JP3990503B2 - 液体クロマトグラフィー用カラム及びヘモグロビン類の測定方法 - Google Patents

液体クロマトグラフィー用カラム及びヘモグロビン類の測定方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、液体クロマトグラフィー用カラム及び該カラムを用いるヘモグロビン類の測定方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機化学、生化学、医学などの分野における試料中の成分の分離や分取に液体クロマトグラフが汎用されている。この液体クロマトグラフは、通常、図7のようなシステムに構成されている。溶離液などの移動相11が電磁弁12を通り、送液ポンプ13により試料導入装置14を経由して、フィルタ−装置15を通り分離カラム16に入り、この分離カラム16により試料中の各成分が分離される。分離された各成分は検出器17によって、例えば、吸光度を測定する等によって検出され、その結果がデーター処理装置18により処理されてクロマトグラム19として表される。
【0003】
上記、分離カラム16の上流のフィルタ−装置15はラインフィルタ−(例えば、後述の図4)と呼ばれ、フィルターとそれを収容するホルダーで構成されており、該フィルターによって、試料中の固形物や送液ポンプのシール部品の摩耗物などの不溶物が濾過される。また、液体クロマトグラフにおいて使用されるフィルタ−には、上記のラインフィルタ−の他に、分離カラムの試料導入側及び試料導出側に取り付けられるフィルターもある。このようなフィルターが装着された液体クロマトグラフィー用カラムを図8に示した。図8において、符号40は分離カラム本体、符号41はフィルター、符号42はエンドフィッティングである。なお、図8は試料導入側のみを示したものであり、試料導出側を省略しているが、試料導出側も同様に構成される。このカラムにおいては、エンドフィッティング42の中にフィルター41が装着され、フィルター41とエンドフィッティング42との間隙はシール部材43で密閉されている。そして、エンドフィッティング42と分離カラム本体40が螺合されることにより、分離カラム本体40の端部にフィルター41が密着されている。
【0004】
このようなフィルタ−装置に用いられるフィルタ−は、一般に、円板状であり、材質はステンレス製焼結体などが用いられている。
【0005】
特開平7−260763号公報には、充填剤が収納されたカラム本体のエンドフィティングフィルターとして、ステンレス鋼繊維を積層し、それを焼結した繊維焼結フィルターを用いた高速液体クロマトグラフィーカラムが提案されている。このフィルターが装着された液体クロマトグラフィーカラムを、生体試料の測定に用いると、フィルターに生体試料が吸着し、圧力が上昇し、連続して多数の試料を測定できないという問題があった。
【0006】
また、クロマトグラフィー用カラムの製造方法の一つとして、管の内壁に、珪素化合物の溶液を通流し、CLD(Chemical Liquid Deposition)法により、不活性な二酸化珪素被膜を形成させ、この管内部に充填剤を充填する方法がある(特公平2−13268号公報)。
【0007】
液体クロマトグラフィーによる測定の一つとして、血液中の糖化ヘモグロビン、特にヘモグロビンA1c(以下、HbA1cという)が糖尿病診断の指標となるため広く測定されている。糖化ヘモグロビンとは血液中の糖がヘモグロビンと結合して生成したものである。溶血液試料中の糖化ヘモグロビンは、過去1〜2カ月間の血液中の平均的な糖濃度を反映するので溶血液中の糖化ヘモグロビンは、糖尿病の診断の指標となる。
【0008】
このHbA1cの液体クロマトグラフィー法による測定は、主にカチオン交換液体クロマトグラフィー法により行われている(特公平8−7198号公報など)。溶血液試料をカチオン交換液体クロマトグラフィーにより分離すると、通常、ヘモグロビンA1a(以下、HbA1aという)及びヘモグロビンA1b(以下、HbA1bという)、ヘモグロビンF(以下、HbFという)、不安定型HbA1c、安定型HbA1c並びにヘモグロビンA0(以下、HbA0という)などのピークに分画できる。なお、糖尿病の診断の指標として使用されているHbA1cは、上記のうちの安定型HbA1cであり、全ヘモグロビンピークの面積に対する安定型HbA1cピークの面積の比率(%)として求められている。
【0009】
このHbA1cの液体クロマトグラフィー法による測定は、カラムとしてカチオン交換液体クロマトグラフィー用充填剤(例えば、カルボキシル基やスルホン酸基を官能基として有する充填剤)が充填されたものを用い、pH5.0〜9.0の溶離液を用いて行われている。
【0010】
この測定において、ステンレス焼結体からなるフィルターを用いると、該フィルターに生体試料が吸着し、圧力が上昇し、連続して多数の試料を測定できない、及び、分離性能に悪影響がでるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は、生体試料の吸着が少なく、寿命が長く、分離性能に悪影響を与えない液体クロマトグラフィー用フィルターを用いることにより寿命が長く、分離性能に悪影響を与えない液体クロマトグラフィー用カラム及び該カラムを用いるヘモグロビン類の測定方法を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
請求項1記載の発明は、少なくとも表面素材が、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエチレン、エチレンのアルキル誘導体の重合体、アクリル系樹脂、ナイロン、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラミック、硼化物セラミック、表面がシリル化処理された二酸化珪素、ガラス及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種よりなる、又は、これらを複数組み合わせてなることを特徴とする液体クロマトグラフィー用フィルターを用いる
【0013】
請求項記載の発明は、請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用フィルターが、更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されていることを特徴とする。
【0014】
請求項記載の発明は、上記の液体クロマトグラフィー用フィルターが装着されたことを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラムであり、更に、カラム本体がシリコーン被膜でコーティングされていることを特徴とする。
請求項記載の発明は、更に、カラム本体がブロッキング試薬でブロッキング処理されていることを特徴とする請求項記載の液体クロマトグラフィー用カラムである。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用カラムを用いることを特徴とするヘモグロビン類の測定方法である。
【0017】
以下、本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターについて詳述する。
本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターは、少なくとも表面素材が、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエチレン、エチレンのアルキル誘導体の重合体、アクリル系樹脂、ナイロン、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラミック、硼化物セラミック、表面がシリル化処理された二酸化珪素、ガラス及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種よりなる、又は、これらを複数組み合わせてなることを特徴とする。
【0018】
上記セルロース系樹脂には、例えば、酢酸セルロース、三酢酸セルロース、セルロース、硝酸セルロースなどが挙げられる。
上記フッ素系樹脂には、例えば、ポリ四フッ化エチレン、四フッ化エチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、四フッ化エチレン−六フッ化プロピレン共重合体、ポリ三フッ化塩化エチレン、ポリフッ化ビニリデン、四フッ化エチレン−エチレン共重合体、三フッ化塩化エチレン−エチレン共重合体などが挙げられる。
【0019】
上記スルホン系樹脂には、例えば、ポリスルホン、ポリエーテルスルホンが挙げられる。
上記エチレンのアルキル誘導体の重合体としては、例えば、ポリプロピレン、ポリブチレンが挙げられる。
上記アクリル系樹脂には、例えば、アクリル共重合体が挙げられる。
【0020】
上記「表面がシリル化処理された二酸化珪素」におけるシリル化処理とは、二酸化珪素の表面のシラノール基の水酸基をトリアルキルシリル化(例えば、トリメチルシリル化)、ジアルキルシリル化(例えば、ジメチルシリル化)などのシリル化する処理のことをいう。シリル化に使用される薬剤としては、例えば、ヘキサメチルジシラザン、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ビス(トリメチルシリル)トリフルオロアセトアミド、ジメチルジクロロシラン、N−(tert−ブチルジメチルシリル)−N−メチルトリフロロアセトアミド、t−ブチルジメチルクロロシラン、トリメチルクロロシラン、トリメチルシリルジエチルアミン、トリメチルシリルイミダゾールなどが挙げられる。
【0021】
本発明のフィルターの形態は、メンブレンフィルター、繊維を積層し焼結したもの、微粒子を焼結成形したもの等が挙げられる。
【0022】
本発明でいうフィルター表面とは、測定試料が接触する孔表面などの部位である。本発明においては、上記フィルター表面に、上記の素材が、好ましくは30%以上、より好ましくは60%以上、最も好ましくは80%以上存在するのがよい。
【0023】
本発明のフィルターは、必要に応じて、シリコーンコーティングされてもよい。
【0024】
本発明のフィルターは、上記の液体クロマトグラフィー用フィルターが、更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されていることが好ましい。上記ブロッキング試薬としては、例えば、ウシ血清アルブミン、カゼイン、ゼラチン、ヘモグロビン、ミオグロビンなどの蛋白質;例えば、リン脂質等の極性脂質;例えば、SDS、ポリエチレングリコールモノ−4−オクチルフェニルエーテル(トリトンX−100)などの界面活性剤などが挙げられる。
【0025】
本発明のフィルターの形状は、液体の流れを乱さない構造であれば、特に限定されない。例えば、図1に示すような、(イ)円柱状、(ロ)円錐状、(ハ)円錐台状の凸部を有するもの、(ニ)円錐状の凸部と円柱部分を組み合わせた形状、(ホ)円錐台状の凸部と円柱部分を組み合わせた形状、(ヘ)2つの円錐の、底面同士を接触したような形状が挙げられる。図1において、符号1は本発明の液体クロマトグラフィー用フィルター、符号2は必要に応じて使用されるシール部材である。上記凸部の位置は、液体流入側又は液体流出側のどちらでもよく、また上記の両側でもよい。
【0026】
本発明のフィルターのサイズは、直径は1〜1000mmが好ましく、2〜50mmがより好ましい。厚さは0.1〜100mmが好ましく、0.2〜10mmがより好ましい。濾過孔径は、公知の孔径でよく、0.1〜20μmが好ましく、0.2〜10μmがより好ましい。
【0027】
本発明のフィルターを製造するには、上記記載の素材を用いる以外は、公知の方法でよく、例えば、上記記載の素材の繊維状のもの、粉体状のものを積層し、焼結処理する方法や上記記載の素材をメンブレン状、濾紙状に加工する方法などが挙げられる。また、上記記載の素材を通常のフィルターの表面に被覆する方法でもよい。
【0028】
また、表面素材がシリル化処理された二酸化珪素よりなる液体クロマトグラフィー用フィルターを製造するには、例えば、ステンレス焼結体からなるフィルターを製造し、その表面に二酸化珪素を被覆した後、例えば、ヘキサメチルジシラザン、トリメチルクロロシランなどのシリル化処理剤と反応させる方法が挙げられる。
【0029】
また、本発明のフィルターを製造するには、特開平2−262054号公報に記載あるような濾過孔径の異なるフィルターを組み合わせてもよい。すなわち、溶液の流入側に濾過孔径の大きなものを使用し、溶液の流出側に濾過孔径の小さなものを使用して組み合わせる。このように、濾過孔径の異なるフィルターを組み合わせたものを製造するには、それぞれのフィルターを製造後、貼り合わせてもよいが、直径の太い繊維を液体の流入側に用い、直径の細い繊維を液体の流出側に用いて、積層した状態で型に入れて焼結するのが好ましい。積層数は、特に限定されないが、通常、2〜3層で必要に応じて増やしてもよい。
【0030】
また、本発明のブロッキング試薬でブロッキング処理されているフィルターを製造するには、請求項1に記載の液体クロマトグラフィー用フィルターを、濃度0.01〜5重量%程度のブロッキング試薬溶液と接触させればよい。上記接触方法としては、上記フィルターに上記ブロッキング試薬溶液を通液する方法が挙げられる。
【0031】
本発明のフィルターの用途としては、液体クロマトグラフィーのラインフィルター、カラムの試料導入側及び試料導出側のフィルターなどがある。
【0032】
本発明のフィルターをラインフィルターとして用いる場合について以下説明する。ラインフィルターは、フィルターがホルダー内に装着されて構成されている。本発明のフィルターがラインフィルター中に装着される態様は、従来の態様と同様である。
【0033】
図2は、本発明のフィルターが装着されるホルダーの一例を示す断面図である。ホルダー3は半体3a及び3bからなり(図2に矢印で示したように、半体3a側を液体流入側とし、半体3b側を液体流出側とする)、半体3aには内面の一部に雌ねじが設けられており、半体3bにはその外周面に上記雌ねじに螺合する雄ねじが設けられている。各半体3a及び3bは、液体の通流方向に並設されている。半体3aの内部には、それぞれ開口部が相互に対向するように形成された円柱状の空間部31aと円錐状の空間部32aが設けられ、更に、該空間部32aの先端には薄い円板状の空間部33aが設けられており、また、円柱状の空間部31aを形成している部分の半体3aの内面には雌ねじが設けられ、この雌ねじに溶離液などの液体が通流するための配管がネジ止めされ得るようにされている。また、半体3bの内部にも、それぞれ開口部が相互に対向するように形成された円柱状の空間部31bと円錐状の空間部32bが設けられ、円柱状の空間部31bを形成している部分の半体3bの内面には雌ねじが設けられ、この雌ねじに液体が通流するための配管がネジ止めされ得るようにされている。
【0034】
上記円錐状の空間部32a及び32bの円錐の頂角Aは、試料をフィルター全体に導くことによりフィルター全体で濾過されるようにし、しかも、試料の拡散を最小に抑える大きさであることが好ましい。上記頂角Aは、90度よりも小さくなると、空間部が大きくなり、試料の拡散が起こり易くなり、179度よりも大きくなると、更に、空間部が大きくなり、試料の拡散が起こり易くなるので、90〜179度が好ましく、100〜170度がより好ましい。
【0035】
ホルダー3の形状は、例えば、円柱状、立方体状など特に限定されない。
【0036】
また、ホルダー3は、フィルター交換時に工具を使う必要がないように、図3に示すように、半体3aと3bの外周面を、それぞれ円筒形の被覆部34aと34bで被覆することにより、ホルダーの大きさを大きくして、手で十分締められるようにしてもよい。
【0037】
ホルダーの材質としてはステンレス等の金属;ポリエチレン、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の混合物等のプラスチックなどが挙げられるが、生体試料の吸着が少ないポリエーテルエーテルケトンやフッ素樹脂が好ましい。また、本発明のフィルターの素材に用いられるものも必要に応じて用いられる。また、生体試料の吸着が起こり易い材質のもの、例えば、ステンレスのようなものは、シリコーン被膜でコーティングしてもよい。
【0038】
図4は、本発明のフィルター1がホルダー3内に装着されて構成されているラインフィルター5の断面図である。ラインフィルター5においては、ホルダー3の半体3aの薄い円板状の空間部33aに本発明のフィルター1が収められている。
【0039】
ホルダー3とフィルター1との間の気密性を十分保てない場合は、ホルダー3とフィルター1の間にシール部材2を設ける必要がある。具体的には、ホルダー3とフィルター1の間に隙間ができないように、図5(イ)、(ロ)に示すように、フィルター1をシール部材2で囲む方法がある。
【0040】
上記シール部材の材質は、フィルターを保持できる強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ポリエーテルエーテルケトン、フッ素樹脂、ポリエーテルエーテルケトンとフッ素樹脂の混合物、ステンレスなどが挙げられる。シール部材の大きさ及び形状については、フィルターの形状にフィットした形状が好ましく、しかも、試料の拡散を起こさない大きさ及び形状が好ましい。
【0041】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターが装着されたことを特徴とする。以下、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムについて説明する。
【0042】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、本発明のフィルターがカラムの試料導入側及び試料導出側のフィルターとして装着されている。すなわち、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムは、図6に示すように、フィルター1として本発明のフィルターが装着されている他は、図8に示した従来の液体クロマトグラフィー用カラムと同様である。
【0043】
本発明のフィルター及びカラムは、生体試料の吸着が特に少ない。従って、本発明のフィルター又はカラムを用いた液体クロマトグラフィーは、生体試料の分離に特に適している。上記生体試料とは、血液、血清、血漿、尿などの生体由来の試料を指し、その中には、蛋白質や脂質などが含まれているものである。
【0044】
本発明のフィルターを用いた液体クロマトグラフィー用カラムにおいて、カラム本体(カラムの管部分)の材質は、カラム本体としての強度を有するものであれば特に限定されず、例えば、ステンレス、チタン等の金属;ポリエーテルエーテルケトン等のプラスチック;ガラス;ステンレス等の金属の内面をフッ素樹脂又はポリエーテルエーテルケトン等で被覆したものなどが挙げられる。
【0045】
上記カラム本体の試料が接する部位は、本発明のフィルターの表面素材として用いる素材で被覆されてもよい。
【0046】
上記カラム本体は、必要に応じて、シリコーン被膜でコーティングされてもよい。上記シリコーン被膜とは、シリコーンから得られる被膜であれば特に限定されない。上記シリコーンとしては、被膜を形成できるものであれば特に限定されず、例えば、オイル、ワニス、ゴム、シランなどの種類がある。好ましくは、硬化型シリコーンゴムである。シリコーン被膜を形成させる方法には、室温又は加熱して、図11に示すようなベースポリマーと架橋剤(図11におけるXは、例えば、メトキシ基、ケトオキシム基、アセトキシ基のような加水分解性の有機基)を縮合、又は、付加反応、又は、UV硬化反応などさせる方法があり、いずれも用いることができる。好ましくは、縮合、又は、付加反応が良い。
【0047】
シリコーン被膜の厚さは、好ましくは、0.1nm〜100μm、より好ましくは、0.5nm〜10μm、最も好ましくは、0.7nm〜2μmである。
【0048】
上記シリコーン被膜でカラム本体をコーティングする場合、カラム本体全体をコーティングする必要はなく、少なくとも分析試料が接触する部分(すなわち、カラム本体内側)がコーティングされていればよい。
カラム本体内側のコーティングの割合は、内側部の全表面積に対して、好ましくは、10%以上、より好ましくは、30%以上、最も好ましくは、60%以上である。
【0049】
上記のシリコーン被膜でコーティングされたカラム本体を製造するには、上記記載のカラム本体に硬化型シリコーンを塗布、又はコーティングし、室温、又は、加温して硬化させる方法が挙げられる。
【0050】
また、上記カラム本体は、必要に応じて、二酸化珪素膜が形成され、次いでシリル化処理がなされていてもよい。このような処理をカラム本体に施す方法としては、前述のフィルターをこのように処理する方法と同様である。
【0051】
また、上記カラム本体は、必要に応じて、ブロッキング試薬でブロッキングされてもよい。上記ブロッキング試薬及びブロッキング方法としては、フィルターに用いられるブロッキングとして前述したものと同様である。
【0052】
本発明のフィルターを用いた液体クロマトグラフィーにおいて、溶離液などの移動相は、公知のものでよい。また、液体クロマトグラフ装置も公知のものでよい。
【0053】
本発明のカラムを用いた液体クロマトグラフィーにおいて、溶離液などの移動相は、公知のものでよく、また、液体クロマトグラフ装置も公知のものでよい。
【0055】
本発明の請求項記載のヘモグロビン類の測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを用いることを特徴とする。
【0056】
【作用】
本発明のフィルターは、その表面が生体試料の吸着が起こりにくい材質で構成されているので、フィルター寿命が長く、また、同様に、試料の吸着が少ないので、フィルター中で試料の拡散が起こりにくいため、分離性能に悪影響を与えない。
更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されているフィルターにおいては、上記の作用の全てを奏すると共に、更に、より一層、生体試料の吸着が起こりにくいため、生体試料の液体クロマトグラフ測定に使用すると、測定の最初から正確な測定値を得ることができる。
【0057】
本発明のカラムは、本発明のフィルターを装着しているので、寿命が長く、分離性能に悪影響を与えない。
【0059】
本発明の請求項記載のヘモグロビン類の測定方法は、本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターを用いたカラムを用いるので、ヘモグロビン類が吸着しにくいため、カラム寿命が長い。また、同様に、フィルターにヘモグロビン類が吸着しにくいので、カラム中でヘモグロビン類の拡散が少なく、ヘモグロビン類を効果的に分離できる。また、ヘモグロビン類の分離に適したpH範囲において、ヘモグロビン類の吸着が非常に起こりにくいので、ヘモグロビン類が効果的に分離できる。
【0060】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施例及び比較例を挙げることにより、本発明を詳細に説明する。
【0061】
(実施例1)
図1(イ)に示した形状のフィルター1をポリエチレン樹脂の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をポリエーテルエーテルケトン製のシール部材2に挿入した後、図4に示すように、ステンレス製ホルダー3(頂角A=90度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0062】
(実施例2)
実施例1と同様にして得られた本発明のフィルター1をポリエーテルエーテルケトン製のシール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケトン製のホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0063】
(実施例3)
図1(イ)に示した形状のフィルター1をチタンの一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケトン製のホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0064】
(実施例4)
図1(イ)に示した形状のフィルター1をポリプロピレン樹脂の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をポリエーテルエーテルケトン製のシール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケトン製のホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0065】
(実施例5)
図1(イ)に示した形状のフィルター1をステンレス焼結体の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、従来の技術の項に記載したCLD法により、二酸化珪素被膜をフィルターに形成させる処理をした。具体的には、日本曹達社製アトロンをHPLC用ポンプ(島津製作所社製)を用いて、上記フィルターの内部まで通液した後、余剰の液をフィルター内部から除去した。その後、200℃で30分間乾燥し、次に、500℃で30分間加熱し、二酸化珪素被膜を形成させた。
次に、このフィルターをヘキサメチルジシラザンでシリル化処理した。
次に、このフィルターをフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケトン製ホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0066】
(比較例1)
図1(イ)に示した形状のフィルターを、ステンレス焼結体の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径5mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルターをフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に挿入した後、ステンレス製ホルダー3(頂角A=90度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0067】
(比較例2)
実施例5と同様のステンレス焼結体の一体成形品として製造したフィルターに、実施例5と同様にして二酸化珪素被膜を形成させた後、このフィルターをヘキサメチルジシラザンでシリル化処理することなく、フッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2に挿入した後、ポリエーテルエーテルケトン製ホルダー3(頂角A=150度)に嵌め込み、半体3a及び3b同士をネジ結合して、ラインフィルター5を作製した。
【0068】
実施例1〜5及び比較例1、2で得られたラインフィルターを用いて以下のようにして、(1)吸着性の評価、及び(2)生体試料の吸着性とpH(pH5.0、pH6.0、pH7.0)の関係の評価を行った。
【0069】
(1)吸着性の評価
以下に示した測定条件を用い、実施例1〜5又は比較例1、2で作製したラインフィルターのみを用いて(すなわち、カラムは使用せず)、ヘモグロビン類の測定をすることにより、生体試料の吸着性について検討した。
測定条件
Figure 0003990503
測定開始より0〜3分の間は溶離液Aを流し、3〜5分の間は溶離液Bを流し、5〜10分の間は溶離液Aを流した。
流速:2.0ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0070】
測定試料
以下のようにして調製した糖負荷血液を用いた。
血液抗凝固剤としてフッ化ナトリウムを用いて採血した健常人血に、500mg/dlとなるようグルコース水溶液を添加し、37℃で3時間反応させた後、溶血希釈液X(0.1重量%トリトンX−100のリン酸緩衝液溶液、pH7.0)で溶血し、150倍に希釈して測定試料とした。
【0071】
測定結果
上記測定条件により、測定試料を測定して得られた代表的なクロマトグラムを図9(イ)(ラインフィルター使用せず)、図9(ロ)(実施例1〜5のラインフィルター使用)、図9(ハ)(比較例1又は2のラインフィルター使用)に示した。ピーク61はヘモグロビン類のピークを示す(なお、カラムで分離されていないので単一のピークとなっている)。ピーク62は、溶離液Aではフィルタに吸着したヘモグロビン類が溶離液Bによって脱着したために表れたピークと思われる。
【0072】
評価方法
ラインフィルターを装着せずに、測定試料を測定したときのヘモグロビン類のピーク面積を100%として、実施例1〜5、比較例1、2のラインフィルターを用いて測定(n=5)したときのヘモグロビン類のピーク面積(ピーク61の面積)から、以下の式により溶離液Aによる回収率を求め、結果を表1に示した。
回収率(%)=(ラインフィルター装着時のヘモグロビン類のピーク面積)÷(ラインフィルター装着なし時のヘモグロビン類のピーク面積)×100
【0073】
【表1】
Figure 0003990503
【0074】
比較例1、2では、回収率の平均値が、それぞれ56.40%、58.80%であったのが、実施例1〜5では、回収率の平均値がそれぞれ97.70%、97.98%、97.40%、96.08%、97.86%であった。以上より、実施例1〜5のラインフィルターを用いたものでは、比較例1、2のラインフィルターを用いたものに比べてヘモグロビン類の吸着が少なかったことがわかる。
【0075】
また、表1(及び後述の表2〜4)における、CV(%)とは変動係数(すなわち、CV(%)=標準偏差÷平均値×100)のことであるが、比較例1、2のラインフィルターを用いたものは、実施例1〜5のラインフィルターを用いたものに比較してCVがはるかに大きく、ヘモグロビン類の吸着量のばらつきが大きいことが分かる。
【0076】
(2)生体試料の吸着性とpHの関係の評価
以下に示した測定条件を用い、実施例1〜5又は比較例1、2で作製したラインフィルターのみを用いて(すなわち、カラムは使用せず)、ヘモグロビン類の測定をすることにより、生体試料の吸着性とpH(pH5.0、pH6.0、pH7.0)の関係を評価した。
【0077】
測定条件
Figure 0003990503
測定開始より0〜3分の間は溶離液Aを流し、3〜5分の間は溶離液Bを流し、5〜10分の間は溶離液Aを流した。
流速:2.0ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0078】
測定試料
血液抗凝固剤としてフッ化ナトリウムを用いて採血した健常人血を、溶血希釈液X(0.1重量%トリトンX−100のリン酸緩衝液溶液、pH7.0)で溶血し、150倍に希釈して測定試料とした。
【0079】
評価方法
ラインフィルターを装着せずに、測定試料を測定したときのヘモグロビン類のピーク面積を100%として、実施例1〜5又は比較例1、2で得られたラインフィルターを用いて測定(n=5)したときのヘモグロビン類のピーク面積から、以下の式により溶離液Aによる回収率を求め、結果を表2〜4に示した。
回収率(%)=(ラインフィルター装着時のヘモグロビン類のピーク面積)÷(ラインフィルター装着なし時のヘモグロビン類のピーク面積)×100
【0080】
【表2】
Figure 0003990503
【0081】
【表3】
Figure 0003990503
【0082】
【表4】
Figure 0003990503
【0083】
比較例1では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均13.56%、76.52%、91.98%であった。また、CV%は、pHが低くなるほど悪くなり、pH5.0で、37.27%であった。
比較例2では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均24.66%、77.04%、91.70%であった。また、CV%は、pHが低くなるほど悪くなり、pH5.0で、12.21%であった。
実施例1では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均96.64%、97.86%、97.94%であった。
実施例2では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均97.72%、98.22%、98.46%であった。
実施例3では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均97.64%、98.16%、98.48%であった。
実施例4では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均96.26%、97.20%、97.28%であった。
実施例5では、pH5.0、pH6.0、pH7.0での回収率がそれぞれ平均97.98%、98.28%、98.42%であった。
また、実施例1〜5でのCV%は、いずれのpHにおいても、1%以下であった。
【0084】
以上より、比較例1のステンレス製フィルター;比較例2のステンレス製フィルターに二酸化珪素膜を被覆したもののいずれにおいても、ヘモグロビン類の吸着性は、pHの影響を非常に強く受けることが明らかになった。また、ヘモグロビン類の定量には、通常、pH5〜9程度の溶離液を用いるのが一般的であるので、ステンレス製フィルターではヘモグロビン類の吸着が極めて大きくなり、吸着率も大きくばらつくので、ステンレス製フィルターをヘモグロビン類の測定に用いるとフィルター寿命が短くなり、データーのばらつく原因になると考えられる。
実施例1〜5の本発明のフィルターでのヘモグロビン類の吸着性は、pH9.0から酸性側5.0付近までのpHの影響を受けず、回収率もほぼ100%であった。
以上より、ヘモグロビン類の測定に用いるフィルターとしては、広いpHの範囲でヘモグロビン類の吸着が殆どない本発明のフィルターを用いた方がよいことが明らかである。
【0085】
(実施例6)
図1(イ)に示したフィルター1を、ポリエチレン樹脂の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をポリエーテルエーテルケトン製のシール部材2(外径6.3mm、内径4.6mm、厚さ1.5mm)に挿入した後、これを図6に示したステンレス製カラム本体40(内径4.6mm、長さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエンドフィッティング42に装着した。
【0086】
上記のカラム本体40に、以下のようにして調製した充填剤を、以下に示すカラムの作製の項で述べるようにして充填して、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
・充填剤の調製
テトラエチレングリコールジメタクリレート(新中村化学社製)400g及び2−アクリルアミド−2−メチルスルホン酸(和光純薬社製)150gの混合物にベンゾイルパーオキサイド(重合開始剤、和光純薬社製)1.5gを溶解した。これを、4重量%ポリビニルアルコール(日本合成化学社製)水溶液2500mlに分散させ、攪拌しながら窒素雰囲気下で75℃に昇温し、8時間重合した。重合後、洗浄し、乾燥した後、分級して平均粒径6μmの粒子を得た。
・カラムの作製
カラム1本あたり、上記充填剤1.0gを、50mMリン酸緩衝液(pH6.0)30mlに分散し、5分間超音波処理した後、よく攪拌した。全量を上記のステンレス製カラム本体40(内径4.6φ×35mm)を接続したパッカー(梅谷精機社製)に注入した。パッカー(梅谷精機社製)に送液ポンプ(サヌキ工業社製)を接続し、上記充填剤を上記ステンレス製カラム本体40に圧力300kg/cm2 で定圧充填した後、エンドフィッティング42とカラム本体40を螺合して本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0087】
(実施例7)
図1(イ)に示したフィルター1を、チタンの一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2(外径6.3mm、内径4.6mm、厚さ1.5mm)に挿入した後、これを図6に示したステンレス製カラム本体40(内径4.6mm、長さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエンドフィッティング42に装着した。
【0088】
上記のカラム本体40に、実施例6と同様の充填剤を、実施例6と同様にして充填して、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0089】
(実施例8)
図1(イ)に示したフィルター1を、ポリプロピレン樹脂の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、このフィルター1をポリエーテルエーテルケトン製のシール部材2(外径6.3mm、内径4.6mm、厚さ1.5mm)に挿入した後、これをシリコーン処理したステンレス製カラム本体40(直径4.6mm、長さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエンドフィッティング42に装着した。
【0090】
なお、上記のシリコーン処理したステンレス製カラム本体は、以下のようにして作製した。2液型硬化型シリコーンを用い、上記カラム本体をシリコーンコーティングした後、100℃で30分間加熱して、乾燥・硬化させ、均一なコーティング層を形成させた。
【0091】
上記のカラム本体40に、実施例6と同様の充填剤を実施例6と同様にして充填して、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0092】
(実施例9)
図1(イ)に示したフィルター1を、ステンレス焼結体の一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。
次に、従来の技術の項に記載したCLD法により、二酸化珪素被膜をフィルターに形成させる処理をした。具体的には、日本曹達社製アトロンをHPLC用ポンプ(島津製作所社製)を用いて、上記フィルター1の内部まで通液した後、余剰の液をフィルター内部から除去した。その後、200℃で30分間乾燥し、次に、500℃で30分間加熱し、二酸化珪素被膜を形成させた。
次に、このフィルター1をヘキサメチルジシラザンでシリル化処理した。
次に、このフィルター1をフッ素樹脂(テフロン)製のシール部材2(外径6.3mm、内径4.6mm、厚さ1.5mm)に挿入した後、これをシリコーン処理したステンレス製カラム本体40(直径4.6mm、長さ35mm)のカラム両端に取り付けるためのエンドフィッティング42に装着した。
【0093】
なお、上記のシリコーン処理したステンレス製カラム本体の作製方法は、実施例8と同様である。
【0094】
上記のカラム本体40に、実施例6と同様の充填剤を実施例6と同様にして充填して、本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0095】
(比較例3)
ステンレス焼結体の一体成形品として製造したフィルターを用いたことの他は、実施例6と全く同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0096】
(比較例4)
ステンレス焼結体の一体成形品として製造したフィルターを、実施例9と同様にして二酸化珪素被膜を形成させて製造したフィルター(シリル化処理はせず)を用いたことの他は、実施例6と全く同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0097】
実施例6〜9及び比較例3、4で得られた液体クロマトグラフィー用カラムを用いて以下のようにして、ヘモグロビン類の測定を行うことにより、該カラムの分離性能に与える評価を行った(なお、ラインフィルターは用いなかった)。
測定条件
得られたカラムを以下の液体クロマトグラフに取り付けた後、以下の測定を行った。
Figure 0003990503
測定開始より0〜5分の間は溶離液Aを流し、5〜6分の間は溶離液Bを流し、6〜10分の間は溶離液Aを流した。
流速:1.6ml/分
検出波長:415nm
試料注入量:10μl
【0098】
測定試料
実施例1の(1)吸着性の評価の項で用いた測定試料と同様の方法で調製したもの。
【0099】
測定結果
上記測定条件により、試料を測定して得られたクロマトグラムを図10(イ)(実施例6〜9の液体クロマトグラフィー用カラムを用いたもの)、図10(ロ)(比較例3又は4の液体クロマトグラフィー用カラムを用いたもの)に示した。ピーク51はHbA1a及びHbA1b、ピーク52はHbF、ピーク53は不安定型HbA1c、ピーク54は安定型HbA1c、ピーク55はHbA0を示す。この結果、実施例6〜9の液体クロマトグラフィー用カラムを用いたものでは、比較例3又は4の液体クロマトグラフィー用カラムを用いたものに比較して分離性能に優れていることが分かる。
【0100】
(実施例10)
実施例6で得られたポリエチレンフィルター1に、0.1重量%ヘモグロビン水溶液を通液し、ブロッキング処理した。また、カラム本体は、実施例8と同様にシリコーンコーティングした。上記フィルター及びカラム本体を用いた以外は、実施例6と同様にして本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0101】
(実施例11)
実施例7で得られたチタンフィルター1に、0.1重量%ウシ血清アルブミン水溶液を通液し、ブロッキング処理した。また、カラム本体は、実施例8と同様にシリコーンコーティングした。上記フィルター及びカラム本体を用いた以外は、実施例6と同様にして本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0102】
(実施例12)
実施例8で得られたポリプロピレンフィルター1に、0.1重量%ウシ血清アルブミン水溶液を通液し、ブロッキング処理した。また、カラム本体は、実施例8と同様にシリコーンコーティングした。上記フィルター及びカラム本体を用いた以外は、実施例6と同様にして本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0103】
(実施例13)
実施例9で得られたフィルター1(シリル化処理二酸化珪素被覆ステンレス焼結体フィルター)に、0.1重量%カゼイン水溶液を通液し、ブロッキング処理した。また、カラム本体は、実施例9のフィルター処理と同様にして、二酸化珪素膜を形成させた後、ヘキサメチルジシラザンでシリル化処理した。上記フィルター及びカラム本体を用いた以外は、実施例6と同様にして本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0104】
(比較例5)
図1(イ)に示したフィルターをポリエーテルエーテルケトンの一体成形品として製造した。その構造の詳細は、直径4.6mm、厚さが1.5mmの円柱体からなり、濾過孔径は2μmとした。このフィルターを用いたこと以外は、実施例6と同様にして液体クロマトグラフィー用カラムを製造した。
【0105】
実施例6、7、10〜13及び比較例3〜5で得られた液体クロマトグラフィー用カラムを用いて、実施例6と同様にして、ヘモグロビン類の測定を行うことにより、該カラムの分離性能に与える評価を行った。
【0106】
測定試料
健常人血液を溶血したものであって、後述の定義による安定型HbA1c濃度が4.5%であるものを用いた。
【0107】
測定結果
試料を5回連続して測定し、得られたクロマトグラムから、以下の式で定義される安定型HbA1c濃度を求め、測定回数と安定型HbA1c濃度の関係を表5に示した。
安定型HbA1c濃度(%)=(安定型HbA1cピークの面積)÷(全ヘモグロビンピークの面積の和)×100
【0108】
【表5】
Figure 0003990503
【0109】
比較例3のカラムでは、安定型HbA1c濃度は、測定1回目から5回目にかけて、3.5%から3.9%に上昇した。
比較例4のカラムでは、安定型HbA1c濃度は、測定1回目から5回目にかけて、3.6%から4.1%に上昇した。
比較例5のカラムでは、安定型HbA1c濃度は、測定1回目から5回目にかけて、3.9%から4.3%に上昇した。すなわち、これらのカラムでは、測定初期では正確な値が得られないことがわかる。
一方、実施例6又は7のカラムでは、測定1回目〜3回目までは安定型HbA1c濃度は4.4%であったが、測定4回目と5回目では、4.5%となり、正確な値が得られた。更に、ブロッキングしたフィルター及びシリコーンコーティング(又は二酸化珪素膜被覆をシリル化処理)したカラム本体を用いた実施例10〜13のカラムでは、測定1回目から安定型HbA1c濃度は4.5%と正確な値が得られた。
【0110】
【発明の効果】
本発明の請求項1記載の液体クロマトグラフィー用フィルターの構成は、上記の通りであり、その表面が生体試料の吸着が起こりにくい材質で構成されているので、フィルター性能の寿命が長く、しかも、試料の吸着が少ないので、フィルター中で試料拡散が起こりにくいため、分離性能に悪影響を与えない。
本発明の請求項記載の液体クロマトグラフィー用フィルターの構成は、上記の通りであり、更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されているので、上記の効果の全てを奏すると共に、更に、より一層、生体試料の吸着が起こりにくいため、生体試料の液体クロマトグラフ測定に使用すると、測定の最初から正確な測定値を得ることができる。
【0111】
本発明の請求項記載の液体クロマトグラフィー用カラムの構成は、上記の通りであり、生体試料の吸着がおこりにくい材質で構成されているフィルターを用いているので、寿命が長く、分離性能に悪影響を与えない。
【0112】
本発明の請求項記載の液体クロマトグラフィー用カラムの構成は、上記の通りであり、更にカラム本体がシリコーン被膜でコーティングされているので生体試料の吸着がより起こりにくくなり、カラム寿命がより一層長くなると共に、分離性能に悪影響をより一層与えない。
【0113】
本発明の請求項記載の液体クロマトグラフィー用カラムの構成は、上記の通りであり、更に、カラム本体がブロッキング試薬でブロッキング処理されているので、請求項記載のカラムの効果に加えて、測定の最初からより正確な測定値を得ることができる。
【0115】
本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを用いるヘモグロビン類の測定方法の構成は、上記の通りであり、広いpHの範囲でヘモグロビン類の吸着が少ない材質で構成されているフィルターを用いたカラムを用いているので、カラムの寿命が長い。また、ヘモグロビン類の吸着が少ないフィルターを用いているので、カラム中でのヘモグロビン類の拡散が起こりにくいためヘモグロビン類分析の分離性能に悪影響を与えない。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターの例を示す断面図。
【図2】本発明のフィルターが装着されるホルダーの一例を示す断面図。
【図3】本発明のフィルターが装着されるホルダーの他の例を示す断面図。
【図4】本発明のフィルターがホルダー内に装着されて構成されているラインフィルターの断面図。
【図5】本発明の液体クロマトグラフィー用フィルターを示す図であり、図5(イ)はその断面図。図5(ロ)は平面図。
【図6】本発明の液体クロマトグラフィー用カラムを示す断面図。
【図7】液体クロマトグラフのシステムの構成を示す説明図。
【図8】従来の液体クロマトグラフィー用カラムを示す断面図。
【図9】測定試料を測定して得られたクロマトグラム。
【図10】測定試料を測定して得られたクロマトグラム。
【図11】シリコーン被膜を形成させるための反応の例を示す図。
【符号の説明】
1 液体クロマトグラフィー用フィルター
2 シール部材
3 ホルダー
3a、3b 半体
31a、31b 円柱状の空間部
32a、32b 円錐状の空間部
33a 円板状の空間部
34a、34b 被覆部
5 ラインフィルター

Claims (4)

  1. 少なくとも表面素材が、セルロース系樹脂、フッ素系樹脂、スルホン系樹脂、ポリエチレン、エチレンのアルキル誘導体の重合体、アクリル系樹脂、ナイロン、炭化物セラミック、窒化物セラミック、珪化物セラミック、硼化物セラミック、表面がシリル化処理された二酸化珪素、ガラス及びチタンからなる群より選ばれる少なくとも一種よりなる、又は、これらを複数組み合わせてなる液体クロマトグラフィー用フィルターが装着された液体クロマトグラフィー用カラムであって、更に、カラム本体がシリコーン被膜でコーティングされていることを特徴とする液体クロマトグラフィー用カラム。
  2. 更に、カラム本体がブロッキング試薬でブロッキング処理されていることを特徴とする請求項記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
  3. 液体クロマトグラフィー用フィルターが、更に、ブロッキング試薬でブロッキング処理されていることを特徴とする請求項1又は2記載の液体クロマトグラフィー用カラム。
  4. 請求項1〜3のいずれかに記載の液体クロマトグラフィー用カラムを用いることを特徴とするヘモグロビン類の測定方法。
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