JP2011517552A - 無機溶融塩水和物中で多糖類を転化する方法 - Google Patents

無機溶融塩水和物中で多糖類を転化する方法 Download PDF

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Abstract

多糖類をプラットフォーム化学物質に転化する方法が開示される。該方法は、多糖類を無機の溶融塩の水和物に溶解させること、該溶解された多糖類を単糖類に転化すること、該単糖類を、該無機の溶融塩の水和物から容易に単離可能であるプラットフォーム化学物質に転化することを含む。好ましくは、該多糖類は、バイオマス、好ましくはリグノセルロースのバイオマスの形で提供される。
【選択図】なし

Description

本発明は、多糖類、特にリグノセルロースバイオマス物質、を無機溶融塩水和物中でプラットフォーム化学物質に転化する方法に関する。
環境への懸念を考慮して、再生可能な資源からのプラットフォーム化学物質に対するニーズがある。用語プラットフォーム化学物質は、特製品化学物質を製造するための種々の出発物質である化学物質を記載するために使用され、ソルビトール(又はグルシトール、グルコースのアルコール糖)、キシリトール/アラビニトール(キシロース及びアラビノースからの糖アルコール)及びイソソルバイド(ジアンハイドロ−D−グルシトール)及びアンヒドロ糖を含む[1]。
副反応なしにポリオールの選択的な脱水により(ジ)アンヒドロ糖生産物を得ることは技術的な障壁であると考えられる。そのようなポリオール脱水生産物を生産するためには、糖を生産し、次にそのような糖をポリオールに水素添加することが必要である。リグノセルロース物質から糖を生産する複数の方法が当該技術において公知であり、糖からポリオールを生産する複数の方法が当該技術において公知である。セルロース物質から糖を生産する公知の方法は酸性加水分解である。
米国特許第647,805号及び米国特許第607,091号は、そのような加水分解法を記載する。第一は、濃縮された酸加水分解及び第二は希釈された酸加水分解である。一方では、希釈された酸加水分解法は低い収率を有するが、形成されたグルコースを分離し使用するためのさらなる工程(酸の除去)を必要としない。他方では、濃縮された酸法はより高い収率を有するが、糖の回収/酸の分離に困難を提示する。酸中和及び除去、シロップの濃縮及び糖の沈殿のための方法は当業者に公知である。
ある種の化合物がセルロースを溶解することができるという事実は、セルロースを他の化学物質に誘導体化するための技術において使用されている。ハインツ及び共同研究者[2]、[3]は、誘導化のためのセルロースの溶解技術の総説を提供している。
多糖類、例えばセルロース、リグニン及び澱粉は、ある種の濃縮された金属ハロゲン化物、例えば亜鉛ハロゲン化物に容易に溶解される([4]及び米国特許第257,607号)。同様に、グルコースへのセルロース加水分解のためのより早く、より高い収率を提供するための方法が、セルロースの溶解及び均一媒体中でのセルロースのグルコースへのさらなる加水分解の概念に基づいて開発された。
少量のHCl(0.01〜2重量%)を含む塩化カルシウムの濃縮された溶液(5〜55重量%)が使用されて、セルロースを単糖類に加水分解した(米国特許第4,018,620号)。塩化カルシウムは残った溶液から結晶化により部分的に分離されたが、イオンCa2+及びClのさらなる除去が必要であった。塩の膨潤効果は加水分解を促進すると考えられている。
米国特許第4,452,640号は、ZnCl溶液を使用して、分解生成物の形成なしにセルロースを溶解し、グルコースに定量的に加水分解する方法を開示する。溶解は塩の溶液で実行され、十分に長い接触時間及び70〜180℃、好ましくは100〜145℃の温度における60〜80重量%のZnClが好ましい。溶解後、グルコース分解を避けるために、加水分解の前にZnClの濃度を(40〜50重量%に)下げ、次にHCl又は同様な希酸が加水分解を実行するために添加される(pH<2に下げる)こと必要であることが要求された。
同じグループの後の刊行物は塩の濃度を下げる工程なしの結果を示した[5]:67重量%のZnClを含む溶解媒体による実験が、50〜100℃の温度及び2時間で行われた。追加の酸は加水分解を実行するために必要であることを示し、0.5モル/Lの溶液が最適であり、より低い濃度では転化率が低く、より高い濃度では収率が低かった。
合理的な温度は70℃であり、加水分解はより低い温度では不完全であり、100℃ではグルコースがさらに他の生成物へ転化する。ZnCl:セルロースの実験比は1.5〜18であった。ZnCl/セルロースの比が高いほど、グルコースの収率が高かった。前の教示(米国特許第4,452,640号)と反対に、ZnClの存在は同じHCl含有量の水性溶液と比較してグルコースの分解を低下させた。増加された水の含有量を有する溶液はセルロースを溶解することができず、従って、加水分解速度に影響を及ぼすので、濃縮された塩の溶液が好ましい。
欧州特許出願公開第0091221号は、水、無機酸、及びアルミニウムの水和されたハロゲン化物を含み、任意的に追加の金属ハロゲン化物を含んでいてもよい溶解化媒体中でのセルロース又は澱粉の加水分解であって、100%に近い収率を有する加水分解を教示する。必要より長い加水分解時間は分解のためにグルコースのより低い収率をもたらす。
インペリアルケミカルインダストリーズ(ICI)のラグ及びフィールズは、金属ハロゲン化物及び塩酸を触媒として使用するリグノセルロース廃棄物の加水分解のための方法を教示する[6]。
加水分解を実行するために試験された複数の塩、LiCl及びCaCl溶液は最も有効であると考えられ、ZnCl、MgCl及びCaClは少し有効でなく、FeCl、SnCl、NaCl、KCl、MnCl、NiCl、CuCl、CoCl及びCdClは最も有効でないと考えられる。典型的な条件は60〜90℃、セルロース基質の15〜25重量%、5〜40重量%のCaCl及び25〜40重量%のHClを含む溶解媒体中で、液状相を維持するための4〜7バールの圧力、及び10〜20分の反応時間であり、85重量%超のグルコースを生産する。
該塩の別の利点は、15重量%のCaClを有する反応媒体中でのHCl及び水により形成される共沸を中断して、HClを溶液から分離しやすくすることであり、分離は単純なエバポレーターで行われることができる。
セルロース加水分解法の所望される生成物であるグルコースは、そのような方法において濃縮された塩の媒体からさらに分離される必要がある。塩の一部の沈殿以外に(CaClの濃縮された溶液、米国特許第4,018,620号)、イオン交換及びクロマトグラフィー法(米国特許第4,452,640号及び[5])又は電気透析[6]が考えられる。
すべてのこれらの方法において、分離のコストを上げる塩(溶液の主な化合物)は除かれるべきである。他の通常の分離方法、例えば蒸発、はグルコースが高温で分解するので、使用されることができない。抽出は、塩とグルコースとの両方が水に溶解するので、選択肢ではない。
グルコースの所望される生成物は、グルコース水素化生成物であるソルビトールである。ソルビトールのさらなる所望される生成物はジアンヒドロソルビトール又はソルビトールの二重脱水の生成物であるイソソルバイドである。
Fleche[7]とStoss[8]の総説は、イソソルバイドの使用、性質、及び化学を提示し、その開示は参照することにより本明細書に取り込まれる。
イソソルバイドを製造する方法は、酸性溶液中でのソルビトール(D−グルシトール)の脱水を含む。酸の存在によるプロトネーションは、一級のグルシトールヒドロキシル基において優先的に起きる。第一の内部の脱水工程は、1−4−アンヒドロ−D−グルシトールをもたらす。脱水は、3及び6位においても起きることができ、3,6−アンヒドロ異性体をもたらす[9]。さらに、両方の異性体の脱水は1,4−3,6ジアンヒドロ−D−グルシトール、即ちイソソルバイドをもたらす。別の可能な第一の脱水は、1,5及び2,5位において起きる。これらの位置において、モノ無水物誘導体をもたらす第二の分子内脱水は観察されない。もうひとつの複雑にする問題は、より高次の分子オリゴマー状又はポリマー状単位をもたらす、2つの分子の間の水の分子内脱離の可能性である。
ほとんどの先行技術の特許の教示は、ポリマー状単位の形成を防ぎ、かつ1,5及び2,5脱水生成物がより少なく好まれる条件で作業することにより選択性を向上させる試みを扱う。
ソルビトールの脱水において主に使用される酸性触媒は、HSO、リン酸、HCl、及び他の酸、例えばp−トルエンスルホン酸、メタンスルホン酸である。固体触媒、例えば酸性のイオン交換樹脂、ゼオライト、及び硫酸ジルコニアが使用されることができる。
酸性触媒を使用する脱水の先行技術に従って、脱水条件はできるだけ無水であるべきである。これを達成するため、脱水は真空下で(国際公開第00/14081号)又は水の除去を実行するための不活性ガスの流れで(米国特許第6,407,266及び6,689,892号により教示されるように例えば窒素を使用して)実行される。温度の限界は、酸の存在下では170℃であり、その上では米国特許第6,831,181号が教示するようにかなりの炭及びタールが予想される。
イソソルバイドは、140〜145℃において2mmHgの蒸気圧を有し、アンヒドログルシトールの蒸気圧は同じ温度においてちょうど0.04mmHgであるから、真空を使用して、反応マスからイソソルバイドを分離することが可能である。酸性触媒を使用する分離と反応とを含む方法スキームは文献において公知である。米国特許第6,831,181号はそのような方法を教示する。
1,5−及び2,5モノアンヒドロヘキシトール以外に、オリゴマー状及びポリマー状無水物の形成が問題であり、従って、水が反応の後に添加されて、ポリマー(ダイマー又はモノ無水物ではない)を沈殿させる方法スキームが提案された。そのような連続方法において、非反応性の1,5−及び2,5モノアンヒドロヘキシトールの除去のためにパージが必要である。リサイクル、沈殿及びパージのそのような手順は米国特許第6,831,181号及び第6,864,378号により教示されている。また、2,5−モノアンヒドロヘキシトールの形成を阻止するために、2つの温度の工程、120℃より低い第一の工程及び120℃より高い第二の工程、において酸性媒体中で反応を行うことも米国特許出願公開第20070173651号により教示されている。さらに、米国特許出願公開第20070173652号に従って、第一の脱水の前に、そして第一の脱水後に、好ましくは第一の脱水の間にポリオールから水を除去することは興味深い。
脱水を実行するために固体の触媒、例えば酸性の樹脂、を使用するとき、触媒の脱活性化がさらなる問題となる。米国特許出願公開第20070173653号は、ある種のプロトン性又は非プロトン性溶媒による触媒の定期的な洗浄がより長い触媒生命を保障することを教示している。
該文献は、米国特許第6,013,812号及び米国特許出願公開第20070173654号におけるように脱水条件下での水素化を含む、分解オリゴマー及びポリマーの形成を防ぐ方法をもまた教示する。
米国特許出願公開第20070173654号は、酸性触媒の存在下、(好ましくは無水の)糖アルコールの脱水における水素化触媒の使用を教示する。水素化触媒はPd、Pt、Ni、Co、Ru、Re、Rh、Ir及びFeから選択された金属並びに好ましくは炭素、又はジルコニア、チタニア、ニオビア、シリカ又はスズ酸化物である担体を含む。酸の機能及び水素化機能を併せた二官能性触媒を使用することも可能である。圧力は35バール、好ましくは20バール、又は10バール未満でさえあり、好ましい温度は110℃〜約170℃である。同特許はさらなる水除去を実行する方法として逆流モードの水素のフローを使用する可能性を教示する。
米国特許第6,013,812号は、ポリオールの脱水を実行するために、水素雰囲気において水素化及び酸性触媒の使用を教示する。特定の触媒について権利を請求することなく、著者は実施例においてPd/C及びRu/C及び追加の酸を使用した。触媒の存在下、1重量%未満のポリマーが形成されたが、金属に触媒される水素化分解の生成物である低分子量のポリオールがかなりな量で形成された。酸性触媒なしでは、D−ソルビトールの不十分な転化がある。ラネCu,Co/Cu/Mn、ラネNi及びCr−Niもまた酸の不存在下で試験され、高い転化率にもかかわらず(水素分解)、イソソルバイドの形成は2重量%未満であった。
MONTASSIERら[10]、[11]、[12]は、添加された酸なしに水素化条件下でD−グルシトール及び他のポリオールの脱水を実行するための、Cu/C又はバイメタルの銅触媒の使用を教示する。明らかに、触媒表面において、反応の間に形成されたイオン性の銅化合物はかなり親電子性であり、ポリオールのヒドロキシ基と強く相互作用して、C−O結合を弱め、そして環状の内部脱水生成物の形成を触媒することができる。バイメタルの銅をベースとする触媒、例えばCu/Ruも、Ruの存在がCuの極性を強めるので、また活性である。不幸なことに、そのような触媒の安定性は銅化合物の浸出のために非常に低い(数時間)。水素分解の副生物もまた形成される。触媒の安定性はある程度まではNaClの添加により強化されることができる。
米国特許第4,313,884号は、約2.0〜約3.2の電荷:イオン半径の比を有する金属イオンが約100℃〜約300℃、好ましくは150〜250℃の温度においてヘキシトールの脱水を触媒することを教示する。ヘキソース、例えばD−グルコース、は適切な金属塩が添加されている水素化触媒の存在下、水素化によりアンヒドロヘキシトールに直接、転化され得る。金属イオン:ポリオールの比は約0.01〜約0.1である。請求にかかる塩はマグネシウム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、アクチニウム、トリウム、プロトアクチニウム、ウラン、セリウム、プラセオジム、ネオジウム、プロメチウム、サマリウム、ユーロピウム、ガドリニウム、テルビウム、ジスプロシウム、ホロミウム、エルビウム、スリウム、イッテルビウム、及びルテチウムからなる群から選択されたイオンを有する塩である。実施例において、D−グルシトールの脱水は、追加の酸なしで、ニッケル水素化触媒と一緒に金属塩化物をD−グルシトールに対して0.05のモル比で含む33重量%の水性溶液中で行われ、水素化分解生成物(1,2−プロピレングリコール、エチレングリコール、グリセリン及びマンニトール)及びモノアンヒドロ及びジアンヒドロ−D−グルシトールを生じる。
DUCLOSら[13]は、D−グルシトールを無水ピリジン塩化物(イオン液体)中で120〜160℃において数時間(4時間超)加熱すると、1,4−アンヒドロ−D−グルシトール及びより少ない程度に1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−グルシトールをもたらすことを教示する。驚いたことに、著者は、1,5又は2,5アンヒドロ−D−グルシトールを観察しない。
先行技術の刊行物のほとんどは、無水のD−グルシトールをフィードストックとして使用することを考え、又は、脱水の前及び脱水の間に存在する水を除去することを好み、従って、脱水及びグルコースからのグルシトールの追加の生産及びセルロース又は澱粉又は他の手段からのグルコースの生産の前に、フィードストックを製造するための複数の前工程がある。
いずれの文献においても、副生物、例えば重合生成物、2,5−アンヒドロ−D−グルシトール、水素化生成物、なしで又は所望されるイソソルバイド生成物への完全な転化を以て、生成物は形成されなかった。
米国特許第647,805号 米国特許第607,091号 米国特許第257,607号 米国特許第4,018,620号 米国特許第4,452,640号 米国特許第4,452,640号 欧州特許出願公開第0091221号 米国特許第4,018,620号 米国特許第4,452,640号 国際公開第00/14081号 米国特許第6,407,266号 米国特許第6,689,892号 米国特許第6,831,181号 米国特許第6,831,181号 米国特許第6,831,181号 米国特許第6,864,378号 米国特許出願公開第2007-0173651号 米国特許出願公開第2007-0173652号 米国特許出願公開第2007-0173653号 米国特許第6,013,812号 米国特許出願公開第2007-0173654号 米国特許出願公開第2007-0173654号 米国特許第6,013,812号 米国特許第4,313,884号
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従って、向上された収率及び副生成物の減少された形成を以てイソソルバイドを生成物することができる方法に対するニーズがある。
また、セルロースをグルコース及びさらなる誘導体に、好ましくは向上された転化率で優先的にプラットフォーム化学物質に、例えば均一媒体中でセルロースの加水分解において得られるもの、に転化する方法に対するニーズがある。
残念なことに、溶解剤からのグルコースの分離は均一媒体中での加水分解では困難である。
本発明の目的は、上記の問題を解決する又は緩和することである。
開示されているのは、副生物の最小化された形成を伴う、多糖類をアンヒドロポリオールに転化する方法において、物質を無機の溶融塩の水和物と1〜50重量/重量の溶融塩の水和物:リグノセルロース物質の比で接触させること及び該混合物を以下の連続工程:
a)加水分解:多糖類を、溶融塩の水和物組成物及び無機の可溶性の酸と接触させ、可溶性の加水分解糖生成物を回収すること;条件は、混合物の得られる酸のモル量が0.1〜2.0モルであり、温度は50〜150℃であり、LHSVは0.2〜2時−1である、
b)水素化:溶融塩の水和物の組成物及び工程a)で得られた糖の混合物を、水素化触媒及び水素と糖がポリオールに完全に転化するまで接触させること;条件は、60〜160℃の温度及び0.1〜20MPaの圧力及び0.05〜10時−1のLHSVである、
c)脱水:無機の溶融塩の水和物組成物とポリオールの混合物の温度を上昇させて、ポリオールの脱水生成物への完全な脱水を実行すること;条件は.1〜10MPaの圧力、160〜320℃の温度、及び.0.1〜10時−1のLHSVである、
d)回収:水和された無機の溶融塩の組成物からアンヒドロポリオール脱水生成物及び過剰の水を分離すること、回収工程d)の後の水和された無機の溶融塩は工程a)に向けられる、
に付すことを含む方法である。該溶融塩の水和物の組成物は、該組成物において40〜80重量%の塩の含有量を有する、例えば少なくともZn、Ca、又はLiのハロゲン化物又はそれらの混合物を含む溶融塩の水和物である。
好ましい実施態様において、追加の遷移金属の塩が該溶融塩の水和物の溶液に添加される。追加の塩:ポリオールのモル比は、工程c)の前は0.01〜5である。好ましい追加の遷移金属の塩は、銅又はニッケルの塩であり好ましくはNiCl又はCuClである。
好ましくは、無機の可溶性の酸の少なくとも50%は、加水分解の後、水素化の前に除去される。
好ましい実施態様において、本方法のフィードストックはセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンを含むリグノセルロース性の物質であり、ヘミセルロースは、工程a)の前に当該技術において公知の任意の手段(例えば熱湯での抽出)により除去されており、それにより、リグニンが加水分解工程a)の後に分離され、主生成物は1,4:3,6ジアンヒドロ−D−グルシトール(イソソルバイド)である。
別の好ましい実施態様では、本方法のフィードストックはセルロース、ヘミセルロース、及びリグニンを含むリグノセルロース性の物質であり、ここで、該リグニンは第一のa)加水分解工程の後分離され、生成物はC5及びC6のポリオールの脱水の生成物である。
別の好ましい実施態様では、本方法のフィードストックはセルロースであり、主生成物は1,4:3,6ジアンヒドロ−D−グルシトールである。
セルロースの溶解及び加水分解の合わされた工程、グルコースのソルビトールへの水素化及び溶融塩の水和物の媒体中でのイソソルバイドへの脱水を含む本方法の好ましい実施態様の図である。 実施例2に従って、ZnClの溶融塩の水和物の媒体中の塩の含有量の増加がセルロースの加水分解に及ぼす効果を示すグラフである。 実施例3に従って、ZnCl70重量%の溶融塩の水和物の媒体中で、セルロースの加水分解に及ぼす時間の効果を示すグラフである。 実施例5に従って、塩酸がセルロースのグルコースへの加水分解に及ぼす効果を示すグラフであり、実施例6に従って、塩酸がグルコースのソルビトールへの水素化に及ぼす効果を示すグラフである。 実施例6に従って、ZnClの溶融塩の水和物媒体中の塩の濃度を上げることが、グルコースのソルビトールへの水素化に与える効果を示すグラフである。 実施例11に従って、塩化銅の存在下におけるZnClの溶融塩の水和物媒体中でのソルビトールの脱水に反応時間が及ぼす効果を示すグラフである。 実施例12に従って、追加の塩(CuCl)の種々の濃度がZnClの溶融塩の水和物媒体中でのソルビトールの脱水に及ぼす効果を示す図である。
本発明は、多糖類、例えばリグノセルロース物質成分、を、糖類、次にポリオール、及び最後にある種の脱水生成物への転化する方法あって、該転化工程が、無機の溶融塩の水和物の媒体中で行われる転化方法に関する。
より具体的には、本発明は、セルロース及び澱粉のソルビトールへ、続いて脱水生成物への転化に関する。セルロース以外に、ヘミセルロースもまた可能性のあるフィードストックである。セルロース及び澱粉はグルコース単位のポリマーであり、該ポリマーはβ―グルコシド結合及びα結合によりそれぞれ結合されている。ヘミセルロースはC6糖、例えばグルコース、マンノース、ガラクトース及びラムノース、及びC5糖例えばキシロース及びアラビノースのポリマーである。
バイオマスからのヘミセルロース画分の分離は熱湯処理又は水性相で希釈された酸加水分解により簡単に実行されるので、ヘミセルロースは、リグノセルロース物質から前もって除去されることが好ましい。ヘミセルロースはさらに発酵されて、エタノールを生成する。
適切なリグノセルロース物質の例はとりわけ、木材のパルプ、バガッセ(特にサトウキビのバガッセ)、オガクズ、綿のリンター、まぐさ、トウモロコシ、藁、草、紙、森林の残さ、糖のビートのパルプ、農業の残さ、海藻を含む。一般的に、少なくとも20重量%、好ましくは40重量%のセルロースを有する任意のフィードストックが適切である。
リグノセルロース物質は溶融塩の水和物の媒体と良好な接触を保証するために好ましくは予備処理される。予備処理は、切断、圧搾、研磨及び/又はやすりがけにより行われる粉砕を含み得る。好ましくは、圧搾機が使用され、続いて研磨機が使用される。好ましい実施態様の一つにおいて、リグノセルロースバイオマス物質の粉砕は、溶融塩の水和物の媒体との接触の前の第一の工程において実行される。別の好ましい実施態様において、粉砕は、溶融塩の水和物の媒体との接触の間に実行される。
本発明に従って、無機の溶融塩の水和物の媒体及びリグノセルロースバイオマス物質の混合物の水分含有量は、セルロース物質が無機の溶融塩の水和物媒体に溶解されるように、該混合物の総水分含有量をもたらす。従って、リグノセルロース物質がかなりな水分含有量を有する場合には、無機の溶融塩の水和物により少ない水をフィードすることが必要である場合もある。別の好ましい実施態様においては、リグノセルロース物質の水分含有量は、塩の水和物の媒体との接触の前に低下される。
好ましい無機の溶融塩の水和物の媒体は、多糖類の添加の前に、少なくとも1の40重量%のZnCl、より好ましくは60重量%のZnClを有する。塩の水和物の媒体中の好ましい塩の含有量は、バイオマスの含有量を考慮しないで60〜85重量%の範囲内である。塩の含有量は、高い水分含有量を有する乾燥されていないリグノセルロース物質を補うために増加されることができる。ZnCl媒体中の85重量%より高い塩の含有量は好ましくない、なぜなら塩の含有量は飽和濃度を超える可能性があり、そのことは塩の媒体からのZnClの沈殿をもたらすからである。
70重量%のZnClが好ましい無機の溶融塩の水和物であるが、他の無機の溶融塩、例えば他の亜鉛ハロゲン化物(臭素化物、ヨウ素化物)、セルロースを溶解する又は膨潤させることが知られている他の金属のハロゲン化物、例えばCaCl及びLiCl、の水和物が単独で又はZnClと組み合わされて使用され得る。
少なくとも1の遷移金属の塩が該無機の溶融塩の水和物に存在して、糖アルコールの脱水工程における脱水を促進してもよい。好ましい金属の塩は遷移金属のハロゲン化物、好ましくは塩化物である。有用な遷移金属の塩は、Cu、Ni、Co、Fe、Mn、Cr、V及びTiの群の塩化物である。好ましい追加の金属は、CuCl及びNiClである。
無機の溶融塩の水和物の媒体:多糖類又はバイオマスの比は、1〜50重量/重量、より好ましくは5〜20重量/重量である。
リグノセルロース物質との接触の前の無機の溶融塩の水和物の温度は、加水分解工程において所望される温度より高くてもよい。又は、リグノセルロース物質と無機の溶融塩の水和物との混合物は、混合後、加熱されてもよい。当該技術において公知の熱の移動の手段が、本発明の複数の態様のために必要な条件を得るために使用されることができる。所望される温度は加水分解に最適な温度である。加水分解工程において、以下の実施例において示されるように鉱酸の添加が望ましい。任意のたくさんの鉱酸が使用されることができ、例えば塩酸、フッ化水素酸、硫酸、リン酸などである。塩酸は、フラッシュ蒸留又は窒素によるストリッピング又は当該技術において公知の他の適切な手段により、溶融塩の水和物の媒体から簡単に除去されることができるので、好ましい酸である。
好ましくは、酸のモル量(無機の溶融塩の水和物及び酸の混合物、1000g当たりの酸のモル)は、0.2モル超かつ2モル未満、より好ましくは0.4モル〜0.8モルである。2モルより高い酸の濃度は、所望されない化合物へのグルコースの分解を促進し得る。
加水分解の温度は、高い加水分解速度を得るが、所望されない化合物へのグルコースの低い分解を得るような温度である。実際、好ましい温度は、70℃超かつ150℃未満、より好ましくは90℃超かつ120℃未満である。加水分解工程における所望される温度を確保するために、添加されるガス、好ましくは酸素フリーのガスが熱移動媒体として反応系に添加されてもよい。加水分解の時間、即ちリグノセルロース物質及び溶融塩の水和物及び鉱酸がその中で接触される装置における滞留時間(residence time)は、多糖類、例えばセルロース及びもし存在するならヘミセルロースの完全な加水分解を得るようなものである。実際、滞留時間は10〜180分、好ましくは30〜60分であるべきである。
加水分解を実行するための装置は、バッチ反応器、連続式撹拌タンク反応器(CSTR)、又は2以上のCSTRのつながったもの、連続式チューブ反応器、流動床反応器(バイオマス粒子のセルロースが溶解されているところの懸濁されたバイオマス粒子)、スクリュー反応器、ボールミル又は複数の相を接触させる任意の適切な手段付きの又はなしの回転反応器であることができる。バッチ反応器の場合、複数の平行反応器が使用されることができ、従って、次の均一相のプロセスの工程は連続に保たれることができる。全体のプロセスの連続は、バッチ式で行われることもできるが、連続プロセスが好ましい。バッチプロセスに対する連続プロセスの利点は、当業者に周知である。
溶解と加水分解は加水分解可能な多糖類物質(セルロース及び/又はヘミセルロース又は澱粉)をC6(及びC5)の単糖類(ヘキシトール及びペンチトール糖)に転化する。加水分解工程の後、リグニンは無機の溶融塩の水和物及び糖溶液から完全に分離されることができる。不溶性のリグニンを溶融塩の水和物及び糖の溶液から分離するための適切な手段は、ろ過、遠心分離、デカンテーション、ハイドロサイクロンの使用、静置、ガス浮上(gas floatation)、リグニンが好ましくは相互作用するところの有機相の添加、又はこれらの方法の組み合わせである。好ましい方法は、如何なる固体もさらなる触媒水素化に送られることを防ぐための追加のろ過を有する遠心分離又はハイドロサイクロンである。リグニンは、さらなる使用の前に、固体ケーキ中にまだ存在する塩を除去するために好ましくはさらに洗浄される。
リグニンは、本方法への熱源として及び次のプロセスの工程において使用される水素を製造する方法として、使用されることができる。水素は、当該技術において公知である任意の適切な方法、例えばリグニンの熱分解、スチーム改質、又は燃焼するリグニンにより生産される電気からの水の電気分解、により発生されることができる。
本発明の方法の好ましい実施態様において、酸は水素化の前に除去される。実施例において説明されるように、酸はグルコースがソルビトールへの水素化を防止する効果を有する。先行技術の加水分解法においては、揮発性の酸は水と共沸混合物を形成するので、揮発性酸、例えば塩酸、の分離は困難である。幸運なことに、共沸混合物は、無機の溶融塩の水和物の溶液、例えば本発明の方法で好まれるZnClの濃縮された溶液中で破壊され、その結果、塩酸はフラッシッング、蒸留、逆流若しくは向流ストリッピングにより容易に分離されることができる。
加水分解は、塩酸の有意なガス相の逸散性を提供するのに十分な温度において実行される。他の非揮発性酸、例えば、硫酸又はリン酸は、化学的処理好ましくは不溶性の化合物を形成することにより除去されることができる。
非揮発性の酸の追加の化学的消費コストのために、揮発性の塩酸がここでの使用に好ましい酸である。例えば、もし(ストリッピングガス及び浮上剤として作用する窒素又は空気、好ましくは窒素での)浮上がリグニン除去のために使用されるならば、塩酸は、リグニン除去と同じ工程で除去されることができる。
逆流の水素化を実行することにより、塩酸は、水素化と同じ工程で除去されることもできる。該逆流の水素化において、水素は反応器の底へと供給され、塩酸、グルコース及び溶融塩の水和物の混合物が触媒の床領域に前もって供給される。この場合、適切なマス接触デバイスを有する前のマス接触領域もまた存在することができる。塩酸は、反応器の頂上において水素と一緒に除去される。水素/塩酸混合物は、塩酸除去のため、水を通して泡立てられてもよい。反応領域から上流の適切な逆流の接触させるデバイスはキャップトレイ、Raschig環、構造化されたパッキン、又は接触及び反応構造の組み合わせ、例えば内部的にフィンを付けられたモノリス(IFM)であることができる。
水素化の温度は、高い水素化速度を得るが、所望されない化合物へのグルコースの低い分解を得るような温度である。実際には、好ましい温度は、70℃超かつ150℃未満、より好ましくは90℃超かつ120℃未満である。実際、10バール、好ましくは30バール、より好ましくは50バールより高い圧力かつ120℃より低い温度で作業することが好ましい。200バールより高い圧力は経済的に有利でない。
水素化は0.05〜5時−1のLHSVにおいて行われ得、糖(単糖類)に関してモル過剰の水素は、少なくとも2、好ましくは少なくとも3倍に希釈される (reduced of at least 2, preferably at least 3-fold) 。
反応は、溶融塩の水和物及び糖の溶液を触媒と接触させることにより実行される。接触のための好ましい手段は、固定された床触媒である。接触の代わりの方法は、連続的に又は断続的に触媒(及び活性)を補給することを容易にすることができる、スラリー反応器、拡張された床、移動床である。好ましい反応器は、トリクルベッド(又はフラッデドベッド)反応器である。高い触媒ホールドアップ及び採用される条件は、かなりな触媒の脱活性化をもたらさないからである。
あるいは、触媒の脱活性化が顕著であるときは、平行反応器が使用されることができるか、又は触媒が必要であれば交換される若しくは再生され得る。当該技術において公知の反応における熱除去の方法が使用されることができる。実際、本願の無機の溶融塩の水和物:バイオマスの比が使用されるとき、無機の溶融塩の水和物は、グルコースの水素化の間に放出される熱のかなりの部分を吸収することができる。追加の操作、例えば生成物のリサイクル、高いガス/フィードの比もまたグルコースの水素化による熱の増加を最小化するために使用されることができる。
適切な水素化触媒は糖の水素化において周知の触媒、例えばRu/C、ラネNi若しくはラネCu、炭素若しくはアルミニウムに坦持されたNiである。好ましくは、活性触媒成分は、Ru、Rh、Pd及びPtのシリーズの貴金属又はCu、Cr、Co、Ni、Feのシリーズの遷移金属から選択される。好ましい触媒はRu/Cである、なぜならRu/Cは、浸出しにくいからである。適切な坦持物質は、活性炭、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイド、シリケート、チタネート、ジルコネート、及び他の金属酸化物、例えばSnO、Bi、Sb、MoO、WO、混合金属酸化物、例えばSiO−Al、SiO−TiO、Al−ZnO、SiO−ZrO、SiO−SnO、SiO−MoO、SiO−WO、金属塩例えばALPO、FePO、Zn(PO、Mg(PO、Ti(PO、Zr(PO)を含む。塩基性酸化物、例えばMgO、BeO、La、CeO、Pr、Nd、SmO、ZrOも使用されることができる。均一の、坦持されていない触媒もまた使用されることができるが、脱水工程で必要とされる、好ましくは200℃より高い温度において通常、安定でない。
所望される反応生成物は、ソルビトール又は対応する糖アルコールへの転化に利用可能であるグルコース又は単糖類が少なくとも98重量%存在する生成物である。C6糖はヘキシトールに水素化されC5糖類はペンチトールに水素化される。
本発明の別の可能な実施態様は、加水分解及び水素化のワンポットコンビネーションである。なぜなら加水分解に必要な酸の存在下においてさえ、グルコースをソルビトールに水素化することが可能だからである。そのような場合、リグノセルロース物質を溶融塩の水和物、酸及び水素化触媒と接触させる前にリグニンを除去することが必要であり得る(なぜなら固体のリグニンから固体の触媒を分離することは困難だからである)。同時に起きる加水分解に影響を与えることなく、リグノセルロース物質をただ溶解させることによるリグニンは除去は、水和された溶融塩中の転化されていないセルロースの溶液の高い粘度のために、実際的でない。
グルコースをソルビトール又は糖アルコールに対応する他の単糖類に水素化した後、脱水が行われて、所望されるイソソルバイド又は対応する(ジ)アンヒドロ糖アルコールを生成する。出発糖アルコールから、1又は2の脱水が可能であり、即ち第一にアンヒドロ糖アルコールを形成し、最後にジアンヒドロ糖アルコールを形成することができる。
無機の溶融塩の水和物及び糖アルコールの溶液は、追加の反応器に送られて、糖アルコール(ソルビトール)のイソソルバイド又は対応するアンヒドロ糖アルコールへの脱水を実行する。160〜320℃、好ましくは220〜280℃の温度が使用されることができる。0.1〜10MPa、好ましくは2〜6MPaの圧力が適切である。好ましくは水素の雰囲気は、イソソルバイドの収率を有利に上げるので、水素の雰囲気が使用される。追加の条件は0.1〜5時−1のLHSVである。
好ましくは、水素化工程の生成物、無機の溶融塩の水和物及び糖アルコールの溶液及び残っている水素は脱水反応器に送られる。所望される温度範囲に温度を上げるために慣用の方法が使用されることができる。反応生成物との熱交換、炉、反応器における加熱デバイス、チューブ反応器、ホットリサイクルフローの添加などが、開示された圧力、温度、滞留時間(LHSV)が使用される限り、使用されることができる。開示された条件において、ソルビトールの完全な転化が達成される。
好ましくは遷移金属の塩が無機の溶融塩の水和物及びソルビトール又はポリオールの溶液と一緒に使用される。追加の塩のカチオン:ポリオールのモル比は0.01〜5、好ましくは0.1〜1.0、より好ましくは0.2〜0.5である。無機の溶融塩の水和物の媒体及び追加の遷移金属の塩の組み合わせは増加された選択性及び転化率をもたらす。脱水工程の間における水素の存在は、脱水活性及び選択性をさらに促進することも考えられる。この工程の間にいくらかの量の還元された金属を形成することが可能である。そのような金属はろ過により分離されることができ、酸との接触により再び塩に転化されることができる。いずれにせよ、好ましい追加の塩、圧力及び温度は、還元された金属の形成が最小化されるようなものである。
脱水後、得られるイソソルバイド又は等価なアンヒドロ糖アルコールは、公知の分離技術により溶融塩の水和物媒体から分離されることができる。好ましい分離技術は100℃より高い温度における炭化水素による抽出であり、ここでイソソルバイドの溶解度は重要である。次に、該炭化水素は冷却されて、イソソルバイド又は等価なアンヒドロ糖アルコールは沈殿により回収される。分離を実行するために好ましい炭化水素はキシレンである。別の好ましい分離技術は、ソルビトール又はアンヒドロソルビトールより有意に高い蒸気圧を有するイソソルバイドの蒸気化を含む。
低い圧力及び高い温度における水蒸気又は空気によるストリッピングが使用されることができる。この場合、水もまた除去されるので、(溶融された)塩の融点より高い温度において作業することが必要である。ZnClの場合、融点は275℃である。
所望される化合物のストリッピングの後、水が無機の溶融塩の水和物の媒体に再添加されることができる。追加の塩、例えばKClを水和された無機の溶融塩に使用して、無水の溶融塩ZnClの融点を下げることもまた可能である。
各グルコシド部分の加水分解において、グルコース結合が分解するとき、1の水分子が消費されてグルコースを形成するが、ソルビトールの脱水では2の水分子が生成される。従って、溶融塩の水和物の所望される組成を連続的に維持するために、溶融塩の水和物から水を連続的に除去する必要がある。これは水和された溶融塩を加熱し不活性ガス又は酸素でストリッピングすることにより実行されて、必要とされる量の水を除去する。これは、例えば化合物の蒸気化により除去されるとき又はもし必要であれば無機の溶融塩の水和物の再生工程の間に、イソソルバイドの除去と組み合わせて実行されることができる。
ペンチトール(ヘミセルロースの加水分解に由来する)の脱水は、モノ無水物だけを与え、それは単離することがより困難である。従ってセルロースフィードストックを無機の溶融塩の水和物の媒体と接触させる前に、まずヘミセルロースの除去を実行することが好ましい。
転化されていない可溶性の化合物、オリゴマー及び炭素質の物質を無機の溶融塩の水和物、又はモノ無水物からさえ、除去することもまた必要であり得る。これは再生工程において真実であり得る。そのような再生を実行する方法の一つは、水における溶解を含み、オリゴマーを不溶性にして、続いて水を除去することを含む。そのような再生を実施するための別の方法は、石炭の水素化分解における溶媒として使用されるときにZnClを再生するために使用される方法、即ち、より高い温度における空気との接触による有機物質の酸化、に似ている。ZnOの形成を防止するために燃焼サイクルにおいてHClを添加して、除去された水を後で補給することが必要であり得る。
水和された無機の溶融塩は、分離後、本方法の最初にリサイクルされる。本開示の連続性をより明確にするための、本発明の好ましい態様のプロセス工程が図1を参照して以下に記載される。
線1は、リグノセルロースバイオマス物質の流れを表す。本開示の好ましい実施態様において、最初にヘミセルロースから分離されたということを考えて頂きたい。リグノセルロース物質(1)は無機の溶融塩の水和物の混合物(2)と混合されて、一緒に又は独立して反応器(10)に送られ、溶解を実行し、塩酸(3)と一緒に加水分解を実行する。
無機の溶融塩の水和物、グルコース及び酸の混合物が、加水分解反応器から放出され、リグニン(4)(本方法のどこかほかで使用されている)の分離(20)及び加水分解工程にリサイクルされる塩酸(3)の除去に送られる。塩酸の少量の補充は損失を補うために必要であり得る(17)。
無機の溶融塩の水和物及びグルコースの混合物(5)は、リサイクル水素(8)及び補充の水素(18)と混合され、水素化反応器(30)に送られる。水素化反応器(30)において、グルコースはソルビトールに転化される。反応器のフィードへの熱移動及び熱の回収及並びに反応生成物からの熱移動及び熱の回収は示されていないが、当業者には自明である。
無機の溶融塩の水和物及びソルビトールの混合物(6)は、脱水化反応器(40)に送られ、ここで適当な、より高い温度条件において、ソルビトールはイソソルバイドに転化される。無機の溶融塩の水和物、イソソルバイド、及び水素の混合物(7)は分離器に送られる。反応器フィードへの熱移動及び熱回収並びに反応生成物からの熱移動及び熱回収の工程は示されていないが、当業者には自明である。回収された水素(8)は、無機の溶融塩の水和物及びイソソルバイドの混合物(9)から分離器(50)において分離される。無機の溶融塩の水和物及びイソソルバイドの混合物(9)は分離器(60)に送られ、そこでイソソルバイド及びアンヒドロ等アルコール(11)が水和化され、溶融塩の混合物(12)から分離される。
イソソルバイドを無機の溶融塩の水和物から分離するために他の方法も使用されることができるが、(60)に開示された手順は無機の溶融塩の水和物及びイソソルバイドの混合物(9)をキシレン又は類似の炭化水素と適切な接触デバイス(62)において120℃超の温度で接触させることを含む。非極性の炭化水素/ソルビトール相(61)は分離されて、低温における接触デバイス(64)に送られる。
イソソルバイドの結晶は60℃未満の温度において沈殿する。温度、圧力、接触時間及び(62)及び(64)における接触ステージの数は、(61)及び(63)の流れと一緒にすべてのイソソルバイドが無機の溶融塩の水和物から分離されるように選択されることができる。
加水分解(10)において水の消費があるが、2の水分子がソルビトールの脱水(40)において発生するので、無機の溶融塩の水和物の所望される組成(14)を連続的に維持するために、(70)において無機の溶融塩の水和物から連続的に水を除去し、その結果、回収された水のフロー(13)をもたらす必要がある。
無機の溶融塩の水和物の一部の再生は有用であり得、(80)において、無機の溶融塩の水和物の主なフロー(15)の画分から行われ、再生された無機の溶融塩の水和物(16)をもたらし、主な無機の溶融塩の水和物のリサイクル(2)に再びもどる。例えば、失われた塩及びリグニンの燃焼から回収された塩からの、無機の溶融塩の水和物の少量の補充(19)が必要であり得る。次に、所望される組成の無機の溶融塩の水和物(2)は、リグノセルロース物質(1)に連続的に添加され、完全に連続的な方法をもたらす。
本プロセススキームの変形が、本発明の範囲から離れることなく可能であることは当業者に明らかである。
本発明の方法の他の特許請求にかかる変形は、ショ糖を生産する特定のバイオマス、例えばサトウキビ又はサトウダイコンの加工である。この場合、ショ糖は最初にバイオマスから分離され、ヘミセルロースの除去の後バイオマスと合体されて、加水分解に付されることができる。ショ糖はグルコースとフルクトースに加水分解する。グルコース及びフルクトースは、さらに水素化されてソルビトールとマンニトールの混合物になる。ソルビトールとマンニトールの二重水素化はそれぞれイソソルバイド及びイソマンニド(ジアンヒドロマンニトール又は1,4:3,6−ジアンヒドロ−D−マンニトール)を与える。イソマンニドはイソソルバイドと同じ方法でさらに分離されることができる。
セルロース物質からイソソルバイドの改良された生産のメカニズムに本発明の請求項を制限することを希望することなく、セルロースの溶解及び完全な加水分解が、
(a)酸加水分解にアクセス可能な、溶解された物質をもたらす、水和された無機の溶融塩のイオンとヒドロキシル基との相互作用;
(b)ヒドロキシル基と強く相互作用し、C−O結合を弱め、分子内親核置換を許し、従ってソルビトール分子の第一及び第二の脱水(イソソルバイド)生成物への内部脱水を触媒する電子受容体である、水和された無機の溶融塩の媒体(追加の遷移金属の塩を含む);
(c)水素の存在は、かなりな極性及び電子を受容する能力を有する無機の溶融塩の水和物における+1に荷電されたカチオンの形成に有利であると考えられる;
(d)脱水は、添加された酸の不存在下で起き、従って分解及びタール化は有利ではない;(e)ソルビトール分子のコンフォメーションは、ヒドロキシルと無機の溶融塩の水和物のカチオンとの相互作用のために、ソルビトールにおける1,4及び3,6脱水の方が1,5又は2,5より有利である;
(f)無機の溶融塩の水和物の効果によるソルビトールの希釈もまたオリゴマー化生成物を不利にする;
のおかげで可能であると考える。
本発明の用途を説明するために、セルロース物質の連続的な、溶解、加水分解、水素化及び脱水を実行するための無機の溶融塩の水和物の媒体の使用、無機の溶融塩の水和物の効果を、以下に記載する実施例の結果及び図により説明する。
イソソルバイド又は類縁の脱水されたポリオールの増加された収率の性質及びメカニズムのさらなる解釈は本発明の新規性を変えない。本発明の新規性を以下の実施例により説明するが、該実施例は特許請求の範囲を制限すると考えるべきでない。
実施例1−無機の溶融塩の水和物がセルロースの溶解に及ぼす影響−他の溶媒におけるセルロースの安定性との比較
セルロース、即ち長い繊維、が種々の溶媒に混合されて、5重量%の含有量の混合物を形成し、光学顕微鏡で制御された加熱セルにただちに送られた。加熱工程の後、溶液は25℃〜130℃まで5℃/分で加熱され、この条件に、10分間保たれた。
表1は観察された結果を示す。
Figure 2011517552
セルロースを溶解することが知られている有機のイオン液体溶媒は、130℃において10分後であっても、同じ時間枠において物質に変化をもたらさなかった。他方、ZnClにおけるセルロースの溶解は速く完全である。実施例は溶解は短い時間枠において完全であったことを示す。
実施例2−セルロースの加水分解における種々の塩の濃度の効果
撹拌された反応器において、0.5gのセルロースが、種々の濃度の6.0gの塩の溶液に添加された。濃縮された塩酸が各溶液に添加され、0.4モルのHClをもたらした。加水分解時間は100℃の温度において30分であった。図2は、最大のグルコース収率に参照されたHPLCの結果を示す。50重量%未満の塩の濃度において、グルコースは生産されなかったことが見られることができる。塩の濃度を増加させることは、加水分解を増加させ、67重量%より上では、さらなる増加は小さかった。
説明により本発明の範囲を制限することを意図することなく、少なくとも65重量%の塩の濃度が、速く完全な溶解を確保するために必要であると考えられる。より高い塩の濃度において、追加利益は得られなかった。
実施例3−加水分解に及ぼす時間の影響
撹拌された容器において、100℃の温度で、70重量%のZnCl、0.4モルの塩酸濃度を有する6.0gの塩の溶液に0.5gのセルロースが添加された。反応は4つの異なる時間繰り返された。結果は図3に示される。本発明によりセルロースをグルコースに完全に加水分解することが可能であり、糖及び無機の溶融塩の水和物の溶液をもたらすことが見られることができる。HPLCで検出された糖のオリゴマーのピークも、90分において消失した。もっと長い時間では、おそらく分解生成物が少量、形成された。
実施例4−リグノセルロースのバイオマスの無機の溶融塩の媒体中での加水分解
ボールミル粉砕された松材の試料(0.5g)が70重量%のZnCl及び0.4モルの塩酸濃度を有する6.0gの塩の溶液と混合された。反応は30、60、及び90分間行われた。生成物は超遠心分離され、最上部に黒/紫の物質、リグニン、及び底に透明な塩/糖の完全な分離がされた。塩の溶液が10倍量の水に溶解されたとき、いくらかのセルロースが30分の生成物において沈殿し、60分及び90分の生成物では沈殿は起きなかった。30分のグルコースオリゴマーにおいて、グルコース及びC5及びより低い糖のピークがHPLCにおいて観察された。60分及び90分において、同じHPLCピーク領域が得られたが、30分におけるより高く、オリゴマーは見られなかった。これは完全な加水分解が起きたことを意味する。
結果は、本発明の方法の第一の加水分解工程において、現実のバイオマスからセルロース及びヘミセルロースの対応する単糖類の糖への完全な転化及び該糖からのリグニンの分離を得ることが可能であることを示す。
実施例5−加水分解に及ぼす酸含有量の効果
セルロース(0.5g)及び種々の塩酸含有量(ゼロ、0.2、0.4及び0.8モル)の70重量%のZnClの水和された無機の溶融塩の溶液6.0gが混合され、100℃において1時間、加水分解に付された。結果は図4に示される。
追加の酸なしでは、加水分解は行われず、溶解だけが起きたことが見られることができる。0.2モルのモル濃度だけでは不十分であるが、0.4超では、これらの条件において、完全な加水分解が起きる。
実施例6−本発明の水和された無機の溶融塩の媒体におけるグルコースの水素化に及ぼす酸含有量の効果
0.25gのRu/C触媒を有するグルコース(0.5g)及び種々の塩酸含有量(酸なし、0.2、0.4、及び0.8モル)の70重量%のZnClの水和された無機の溶融塩の溶液6.0gが混合され、50バールにおいて1時間、100℃において水素化に付された。結果は図4に示される。グルコースからソルビトールへの水素化を追加の酸が防止することが見られることができる。本発明に従って、本実施態様の水素化の工程の前に酸を除去することが好ましい。
実施例7−本発明の、糖のポリオールへの水素化工程に及ぼす水和された無機の溶融塩の濃度の効果
0.25gのRu/C触媒を有するグルコース糖(0.5g)及び種々のZnCl含有量及び塩酸なしの水和された無機の溶融塩の溶液6.0gが混合され、50バールにおいて1時間、100℃において水素化に付された。ソルビトールへの転化の結果は図5に示される。
ZnClなしでは、水素化はより速く、見かけ上30分内に完結する、なぜならこの時間より後には、反応器の圧力にさらなる変化がないからである。ZnClのさらなる添加は、反応を阻止するが、少ない濃度のZnCl(10重量%)は、より高い濃度の溶液(70重量%)と同じように反応を阻止する。
本発明に従って、より有効ではない方法ではあるが、水和された無機の溶融塩及びグルコースの混合物においてグルコースのソルビトールへの水素化を実行することが可能である(より高いLHSV−時間及び触媒で補われる必要がある)。
塩の効果を阻止する以外に、水素化の前に溶液を希釈すること又は塩を部分的に除去することに利益はない。
実施例8−水和された、無機の溶融塩におけるより高い温度における触媒的ソルビトールの水素化分解
0.25gのRu/C触媒を有するソルビトール(0.5g)が、水又は種々のZnClの濃度の水和された無機の溶融塩の溶液6.0gと220℃、50バール、及び1時間の反応時間において混合された。水で、水素化分解(異性化と分子量のより低いポリオールの生産)生成物へのかなりの転化が立証される。塩の濃度が増加するにつれて、水素化分解はひどく阻害され、70重量%のZnClの無機の溶融塩の媒体において、少量の2だけの生成物が残る:アンヒドログルシトール、1(ソルビタン)又は2(イソソルバイド)のより少ない水分子を有するソルビトールの脱水の生成物。結果は、水素化条件下において、水和された無機の溶融塩の媒体は水素化分解生成物を阻害し、脱水生成物の形成に有利に働くことを示す。
実施例9−水和された無機の溶融塩の媒体中におけるソルビトールの脱水の方法及び追加の塩の効果及び水素及び窒素雰囲気における水性媒体中の脱水との比較
ソルビトール(0.5g)がZnCl70重量%又は水6.0gと混合される。追加の塩としてCuClが2モルのソルビトールあたり1モルの量で添加された試験もある。反応温度は250℃、1時間の反応時間、H又はNの50バールの圧力であった。HPLCの結果は、ソルビトール、アンヒドロソルビトール(ソルビタン)及びイソソルバイド(1,4:3,6−ジアンヒドロソルビトール)に帰属される3つのピークだけを示した。
正規化されたHPLCの結果は表2に示される。
Figure 2011517552
水和された無機の溶融塩は、驚いたことにより高い程度にまで、窒素雰囲気の代わりに水素雰囲気でソルビトールの脱水を行うことができる。追加のCuCl塩の添加が脱水活性を増加させたことが見られることができる。最もよい結果は本発明の水素雰囲気においてZnClの水和された無機の溶融塩に溶解された追加の塩で得られた。
実施例10−種々の水和された無機の溶融塩の媒体及びいくつかの追加の塩におけるソルビトールの脱水の本発明の方法
ソルビトール(0.5g)が、種々の塩(ZnCl70重量%又はCaCl42.7重量%又はLiCl45.4重量%)6.0g及び追加の塩と、0.1のカチオン/ソルビトール比で混合された。反応圧力は50バールの水素雰囲気であり、230℃の温度、1時間であった。
各塩媒体及び追加の塩のソルビトール転化の結果は、表3に示される。
Figure 2011517552
CuCl及びNiClが最も活性な塩であることが見られることができる。ソルビトールの転化はZnClの水和された無機の溶融塩の媒体においてだけ、意味があった。CaCl及びLiClは先行技術においてセルロースの水和された無機の溶融塩の加水分解においてZnClより優れていると報告されているにも関わらず、CaCl及びLiClの水和された無機の溶融塩の媒体はソルビトールの転化に有効ではなかった。より簡単にRuOへ還元されることが知られている塩、例えばRuCl、は、高いソルビトール転化を示さず、従って、インシチューでのHClの形成は、本発明の脱水によるソルビトールの転化の主なメカニズムではない。
実施例11−無機の溶融塩の水和物における脱水に及ぼす時間の効果
ZnCl 70wt%(6.0g)の無機の溶融塩の水和物が0.5gのソルビトール及び2モルソルビトール当たり1モルのCuClの質量当量と混合された。反応温度は235℃であり圧力は50バールであった。いくつかの反応時間についての生成物の分析結果は、図6に示される。
図は以下の生成物の特徴を示し、ソルビトールは第一の脱水生成物(ソルビタン)に脱水され、続いてソルビタンのイソソルバイドへのさらなる脱水が行われる。第一の脱水の主生成物は1,4及び3,6アンヒドロソルビトールであり、2、5又は1,5アンヒドロ生成物ではなく、該生成物は、先行技術に従うとさらなる脱水は進行しない。
実施例12−無機の溶融塩の水和物における脱水に及ぼす追加の塩の含有量の効果
ZnCl70重量%の無機の溶融塩の水和物(6.0g)が0.5gのソルビトール及び種々の含有量のCuCl(ソルビトール1モル当たりゼロから1モルのCu)と混合された。反応時間は1時間、235℃の温度、及び50バールの圧力であった。結果は図7に示されている。
追加の塩の増加された含有量は、増加された脱水の活性をもたらすことが見られることができる。脱水の活性における主な利益は、フィードにおけるソルビトール1モル当たり0.5モルのCuで起きる。1時間の反応時間235℃においてソルビトールを転化して、おもにイソソルバイドを生産することが可能であった。

Claims (28)

  1. 多糖類をプラットフォーム化学物質に転化する方法において、
    a)多糖類を無機の溶融塩の水和物に溶解させる工程;
    b)該溶解された多糖類を単糖類に転化する工程;
    c)該単糖類を、該無機の溶融塩の水和物から容易に単離可能であるプラットフォーム化学物質に転化する工程;
    d)該プラットフォーム化学物質を該無機の溶融塩の水和物から分離する工程;
    を含む前記方法。
  2. 無機の可溶性の酸が工程b)の間に該無機の溶融塩の水和物に存在する、請求項1に記載の方法。
  3. 該無機の溶融塩における該無機の可溶性の酸の濃度が、0.1〜2.0モル濃度である、請求項2に記載の方法。
  4. 工程b)が50〜150℃の範囲の温度かつ0.2〜2時−1の範囲のLHSVで実行される、請求項1〜3のいずれか1項に記載の方法。
  5. 工程c)が、ポリオールを形成する水素化を含む、請求項1〜4のいずれか1項に記載の方法。
  6. 工程c)が、60〜160℃の範囲の温度、1.0〜20MPaの圧力及び0.05〜5時−1のLHSVで実行される、請求項5に記載の方法。
  7. 工程c)の間に、ポリオールの形成後に、温度が160〜320℃の範囲に上昇されて、ポリオールの脱水を行う、請求項5又は6に記載の方法。
  8. 工程d)において回収された無機の溶融塩が工程a)にリサイクルされる、請求項1〜7のいずれか1項に記載の方法。
  9. 該無機の溶融塩の水和物が、Zn、Ca、及びLiのハロゲン化物及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜8のいずれか1項に記載の方法。
  10. 該無機の溶融塩の水和物が40〜80重量%の塩含有量を有する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
  11. 無機の可溶性の酸の少なくとも50%が工程c)の前に除去される、請求項2又は3に記載の方法。
  12. 無機の可溶性の酸の少なくとも90%が工程c)の前に除去される、請求項11に記載の方法。
  13. 遷移金属の塩が、0.01〜5の遷移金属:ポリオールのモル比で該無機の溶融塩の溶液に存在する、請求項1〜12のいずれか1項に記載の方法。
  14. 該遷移金属の塩のアニオンがハライドである、請求項13に記載の方法。
  15. 遷移金属が、Cu、Ni、Co、Fe、V及びそれらの混合物からなる群から選択される、請求項13又は14に記載の方法。
  16. 遷移金属の塩がCuClである、請求項15に記載の方法。
  17. 遷移金属の塩がNiClである、請求項15に記載の方法。
  18. 水素化が水素化触媒の存在化で行われる、請求項5に記載の方法。
  19. 水素化触媒がRu/Cである、請求項18に記載の方法。
  20. 水素化触媒がRu、Rh、Pd及びPtのシリーズの貴金属又はCu、Cr、Co、Ni及びFeのシリーズの遷移金属から選択される、請求項18に記載の方法。
  21. 水素化触媒が、活性炭、酸化アルミニウム、ハイドロタルサイド、シリケート、チタネート、ジルコネート、及び他の金属酸化物、例えばSnO、Bi、Sb、MoO、WO、混合金属酸化物、例えばSiO−Al、SiO−TiO、Al−ZnO、SiO−ZrO、SiO−SnO、SiO−MoO、SiO−WO、金属塩例えばAlPO、FePO、Zn(PO、Mg(PO、Ti(PO、Zr(PO)及び塩基性酸化物、例えばMgO、BeO、La、CeO、Pr、Nd、SmO、ZrOから選択された担体を含む、請求項18に記載の方法。
  22. 工程d)が、工程c)の反応生成物を60℃より高い温度において炭化水素溶媒と接触させることを含む、請求項1〜21のいずれか1項に記載の方法。
  23. 工程d)が、工程d)の反応生成物を、窒素、空気及び水蒸気から選択されたガスでストリッピングすることを含む、請求項1〜22のいずれか1項に記載の方法。
  24. 工程d)が、工程c)の反応生成物の濃縮器なしでのフラッシング又は減圧蒸留を含む、請求項1〜23のいずれか1項に記載の方法。
  25. リグノセルロースバイオマス物質が、ヘミセルロースを含む、請求項1〜24のいずれか1項に記載の方法。
  26. セルロースがソルビトール及び/又はアンヒドロソルビトール及びジアンヒドロソルビトール(イソソルバイド)に転化される、請求項1〜25のいずれか1項に記載の方法。
  27. ヘミセルロースがキシリトール及び/又はアンヒドロキシリトールに転化される、請求項1〜26のいずれか1項に記載の方法。
  28. ショ糖が、イソソルバイド及びイソマンニドに転化される、請求項1〜27のいずれか1項に記載の方法。
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