JP2007271635A - イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤及び糖化ヘモグロビンの分析方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】イオン交換基を有し、水の接触角が60°以下であって、表面が親水性化合物で被覆されていないイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
【選択図】なし
Description
この非特異吸着は、疎水性相互作用によって引き起こされると考えられるため、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤の表面の親水性をできるだけ高める必要がある。
しかしながら、親水性単量体の含量を多くすると、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤内部の親水性も高まってしまい、結果として充填剤の機械的強度が弱くなってしまうため、高速分離ができなくなったり、充填剤自体が膨潤・収縮を起こし、測定精度の低下を招いたりするといった問題が生じる。
特に、糖化ヘモグロビンのように臨床検査等に用いられる物質を測定する場合には、一段と高いレベルで測定精度が要求されるため、疎水性相互作用に起因する非特異吸着を可能な限り防止する必要がある。
しかし、この方法では、使用初期には高い性能を発揮できるものの、長期間使用しているうちに、充填剤表面に吸着させた親水性化合物が脱離してしまい、測定精度が低下するという問題があった。
以下に本発明を詳述する。
ここで、接触角測定は、高分子材料をはじめ、表面の親水性、疎水性を評価する方法として用いられ、水の接触角が小さいほど親水性が高いと判断される。
従って、水の接触角を60°以下とすることで、親水性が大幅に向上し、疎水性相互作用に起因するタンパク質等の測定対象物質の非特異吸着を充分に抑制することができる。好ましくは50°以下である。
なお、上記水の接触角は、例えば、自動接触角計を用い、液滴の左右端点と頂点を結ぶ直線の、固体表面に対する角度から接触角を求める方法(θ/2法)等によって測定することができる。
表面が親水性化合物で被覆されていないことにより、親水性化合物が脱落したりすることもなく、長期間にわたって親水性を維持することができる。
なお、充填剤の基材が親水化処理を行わなくても水の接触角が60°以下である場合には特に親水化処理を行う必要がない。
このような基材を用いた場合、疎水性の粒子を用いることにより充填剤としての機械的強度を保ちつつ、粒子表面を親水性の層により被覆し、更に親水化処理を施すことにより、疎水性相互作用に起因する非特異吸着を充分に防ぐことができ、結果的に高い測定精度をもつため、各種分離分析に極めて有効な充填剤を得ることができる。
本発明においては、親水性重合体で被覆した後、表面に露出する疎水性架橋重合体の構造は、未反応のビニル基、すわなち、二重結合であると考えられるため、オゾンによって効果的に酸化処理を施すことができる。
オゾンには強力な酸化作用があるが、オゾンガスでは、粒子表面を均一に酸化することにより親水化処理を施すことが非常に難しい。
しかし、別の態様の本発明ではオゾン水を用いることにより、オゾン水中に粒子を分散させるだけで粒子表面を簡便に酸化させ親水化処理を施すことができる。親水化処理の結果、疎水性の構造部分が酸化され、親水性基(−OH、−CHO、−COOH等)が生成すると考えられる。
具体的には、例えば、本発明のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を公知のカラムに充填した後、得られたカラムに所定の条件で溶離液及び測定試料を送液することにより、ヘモグロビン類を測定することができる。
攪拌機付き反応器に、3%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液に、テトラエチレングリコールジメタアクリレート(新中村化学社製)300g、トリエチレングリコールジメタアクリレート(新中村化学社製)100g及び過酸化ベンゾイル(キシダ化学社製)1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃1時間重合した。次に、イオン交換基を有する単量体として、2−メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亜合成化学社製)100g、ポリエチレングリコールメタアクリレート(日本油脂社製、エチレングリコール鎖n=4)100gをイオン交換水に溶解した。この混合物を同じ反応器に添加して、同様にして、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃で2時間重合した。得られた重合組成物を水及びアセトンで洗浄することにより、イオン交換基を有する親水性の被覆重合体粒子を得た。
得られた被覆重合体粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径は8μm、CV値は14%であった。
なお、オゾン水は、内径15cm×長さ20cmの円柱形を有する外套内に、パーフルオロアルコキシ樹脂からなる内径0.5mm×厚さ0.04mm×長さ350cmの中空管状のオゾンガス透過膜400本収容されたオゾン溶解モジュールを含むオゾン水製造システム(積水化学工業社製)を用いて調製した。
ポリエチレングリコールメタアクリレートをメトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(日本油脂社製、エチレングリコール鎖n=4)に置き換えたこと以外は、実施例1と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
オゾン水処理を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
実施例1と同様にして得られた被覆重合体粒子において、オゾン水処理の変わりにタンパク質のコーティング処理を施した。上記充填剤粒子10gにリン酸緩衝液(pH5.7)に溶解させた0.2%BSA(ウシ血清アルブミン)200mlを加え、2分間超音波処理し、60℃の恒温水槽中で24時間ゆるやかに撹拌したのち、恒温水槽から取り出し、室温になるまで放置した。その後、遠心分離にて上清を除去し、そこにリン酸緩衝液(pH8.5)を200ml添加し、再度遠心分離により上清を除去した。そこへリン酸緩衝液(pH5.7)を200ml添加し、再々度遠心分離にて上清を除去し、物理吸着によるタンパク質コーティングを行ったイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤について、以下の評価を行った。
実施例1〜2及び比較例1〜2で得られた被覆重合体粒子について、接触角測定を行った。測定は、自動接触角計(協和界面科学社製、Dropmaster500)を用いて行った。乾燥させた被覆重合体粒子をスライドガラス上に貼付した両面テープ上に均一になるようにのせ、その後エアースプレーで余分な粒子を除去した。これにより、両面テープ上に被覆重合体粒子1層分を固定化した。この様子は、マイクロスコープで確認した。
イオン交換水1μLの液滴を作製し、スライドガラス上に固定化した被覆重合体粒子上に着液させ、接触角をθ/2法により算出した。なお、接触角が90°より小さい場合、着液後の水滴は濡れ広がろうとする。従って、着液後の接触角は、経時的に小さくなる。そこで、着液後0.5秒後の接触角値を用いて評価を行うこととした。
結果を表1に示した。
実施例1及び比較例1、2で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。
得られたカラムを用いて、下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及びヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計量をクロマトグラムのピーク面積で評価した。測定は10検体連続で行い、その後半5検体のヘモグロビンA1cピークの面積値及びヘモグロビンA1cピークと非糖化ヘモグロビンピークとの面積値の平均値を測定値とした。
結果を表2、図1に示した。図1は、実施例1で得られたヘモグロビンA1cピーク面積値及びヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンピークの面積値合計を100%とし、比較例1、比較例2で得られた各ピーク面積を比較した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
資料注入量:10μL
実施例1、比較例1及び比較例2で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬社製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。また、負荷試料として、健常人血をNaF採血し、溶血希釈液(0.1重量%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈したものを用いた。
測定試料、負荷試料合わせて約1000検体の測定を行い、任意の間隔で測定試料10検体を連続で測定し、その平均値を用いて評価した。下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及び非糖化ヘモグロビン量を測定し、ヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計に対するヘモグロビンA1cの割合(ヘモグロビンA1c値(%))を求めた。また、ヘモグロビンA1cの保持時間も測定した。
結果を表3に示した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
図1に示すように、実施例1と比較して、接触角が大きい比較例1では、ヘモグロビンA1cピーク面積値及びヘモグロビンA1cピークと非糖化ヘモグロビンピークの面積値合計は低下する結果となった。また、接触角が小さい比較例2では、ヘモグロビンA1cピーク面積値及びヘモグロビンA1cピークと非糖化ヘモグロビンピークの面積値合計ともの実施例1と同レベルであった。すなわち、接触角が60°以上である場合には、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン成分が、充填剤粒子表面に吸着していることを示す。
表2に示すように、実施例1で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いた場合には、1000検体測定の間、ヘモグロビンA1c値(%)の変動、保持時間の変動ともにが非常に小さく、正確な測定が可能であることがわかった。一方、比較例1の場合には、ヘモグロビンA1c値が大きく変動した。これは、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン成分が非特異吸着を起こしていることに起因していると考えられる。また、比較例2の場合には、保持時間が変動した。これは、親水性を向上させるためにコーティングしたタンパク質が測定中に脱離していることに起因していると考えられる。
攪拌機付き反応器に、3%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液に、テトラエチレングリコールジメタアクリレート(新中村化学社製)300g、トリエチレングリコールジメタアクリレート(新中村化学社製)100g及び過酸化ベンゾイル(キシダ化学社製)1.0gの混合物を添加した。攪拌しながら加熱し、窒素雰囲気下にて80℃1時間重合した。次に、イオン交換基を有する単量体として、2−メタアクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸(東亜合成化学社製)100g、ポリエチレングリコールメタアクリレート(日本油脂社製、エチレングリコール鎖n=4)100gをイオン交換水に溶解した。この混合物を同じ反応器に添加して、同様にして、攪拌しながら窒素雰囲気下で80℃で2時間重合した。得られた重合組成物を水及びアセトンで洗浄することにより、イオン交換基を有する親水性の被覆重合体粒子を得た。
得られた被覆重合体粒子について、レーザー回折式粒度分布測定装置を用いて測定したところ、平均粒子径は8μm、CV値は14%であった。
なお、オゾン水は、内径15cm×長さ20cmの円柱形を有する外套内に、パーフルオロアルコキシ樹脂からなる内径0.5mm×厚さ0.04mm×長さ350cmの中空管状のオゾンガス透過膜400本収容されたオゾン溶解モジュールを含むオゾン水製造システム(積水化学工業社製)を用いて調製した。
ポリエチレングリコールメタアクリレートをメトキシポリエチレングリコールメタアクリレート(日本油脂社製、エチレングリコール鎖n=4)に置き換えたこと以外は、実施例3と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
ポリエチレングリコールメタアクリレートをグリセリロールメタアクリレート(日本油脂社製)に置き換えたこと以外は、実施例3と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
ポリエチレングリコールメタアクリレートを添加しなかったこと以外は、実施例3と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
オゾン水処理を行わなかったこと以外は、実施例3と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
オゾン水処理の代わりに過酸化水素水を用いて酸化処理を施したこと以外は、実施例3と同様にして被覆重合体粒子、及び、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。過酸化水素水を用いた酸化処理方法を以下に示す。
被覆重合体粒子10gに1%過酸化水素水300mLを浸漬し、30分攪拌した。なお、1%過酸化水素水は、30%過酸化水素水(和光純薬工業社製)を用いて調製した。攪拌終了後、遠心分離機(日立製作所社製、Himac CR20G)を用いて遠心分離し、上澄みを除去した。この操作を2回繰り返し、イオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を得た。
実施例3〜6及び比較例3〜4で得られたイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤について、以下の評価を行った。
実施例3〜6及び比較例3〜4で作製されたイオン交換基を有する親水性の被覆重合体粒子について、親水性重合体からなる層の厚さを、特公平8−7197に開示されている「被覆層の平均厚さの測定方法」に従い測定した。その結果、得られた被覆重合体粒子の被覆層の厚さは5〜10nmであり、好ましい範囲とされる1〜30nmの範囲内であることを確認した。
実施例3〜6及び比較例3〜4で得られた被覆重合体粒子について、接触角測定を行った。測定は、協和界面科学社製Dropmaster500を用いて行った。乾燥させた被覆重合体粒子をスライドガラス上に貼付した両面テープ上に均一になるようにのせ、その後エアースプレーで余分な粒子を除去した。これにより、両面テープ上に被覆重合体粒子1層分を固定化した。この様子は、マイクロスコープで確認した。
イオン交換水1μLの液滴を作製し、スライドガラス上に固定化した被覆重合体粒子上に着液させ、接触角をθ/2法により算出した。なお、接触角が90°より小さい場合、着液後の水滴は濡れ広がろうとする。従って、着液後の接触角は、経時的に小さくなる。そこで、着液後0.5秒後の接触角値を用いて評価を行うこととした。
結果を表4に示した。
実施例3及び比較例3、4で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。
得られたカラムを用いて、下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及びヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計量をクロマトグラムのピーク面積で評価した。測定は10検体連続で行い、その後半5検体のヘモグロビンA1cピークの面積値及びヘモグロビンA1cピークと非糖化ヘモグロビンピークとの面積値の平均値を測定値とした。
結果を表5、図2に示した。図2は、実施例3で得られたヘモグロビンA1cピーク面積値及びヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンピークの面積値合計を100%とし、比較例3、4で得られた各ピーク面積を比較した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
資料注入量:10μL
実施例3及び比較例3、4で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を液体クロマトグラフィーシステムのカラムに充填した。一方、グリコHbコントロールレベル2(国際試薬社製、参考数値10.4±0.5%)を200μLの注射用水で溶解した後、希釈液(0.1%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で100倍に希釈したものを調製し、測定試料とした。また、負荷試料として、健常人血をNaF採血し、溶血希釈液(0.1重量%トリトンX−100を含有するリン酸緩衝液(pH7.0))で溶血し、150倍に希釈したものを用いた。
測定試料、負荷試料合わせて約1000検体の測定を行い、任意の間隔で測定試料10検体を連続で測定し、その平均値を用いて評価した。下記の条件により測定試料中のヘモグロビンA1c量及び非糖化ヘモグロビン量を測定し、ヘモグロビンA1cと非糖化ヘモグロビンとの合計に対するヘモグロビンA1cの割合(ヘモグロビンA1c値(%))を求めた。
結果を表6、図3に示した。
システム:送液ポンプ LC−9A(島津製作所社製)
オートサンプラー ASU―420(積水化学工業社製)
検出器 SPD−6AV(島津製作所社製)
溶離液:第1液 170mMリン酸緩衝液(pH5.7)
第2液 300mMリン酸緩衝液(pH8.5)
溶出法:0〜3分は第1液を、3〜3.2分は第2液を、3.2〜4分は第1液にて溶出
流速:1.0mL/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μL
表5、図2より、実施例3と比較して、比較例3、4ともにヘモグロビンA1cピーク面積値及びヘモグロビンA1cピークと非糖化ヘモグロビンピークの面積値合計は低下する結果となった。すなわち、ヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン成分が、充填剤粒子表面に吸着していることを示す。
表6、図3より、実施例3で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いた場合には、1000検体測定の間、ヘモグロビンA1c値(%)の変動が非常に小さく、正確な測定が可能であることがわかった。一方、比較例3、4で作製したイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いた場合には、初期300検体測定までヘモグロビンA1c値(%)が大きく変動することがわかった。これは、評価(6)で見られたヘモグロビンA1cや他のヘモグロビン成分が非特異吸着を起こしていることに起因していると考えられる。
Claims (3)
- イオン交換基を有し、水の接触角が60°以下であって、表面が親水性化合物で被覆されていないことを特徴とするイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
- イオン交換基は、スルホン酸基であることを特徴とする請求項1記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤。
- 請求項1又は2記載のイオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤を用いることを特徴とする糖化ヘモグロビンの分析方法。
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