蛋白質は、糖蛋白質であってもよい。
具体的には、上記蛋白質としては、フェチュイン(等電点3.2〜3.8)、カゼイン(等電点4.6)、血清アルブミン(等電点4.7〜5.2)、ゼラチン(等電点5.0)、フィブリノーゲン(等電点5.5〜5.8)、ヘモグロビン(等電点6.8〜7.0)、γ−グロブリン(等電点7.0)等が挙げられる。好ましくは、等電点が4〜6の範囲にある蛋白質である、カゼイン、ウシ血清アルブミン(BSA)またはフィブリノーゲンが好適に用いられる。
なお、等電点が7を越える蛋白質を用いた場合には、充填剤粒子表面への吸着性が高く
なり、その結果ピークのブロード化を招き、測定精度が低下することがある。逆に、等電点が3未満の蛋白質を用いた場合には、充填剤表面と蛋白質の静電的な反発により、固定化反応の進行が阻害され易くなる。上記理由により、上記等電点が4〜6の範囲にある蛋白質がより一層好適に用いられる。
本発明においては、上記蛋白質が共有結合により充填剤粒子表面に固定化される。そのため、蛋白質を充填剤粒子表面に共有結合により固定化するためには、充填剤粒子表面は官能基を有する必要がある。このような官能基としては、特に限定されないが、例えば、ヒドロキシル基、カルボキシル基、アミノ基、イソシアネート基、グリシジル基、ヒドラジド基などが挙げられる。これらの官能基は1種のみが用いられてもよく、複数種用いられてもよい。
上記のような官能基を用い、1)縮合剤による直接的結合による固定化、2)架橋剤を用いた間接的結合による固定化、あるいは3)ある条件下にて官能基と蛋白質とを直接反応させて固定化する方法などを利用することができる。
例えば、官能基がカルボキシル基の場合には、縮合剤として水溶性カルボジイミドを用いることにより蛋白質を充填剤粒子表面に結合することができる。また、上記官能基がアミノ基の場合には、グルタルアルデヒドを用いることにより、蛋白質を充填剤粒子表面に固定化することができる。
好ましくは、蛋白質の固定化は、グルタルアルデヒドのようなジアルデヒド化合物を用いて行なわれ、それによって蛋白質を充填剤粒子表面に容易に結合することができる。
上記官能基の導入方法は特に限定されず、任意の方法を用いることができる。例えば、充填剤粒子を構成するのに用いられる単量体として官能基含有単量体を用意し、該官能基含有単量体を重合することにより充填剤粒子を得る方法、あるいは高分子の充填剤粒子を調整した後、官能基を化学反応により表面に導入する方法などが挙げられる。
上記蛋白質の固定化量については、要求される性能に合わせて適宜決定すればよい。もっとも、蛋白質の固定化量が多過ぎると、イオン交換能が低下するおそれがある。逆に、蛋白質の固定化量が少な過ぎると、蛋白質によるブロッキング効果が低下し、非特異吸着が生じ易くなり、測定値がばらつくおそれがある。特に、本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤が、ヘモグロビンA1cの分離・定量に用いられる場合には、上記蛋白質の固定化量が少な過ぎると、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン類の非特異吸着が起こり易くなり、測定値がばらつくおそれがある。
蛋白質の適当な固定化量は、充填剤粒子1g当り、乾燥重量で0.05〜1.0mgであり、より好ましくは、0.1〜0.5mgである。
なお、上記蛋白質の固定化量とは、充填剤粒子表面に蛋白質を共有結合により固定化した後、未反応の蛋白質を含む溶液を吸引濾過により除去し、さらに洗浄を十分に行なった後、ケルダール法により窒素原子の定量により求められた値である。
本発明におけるイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤は、様々な生化学物質の分離・定量に用いられ、上記のように等電点が3〜7の範囲にある蛋白質が共有結合により固定化されているため、経時による保持時間のばらつきが少なく、従って測定値のばらつきを低減することができ、かつカラムの耐久性を効果的に高めることができる。この場合、分離・定量対象物質は特に限定されないが、例えば、ヘモグロビンA1cの分離・定量に本発明に係るイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤は好適に用いられ、ヘモグロ
ビンA1cや他のヘモグロビン類の非特異吸着による保持時間や測定値のばらつきを効果的に抑制することができる。
次に、具体的な実施例及び比較例を説明することにより本発明を説明する。
<実施例1>
(充填剤の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、ジエチレングリコールジメタクリレート400g、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン80gおよびベンゾイルパーオキサイド1.5gを混合し、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、80℃で8時間重合した。重合後、洗浄・分級して平均粒径8μmの充填剤粒子を得た。
(表面処理)
上記充填剤粒子のヒドロキシル基に塩基性条件下で硫酸水素−2−アミノエチルを作用させ、表面にアミノ基を有する充填剤粒子を得た。この充填剤粒子20gに5重量%グルタルアルデヒドを含む炭酸緩衝液(pH9.5)75mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で1.5時間撹拌し、充填剤粒子表面にアルデヒド基を導入した。反応終了後、純水で十分洗浄し、炭酸緩衝液(pH9.5)中に溶解させた1重量%ウシ血清アルブミン(BSA)溶液200mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液として用いた炭酸緩衝液(pH9.5)にて十分洗浄を行い、充填剤粒子表面にBSAが固定化されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。このときのBSA固定化量は、充填剤粒子1gあたり(乾燥重量)、0.30mgであった。
<実施例2>
(充填剤の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、ジエチレングリコールジメタクリレート400g、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン80gおよびベンゾイルパーオキサイド1.5gを混合し、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、80℃で8時間重合した。重合後、洗浄・分級して平均粒径8μmの充填剤粒子を得た。
(表面処理)
上記充填剤粒子のヒドロキシル基に塩基性条件下で硫酸水素−2−アミノエチルを作用させ、表面にアミノ基を有する充填剤粒子を得た。この充填剤粒子20gに5重量%グルタルアルデヒドを含む炭酸緩衝液(pH9.5)75mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で1.5時間撹拌し、充填剤粒子表面にアルデヒド基を導入した。反応終了後、純水で十分洗浄し、炭酸緩衝液(pH9.5)中に溶解させた1重量%カゼイン溶液200mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液として用いた炭酸緩衝液(pH9.5)にて十分洗浄を行い、充填剤粒子にカゼインが固定化されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。このときのカゼイン固定化量は、充填剤粒子1gあたり(乾燥重量)、0.30mgであった。
<実施例3>
(充填剤の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、ジエチレングリコールジメタクリレート400g、2−ヒドロキシ−1,3−ジメタクリロキシプロパン80gおよびベンゾイルパーオキサイド1.5gを混合し、2.5Lの4重量%ポリビニルアル
コール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、80℃で8時間重合した。重合後、洗浄・分級して平均粒径8μmの充填剤粒子を得た。
(表面処理)
上記充填剤粒子のヒドロキシル基に塩基性条件下で硫酸水素−2−アミノエチルを作用させ、表面にアミノ基を有する充填剤粒子を得た。この充填剤粒子20gに5重量%グルタルアルデヒドを含む炭酸緩衝液(pH9.5)75mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で1.5時間撹拌し、充填剤粒子表面にアルデヒド基を導入した。反応終了後、純水で十分洗浄し、炭酸緩衝液(pH9.5)中に溶解させた1重量%フィブリノーゲン溶液200mLを加え、2分間超音波処理し、40℃恒温水槽中で2時間反応させた。反応終了後、反応溶液として用いた炭酸緩衝液(pH9.5)にて十分洗浄を行い、充填剤粒子にフィブリノーゲンが固定化されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。このときのフィブリノーゲン固定化量は、充填剤粒子1gあたり(乾燥重量)、0.35mgであった。
<比較例>
(充填剤の調製)
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸200g、ジエチレングリコールジメタクリレート400g、テトラメチロールプロパントリアクリレート80gおよびベンゾイルパーオキサイド1.5gを混合し、2.5Lの4重量%ポリビニルアルコール水溶液に分散させた。これを窒素雰囲気下で撹拌しながら昇温し、80℃で8時間重合した。重合後、洗浄・分級して平均粒径8μmの充填剤粒子を得た。
(表面処理)
上記充填剤粒子20gにリン酸緩衝液(pH5.7)に溶解させた0.2重量%BSA200mLを加え、2分間超音波処理し、80℃の恒温水槽中で24時間ゆるやかに撹拌したのち、恒温水槽から取り出し、室温になるまで放置した。その後、遠心分離にて上清を除去し、そこにリン酸緩衝液(pH8.5)を200mL添加し、再度遠心分離により上清を除去した。そこにリン酸緩衝液(pH5.7)を200mL添加し、再々度遠心分離にて上清を除去し、充填剤粒子に物理吸着によりBSAが固定化されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
<ヘモグロビンA1c測定における測定値変動の評価(耐久性評価)>
上記実施例1〜3及び比較例で調製されたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填し、後述の要領で用意された試料を以下のシステム及び測定条件で測定した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mmol/Lリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mmol/Lリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
健常人血をNaF採血し、溶血希釈液(0.1重量%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈したものを負荷検体として1日に300検体を測定し、その前後に、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬社製)を
200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを測定試料として上述の条件でヘモグロビンA1cの測定を10回連続で行い、その平均値を測定値とした。本試験の評価は、A1c値とA1c成分の保持時間により行い、それぞれの結果を表1、表2に示した。
Figure 2005233905
Figure 2005233905

Claims (5)

  1. イオン交換基を有する充填剤粒子表面に等電点が3〜7の範囲にある蛋白質を共有結合により固定化したことを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
  2. 前記充填剤粒子のイオン交換基がスルホン酸基であることを特徴とする、請求項1に記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
  3. 前記蛋白質の共有結合による固定化が、ジアルデヒド化合物を用いて行なわれている、請求項1または2に記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
  4. ヘモグロビンA1cの分離・定量に用いられる請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
  5. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いたA1cの分離・定量法。
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