JP2000131302A - 液体クロマトグラフィー用フィルター、液体クロマトグラフィー用カラム及びヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用フィルター、液体クロマトグラフィー用カラム及びヘモグロビン類の測定方法

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JP2000131302A JP10302565A JP30256598A JP2000131302A JP 2000131302 A JP2000131302 A JP 2000131302A JP 10302565 A JP10302565 A JP 10302565A JP 30256598 A JP30256598 A JP 30256598A JP 2000131302 A JP2000131302 A JP 2000131302A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 生体試料の吸着が少なく、寿命が長く、分離
性能に悪影響を与えない液体クロマトグラフィー用フィ
ルター、該フィルターを用いることにより寿命が長く、
分離性能に悪影響を与えない液体クロマトグラフィー用
カラム及び該フィルター又はカラムを用いるヘモグロビ
ン類の測定方法を提供する。 【解決手段】 シリコーン被膜でコーティングされてい
ることを特徴とする液体クロマトグラフィー用フィルタ
ー1。上記の液体クロマトグラフィー用フィルターが、
更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されている
ことを特徴とする液体クロマトグラフィー用フィルタ
ー。上記の液体クロマトグラフィー用フィルターが装着
されたことを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラ
ム。上記液体クロマトグラフィー用フィルター又はカラ
ムを用いることを特徴とするヘモグロビン類の測定方
法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、液体クロマトグラ
フィー用フィルター、液体クロマトグラフィー用カラム
及び該フィルター又はカラムを用いるヘモグロビン類の
測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】有機化学、生化学、医学などの分野にお
ける試料中の成分の分離や分取に液体クロマトグラフが
汎用されている。この液体クロマトグラフは、通常、図
7のようなシステムに構成されている。溶離液などの移
動相11が電磁弁12を通り、送液ポンプ13により試
料導入装置14を経由して、フィルタ−装置15を通り
分離カラム16に入り、この分離カラム16により試料
中の各成分が分離される。分離された各成分は検出器1
7によって、例えば、吸光度を測定する等によって検出
され、その結果がデーター処理装置18により処理され
てクロマトグラム19として表される。
【0003】上記、分離カラム16の上流のフィルタ−
装置15はラインフィルタ−(例えば、後述の図4)と
呼ばれ、フィルターとそれを収容するホルダーで構成さ
れており、該フィルターによって、試料中の固形物や送
液ポンプのシール部品の摩耗物などの不溶物が濾過され
る。また、液体クロマトグラフにおいて使用されるフィ
ルタ−には、上記のラインフィルタ−の他に、分離カラ
ムの試料導入側及び試料導出側に取り付けられるフィル
ターもある。このようなフィルターが装着された液体ク
ロマトグラフィー用カラムを図8に示した。図8におい
て、符号40は分離カラム本体、符号41はフィルタ
ー、符号42はエンドフィッティングである。なお、図
8は試料導入側のみを示したものであり、試料導出側を
省略しているが、試料導出側も同様に構成される。この
カラムにおいては、エンドフィッティング42の中にフ
ィルター41が装着され、フィルター41とエンドフィ
ッティング42との間隙はシール部材43で密閉されて
いる。そして、エンドフィッティング42と分離カラム
本体40が螺合されることにより、分離カラム本体40
の端部にフィルター41が密着されている。
【0004】このようなフィルタ−装置に用いられるフ
ィルタ−は、一般に、円板状であり、材質はステンレス
製焼結体などが用いられている。
【0005】特開平7−260763号公報には、充填
剤が収納されたカラム本体のエンドフィティングフィル
ターとして、ステンレス鋼繊維を積層し、それを焼結し
た繊維焼結フィルターを用いた高速液体クロマトグラフ
ィーカラムが提案されている。このフィルターが装着さ
れた液体クロマトグラフィーカラムを、生体試料の測定
に用いると、フィルターに生体試料が吸着し、圧力が上
昇し、連続して多数の試料を測定できないという問題が
あった。
【0006】また、クロマトグラフィー用カラムの製造
方法の一つとして、管の内壁に、珪素化合物の溶液を通
流し、CLD(Chemical Liquid De
position)法により、不活性な二酸化珪素被膜
を形成させ、この管内部に充填剤を充填する方法がある
(特公平2−13268号公報)。
【0007】液体クロマトグラフィーによる測定の一つ
として、血液中の糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビン
A1c(以下、HbA1cという)が糖尿病診断の指標
となるため広く測定されている。糖化ヘモグロビンとは
血液中の糖がヘモグロビンと結合して生成したものであ
る。溶血液試料中の糖化ヘモグロビンは、過去1〜2カ
月間の血液中の平均的な糖濃度を反映するので溶血液中
の糖化ヘモグロビンは、糖尿病の診断の指標となる。
【0008】このHbA1cの液体クロマトグラフィー
法による測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフ
ィー法により行われている(特公平8−7198号公報
など)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフ
ィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以
下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以
下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、Hb
Fという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並
びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などの
ピークに分画できる。なお、糖尿病の診断の指標として
使用されているHbA1cは、上記のうちの安定型Hb
A1cであり、全ヘモグロビンピークの面積に対する安
定型HbA1cピークの面積の比率(%)として求めら
れている。
【0009】このHbA1cの液体クロマトグラフィー
法による測定は、カラムとしてカチオン交換液体クロマ
トグラフィー用充填剤(例えば、カルボキシル基やスル
ホン酸基を官能基として有する充填剤)が充填されたも
のを用い、pH5.0〜9.0の溶離液を用いて行われ
ている。
【0010】この測定において、ステンレス焼結体から
なるフィルターを用いると、該フィルターに生体試料が
吸着し、圧力が上昇し、連続して多数の試料を測定でき
ない、及び、分離性能に悪影響がでるという問題があっ
た。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体試料の
吸着が少なく、寿命が長く、分離性能に悪影響を与えな
い液体クロマトグラフィー用フィルター、該フィルター
を用いることにより寿命が長く、分離性能に悪影響を与
えない液体クロマトグラフィー用カラム及び該フィルタ
ー又はカラムを用いるヘモグロビン類の測定方法を提供
することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明の液体クロマトグ
ラフィー用フィルターは、シリコーン被膜でコーティン
グされていることを特徴とする。
【0013】本発明で用いるシリコーン被膜でコーティ
ングされる前のフィルターは、フィルターとしての強度
と、孔を持つものであれば良く、特に限定されない。上
記フィルターの材質としては、例えば、ステンレス、ア
ルミニウム、銅、チタン、ニッケル、鉄、クロム、スズ
等の金属;ナイロン、フッ素樹脂、セルロース、ポリス
ルホン、ポリエーテルスルホン、ポリプロピレン、ポリ
エチレン、アクリル樹脂、ポリエステル、ビニロン、ポ
リカーボネート、ポリウレタン、ポリ塩化ビニル、ポリ
エーテルエーテルケトン、エポキシ樹脂、フェノール樹
脂、ノリル樹脂等のプラスチック;セラミック;ガラス
などが挙げられる。
【0014】上記フィルターの材質として、好ましく
は、シリコーン被膜との接着性が良い材質であり、例え
ば、ステンレス、アルミニウム、銅、ニッケル、鉄、ク
ロム、スズ等の金属;ナイロン、アクリル樹脂、ポリエ
ステル、ビニロン、ポリカーボネート、ポリウレタン、
ポリ塩化ビニル、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ノリ
ル樹脂等のプラスチック;セラミック;ガラスなどが挙
げられる。
【0015】フィルターの形態は、メンブレンフィルタ
ー、繊維を積層し焼結したもの、濾紙状のもの、不織布
など特に限定されない。
【0016】本発明で用いられるシリコーン被膜とは、
シリコーンから得られる被膜であれば特に限定されな
い。上記シリコーンとしては、被膜を形成できるもので
あれば特に限定されず、例えば、オイル、ワニス、ゴ
ム、シランなどの種類がある。好ましくは、硬化型シリ
コーンゴムである。シリコーン被膜を形成させる方法に
は、室温又は加熱して、図11に示すようなベースポリ
マーと架橋剤(図11におけるXは、例えば、メトキシ
基、ケトオキシム基、アセトキシ基のような加水分解性
の有機基)を縮合、又は、付加反応、又は、UV硬化反
応などさせる方法があり、いずれも用いることができ
る。好ましくは、縮合、又は、付加反応が良い。
【0017】シリコーン被膜の厚さは、好ましくは、
0.1nm〜100μm、より好ましくは、0.5nm
〜10μm、最も好ましくは、0.7nm〜2μmであ
る。シリコーン被膜でフィルターをコーティングする場
合、フィルター全体をコーティングする必要はなく、少
なくともフィルターの孔部分がコーティングされていれ
ばよい。フィルターの孔部分のコーティングの割合は、
孔部分の全表面積に対して、好ましくは、10%以上、
より好ましくは、30%以上、最も好ましくは、60%
以上である。
【0018】本発明のフィルターは、上記の液体クロマ
トグラフィー用フィルターが、更に、ブロッキング試薬
でブロッキング処理されていることが好ましい。上記ブ
ロッキング試薬としては、例えば、ウシ血清アルブミ
ン、カゼイン、ゼラチン、ヘモグロビン、ミオグロビン
などの蛋白質;例えば、リン脂質等の極性脂質;例え
ば、SDS、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチ
ルフェニルエーテル(トリトンX−100)などの界面
活性剤などが挙げられる。
【0019】本発明のフィルターの形状は、液体の流れ
を乱さない構造であれば、特に限定されない。例えば、
図1に示すような、(イ)円柱状、(ロ)円錐状、
(ハ)円錐台状の凸部を有するもの、(ニ)円錐状の凸
部と円柱部分を組み合わせた形状、(ホ)円錐台状の凸
部と円柱部分を組み合わせた形状、(ヘ)2つの円錐
の、底面同士を接触したような形状が挙げられる。図1
において、符号1は本発明の液体クロマトグラフィー用
フィルター、符号2は必要に応じて使用されるシール部
材である。上記凸部の位置は、液体流入側又は液体流出
側のどちらでもよく、また上記の両側でもよい。
【0020】本発明のフィルターのサイズは、直径は1
〜1000mmが好ましく、2〜50mmがより好まし
い。厚さは0.1〜100mmが好ましく、0.2〜1
0mmがより好ましい。濾過孔径は、公知の孔径でよ
く、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmが
より好ましい。
【0021】本発明のフィルターを製造するには、上記
記載の金属フィルター、プラスチックフィルターなどに
硬化型シリコーンを塗布、又はコーティングし、室温、
又は、加温して硬化させる方法が挙げられる。金属フィ
ルター、プラスチックフィルターなどの製造方法は、公
知の方法でよく、例えば、繊維状のもの、粉体状のもの
を積層し、焼結処理する方法やメンブレン状、濾紙状に
加工する方法などが挙げられる。また、特開平2−26
2054号公報に記載あるような濾過孔径の異なるフィ
ルターを組み合わせてもよい。すなわち、溶液の流入側
に濾過孔径の大きなものを使用し、溶液の流出側に濾過
孔径の小さなものを使用して組み合わせる。このよう
に、濾過孔径の異なるフィルターを組み合わせたものを
製造するには、それぞれのフィルターを製造後、貼り合
わせてもよいが、直径の太い繊維を液体の流入側に用
い、直径の細い繊維を液体の流出側に用いて、積層した
状態で型に入れて焼結するのが好ましい。積層数は、特
に限定されないが、通常、2〜3層で必要に応じて増や
してもよい。
【0022】また、本発明のブロッキング試薬でブロッ
キング処理されているフィルターを製造するには、シリ
コーン被膜でコーティングされているフィルターに、濃
度0.01〜5重量%程度のブロッキング試薬溶液を通
液すればよい。
【0023】本発明のフィルターの用途としては、液体
クロマトグラフィーのラインフィルター、カラムの試料
導入側及び試料導出側のフィルターなどがある。
【0024】本発明のフィルターをラインフィルターと
して用いる場合について以下説明する。ラインフィルタ
ーは、フィルターがホルダー内に装着されて構成されて
いる。本発明のフィルターがラインフィルター中に装着
される態様は、従来の態様と同様である。
【0025】図2は、本発明のフィルターが装着される
ホルダーの一例を示す断面図である。ホルダー3は半体
3a及び3bからなり(図2に矢印で示したように、半
体3a側を液体流入側とし、半体3b側を液体流出側と
する)、半体3aには内面の一部に雌ねじが設けられて
おり、半体3bにはその外周面に上記雌ねじに螺合する
雄ねじが設けられている。各半体3a及び3bは、液体
の通流方向に並設されている。半体3aの内部には、そ
れぞれ開口部が相互に対向するように形成された円柱状
の空間部31aと円錐状の空間部32aが設けられ、更
に、該空間部32aの先端には薄い円板状の空間部33
aが設けられており、また、円柱状の空間部31aを形
成している部分の半体3aの内面には雌ねじが設けら
れ、この雌ねじに溶離液などの液体が通流するための配
管がネジ止めされ得るようにされている。また、半体3
bの内部にも、それぞれ開口部が相互に対向するように
形成された円柱状の空間部31bと円錐状の空間部32
bが設けられ、円柱状の空間部31bを形成している部
分の半体3bの内面には雌ねじが設けられ、この雌ねじ
に液体が通流するための配管がネジ止めされ得るように
されている。
【0026】上記円錐状の空間部32a及び32bの円
錐の頂角Aは、試料をフィルター全体に導くことにより
フィルター全体で濾過されるようにし、しかも、試料の
拡散を最小に抑える大きさであることが好ましい。上記
頂角Aは、90度よりも小さくなると、空間部が大きく
なり、試料の拡散が起こり易くなり、179度よりも大
きくなると、更に、空間部が大きくなり、試料の拡散が
起こり易くなるので、90〜179度が好ましく、10
0〜170度がより好ましい。
【0027】ホルダー3の形状は、例えば、円柱状、立
方体状など特に限定されない。
【0028】また、ホルダー3は、フィルター交換時に
工具を使う必要がないように、図3に示すように、半体
3aと3bの外周面を、それぞれ円筒形の被覆部34a
と34bで被覆することにより、ホルダーの大きさを大
きくして、手で十分締められるようにしてもよい。
【0029】ホルダーの材質としてはステンレス等の金
属;ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ
素樹脂、ポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の混
合物等のプラスチックなどが挙げられるが、生体試料の
吸着が少ないポリエーテルエーテルケトンやフッ素樹脂
が好ましい。また、生体試料の吸着が起こり易い材質の
もの、例えば、ステンレスのようなものは、シリコーン
被膜でコーティングしてもよい。
【0030】図4は、本発明のフィルター1がホルダー
3内に装着されて構成されているラインフィルター5の
断面図である。ラインフィルター5においては、ホルダ
ー3の半体3aの薄い円板状の空間部33aに本発明の
フィルター1が収められている。
【0031】ホルダー3とフィルター1との間の気密性
を十分保てない場合は、ホルダー3とフィルター1の間
にシール部材2を設ける必要がある。具体的には、ホル
ダー3とフィルター1の間に隙間ができないように、図
5(イ)、(ロ)に示すように、フィルター1をシール
部材2で囲む方法がある。
【0032】上記シール部材の材質は、フィルターを保
持できる強度を有するものであれば特に限定されず、例
えば、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリ
エーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の混合物、ステン
レスなどが挙げられる。シール部材の大きさ及び形状に
ついては、フィルターの形状にフィットした形状が好ま
しく、しかも、試料の拡散を起こさない大きさ及び形状
が好ましい。
【0033】本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
は、本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターが装
着されたことを特徴とする。以下、本発明の液体クロマ
トグラフィー用カラムについて説明する。
【0034】本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
は、本発明のフィルターがカラムの試料導入側及び試料
導出側のフィルターとして装着されている。すなわち、
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、図6に示
すように、フィルター1として本発明のフィルターが装
着されている他は、図8に示した従来の液体クロマトグ
ラフィー用カラムと同様である。
【0035】本発明のフィルター及びカラムは、生体試
料の吸着が特に少ない。従って、本発明のフィルター又
はカラムを用いた液体クロマトグラフィーは、生体試料
の分離に特に適している。上記生体試料とは、血液、血
清、血漿、尿などの生体由来の試料を指し、その中に
は、蛋白質や脂質などが含まれているものである。
【0036】本発明のフィルターを用いた液体クロマト
グラフィー用カラムにおいて、カラム本体(カラムの管
部分)の材質は、カラム本体としての強度を有するもの
であれば特に限定されず、例えば、ステンレス、チタン
等の金属;ポリエーテルエーテルケトン等のプラスチッ
ク;ガラス;ステンレス等の金属の内面をフッ素樹脂又
はポリエーテルエーテルケトン等で被覆したものなどが
挙げられる。
【0037】上記カラム本体は、必要に応じて、シリコ
ーン被膜でコーティングされてもよい。この場合に用い
られるシリコーン被膜、およびシリコーン被膜の厚さ
は、フィルターに用いられるシリコーン被膜として前述
したものと同様である。
【0038】上記シリコーン被膜でカラム本体をコーテ
ィングする場合、カラム本体全体をコーティングする必
要はなく、少なくとも分析試料が接触する部分(すなわ
ち、カラム本体内側)がコーティングされていればよ
い。カラム本体内側のコーティングの割合は、内側部の
全表面積に対して、好ましくは、10%以上、より好ま
しくは、30%以上、最も好ましくは、60%以上であ
る。
【0039】上記のシリコーン被膜でコーティングされ
たカラム本体を製造するには、上記記載のカラム本体に
硬化型シリコーンを塗布、又はコーティングし、室温、
又は、加温して硬化させる方法が挙げられる。
【0040】また、上記カラム本体は、必要に応じて、
ブロッキング試薬でブロッキングされてもよい。上記ブ
ロッキング試薬及びブロッキング方法としては、フィル
ターに用いられるブロッキングとして前述したものと同
様である。
【0041】本発明のフィルターを用いた液体クロマト
グラフィーにおいて、溶離液などの移動相は、公知のも
のでよい。また、液体クロマトグラフ装置も公知のもの
でよい。
【0042】本発明のカラムを用いた液体クロマトグラ
フィーにおいて、溶離液などの移動相は、公知のもので
よく、また、液体クロマトグラフ装置も公知のものでよ
い。
【0043】本発明の請求項6記載のヘモグロビン類の
測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用フィル
ターを用いることを特徴とする。
【0044】本発明の請求項7記載のヘモグロビン類の
測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
を用いることを特徴とする。
【0045】
【作用】本発明のフィルターは、シリコーン被膜でコー
ティングされているので、生体試料の吸着が起こりにく
いため、フィルター寿命が長く、また、同様に、試料の
吸着が少ないので、フィルター中で試料の拡散が起こり
にくいため、分離性能に悪影響を与えない。更に、ブロ
ッキング試薬でブロッキング処理されているフィルター
においては、上記の作用の全てを奏すると共に、更に、
より一層、生体試料の吸着が起こりにくいため、生体試
料の液体クロマトグラフ測定に使用すると、測定の最初
から正確な測定値を得ることができる。
【0046】本発明のカラムは、本発明のフィルターを
装着しているので、寿命が長く、分離性能に悪影響を与
えない。
【0047】本発明の請求項6記載のヘモグロビン類の
測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用フィル
ターを用いているため、ヘモグロビン類がフィルターに
吸着しにくいので、フィルター寿命が長い。また、同様
に、ヘモグロビン類がフィルターに吸着しにくいので、
フィルター中でのヘモグロビン類の拡散が少なくヘモグ
ロビン類の分離性能に悪影響を与えない。また、ヘモグ
ロビン類の分離に適したpH範囲において、ヘモグロビ
ン類の吸着が非常に起こりにくいので、ヘモグロビン類
の分離性能に悪影響を与えない。
【0048】本発明の請求項7記載のヘモグロビン類の
測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用フィル
ターを用いたカラムを用いるので、ヘモグロビン類が吸
着しにくいため、カラム寿命が長い。また、同様に、フ
ィルターにヘモグロビン類が吸着しにくいので、カラム
中でヘモグロビン類の拡散が少なく、ヘモグロビン類を
効果的に分離できる。また、ヘモグロビン類の分離に適
したpH範囲において、ヘモグロビン類の吸着が非常に
起こりにくいので、ヘモグロビン類が効果的に分離でき
る。
【0049】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施例及び比較例
を挙げることにより、本発明を詳細に説明する。
【0050】(実施例1)図1(イ)に示した形状のフ
ィルターをステンレス焼結体の一体成形品として製造し
た。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mm
の円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。次に、コ
ーティング剤として、2液型硬化型シリコーンを用い、
上記ステンレス製フィルター全体をシリコーンコーティ
ングした(濾過孔の中は、コーティング剤を通液し
た)。その後、100℃で30分間加熱して乾燥・硬化
させ、均一なコーティング層を形成させ、本発明のフィ
ルター1を得た。次に、このフィルター1をフッ素樹脂
(テフロン)製のシール部材2に挿入した後、図4に示
すように、ステンレス製ホルダー3(頂角A=90度)
に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラ
インフィルター5を作製した。
【0051】(実施例2)実施例1と同様にして得られ
た本発明のフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製の
シール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケト
ン製のホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半
体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター
5を作製した。
【0052】(比較例1)図1(イ)に示したフィルタ
ーを、ステンレス焼結体の一体成形品として製造した。
その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円
柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。次に、このフ
ィルターをフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に
挿入した後、ステンレス製ホルダー3(頂角A=90
度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合し
て、ラインフィルター5を作製した。
【0053】(比較例2)図1(イ)に示した形状のフ
ィルターをステンレス焼結体の一体成形品として製造し
た。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mm
の円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。次に、従
来の技術の項に記載したCLD法により、二酸化珪素被
膜をフィルターに形成させる処理をした。具体的には、
日本曹達社製アトロンをHPLC用ポンプ(島津製作所
社製)を用いて、上記フィルターの内部まで通液した
後、余剰の液をフィルター内部から除去した。その後、
200℃で30分間乾燥し、次に、500℃で30分間
加熱し、二酸化珪素被膜を形成させた。次に、このフィ
ルターをフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に挿
入した後、ポリエーテルエーテルケトン製ホルダー3
(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同
士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0054】実施例1、2及び比較例1、2で得られた
ラインフィルターを用いて以下のようにして、(1)吸
着性の評価、及び(2)生体試料の吸着性とpH(pH
5.0、pH6.0、pH7.0)の関係の評価を行っ
た。
【0055】(1)吸着性の評価 以下に示した測定条件を用い、実施例1、2又は比較例
1、2で作製したラインフィルターのみを用いて(すな
わち、カラムは使用せず)、ヘモグロビン類の測定をす
ることにより、生体試料の吸着性について検討した。 測定条件 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液:溶離液A:100mMリン酸緩衝液(pH5.8) 溶離液B:300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 測定開始より0〜3分の間は溶離液Aを流し、3〜5分
の間は溶離液Bを流し、5〜10分の間は溶離液Aを流
した。 流速:2.0ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl
【0056】測定試料 以下のようにして調製した糖負荷血液を用いた。血液抗
凝固剤としてフッ化ナトリウムを用いて採血した健常人
血に、500mg/dlとなるようグルコース水溶液を
添加し、37℃で3時間反応させた後、溶血希釈液X
(0.1重量%トリトンX−100のリン酸緩衝液溶
液、pH7.0)で溶血し、150倍に希釈して測定試
料とした。
【0057】測定結果 上記測定条件により、測定試料を測定して得られた代表
的なクロマトグラムを図9(イ)(ラインフィルター使
用せず)、図9(ロ)(実施例1又は2のラインフィル
ター使用)、図9(ハ)(比較例1又は2のラインフィ
ルター使用)に示した。ピーク61はヘモグロビン類の
ピークを示す(なお、カラムで分離されていないので単
一のピークとなっている)。ピーク62は、溶離液Aで
はフィルタに吸着したヘモグロビン類が溶離液Bによっ
て脱着したために表れたピークと思われる。
【0058】評価方法 ラインフィルターを装着せずに、測定試料を測定したと
きのヘモグロビン類のピーク面積を100%として、実
施例1、実施例2、比較例1、比較例2のラインフィル
ターを用いて測定(n=5)したときのヘモグロビン類
のピーク面積(ピーク61の面積)から、以下の式によ
り溶離液Aによる回収率を求め、結果を表1に示した。 回収率(%)=(ラインフィルター装着時のヘモグロビ
ン類のピーク面積)÷(ラインフィルター装着なし時の
ヘモグロビン類のピーク面積)×100
【0059】
【表1】
【0060】比較例1、2では、回収率の平均値がそれ
ぞれ56.40%、58.80%であったのが、実施例
1及び2では、回収率の平均値がそれぞれ97.84
%、98.12%であった。以上より、実施例1及び2
のラインフィルターを用いたものでは、比較例1及び2
のラインフィルターを用いたものに比べてヘモグロビン
類の吸着が少なかったことがわかる。
【0061】また、表1(及び後述の表2)における、
CV(%)とは変動係数(すなわち、CV(%)=標準
偏差÷平均値×100)のことであるが、比較例1、2
のラインフィルターを用いたものは、実施例1又は2の
ラインフィルターを用いたものに比較してCVがはるか
に大きく、ヘモグロビン類の吸着量のばらつきが大きい
ことが分かる。
【0062】(2)生体試料の吸着性とpHの関係の評
価 以下に示した測定条件を用い、実施例1、2又は比較例
1、2で作製したラインフィルターのみを用いて(すな
わち、カラムは使用せず)、ヘモグロビン類の測定をす
ることにより、生体試料の吸着性とpH(pH5.0、
pH6.0、pH7.0)の関係を評価した。
【0063】 測定条件 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液:溶離液A:100mMリン酸緩衝液(pH5.0、pH6.0、pH 7.0) 溶離液B:300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 測定開始より0〜3分の間は溶離液Aを流し、3〜5分
の間は溶離液Bを流し、5〜10分の間は溶離液Aを流
した。 流速:2.0ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl
【0064】測定試料 血液抗凝固剤としてフッ化ナトリウムを用いて採血した
健常人血を、溶血希釈液X(0.1重量%トリトンX−
100のリン酸緩衝液溶液、pH7.0)で溶血し、1
50倍に希釈して測定試料とした。
【0065】評価方法 ラインフィルターを装着せずに、測定試料を測定したと
きのヘモグロビン類のピーク面積を100%として、実
施例1、実施例2、比較例1又は比較例2で得られたラ
インフィルターを用いて測定(n=5)したときのヘモ
グロビン類のピーク面積から、以下の式により溶離液A
による回収率を求め、結果を表2及び表3に示した。 回収率(%)=(ラインフィルター装着時のヘモグロビ
ン類のピーク面積)÷(ラインフィルター装着なし時の
ヘモグロビン類のピーク面積)×100
【0066】
【表2】
【0067】
【表3】
【0068】比較例1では、pH5.0、pH6.0、
pH7.0での回収率がそれぞれ平均13.56%、7
6.52%、91.98%であった。比較例2では、p
H5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞ
れ平均24.66%、77.04%、91.70%であ
った。また、CV%は、比較例1、2でpHが低くなる
ほど悪くなり、pH5.0で、それぞれ37.27%、
12.21%であった。実施例1では、pH5.0、p
H6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均97.
24%、97.88%、97.84%であった。実施例
2では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収
率がそれぞれ平均98.02%、98.42%、98.
56%であった。また、実施例1及び実施例2でのCV
%は、いずれのpHにおいても、1%以下であった。
【0069】以上より、比較例1のシリコーンコーティ
ングしていないステンレス製フィルターではヘモグロビ
ン類の吸着性は、pHの影響を非常に強く受けることが
明らかになった。また、ヘモグロビン類の定量には、通
常、pH5〜9程度の溶離液を用いるのが一般的である
ので、シリコーンコーティングしていないステンレス製
フィルターではヘモグロビン類の吸着が極めて大きくな
り、吸着率も大きくばらつくので、シリコーンコーティ
ングしていないステンレス製フィルターをヘモグロビン
類の測定に用いるとフィルター寿命が短くなり、データ
ーのばらつく原因になると考えられる。また、比較例2
のように、ステンレス製フィルターを二酸化珪素膜で被
覆してもヘモグロビン類の吸着性は改善されなかった。
実施例1及び実施例2のシリコーンコーティングしたス
テンレス製フィルターでのヘモグロビン類の吸着性は、
pH9.0から酸性側5.0付近までのpHの影響を受
けず、回収率もほぼ100%であった。以上より、ヘモ
グロビン類の測定に用いるフィルターとしては、広いp
Hの範囲でヘモグロビン類の吸着が殆どないシリコーン
コーティングしたフィルターを用いた方がよいことが明
らかである。
【0070】(実施例3)図1(イ)に示したフィルタ
ーを、ステンレス焼結体の一体成形品として製造した。
その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mm
の円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。次に、コ
ーティング剤として、2液型硬化型シリコーンを用い、
上記ステンレス製フィルター全体をシリコーンコーティ
ングした(濾過孔の中は、コーティング剤を通液し
た)。その後、100℃で30分間加熱して乾燥・硬化
させ、均一なコーティング層を形成させ、本発明のフィ
ルター1を得た。次に、このフィルター1をフッ素樹脂
(テフロン)製のシール部材2(外径6.3mm、内径
4.6mm、厚さ1.5mm)に挿入した後、これを図
6に示したステンレス製カラム本体40(内径4.6m
m、長さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエ
ンドフィッティング42に装着した。
【0071】上記のカラム本体40に、以下のようにし
て調製した充填剤を、以下に示すカラムの作製の項で述
べるようにして充填して、本発明の液体クロマトグラフ
ィー用カラムを製造した。 ・充填剤の調製 テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化
学社製)400g及び2−アクリルアミド−2−メチル
スルホン酸(和光純薬社製)150gの混合物にベンゾ
イルパーオキサイド(重合開始剤、和光純薬社製)1.
5gを溶解した。これを、4重量%ポリビニルアルコー
ル(日本合成化学社製)水溶液2500mlに分散さ
せ、攪拌しながら窒素雰囲気下で75℃に昇温し、8時
間重合した。重合後、洗浄し、乾燥した後、分級して平
均粒径6μmの粒子を得た。 ・カラムの作製 カラム1本あたり、上記充填剤1.0gを、50mMリ
ン酸緩衝液(pH6.0)30mlに分散し、5分間超
音波処理した後、よく攪拌した。全量を上記のステンレ
ス製カラム本体40(内径4.6φ×35mm)を接続
したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカー
(梅谷精機社製)に送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接
続し、上記充填剤を上記ステンレス製カラム本体40に
圧力300kg/cm2 で定圧充填した後、エンドフィ
ッティング42とカラム本体40を螺合して本発明の液
体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0072】(実施例4)実施例3と同様にして本発明
のフィルター1を得た。一方、図6に示したステンレス
製カラム本体40(内径4.6mm、長さ35mm)
に、上記実施例3においてフィルターにコーティングし
た方法と同様の方法で、シリコーンコーティングした。
次に、上記のフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製
のシール部材2(外径6.3mm、内径4.6mm、厚
さ1.5mm)に挿入した後、これを上記のシリコーン
コーティングしたカラム本体40(内径4.6mm、長
さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエンドフ
ィッティング42に装着した。
【0073】上記のシリコーンコーティングしたカラム
本体に、実施例3と同様にして調製した充填剤を、実施
例3と同様にして充填して、本発明の液体クロマトグラ
フィー用カラムを製造した。
【0074】(比較例3)実施例3における、ステンレ
ス焼結体の一体成形品として製造したフィルターを、シ
リコーンコーティングしなかったことの他は、実施例3
と全く同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製
造した。
【0075】(比較例4)図1(イ)に示したフィルタ
ーを、ステンレス焼結体の一体成形品として製造した。
その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mm
の円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。次に、従
来の技術の項に記載したCLD法により、二酸化珪素被
膜をフィルター及びカラム本体に形成させる処理をし
た。具体的には、日本曹達社製アトロンをHPLC用ポ
ンプ(島津製作所社製)を用いて、上記フィルターの内
部まで通液した後、余剰の液をフィルター内部から除去
した。その後、200℃で30分間乾燥し、次に、50
0℃で30分間加熱し、二酸化珪素被膜を形成させた。
また、カラム本体は、上記アトロンに浸し、その後、2
00℃で30分間乾燥し、次に、500℃で30分間加
熱し、二酸化珪素被膜を形成させた。次に、このフィル
ター1をフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2(外
径6.3mm、内径4.6mm、厚さ1.5mm)に挿
入した後、これを上記の二酸化珪素被膜を形成させたス
テンレス製カラム本体(内径4.6mm、長さ35m
m)のカラム両端に取り付けるためのエンドフィッティ
ング42に装着した。
【0076】上記の二酸化珪素被膜を形成させたカラム
本体に、実施例3と同様にして調製した充填剤を、実施
例3と同様にして充填して(フィルターは、上記の二酸
化珪素被膜を形成させたフィルターを用いた)、液体ク
ロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0077】実施例3、4及び比較例3、4で得られた
液体クロマトグラフィー用カラムを用いて以下のように
して、ヘモグロビン類の測定を行うことにより、該カラ
ムの分離性能に与える評価を行った(なお、ラインフィ
ルターは用いなかった)。 測定条件 得られたカラムを以下の液体クロマトグラフに取り付け
た後、以下の測定を行った。 システム:送液ポンプ:LC−9A(島津製作所社製) オートサンプラ:ASU−420(積水化学社製) 検出器:SPD−6AV(島津製作所社製) 溶離液:溶離液A:100mMリン酸緩衝液(pH5.8) 溶離液B:300mMリン酸緩衝液(pH6.8) 測定開始より0〜5分の間は溶離液Aを流し、5〜6分
の間は溶離液Bを流し、6〜10分の間は溶離液Aを流
した。 流速:1.6ml/分 検出波長:415nm 試料注入量:10μl
【0078】測定試料 実施例1の(1)吸着性の評価の項で用いた測定試料と
同様の方法で調製したもの。
【0079】測定結果 上記測定条件により、試料を測定して得られたクロマト
グラムを図10(イ)(実施例3又は4の液体クロマト
グラフィー用カラムを用いたもの)、図10(ロ)(比
較例3又は4の液体クロマトグラフィー用カラムを用い
たもの)に示した。ピーク51はHbA1a及びHbA
1b、ピーク52はHbF、ピーク53は不安定型Hb
A1c、ピーク54は安定型HbA1c、ピーク55は
HbA0を示す。この結果、実施例3又は4の液体クロ
マトグラフィー用カラムを用いたものでは、比較例3又
は4の液体クロマトグラフィー用カラムを用いたものに
比較して分離性能に優れていることが分かる。
【0080】(実施例5)実施例3で得られたシリコー
ンコーティングしたフィルター1に、0.1重量%ヘモ
グロビン水溶液を通液し、ブロッキング処理した。この
フィルターを用いたこと以外は、実施例3と同様にして
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0081】(実施例6)実施例3で得られたシリコー
ンコーティングしたフィルター1に、0.1重量%ウシ
血清アルブミン水溶液を通液し、ブロッキング処理し
た。一方、図6に示したステンレス製カラム本体40
(内径4.6mm、長さ35mm)に、上記実施例3に
おいてフィルターにコーティングした方法と同様の方法
で、シリコーンコーティングした。このフィルター及び
カラム本体を用いたこと以外は、実施例3と同様にして
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0082】(比較例5)図1(イ)に示したフィルタ
ーを、ポリエーテルエーテルケトンの一体成形品として
製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが
1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとし
た。このフィルターを用いたこと以外は、実施例3と同
様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0083】実施例3、5、6及び比較例3、5で得ら
れた液体クロマトグラフィー用カラムを用いて、実施例
3と同様にして、ヘモグロビン類の測定を行うことによ
り、該カラムの分離性能に与える評価を行った。
【0084】測定試料 健常人血液を溶血したものであって、後述の定義による
安定型HbA1c濃度が4.5%であるものを用いた。
【0085】測定結果 試料を5回連続して測定し、得られたクロマトグラムか
ら、以下の式で定義される安定型HbA1c濃度を求
め、測定回数と安定型HbA1c濃度の関係を表4に示
した。 安定型HbA1c濃度(%)=(安定型HbA1cピー
クの面積)÷(全ヘモグロビンピークの面積の和)×1
00
【0086】
【表4】
【0087】比較例3のカラムでは、安定型HbA1c
濃度は、測定1回目から5回目にかけて、3.5%から
3.9%に上昇した。比較例5のカラムでは、安定型H
bA1c濃度は、測定1回目から5回目にかけて、3.
9%から4.3%に上昇した。すなわち、これらのカラ
ムでは、測定初期では正確な値が得られないことがわか
る。一方、実施例3のカラムでは、測定1回目〜3回目
までは安定型HbA1c濃度は4.4%であったが、測
定4回目と5回目では、4.5%となり、正確な値が得
られた。更に、ブロッキングしたフィルターを用いた実
施例5及び6のカラムでは、測定1回目から安定型Hb
A1c濃度は4.5%と正確な値が得られた。
【0088】
【発明の効果】本発明の液体クロマトグラフィー用フィ
ルターの構成は、上記の通りであり、生体試料の吸着が
おこりにくいシリコーン被膜でコーティングされている
ので、フィルター性能の寿命が長く、しかも、試料の吸
着が少ないので、フィルター中で試料拡散が起こりにく
いため、分離性能に悪影響を与えない。
【0089】本発明の請求項2記載の液体クロマトグラ
フィー用フィルターの構成は、上記の通りであり、生体
試料の吸着がおこりにくいシリコーン被膜でコーティン
グされており、更に、ブロッキング試薬でブロッキング
処理されているので、上記の効果の全てを奏すると共
に、更に、より一層、生体試料の吸着が起こりにくいた
め、生体試料の液体クロマトグラフ測定に使用すると、
測定の最初から正確な測定値を得ることができる。
【0090】本発明の請求項3記載の液体クロマトグラ
フィー用カラムの構成は、上記の通りであり、生体試料
の吸着がおこりにくいシリコーン被膜でコーティングさ
れているフィルターを用いているので、寿命が長く、分
離性能に悪影響を与えない。
【0091】本発明の請求項4記載の液体クロマトグラ
フィー用カラムの構成は、上記の通りであり、生体試料
の吸着がおこりにくいシリコーン被膜でコーティングさ
れているフィルター及びカラム本体を用いているので、
より寿命が長く、より分離性能に悪影響を与えない。
【0092】本発明の請求項5記載の液体クロマトグラ
フィー用カラムの構成は、上記の通りであり、更に、カ
ラム本体がブロッキング試薬でブロッキング処理されて
いるので、請求項3又は4記載のカラムの効果に加え
て、測定の最初からより正確な測定値を得ることができ
る。
【0093】本発明の液体クロマトグラフィー用フィル
ターを用いるヘモグロビン類の測定方法は、広いpHの
範囲でヘモグロビン類の吸着が少ないシリコーン被膜で
コーティングされたフィルターを用いているので、フィ
ルターの寿命が長い。そのため、フィルターの交換頻度
がきわめて少なくなる。また、ヘモグロビン類の吸着が
少ないフィルターを用いているので、ヘモグロビン類分
析の分離性能に悪影響を与えない。
【0094】本発明の液体クロマトグラフィー用カラム
を用いるヘモグロビン類の測定方法は、広いpHの範囲
でヘモグロビン類の吸着が少ないシリコーン被膜でコー
ティングされたフィルターを用いたカラムを用いている
ので、カラムーの寿命が長い。また、ヘモグロビン類の
吸着が少ないフィルターを用いているので、カラム中で
のヘモグロビン類の拡散が起こりにくいためヘモグロビ
ン類分析の分離性能に悪影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体クロマトグラフィー用フィルター
の例を示す断面図。
【図2】本発明のフィルターが装着されるホルダーの一
例を示す断面図。
【図3】本発明のフィルターが装着されるホルダーの他
の例を示す断面図。
【図4】本発明のフィルターがホルダー内に装着されて
構成されているラインフィルターの断面図。
【図5】本発明の液体クロマトグラフィー用フィルター
を示す図であり、図5(イ)はその断面図。図5(ロ)
は平面図。
【図6】本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを示
す断面図。
【図7】液体クロマトグラフのシステムの構成を示す説
明図。
【図8】従来の液体クロマトグラフィー用カラムを示す
断面図。
【図9】測定試料を測定して得られたクロマトグラム。
【図10】測定試料を測定して得られたクロマトグラ
ム。
【図11】シリコーン被膜を形成させるための反応の例
を示す図。
【符号の説明】
1 液体クロマトグラフィー用フィルター 2 シール部材 3 ホルダー 3a、3b 半体 31a、31b 円柱状の空間部 32a、32b 円錐状の空間部 33a 円板状の空間部 34a、34b 被覆部 5 ラインフィルター
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G01N 33/72 G01N 33/72 A (72)発明者 源 政明 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 (72)発明者 川辺 俊樹 山口県新南陽市開成町4560 積水化学工業 株式会社内 Fターム(参考) 2G045 AA13 BB06 BB60 CA25 DA45 DA51 FB06 4J038 DL031 NA02 NA04 PB06 PC02 PC03 PC08

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シリコーン被膜でコーティングされてい
    ることを特徴とする液体クロマトグラフィー用フィルタ
    ー。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の液体クロマトグラフィー
    用フィルターが、更に、ブロッキング試薬でブロッキン
    グ処理されていることを特徴とする液体クロマトグラフ
    ィー用フィルター。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2記載の液体クロマトグラ
    フィー用フィルターが装着されたことを特徴とする液体
    クロマトグラフィー用カラム。
  4. 【請求項4】 更に、カラム本体がシリコーン被膜でコ
    ーティングされていることを特徴とする請求項3記載の
    液体クロマトグラフィー用カラム。
  5. 【請求項5】 更に、カラム本体がブロッキング試薬で
    ブロッキング処理されていることを特徴とする請求項4
    記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2記載の液体クロマトグラ
    フィー用フィルターを用いることを特徴とするヘモグロ
    ビン類の測定方法。
  7. 【請求項7】 請求項3〜5のいずれかに記載の液体ク
    ロマトグラフィー用カラムを用いることを特徴とするヘ
    モグロビン類の測定方法。
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