JP2012025962A - ペルオキシジカーボネートの製造方法及びモノマーのラジカル重合におけるその使用 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドを少なくとも一つのハロホルメート、少なくとも一つの分散剤及び水の混合物に添加する。全反応を通じて混合物を均一化してペルオキシジカーボネートを製造する。水性混合物中でペルオキシジカーボネートを1〜10μmの小滴として分散させる。エチレン系不飽和モノマーを含む重合反応槽に全混合物を添加する。ペルオキシジカーボネートはフリーラジカル開始剤として作用し、モノマーを重合させる。ペルオキシジカーボネートは有機溶媒及び可塑剤を実質的に含まない。得られたポリマーは高品質である。
【選択図】なし
Description
WO 97/27229は、重合反応槽の外部において二段階工程でペルオキシジカーボネートを製造し、水不溶性液体のジアルキルアルカンジカルボキシレートを添加することによってこの問題を解決することを提案している。ジアルキルアルカンジカルボキシレートは得られたポリマーの可塑剤であり、ポリマーの固体の適用にとって望ましくない。さらに二段階工程は取り扱いにくく余分な装置が必要である。
米国特許第4,359,427−A号、英国特許第1,484,675−A号及びWO 97/27229の全てが、クロロホルムをアルカリ金属オキシドと反応させることによってペルオキシジカーボネートが製造可能であることを教示している。
米国特許第4,359,427−A号及びJ. Am. Chem. Soc., 1950, 72, 1254-1263は、アルカリ金属ペルオキシドをクロロホルメートと反応させることによってペルオキシジカーボネートを製造する方法を開示している。
(a)少なくとも一つの無機ペルオキシドを少なくとも一つのアルカリ金属ヒドロキシドと反応させる工程、
(b)均一化手段と冷却手段を備えた第2の反応槽に、少なくとも一つのハロホルメート、少なくとも一つの分散剤及び水を仕込む工程、
(c)第2の反応槽の内容物の混合を開始する工程、及び
(d)第1の反応槽中で生成した少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽に供給し、実質的に全てのアルカリ金属ペルオキシドがハロホルメートと反応してペルオキシジカーボネートを生成するまで第2の反応槽の内容物を均一化する工程。
式中、R及びR1は同一又は異なる2〜16の炭素原子を含む有機基である。
該ペルオキシジカーボネートのR及びR1は、2〜8の炭素原子を含む同一の有機基であることが便宜である。
有利には、該ペルオキシジカーボネートのR及びR1をエチル、n−プロピル、及び第2ブチルから成る群から選択する。
好ましくは、ペルオキシジカーボネートのR及びR1はエチル基である。
ペルオキシジカーボネートはジ−エチルペルオキシジカーボネートであることが便宜である。
有利には、ハロホルメートはクロロホルメートである。
好ましくは、アルカリ金属ヒドロキシドは水酸化ナトリウムである。
無機ペルオキシドは過酸化水素であるのが便宜である。
好ましくは、分散剤は加水分解が約70%〜約90%である加水分解したポリ酢酸ビニルである。
第2の反応槽の内容物を40℃より低い温度に保持することが便宜である。
第2の反応槽の内容物を22℃より低い温度に保持することが有利である。
第2の反応槽の内容物を約0℃〜約10℃の温度に保持することが好ましい。
アルカリ金属ペルオキシドを、約2分〜約20分の期間にわたって計量して第2の反応槽に供給することが便宜である。
好ましくは、第2の反応槽に存在するハロホルメートの各2モルに対して、1モルのアルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽に供給する。
好ましくは、第2の反応槽に撹拌機を取り付けてペルオキシジカーボネートを撹拌する。
アルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽に供給する前に、アルカリ金属ペルオキシドを約0℃〜約10℃の温度まで冷却することが便宜である。
第2の反応槽の内容物を、いずれかのアルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽に供給する前に、部分的に均一化することができる。
本発明の他の観点に従うと、以下の工程を含む少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマーの重合法が提供される:
(a)上記の方法で少なくとも一つのペルオキシジカーボネートを製造する工程、
(b)重合反応槽に少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマー、水、分散剤及び(a)で製造したペルオキシジカーボネートを添加する工程;
(c)エチレン系不飽和モノマーの転換が所望の程度になるまで重合反応を行いポリマーを形成する工程;
(d)重合反応槽からポリマーを取り出す工程;
(e)ポリマーからエチレン系不飽和モノマーをストリッピングする工程、及び
(f)ポリマーを脱水及び乾燥して流動性の粉末形態とする工程;
ここで、第1の反応槽及び第2の反応槽を重合反応槽の外部に配置する。
エチレン系不飽和モノマーが塩化ビニルモノマーであることが便宜である。
好ましくは、ペルオキシジカーボネートは有機溶媒及びポリマーの可塑剤を実質的に含まない。
本発明に従う好ましい方法において、アルカリ金属ヒドロキシドは水酸化ナトリウムであり、無機ペルオキシドは過酸化水素であり、分散剤は加水分解が約70%〜約90%である加水分解したポリ酢酸ビニルである。第2の反応槽の内容物の温度を約0℃〜約10℃に保持し、アルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽へ供給する前にその温度を約0℃〜約10℃に冷却することが好ましい。
(e)第2のクロロホルメートを第2の反応槽へ放出し、追加量のアルカリ金属ペルオキシドを計量して第2の反応槽へ供給して第2のペルオキシジカーボネートを生成し、一方実質的に全ての第2のクロロホルメートがアルカリ金属ペルオキシドと反応して第2のペルオキシジカーボネートを生成するまで第2の反応槽の内容物を連続して均一化する工程、及び
(f)それぞれ所望の追加のペルオキシジカーボネートに対して工程(e)を反復する工程。
(a)冷却手段及び直列の均一化手段を取り付けたラインであって、該ラインが重合反応槽に結合しているライン中に、少なくとも一つのハロホルメート、少なくとも一つの分散剤及び水を注入する工程、
(b)少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドを計量してラインに供給する工程、
(c)ライン中で混合物を均一化してペルオキシジカーボネートを製造する工程、
(d)ライン中のペルオキシジカーボネートを、エチレン系不飽和モノマー、分散剤及び水を含む重合反応槽へ注入する工程、
(e)重合反応槽中で所望の程度までモノマーの重合を行ってポリマーにする工程、
(f)重合反応槽からポリマーを取り出す工程、
(g)残渣モノマーをポリマーからストリッピングし、ポリマーを脱水し乾燥して流動性の粉末形態とする工程。
好ましくは、エチレン系不飽和モノマーは塩化ビニルモノマーである。
有利には、重合を約40℃〜約70℃の温度で行う。
ペルオキシジカーボネートがジ−エチルペルオキシジカーボネートであり、アルカリ金属ペルオキシドが過酸化ナトリウムであり、かつペルオキシジカーボネートが1〜10μmの小滴を形成するのに十分な程度に均一化されていることが便宜である。
本発明を例によって記載する。
第2の反応槽で使用する反応物の量は、各2モルのハロホルメートに対してアルカリ金属ペルオキシド1モルである。好ましい反応物について反応を以下のように示すことができる:
本発明の大規模反応に適していることが分かったホモジナイザー装置の型は、アルドバリンコ(Arde Barinko)ホモジナイザーである。この型のホモジナイザー装置は第2の反応槽の反応物中に伸びるシャフトを有している。シャフトの末端は固定したステーター中に狭いスリット(歯)を有しており、該ステーターはステーター中の歯に対して角度のある歯を有する回転ディスクを有していて、ステーター中の狭いスリットを通して反応物が導入されかつ繰り返して循環されている。実験室規模の小さい反応では、組織破砕機型のホモジナイザー、例えばフィッシャーシーンティック(Fisher Schientic)の#15-338-51を使用することができる。
塩化ビニルモノマーからPVCを製造する水性懸濁方法において、重合方法は通常約0℃〜100℃の温度範囲で行われる。しかしながら、約40℃〜約70℃の温度範囲を採用することが好ましく、その理由はこの温度において最も有用な性質を有するポリマーが製造されるからである。重合反応の時間は約2〜約15時間、好ましくは3〜6時間の範囲で変化する。PVCを製造する水性懸濁方法は、塩化ビニルモノマーに加えて水、分散剤、フリーラジカル開始剤を含み、かつ任意に他の成分、例えば緩衝剤、重合停止剤等を含むことができる。PVCを製造する水性懸濁方法はバッチ式の反応方法であり、次いで反応槽を出た後は連続方式となる。工程の連続する部分は、PVCポリマーから残渣の塩化ビニルモノマーをストリッピングする工程及び引き続く重合でさらに使用するためにモノマーを回収する工程を含む。さらに、ポリマー粒子を脱水しかつ乾燥して流動性粉末とするが、これらは全て本技術分野でよく理解されている。
本発明で製造したペルオキシジカーボネートをペルオキシジカーボネートの製造反応の副生物と共にPVC反応槽に仕込んで塩化ビニルモノマーの重合を開始する。PVC反応槽に仕込む成分の順序は臨界的ではないが、反応槽の内容物が所望の重合温度に達した後でペルオキシジカーボネートを仕込むことが好ましい。所望の重合温度に達する前にペルオキシジカーボネートを添加すると、それのいくらかは低い温度で使用されてしまい、その結果重合のために存在する開始剤が少ないこととなる。これを補償するために過剰のペルオキシジカーボネートを添加することができるが、費用が増加することから望ましくない。
PVC重合反応で使用する特定の型のペルオキシジカーボネートの量及び選択は、所望の反応温度及び所望の全反応サイクル時間に依存して変化する。所望の全反応サイクル時間を通常PVC反応から熱を除去することが可能な速度によって決定する。熱を除去する速度は、いくつかの因子、例えば冷却に利用可能な反応槽の表面積、冷却媒体の温度、及び熱転移の係数に依存する。PVC反応槽に還流冷却器を取り付けて冷却速度を増加させることができ、かつ反応槽ジャケット及びバッフルのような内部冷却表面に冷却水を使用することができる。
本発明の一つの重要な利点は、ペルオキシジカーボネートを製造する反応槽の全内容物を、PVC重合反応槽に仕込むことができることである。先行技術の方法で教示されているような、ペルオキシジカーボネートの精製又は溶媒若しくは可塑剤によるその希釈は不必要である。
必要に応じて、必要なときにバッチでペルオキシジカーボネートを製造することが好ましい。これにより、ペルオキシジカーボネートを貯蔵する必要がなくなる。当然のことながら、本発明によりペルオキシジカーボネートを製造し後で使用するために貯蔵することができるが、これは望ましくない。
ペルオキシジカーボネートを製造する方法及び高品質のPVCポリマーの製造に引き続き使用することを示すために以下の実施例を記載する。
本実施例では、本発明の方法によってジ−エチルペルオキシジカーボネートを製造する。ペルオキシジカーボネートの製造をドラフトチャンバー内で行う。アルドバリンコ(Arde Barinko)ホモジナイザーユニットを使用する。15リットルのビーカーを、約−10℃に保持したアセトン−ドライアイス冷却槽内に置く。さらに、エチレングリコール冷却コイルをビーカー内に設置する。適切な場所に取り付けたガラス温度計で、反応混合物と外部冷却槽の両者の温度を連続して監視する。冷却コイルを4℃〜10℃で操作する。1200mlの水を15リットルの鋼ビーカーに入れ、次いで72.5%加水分解したポリ酢酸ビニル分散剤を5質量%含む水1,000ml及び541ml(596グラム)のエチルクロロホルメートを入れる。この混合物をアルドバリンコ(Arde Barinko)ホモジナイザーで約1分間均一化して、エチルクロロホルメートの乳剤の形成を容易にする。
氷槽中に置いた別のガラスビーカーにおいて、5質量%の水酸化ナトリウムを含む水4154ml(4391グラム)を30質量%の過酸化水素を含む水280ml(311グラム)と混合した。ガラスビーカー中で機械的撹拌を行った。混合物を約5分間機械的に撹拌して、以下の式で表されるように過酸化ナトリウム(これは水酸化ナトリウムと過酸化水素から等量で製造される)の製造を容易にした:
ガラスの滴下ロートから過酸化ナトリウムを滴々と加え、添加速度を手動で調整して反応温度が10℃を上回らないようにした。過酸化ナトリウムとエチルクロロホルメートの反応を以下の式で表すことができる:
100%の収率は、製造されたジ−エチルペルオキシジカーボネート489グ
ラムになる。
活性酸素ベースで同じ活性を達成するために、ジ−エチルペルオキシジカーボネート以外の異なるペルオキシジカーボネートを製造しようと望む場合、上記の手順において以下の表に従って異なる量のクロロホルメートが必要となる:
表1
他の成分(クロロホルメート以外)の量及び手順は、上記のジ−エチルクロロホルメートの製造の場合と同様である。
実施例1で製造したジ−エチルペルオキシジカーボネートを使用する塩化ビニルの懸濁重合を示すために、本実施例を記述する。
攪拌機及び冷却装置を取り付けた、清潔な4.2m3の重合反応槽に、1,479.86kgの塩化ビニルモノマー、2,013.278kgの高温の脱塩水、3.9173kgのメチルセルロース分散剤、2.5243kgの88%加水分解したポリ酢酸ビニル分散剤及び実施例1で製造した水性ジ−エチルペルオキシジカーボネート乳剤を添加した。反応を56.5℃で開始し、この温度で45分間保持した。45分後に、1分当たり0.038℃の率で185分間反応温度を低下させて、反応温度を49.5℃にした。圧力の低下が起こるまで、反応温度を49.5℃に保持した。開始剤の添加から312分後に圧力の低下が起こり、591.9グラムの重合停止剤を加えて反応を終了させた。PVCスラリーの残渣モノマーをストリップし、乾燥した。重合反応槽の内部金属表面を検査した結果、反応槽にはポリマーの蓄積が予期したほどはないことが分かり、このことは非常に有利である。
本実施例は、実施例1で製造したジ−エチルペルオキシジカーボネートが塩化ビニルモノマーの重合において非常に有効であることを示している。
市販の第2−ブチルペルオキシジカーボネートを使用する塩化ビニルの懸濁重合を標準的な対照として示すために、本実施例を記述する。同一の重合反応槽(4.2m3)を使用し、反応成分及び手順は実施例2と同様であるが、開始剤として669グラムの第2−ブチルペルオキシジカーボネートを使用した。開始剤の添加後291分で圧力の低下が起こり、重合停止剤を添加した。PVCスラリーの残渣モノマーをストリッピングして除き、乾燥した。内部表面の検査により、いくらかのポリマー蓄積があることが分かり、これはこの型の反応では通常のことである。本発明で製造したペルオキシジカーボネートを使用した実施例2の反応より、本実施例の反応の方がポリマー蓄積が多かった。
PVC反応槽でペルオキシジカーボネートを製造する先行技術の方法において使用されている方法に対して、本発明で製造したジ−エチルペルオキシジカーボネートを使用する方が優れていることを示すために実施例5及び6と比較して本実施例を記述する。本実施例は実施例5及び6に対する対照である。
撹拌及び冷却装置を取り付けた55リットルの重合反応槽中で、塩化ビニルの懸濁重合を行った。清潔な55リットルの反応槽に、以下の重合成分を添加した:
脱塩水 − 25.440 Kg
塩化ビニルモノマー − 18.544 Kg
PVA(72.5%) − 439.898 g
メチルセルロース − 68.681 g
PVA(88%) − 35.210 g
第2−ブチルペルオキシ − 8.396 g
ジカーボネート
本発明の方法で製造したジ−エチルペルオキシジカーボネートを使用する塩化ビニルの懸濁反応が、重合反応槽中でジ−エチルペルオキシジカーボネートを製造する先行技術における方法(実施例6に示されている)より優れていることを示すために、本実施例を記述する。
実施例4と同様に、同じ55リットルの反応槽を本実施例で使用し、同一の反応成分で同一の手順を行ったが、8.396gの市販の第2−ブチルペルオキシジカーボネートを実施例1で製造したジ−エチルペルオキシジカーボネートに置き換え、8.56gのエチルクロロホルメートを使用した。開始剤の添加後274分で圧力低下が起こり、この時点で、実施例4と同様に重合停止剤を添加して反応を停止させた。PVC樹脂スラリーの残渣モノマーをストリッピングし、乾燥した。
重合の前に、重合槽中でジ−エチルペルオキシジカーボネートを製造する従来技術の方法を使用する塩化ビニルの懸濁重合を示すために、本実施例を記述する。
実施例4及び5と同様に、同じ55リットルの反応槽を本実施例で使用し、同じ反応成分を使用し同じ手順を行ったが、本実施例では、ジ−エチルペルオキシジカーボネートを反応槽中で製造し、かつ、反応槽中でペルオキシジカーボネートを製造することが効率的でないために、同等の圧力低下時間を得るのに約35%過剰の開始剤成分を使用した。
開始剤を反応槽中で製造するために、8.1Kgの水を最初に反応槽に仕込み(これは使用した水の全量の約32%である)、撹拌を開始した。開始剤を製造するための撹拌を得るのに、反応槽中で撹拌レベルより高い水の量が必要であった。分散剤(72.5%PVA、88%PVC及びメチルセルロース)を次いで反応槽に仕込み、次いで10.50グラムのエチルセルロース、15.4276グラムの水酸化ナトリウム、及び5.5628グラムの過酸化水素を仕込んだ。残りの水を仕込む前に成分を5分間混合した。次いで、塩化ビニルモノマーを仕込み、温度を56℃にした。温度変化は実施例4及び5の場合と同様であった。277分で圧力低下が起こり、実施例4及び5と同様に反応を停止させた。得られたPVC樹脂スラリーを脱水して乾燥した。
本発明の上記の実施例及び記述は、例示した特定の材料又は行った実施例に限定されない。本発明は以下のクレームによってのみ限定されることを意図している。
本明細書において、“含む”は“包含する又はのみから成る”を意味する。
先の記述、特許請求の範囲又は添付の図面で開示し、特定の形態で、又は開示した作用、又は開示した効果を達成するための方法若しくはプロセスを実施するための手段によって表現した特徴は、適切に、独立して又はこれらの特徴のいずれかを組み合わせて、本発明を異なる形態で実現するのに使用することができる。
Claims (8)
- 以下の工程を含む少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマーの重合方法:
(a)少なくとも一つのハロホルメートの流れに分散剤の存在下における撹拌の操作を行って少なくとも一つのハロホルメートの小滴からなる少なくとも一つのハロホルメートの乳剤の流れを形成し、該少なくとも一つのハロホルメートの流れに少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドの溶液の流れを連続して混合して少なくとも一つのペルオキシジカーボネートの乳剤を含む流れを形成することによって、ペルオキシジカーボネートを連続的に製造してフリーラジカル開始剤を製造する工程、
(b)少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマーを重合反応槽へ添加する工程、
(c)少なくとも一つのペルオキシジカーボネートの乳剤を重合反応槽へ添加する工程、(d)所望の転換の程度までエチレン系不飽和モノマーの重合反応を行ってポリマーを形成する工程、
(e)重合反応槽からポリマーを取り出す工程、及び
(f)エチレン系不飽和モノマーをポリマーからストリッピングする工程。 - 以下の工程を含む少なくとも一つのペルオキシジカーボネートの連続製造方法:
(a)少なくとも一つのハロホルメートの流れに分散剤の存在下における撹拌の操作を行って少なくとも一つのハロホルメートの小滴よりなる少なくとも一つのハロホルメートの乳剤の流れを形成する工程;及び
(b)少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシド溶液を少なくとも一つのハロホルメートの該乳剤の流れに連続して混合して少なくとも一つのペルオキシジカーボネートの乳剤を含む流れを形成する工程。 - 以下の工程を含む少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマーの重合方法:
(a)冷却手段及び直列の均一化手段を取り付けたラインであって、該ラインが重合反応槽に結合しているライン中に、少なくとも一つのハロホルメート、少なくとも一つの分散剤及び水を注入する工程、
(b)少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドを計量してラインに供給する工程、
(c)工程(a)及び(b)でライン中に導入した成分を均一化してペルオキシジカーボネートを製造する工程、
(d)ライン中のペルオキシジカーボネートを、エチレン系不飽和モノマー、分散剤及び水を含む重合反応槽へ注入する工程、
(e)重合反応槽中で所望の転換の程度までモノマーの重合を行ってポリマーにする工程、
(f)重合反応槽からポリマーを取り出す工程、
(g)残渣モノマーをポリマーからストリッピングし、ポリマーを脱水し乾燥して流動性の粉末形態とする工程。 - 以下の工程を含む少なくとも一つのエチレン系不飽和モノマーの重合方法:
(a)冷却手段及び直列の均一化手段を取り付けたラインであって、該ラインが重合反応槽に結合しているライン中に、少なくとも一つのハロホルメート、少なくとも一つの分散剤及び水を注入する工程、
(b)少なくとも一つのアルカリ金属ペルオキシドを計量してラインに供給する工程、
(c)ライン中で混合物を均一化してペルオキシジカーボネートを製造する工程、
該重合方法は以下の工程をさらに含む:
(d)ライン中のペルオキシジカーボネートを、エチレン系不飽和モノマー、分散剤及び水を含む重合反応槽へ注入する工程、
(e)重合反応槽中で所望の転換の程度までモノマーの重合を行ってポリマーにする工程、
(f)重合反応槽からポリマーを取り出す工程、
(g)残渣モノマーをポリマーからストリッピングし、ポリマーを脱水し乾燥して流動性の粉末形態とする工程。 - エチレン系不飽和モノマーが塩化ビニルモノマーである、請求項4の方法。
- ジ−エチルペルオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルペルオキシジカーボネート、ジ−イソプロピルペルオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)ペルオキシジカーボネート、ジ−n−ブチルペルオキシジカーボネート及び第2ブチルペルオキシジカーボネートから成る群からペルオキシジカーボネートを選択する、請求項4又は5の方法。
- 重合を約40℃〜約70℃の温度で行う、請求項4ないし6のいずれか1項の方法。
- ペルオキシジカーボネートがジ−エチルペルオキシジカーボネート、アルカリ金属ペルオキシドが過酸ナトリウムであり、かつ1〜10μmの小滴を形成するのに十分な程度にペルオキシジカーボネートを均一化する、請求項4ないし7のいずれか1項の方法。
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