JPH10110005A - 塩化ビニル系樹脂の重合方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の重合方法

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JPH10110005A
JPH10110005A JP26484196A JP26484196A JPH10110005A JP H10110005 A JPH10110005 A JP H10110005A JP 26484196 A JP26484196 A JP 26484196A JP 26484196 A JP26484196 A JP 26484196A JP H10110005 A JPH10110005 A JP H10110005A
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JP
Japan
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vinyl chloride
polymerization
chloride monomer
alkaline earth
earth metal
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JP26484196A
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English (en)
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Kenichi Asahina
研一 朝比奈
Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
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Sekisui Chemical Co Ltd
Original Assignee
Sekisui Chemical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 塩化ビニル単量体単独又は、塩化ビニル単量
体及びこれと共重合可能な単量体の混合物を懸濁重合す
る際に、重合器へのスケール付着が起こらず、しかも空
隙率が高く、加工性の良好な塩化ビニル系樹脂が得られ
る塩化ビニル系樹脂の重合方法を提供する。 【解決手段】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物を、
分散剤を含む水性媒体中へ連続的に供給して懸濁重合を
行う際に、反応系へアルカリ土類金属の炭酸塩を炭素数
が5〜7の飽和脂肪族炭化水素と共に添加する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
の重合方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系単量体の重合法で
は、通常、ステンレス製の重合器に塩化ビニル単量体、
水性媒体、分散剤及び重合開始剤等を仕込み、反応温度
を一定に制御して除熱を行いながら重合を行い、所定の
重合率に達したところで未反応の塩化ビニル系単量体を
回収し、脱水乾燥の工程を経て重合体を得る回分式の水
懸濁重合方法が行われている。この回分式の水懸濁重合
方法では、還流凝縮器の提案等により生産性の向上が図
られているが、さらに、生産性を高めるために連続懸濁
重合方法が提案されている。しかし、塩化ビニル系樹脂
の場合、重合器へのスケールの付着の問題及び重合体粒
子の内部に空隙のないガラス玉と呼ばれるものが生成に
よって品質を低下する等の問題があり、実用化に至って
いない。
【0003】一方、塩化ビニル、スチレン等の単量体等
の連続懸濁重合方法において、重合体の粒子構造を制御
するために、例えば、特開昭57−192402号公
報、特開昭57−205402号公報、特開昭58−9
1701号公報、特開平3−56501号公報、特開平
3−131603号公報、特開平3−215502号公
報、特開平4−4202号公報等には種々の提案がなさ
れているが、スチレン等の粒子径の制御に有効であって
も、塩化ビニル系単量体重合でのガラス玉発生防止には
効果は認められなかった。
【0004】ところで、塩化ビニル系単量体の回分式の
懸濁重合方法において、塩化ビニル系樹脂の空隙率を高
めてその加工性を改良しようとする試みが数多く提案さ
れている。例えば、特開平6−271610号公報に
は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して5〜20
重量部のエタン、プロパン又はブタンを、塩化ビニル系
単量体の重合転化率が40〜80%の間で添加する方法
が開示されている。しかし、塩化ビニル系単量体より蒸
気圧の高い可燃性ガスを重合器中に圧入しなければなら
ず、操作が煩雑であり、塩化ビニル系単量体の重合速度
を遅延させる上に、危険度の高い作業が伴うため好まし
くない。
【0005】上記以外に、分散剤として特定のポリエチ
レンオキサイドを使用して多孔性の樹脂を製造する方法
(特開平4−114010号公報)が提案されている
が、空隙率の改善は十分とはいえなかった。同様な目的
で、汎用分散剤の一つであるポリビニルアルコールのケ
ン化度のブロックキャラクターを規制する方法(特開平
5−222105号公報)や水酸基のシンジオタックテ
ィシティを規制する方法(特開平5−331213号公
報)が提案されているが、特殊な分散剤であるにもかか
わらず、それほど優れた効果は得られなかった。同様な
目的で、3種類の分散剤比率を細かく規制する方法(特
開平4−154809号公報)や重合開始剤半減期と重
合開始初期の攪拌動力を規制する方法(特開平4−27
7503号公報)が提案されているが、十分な効果は得
られていない。
【0006】さらに、高分子可塑剤を添加する方法(特
開平7−18006号公報)、部分ケン化ポリビニルア
ルコールまたはセルロースを、重合の進行中に連続的又
は逐次添加する方法(特開平7−53607号公報)が
提案されているが、その効果は十分とはいえなかった。
【0007】従来より、無機添加剤によって積極的に空
隙率を改善しようとする方法は提案されていない。例え
ば、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等の炭酸塩を添
加する方法(特開平4−117403号公報)が提案さ
れているが、静電気の発生を防止したり、流動性の改善
が主たる狙いであって、空隙率の改善効果は示されてい
ない。また、無機粉体を投入するのは、重合系が安定す
る重合転化率が70%に達した後で添加することが提案
されている。
【0008】さらに、pHを2.5〜5.0に調整する
方法(特開平7−70211号公報)が提案されている
が、可塑剤吸収性はやや向上するものの満足できるもの
ではなかった。また、pHを7.5〜10に維持し、炭
素数5〜15の飽和炭化水素を溶剤として添加する方法
(特開昭50−141685号公報)が提案されている
が、スケール防止に効果はあるものの空隙率改善の効果
は記されていない。
【0009】以上、明らかなように多くの提案がなされ
ているものの回分式重合方法に対して、空隙率改善に大
きな効果のある提案はなされていないのが実情である。
【0010】一方、塩化ビニル系樹脂の連続重合におい
て、重合反応中でのスケールの発生を防止する、ノンス
ケール化技術に関する提案が数多くなされている。即
ち、連続懸濁重合方法では、長期にわたる連続運転が前
提となるが、重合器壁や移送管等へのスケール付着が問
題点として指摘されている。重合器壁へスケールが付着
すると、重合器の除熱能力が低下するため生産性向上の
障害となり、スケール付着物が、重合器壁から剥離して
製品に混入すると品質低下を招くことになる。また、移
送管がスケールで閉塞すると、これを除去するためにプ
ラントを停止してスケールの除去作業を行わなければな
らず、多大な労力を要する上に、生産性の大幅な低下を
招くという問題点があった。
【0011】ノンスケール化技術では、スティッキース
テートと呼ばれる樹脂の粘着性が高い重合初期過程に着
目し、そこでスケールの付着を防いだり、重合体粒子同
士の凝集を防止するために幾つかの提案がなされてい
る。例えば、特開昭56−118407号公報では、複
数の重合器を設け、そのうちの最初の重合器の重合温度
をより高めに設定しておき、重合体の粘着性を下げる方
法;特公昭39−44864号公報では、スティッキー
ステートを経過する重合器を並列に複数個設けておき、
スケール除去作業による生産性の低下を改善する方法が
提案されている。
【0012】また、特開昭56−93710号公報で
は、複数個の重合器のうちスティッキーステートの存在
する重合器の攪拌を強くして樹脂が粘着するのを防ぎ、
反応中のスケール付着を防止する方法が提案されてい
る。しかしながら、これらのノンスケール化技術は、複
雑な操作を必要したり、重合器の体積効率を低下させる
等の問題点があった。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、塩化
ビニル単量体単独又は、塩化ビニル単量体及びこれと共
重合可能な単量体の混合物を懸濁重合する際に、重合器
へのスケール付着を防止し、しかも空隙率が高く、加工
性の良好な塩化ビニル系樹脂が得られる塩化ビニル系樹
脂の重合方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明(以下、第1発明という)の塩化ビニル系樹脂の重
合方法は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体
及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物を、分散
剤を含む水性媒体中へ連続的に供給して懸濁重合を行う
際に、反応系へアルカリ土類金属の炭酸塩を炭素数が5
〜7の飽和脂肪族炭化水素と共に添加することを特徴と
する。
【0015】本発明の請求項2記載の発明(以下、第2
発明という)の塩化ビニル系樹脂の重合方法は、第1発
明の塩化ビニル系樹脂の重合方法において、塩化ビニル
単量体単独又は塩化ビニル単量体及びこれと共重合可能
な重合性単量体の混合物、有機溶剤、分散剤及び水性媒
体からなる原料混合液を、所定の重合温度(T)−10
℃〜T+5℃の温度範囲に加温して連続的に重合器に供
給することを特徴とする。
【0016】本発明の請求項3記載の発明(以下、第3
発明という)の塩化ビニル系樹脂の重合方法は、塩化ビ
ニル単量体単独又は塩化ビニル単量体及びこれと共重合
可能な重合性単量体の混合物を水性媒体中で重合する際
に、重合転化率が5〜25%の間で水性媒体のpHを5
〜7に維持した後アルカリ土類金属の炭酸塩を投入し、
さらに重合転化率70%から重合終点までの間で、水性
媒体のpHを2.5〜4に維持する。
【0017】本発明の重合方法において、塩化ビニル系
樹脂は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体と
これと共重合可能な重合性単量体の混合物(以下、塩化
ビニル系単量体という)を重合させることにより得られ
る。
【0018】上記塩化ビニル単量体と共重合可能な重合
性単量体としては、例えば、酢酸ビニル、プロピオン酸
ビニル等のアルキルビニルエステル;(メタ)アクリル
酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メタ)アク
リル酸エステル;エチレン、プロピレン等のα−モノオ
レフィンの他、無水マレイン酸、アクリロニトリル、ス
チレン、塩化ビニリデンなどが挙げられるが、塩化ビニ
ル単量体と共重合可能なものであれば、特に限定される
ものではない。
【0019】第1発明では、塩化ビニル系単量体を、分
散剤を含む水性媒体中へ連続的に供給して懸濁重合を行
う際に、反応系へアルカリ土類金属の炭酸塩を炭素数が
5〜7の飽和脂肪族炭化水素と共に添加する。
【0020】第1発明で用いられるアルカリ土類金属の
炭酸塩としては、ベリリウム、マグネシウム、カルシウ
ム、ストロンチウム及びバリウムのアルカリ土類金属の
炭酸塩から選ばれる1種以上である。これらの中で、特
に好ましくは、マグネシウム、カルシウム又はバリウム
のアルカリ土類金属の炭酸塩である。
【0021】上記アルカリ土類金属の炭酸塩が使用され
る理由としては、重合器の水性媒体中に溶解し難く、重
合器中に添加した場合に、塩化ビニル系単量体が水性媒
体中で形成する油滴内にも分散しうるからである。これ
に対して、例えば、カリウム、ナトリウム等のアルカリ
金属の炭酸塩は、重合水性媒体中に溶解し易く、塩化ビ
ニル系単量体による油滴中に固体粒子として分散させる
ことができないばかりでなく、アルカリ金属の炭酸塩の
溶解により、重合器水性媒体のpHが7.0より高いア
ルカリ側になり易く、重合を不安定にするので好ましく
ない。
【0022】上記アルカリ土類金属の炭酸塩として、炭
酸カルシウムの市販品を使用する場合、ステアリン酸等
の脂肪酸により表面処理されているものは、見かけの比
重が水より小さいため、重合器に投入した際に液面に浮
くことがあるので避けた方がよい。ただ、有機溶剤によ
る浸漬処理を施す場合は、脂肪酸を溶解させて除去した
後で使用してもよい。
【0023】上記アルカリ土類金属の炭酸塩の添加量
は、塩化ビニル系単量体100重量部に対して、0.1
〜25重量部が好ましく、より好ましくは0.3〜5重
量部である。添加量が、0.1重量部未満では空隙率の
改善効果が乏しく、25重量部を超えると重合が不安定
になり、樹脂がブロック状になったり、炭酸塩の分解に
より発生する炭酸ガスが加圧下で水性媒体中に溶解せず
樹脂の浮きを引き起すため、重合の進行を妨げるおそれ
がある。
【0024】上記アルカリ土類金属の炭酸塩は、水性媒
体中に完全に分解、溶解させる必要はなく、添加量は樹
脂の使用目的によって調整することができる。上記アル
カリ土類金属の炭酸塩は固体粉末であり、そのまま添加
してもよいが、予め有機溶剤中に投入攪拌し、分散させ
て半濁溶液として投入するのが好ましい。この際使用さ
れる有機溶剤としては、後述する炭素数5〜7の飽和脂
肪族炭化水素が好適に使用できる。
【0025】第1発明で用いられる飽和脂肪族炭化水素
の炭素数は、5〜7に制限される。上記飽和脂肪族炭化
水素の炭素数が、5未満では塩化ビニル単量体より蒸気
圧が高くなり過ぎるため、塩化ビニル系単量体の重合を
遅らせることになる。また、上記炭素数が、7を超える
と有機溶剤の沸点が100℃を超えるため、製品からの
除去が困難となり製品に残留して品質を低下させること
がある。
【0026】上記炭素数5〜7の飽和脂肪族炭化水素と
しては、例えば、n−ペンタン、iso−ペンタン、n
−ヘキサン、n−ヘプタン等が挙げられる。
【0027】上記飽和脂肪族炭化水素の添加量は、上記
アルカリ土類金属の炭酸塩の添加量によって適宜調整さ
れ、塩化ビニル系単量体100重量部に対して、0.1
〜5重量部が好ましい。飽和脂肪族炭化水素の添加量
が、0.1重量部未満では、有機溶剤の浸漬効果が弱く
なり、5重量部を超えると有機溶剤へのラジカルの連鎖
移動が無視できなくなり好ましくない。アルカリ土類金
属の炭酸塩の添加量増加に伴い、浸漬に多量の有機溶剤
が必要な場合でも、炭酸塩を適宜分割し、有機溶剤に一
部の量だけ浸漬させて添加しても、塩化ビニル系単量体
油滴への分散効果が多少減じるものの、分散効果は発揮
される。
【0028】上記アルカリ土類金属の炭酸塩は、通常の
条件下で、塩化ビニル系樹脂粒子内に取り込まれた後、
分解、溶解され、空隙率を高くする効果を発揮するが、
pH調整剤によってpHを下げることにより、炭酸塩の
分解を促進させることが好ましい。好ましいpH範囲
は、2.5〜4である。pHが、2.5未満では、重合
器壁等の腐食が著しくなり、4を超えると、塩化ビニル
系単量体と塩化ビニル系樹脂とで構成されるグレイン粒
子と呼ばれる粒子内で、アルカリ土類金属の炭酸塩が十
分に分解せず、空隙率の改善効果が発現されなくなる。
【0029】上記pH調整剤としては、例えば、塩酸、
硫酸、硝酸、リン酸等の無機酸;安息香酸、酢酸等の有
機酸が挙げられ、これらは単独で用いられてもよく、二
種以上が併用されてもよい。
【0030】第1発明で使用される分散剤としては、通
常塩化ビニルの懸濁重合に用いられるものが挙げられ、
例えば、部分ケン化ポリビニルアルコール;メチルセル
ロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等のセルロース誘導体;酢酸ビニル
と無水マレイン酸との共重合体、ポリエチレンオキサイ
ド、ゼラチン、デンプン等が例示される。
【0031】上記部分ケン化ポリビニルアルコールとし
ては、特に制限はないが、ケン化度60〜90モル%の
ものが好ましく、より好ましくは70〜85モル%であ
る。ケン化度が、60モル%未満では分散剤の懸濁能力
が低下して粗大粒子が多くなり、90モル%を超えると
樹脂粒子が分散剤で強固に包まれるためゲル化性能が悪
くなる。
【0032】上記部分ケン化ポリビニルアルコールの平
均重合度は、500〜3,000が好ましい。平均重合
度が、500未満では懸濁能力が低下するので、粗大粒
子になったり樹脂粒子がブロック化し易くなる。また、
平均重合度が、3,000を超えると樹脂粒子表面に固
いスキン層が形成され多孔性が不足するため、空隙率の
向上が得られなくなる。
【0033】上記部分ケン化ポリビニルアルコールの使
用量は、塩化ビニル系単量体に対して、50〜50,0
00ppmが好ましく、より好ましくは100〜10,
000ppmである。使用量が、50ppm未満では、
油滴が不安定となるため樹脂はブロック状になり易く、
多くなると樹脂表面に分散剤が多く残存するため、成形
加工性が悪くなる。
【0034】上記セルロース誘導体の使用量は、塩化ビ
ニル系単量体に対して、50〜50,000ppmが好
ましく、より好ましくは100〜10,000ppmで
ある。使用量が、50ppm未満では、油滴が不安定と
なるため樹脂はブロック状になり易く、多くなると樹脂
表面に分散剤が多く存在するため、フィッシュアイと呼
ばれるガラス玉状の粒子が多くなり、成形加工性が悪く
なる。
【0035】上記部分ケン化ポリビニルアルコール及び
セルロース誘導体以外の分散剤を使用する場合は、単独
で使用してもよく、二種以上を併用してもよい。その使
用量は、塩化ビニル系単量体に対して、10〜50,0
00ppmが好ましい。
【0036】また、第1発明の重合方法では、重合開始
剤として、通常塩化ビニルの懸濁重合に用いられる油溶
性開始剤が使用される。油溶性開始剤としては、例え
ば、t−ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキ
シルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオ
キシピバレート、α−クミルパーオキシネオデカノエー
ト、t−ヘキシルネオヘキサノエート、2,4,4−ト
リメチルペンチル−2−パーオキシ−2−ネオデカノエ
ート等のパーエステル化合物;ジイソプロピルパーオキ
シジカーボネート、ジ−2−エチルヘキシルパーオキシ
ジカーボネート、ジ−2−エトキシエチルパーオキシジ
カーボネート、ジメトキシイソプロピルパーオキシジカ
ーボネート等のパーカーボネート化合物;デカノイルパ
ーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパー
オキシド、クメンハイドロパーオキシド、シクロヘキサ
ノンパーオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルパーオ
キシド、p−メンタンハイドロパーオキシド、3,5,
5−トリメチルヘキサノイルパーオキシド、イソブチリ
ルパーオキシド等のパーオキシド化合物;α,α'-アゾ
ビスイソブチロニトリル、α,α'-アゾビス(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、α,α'-アゾビス(4−メ
トキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化
合物などが挙げられ、これらは単独で用いられてもよ
く、二種以上が併用されてもよい。
【0037】上記重合開始剤の使用量としては、塩化ビ
ニル系単量体に対して、10〜20,000ppmが好
ましい。
【0038】第1発明の重合方法において、連続懸濁重
合の操作は以下の方法で行われる。まず、重合器に規定
量の、塩化ビニル系単量体、アルカリ土類金属の炭酸
塩、有機溶剤、水性媒体、分散剤及び重合開始剤を仕込
んだ後、所定の重合温度に昇温して重合を開始する。一
方、別の原料タンクに、規定量の、塩化ビニル系単量
体、アルカリ土類金属の炭酸塩、有機溶剤、水性媒体及
び分散剤を仕込み十分に攪拌し、所定の重合温度に加温
して原料混合液を調製する。
【0039】重合初期に重合器に仕込んだ塩化ビニル系
単量体が、所定の重合転化率に達した時点で、原料混合
液を一定の速度で連続的に重合器へ投入しながら、一定
の重合速度で重合反応を行う。また、予め除熱量を計算
して、原料混合液の供給量を調整しながら重合反応を行
ってもよい。
【0040】さらに、重合初期において回分式の製造方
法によって重合を進め、一定の重合転化率に達した時点
で、原料混合液の連続添加を開始するが、重合開始の方
法について特に制約されるものではない。上記原料混合
液の供給方法は、タンク内で回分式で一括調製して重合
器へ供給する方法;それぞれの原材を別々のラインから
独立して重合器へ供給する方法;スタティックミキサー
等で原料を混合し、熱交換器を通して加温してから重合
器へ供給する方法、のいずれを採用してもよい。
【0041】上記原料混合液を連続的に重合器へ供給す
る場合、その投入部は、液面の上部、下部のいずれであ
ってもよいが、好ましくは、重合器の液相部に行うのが
よい。液相部に投入することにより、原料混合液の飛散
が防止でき、上鏡部へのポリマーの付着が防止できるの
で好ましい。
【0042】また、第1発明の重合方法において、上記
原料混合液の温度を、所定の重合温度(T)−10℃〜
T+5℃の温度範囲に昇温して重合器へ供給する。好ま
しくは所定の重合温度(T)−3℃〜T+0℃の温度範
囲に昇温する。例えば、重合度1,000の塩化ビニル
樹脂を得ようとするときの重合温度は57℃であるの
で、原料混合液の温度を47〜62℃の範囲に設定する
必要があり、好ましく54〜57℃である。
【0043】上記原料混合液の温度が、所定の重合温度
より10℃を超えて低くなると、原料懸濁液を重合器へ
供給した時に急激な加熱によって発泡し効果が発揮され
なくなる。また、原料混合液の温度が、所定の重合反応
温度より5℃を超えて高くなると、塩化ビニルの重合が
発熱反応であるため、高温の分だけ余計に除熱する必要
があり、さらに温度が高くなると圧力も高くなる等の不
都合の他に、原料混合液のタンクの内部圧力が重合器内
部圧力より高くなるため、原料混合液を定量的に供給す
ることが困難となり、時には圧力差で過剰に供給され重
合器内が液満の状態となる。
【0044】また、塩化ビニル単量体及びその他の単量
体の添加方法は、一括添加、断続的添加、噴霧添加、分
割添加、連続添加等、いずれの方法を採用してもよい。
【0045】第1発明の重合方法では、さらに必要に応
じて、通常の塩化ビニル単量体の重合に使用される、脱
イオン水、有機溶剤、安定剤、有機金属塩、懸濁分散
剤、乳化剤、水溶性増粘剤、重合調整剤、連鎖移動剤、
帯電防止剤、架橋剤、安定剤、アルカリ土類金属の炭酸
塩以外の無機添加剤、スケール防止剤、pH調整剤等が
添加されてもよい。
【0046】第1発明の重合方法において、単独の重合
器又は複数個結合した重合器に連続的に原料を供給し同
時に製品を排出する、連続懸濁重合方法が採用される。
【0047】上記連続懸濁重合に用いられる重合器とし
ては、槽型の単独、又は複数の反応槽が直列に接続され
たもののいずれであってもよい。即ち、本発明に適用可
能な反応槽としては、例えば、複数の重合槽の結合型
(特公昭43−9751号公報、特公昭49−2339
号公報)、直列連続重合槽型(特開昭57−53506
号公報)、連続棚段型(特開昭56−118407号公
報、特開昭56−163103号公報)、ループ型(特
開平5−202104号公報、特開平5−271308
号公報)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0048】特に、第1発明では、複数槽型、連続棚段
型、ループ型等のような、複雑な設備と制御系とを必要
としない槽型完全混合流れ型の反応器を使用しても安定
した製品が得られる。即ち、化学工学的に広い滞留時間
分布をとり、長期滞留品の比率が高い槽型完全混合流れ
型の反応器にも適用可能な連続懸濁重合方法である。
【0049】第1発明で用いられる個別の重合器(耐圧
オートクレーブ)の形状、構造はすでに述べたように、
特に制限はなく、従来より塩化ビニルの重合に用いられ
ているものが使用可能である。また、攪拌翼は、ファウ
ドラー翼、パドル翼、タービン翼、ブルーマージン翼
等、汎用的に用いられているものでよく、これらの中
で、特にファウドラー翼が好ましい。邪魔板(バッフ
ル)との組み合わせも特に制限はない。
【0050】次に、第3発明について説明する。第3発
明の塩化ビニル系樹脂の重合方法は、塩化ビニル系単量
体を水性媒体中で重合する際に、重合転化率が5〜25
%の間で水性媒体のpHを5〜7に維持した後アルカリ
土類金属の炭酸塩を投入し、重合転化率70%から重合
終点までの間で、さらに水性媒体のpHを2.5〜4に
維持する。また、重合転化率が25%を超え70%未満
の間でpHを2.5〜7の維持するのが好ましく、より
好ましくはpH4〜7である。
【0051】上記塩化ビニル系単量体としては、第1発
明で用いられるものと同様のものが用いられる。
【0052】第3発明の重合方法において、重合転化率
5〜25%の間で、pHが5より低くなると、アルカリ
土類金属の炭酸塩が分解し溶解し易くなり、塩化ビニル
系単量体の油滴内に炭酸塩固体粒子が分散し難くなる。
また、pHが7より高くなると、重合系が不安定になり
易く、樹脂がブロック状になったり、重合器壁へのスケ
ール付着が著しくなる。重合転化率5〜25%の間で、
塩化ビニル系単量体の油滴内に、アルカリ土類金属の炭
酸塩が固体粒子として存在することにより、塩化ビニル
系樹脂の空隙率改善が達成される。
【0053】上記pHを2.5〜7に維持するためのp
H調整剤としては、特に制限されないが、塩化ビニル系
樹脂の重合において、塩酸の離脱により酸性を呈するた
め、例えば、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭
酸水素カリウム、炭酸カリウム、1価又は二価のリン酸
ナトリウム、1価又は二価のリン酸カリウム、クエン酸
ナトリウム、クエン酸カリウム、酒石酸ナトリウム、酒
石酸カリウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウ
ム、アンモニアの他、特開昭50−141685号公報
に記載されているホウ酸のアンモニウム塩又はアルカリ
金属塩が使用可能である。なお、ホウ酸のアンモニウム
塩又はアルカリ金属塩としては、ホウ酸アンモン、無水
ホウ砂、ホウ砂5水塩、ホウ酸ナトリウム10水塩、ホ
ウ酸カリウム等が挙げられる。
【0054】また、重合転化率70%から重合終点まで
の間で、pHが2.5より低くなると、重合器壁等の腐
食が著しくなり、pHが4より高くなると塩化ビニル系
単量体と塩化ビニル系樹脂とで構成されるグレイン粒子
と呼ばれる粒子内で、アルカリ土類金属の炭酸塩が十分
に分解せず、空隙率の改善効果が発現されなくなる。
【0055】上記pHを2.5〜4に維持するためのp
H調整剤としては、塩酸、硫酸、硝酸、リン酸等の無機
酸;安息香酸、酢酸等の有機酸等が挙げられ、これらは
単独で使用されても、二種以上が併用されてもよい。
【0056】上記アルカリ土類金属の炭酸塩としては、
第1発明で用いられるものと同様のものが用いられる。
アルカリ土類金属の炭酸塩が用いられる理由は、pH5
〜7で水性媒体中で溶解し難く、重合率5〜25%の油
滴形成段階で、塩化ビニル系単量体が水性媒体中で形成
する油滴内にも固体粒子として分散しうるからである。
これに対して、カリウム、ナトリウム等のアルカリ金属
の炭酸塩は、pH5〜7で水性媒体中で溶解し易く、塩
化ビニル系単量体が水性媒体中で形成する油滴内に固体
粒子として分散させることができないばかりでなく、ア
ルカリ金属の炭酸塩の溶解により、pHも7より高いア
ルカリ側になり易く、pH調整が困難になる。
【0057】上記アルカリ土類金属の炭酸塩は、固体粉
末のまま添加してもよいが、第1発明で用いられるもの
と同様な有機溶剤に分散させて添加してもよい。
【0058】上記アルカリ土類金属の炭酸塩の添加量
は、第1発明と同様な理由により、塩化ビニル系単量体
100重量部に対して、0.1〜25重量部が好まし
く、より好ましくは0.3〜5重量部である。
【0059】第3発明の重合方法において、第1発明で
用いられるものと同様な分散剤及び重合開始剤が使用さ
れる。
【0060】上記分散剤として部分ケン化ポリビニルア
ルコールを使用する場合、その使用量は、第1発明と同
様な理由により、塩化ビニル系単量体に対して、50〜
50,000ppmが好ましく、より好ましくは150
〜5,000ppmである。また、上記分散剤としてセ
ルロース誘導体を使用する場合、その使用量は、第1発
明と同様な理由により、塩化ビニル系単量体に対して、
50〜50,000ppmが好ましく、より好ましくは
150〜5,000ppmである。
【0061】第3発明の重合方法では、さらに必要に応
じて、通常の塩化ビニル単量体の重合に使用される、脱
イオン水、懸濁分散剤、乳化剤、水溶性増粘剤、重合調
整剤、連鎖移動剤、帯電防止剤、架橋剤、安定剤、アル
カリ土類金属の炭酸塩以外の無機添加剤、スケール防止
剤等が添加されてもよい。
【0062】また、塩化ビニル単量体及びその他の単量
体の添加方法は、一括添加、断続的添加、噴霧添加、分
割添加、連続添加等、いずれの方法を採用してもよい。
【0063】第3発明の重合方法において、第1発明で
用いられるものと同様な重合器(耐圧オートクレーブ)
が用いられる。
【0064】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0065】(実施例1)内容積200Lのジャケット
及び攪拌翼を備えた槽型のステンレス製重合器(完全混
合流れ型)に、40℃のイオン交換水90kg、部分ケ
ン化ポリビニルアルコール(日本合成化学社製「ゴーセ
ノールKZ−06」、ケン化度70モル%、平均重合度
600)45g及びポリエチレンオキサイド(住友精化
社製「PEO−18」、平均分子量430万)9gを仕
込んだ後、重合器内を13kPaまで真空にし、n−ヘ
キサン3kgと共に予めそのn−ヘキサンに浸漬処理し
ておいた炭酸カルシウム(白石工業社製「白艶華CC
R」)2.25kgを仕込み、さらに塩化ビニル単量体
75kgを仕込んだ。次いで、重合開始剤α−クミルパ
ーオキシネオデカノエート(日本油脂社製「パークミル
ND」)75gを圧入した後、重合器内を57℃に昇温
した。
【0066】一方、別の内容積2m3 のジャケット及び
攪拌翼を備えた槽型のステンレス製原料タンクに、40
℃のイオン交換水900kg、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製「ゴーセノールKZ−0
6」)450g及ポリエチレンオキサイド(住友精化社
製「PEO−18」)90gを仕込んだ後、原料タンク
内を13kPaまで真空にし、n−ヘキサン30kgと
共に予めそのn−ヘキサンに浸漬処理しておいた炭酸カ
ルシウム(白石工業社製「白艶華CCR」)22.5k
gを仕込み、さらに塩化ビニル単量体750kgを仕込
んだ。この時の温度は38℃であった。これを55℃ま
で昇温し、原料混合液の調製を完了した。
【0067】重合器内の温度が57℃に達し重合反応が
開始すると同時に、55℃に加温した原料混合液を55
kg/hrの割合で重合器底部の水相部へ供給し、また
同時に重合開始剤α−クミルパーオキシネオデカネート
(日本油脂社製「パークミルND」)を25g/hrの
割合で投入し、さらに原料混合液投入開始と同時に重合
器内容積が一定となるように抜き出す流通操作を開始
し、連続重合反応を行った。30時間連続流通操作を行
った後、冷却、排ガスして連続重合反応を停止し、内容
物(重合体スラリー)を取り出した。この重合体スラリ
ーを脱水乾燥して塩化ビニル系樹脂を得た。
【0068】(実施例2〜5、比較例1〜4)表1及び
2に示す所定量の、アルカリ土類金属の炭酸塩及び飽和
脂肪族炭化水素を使用し、原料混合液温度及び重合温度
を表1及び2に示す温度に設定したこと以外は、実施例
1と同様にして塩化ビニル系樹脂を得た。
【0069】上記実施例及び比較例で得られた塩化ビニ
ル系樹脂につき、下記の評価を行い、その結果を表1及
び2に示した。 (1)重合度 JIS K6721に準拠して測定した。 (2)粒度分布 JIS Z8801に準拠して測定した。 (3)嵩比重 JIS K6721に準拠して測定した。 (4)空隙率 水銀圧入ポロシメーター(アコム社製「ポロシメーター
2000」)を用いて、196MPaで塩化ビニル樹脂
100g当たり圧入される水銀の量を測定して空隙率を
求めた。
【0070】(5)ゲル化時間 塩化ビニル系樹脂に安定剤を加えて下記の樹脂組成物を
調製し、この樹脂組成65gをプラストミル(東洋精機
社製「ハーケレオコード90」)に投入し、190℃、
回転数50rpmでゲル化するまでの時間を測定した。 ・塩化ビニル系樹脂 100g ・安定剤 2g (ジブチル錫メルカプト、三共有機合成社製「JF−10B」) ・滑剤 0.5g (モンタン酸ワックス、ヘキスト社製「WAX−OP」)
【0071】(6)スケール付着状況 重合反応終了後、重合器内のスケール付着状況を目視観
察した。
【0072】
【表1】
【0073】
【表2】
【0074】(実施例6)内容積100Lの重合器(耐
圧オートクレーブ)に脱イオン水50kgを入れ、さら
に塩化ビニル系単量体に対して、部分ケン化ポリビニル
アルコール(ケン化度72モル%、平均重合度700)
700ppm、t−ブチルパーオキシネオデカノエート
500ppm、ならびに炭酸ナトリウム水溶液(濃度2
重量%)40ppmを投入した。次いで、重合器内を4
5mmHgまで脱気した後、塩化ビニル系単量体33k
gを仕込み撹拌を開始した。重合温度を57℃とし重合
終了までこの温度を保った。
【0075】尚、反応系水溶液のpH調整結果を測定す
るために、同一の重合器でブランク実験として同様な炭
酸ナトリウム水溶液(濃度2重量%)40ppmを投入
し、重合温度が57℃に達した後、重合転化率が10%
に達したと推定される時点(恒温到達時間から25分
後)で塩化ビニル系単量体を回収し、反応系水溶液のp
Hを測定したところ、pHは6.3であった。
【0076】重合温度が57℃の恒温に達してから25
分後(重合転化率が10%の時点と同様のブランク実験
で確認)に、塩化ビニル系単量体100重量部に対して
炭酸カルシウム(白石工業社製「白艶華CCR」)3.
0重量部をn−ヘキサン4.0重量部と共に、重合器へ
圧入した。次いで、重合反応を進めて重合転化率が70
%に達した時点で、希塩酸(濃度10重量%水溶液)2
1重量部を投入し、pHを2.8に調整した。さらに、
重合転化率が95%に達した時点で反応を終了し、重合
器内の未反応単量体を回収した後、重合体をスラリー状
で系外へ取り出し、脱水、乾燥して塩化ビニル系樹脂を
得た。
【0077】(実施例7〜9、比較例5〜8)表3及び
4に示す所定量の、炭酸塩及び飽和脂肪族炭化水素を使
用し、反応系を表3及び4に示すpHに調整したこと以
外は、実施例6と同様にして塩化ビニル系樹脂を得た。
【0078】上記実施例6〜9及び比較例5〜8で得ら
れた塩化ビニル系樹脂につき、下記の評価を行い、その
結果を3及び4に示した。 (1)多孔性(可塑剤吸収性) 可塑剤吸収性を多孔性の指標として、ガラスフィルター
(目の粗さ:G2)に塩化ビニル系樹脂5gを秤り取
り、樹脂に対して過剰量のDOP(ジオクチルフタレー
ト)可塑剤を添加しよく混合した後、遠心分離器(回転
数:6,000rpm)で過剰のDOPを分離し、樹脂
100重量部に対してDOP吸収量を求めた。
【0079】(2)空隙率 実施例1と同様な測定方法により測定した。 (3)粒度分布 実施例1と同様な測定方法により測定した。 (4)嵩比重 実施例1と同様な測定方法により測定した。 (5)重合度 実施例1と同様な測定方法により測定した。
【0080】(6)加工性 塩化ビニル系樹脂に安定剤を加えて下記の樹脂組成物を
調製し、この樹脂組成60gをプラストミル(東洋精機
社製「ハーケレオコード90」)に投入し、回転数50
rpmで、投入温度120℃より5℃/分の昇温速度で
昇温し、200℃まで測定を行った。 ・塩化ビニル系樹脂 100g ・安定剤 2g (ジブチル錫メルカプト、三共有機合成社製「JF−10B」) ・滑剤 0.5g (モンタン酸ワックス、ヘキスト社製「WAX−OP」)
【0081】
【表3】
【0082】
【表4】
【0083】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の重合方法
は、上述の構成であり、重合器へのスケール付着が起こ
らず、しかも空隙率が高く、加工性の良好な塩化ビニル
系樹脂を提供する。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
    量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物を、
    分散剤を含む水性媒体中へ連続的に供給して懸濁重合を
    行う際に、反応系へアルカリ土類金属の炭酸塩を炭素数
    が5〜7の飽和脂肪族炭化水素と共に添加することを特
    徴とする塩化ビニル系樹脂の重合方法。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
    量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物、有
    機溶剤、分散剤及び水性媒体からなる原料混合液を、所
    定の重合温度(T)−10℃〜T+5℃の温度範囲に加
    温して連続的に重合器に供給することを特徴とする請求
    項1記載の塩化ビニル系樹脂の重合方法。
  3. 【請求項3】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
    量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物を水
    性媒体中で重合する際に、重合転化率が5〜25%の間
    で水性媒体のpHを5〜7に維持した後アルカリ土類金
    属の炭酸塩を投入し、さらに重合転化率70%から重合
    終点までの間で、水性媒体のpHを2.5〜4に維持す
    ることを特徴とする塩化ビニル系樹脂の重合方法。
  4. 【請求項4】 アルカリ土類金属の炭酸塩が、マグネシ
    ウム、カルシウム及びバリウムから選ばれるアルカリ土
    類金属の炭酸塩の1種以上であることを特徴とする請求
    項1〜3のうちいずれか1項記載の塩化ビニル系樹脂の
    重合方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20200050742A (ko) * 2018-11-02 2020-05-12 주식회사 엘지화학 염화비닐계 중합체의 제조방법
US11952442B2 (en) 2018-10-29 2024-04-09 Lg Chem, Ltd. Method for preparing vinyl chloride-based polymer

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