JP2011520895A - アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの調製のための方法 - Google Patents
アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの調製のための方法 Download PDFInfo
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Abstract
本発明は、−エポキシ化反応装置内に位置するエポキシ化触媒を含有するエポキシ化ゾーン;−アルキレンオキシド吸収装置内に位置するヨウ化物含有カルボキシル化触媒を含有するカルボキシル化ゾーン;および−エポキシ化ゾーンの上流に位置し、再循環ガスを含む供給原料中のヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤を含有する1つまたは複数の精製ゾーンを含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための反応システム、ならびにアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための方法を提供する。
Description
本発明は、アルケンから、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールを調製する方法に関する。
モノエチレングリコールは、ポリエステル繊維、ポリエチレンテレフタレート(PET)プラスチックおよび樹脂の製造において原料として用いられる。また、これは自動車不凍液に組み込まれる。エチレンカーボネートは、通常、溶媒として用いられる。
モノエチレングリコールは、通常、エチレンオキシドから調製され、またこれはエチレンから調製される。エチレンおよび酸素は、銀触媒上を通され、エチレンオキシド、未反応エチレン、未反応酸素、反応調整剤、二酸化炭素および水を通常含む生成物流を製造している。生成物流中のエチレンオキシドの量は、通常、約0.5から10モルパーセントの間にある。生成物流はエチレンオキシド吸収装置に供給され、エチレンオキシドは主として水を含む再循環溶媒流に吸収される。エチレンオキシドを失った流れは、部分的にまたはすべて二酸化炭素吸収カラムに供給され、そこで、二酸化炭素は、再循環吸収剤流に少なくとも部分的に吸収される。再循環吸収剤流に吸収されないガスは、二酸化炭素吸収カラムを迂回するガスと再混合され、エチレンオキシド反応装置に再循環される。
エチレンオキシド吸収装置を出る溶媒流は油性吸収剤と呼ばれる。典型的には、油性吸収剤はエチレンオキシドストリッパーに供給され、そこで、エチレンオキシドは蒸気流として油性吸収剤から除去される。エチレンオキシドストリッパーを出る、エチレンオキシドを失った溶媒流は、リーン(lean)吸収剤と呼ばれ、エチレンオキシド吸収装置に再循環してエチレンオキシドをさらに吸収する。
エチレンオキシドストリッパーから得られたエチレンオキシドは、貯蔵または販売用に精製することができ、またはさらに反応させて、エチレングリコールを与えることができる。周知の一方法においては、エチレンオキシドは大過剰の水と非触媒法でエチレンオキシドを反応させる。この反応は、通常ほぼ90重量パーセントのモノエチレングリコールからなるグリコール生成物流を生産し、残りは主にジエチレングリコール、いくらかのトリエチレングリコールおよび少量の高級同族体である。別の周知の方法において、エチレンオキシドは二酸化炭素と触媒反応させ、エチレンカーボネートを生産する。エチレンカーボネートは、続いて加水分解してエチレングリコールを与えることができる。エチレンカーボネート経由の反応は、モノエチレングリコールへのエチレンオキシド変換の選択性を著しく改善する。
エチレンからエチレングリコールを得て、必要とする設備を減らし、エネルギー消費を削減する方法を単純化する努力がなされてきた。GB2107712は、エチレンオキシドをエチレンカーボネートまたはエチレングリコールおよびエチレンカーボネートの混合物に変換する反応装置に、エチレンオキシド反応装置からのガスを直接供給する、モノエチレングリコールを調製する方法を記載している。EP776890は、吸収溶液が主としてエチレンカーボネートおよびエチレングリコールを含む吸収装置に、エチレンオキシド反応装置からのガスを供給する方法を記載している。吸収溶液中のエチレンオキシドは、カルボキシル化反応装置に供給され、カルボキシル化触媒の存在下において二酸化炭素と反応させる。吸収溶液中のエチレンカーボネートは、続いて、水を添加し、加水分解反応装置に供給され、加水分解触媒の存在下において加水分解にかけられる。
本発明者らは、アルケンからアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの製造をさらに改善しようとした。
(発明の要旨)
したがって、本発明は、
−エポキシ化反応装置内に位置するエポキシ化触媒を含有するエポキシ化ゾーン、
−アルキレンオキシド吸収装置内に位置するヨウ化物含有カルボキシル化触媒を含有するカルボキシル化ゾーン、および
−エポキシ化ゾーンの上流に位置し、再循環ガスを含む供給原料中のヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤を含有する1つまたは複数の精製ゾーン
を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための反応システムを提供する。
したがって、本発明は、
−エポキシ化反応装置内に位置するエポキシ化触媒を含有するエポキシ化ゾーン、
−アルキレンオキシド吸収装置内に位置するヨウ化物含有カルボキシル化触媒を含有するカルボキシル化ゾーン、および
−エポキシ化ゾーンの上流に位置し、再循環ガスを含む供給原料中のヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤を含有する1つまたは複数の精製ゾーン
を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための反応システムを提供する。
本発明は、また、
−アルケン、酸素およびエポキシ化再循環ガスを含むエポキシ化供給原料を、エポキシ化反応装置内でエポキシ化触媒と接触させ、アルキレンオキシドを含むエポキシ化反応生成物を与える段階、
−アルキレンオキシド吸収装置内でヨウ化物含有カルボキシル化触媒の存在下においてエポキシ化反応生成物をリーン吸収剤と接触させ、エポキシ化再循環ガスならびにアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールを含有する油性吸収剤を与える段階および
−エポキシ化触媒と接触させる前に、エポキシ化再循環ガスの少なくとも一部をヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤と接触させる段階を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための方法を提供する。
−アルケン、酸素およびエポキシ化再循環ガスを含むエポキシ化供給原料を、エポキシ化反応装置内でエポキシ化触媒と接触させ、アルキレンオキシドを含むエポキシ化反応生成物を与える段階、
−アルキレンオキシド吸収装置内でヨウ化物含有カルボキシル化触媒の存在下においてエポキシ化反応生成物をリーン吸収剤と接触させ、エポキシ化再循環ガスならびにアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールを含有する油性吸収剤を与える段階および
−エポキシ化触媒と接触させる前に、エポキシ化再循環ガスの少なくとも一部をヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤と接触させる段階を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための方法を提供する。
本発明の方法において、アルキレンオキシド吸収装置は、エポキシ化反応生成物からアルキレンオキシドを吸収する吸収装置として、また、アルキレンオキシドをアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールに変換する反応装置として働く。この種の吸収装置は、従来は、化学反応ではなく物質移動工程に用いられる。本発明の方法において、カルボキシル化がアルキレンオキシド吸収装置内で生じる。典型的なカルボキシル化触媒はヨウ化物含有触媒である。ヨウ化物含有カルボキシル化触媒を用いて、アルキレンオキシド吸収装置内でカルボキシル化反応を実行すると、結果としてヨウ化物含有不純物が再循環ガス流に導入されることが見出された。この種のヨウ化物含有不純物はエポキシ化触媒に毒として働くことがある。ヨウ化物含有不純物の量を減らすことができる精製吸収剤と再循環ガス流を接触させると、エポキシ化工程を改善し、詳細には、選択性、活性、および新鮮なエポキシ化触媒との触媒の交換を必要とする前に、エポキシ化触媒が反応管中にとどまる持続時間を改善することが分かった。
本発明は、アルケンからアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの調製のための方法を提供する。
したがって、適切なアルケンの例はエチレンおよびプロピレンを含む。本発明において、最も好ましいアルケンはエチレンである。
本発明のエポキシ化反応容器は、アルケンおよび酸素を含有する供給原料を反応させるために用いられるいかなる反応容器であってもよい。エポキシ化反応容器は1つまたは複数の開口反応管を含んでいてもよい。好ましくは、エポキシ化反応容器は、複数の反応管を含む管形熱交換器である。これらの反応管は、好ましくは15から80mm(ミリメートル)、より好ましくは20から75mm、最も好ましくは25から70mmの範囲の内径を有することができる。反応管は、好ましくは5から20m(メートル)、より好ましくは10から15mの範囲の長さを有することができる。管形熱交換器は1000から20000本の反応管、特に2500から15000本の反応管を有することができる。
1つまたは複数の反応管は、反応容器の中心長手方向軸に対して実質的に平行に配置され、熱交換流体を受け取るように適合したシェル(すなわち、管形熱交換器のシェル側)によって取り囲まれている。熱交換室内の熱交換流体は、熱伝達に適したあらゆる流体、例えば水、または熱交換に適した有機材料であってよい。この有機材料は油またはケロシンであってよい。1つまたは複数の反応管の上端は、実質的に水平の上部管板に接続され、反応容器の1つまたは複数の入口と流体連通しており、1つまたは複数の反応管の下端は、実質的に水平の下部管板に接続され、エポキシ化反応容器の1つまたは複数の出口(すなわち、管形熱交換器の管側)と流体連通している。エポキシ化反応容器は、触媒粒子の充填床を含むエポキシ化ゾーンを含む。触媒床は1つまたは複数の反応管の内側に配置される。
供給原料成分、詳細には再循環ガスの精製は、エポキシ化反応容器の外部に位置する1つまたは複数の精製ゾーン内および/またはエポキシ化反応容器の内部に配置された精製ゾーン内で生じる。
本明細書において使用される場合、用語「実質的に鉛直」および「実質的に水平」は、反応容器の中心長手方向軸に対して正確に鉛直または水平の位置からのわずかなずれを含むものと理解され、特にこの用語は、正確に鉛直または水平の位置から0から20度の範囲内のばらつきを含むことを意味する。正確に鉛直は、反応容器の中心長手方向軸に沿った位置である。正確に水平は、反応容器の中心長手方向軸に対して垂直な位置である。
本明細書において使用される場合、用語「実質的に平行」は、反応容器の中心長手方向軸に対して正確な平行位置からわずかなずれを含むものと理解され、特にこの用語は、反応容器の中心長手方向軸に対して正確な平行位置から0から20度の範囲内のばらつきを含むことを意味する。
本明細書において使用される場合、精製吸収剤温度は、充填床中の精製吸収剤粒子の重量平均温度であると考えられる。
本明細書において使用される場合、エポキシ化触媒温度は、充填床中のエポキシ化触媒粒子の重量平均温度であると考えられる。
一実施形態において、1つまたは複数の精製ゾーンがエポキシ化反応容器の外側に設置される(すなわち、エポキシ化反応容器とは独立している。)。再循環ガスは、エポキシ化触媒を接触させる前に1つまたは複数の精製ゾーンに供給される。1つまたは複数の追加の供給原料成分も、再循環ガスと共にまたは再循環ガスとは別に、精製ゾーン内の精製吸収剤と接触されてもよい。精製ゾーンは、それぞれ精製吸収剤の充填床を含有する1つまたは複数の個別の精製容器を含んでいてもよい。
この実施形態において、1つまたは複数の精製ゾーンは、エポキシ化反応容器の上流に位置する。好ましくは、少なくとも1つの精製ゾーンは再循環ガスループ内に位置する。再循環ガスループは、アルキレンオキシド吸収装置およびエポキシ化反応容器の間を相互連結する配管を含み、再循環ガスループ内に二酸化炭素吸収装置、熱交換器、圧縮機および水除去「ノックアウト」容器を、場合によって含む。適切に、1つまたは複数の精製ゾーンは、再循環ガスループ内のいかなる場所、例えば供給原料成分(例えばエチレン、酸素、メタンおよび反応調整剤)の添加の下流の、およびエポキシ化反応生成物からの熱をエポキシ化反応装置への供給原料成分と交換する生成物/供給原料熱交換器の上流の再循環ガスループ内に、生成物/供給原料熱交換器およびエポキシ化反応装置への入口の間の再循環ガスループ内に、再循環ガスから水を除去するために用いられるいくつかの「ノックアウト」容器の上流の再循環ガスループ内に、アルキレンオキシド吸収装置および二酸化炭素吸収装置の間の再循環ガスループにおいて、詳細には、アルキレンオキシド吸収装置と二酸化炭素吸収装置の前の再循環ガスループに位置する圧縮機との間の再循環ガスループ内に位置してもよい。
この実施形態において、精製容器内の精製吸収剤の充填床は、いかなる床高をも有することができる。1つの精製ゾーンは、2つ以上の独立した精製容器を含むことができる。工程が精製容器間で切り替えられるようにするために、2個以上の精製容器が、関連する切り替え手段と平行に配置され、それにより、工程の連続運転を維持することができる。この実施形態において用いることができる適切な切り替え手段は当業者に知られている。
この実施形態において、適切には、精製吸収剤の温度は少なくとも25℃、特に少なくとも60℃、とりわけ少なくとも70℃であってよい。精製吸収剤の温度は最高325℃、特に最高210℃、さらに特に最高200℃、とりわけ最高180℃であってよい。この実施形態において、精製吸収剤の温度は、25から325℃、好ましくは60から200℃、最も好ましくは70から180℃の範囲にあってもよい。
一実施形態において、エポキシ化反応容器は、1つまたは複数の反応管の上流に配置された、例えば、エポキシ化反応容器のヘッドスペース中の上部管板および反応管の上部に配置された、精製吸収剤の充填床を含む精製ゾーンを含むことができる。この実施形態において、再循環ガスを含む全エポキシ化反応装置供給原料は、精製吸収剤と接触される。この実施形態において、精製吸収剤の充填床は、少なくとも0.05m、特に少なくとも0.075m、さらに特に少なくとも0.1m、とりわけ少なくとも0.15mの床高を有することができる。この実施形態では、精製吸収剤は最大2m、特に最大1m、とりわけ最大0.5mの床高を有することができる。この実施形態において、適切には、精製吸収剤の温度は少なくとも130℃、特に少なくとも140℃であってよい。精製吸収剤の温度は最高210℃、特に最高200℃、とりわけ最高180℃であってよい。精製吸収剤の温度は、130から210℃、好ましくは140から200℃、最も好ましくは145から180℃の範囲であってよい。
一実施形態において、エポキシ化反応容器は、エポキシ化触媒を含有するエポキシ化ゾーンの上流の反応管内に配置された精製吸収剤の充填床を含む精製ゾーンを含むことができる。この実施形態において、再循環ガスを含む全エポキシ化反応装置供給原料は、精製吸収剤と接触される。この実施形態において、精製吸収剤の充填床は、反応管の長さの少なくとも0.25%、特に反応管の長さの少なくとも0.5%、さらに特に少なくとも1%、とりわけ少なくとも2%の床高を有することができる。この実施形態において、精製吸収剤は、反応管の長さの最大20%、特に反応管の長さの最大15%、さらに特に最大10%、とりわけ最大5%の床高を有することができる。この実施形態において、精製吸収剤の温度は、適切には、反応管内に配置したとき、少なくとも140℃、特に少なくとも150℃、とりわけ少なくとも180℃であってよい。精製吸収剤の温度は最高300℃、特に最高290℃、とりわけ最高280℃であってよい。この実施形態において、精製吸収剤の温度は、150から300℃、好ましくは180から285℃、最も好ましくは210から270℃の範囲であってもよい。
ヨウ化物含有不純物は、エポキシ化供給原料に有機塩化物反応調整剤を添加する前または後に、好ましくは有機塩化物反応調整剤の添加の前に、再循環ガスおよび、場合によって、1つまたは複数の追加の供給原料成分から除去することができる。
精製吸収剤は、流体流中、特にエポキシ化再循環ガス流中のヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる任意の吸収剤である。理論に拘束されることを望むわけではないが、吸収剤は、不純物との反応および不純物の吸収を含み、これらに限定されない化学的または物理的手段によって供給原料中の不純物を減少させると考えられている。精製吸収剤の寸法および形状は本発明にとって重要でなく、塊状、断片、円筒、環、球形、車輪状、錠剤、三葉などの形態であってよく、固定床中での使用に好適な大きさ、例えば2mmから30mmであってよい。
本明細書において使用される場合、別段の定めがない限り、精製吸収剤の重量は、精製吸収剤中にあるすべての支持材料の重量を含有する精製吸収剤の全重量であると考えられる。
一実施形態において、精製吸収剤は使用済みエポキシ化触媒であってよい。用語「使用済みエポキシ化触媒」は、本明細書において用いられる場合、エポキシ化ゾーンに含まれているエポキシ化触媒より多くのオレフィンオキシドを生産したエポキシ化触媒を指すものと理解される。いくつかの実施形態において、使用済みエポキシ化触媒は、少なくとも1kT/m3、好ましくは少なくとも1.6kT/m3、特に少なくとも2kT/m3を生産したものである。
この実施形態において、精製吸収剤は、この種の金属含有材料の生産のための従来の方法によって、例えば沈殿または含浸によって調製することができる。次いで、結果として生じる塩は、金属酸化物の沈殿を生成するために、6から9のpH範囲で15から90℃、特に80℃の温度で塩基性重炭酸塩または炭酸塩溶液と接触させることができる。この沈殿はろ過し、次いで、20から50℃の範囲の温度で洗浄することができる。次いで、沈殿は、100から160℃、特に120から150℃の範囲の温度で乾燥することができる。乾燥の後、沈殿は、次いで、170から600℃、特に350から550℃の範囲の温度でか焼することができる。沈殿物は押出加工または錠剤化などの従来の方法によって所望の寸法および形状に形成することができる。代替として、含浸法を用いることができ、金属化合物の適切な溶液を支持材料に含浸させることにより精製吸収剤を形成し、続いて乾燥およびか焼する。
この実施形態において、か焼の後の精製吸収剤は、精製吸収剤の重量に対して、20から100重量%(重量パーセント)、精製吸収剤の重量に対して特に70から100重量%、とりわけ精製吸収剤の重量に対して75から95重量%の範囲の量の金属酸化物を含むことができる。
この実施形態において、支持材料は、か焼の後に、精製吸収剤の重量に対して、少なくとも1重量%、精製吸収剤の重量に対して特に少なくとも1.5重量%、とりわけ少なくとも2重量%の量で精製吸収剤中に存在することができる。支持材料は、か焼の後に、精製吸収剤の重量に対して最大80重量%、精製吸収剤の重量に対して特に最大50重量%、さらに特に最大30重量%、精製吸収剤の重量に対してとりわけ最大25重量%の量で精製吸収剤中に存在することができる。支持材料は、か焼の後に、精製吸収剤の重量に対して5から25重量%、特に10から20重量%の範囲の量で精製吸収剤中に存在することができる。
個別の実施形態において、精製吸収剤は銀、アルカリまたはアルカリ土類金属成分、および支持材料を含むことができる。銀を含む精製吸収剤を用いる場合、エチレンおよび酸素が処理される供給原料中に存在する場合、より高い温度は回避するのが好ましい。
この実施形態において、精製吸収剤は、精製吸収剤の成分を共混練することによって調製することができる。このような共混練方法のさらなる説明については、US2006/0036104を参照することができる。好ましくは、銀およびアルカリまたはアルカリ土類金属成分は、含浸法によって支持材料上に堆積される。このような含浸方法のさらなる説明については、US−A−5380697、US−A−5739075、EP−A−266015およびUS−B−6368998を参照することができる。支持材料上に銀を堆積させる方法は、銀陽イオンまたは錯形成した銀を含有する銀化合物を支持体に含浸させ、場合によって還元することで金属銀粒子を形成することを含む。好適には、銀分散体、例えば銀ゾルを使用して、支持材料上に銀を堆積することができる。
この実施形態において、精製吸収剤は、精製吸収剤の重量に対して少なくとも5g/kg、好ましくは少なくとも100g/kg、より好ましくは少なくとも150g/kg、最も好ましくは少なくとも200g/kgの量の銀を含有することができる。好ましくは、精製吸収剤は、同じ基準で5から500g/kg、より好ましくは150から400g/kg、例えば105g/kg、または120g/kg、または190g/kg、または250g/kg、または350g/kgの量の銀を含む。
この実施形態において、支持材料はアルミナ、チタニア、ジルコニア、シリカ、活性炭またはこれらの混合物から選択することができる。好ましくは、支持材料は、アルミナ、特にγ−アルミナであってよい。この実施形態において、支持材料は、20m2/gを超え、好ましくは少なくとも25m2/g、より好ましくは少なくとも50m2/g、最も好ましくは少なくとも75m2/g、特に少なくとも100m2/g、さらに特に少なくとも125m2/gの表面積を有する。支持材料は、最大1200m2/g、好ましくは最大300m2/g、より好ましくは最大200m2/g、最も好ましくは最大175m2/gの表面積を有することができる。
この実施形態において、精製吸収剤は、支持材料の表面積に対して0.025gAg/m2未満、好ましくは最大0.01gAg/m2、より好ましくは最大0.005gAg/m2の銀の量(すなわち、銀密度)を有することができる。精製吸収剤は、少なくとも1×10−5gAg/m2、好ましくは少なくとも5×10−5gAg/m2、より好ましくは少なくとも1×10−4gAg/m2の銀密度を有することができる。この実施形態において、精製吸収剤はエポキシ化触媒の銀密度より低い銀密度を有することが好ましい。
この実施形態において、精製吸収剤はアルカリまたはアルカリ土類金属の成分を含む。好ましくは、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、リチウム、ルビジウム、セシウムおよびこれらの組合せ、特にナトリウムおよびカリウムから選択することができる。好ましくは、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウム、ストロンチウム、バリウムおよびこれらの組合せから選択することができる。アルカリ金属成分は、塩または塩基の形態で適切に準備することができる。適切なアルカリ金属塩は、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩などを含むことができるが、これらに限定されない。好ましくは、アルカリ金属成分は、硝酸塩、水酸化物、炭酸塩、塩化物または重炭酸塩の形態であってよい。アルカリ土類金属成分は、塩または塩基の形態で適切に準備することができる。適切なアルカリ土類金属塩は、硝酸塩、シュウ酸塩、クエン酸塩、酢酸塩、炭酸塩、塩化物などを含むことができるが、これらに限定されない。好ましくは、アルカリ土類金属成分は、水酸化物の形態であってよい。理論に拘束されることを望むわけではないが、精製吸収剤中に存在するアルカリまたはアルカリ土類金属は、アルケンなどの炭化水素と反応することができる支持材料の表面上に存在する酸性点の量を減少させ、供給原料中の望まれない副産物を形成すると考えられている。
この実施形態において、アルカリまたはアルカリ土類金属は、精製吸収剤の重量に対する全元素量(例えばナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム)として計算して、少なくとも0.1ミリモル/kg、より典型的には少なくとも1ミリモル/kg、特に少なくとも10ミリモル/kg、さらに特に少なくとも50ミリモル/kg、とりわけ少なくとも100ミリモル/kgの総量で存在することができる。アルカリ金属またはアルカリ土類金属は、精製吸収剤の重量に対する全元素量として計算して、最大5000ミリモル/kg、好ましくは最大500ミリモル/kg、より好ましくは最大300ミリモル/kgの量で存在することができる。
個別の実施形態において、精製吸収剤は塩基性ゼオライトであってよい。塩基性ゼオライトは、供給原料からのヨウ化物含有不純物を減少させることができるいかなる塩基性ゼオライトをも含むことができる。ゼオライトは高度に構造化したアルミナケイ酸塩の種類に属する。ほとんどのゼオライトは人工的に作られるが、いくつかは自然界の鉱物として見出される。ゼオライトの多孔質構造は、酸素、シリコンおよびアルミニウム原子が配置される結晶格子からなる。市販ゼオライトは、構造および官能性に応じて、P、A、XおよびYゼオライトとして分類される。塩基性ゼオライトは低いシリコン/アルミニウムモル比および電気陰性度が低い弱いアルカリ陽イオンの存在を特徴とする。適切には、塩基性ゼオライトは、1:1から6:1、特に1:1から2.5:1のSi:Al比を有する。イオン交換および含浸についての周知の方法は、塩基性ゼオライトを調製するために用いることができる。有用なイオン交換化合物は、アルカリ金属陽イオン含有材料およびアルカリ土類金属陽イオン含有材料を含むことができる。
個別の実施形態において、精製吸収剤はアルカリ金属またはアルカリ土類金属の炭酸塩を含むことができる。適切には、アルカリ金属は、ナトリウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウム、特にナトリウム、カリウムおよびセシウムを含むことができる。適切には、アルカリ土類金属は、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウムおよびバリウム、特にマグネシウムおよびカルシウムを含むことができる。
個別の実施形態において、精製吸収剤は酸化銀を含むことができる。この実施形態において、精製吸収剤はさらに支持材料を含むことができる。この実施形態において、支持材料は、耐熱材料、炭化ケイ素、粘土、ゼオライト、炭および炭酸マグネシウムおよび炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩などの天然または人造の無機材料を含むことができる。適切には、耐熱材料はアルミナ、マグネシア、ジルコニア、シリカおよびこれらの混合物を含むことができる。支持材料が用いられる場合、精製吸収剤は、共混練法、含浸法および共沈法を含む様々な技術を用いて調製することができる。この種の方法は当業者にとって周知である。
エポキシ化反応容器は、エポキシ化触媒床を含むエポキシ化ゾーンを含む。本発明の通常の実施において、エポキシ化触媒床の大部分はエポキシ化触媒粒子を含む。「大部分」とは、エポキシ化触媒粒子の重量と、エポキシ化触媒床中に含まれる全粒子の重量との比が、少なくとも0.50、特に少なくとも0.8、好ましくは少なくとも0.85、より好ましくは少なくとも0.9であることを意味する。エポキシ化触媒床中に含まれ得るエポキシ化触媒粒子以外の粒子は、例えば不活性粒子であるが、このような他の粒子はエポキシ化触媒床中に存在しないことが好ましい。エポキシ化触媒床は、反応管の下端に配置された触媒支持手段によって、1つまたは複数の反応管中に支持されている。支持手段としては、スクリーンまたはばねを挙げることができる。
エポキシ化触媒床はいかなる床高を有していてもよい。適切には、精製ゾーンが反応管内に位置しない場合、エポキシ化触媒床は、反応管の長さの100%の床高を有することができる。エポキシ化触媒床は、適切には、反応管の長さの最大95%または最大90%、または最大85%、または最大80%の床高を有することができる。エポキシ化触媒床は、適切には、反応管の長さの少なくとも10%、特に少なくとも25%、さらに特に反応管の長さの少なくとも50%の床高を有することができる。
1つまたは複数の反応管は、例えば供給原料流との熱交換などを目的とする不活性材料の粒子の独立した床を含むこともできる。1つまたは複数の反応管は、例えばエポキシ化反応生成物との熱交換などを目的とする、さらに別のこのような不活性材料の独立した床を含むこともできる。代替として、棒状金属インサートを不活性材料床の代わりに使用することもできる。このようなインサートのさらなる説明については、US7132555を参照できる。
適切には、エポキシ化ゾーン内のエポキシ化触媒の温度は少なくとも150℃、特に少なくとも180℃、とりわけ少なくとも220℃であってよい。エポキシ化ゾーン内のエポキシ化触媒床の温度は、最高325℃、特に最高300℃であってよい。エポキシ化ゾーン内のエポキシ化触媒床の温度は、180から325℃、好ましくは200から300℃の範囲であってもよい。
アルケンのエポキシ化に通常用いられる触媒は、担体に堆積した銀を含む触媒である。エポキシ化触媒の寸法および形状は本発明にとって重要でなく、塊状、断片、円筒、環、球形、車輪状、錠剤などの形態であってよく、固定床管形熱交換器反応容器内での使用に好適な大きさ、例えば2mmから20mmであってよい。
担体は広範囲の材料に基づくことができる。この種の材料は天然または人造の無機材料であってよく、それらは、耐熱材料、炭化ケイ素、粘土、ゼオライト、炭および炭酸カルシウムなどのアルカリ土類金属炭酸塩を含むことができる。好ましいものは、アルミナ、マグネシア、ジルコニア、シリカおよびこれらの混合物などの耐熱材料である。最も好ましい材料はα−アルミナである。典型的には、担体は、担体の重量に対して、少なくとも85重量%、より典型的には少なくとも90重量%、特に少なくとも95重量%のα−アルミナ、多くの場合最大99.9重量%のα−アルミナを含む。α−アルミナ担体の他の成分として、例えば、シリカ、チタニア、ジルコニア、アルカリ金属成分、例えばナトリウムおよび/またはカリウム成分、および/またはアルカリ土類金属成分、例えばカルシウムおよび/またはマグネシウム成分を含むことができる。
担体の表面積は、担体の重量に対して、好適には少なくとも0.1m2/g、好ましくは少なくとも0.3m2/g、より好ましくは少なくとも0.5m2/g、特に少なくとも0.6m2/gであってよく、表面積は、担体の重量に対して、好適には最大10m2/g、好ましくは最大6m2/g、特に最大4m2/gであってよい。本明細書において使用される場合「表面積」は、Journal of the American Chemical Society 60(1938)pp.309−316に記載されるようなB.E.T.(Brunauer、EmmettおよびTeller)法によって測定される表面積に関連していると理解される。高表面積担体は、特にシリカ、アルカリ金属、および/またはアルカリ土類金属の成分を場合によってさらに含むα−アルミナ担体である場合に、運転において改善された性能および安定性をもたらす。
担体の吸水は、好適には少なくとも0.2g/g、好ましくは少なくとも0.25g/g、より好ましくは少なくとも0.3g/g、最も好ましくは少なくとも0.35g/gであってよく、吸水は、好適には最大0.85g/g、好ましくは最大0.7g/g、より好ましくは最大0.65g/g、最も好ましくは最大0.6g/gであってよい。担体の吸水は、0.2から0.85g/gの範囲内、好ましくは0.25から0.7g/g、より好ましくは0.3から0.65g/g、最も好ましくは0.3から0.6g/gの範囲内であってよい。金属および促進剤が存在する場合に、これらが含浸によって担体上により効率的に堆積するという点では、より多い吸水が好ましい場合がある。しかし、吸水が多いと、担体またはそれより製造された触媒は、より低い圧壊強度を有する場合がある。本明細書において使用される場合、吸水は、ASTM C20に準拠して測定されたものと見なされ、吸水は、担体の重量に対する、担体の細孔中に吸収可能な水の重量として表される。
銀を含むエポキシ化触媒の調製は当技術分野において周知であり、本発明の実施に使用することができる成形触媒粒子の調製にこれら周知の方法を適用可能である。担体上に銀を堆積する方法は、銀陽イオンおよび/または錯形成した銀を含有する銀化合物を担体に含浸させ、還元することで金属銀粒子を形成することを含む。このような方法のさらなる説明については、US−A−5380697、US−A−5739075、EP−A−266015、US−B−6368998を参照することができる。好適には、銀分散体、例えば銀ゾルを使用して、担体上に銀を堆積することができる。
銀陽イオンの金属銀への還元は、エポキシ化触媒を乾燥させるステップ中に行うことができ、そのため還元自体に独立した工程ステップは不要である。これは、銀含有含浸溶液が還元剤、例えば、オキサレート、ラクテート、またはホルムアルデヒドを含む場合であってよい。
触媒の重量に対して少なくとも10g/kgのエポキシ化触媒の銀含量を使用することによって、かなりの触媒活性を得ることができる。好ましくは、エポキシ化触媒は、同じ基準で、50から500g/kg、より好ましくは100から400g/kg、例えば105g/kg、または120g/kg、または190g/kg、または250g/kg、または350g/kgの量の銀を含む。本明細書において使用される場合、特に明記しない限り、エポキシ化触媒の重量は、担体および触媒成分の重量を含む触媒の総重量であると見なされる。
本発明に使用されるエポキシ化触媒は、レニウム、タングステン、モリブデン、クロムから選択される元素、硝酸塩−または亜硝酸塩−形成性化合物およびこれらの組合せを含む促進剤成分を含むことができる。好ましくは、促進剤成分は、元素としてレニウムを含む。担体上に堆積することができる促進剤成分の形態は、本発明にとって重要ではない。レニウム、モリブデン、タングステン、クロムまたは硝酸塩−もしくは亜硝酸塩−形成性化合物は、好適には、オキシアニオンとして、例えば、過レニウム酸、モリブデン酸、タングステン酸、または硝酸の塩または酸の形態として提供することができる。
促進剤成分は、触媒の重量に対する元素(すなわちレニウム、タングステン、モリブデンおよび/またはクロム)の総量として計算して、典型的には少なくとも0.1ミリモル/kg、より典型的には少なくとも0.5ミリモル/kg、特に少なくとも1ミリモル/kg、さらに特に少なくとも1.5ミリモル/kgの量で存在することができる。促進剤成分は、触媒の重量に対する元素の総量として計算して、最大50ミリモル/kg、好ましくは最大10ミリモル/kgの量で存在することができる。
エポキシ化触媒が促進剤成分としてレニウムを含む場合、このエポキシ化触媒は、担体上に堆積されるさらなる成分として、好ましくはレニウム共促進剤を含むことができる。好適には、レニウム共促進剤は、タングステン、クロム、モリブデン、硫黄、リン、ホウ素およびこれらの組合せから選択される元素を含む成分から選択することができる。好ましくは、レニウム共促進剤は、タングステン、クロム、モリブデン、硫黄およびこれらの組合せから選択される。レニウム共促進剤が、元素としてタングステンおよび/または硫黄を含むことが特に好ましい。
レニウム共促進剤は、触媒の重量に対する元素(すなわち、タングステン、クロム、モリブデン、硫黄、リンおよび/またはホウ素の総量)として計算して、典型的には少なくとも0.1ミリモル/kg、より典型的には少なくとも0.25ミリモル/kg、好ましくは少なくとも0.5ミリモル/kgの総量で存在することができる。レニウム共促進剤は、同じ基準で、最大40ミリモル/kg、好ましくは最大10ミリモル/kg、より好ましくは最大5ミリモル/kgの総量で存在することができる。担体上に堆積することができるレニウム共促進剤の形態は本発明にとって重要ではない。例えば、好適には酸化物としてまたはオキシアニオンとして、例えば、硫酸、ホウ酸、またはモリブデン酸の塩または酸の形態として準備することができる。
エポキシ化触媒は好ましくは、担体上に堆積された銀、促進剤成分、およびさらなる元素を含む成分を含む。好適なさらなる元素は、窒素、フッ素、アルカリ金属、アルカリ土類金属、チタン、ハフニウム、ジルコニウム、バナジウム、タリウム、トリウム、タンタル、ニオブ、ガリウムおよびゲルマニウムならびにこれらの組合せの群より選択することができる。好ましくは、アルカリ金属は、リチウム、カリウム、ルビジウムおよびセシウムから選択される。最も好ましくはアルカリ金属は、リチウム、カリウムおよび/またはセシウムである。好ましくは、アルカリ土類金属は、カルシウム、マグネシウムおよびバリウムから選択される。典型的には、さらなる元素は、エポキシ化触媒の重量に対して、元素として計算して、0.01から500ミリモル/kg、より典型的には0.05から100ミリモル/kgの総量でエポキシ化触媒中に存在する。さらなる元素は、いかなる形態で準備されてもよい。例えば、アルカリ金属またはアルカリ土類金属の塩が適切である。例えば、リチウム化合物は水酸化リチウムまたは硝酸リチウムであってよい。
エポキシ化触媒の重量に対して、元素として計算した場合の、エポキシ化触媒の成分の好ましい量は以下の通りである。
−銀10から500g/kg、
−レニウムが存在する場合には0.01から50ミリモル/kg、
−さらなる1種または複数の元素が存在する場合には、それぞれ0.1から500ミリモル/kgおよび
−レニウム共促進剤が存在する場合には0.1から30ミリモル/kg。
−銀10から500g/kg、
−レニウムが存在する場合には0.01から50ミリモル/kg、
−さらなる1種または複数の元素が存在する場合には、それぞれ0.1から500ミリモル/kgおよび
−レニウム共促進剤が存在する場合には0.1から30ミリモル/kg。
本明細書において使用される場合、触媒または吸収剤中に存在するアルカリ金属の量は、100℃の脱イオン水で触媒または吸収剤から抽出可能な量と見なされる。この抽出方法は、触媒または吸収剤の10gの試料を、各20mlの脱イオン水中で5分間100℃に加熱することによって3回抽出することおよび、合わさった抽出物中から関連する金属を周知の方法、例えば原子吸光分析によって求めることを含む。
本明細書において使用される場合、触媒または吸収剤中に存在するアルカリ土類金属の量は、100℃において脱イオン水中10重量%硝酸で触媒または吸収剤から抽出可能な量と見なされる。この抽出方法は、触媒または吸収剤の10gの試料を100mlの10重量%硝酸とともに30分間沸騰させる(1気圧、すなわち101.3kPa)ことによって抽出することおよび、合わさった抽出物中から関連する金属を周知の方法、例えば原子吸光分析によって求めることを含む。US−A−5801259が参照される。
本発明のエポキシ化工程は多くの方法で行うことができるが、気相工程として、すなわち、エポキシ化反応供給原料をエポキシ化触媒と気相で接触させアルキレンオキシドを含むエポキシ化反応生成物を与える工程として行うことが好ましい。用語「エポキシ化反応生成物」は、本明細書で用いるとき、エポキシ化反応容器の出口から出る流体を指すものと理解される。一般に、本方法は連続法として行われる。
エポキシ化供給原料成分はアルケン、酸素およびエポキシ化再循環ガスを含む。追加のエポキシ化供給原料成分は、有機塩化物反応調整剤、窒素含有反応調整剤、飽和炭化水素および不活性希釈ガスを含むことができる。
エポキシ化供給原料中に存在するアルケンの量は広い範囲内で選択することができる。通常、エポキシ化供給原料中に存在するアルケンの量は、エポキシ化供給原料の総量に対して、最大80モル%であってよい。好ましくは、それは、同一の基準で、0.5から70モル%、特に1から60モル%、とりわけ15から40モル%の範囲であってよい。
本発明のエポキシ化工程は、空気系または酸素系であってよく、「Kirk−Othmer Encyclopedia of Chemical Technology」第3版、第9巻、1980年、445−447頁を参照することができる。空気系プロセスにおいては、空気または酸素に富む空気が酸化剤の供給源として使用され、酸素系プロセスでは高純度(少なくとも95モル%)酸素または超高純度(少なくとも99.5モル%)酸素が酸化剤の供給源として使用される。酸素系プロセスのさらなる説明については、US−6040467を参照することができる。現在のほとんどのエポキシ化プラントは酸素系であり、これが本発明の好ましい一実施形態である。
エポキシ化供給原料中に存在する酸素の量は広い範囲内で選択することができる。しかし、実際には、酸素は、可燃性の領域を回避する量で一般に適用される。酸素は、全エポキシ化供給原料に対して、少なくとも0.5モル%、全エポキシ化供給原料に対して、特に少なくとも1モル%、さらに特に少なくとも2モル%、とりわけ少なくとも5モル%の量で存在することができる。酸素は、全エポキシ化供給原料に対して、最大25モル%、全エポキシ化供給原料に対して、特に最大20モル%、さらに特に最大15モル%、とりわけ最大12モル%の量で存在することができる。
可燃性の領域から外れるように維持するために、エポキシ化供給原料中の酸素量は、アルケン量の増加と共に減少させ得る。実際の安全運転範囲は、エポキシ化供給原料の組成とともに、反応温度および圧力などの反応条件にも依存する。
所望のアルキレンオキシドの形成に対して、アルケンまたはアルキレンオキシドから二酸化炭素および水への望ましくない酸化の抑制を選択的に増加させるために、有機塩化物反応調整剤がエポキシ化供給原料中に存在することができる。
好ましい有機塩化物反応調整剤はクロロハイドロカーボンである。より好ましくは、これらは、塩化メチル、塩化エチル、二塩化エチレン、塩化ビニルまたはこれらの混合物の群から選択される。最も好ましい有機塩化物反応調整剤は塩化エチルおよび二塩化エチレンである。
エポキシ化供給原料は窒素含有反応調整剤を含むことができる。窒素酸化物、ニトロメタン、ニトロエタンおよびニトロプロパンなどの有機ニトロ化合物、ヒドラジン、ヒドロキシルアミンまたはアンモニアを使用することができる。多くの場合、アルケンのエポキシ化の操作条件下で、窒素含有反応調整剤は硝酸塩または亜硝酸塩の前駆体であると考えられ、すなわちこれらはいわゆる硝酸塩形成性または亜硝酸塩形成性化合物である(例えばEP−A−3642およびUS−A−4822900参照)。
好適な酸化窒素は、一般式NOx(式中、xは1から2.5の範囲内である)のものであり、例えばNO、N2O3、N2O4およびN2O5が挙げられる。好適な有機窒素化合物は、ニトロ化合物、ニトロソ化合物、アミン、硝酸塩および亜硝酸塩、例えばニトロメタン、1−ニトロプロパンまたは2−ニトロプロパンである。
反応調整剤は一般に、エポキシ化供給原料中で少量用いられる場合に有効である。窒素含有反応調整剤は、全エポキシ化供給原料に対して最大500×10−4モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に最大400×10−4モル%、とりわけ最大300×10−4モル%の量で存在することができる。窒素含有反応調整剤は、全エポキシ化供給原料に対して少なくとも5×10−4モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に少なくとも10×10−4モル%、とりわけ少なくとも50×10−4モル%の量で存在することができる。窒素含有反応調整剤がエポキシ化供給原料において使用される場合、有機塩化物は、全エポキシ化供給原料に対して最大500×10−4モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に最大400×10−4モル%、とりわけ最大300×10−4モル%の量で存在することができる。窒素含有反応調整剤がエポキシ化供給原料において使用される場合、有機塩化物反応調整剤は、全エポキシ化供給原料に対して少なくとも5×10−4モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に少なくとも10×10−4モル%、とりわけ少なくとも50×10−4モル%の量で存在することができる。エポキシ化供給原料において用いられる唯一の反応調整剤が有機塩化物である場合、有機塩化物は、全エポキシ化供給原料に対して最大50×10−4モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に最大20×10−4モル%、とりわけ最大10×10−4モル%の量で存在することができる。エポキシ化供給原料において用いられる唯一の反応調整剤が有機塩化物である場合、有機塩化物反応調整剤は、全エポキシ化供給原料に対して少なくとも5×10−5モル%、全エポキシ化供給原料に対して特に少なくとも7.5×10−5モル%、とりわけ少なくとも1×10−4モル%の量で存在することができる。
エポキシ化供給原料はまた再循環ガスも含む。エポキシ化反応生成物は、アルキレンオキシド、未反応アルケン、未反応酸素、ならびに場合によって、有機塩化物反応調整剤、窒素含有反応調整剤、飽和炭化水素、不活性希釈ガス、ならびに二酸化炭素および水などの他の反応副産物を含む。反応生成物は、アルキレンオキシド吸収装置および二酸化炭素吸収装置などの1つまたは複数の分離システムを通過させ、それによって未反応のアルケンおよび酸素ならびに希釈ガスおよび反応調整剤などの他の成分を反応装置システムに再循環することができる。再循環ガスループは、アルキレンオキシド吸収装置およびエポキシ化反応容器の間を相互連結する配管を含み、二酸化炭素吸収装置、熱交換器、圧縮機および水除去(「ノックアウト」)容器を、再循環ガスループ内に、場合によって含む。二酸化炭素は、エポキシ化工程の副生成物である。しかし、二酸化炭素は一般に触媒活性に対して悪影響を有する。典型的には、エポキシ化供給原料中の二酸化炭素は、全エポキシ化供給原料に対して25モル%を超える量、特に10モル%を超える量は回避される。全エポキシ化供給原料に対して3モル%未満、好ましくは2モル%未満、より好ましくは 1モル%未満の二酸化炭素量を使用することができる。商業運転下では、全エポキシ化供給原料に対して少なくとも0.1モル%、特に少なくとも0.2モル%の二酸化炭素量がエポキシ化供給原料中に存在することができる。
エポキシ化供給原料はまた、飽和炭化水素を含むことができる。飽和炭化水素は、メタン、エタン、プロパン、ブタン、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、ノナン、デカン、ウンデカン、ドデカンおよびこれらの混合物から選択することができる。特に、飽和炭化水素は、メタン、エタン、プロパンおよびこれらの混合物、好ましくはメタンから選択することができる。飽和炭化水素はエポキシ化工程の一般的な希釈ガスである。
飽和炭化水素、特にメタン、エタンおよびこれらの混合物、とりわけメタンは、全エポキシ化供給原料に対して最大80モル%、特に同じ基準で最大75モル%、とりわけ最大65モル%の量で存在することができる。飽和炭化水素は、同じ基準で少なくとも1モル%、好ましくは少なくとも10モル%、より好ましくは少なくとも30モル%、最も好ましくは少なくとも40モル%の量で存在することができる。酸素可燃限界を増加させるために、飽和炭化水素はエポキシ化供給原料に加えることができる。
不活性希釈ガス、例えば窒素、ヘリウムまたはアルゴンは、全エポキシ化供給原料に対して30から90モル%、典型的には40から80モル%の量でエポキシ化供給原料中に存在することができる。
エポキシ化工程は、好ましくは1000から3500kPaの範囲内の反応装置入口圧力で行われる。「GHSV」すなわちガスの毎時空間速度は、標準温度および圧力(0℃、1気圧、すなわち101.3kPa)において1時間当たり、充填触媒の1単位体積を通過するガスの単位体積である。好ましくは、エポキシ化工程が、充填触媒床を伴う気相プロセスである場合、GHSVは1500から10000Nl/(1.h)の範囲内である。好ましくは、この工程は、1時間当たり触媒1m3当たり0.5から10キロモルのアルキレンオキシドが生産され、特に1時間当たり触媒1m3当たり0.7から8キロモルのアルキレンオキシドが生産され、例えば1時間当たり触媒1m3当たり5キロモルのアルキレンオキシドが生産される作業量で行われる。本明細書において使用される場合、作業量は、1時間当たり触媒単位体積当たりに生産されるアルキレンオキシドの量であり、選択性は、変換されるアルケンのモル量に対して形成されるアルキレンオキシドのモル量である。本明細書において使用される場合、活性は、特定のエチレンオキシド生産レベルを実現するために必要な温度の測定値となる。温度が低いほど、活性が優れている。
エポキシ化反応装置を出るエポキシ化反応生成物は、酸、エステル、アルデヒド、アセタールおよび有機ハロゲン化物などの汚染物質を含んでいることがある。汚染物質は、アルキレンオキシド吸収装置に供給される前に、エポキシ化反応生成物から除去することができる。汚染物質を除去する好ましい方法は、好ましくはエポキシ化反応生成物を、冷却された再循環水溶液と接触させることによって、クエンチすることである。クエンチングは、好ましくは、アルキレンオキシド吸収装置と同一の容器において行われる。クエンチ部は、好ましくは、アルキレンオキシド吸収装置の鉛直に積み重ねた棚板または充填部分より下にある。再循環水溶液の一部はクエンチ部からブリード流として引き抜くことができ、また、ブリード流中のアルキレンオキシドも従来法によって回収することができる。クエンチの後、アルキレンオキシド吸収装置に供給される前に、エポキシ化反応生成物は好ましくは、エポキシ化反応装置からの高温のエポキシ化反応生成物との熱一体化によって再加熱することができる。
次いで、エポキシ化反応生成物は、鉛直に積み重ねた棚板のカラムまたは充填カラムを含むアルキレンオキシド吸収装置に供給される。棚板または充填カラムは、リーン吸収剤およびエポキシ化反応生成物が接触するための表面積を与え、二相間の物質移動を容易にする。さらに、棚板は、液相反応が生じ得る相当な液体容積を与える。アルキレンオキシド吸収装置が一連の鉛直に積み重ねた棚板を含む実施形態において、ガスは、棚板を上方へ通過することができ、液体は、棚板から棚板へと下方に流れることができる。好ましくは、カラムは少なくとも20個の棚板、より好ましくは少なくとも30個の棚板を含む。好ましくは、カラムは70個未満の棚板を含む。より多くの棚板は、カラムの吸収能力および反応容積を増加させるが、追加の棚板を加えると費用が増加する。アルキレンオキシド吸収装置が充填カラムを含む実施形態において、構造化充填法、ランダム充填法および接触蒸留内装などの従来の充填法を用いることができる。
エポキシ化反応生成物は、好ましくはアルキレンオキシド吸収装置の底部に供給される。アルキレンオキシド吸収装置が鉛直に積み重ねた棚板のカラムを含む場合、エポキシ化反応生成物は、好ましくはカラムの底棚板より下に供給される。アルキレンオキシド吸収装置が充填カラムを含む場合、エポキシ化反応生成物は、好ましくは充填材料より下に供給される。
リーン吸収剤はアルキレンオキシド吸収装置に供給され、アルキレンオキシド吸収装置内のエポキシ化反応生成物と接触され、油性吸収剤(アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールを含有するエポキシ化反応生成物から吸収された成分を含む。)は、アルキレンオキシド吸収装置から引き抜かれる。一実施形態において、リーン吸収剤はアルキレンオキシド吸収装置内の上部に供給される。アルキレンオキシド吸収装置が鉛直に積み重ねた棚板のカラムを含む場合、リーン吸収剤は、好ましくは吸収カラム内の最上部の棚板に供給される。アルキレンオキシド吸収装置が充填カラムを含む場合、リーン吸収剤は、好ましくは充填材料より上に供給される。別の実施形態において、リーン吸収剤は、リーン吸収剤がアルキレンオキシド吸収装置に供給される地点より上に棚板または充填物が存在するように供給される。この実施形態において、冷水または冷却された追加のリーン吸収剤は、アルキレンオキシド吸収装置の上部に供給することができ、アルキレンオキシド吸収装置の上部でアルキレンオキシドまたは汚染物質を吸収する。
リーン吸収剤は水を含む。リーン吸収剤は少なくとも20重量%の水を含むことができる。リーン吸収剤中に存在する水は、アルキレンオキシド吸収装置内で生じ得るアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートの加水分解に用いることができる。リーン吸収剤が20重量%未満の水を含む場合は、加水分解が生じにくく、アルキレングリコールへの変換率はより低いことがある。また、カルボキシル化および加水分解を促進する1種または複数の触媒の性質に応じて、リーン吸収剤が20重量%未満の水を含む場合、触媒性能は影響を受けることがある。好ましくは、リーン吸収剤は、少なくとも30重量%の水、より好ましくは少なくとも40重量%の水を含む。好ましくは、リーン吸収剤は80重量%未満の水を含む。リーン吸収剤中の80重量%を超える水はなお良好な選択性および触媒性能を与えることができるが、より多い量の水は、関連するエネルギーおよび設備費用を伴う追加の水の除去を必要とする。リーン吸収剤はまたアルキレングリコールおよびアルキレンカーボネートを含むことができる。
エポキシ化反応生成物は、ヨウ化物含有カルボキシル化触媒、および場合によって、加水分解触媒の存在下においてアルキレンオキシド吸収装置内のリーン吸収剤と接触させる。この接触が2種以上の触媒の存在下において生じる場合、各触媒はカルボキシル化または加水分解を促進することができる、または両方の反応を促進することができる。好ましい一実施形態において、エポキシ化反応生成物は、カルボキシル化を促進する第1のヨウ化物含有触媒、および加水分解を促進する第2の触媒を含有する少なくとも2種の触媒の存在下においてリーン吸収剤と接触させる。カルボキシル化および加水分解触媒は均一および/または不均一であってよい。不均一触媒が用いられる場合、触媒は鉛直に積み重ねた棚板または充填カラムの充填物に含まれる。
ヨウ化物含有カルボキシル化触媒は均一な触媒であってよい。カルボキシル化を促進すると知られている適切な均一なヨウ化物含有触媒は、ヨウ化カリウムなどのヨウ化アルカリ金属、およびヨウ化トリブチルメチルホスホニウム、ヨウ化テトラブチルホスホニウム、ヨウ化トリフェニルメチルホスホニウムおよびヨウ化トリブチルメチルアンモニウムなどのハロゲン化有機ホスホニウム塩またはハロゲン化アンモニウム塩を含むことができる。
ヨウ化物含有カルボキシル化触媒は、不均一なヨウ化物含有触媒であってよい。カルボキシル化を促進すると知られている適切な不均一なヨウ化物含有触媒は、シリカ上に固定したヨウ化第四級アンモニウムおよびヨウ化第四級ホスホニウム、不溶性ポリスチレンビーズに結合したヨウ化第四級アンモニウムおよびヨウ化第四級ホスホニウム、および第四級アンモニウム基または第四級ホスホニウム基を含有するイオン交換樹脂などの第四級アンモニウム基または第四級ホスホニウム基を含有する固体支持体上に固定したヨウ化亜鉛などのヨウ化金属塩を含むことができる。
均一な加水分解触媒はアルキレンオキシド吸収装置中に存在してもよい。適切な均一加水分解触媒は、炭酸カリウム、水酸化カリウムおよび重炭酸カリウムなどの塩基性アルカリ金属塩、またはモリブデン酸カリウムなどのアルカリ金属メタレートを含むことができる。
不均一加水分解触媒はアルキレンオキシド吸収装置内に存在してもよい。適切な不均一加水分解触媒は、固体支持体上に固定したメタレート、例えば、第四級アンモニウム基または第四級ホスホニウム基を含むイオン交換樹脂上で固定したモリブデン酸塩、バナジン酸塩またはタングステン酸塩、または、固体支持体上に固定した重炭酸塩イオンなどの塩基性アニオン、例えば第四級アンモニウム基または第四級ホスホニウム基を含むイオン交換樹脂上に固定した重炭酸塩を含有することができる。
好ましくは、カルボキシル化および加水分解のための組合せ触媒系は、アルキレンオキシド吸収装置内に存在し、ヨウ化カリウムおよび炭酸カリウムの組合せ、またはヨウ化カリウムおよびモリブデン酸カリウムの組合せを含有することができる。
カルボキシル化を促進する第1のヨウ化物含有触媒および加水分解を促進する第2の触媒を含む、少なくとも2種の触媒の存在下において、エポキシ化反応生成物をリーン吸収剤と接触させる実施形態において、第1の触媒と第2の触媒の比は、アルキレンオキシド吸収装置内で消費されるまたは放出される二酸化炭素の量を変えるために調節することができる。好ましくは、アルキレンオキシド吸収装置から出る再循環ガスは、吸収剤流を再循環することによって、二酸化炭素が少なくとも部分的に吸収される二酸化炭素吸収カラムに、部分的にまたはすべて供給される。アルキレンオキシド吸収装置内で消費されるまたは放出される二酸化炭素の量を制御することによって、二酸化炭素吸収装置カラムの能力およびコストを減らすことができる。
アルキレンオキシド吸収装置を再循環ガス流とともに出るガス状のヨウ化物含有不純物が形成され得ることが見出された。発生したガス状のヨウ化物含有不純物は、無機ヨウ化物化合物および有機ヨウ化物化合物を含んでいる場合がある。このようなヨウ化物含有不純物は、エポキシ化反応装置内のエポキシ化触媒を毒することがある。ヨウ化物含有不純物の量を低下させることができる精製吸収剤と再循環ガスを接触させると、再循環ガス中のヨウ化物含有不純物の量が減少し、それにより、エポキシ化触媒の性能、特に選択性、活性、および触媒を新鮮なエポキシ化触媒と交換する必要が生じる前に、エポキシ化触媒がエポキシ化反応装置内にとどまる持続期間を改善することができる。
アルキレンオキシド吸収装置内の温度は、好ましくは50℃から160℃、好ましくは80℃から150℃である。これは、従来の方法の吸収装置内の温度より高く、カルボキシル化および加水分解反応を促進するために必要である。160℃より高い温度は好ましくないが、それはアルキレングリコールへのアルキレンオキシド変換の選択性を低下させるおそれがあるためである。エポキシ化反応生成物およびリーン吸収剤はともに、50℃から160℃の範囲の温度でアルキレンオキシド吸収装置に供給されるのが好ましい。
アルキレンオキシド吸収装置中の圧力は、1から4MPa、好ましくは2から3MPaである。好ましい圧力は、それほど費用がかかる設備を必要としないより低い圧力(例えばより薄い壁を有する設備)と、ガスの吸収を増加させて体積流量を減少させ、それによって設備および配管のサイズを減少させるより高圧力との妥協である。
アルキレンオキシド吸収装置に入るアルキレンオキシドの少なくとも50%は、アルキレンオキシド吸収装置内で変換される。アルキレンオキシドはアルキレンカーボネートを与えるカルボキシル化を受けることができる。アルキレンオキシドはアルキレングリコールを与える加水分解を受けることができる。さらに、アルキレンオキシドから生産されるアルキレンカーボネートはアルキレングリコールを与える加水分解を受けることができる。好ましくは、アルキレンオキシド吸収装置に入るアルキレンオキシドの少なくとも60%、より好ましくは少なくとも70%は、アルキレンオキシド吸収装置内で変換される。
アルキレンオキシド吸収装置に供給されるエポキシ化反応生成物は二酸化炭素を含む。エポキシ化反応生成物は、カルボキシル化の所望のレベルを達成するのに十分な二酸化炭素を含まない場合があるおそれがある。これは、エポキシ化反応装置内で、新たに調製したエポキシ化触媒を用いる場合にあり得る。二酸化炭素の追加の供給源、例えば仕上げ反応装置からの再循環二酸化炭素、二酸化炭素回収ユニットからの二酸化炭素、または運転開始時の外部供給源からの二酸化炭素は、好ましくは、アルキレンオキシド吸収装置に供給される。アルキレンオキシド吸収装置に供給される二酸化炭素の総量とアルキレンオキシド吸収装置に供給されるアルキレンオキシドの量との比は、好ましくは5:1から1:3、より好ましくは3:1から4:5である。ほとんどのアルキレンオキシドが二酸化炭素と反応してアルキレンカーボネートになり、続いてアルキレングリコールに加水分解し得るが、アルキレンオキシドとアルキレングリコールとの間で反応してより高分子量のグリコールを生ずる可能性は少ないので、より多量の二酸化炭素は、方法の選択性を改善する。しかし、より多い量の二酸化炭素は、また、高コストになり得る、工程中の二酸化炭素の追加の除去能力、またはエポキシ化触媒性能に悪影響を及ぼす、より高い二酸化炭素濃度でのエポキシ化触媒の運転のいずれかを必要とする。
アルキレンオキシド吸収装置に吸収されないガスは、好ましくは二酸化炭素吸収カラムに部分的またはすべて供給され、そこで吸収剤流を再循環することによって二酸化炭素は少なくとも部分的に吸収される。吸収剤流を再循環することによって吸収されないガスは、好ましくは二酸化炭素吸収カラムを迂回するいずれかのガスと再度合わされ、エポキシ化反応装置に再循環される。好ましくは、ガスは、水含量を減らすためにエポキシ化反応装置への再循環に先立って冷却される。エポキシ化反応装置内のエポキシ化触媒の性能は過剰の水によって悪影響を受けることがあるので、これが好ましい。再循環ガス流から除去された水は、場合によって、アルキレンオキシド吸収装置に再循環することができる。
油性吸収剤は、好ましくはアルキレンオキシド吸収装置の底部、すなわち鉛直に積み重ねた棚板または充填部分より下から液体を引き抜くことによってアルキレンオキシド吸収装置から引き抜かれる。
本発明の一実施形態において、アルキレンオキシド吸収装置からの油性吸収剤の一部またはすべては、1つまたは複数の仕上げ反応装置に供給される。相当な量(例えば少なくとも1%)のアルキレンオキシドまたはアルキレンカーボネートが、アルキレンオキシド吸収装置中でアルキレングリコールに変換されない場合、1つまたは複数の仕上げ反応装置に供給することが好ましい。加水分解触媒は、アルキレンカーボネートを変換するために1つまたは複数の仕上げ反応装置に供給されてもよい。反対に、大半(例えば90%を超える)のアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートが、アルキレンオキシド吸収装置内でアルキレングリコールに変換される場合、1つまたは複数の仕上げ反応装置は必要としなくてもよく、本方法において用いられる設備はそれによって減らされる。アルキレンオキシド吸収装置内のアルキレンオキシドの変換を最大限にするために、噴霧ノズルをアルキレンオキシド吸収装置の液だめ(底部)に使用することができ、二酸化炭素を分散させてカルボキシル化を促進する。
好ましくは、1つまたは複数の仕上げ反応装置に入るアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートの少なくとも90%は、1つまたは複数の仕上げ反応装置内でアルキレングリコールに変換される。このことは、1つの仕上げ反応装置がある場合、仕上げ反応装置に入るアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートの少なくとも90%は、仕上げ反応装置中でアルキレングリコールに変換され、また、複数の仕上げ反応装置がある場合、第1の仕上げ反応装置に入るアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートの少なくとも90%は、最終仕上げ反応装置を出る前にアルキレングリコールに変換されることを意味する。好ましくは、1つまたは複数の仕上げ反応装置に入るアルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートの少なくとも95%、より好ましくは少なくとも98%は、1つまたは複数の仕上げ反応装置内でアルキレングリコールに変換される。
一実施形態において、油性吸収剤はすべて、仕上げゾーン内の1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つに供給される。別の実施形態において、油性吸収剤の一部は、仕上げゾーン内の1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つに供給される。好ましくは、油性吸収剤の10−90重量%は、1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つに供給され、最も好ましくは、30−70重量%は、1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つに供給される。好ましくは、1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つに供給される油性吸収剤の一部は、1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つへの供給に先立って予熱される。好ましくは、油性吸収剤の一部は、熱交換器中で、100−200℃の範囲の温度に、好ましくは約150℃に予熱される。
複数の仕上げ反応装置がある場合、仕上げ反応装置が直列に連結されること、すなわち油性吸収剤が必ず各仕上げ反応装置を連続して通過することが好ましい。
一実施形態において、1つまたは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つは、少なくとも4つの小室を有するじゃま板反応装置であり、小室は内部じゃま板によって形成され、内部じゃま板は反応装置を通過する反応流体に屈曲した経路を与える。場合によって、水蒸気はじゃま板反応装置に注入される。
二酸化炭素は1つまたは複数の仕上げ反応装置内で発生し得、好ましくは1つまたは複数の仕上げ反応装置を出るとき、生成物流から分離され、再循環される。
1つまたは複数の仕上げ反応装置内の温度は、通常100から200℃、好ましくは100から180℃である。1つまたは複数の仕上げ反応装置内の圧力は、通常、0.1から3MPaである。
アルキレンオキシド吸収装置からの油性吸収剤、または1つもしくは複数の仕上げ反応装置の少なくとも1つからの生成物流は、軽留分が取り除かれるフラッシュ室に、場合によって供給される。フラッシュ室は、油性吸収剤がフラッシュ室に直接通過するようにアルキレンオキシド吸収装置の直後に位置してもよい。少なくとも1つの仕上げ反応装置がある場合、生成物流がフラッシュ室を通過するように、フラッシュ室は1つまたは複数の仕上げ反応装置のすべての後に位置してもよい。複数の仕上げ反応装置がある場合、フラッシュ室は、アルキレンオキシド吸収装置からの油性吸収剤が少なくとも1つの仕上げ反応装置を通過し、次いで、生成物流はフラッシュ室を通過し、次いで、フラッシュ室からの流れは少なくとも別の仕上げ反応装置を通過するように、仕上げ反応装置間に位置してもよい。
軽留分は、好ましくはアルキレンオキシド吸収装置に再循環され、アルキレンオキシド吸収装置に供給される前に、エポキシ化反応生成物と合わせてもよく、または、軽留分はアルキレンオキシド吸収装置の底部に供給されてもよい。アルキレンオキシド吸収装置に軽留分を再循環させることは、方法の効率を増加させるが、それは、軽留分がアルケンを含み、回収され、二酸化炭素が二酸化炭素ブリード流の工程から除去される場合、失われないからである。
フラッシュは、0.01から2MPa、好ましくは0.1から1MPa、最も好ましくは0.1から0.5MPaの圧力であってよい。
アルキレンオキシド吸収装置またはフラッシュ室からの油性吸収剤、または、1つもしくは複数の仕上げ反応装置またはフラッシュ室からの生成物流は、脱水ゾーンの脱水装置に供給される。脱水装置に供給される流れは、好ましくはアルキレンオキシドやアルキレンカーボネートをほとんど含まない、すなわち、ほとんどのアルキレンオキシドまたはアルキレンカーボネートは、アルキレンオキシド吸収装置または仕上げ反応装置のいずれかにおいて、脱水カラムへの供給の前にアルキレングリコールに変換されている。好ましくは、脱水装置カラムに供給される流れ中のアルキレングリコールと(合わせた)アルキレンオキシドおよびアルキレンカーボネートとのモル比は、90:10を超え、より好ましくは95:5を超え、最も好ましくは99:1を超える。
脱水装置は、好ましくは1つまたは複数のカラムであり、少なくとも1つの真空カラムを含有し、好ましくは0.05MPa未満、より好ましくは0.025MPa未満、および最も好ましくは約0.0125MPaの圧力で運転する。
脱水された生成物流は、アルキレングリコール精製ゾーン内で精製されて不純物を除去し、精製アルキレングリコール生成物流を与える。アルキレングリコール精製ゾーンは1つまたは複数の精製カラムを含む。カルボキシル化および/または加水分解触媒の1種または複数が均一触媒である場合、好ましくはフラッシュ室内で、脱水した生成物流から1種または複数の触媒を分離することが必要である。1種または複数の均一触媒は、好ましくはリーン吸収剤と再度合わされ、アルキレンオキシド吸収装置に供給される。
図1は、本発明の方法の好ましい実施形態を示す。エチレン、酸素、メタンおよび反応調整剤(例えば塩化エチル)は、(1)で再循環ガスに供給される。ヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる吸収剤を含有する精製ゾーン(45)は、再循環ガスループ内の、エチレン、酸素、メタンおよび反応調整剤の添加の下流、および生成物/供給原料熱交換器の上流に位置する。エチレンエポキシ化反応装置(2)において、エチレンおよび酸素は、管形反応装置の複数の反応管内に配置されたエポキシ化触媒の存在下において反応し、エチレン、酸素、メタン、エチレンオキシド、有機塩化物反応調整剤、二酸化炭素および副生成物を含有するエポキシ化反応生成物を与えて、これは、冷却され、クエンチ部の底棚板より下のクエンチ(4)に供給される。クエンチしたガスは、再加熱されエチレンオキシド吸収装置カラム(3)の底棚板より下、または充填材料より下に供給される。場合によって、二酸化炭素回収部(7)または第2の仕上げ反応装置(14)からの追加の二酸化炭素も、エチレンオキシド吸収装置(3)に供給されてもよいし、またはエチレンオキシド吸収装置に供給する前にガスと混合されてもよい。少なくとも20重量%の水、均一加水分解触媒および均一ヨウ化物含有カルボキシル化触媒を含むリーン吸収剤は、エチレンオキシド吸収装置(3)の上部(5)に供給される。エチレンオキシド吸収装置において、エチレンオキシドおよび二酸化炭素はリーン吸収剤に吸収され、反応してエチレンカーボネートを与える。エチレンカーボネートおよびエチレンオキシドは水と反応してエチレングリコールを与える。エチレンオキシド吸収装置(3)に吸収されないガスは、二酸化炭素回収部(7)に部分的にまたはすべて供給され、そこで二酸化炭素がガスから除去される。回収された二酸化炭素流(8)は、直接またはエポキシ化反応生成物ガス供給原料と混合することにより、エチレンオキシド吸収装置(3)に部分的にまたはすべて再循環することができる。エチレンオキシド吸収装置カラム(3)からのガス、二酸化炭素回収部(7)からのガス、および反応装置に供給された再混合されたガス流は、水含量を減らすために冷却することができる。ガス流からノックアウトされた液体は、場合によって、エチレンオキシド吸収装置カラム(3)に再循環することができる。油性吸収剤は、エチレンオキシド吸収装置底部から引き抜かれ(6)、フラッシュ室(9)に供給され、そこで軽留分が取り除かれる。軽留分流(10)は、エチレンオキシド吸収装置(3)に直接またはエポキシ化反応生成物ガス供給原料と混合することにより再循環することができる。油性吸収剤流は分割され、一部は熱交換器(12)に供給され、続いて仕上げ反応装置(13)に供給される。仕上げ反応装置(13)において、エチレングリコールへのエチレンカーボネートの、およびエチレングリコールへのエチレンオキシドのさらなる反応が生じる。放出された炭酸ガス(14)は、エチレンオキシド吸収装置(3)に直接、もしくはエポキシ化反応生成物ガス供給原料と混合することにより再循環することができ、または部分的にもしくはすべて排出することができる。仕上げ反応装置(13)からの液体生成物流は脱水装置(15)に供給され、そこで水が除去される。脱水された生成物流は脱水装置(15)から引き抜かれ、モノエチレングリコール(MEG)精製カラム(16)に供給される。グリコールに溶解したヨウ化物含有カルボキシル化触媒および加水分解触媒を含む溶液(17)は、MEG精製カラム(16)の底部から引き抜き、仕上げ反応装置(11)に供給されない吸収剤流と混合した後にリーン吸収剤(5)としてエチレンオキシド吸収装置(3)に再循環される。モノエチレングリコール生成物(18)はMEG精製カラム上部から引き抜かれる。補給水(19)はリーン吸収剤に供給することができる。
図2は、エチレンオキシド吸収装置カラム(3)からの油性吸収剤流(6)が、第1の仕上げ反応装置(20)に直接供給され、フラッシュ室(9)への供給の前に、残りのエチレンオキシドをすべてエチレンカーボネートおよび/またはエチレングリコールに変換する、本発明の方法の代替の好ましい実施形態を示す。図1と同様に、フラッシュ室の後、流れは分割され、一部は熱交換器(12)に供給され、続いて仕上げ反応装置(13)に供給され、そこでエチレングリコールへのエチレンカーボネートの、およびエチレングリコールへのエチレンオキシドのさらなる反応が生じる。図2において、仕上げ反応装置(13)は第2の仕上げ反応装置である。図2において、精製ゾーン(45)は、再循環ガスループ内の、二酸化炭素回収部(7)の下流、およびエチレン、酸素、メタンおよび反応調整剤の添加の上流に位置する。
図3は、仕上げ反応装置(13)内の不均一触媒床とともにエチレンオキシド吸収装置カラム(3)内の不均一触媒充填物も含む方法のさらに別の好ましい実施形態を示す。この実施形態においては、MEG精製カラム(17)の底部からの触媒再循環流は必要でない。図3において、精製ゾーン(45)は、再循環ガスループ内のエチレンオキシド吸収装置カラム(3)と二酸化炭素回収部(7)との間に位置する。
図4は、エチレンオキシド吸収装置カラム(3)内で、リーン吸収剤がカラムに入る地点より上に充填物または棚板がある場合の実施形態を示す。冷水または吸収剤は、この上部充填物または上部棚板の上のカラムに供給することができ、エチレンオキシド吸収装置の上部で残りのエチレンオキシドおよび/または汚染物質を吸収する。図4において、精製ゾーン(45)は、再循環ガスループ内の生成物/供給原料熱交換器とエチレンエポキシ化反応装置(2)の入口との間に位置する。
図5は、炭酸ガス(100)が液体通過ノズル(200)に供給される、エチレンオキシド吸収装置カラムの底部または液だめの実施形態を記載する。液位(300)は、底棚板より下にまたはカラム底充填物(600)より下に、十分に維持される。油性吸収剤(500)は底部から出る。
図6は、精製ゾーンがエポキシ化反応管内に位置する実施形態を記載する。エポキシ化反応装置(2)は、実質的に鉛直な容器、およびエポキシ化反応容器(2)の中心長手方向軸(40)と実質的に平行に配置された複数の開口反応管(43)を有する管形熱交換器反応容器を含む。反応管(43)の上端(21)は、実質的に水平の上部管板(22)に連結され、反応管(43)の下端(23)は実質的に水平の下部管板(24)に連結されている。上部管板(22)および下部管板(24)は、反応容器(2)の内壁によって支持されている。複数の反応管(43)は、精製ゾーン(25)および精製ゾーン(25)の下流に配置されたエポキシ化ゾーン(26)を含む。精製ゾーン(25)は精製吸収剤(35)を含む。エポキシ化ゾーン(26)はエポキシ化触媒(36)を含む。エポキシ化ゾーン(26)は、反応管(43)内で、反応管(43)の下端(23)に配置された、触媒支持手段(図示せず)によって支持される。アルケン、酸素および再循環ガスなどの供給原料(33)の成分は、反応管(43)の上端(21)と流体連通状態にある、入口(27)などの1つまたは複数の入口を経由して反応容器(2)に入る。エポキシ化反応生成物(34)は、反応管(43)の下端(23)で流体連通状態の、出口(28)などの1つまたは複数の出口を経由してエポキシ化反応容器(2)を出る。熱交換流体は、入口(30)などの1つまたは複数の入口を経由して熱交換室(29)に入り、出口(31)などの1つまたは複数の出口を経由して出る。熱交換室(29)は、熱交換室(29)を通る熱交換流体を誘導するために、じゃま板(図示せず)を備えることができる。
図7は、精製ゾーン(32)が反応管(43)の上流に配置されているという点を除いて、図6と同様のエポキシ化反応装置(2)の概略図である。
(実施例)
可能性のあるヨウ化物防護床材料の調査を下記特性を念頭に置いて試みた。実際的な防護床として役立つためには、材料は1)本発明の工程と矛盾しない条件で運転しつつ、サブppmレベルのヨウ化物を定量的に捕捉し、2)高い防護床空間速度が触媒床寸法に対して比較的小さい(および手頃な)防護床寸法に匹敵するので、非常に高い空間速度でさえ効率的に作用し、3)熱的安定性を示し供給原料成分自体に対して完全に不活性でなければならない。
16本のマイクロチューブで増強された実験反応装置を、実際の工程ガス母材、工程温度および圧力状態を用いて、有機ヨウ化物を収着するいくつかの候補の有効性を迅速に評価するために用いた。170℃でこの種の工程中のヨウ化エチルを定量的に収着する、銀系材料および銀を含まない材料の両方を確認した。
触媒調製
様々な配合物を防護床の有効性に関して試験した。低表面積α−アルミナ(約1m2/g)上および/または高表面積γ−アルミナ(約120m2/g)上に、遷移金属を用いず、収着剤としては中性または塩基性塩のみの水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウムまたは酢酸カルシウムを使用して、いくつかの候補を調製した。いくつかの候補は遷移金属を含み、タングステン、モリブデン、鉄、マンガン、コバルト、スズ、亜鉛、アルミニウム、クロム、ジルコニウム、鉛、銅、ニッケルおよび銀の水溶性塩を用いて調製し、低表面積α−アルミナ上に載せた。データは銀が最もヨウ素を収着する材料であることを明白に示したので、いくつかの銀の配合物も高表面積γ−アルミナ上に調製した。銀系材料について、配合物は、オレフィン酸化能力に関して銀を効果的に失活させるのに十分なナトリウム(塩化物または硝酸塩のいずれかとして)またはカリウム(硝酸塩として)を含有していた。また、銀系材料のうちのいくつかは、より小さい細孔のガス流への接近をもたらすために含浸された塩を再分配しようとして、使用に先立ってか焼した。銀は、適切には、銀塩、錯体、酸化物、水酸化物、ゾル、金属銀として支持材料に堆積させることができる。
様々な配合物を防護床の有効性に関して試験した。低表面積α−アルミナ(約1m2/g)上および/または高表面積γ−アルミナ(約120m2/g)上に、遷移金属を用いず、収着剤としては中性または塩基性塩のみの水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、炭酸カリウム、硝酸カリウムまたは酢酸カルシウムを使用して、いくつかの候補を調製した。いくつかの候補は遷移金属を含み、タングステン、モリブデン、鉄、マンガン、コバルト、スズ、亜鉛、アルミニウム、クロム、ジルコニウム、鉛、銅、ニッケルおよび銀の水溶性塩を用いて調製し、低表面積α−アルミナ上に載せた。データは銀が最もヨウ素を収着する材料であることを明白に示したので、いくつかの銀の配合物も高表面積γ−アルミナ上に調製した。銀系材料について、配合物は、オレフィン酸化能力に関して銀を効果的に失活させるのに十分なナトリウム(塩化物または硝酸塩のいずれかとして)またはカリウム(硝酸塩として)を含有していた。また、銀系材料のうちのいくつかは、より小さい細孔のガス流への接近をもたらすために含浸された塩を再分配しようとして、使用に先立ってか焼した。銀は、適切には、銀塩、錯体、酸化物、水酸化物、ゾル、金属銀として支持材料に堆積させることができる。
方法1 調製方法1であると同定された材料は、変更なしで用いられる純粋なアルミナであった。
方法2 水に容易に溶けるのと同じ量の塩を一般に用いる水溶液を、担体に真空含浸させるために用いた。真空を破ってから3分間、材料をそのままにした。材料は200rpmで2分間遠心分離機にかけた。次いで、遠心分離機にかけた材料は、170℃で2分間、振動する穴空きかご内で流動空気の流れの中で乾燥した。
方法3 担体は濃縮した水性硝酸銀で真空含浸した。ペレットを排水し、脱イオン水で湿らせておいたペーパータオル上で穏やかに転がした。次いで、担体の細孔へアルカリイオンが侵入するように、ペレットを水性アルカリ塩のビーカーに入れた。ペレットは、湿らせたペーパータオル上で再び排水し転がした。排水したペレット剤を、200rpmで2分間遠心分離機にかけた。次いで、遠心分離機にかけた材料は、170℃で2分間振動する穴空きかご内で流動空気の流れの中で乾燥した。
方法4 アルカリ塩を硝酸銀と同一の溶液に含有させ、1回の含浸で導入した。ペレットは200rpmで2分間遠心分離機にかけた。次いで、遠心分離機にかけた材料を、170℃で2分間振動する穴空きかご内で流動空気の流れの中で乾燥した。
方法5 調製は方法4と同じだが、その後、流動空気中で、250℃で15分間か焼した。
方法6 シュウ酸銀、エチレンジアミン、硝酸カリウム、タングステン酸アンモニウムおよび水酸化リチウムを含有する水溶液を、触媒118を調製するために用いた。シュウ酸銀系配合物のより低い溶解性により、各含浸に続いて流動空気中、250℃で7分乾燥するステップを含む、2つの連続する含浸を用いた。最終材料上の銀、タングステン、カリウムおよびリチウムのレベルは、それぞれ27重量%、0.008重量%、0.1重量%および0.009重量%であった。
触媒評価
これらの実験の目的は、1)可能性のある防護床候補の等級を格付けし、2)候補の有用な収着能力の半定量的推計を与えることであった。使用された試験条件および供給原料流は表1の上部に要約される。EO反応装置入口頭の直ぐ上流の典型的な工程温度の代表として、170℃の温度が用いられた。この実験の代表的な有機ヨウ化物として選んだヨウ化メチルおよびヨウ化エチルは、2体積ppmから48の範囲のレベルで導入した。
これらの実験の目的は、1)可能性のある防護床候補の等級を格付けし、2)候補の有用な収着能力の半定量的推計を与えることであった。使用された試験条件および供給原料流は表1の上部に要約される。EO反応装置入口頭の直ぐ上流の典型的な工程温度の代表として、170℃の温度が用いられた。この実験の代表的な有機ヨウ化物として選んだヨウ化メチルおよびヨウ化エチルは、2体積ppmから48の範囲のレベルで導入した。
入口および出口の流れのヨウ化物含量は、ThermoFisher Scientificによって製造されたVG Prima dBプロセス質量分析計(MS)を用いて測定した。質量分析計はヨウ化メチルおよびヨウ化エチルを同定するように構成されていた。装置は、10.5ppmの各化合物を含み残りが窒素のカスタム混合物を用いて、0.1−10体積ppmヨウ化物の範囲(すなわち本発明者らが、ヨウ化物破過の始まりを示す、高精度の測定を得ることに最も興味を持っていた濃度領域)にわたり較正した。質量分析計は、反応装置の出口の相対的なヨウ化物濃度の信頼できる測定を与えることが分かった。
システムの制約によって、試行または工業用サイズの防護床のための条件からの乖離が起きざるを得なかった。0.06gを装填する基材は、良好なガス接触が保証できる最も小さい床と思われる。本明細書において使用された反応装置において最も多い実際的な反応装置流量は、約7cc/分である。防護床材料が概略的に同一の充填密度を有するという予備的近似を作る場合、床サイズおよび流量のこの組合せは約5200時間−1の空間速度に対応する。実際的な工業用サイズの防護床質量は、この触媒床質量のわずか約10%しか含む必要がないと考えられる。例えば、3,400時間−1の空間速度を使用するエポキシ化工程では、34,000時間−1の防護床に対する空間速度が予想される。本検討は候補防護床材料の等級を付けることを意図したスクリーニング検討であったので、このようなハードウェアの制約が問題になるとは見なされない。
初めはヨウ化物を含まない供給原料を、温度および供給原料組成を平衡にするためにすべての反応管に供給した。次いで、ヨウ化メチルまたはヨウ化エチルをガス流に導入した。各管の出口ガスのヨウ化物含量を連続して分析し、分析サイクルを絶えず繰り返した。管#1は、各サイクルの間供給原料流の分析を確実にすることができるように空にしておいた。データは、「パーセントヨウ化物破過」、または「%BT」として最も有用に表現される。例えば、2.1体積ppmのヨウ化物を候補防護床に供給し、0.21体積ppmのヨウ化物を防護床の出口で検出する場合、10%がその時間間隔の「%BT」値として報告される。いくつかの実験において、床に供給されたヨウ化物濃度は、2.1体積ppmから4.2、28および48体積ppmへと次第に増加した。本発明者らが効果的にヨウ化物を収着する材料の能力を既に確立していた銀系材料を含む他の実験において、本発明者らは直ちに48体積ppmのヨウ化物を流し始めた。
本発明者らは、エチレンオキシド触媒の性能が有機ヨウ化物に対して非常に敏感であることを以前に立証していた。したがって、工程内の揮発性ヨウ化物から触媒を保護する防護床は、ヨウ化物を事実上定量的に遮断しなければならない。これは、実際上、防護床が、%BTが非常に低い時点で再装填されなければならないことを意味する。本発明者らの試験データを表2に表形式で要約する。表2の用語は2つの異なる型の「パーセント」パラメーターを示す。「%BT」=供給原料流中のヨウ化物のレベルと比較したパーセントヨウ化物破過。ある場合には、%BTはちょうど100%だったが、これは候補材料がヨウ化物捕捉に対して全く効果がなかったことを意味している。他の場合においては、その候補材料は、確かに、ヨウ化物捕捉で当初は有効だった。このように実験を継続すると、次第に、より多くのヨウ化物が候補材料によって収着されるが、材料がヨウ化物を収着する能力は最終的に下がり始める。表2の本体のデータは、供給原料流ヨウ化物の10%、25%または50%が床を破過したときに示した収着能力(「防護床材料の質量当たりの収着した質量の元素ヨウ素」単位で)である。各実験について、各レベルの破過(10%BT、25%BTおよび50%BT)でのパーセント収着能力は、各収着間隔の間に実際に収着された累積的な量のヨウ素と等しかった。
例として、各候補防護床材料について、「@10%BT」の列は、最初に10%のヨウ素破過を観察したときに床に供給されていたヨウ素の量(防護床質量の重量パーセントとして表現される、収着された元素のヨウ素)を表示する。例えば、表2中のデータの最後の行において、候補118−1は「10%の破過」が最初に観察されたとき、床質量の15%(または絶対的な表示方法で0.15×0.060=0.0090gの元素ヨウ素)と等価なヨウ素を収着していたことが分かる。この材料はヨウ素を収着し続けたが、効率が減少しながら「25%破過」の時点までで、候補118−1は床質量の23%(または絶対的な表示方法で0.23×0.060=0.0138gの元素ヨウ素)と等価なヨウ素を収着していた。床の有効性が供給原料流の有機ヨウ化物の半分のみが遮断されるポイントまで低下する「50%の破過」のポイントで、候補118−1は床質量の28%(または絶対的な表示方法で0.28×0.060=0.0168gの元素ヨウ素)と等価なヨウ素を収着していた。
銀を含まない防護床候補は性能が非常に不十分で、測定可能な量のヨウ素を収着しなかった。銀系の候補はすべて、高い効率のヨウ化物捕捉(すなわち、長期間の間、出口流でヨウ素を全く認めなかった)および印象的な絶対的収着能力の両方を示した。表2において、候補防護床のうちのいくつかは、床がヨウ素基準防護床質量の約15−25重量%を収着した後に、ヨウ素を収着するのになお90%有効であったことが分かる。実際的な例として、1kgの防護床134−1は、それが0.25kgのヨウ素に相当する有機ヨウ化物の量を収着した後でさえ、ヨウ素を収着するのに依然90%有効である(すなわち、破過10%未満で作用し続ける)。
多数の比較によっても、高表面積アルミナ候補対低表面積アルミナ候補に関して明白な傾向は観察されなかった。しかし、10%BTで遮断するレベルでまさに最上の結果が、KNO3およびNaNO3のアルカリ土類塩および高SAで達成された(下の近くの134−1、2、3、4を参照)。したがって本発明者らは、高SAが低SA担体より良好であると考える。シリカなどの他の高表面積支持体もまた効果があるはずである。ヨウ化メチルの収着データは、ヨウ化エチルの対応するデータと、両方を試験したすべての場合において、類似していた。
Claims (14)
- −エポキシ化反応装置内に位置するエポキシ化触媒を含有するエポキシ化ゾーン;
−アルキレンオキシド吸収装置内に位置するヨウ化物含有カルボキシル化触媒を含有するカルボキシル化ゾーン;および
−エポキシ化ゾーンの上流に位置し、再循環ガスを含む供給原料中のヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤を含有する1つまたは複数の精製ゾーン
を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための反応システム。 - エポキシ化反応装置が、反応装置の中心長手方向軸に対して実質的に平行に配置された複数の反応管を含む管形熱交換器であり;
上端が実質的に水平の上部管板に連結され、下端が実質的に水平の下部管板に連結され;
エポキシ化触媒が、反応管内に配置された充填床の形態をしている、請求項1に記載の反応システム。 - 精製ゾーンがエポキシ化反応管内に位置する、請求項2に記載の反応システム。
- 精製ゾーンが、エポキシ化反応装置内においてエポキシ化反応管の上流に位置する、請求項2または請求項3に記載の反応システム。
- 1つまたは複数の精製ゾーンが、個別のエポキシ化反応装置を含むエポキシ化ゾーンの上流に位置する1つまたは複数の個別の精製容器を含む、請求項1または請求項2から4のいずれかに記載の反応システム。
- −アルケン、酸素およびエポキシ化再循環ガスを含むエポキシ化供給原料を、エポキシ化反応装置内でエポキシ化触媒と接触させ、アルキレンオキシドを含むエポキシ化反応生成物を与える段階;
−アルキレンオキシド吸収装置内でヨウ化物含有カルボキシル化触媒の存在下においてエポキシ化反応生成物をリーン吸収剤と接触させ、エポキシ化再循環ガスならびにアルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールを含有する油性吸収剤を与える段階;および
−エポキシ化触媒と接触させる前に、エポキシ化再循環ガスの少なくとも一部をヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤と接触させる段階
を含む、アルキレンカーボネートおよび/またはアルキレングリコールの生産のための方法。 - 再循環ガスが25から325℃、特に70から200℃の範囲の温度で精製吸収剤と接触される、請求項6に記載の方法。
- エポキシ化反応装置が、反応管内に配置された精製吸収剤およびエポキシ化触媒を含む多重管状管形熱交換器である、請求項6または7に記載の方法。
- エポキシ化反応装置が、エポキシ化反応装置内において反応管の上流に配置された精製吸収剤を含む多重管状管形熱交換器である、請求項6または7に記載の方法。
- 精製吸収剤が、エポキシ化反応装置の上流に配置された1つまたは複数の個別の精製容器内に配置されている、請求項6または7に記載の方法。
- 精製吸収剤が銀を含む、請求項6または請求項7から10のいずれかに記載の方法。
- 精製吸収剤が、銀、アルカリまたはアルカリ土類金属成分、および20m2/gを超える表面積を有する支持材を含む、請求項11に記載の方法。
- −アルケン、酸素およびエポキシ化再循環ガスを含むエポキシ化供給原料を、エポキシ化反応装置内でエポキシ化触媒と接触させ、アルキレンオキシドを含むエポキシ化反応生成物を与える段階;
−アルキレンオキシド吸収装置内でヨウ化物含有カルボキシル化触媒の存在下においてエポキシ化反応生成物をリーン吸収剤と接触させ、エポキシ化再循環ガスおよびアルキレンカーボネートを含有する油性吸収剤を与える段階;
−1種または複数の加水分解触媒の存在下において油性吸収剤を水と接触させてアルキレングリコールを含む加水分解生成物流を与える段階;
−場合によって、脱水装置内で加水分解生成物流から水を除去して脱水された生成物流を与える段階;
−場合によって、脱水された生成物流を精製して精製アルキレングリコール生成物流を与える段階;および
−エポキシ化触媒と接触させる前に、エポキシ化再循環ガスの少なくとも一部をヨウ化物含有不純物の量を減少させることができる精製吸収剤と接触させる段階を含む、アルキレングリコールの生産のための方法。 - 精製吸収剤が銀を含む、請求項13に記載の方法。
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