JPH10120708A - 塩化ビニル系樹脂の製造方法 - Google Patents

塩化ビニル系樹脂の製造方法

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JPH10120708A
JPH10120708A JP27924596A JP27924596A JPH10120708A JP H10120708 A JPH10120708 A JP H10120708A JP 27924596 A JP27924596 A JP 27924596A JP 27924596 A JP27924596 A JP 27924596A JP H10120708 A JPH10120708 A JP H10120708A
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chloride monomer
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Hideaki Yoshitomi
英明 吉富
Yoshihiko Eguchi
吉彦 江口
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Abstract

(57)【要約】 【課題】連続懸濁重合において、重合器へスケールが付
着するのを防止し、空隙率が高く、フィッシュアイの少
ない加工性の良好な塩化ビニル系樹脂が得られる塩化ビ
ニル系樹脂の製造方法を提供する。 【解決手段】塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量
体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物(以
下、塩化ビニル系単量体という)を、分散剤を含む水性
媒体中で連続的に懸濁重合させる際に、塩化ビニル系単
量体に対して、炭素数12〜31の飽和高級脂肪酸及び
/又は炭素数15〜31の飽和高級アルコールを添加す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、塩化ビニル系樹脂
の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、塩化ビニル系単量体の重合法で
は、通常、ステンレス製の重合器に塩化ビニル系単量
体、水性媒体、分散剤及び重合開始剤等を仕込み、反応
温度を一定に制御して除熱を行いながら重合を行い、所
定の重合率に達したところで未反応の塩化ビニル系単量
体を回収し、脱水乾燥の工程を経て重合体を得る回分式
の水懸濁重合方法が行われている。この回分式の水懸濁
重合方法では、還流凝縮器の提案等により生産性の向上
が図られているが、さらに、生産性を高めるために連続
懸濁重合方法が提案されている。
【0003】しかしながら、塩化ビニル系樹脂の連続懸
濁重合では、重合器へのスケールの付着の問題及び重合
体粒子の内部に空隙のないガラス玉と呼ばれるものが生
成することによって品質が低下する等の問題があり、実
用化に至っていない。
【0004】連続懸濁重合方法で得られる重合体の粒子
構造の制御に関しては、例えば、特開昭57−1924
02号公報、特開昭57−205402号公報、特開昭
58−91701号公報、特開平3−56501号公
報、特開平3−131603号公報、特開平3−215
502号公報、特開平4−4202号公報等に、所定の
大きさの液滴を作製しこれを重合器内に投入し、液滴の
分散や合一を起こさないようにして重合反応を行い、所
定の大きさの重合体粒子を製造する方法等の提案がなさ
れているが、スチレン等の粒子径の制御には有効であっ
ても、塩化ビニル系単量体の重合において、ガラス玉の
発生を防止する効果は見られなかった。
【0005】ところで、回分式の塩化ビニル系単量体の
懸濁重合においては、塩化ビニル系樹脂の成形加工性を
改善するために、成形加工時に添加する成分の一部を重
合時に添加して重合を行い、より優れた効果が得られる
方法が提案されている。
【0006】このような方法として、例えば、特開平7
−10919号公報には、塩化ビニル系単量体に対し
て、炭素数8〜22の高級脂肪酸を添加することによ
り、低剪断力によって粒子が崩壊可能な塩化ビニル系樹
脂が開示されている。また、例えば、特開平7−484
13号公報には、塩化ビニル系単量体に対して、炭素数
12〜22の高級脂肪酸を添加することにより、塩素化
塩化ビニル樹脂の原料に好適な加工性に優れた樹脂を得
る方法が開示されている。
【0007】さらに、例えば、特開昭52−883号公
報には、塩化ビニル系単量体の重合時に用いられる各種
添加剤を、高級脂肪族炭化水素(天然ワックス等)、高
級脂肪酸(ラウリン酸等)、高級脂肪酸エステル(硬化
ひまし油等)、高級アルコール(セチルアルコール等)
などで処理した後添加することにより、スケール付着を
防止する方法が開示されている。また、例えば、特開平
6−329709号公報には、塩化ビニル系単量体に対
して、炭素数4〜18の高級アルコールを添加すること
により、発泡を防止して好適な粒度の樹脂を得る方法が
開示されている。しかしながら、これらの方法は、いず
れも回分式の懸濁重合に関するものであり、連続懸濁重
合に関するものではなかった。
【0008】一方、塩化ビニル系樹脂の連続重合におい
て、重合反応中でのスケールの発生を防止する、ノンス
ケール化技術を中心として数多くの提案がなされてい
る。即ち、連続懸濁重合方法では、長期にわたる連続運
転が前提となるが、その際重合器壁や移送管等へのスケ
ール付着が問題点として指摘されている。重合器壁へス
ケールが付着すると、重合器の除熱能力が低下するため
生産性が悪くなり、スケール付着物が、重合器壁から剥
離して製品に混入すると品質低下を招くことになる。ま
た、移送管がスケールで閉塞すると、これを除去するた
めにプラントを停止してスケールの除去作業を行わなけ
ればならず、多大な労力を要する上に、生産性の大幅な
低下を招くという問題点があった。
【0009】このようなことから、上記ノンスケール化
技術を中心に、例えば、スティッキーステートと呼ばれ
る樹脂の粘着性が高い重合初期過程に着目し、そこでス
ケールの付着を防いだり、重合体粒子同士の凝集を防止
するために幾つかの提案がなされている。例えば、特開
昭56−118407号公報では、複数の重合器を設
け、そのうちの最初の重合器の重合温度をより高めに設
定しておき、重合体の粘度を下げる方法;特開昭39−
44864号公報では、スティッキーステート状態の経
過する重合器を並列に複数個設けておき、スケール除去
作業による生産性の低下を改善する方法が提案されてい
る。
【0010】また、特開昭56−93710号公報で
は、複数個の重合器のうちスティッキーステートの存在
する重合器の攪拌を強くして樹脂が粘着するのを防ぎ、
かつ反応中のスケール付着を防止する方法が提案されて
いる。
【0011】しかしながら、これらのノンスケール化技
術は、複雑な操作を必要したり、重合器の体積効率を低
下させる等の問題点があった。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、上記問題点
を解決するためになされたものであり、その目的は、連
続懸濁重合において、重合器へスケールが付着するのを
防止し、空隙率が高く、フィッシュアイの少ない加工性
の良好な塩化ビニル系樹脂が得られる塩化ビニル系樹脂
の製造方法を提供することにある。
【0013】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1記載の
発明(以下、第1発明という)である塩化ビニル系樹脂
の製造方法は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物(以
下、塩化ビニル系単量体という)を、分散剤を含む水性
媒体中で連続的に懸濁重合させる際に、塩化ビニル系単
量体100重量部に対して、炭素数12〜31の飽和高
級脂肪酸及び/又は炭素数15〜31の飽和高級アルコ
ール0.1〜3重量部を添加することを特徴とする。本
発明の請求項2記載の発明(以下、第2発明という)で
ある塩化ビニル系樹脂の製造方法は、塩化ビニル単量体
単独又は塩化ビニル単量体及びこれと共重合可能な重合
性単量体の混合物(以下、塩化ビニル系単量体という)
を、分散剤を含む水性媒体中で連続的に懸濁重合させる
際に、塩化ビニル系単量体100重量部、炭素数12〜
31の飽和高級脂肪酸及び炭素数15〜31の飽和高級
アルコールの混合物0.1〜3重量部、分散剤ならびに
水性媒体からなる原料懸濁液を、重合温度(T)に対
し、T−10℃〜T+5℃の温度に加熱して重合器へ供
給することを特徴とする。
【0014】本発明の製造方法では、塩化ビニル系樹脂
は、塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単量体と共重
合可能な重合性単量体との混合物(以下、塩化ビニル系
単量体という)を(共)重合させることにより得られ
る。
【0015】上記重合性単量体としては、塩化ビニル単
量体と共重合しうるものであり、例えば、酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等のビニルエステル類;(メタ)ア
クリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル等の(メ
タ)アクリル酸エステル類;エチレン、プロピレン等の
α−モノオレフィン類の他、無水マレイン酸、アクリロ
ニトリル、塩化ビニリデン、スチレン等が挙げられる
が、塩化ビニル単量体と共重合可能なものであれば特に
制限はない。
【0016】本発明で用いられる飽和高級脂肪酸は、炭
素数12〜31のものであって、例えば、ラウリン酸、
トリデシル酸、ミリスチン酸、ペンタデシル酸、パルミ
チン酸、ステアリン酸、ノナデカン酸、アラキン酸、ベ
ヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、ヘプタコサン
酸、モンタン酸、メリシン酸、ラクセル酸等が挙げら
れ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用
されてもよい。
【0017】本発明で用いられる飽和高級アルコール
は、炭素数15〜31のものであって、例えば、ペンタ
デシルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアル
コール、ノナデシルアルコール、エイコシルアルコー
ル、セリルアルコール、メリシルアルコール等が挙げら
れ、これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用
されてもよい。
【0018】上記飽和高級脂肪酸の炭素数が12未満又
は飽和高級アルコールの炭素数が15未満では、親水性
が強くなり重合時の安定性が悪くなって異常重合を起こ
し易く、また融点が40℃未満と低いため、成形体から
ブリードアウトを起こすことがある。また、飽和高級脂
肪酸又は飽和高級アルコールの炭素数が、31を超える
と、融点が100℃以上となり、加工性を改善する効果
が小さくなる。
【0019】上記飽和高級脂肪酸及び/又は飽和高級ア
ルコールを添加することにより、これらの成分が塩化ビ
ニル系単量体に溶解し、空隙率の高い樹脂が得られるだ
けでなく、重合後の樹脂の内部に取り込まれるため、樹
脂に後添加するよりも加工性の改善効果が優れる。ま
た、重合器の内壁面に飽和高級脂肪酸及び/又は飽和高
級アルコールの被膜ができるため、これがスケール付着
の防止に効果があると考えられる。
【0020】上記飽和高級脂肪酸及び/又は飽和高級ア
ルコールの添加量は、少なくると上述の効果がなく、多
くなると塩化ビニル系樹脂の耐熱性が低下し、加熱によ
る着色が起こり易く熱安定性が悪くなるので、塩化ビニ
ル系単量体100重量部に対して0.1〜3重量部であ
る。
【0021】本発明の重合方法において、単独の重合器
又は、複数個結合した重合器に連続的に原料を供給し同
時に製品を排出する、連続懸濁重合方法が採用される。
【0022】本発明の重合方法において、連続懸濁重合
の操作は以下の方法で行われる。まず、重合器に規定量
の、塩化ビニル系単量体、飽和高級脂肪酸及び/又は飽
和高級アルコール、水性媒体、分散剤ならびに重合開始
剤を予め仕込んだ後、所定の重合温度に昇温して重合を
開始する。一方、別の原料タンクに、規定量の、塩化ビ
ニル系単量体、飽和高級脂肪酸及び/又は飽和高級アル
コール、水性媒体ならびに分散剤からなる原料懸濁液
を、所定の重合温度(T)に対し、T−10℃〜T+5
℃の温度に加温、好ましくはT−3℃〜T±0℃の温度
に加温する。
【0023】例えば、重合度1,000の塩化ビニル樹
脂を得ようとするときの重合温度は57℃であるので、
原料懸濁液の温度を47〜62℃の範囲に設定する必要
があり、好ましく54〜57℃である。
【0024】上記原料懸濁液の温度が、所定の重合温度
(T)より10℃を超えて低くなると、原料懸濁液を重
合器へ供給した時に急激な加熱によって発泡し、得られ
る塩化ビニル系樹脂の粒子径が大きくなり、成形加工性
に悪影響を与える。また、原料懸濁液の温度が、所定の
重合温度(T)より5℃を超えて高くなると、塩化ビニ
ルの重合が発熱反応であるため、高温の分だけ余計に除
熱する必要があり、さらに温度が高くなると圧力も高く
なる等の不都合の他に、原料懸濁液のタンクの内部圧力
が重合器内部圧力より高くなるため、原料懸濁液を定量
的に供給することが困難となり、時には圧力差で過剰に
供給され重合器内が液満の状態となる。
【0025】重合初期に重合器に仕込んだ塩化ビニル系
単量体が、所定の重合転化率に達した時点で、原料懸濁
液を一定の速度で連続的に重合器へ投入しながら、同時
に製品懸濁液を一定の速度で排出する流通操作を開始
し、連続重合反応を行う。このとき、重合開始剤も別の
タンクに仕込み、別のラインから一定の速度で連続的に
重合器へ投入することにより、一定の重合速度で反応を
行う。
【0026】上記原料懸濁液を連続的に重合器へ供給す
る場合、その投入部は、液面の上部、下部のいずれであ
ってもよいが、好ましくは、重合器の液相部に行うのが
よい。液相部に投入することにより、原料懸濁液の飛散
が防止でき、上鏡部へのポリマーの付着が防止できるの
で好ましい。
【0027】本発明で用いられる分散剤としては、通常
塩化ビニルの懸濁重合に用いられるものが挙げられ、例
えば、部分ケン化ポリビニルアルコール;メチルセルロ
ース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロー
ス、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピ
ルメチルセルロース等の水溶性セルロース;ポリエチレ
ンオキサイド、アクリル酸、ゼラチン等の水溶性高分
子;ソルビタンモノラウレート、ポリオキシエチレンソ
ルビタンモノラウレート等の水溶性乳化剤等が例示され
る。
【0028】上記分散剤の使用量は、塩化ビニル系単量
体に対して、0.05〜5重量%が好ましい。
【0029】本発明で使用される重合開始剤としては、
一般に塩化ビニル系樹脂の懸濁重合に用いられている公
知の油溶性重合開始剤が使用可能であり、例えば、ジ−
2−エチルヘキシルパーオキシジカーボネート、ジエト
キシエチルパーオキシジカーボネート、α−クミルパー
オキシネオデカネート、t−ブチルパーオキシネオデカ
ネート、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチル
パーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、
アセチルシクロヘキシルスルホニルパーオキシド、2,
4,4−トリメチルペンチル−2−パーオキシフェノキ
シアセテート、ラウロイルパーオキシドなどが挙げら、
これらは単独で用いられてもよく、二種以上が併用され
てもよい。
【0030】上記重合開始剤の使用量は、塩化ビニル系
単量体に対して、0.001〜2重量%が好ましい。
【0031】さらに、上記懸濁重合に際して、通常塩化
ビニル系単量体の重合に使用される、重合調整剤、連鎖
移動剤、重合禁止剤、pH調整剤、安定剤、スケール防
止剤等が添加されてもよい。
【0032】本発明の懸濁重合で使用される重合器(耐
圧オートクレーブ)の構造としては、特に制限はなく、
従来より塩化ビニルの重合に使用されている公知の構造
のものが用いられる。また、攪拌翼は、ファウドラー
翼、パドル翼、タービン翼、ファンタービン翼、ブルマ
ージン翼等の汎用的に用いられているものでよく、邪魔
板(バッフル)との組み合わせも特に制限はない。
【0033】上記連続懸濁重合に用いられる重合器とし
ては、槽型の単独、又は複数の反応槽が直列に接続され
たもののいずれであってもよい。即ち、本発明に適用可
能な反応槽としては、例えば、複数の重合槽の結合型
(特公昭43−9751号公報、特公昭49−2339
号公報)、直列連続重合槽型(特開昭57−53506
号公報)、連続棚段型(特開昭56−118407号公
報、特開昭56−163103号公報)、ループ型(特
開平5−202104号公報、特開平5−271308
号公報)等が挙げられるが、これらに限定されない。
【0034】特に、本発明の製造方法では、従来使用が
困難であった槽型の完全混合流れ型の反応器を使用して
も、加工性の良好な塩化ビニル系樹脂を得ることができ
る。即ち、化学工学的に広い滞留時間分布をとり、長期
滞留品の比率が高い槽型完全混合流れ型の反応器にも適
用可能な連続懸濁重合方法である。
【0035】
【発明の実施の形態】以下、実施例により本発明を具体
的に説明するが、本発明はこれに限定されるものではな
い。
【0036】(実施例1)内容積200Lのジャケット
及び攪拌翼を備えた槽型のステンレス製重合器(完全混
合流れ型)に、40℃のイオン交換水90kgを入れ、
さらに部分ケン化ポリビニルアルコール(日本合成化学
社製「ゴーセノールKZ−06」、ケン化度70モル
%、平均重合度600)45g及びポリエチレンオキサ
イド(住友精化社製「PEO−18」、平均分子量43
0万)9gを仕込んだ後、重合器内を13kPaまで真
空にし、ステアリン酸0.75kgを仕込み、さらに塩
化ビニル単量体75kgを仕込んだ。次いで、重合開始
剤α−クミルパーオキシネオデカノエート(日本油脂社
製「パークミルND」)75gを圧入した後、重合器内
を57℃に昇温した。
【0037】一方、別の内容積2m3 のジャケット及び
攪拌翼を備えた槽型のステンレス製原料タンクに、40
℃のイオン交換水900kg、部分ケン化ポリビニルア
ルコール(日本合成化学社製「ゴーセノールKZ−0
6」)450g及ポリエチレンオキサイド(住友精化社
製「PEO−18」)90gを仕込んだ後、原料タンク
内を13kPaまで真空にし、ステアリン酸7.5kg
及び塩化ビニル単量体750kgを仕込んだ。この時の
温度は38℃あった。これを55℃まで昇温し、原料懸
濁液の調製を完了した。
【0038】重合器内の温度が57℃に達し重合反応が
開始すると同時に、55℃に加温した原料懸濁液を55
kg/hrの割合で重合器底部から水相部へ供給し、ま
た同時に重合開始剤α−クミルパーオキシネオデカネー
ト(日本油脂社製「パークミルND」)を25g/hr
の割合で投入し、さらに原料懸濁液投入開始と同時に重
合器内容積が一定となるように抜き出す流通操作を開始
し、連続重合反応を行った。30時間連続流通操作を行
った後、冷却、排ガスして連続重合反応を停止し、内容
物(重合体スラリー)を取り出した。この重合体スラリ
ーを脱水乾燥して塩化ビニル樹脂を得た。
【0039】(実施例2〜6、比較例1〜4)表1及び
2に示す所定量の、飽和高級脂肪酸及び/又は飽和高級
アルコールを使用し、原料懸濁液温度及び重合温度を表
1及び2に示す温度に設定したこと以外は、実施例1と
同様にして塩化ビニル樹脂を得た。
【0040】上記実施例及び比較例で得られた塩化ビニ
ル系樹脂につき、下記の評価を行い、その結果を表1及
び2に示した。 (1)粒度分布 JIS Z8801に準拠して測定した。 (2)嵩比重 JIS K6721に準拠して測定した。 (3)空隙率 水銀圧入ポロシメーター(アコム社製「ポロシメーター
2000」)を用いて、196MPaで塩化ビニル系樹
脂100g当たり圧入される水銀の量を測定して空隙率
を求めた。
【0041】(4)熱安定性 塩化ビニル系樹脂及び下記の成分を混合して樹脂組成物
を調製した後、この樹脂組成物を190℃のロールで3
分間混練して0.5mm厚の樹脂シートを作製した。こ
の樹脂シートを190℃のギヤオーブン中で加熱し褐色
に変色するまでの時間を測定した。 塩化ビニル系樹脂 100重量部 ジブチル錫メルカプト 2重量部 モンタン酸ワックス 0.5重量部
【0042】(5)フィッシュアイ 塩化ビニル系樹脂及び下記の成分を混合して樹脂組成物
を調製した後、この樹脂組成物を145℃のロールで5
分間混練して0.2mm厚の樹脂シートを作製し、この
樹脂シート中の透明粒子数を計測した。 塩化ビニル系樹脂 100重量部 三塩基性硫酸鉛 1重量部 ステアリン酸 2重量部 フタル酸エステル可塑剤 40重量部 顔料 0.2重量部
【0043】(6)ゲル化時間 上記(4)と同様な樹脂組成物を、プラストグラフ(ハ
ーケ社製「レオコード90」)に投入し、190℃、5
0rpmの回転数でゲル化するまでの時間を測定した。
【0044】(7)スケール付着状況 重合反応終了後、重合器内のスケール付着状況を目視観
察した。
【0045】
【表1】
【0046】
【表2】
【0047】
【発明の効果】本発明の塩化ビニル系樹脂の製造方法
は、上述の構成であり、懸濁重合中に重合器へのスケー
ル付着がなく、空隙率が高く、しかもフィッシュアイが
少なく、ゲル化性に優れるので、回分式懸濁重合によっ
て得られる塩化ビニル系樹脂と同等の加工性を有する塩
化ビニル系樹脂を提供する。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
    量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物(以
    下、塩化ビニル系単量体という)を、分散剤を含む水性
    媒体中で連続的に懸濁重合させる際に、塩化ビニル系単
    量体100重量部に対して、炭素数12〜31の飽和高
    級脂肪酸及び/又は炭素数15〜31の飽和高級アルコ
    ール0.1〜3重量部を添加することを特徴とする塩化
    ビニル系樹脂の製造方法。
  2. 【請求項2】 塩化ビニル単量体単独又は塩化ビニル単
    量体及びこれと共重合可能な重合性単量体の混合物(以
    下、塩化ビニル系単量体という)を、分散剤を含む水性
    媒体中で連続的に懸濁重合させる際に、塩化ビニル系単
    量体100重量部、炭素数12〜31の飽和高級脂肪酸
    及び炭素数15〜31の飽和高級アルコールの混合物
    0.1〜3重量部、分散剤ならびに水性媒体からなる原
    料懸濁液を、重合温度(T)に対し、T−10℃〜T+
    5℃の温度に加熱して重合器へ供給することを特徴とす
    る塩化ビニル系樹脂の製造方法。
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JP2014521823A (ja) * 2011-09-02 2014-08-28 エルジー・ケム・リミテッド 高機能性重合用添加剤、及びそれを用いた塩化ビニル系シードの製造方法
KR20150019010A (ko) * 2013-08-12 2015-02-25 주식회사 엘지화학 염화비닐계 수지의 제조방법
KR101498340B1 (ko) * 2012-07-11 2015-03-05 주식회사 엘지화학 반응성이 향상된 염화비닐계 수지의 중합방법

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2014521823A (ja) * 2011-09-02 2014-08-28 エルジー・ケム・リミテッド 高機能性重合用添加剤、及びそれを用いた塩化ビニル系シードの製造方法
KR101498340B1 (ko) * 2012-07-11 2015-03-05 주식회사 엘지화학 반응성이 향상된 염화비닐계 수지의 중합방법
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