JP2011506650A - ポリニトロン及び不飽和ポリマーを架橋するためのその使用 - Google Patents

ポリニトロン及び不飽和ポリマーを架橋するためのその使用 Download PDF

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Abstract

本発明は、(場合により、ニトロン末端ポリマーの形態の)多官能性ニトロン、並びに架橋及び艶消剤として、好ましくは安定な成形材料及び充填剤を作成するための架橋及び艶消剤としてのその使用、及び塗料、ラッカー及び接着剤中のその使用に関する。本発明は架橋温度が低いことを特徴とする。多官能性ニトロンを使用すると、不飽和ポリマーを低温で、好ましくは触媒を使用することなく硬化、固化または構造化することができる。塗装表面の光学的及び機械的特性は使用するニトロン末端ポリマーまたは低分子量多官能性ニトロンの量に従って大きく影響され得る。光学的特性には、特にラッカー系の光沢及び表面構造、例えば艶消し効果が含まれる。

Description

本発明は、ポリニトロン及び不飽和ポリエステルを架橋するためのその使用、並びに(a)ポリニトロン、(b)不飽和ポリマー、(c)場合により、充填剤及び(d)場合により、顔料を含む硬化性組成物、及び接着剤、ナイフコーティング充填剤、スプレー可能なハイビルド充填剤、粉末塗料及び/または溶液型塗料としてのその使用に関する。更に、本発明は、本発明の硬化性組成物を硬化することにより得られ得る架橋生成物に関する。最後に、本発明は、ポリニトロン末端ポリウレタン及び不飽和ポリエステルウレタンポリニトロン、並びにその製造方法に関する。
「ニトロン」は有機化学の分野で公知である。この用語は、典型的には、構造エレメント
Figure 2011506650
を含有する化合物を指す。ニトロンはアゾメチンオキシドとも称される。
当業界では、ニトロンの各種反応が立証されている。例えば、マレイン酸ジメチルまたはフマル酸ジメチルへの立体特異的付加が公知であった(Huisgenら,Chem.Ber.,102,736−745,1969)。ニトロン基とポリマーの相互作用に関して当業界では少し知られている。例えば、道波管として使用するためにニトロンをポリアクリレートの側鎖に付加することは米国特許出願公開第5,273,863号明細書に記載されていた。ニトロン基のUV感受性はUV照射下での材料の屈折率を大きく変化させた。米国特許出願公開第3,991,261号明細書から、単官能性ニトロン含有化合物を(メタ)アクリル酸エステル及び有機ヒドロペルオキシド開始剤を主成分とする接着剤及びシーラントの貯蔵寿命を高めるために使用することも公知である。ポリジエンを主成分とするゴムポリマーの官能化はニトロンの使用の別の例に相当し、欧州特許出願公開第1739098号明細書に開示されている。この場合、各種リチウム末端ゴムポリマー、例えばポリブタジエン、ポリイソプレン、ポリ(スチレン−ブタジエン)またはポリ(スチレン−イソプレン−ブタジエン)を単官能性ニトロンと反応させてヒドロキシルアミンを得、ゴムポリマーと充填剤(例えば、カーボンブラックまたはシリカゲル)のより良好な相互作用が生じた。これらから得られる材料(例えば、タイヤ)の特性が改善される。
不飽和基を有するポリマーは通常粉末塗料系に対して使用され得る。粉末塗料は従来の塗料系に比して環境上有利である。これらの粉末塗料系は溶媒なしで、よって放出物なしに適用される。「オーバースプレー」、換言すると塗装しようとする対象物上に付着していない塗料材料粒子は保持され、再利用される。よって、粉末塗料材料を実質的に100%使用することが可能である。
粉末塗料の重要な適用分野は家庭電化製品、例えば所謂白物である。白物は、例えば冷蔵庫、洗濯機、食洗機、フリーザー等を意味する。加えて、コンピューターハウジング、衛星アンテナ、ランプハウジング及び金属製家具もしばしば粉末塗装されている。更に、重要な適用分野はファサード素子(特に、アルミニウム製のもの)、車庫のドア、自動車の内外に設置するための部品及び機械ハウジングである。
一般的な従来の粉末塗料の製造方法を図1に示す。図1の記号は、1=秤量、2=混合、3=押出し、4=冷却、5=予備分別、6=粉砕、及び7=スクリーニングである。塗料用の固体ベース材料(例えば、結合剤、硬化剤、顔料、充填剤及び添加剤)を混合し、押出機において100から140℃で混練し、高粘性状態で分散して、均質材料を形成する。
実際に粉末塗料を塗装する前に、図1に従って製造した粉末塗料を典型的には空気を供給することにより流動化し、この流動状態でガンに運ぶ。ここで、粉末を高電圧により電極で充電させることにより帯電させる。こうして調整した粉末を懸垂している物品上に堆積させる。
粉末塗料技術の適用は、粉末塗料を用いる塗装操作には高い焼付け温度を伴うという事実により今まで制限されている。例えば、耐候安定性の熱硬化性粉末塗料は通常160℃を超える温度で架橋する。この温度では、耐熱性でない対象物(例えば、木材及び架橋生成物)または特殊な特性を有する金属合金を塗装することは今までできなかった。
UV粉末塗料技術は、粉末塗料をUV照射により低温で硬化させる技術である。この技術により、熱感受性製品の表面、例えば木製表面、中密度ファイバーボード(MDF)、プラスチック表面または紙を粉末塗装することができる。粉末を対象物上に堆積させた後、適用したパネルをオーブン(100から140℃)中で加熱した後、UVにより硬化させる。UV技術の場合、硬化反応は通常アクリル酸エステル誘導体のフリーラジカル重合である。この反応は、UV光により励起され、フリーラジカルを形成する光重合開始剤により開始する。
よって、フリーラジカルの光化学形成により、更なる重合が開始し、数秒以内に三次元網状構造が生ずる。結合剤として使用される原材料は典型的には多官能性アクリル酸エステル誘導体、エポキシ樹脂、ポリエーテル及びポリウレタン、または不飽和ポリエステルと多官能性ビニルエーテル架橋剤の組合せである。
UV硬化性粉末塗料は、塗装しようとする物品の応力付加が低いこと、硬化時間が比較的短いこと、光学的特性が良好であることを特徴とする。しかしながら、これらの特徴とは逆に、解決されていない問題がある。これらの問題には、特に被膜厚さを最小限とすること及び表面構造化が困難であることが含まれる。粉末塗料を使用する場所に応じて、多くの部門、例えば粉末コーティングの光沢を低下させる必要がある家具産業がある。放射線硬化性粉末塗料に影響を与える被膜の厚さが限られているために、従来の熱硬化性粉末塗料を通常例えば顔料、充填剤または固体添加剤を用いて構造化し、改質させる多くの技術を使用することができない。更に、UV硬化性粉末塗料の艶消しは困難である。1つの複雑なオプションは非晶質樹脂と結晶質樹脂の混合である。放射性硬化性コーティングを艶消しするための別の複雑な方法は米国特許第6,777,027号明細書に記載されており、ここにはフリーラジカル硬化性及びカチオン硬化性結合剤樹脂の組合せにより粉末コーティングを艶消しすることが記載されている。しかしながら、使用されている方法は高価であり、複雑な手順を伴っている。
米国特許出願公開第5,273,863号明細書 米国特許出願公開第3,991,261号明細書 欧州特許出願公開第1739098号明細書 米国特許第6,777,027号明細書
Huisgenら,Chem.Ber.,102,736−745,1969
本発明の目的は、既存の系の挙げられている欠点を持たない硬化性材料を見つけることであった。この材料は適度な温度で迅速に硬化し、各種の顔料及び充填剤を受容し、広い分野で産業の物理的及び化学的要件を満足するものである。硬化性材料により艶消し度を変化させることができる。
本発明の別の目的は、有利な硬化方法を提供することであった。
本発明の具体的な目的は、1成分系(以下、1Kシステムと呼ぶ)または2成分系(以下、2Kシステムと呼ぶ)の形態で存在する硬化性組成物を提供することであった。
これらの目的は、ポリニトロンと称されるものを使用することにより、より特にポリニトロンを不飽和ポリマーと一緒に使用することにより達成できた。
従って、本発明は、不飽和ポリマーを架橋するためのポリニトロンの使用を提供することである。
本発明は、更に、
(a)ポリニトロン、
(b)不飽和ポリマー
(c)場合により、充填剤、及び
(d)場合により、顔料
を含む硬化性組成物を提供する。
加えて、本発明は、
(i)本発明の硬化性組成物を用意するステップ、及び
(ii)前記組成物を硬化するステップ
を含む架橋生成物の製造方法を提供する。
また、本発明により、上記方法により得られ得る架橋生成物、及び好ましくは造船におけるガラス繊維強化ポリエステル部品を作製するためのその使用も提供される。
また、本発明は、特定ポリニトロンそのもの、より特にポリニトロン末端ポリウレタン、及びその製造方法を提供する。
最後に、本発明は、不飽和ポリエステルウレタンポリニトロン及びその製造方法を提供する。
図1は、従来の粉末塗料の製造方法を示す図である。 図2は、第1DSC加熱曲線は、架橋前のUP−2()が−47℃のT値を有していることを示す図である。 図3は、IRスペクトルが、DN−10()のC=N基に帰属し得る1600cm−1の吸収バンドの連続的減少を示す図である。 図4は、不飽和ポリエステルUP−2()のDN−10()を用いる架橋(実施例13)を示す図である。 図5は、ポリニトロンDN−10()が添加されていない塗装ガラス表面(左)及びポリニトロンDN−10()が添加されている塗装ガラス表面(右)の光学顕微鏡写真の図である。 図6は、調べたUP粉末塗料(P−UP,12)についての艶消しメカニズムを概略的に示す図である。
本発明の発明者らは、ポリニトロンが不飽和ポリマーを架橋するために有利に使用され得ることを予期せぬことに知見した。ここで、架橋は、ポリマー鎖間の共有またはイオン性結合の形成を意味する。架橋の結果、典型的には所謂「三次元構造」が形成される。
特に、ポリニトロンが不飽和ポリマーの機械的及び/または光学的特性を有利に改質するために使用され得ることが知見された。例えば、機械的特性は不飽和ポリマーを硬化させることにより有利に改質され得る。代わりにまたは加えて、光学的特性は艶消しにより有利に改質され得る。
本明細書中、用語「ポリニトロン」は多官能性ニトロンを指す。すなわち、用語「ポリニトロン」は2個以上のニトロン基を有する有機化合物を表す。使用されるポリニトロンは、好ましくは2から12個、より好ましくは2から5個、より特に3から4個のニトロン基を有している。
1つの好ましい実施形態では、本発明に従って使用されるポリニトロンは、一般式I:
Figure 2011506650
(式中、xは2から12、より好ましくは2、3または4の自然数であり;基R、RまたはRは通常所望の有機基であり、好ましくはRは場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せであり、好ましくはR及びRは相互に独立して水素、または場合により置換されている線状または分岐状アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基、アルコキシ基、シクロアルキル基またはその組合せである)
に従う化合物である。
より好ましくは、基R
Figure 2011506650
の1つ以上からなる。
より好ましくは、R及びRは水素またはC−Cアルキル基である。より特に、Rは水素原子である。より特に、Rはメチル基である。上に示した3つの構造式中、芳香族環は場合により1つ以上の位置で置換されていてもよい。
別の実施形態では、基Rはポリマーに結合され得る。好ましくは、ポリマーはポリウレタン、ポリエステル、不飽和ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、多糖またはその組合せから選択される。以下により詳細に記載されているように、1K系の場合のRはより特に不飽和ポリエステルウレタンに結合している。
上記ポリニトロンは不飽和ポリマーを架橋するために使用される。用語「不飽和ポリマー」は、典型的にはポリマー鎖中に1つ以上の不飽和炭素−炭素結合を有するポリマーを指す。
不飽和炭素−炭素結合の程度はDIN 53241により測定され得、単位“meq/g”で表示される。典型的には、不飽和ポリマーは0.1から50、好ましくは1から20meq/gである。
好ましくは、不飽和ポリマーはポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリスルホン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、セルロース、ゼラチン、デンプン及びその混合物から選択される。
不飽和ポリエステル、不飽和ポリエステルウレタン及び/またはポリエステルウレタンアクリレート、または例えば米国特許第6,284,321号明細書に記載されている種類のポリエステルウレタンメタクリレートを使用することが特に好ましい。
好ましく使用される不飽和ポリエステルの詳細をここに記載する。
通常考えられる不飽和ポリエステルは、α,β−エチレン性不飽和ジカルボン酸(例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、メサコン酸及びシトラコン酸)と場合により更に不飽和カルボン酸(例えば、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、フタル酸、テトラクロロフタル酸)のラジカルを含んでいてもよいポリアルコール(例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロパンジオール、ブタンジオール、ヘキサンジオール、トリメチロールプロパン及びペンタエリトリトール)、単官能性アルコール(例えば、ブタノール、テトラヒドロフリルアルコール及びエチレングリコールモノブチルエーテル)及び一塩基性酸(例えば、安息香酸、オレイン酸、アマニ油脂肪酸及びリシネン脂肪酸)の重縮合生成物である。
不飽和ポリエステルと共重合され得る適当なモノマー不飽和化合物の例には、ビニル化合物(例えば、スチレン、ビニルトルエン及びジビニルベンゼン)、ビニルエステル(例えば、酢酸ビニル)、不飽和カルボン酸及びその誘導体(例えば、メタクリル酸、メタクリル酸エステル及びメタクリロニトリル)及びアリルエステル(例えば、酢酸アリル、アクリル酸アリル、フタル酸ジアリル、リン酸トリアリル及びシアヌル酸トリアリル)が含まれる。
より特に、マレエート基及びフマレート基を含む不飽和ポリエステルが使用される。
不飽和ポリマーは、典型的には200から500,000g/モル、好ましくは1,000から200,000g/モル、より好ましくは10,000から100,000g/モルの分子量を有している。
上記したポリニトロンは硬化性組成物の関係で本発明に従って使用され得る。
従って、本発明は、
(a)ポリニトロン、
(b)不飽和ポリマー、
(c)場合により、充填剤、及び
(d)場合により、顔料
を含む硬化性組成物を提供する。
原則として、本発明の硬化性組成物に対して2つの異なる実施形態が考えられる。
第1実施形態では、本発明の硬化性組成物は2成分系である。これは、成分(a)及び(b)が2つの化合物の形態で存在していることを意味する。従って、成分(a)及び(b)は硬化開始前に共有結合していない別々の化合物である。
原則として、本発明の硬化組成物の上記第1実施形態に対して上記の好ましいポリニトロンについて挙げた説明が使用される。しかしながら、基Rがポリマー、特に不飽和ポリマーに結合していない一般式Iに従うポリニトロンを使用することが好ましい。
この第1実施形態に対しても、上記の好ましい不飽和ポリマーに関する説明が使用される。
本発明の硬化性組成物の上記第1実施形態では、ポリニトロン(a)は組成物の全重量に基づいて0.1から50重量%、より好ましくは1から20重量%、より特に5から15重量%の量で存在させる。
本発明の硬化性組成物の第2実施形態では、硬化性組成物は1成分系である。これは、成分(a)及び(b)がポリニトロン末端不飽和ポリマーの形態で存在していることを意味する。従って、成分(a)及び(b)は1つの化合物内で合体している。
原則として、本発明の硬化性組成物の上記第2実施形態に対して上記の好ましいポリニトロンについて挙げた説明が使用される。しかしながら、基Rが不飽和ポリマーに結合している一般式Iに従うポリニトロンを使用することが必要である。
本発明の硬化性組成物の第2実施形態では、合体した成分(a)及び(b)は好ましくは不飽和ポリエステルポリニトロン、より好ましくは不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンである。
いずれの実施形態でも、硬化性組成物中の(成分bに由来する)不飽和炭素−炭素結合に対する(成分aに由来する)ニトロン基の比は10:1から1:10、好ましくは5:1から1:5、より特に2:1から1:2であり得る。
本発明の硬化性組成物は、成分(a)及び(b)に加えて、場合により成分(c)充填剤及び(d)顔料を含み得る。組成物は更に1つ以上の(e)補助剤、例えば可塑剤及び安定化剤をも含み得る。最後に、硬化性組成物は更に(f)光重合開始剤を含み得る。成分(a)及び(b)は、本発明の組成物中に該組成物の全重量に基づいて典型的には30から100重量%、好ましくは40から99重量%、より好ましくは55から95重量%の量で存在させる。
考えられる充填剤(c)は原則として、例えばRompp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,Stuttgatt,New York,1988,“fillers”,p.250−252に記載されている種類のすべての有機及び無機充填剤である。
適当な充填剤の例は木粉、飽和有機または有機金属ポリマー、無機鉱物、塩、セラミック材料または有機改質したセラミック材料、或いはこれらの物質の混合物である。無機鉱物が好ましく使用される。これらは天然及び合成鉱物である。適当な鉱物の例は二酸化ケイ素、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムカルシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ケイ酸マグネシウムカルシウム、ケイ酸アルミニウムベリリウム、リン酸アルミニウムまたはリン酸カルシウム、或いはその混合物である。
充填剤(c)は、本発明の組成物中に該組成物の全重量に基づいて通常0から50重量%、好ましくは5から40重量%、より好ましくは10から30重量%の量で存在させる。
本発明の組成物は、更に場合により成分(d)として少なくとも1つの着色剤、好ましくは顔料を含み得る。着色剤は顔料または染料であり得る。使用可能な顔料の例は着色顔料または効果顔料である。
使用される効果顔料は金属フレーク顔料(例えば、市販のアルミニウムブロンズ、クロメート処理したアルミニウムブロンズ、市販のステンレス鋼ブロンズ)及び非金属効果顔料(例えば、真珠箔顔料、干渉顔料)であり得る。更なる詳細については、Rompp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1988,p.176,効果顔料;p.380−381,金属酸化物−マイカ顔料から金属顔料を参照されたい。
適当な無機着色顔料の例は二酸化チタン、酸化鉄及びカーボンブラック、より特にカーボンブラックである。適当な有機着色顔料の例はチオインジゴ顔料、インダントレンブルー、Cromophthalレッド、Irgazineオレンジ、Heliogenグリーン及び銅フタロシアンである。更なる詳細については、Rompp Lexikon Lacke und Druckfarben,Georg Thieme Verlag,1988,p.180−181,鉄−青色顔料から黒色酸化鉄;p.451−453,顔料から顔料容積濃度;p.563,チオインジゴ顔料;p.567,二酸化チタン顔料を参照されたい。
着色剤、好ましくは顔料(d)は、本発明の組成物中に該組成物の全重量に基づいて通常0から30重量%、好ましく1から20重量%、より好ましくは2から10重量%の量で存在させる。
本発明の組成物は更に少なくとも1つの補助剤(e)を含み得る。適当な補助剤の例は追加のオリゴマー及びポリマー結合剤、UV吸収剤、光安定化剤、フリーラジカルスカベンジャー、熱不安定性フリーラジカル開始剤、脱気剤、スリップ添加剤、重合抑制剤、消泡剤、乳化剤、湿潤剤、分散剤、接着促進剤、流量調節剤、フィルム形成助剤、難燃剤、腐食抑制剤、自由流動助剤、ワックス及び鞘消し剤である。
補助剤(e)は、本発明の組成物中に該組成物の全重量に基づいて通常0から20重量%、好ましくは0.1から10重量%、より好ましくは1から5重量%の量で存在させる。
1つの実施形態では、本発明の硬化性組成物が成分(b)中の不飽和炭素−炭素結合の架橋を触媒する触媒を含有していないことが好ましい。代替実施形態では、本発明の硬化性組成物は1つ以上の光重合開始剤(f)を含み得る。
適当な光重合開始剤の1例はIrgacure(登録商標)である。
光重合開始剤は、組成物の全重量に基づいて0から5重量%、好ましくは0.01から3重量%。より好ましくは0.4から2.0重量%の量で使用され得る。
ポリニトロン(a)を艶消し剤として機能させたいときには、光重合開始剤(f)をより特に使用する。
本発明の硬化性組成物は、好ましく接着剤、ナイフコーティング充填剤、スプレー可能なハイビルド充填剤、粉末塗料及び/または溶液型塗料として使用される。従って、本発明は、本発明の組成物を含む接着剤、ナイフコーティング充填剤、スプレー可能なハイビルド充填剤、粉末塗料及び/または溶液型塗料をも提供する。本発明の組成物が粉末塗料の形態であることが好ましい。
本発明の硬化性組成物を硬化により(すなわち、架橋により)加工すると、架橋生成物が形成され得る。硬化(すなわち、架橋)は硬化性組成物を適当に加熱することにより実施する。
従って、本発明は、
(i)本発明の硬化性組成物を用意するステップ、及び
(ii)前記組成物を20から180℃、好ましくは50から150℃、より特に60から120℃の温度で硬化するステップ
を含む架橋生成物の製造方法をも提供する。
また、本発明の方法により得られ得る架橋生成物も本発明により提供される。
硬化/架橋は、硬化性組成物の成分を混合し、加熱することにより実施され得る。一般的なミルにおいて不飽和ポリマー(b)及びポリニトロン(c)(或いは、1K系としての不飽和ポリニトロン末端ポリマー)を(適切ならば、成分(c)から(e)と一緒に)粉末まで粉砕し、混合し得る。或いは、混合するために、不飽和ポリマー及び多官能性ポリニトロン(場合により、成分(c)から(e)と一緒に)を溶解または分散させる溶液系を使用してもよい。
成分をまず均質混合物に変換し、溶媒を除去した後、所望温度まで加熱することにより硬化/架橋を実施する。
本発明の方法では、硬化時間は典型的には10秒から2時間、好ましくは20秒から60分間、より好ましくは30秒から15分間、より好ましくは1から10分間である。
本発明の架橋生成物は典型的には使用する不飽和ポリマーの種類に依存する。好ましくは、これらは弾性的に軟らかいから硬い架橋生成物である。水及び有機溶媒に対して不活性であることが好ましい。
本発明の架橋生成物はいろいろに使用され得る。例えば、歯科用材料、家庭電化製品、流し台、一般的な建築産業、浴槽及び洗面器である。好ましくは、本発明の架橋生成物はコーティングフィルムとして使用される。また、本発明の架橋性製品は(好ましくはガラス繊維強化)ポリエステル部品として、より特に造船において使用される。
本発明の使用、本発明の硬化性組成物及び本発明の架橋生成物に加えて、特に適したポリニトロンそのものも本発明により提供される。
従って、本発明は、テレフタルアルデヒド−ビス(N−フェニルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−フェニルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−メチルニトロン)、テレフタルアルデヒド−ビス(N−メチルニトロン)、テレフタルアルデヒド−ビス(N−ブチルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−シクロデシルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−シクロヘキシルニトロン)、4,4’−デカンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−ヘキサンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−ブタンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−エタンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)及びポリニトロン末端ポリウレタンから選択されるポリニトロンをも提供する。
「ポリニトロン末端ポリウレタン」は、通常2個以上のウレタン基及び2個以上のニトロン基を含む化合物を意味する。
1つの好ましい実施形態では、これは、一般式II:
Figure 2011506650
(式中、xは2から12の自然数であり、RからRは有機基である)
に従うポリニトロン末端ポリウレタンである。
好ましくは、xは2から5、より好ましくは3または4の自然数である。好ましくは、R及びRは相互に独立して場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せである。好ましくは、R、R及びRは水素原子またはC−Cアルキル基である。より特に、R及びRは水素原子であり、Rはメチル基である。
より特に、一般式III:
Figure 2011506650
(式中、xは2から20の自然数であり、RからRは有機基である)
に従うポリニトロン末端ポリウレタンが本発明により提供される。
好ましくは、xは2から5、より好ましくは3または4の自然数である。好ましくは、R及びRは相互に独立して場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せである。好ましくは、R、R、R及びRは水素原子またはC−Cアルキル基である。より特に、R、R及びRは水素原子であり、Rはメチル基である。好ましくは、Rはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である。
より特に、一般式IV:
Figure 2011506650
(式中、RからR及びR1’からR5’は有機基である)
に従うポリニトロン末端ポリウレタンが本発明により更に提供される。
好ましくは、R及びR1’は場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレンまたはその組合せである。好ましくは、R、R3’、R、R4’、R及びR5’は水素原子またはC−Cアルキル基である。より特に、R、R3’、R及びR4’は水素原子であり、R及びR5’はメチル基である。好ましくは、Rはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である。
一般式II、III及び/またはIVを有する化合物の例は、
Figure 2011506650
(式中、Rは有機基、好ましくはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である)、及び
Figure 2011506650
である。
本発明は、更に、
(i)(場合により、多官能性出発分子の存在下で)ポリイソシアネートとヒドロキシアルデヒド化合物を好ましくはすべてのイソシアネート基が反応するように選択した反応比で反応させることによりウレタンポリアルデヒドを製造するステップ、及び
(ii)前記ウレタンポリアルデヒドをN−アルキルヒドロキシルアミン、好ましくはN−メチルヒドロキシルアミンと反応させるステップ、或いは
(i)ヒドロキシアルデヒド化合物をN−アルキルヒドロキシルアミン、好ましくはN−メチルヒドロキシルアミンと反応させて、ヒドロキシニトロン化合物を得るステップ、及び
(ii)ステップ(i)から得たヒドロキシニトロン化合物とポリイソシアネートを好ましくはすべてのイソシアネート基が反応するように選択した反応比で反応させるステップ
を含む本発明のポリニトロン末端ポリウレタンの製造方法を提供する。
適当なポリイソシアネートは、通常従来技術から公知の脂肪族、脂環式及び芳香族イソシアネートである。例えば、2,2’−、2,4’−及び/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、1,5−ナフタレンジイソシアネート(NDI)、2,4−及び/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニルメタンジイソシアネート、3,3’−ジメチルジフェニルジイソシアネート、1,2−ジフェニルエタンジイソシアネート及び/またはフェニレンジイソシアネート、トリ−、テトラ−、ペンタ−、ヘキサ−、ヘプタ−及び/またはオクタメチレンジイソシアネート、2−メチルペンタメチレン1,5−イソシアネート、2−エチルブチレン1,4−ジイソシアネート、ペンタメチレン1,5−ジイソシアネート、ブチレン1,4−ジイソシアネート、1−イソシアナト−3,3,5−トリメチル−5−イソシアナトメチルシクロヘキサン(イソホロンジイソシアネート,IPDI)、1,4−及び/または1,3−ビス(イソシアナトメチル)シクロヘキサン(HXDI)、1,4−シクロヘキサンジイソシアネート、1−メチル−2,4−及び/または−2,6−シクロヘキサンジイソシアネート及び/または4,4’−、2,4’−及び2,2’−ジシクロヘキシルメタンジイソシアネートである。2,2’−、2,4’−及び/または4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート(MDI)、2,4−及び/または2,6−トリレンジイソシアネート(TDI)、ヘキサメチレンジイソシアネート及び/またはIPDが好ましい。特に、IPDIが使用される。
適当なヒドロキシアルデヒド化合物は、原則としてヒドロキシ官能基及びアルデヒド官能基の両方を有する化合物である。アルキル基が1から12個の炭素原子を含む4−ヒドロキシ−アルキルオキシ−3,5−ジメチルオキシベンズアルデヒドを使用することが好ましい。その例はメチル、エチル、プロピルまたはヘキシルである。より特に、4−ヒドロキシエチルオキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(以下、HEBAと称する)を使用する。従って、HEBAも本発明により提供される。
適当なヒドロキシニトロン化合物は、原則としてヒドロキシ官能基及びニトロン官能基の両方を有する化合物である。下記化合物(以下、HEBNと称する)を使用することが好ましい。従って、HEBNも本発明により提供される。
Figure 2011506650
本発明のポリニトロン末端ポリウレタンの製造方法は、以下の反応ダイアグラムに示す2つの代替法を含む。
Figure 2011506650
上記反応スキームにおいて、Rは有機基であり、好ましくはRはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基であり、生じるイソシアネートは好ましくはMDI、TDIまたはIPDIである。
本発明のポリニトロン末端ポリウレタンの製造方法はウレタンポリアルデヒドを用いる。これは、2個以上のウレタン基及び2個以上のアルデヒド基を有する化合物を意味する。
よって、本発明は、一般式V:
Figure 2011506650
(式中、xは2から12の自然数であり、RからRは有機基である)
を有するウレタンポリアルデヒドも提供する。
好ましくは、xは2から5、より好ましくは3または4の自然数である。好ましくは、R及びRは場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せである。好ましくは、R及びRは水素原子またはC−Cアルキル基である。好ましくは、Rはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である。
本発明は、更に、一般式VI:
Figure 2011506650
(式中、RからR及びR1’からR4’は有機基である。)
を有するウレタンポリアルデヒドを提供する。
好ましくは、R及びR1’は場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せである。好ましくは、R、R3’、R及びR4’は水素原子またはC−Cアルキル基、より特に水素原子である。好ましくは、Rはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である。
好ましく使用されるウレタンポリアルデヒドの例は、以下の化合物
Figure 2011506650
(式中、Rは有機基、好ましくはジフェニルメタン基、トリレン基またはイソホロン基である)、及び
Figure 2011506650
である。
化合物は三官能性ウレタンアルデヒドである。3個以上の官能基を有するウレタンアルデヒドは、3個以上の官能基を有する出発分子をヒドロキシアルデヒド及びポリイソシアネートと反応させることにより得られ得る。適当な出発分子の例はグリセロール、トリメチロールプロパン及びペンタエリトリトールである。
最後に、本発明は、
(i)不飽和ポリエステルをヒドロキシ−アルデヒド化合物と反応させるステップ、
(ii)ポリイソシアネートと反応させるステップ、次いで
(iii)ステップ(ii)で生じた不飽和ポリエステルウレタンアルデヒドをN−アルキルヒドロキシルアミン、好ましくはN−メチルヒドロキシルアミンと反応させるステップ
を含む不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンの製造方法を提供する。
用語「不飽和ポリエステルウレタンポリニトロン」は、ポリマー鎖中に少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を有し、少なくとも2個のウレタン基及びニトロン基を有するポリエステルを指す。
用語「不飽和ポリエステル」、「ヒドロキシアルデヒド化合物」及び「ポリイソシアネート」に関して、好ましい実施形態に関連して上記した説明が参照される。
また、本発明の方法により得られ得る不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンも本発明により提供される。
要するに、新規架橋方法の結果として(すなわち、本発明のポリニトロンの使用により)、不飽和ポリマー、好ましくは不飽和ポリエステル樹脂は低温でも硬化され得ることが言及され得る。こうすると、通常健康によくない金属触媒を使用せずに、環境上有害な排出物を形成することもなく、機械的に安定なポリマー網状構造が生ずる。架橋は迅速であり、熱的及び機械的に安定な生成物を与える。
本発明に従って製造される架橋生成物は、比較的に低い製造コストで非常にいろいろな用途にとって重要である。これらの生成物は、優れた湿潤能力を有しているので取り扱いが容易で、単独でも、所望により比較的少量の他のポリマーと一緒に使用することができ、多数の充填剤を用いて加工することができる。
本発明の不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンは、1つのポリマー構造中に不飽和官能基だけでなくニトロン基をも含む有利な硬化性1成分系であり、好ましくは追加の架橋剤または触媒を使用しなくとも熱的に自己架橋され得る。
本発明を下記実施例によりより詳細に説明する。
実施例1
テレフタルアルデヒド−ビス(ニトロン)(DN−0,)の合成:
Figure 2011506650
テレフタルアルデヒド(2.95g,0.022モル)及びN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.67g,0.044モル)を水(5ml)中に溶解させた混合物をNaOH(30mlのエタノール中1.76g,0.044モル)に添加し、混合物を室温(RT)で12時間攪拌する。沈殿した生成物を濾過により単離し、水で洗浄した後、DMFから再結晶する。融点:240℃。
実施例2
1,10−ジ(4−ホルミルフェノキシ)デカン(DA−10,)の合成:
Figure 2011506650
p−ヒドロキシベンズアルデヒド(24.4g,0.2モル)、1,10−ジブロモデカン(30g,0.1モル)及びKOH(85%)(11.2g,0.2モル)をDMF(200ml)中で30分間還流加熱する。次いで、溶液を室温まで冷却し、水/氷に注ぐ。生じた固体を吸引濾過により単離する。精製するために、まだ湿っている生成物をエタノール/水から再結晶し、70から80℃で乾燥する。
実施例3
4,4’−デカンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)(DN−10,)の合成:
Figure 2011506650
テレフタルアルデヒド(6.7g,0.022モル)及びN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(3.67g,0.044モル)を水(5ml)中に溶解させた混合物をNaOH溶液(30mlのエタノール中1.76g,0.044モル)に添加し、混合物を室温で12時間混合する。沈殿した生成物を濾過により単離し、水で洗浄した後、DMFから再結晶する。融点:134℃。
実施例4
4−ヒドロキシエチルオキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(HEBA,)の合成:
Figure 2011506650
4−ヒドロキシ−3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(4.99g,27.4モル)、2−ヨードエタノール(9.43g,54.8モル)及び炭酸カリウム(7.56g,27.4モル)をDMF(50ml)中に添加し、窒素流下80℃で攪拌しながら24時間放置する。室温まで冷却した後、水(約200ml)を溶液に添加し、この溶液を10% HClで酸性化した後、クロロホルムで抽出する。硫酸マグネシウムで乾燥した後、溶媒を蒸留により除去し、固体を単離する。更に精製するために、固体をフラッシュカラムクロマトグラフィー(酢酸エチル:n−ヘキサン(1:1))により精製する。
実施例5
ウレタンアルデヒド(UA−1,)の合成:
Figure 2011506650
トリメチロールプロパン(TMP)(1.61g,0.012モル)、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(4.44g,0.02モル)及びHEBA()(2.53g,0.02モル)の混合物を酢酸エチル(20ml)中に導入し、ラウリン酸ジブチルスズ(DBTL)(1から2滴)を添加する。その後、反応混合物を窒素流下で65℃に加熱する。反応混合物を室温まで冷却する。このとき、反応溶液から採取したサンプルは約2200cm−1にイソシアネートバンドを示さない。ウレタンアルデヒド(UA−1,)を単離するために、反応溶液をn−ヘキサン(約30ml)と混合し、ウレタンアルデヒド()が沈殿する。溶媒を除去した後、得られた粘性のポリマー塊を更に精製ステップにかけることなく次ステップ(実施例6を参照されたい)において反応させる。
実施例6
ウレタンニトロン(UA−1,)の合成例:
Figure 2011506650
実施例5で単離したウレタンアルデヒド()を2N NaOH溶液(エタノール中)(25ml)中に懸濁する。次いで、懸濁液を水(5ml)中に溶解させたN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(2.24g,25.9ミリモル)と混合し、室温で12時間放置する。沈殿した生成物を濾過により単離し、水で洗浄し、乾燥キャビネット中真空下40℃で乾燥する。
IR(ダイアモンド)3311(−NH−),2948(C−H),1695(O−CO−NH),1576(C=N),1152(N−O)。Maldi−TOF:1564,1700,1860,2020,2141(m/z)。
実施例7
市販されている不飽和ポリエステルUP−1(7)の特性評価:
UP−1(7)はテレフタレート/フマレート/ネオペンチルグリコール成分を含むDSM社から市販されている市販品(Uracross P 3125)である。
酸価:<5mg KOH/g、
粘度:30から50Pas、
ガラス転移温度:45℃。
実施例8
不飽和ポリエステルUP−2()の合成:
無水マレイン酸(MA)(1.96g,0.02モル)、ヘキサンジオール(Hex)(2.36g,0.02モル)、0.1重量%のトルエンスルホン酸水和物及び1重量%のBHT安定化剤をマイクロ波(CEM)において300Wのマイクロ波パワーで200℃で30分間還流加熱する。低分子量出発成分を一掃するために、反応生成物をアセトン中に溶解した後、石油エーテル(60/80)を添加することにより沈殿させる。溶媒をデカントにより除去した後、不飽和ポリエステルを真空下で乾燥する。
酸価:74.06mg KOH/g、
GPC:Mn=750,Mw=1500,PD=2、
ガラス転移温度Tg:−47℃(DSC)。
実施例9
ヒドロキシ末端不飽和ポリエステル(UP−3,)の製造:
ジエチレングリコール(32.8g,0.42モル)、テレフタル酸(38.2g,0.23モル)及びp−トルエンスルホン酸一水和物(0.05g,26.3ミリモル)の混合物を水分離装置を備えたフラスコ中で激しく攪拌しながら190から200℃で加熱した。テレフタル酸が完全に溶解したら、混合物を160℃まで冷却し、BHT安定化剤(0.05g)及び無水マレイン酸(11.8g,0.2モル)を添加した。混合物を再び180から190℃にゆっくり加熱し、測定した酸価が約20mg KOH/gとなるまで攪拌しながら維持した。更に真空下180から190℃で1時間加熱し、次いで室温まで冷却すると、以下の特性を有する透明な不飽和ポリエステルが得られた。
酸価:16.2mg KOH/g、
Tg:38℃(DSC)。
実施例10
不飽和ポリエステル−ウレタンアルデヒド(UP−UA−2,10)の製造:
実施例9で製造した不飽和ポリエステル(UP−3,)(51g,0.017モル)及び4−(2−ヒドロキシエチルオキシ)ベンズアルデヒド(10.86g,0.05モル)を120℃に加熱した。攪拌しながら、ラウリン酸ジブチルスズ(2から3滴)を添加した後、イソホロンジイソシアネート(IPDI)(18g)を120℃でゆっくり1滴ずつ添加した。採取したサンプルが0.1重量%未満のNCO含量を示すまで混合物を120℃で更に攪拌した。
実施例11
不飽和ポリエステル−ウレタンニトロン(UP−UN−1,11)の製造:
実施例10で細かく粉砕したUP−UA−1(10)(10g)をエタノール(30ml)中に分散し、この分散液をNaOH(0.30g,7.5ミリモル)及びN−メチルヒドロキシルアミン塩酸塩(0.62g,7.5ミリモル)を水(10ml)中に含む溶液とゆっくり一滴ずつ混合し、室温で一晩攪拌しながら放置した。沈殿した固体を濾過し、水で洗浄し、真空下で乾燥した。
生じた不飽和ポリエステルウレタンニトロンは1Kであり、実施例15において架橋する。
実施例12
不飽和ポリエステルUP−1()のポリニトロンDN−0()を用いる架橋:
UP−1()(DSM,Uracross P 3125)(9g)及びDN−0()(1g)をハンドミルにおいて微粉まで粉砕した後、角形テフロン(登録商標)モールド中の2つの金属プレート間に置いた。120℃のオーブンで1時間保存すると、非常に硬い白色の不透明成形コンパウンドが得られた。得られた成形コンパウンドはクロロホルム、THF及びアセトンに対して耐溶媒性である。
実施例13
UP−2()のDN−0()を用いる架橋:
UP−2()(0.92g)及びDN−0()(0.08g)を混合して分散液を形成した後、予備成形したテフロン(登録商標)モールドにおいて80℃で5時間保持した。テフロン(登録商標)モールドから弾性フイルムを外した。このフイルムは耐溶媒性であった。
実施例14
UP−2()のDN−10()を用いる架橋:
UP−2()(0.9g)及びDN−10()(0.1g)を混合して分散液を形成した後、予備成形したテフロン(登録商標)モールドにおいて80℃で5時間保持した。テフロン(登録商標)モールドから弾性フイルムを外した。このフイルムは耐溶媒性であった。
実施例15
UP−UN−1(11)の自己架橋:
実施例11で製造した不飽和ポリエステルウレタンニトロンUP−UN−1(11)(5g)をハンドミルにおいて微粉まで粉砕した後、角形テフロン(登録商標)モールド中の2つの金属プレート間に置いた。120℃で2時間保存すると、透明な耐溶媒性成形コンパウンドが得られた。
結果の検討:
UP−2(,90重量%)及びDN−10(,10重量%)の混合物(実施例13)の架橋を−60から200℃で10℃/分の加熱速度でDSC測定装置を用いてモニターした。得られたDSC曲線を図2に示す。
A:溶解プロセス、
B:T=−34℃(架橋)、
C:T=−47℃(非架橋)、
D:発熱架橋。
図2の第1DSC加熱曲線は、架橋前のUP−2()が−47℃のT値を有していることを示している。約80℃でのホモジナイズプロセスの直後に混合物の架橋が起こり、第1加熱曲線中発熱ピークを経て容易に沈殿する。第2加熱曲線は、架橋プロセスが完了まで進行したために発熱ピークを示さず、架橋による制限された鎖移動性の結果として第1加熱曲線と比較して約13℃高いTg値(−34℃)を示している。
上記DSC研究を裏付けるために、UP−2()へのDN−10()の付加環化のカイネティックもIR分光分析法を用いてモニターした。図3に示すIRスペクトルは、DN−10()のC=N基に帰属し得る1600cm−1の吸収バンドの連続的減少を示している。
IRスペクトルは架橋反応の迅速進行を明らかに示している。図4には、不飽和ポリエステルUP−2()のDN−10()を用いる架橋(実施例13)を示した。
結果は以下のように要約され得る。
本発明の架橋方法により、環境的にやさしい変法に従って新規材料を開発するための新しい可能性が提供される。例えば不飽和ポリエステル及び多官能性ニトロン(=ポリニトロン)の組合せは新規製品を開発するために以下の部門で利用され得る:
・新規接着剤(例えば、ホットメルト接着剤)の開発;
・家具部門において。迅速な硬化及び実質的に100%の固体の結果として、非常に厚いフィルムを1つの操作で適用することができる;
・急速に硬化し、容易に研磨可能なナイフコーティング研磨剤の作製(自動車再生、木材加工及び金属加工産業);
・スプレー可能なハイビルド研磨剤の作製(自動車再生、木材加工及び金属加工産業);
・例えば造船でのガラス繊維強化ポリエステル部品(GRPポリエステル)の作製;
・熱硬化性塗料、特に耐候性塗料の開発;
・自己硬化性粉末塗料、例えばニトロン末端ウレタン−不飽和ポリエステルの開発。
上記した分野に加えて、本発明は硬化性粉末塗料を艶消しするための最適解決法を提供する。これは、本発明のポリニトロンの艶消し剤としての使用に関する。予期せぬことに、硬化性粉末塗料、特にUV硬化性粉末塗料はポリニトロンの添加の結果として非常に良好な艶消し特性を発揮することを知見した。
UP粉末塗料(P−UP,)に対して各種ポリニトロンを低レベルで添加すると、UV硬化後、良好な表面プロフィールに加えて表面の光沢が大きく低下した表面が得られた。
ポリニトロンの艶消し剤としての使用を下記実施例により更に例示的に調べる。
比較例16
UP粉末塗料(P−UP,12)の作成:
Figure 2011506650
表にリストされている組成の混合物を図1に記載されている手順に従って加工して、粉末塗料P−UP(12)を得る。
比較例17
ポリニトロンが添加されていないP−UP(12)粉末塗料:
粉末塗料P−UP(12)を各種表面(ガラス、PETフィルム、リン酸塩処理鋼)に適用する。140℃のオーブンにおいて15分間加熱した後、UV硬化させると、適用した表面のすべてが非常に高い光沢を示す(60°光沢:>90%)。
実施例18
ポリニトロンDN−10()が添加されているP−UP(12)粉末塗料:
完成した粉末塗料P−UP(12)を乾燥形態の約40から50μmの平均粒度を有している微細なポリニトロンDN−10()と混合した。物理的にホモジナイズした後、材料を各種表面(ガラス、PETフィルム、リン酸塩処理鋼)に適用した。こうして適用したパネルを140℃のオーブンにおいて15分間加熱した後、UV照射して硬化させる。この場合、ポリニトロンの重量割合は粉末塗料の全量の1から5%である。適用した表面のすべてが光沢の急激な低下を示す(60°光沢:<50%)。
艶消し方法の検討:
UP粉末塗料(P−UP,12)にポリニトロン(DN−10,)を低レベルで添加すると、UV硬化後、良好な表面プロフィールだけでなく表面の光沢が大きく低下した表面が得られた。図5は、ポリニトロンDN−10()が添加されているまたは添加されていない粉末塗料を塗装したガラス表面を示す。図5は、ポリニトロンDN−10()が添加されていない塗装ガラス表面(左)及びポリニトロンDN−10()が添加されている塗装ガラス表面(右)の光学顕微鏡写真である。
ここでは、まず結合剤の二重結合にポリニトロンを低温(50から140℃)で付加環化することにより粉末塗料を予め固定または構造化した後、UV照射により架橋させる「二重硬化」として公知の原理を利用している。局所的に生じたミクロ構造により、粗い表面プロフィールが生じ、その結果表面で拡散光が反射するために表面の光沢が大きく低下する。図6には、調べたUP粉末塗料(P−UP,12)についての艶消しメカニズムが概略的に示されており、その組成は比較例16の表に示されている。
従って、本発明は、ポリニトロンの艶消し剤とての使用をも提供する。記載されているウレタンポリニトロン粉末塗料と同様に、以下の系:
・アクリレート/メタクリレート官能化ポリエステル;
・アクリレート/メタクリレート官能化不飽和ポリエステル;
・例えば米国特許006284321号明細書に記載されている不飽和ポリエステルウレタン(メタ)アクリレート;
をベースとする粉末塗料系もポリニトロンを添加することにより艶消しされ得る。
好ましくは、記載されている粉末塗料のすべてを図1に示す手順に従って製造し、次いで対応する量のポリニトロンと混合し、物理的にホモジナイズし、その後各種表面に適用する。
要するに、本発明は、ポリニトロンを使用することにより工業的に重要な樹脂(例えば、不飽和ポリエステル及び(メタ)アクリレート)を低温で硬化及び/または構造化し得る新規な(環境的に適合し得る)架橋方法に関することが明言され得る。本発明は、特に従来方法から環境的にやさしいコーティング方法に切り替える際のコーティング製造業者の問題を解決する。

Claims (19)

  1. ポリニトロンの不飽和ポリマーを架橋するための使用。
  2. 架橋すると、ポリマーの機械的及び/または光学的特性が変化し、より特にポリマーが硬化及び/または艶消される請求項1に記載の使用。
  3. ポリニトロンは一般式I:
    Figure 2011506650
    (式中、xは2から12の自然数であり;Rは場合により置換されている線状、環状または分岐状アルキレン基、アルキレンオキシ基、アリーレン基、アリーレンオキシ基、ナフタレン基またはその組合せであり;R及びRは相互に独立して水素、または場合により置換されている線状または分岐状アルキル基、アリール基、ヘテロアリール基、アルキルアリール基、アルコキシ基及び/またはシクロアルキル基である)
    に従う化合物である請求項1または2に記載の使用。
  4. 式I中基Rはポリマーに結合している請求項3に記載の使用。
  5. 不飽和ポリマーはポリマー鎖中に少なくとも1つの不飽和炭素−炭素結合を有し、好ましくはポリオレフィン、ポリスチレン、ポリビニルアルコール、ポリ酢酸ビニル、ポリアルキレングリコール、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリアセタール、ポリウレタン、ポリウレア、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリケトン、ポリスルホン、フェノール−ホルムアルデヒド樹脂、ポリエステル、ポリエステルアクリレート、ポリウレタンアクリレート、セルロース、ゼラチン、デンプン及びその混合物から選択される請求項1から4のいずれかに記載の使用。
  6. (a)ポリニトロン、
    (b)不飽和ポリマー、
    (c)場合により、充填剤、及び
    (d)場合により、顔料
    を含む硬化性組成物。
  7. 成分(a)及び(b)が2成分の形態で存在している2成分系である請求項6に記載の組成物。
  8. 成分(a)及び(b)がポリニトロン末端不飽和ポリマーの形態で存在している1成分系である請求項6に記載の組成物。
  9. ポリニトロン末端不飽和ポリマーは不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンである請求項8に記載の組成物。
  10. ポリニトロン(a)は組成物の全重量に基づいて1から20重量%の量で存在している請求項6から7のいずれか一項に記載の組成物。
  11. 請求項6から10のいずれかに記載の組成物の接着剤、ナイフコーティング充填剤、スプレー可能なハイビルド充填剤、粉末塗料及び/または溶液型塗料としての使用。
  12. (i)請求項6から10のいずれかに記載の硬化性組成物を用意するステップ、
    (ii)前記組成物を20から180℃、好ましくは50から150℃の温度で硬化させるステップ
    を含む架橋生成物の製造方法。
  13. 請求項12に記載の方法により得られ得る架橋生成物。
  14. 歯科材料、家庭電化製品、流し台、浴槽、洗面器、及び好ましくは造船におけるガラス繊維強化ポリエステル部品を作製するための請求項13に記載の架橋製品の使用。
  15. テレフタルアルデヒド−ビス(N−フェニルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−フェニルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−メチルニトロン)、テレフタルアルデヒド−ビス(N−ブチルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−シクロデシルニトロン)、イソフタルアルデヒド−ビス(N−シクロヘキシルニトロン)、4,4’−デカンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−ヘキサンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−ブタンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)、4,4’−エタンジイルジオキシジ(N−メチル−p−フェニレンニトロン)及びポリニトロン末端ポリウレタンから選択されるポリニトロン。
  16. ポリニトロン末端ポリウレタンは一般式II:
    Figure 2011506650
    (式中、xは2から12の自然数であり;RからRは有機基であり、R、R及びRは好ましくは水素原子またはC−Cアルキル基である)
    に従う請求項15に記載のポリニトロン。
  17. (i)ポリイソシアネートをヒドロキシアルデヒド化合物と反応させることによりウレタンポリアルデヒドを製造するステップ、及び
    (ii)ウレタンポリアルデヒドをN−アルキルヒドロキシルアミンと反応させるステップ
    を含む、或いは
    (i)ヒドロキシアルデヒド化合物をN−アルキルヒドロキシルアミンと反応させるステップ、及び
    (ii)ステップ(i)で生じた反応生成物をポリイソシアネートと反応させるステップ
    を含むポリニトロン末端ポリウレタンの製造方法。
  18. (i)不飽和エステルをヒドロキシアルデヒド化合物と反応させるステップ、
    (ii)ポリイソシアネートと反応させるステップ、及び
    (iii)次いで、ステップ(ii)で生じた不飽和ポリエステルウレタンアルデヒドをN−アルキルヒドロキシルアミンと反応させるステップ
    を含む不飽和ポリエステルウレタンポリニトロンの製造方法。
  19. 請求項18に記載の方法により得られ得る不飽和ポリエステルウレタンポリニトロン。
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