JP2001294806A - 低温硬化性粉体塗料組成物 - Google Patents

低温硬化性粉体塗料組成物

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JP2001294806A
JP2001294806A JP2000114990A JP2000114990A JP2001294806A JP 2001294806 A JP2001294806 A JP 2001294806A JP 2000114990 A JP2000114990 A JP 2000114990A JP 2000114990 A JP2000114990 A JP 2000114990A JP 2001294806 A JP2001294806 A JP 2001294806A
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powder coating
particles
coating composition
resin
coating film
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JP2000114990A
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Sukehisa Asami
祐寿 浅見
Makoto Suzuki
鈴木  誠
Hiroshi Miwa
宏 三輪
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Nippon Paint Co Ltd
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Nippon Paint Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】搬送性およびブロッキング性が良好で、低温焼
付条件で硬化することのできる粉体塗料組成物を提供す
ること。 【解決手段】3級のイソシアネート基を1分子中に2個
以上有するイソシアネート化合物のブロック体と、水酸
基価が20〜50である水酸基含有樹脂とを含む塗膜形
成用樹脂組成物からなる第1粒子と、体積平均粒子径が
0.005〜0.5μmである第2粒子とを含有する粉
体塗料組成物。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、低温硬化性に優
れ、搬送性およびブロッキング性がよく、高外観の塗膜
を提供する粉体塗料組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】粉体塗料としては、エポキシ樹脂、アク
リル樹脂およびポリエステル樹脂等をメインバインダー
とし、必要により多価カルボン酸、メラミン樹脂および
ブロックイソシアネート等の硬化剤を配合されているも
のがよく知られており、家電、自動車、建材等の多くの
分野で使用されている。中でも、熱硬化性樹脂組成物を
主体とする粉体塗料にあっては、外観を向上させる目的
から、通常は、一定温度以上の高温での焼付条件が必要
とされている。
【0003】ところが、このように高温焼付であると、
多くのエネルギーコストが必要とし、また揮発成分が多
量になることから、環境上好ましくない。
【0004】そこで、特開平4−275375号公報に
は、α、α、α’、α’−テトラメチルキシリレンジイ
ソシアネート等のポリイソシアネートのブロック体を硬
化剤として用いる、低温硬化性の粉体塗料が提案されて
いる。しかし、このような塗料を用いて、薄い塗膜を形
成しようとすると、平滑性や外観が悪化する恐れがあ
る。
【0005】一方、特開平5−98193号公報には、
上記薄い塗膜での外観悪化を解決するために、粒子径を
5〜20μmと小さくした粉体塗料が提案されている。
さらに、同公報には、より細かな樹脂微粒子を粉体塗料
に添加することにより、搬送性とブロッキング性を改善
できるとしている。
【0006】しかしながら、これら従来の技術にあって
は、低温で焼付されて形成された塗膜、特に薄膜の塗膜
では、塗膜の物性が低下し、十分なものとはいえなかっ
た。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、搬送
性およびブロッキング性が良好で、低温焼付条件で硬化
することのできる粉体塗料組成物を提供することにあ
る。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明の粉体塗料組成物
は、3級のイソシアネート基を1分子中に2個以上有す
るイソシアネート化合物のブロック体と、水酸基価が2
0〜150である水酸基含有樹脂とを含む塗膜形成用樹
脂組成物からなる第1粒子と、体積平均粒子径が0.0
05〜0.5μmである第2粒子とを含有するものであ
る。この第1粒子の体積平均粒子径が5〜30μmであ
ることが好ましい。
【0009】そして、上記水酸基含有樹脂の数平均分子
量が2000〜10000および酸価が2〜20のもの
が好ましく、ポリエステル樹脂であることがより好まし
い。
【0010】また、上記イソシアネート化合物がメタテ
トラメチルキシリレンジイソシアネートであることが好
ましい。
【0011】一方、上記の第2粒子が、架橋した有機樹
脂または疎水性シリカであってもよい。
【0012】
【発明の実施の形態】本発明の粉体塗料組成物は、3級
のイソシアネート基を1分子中に2個以上有するイソシ
アネート化合物のブロック体と、水酸基価が20〜15
0である水酸基含有樹脂とを含む塗膜形成用樹脂組成物
からなる第1粒子と、体積平均粒子径が0.005〜
0.5μmである第2粒子とを含有するものである。
【0013】ここで、3級のイソシアネート基とは、イ
ソシアネート基が結合する炭素原子に、アルキル基など
の置換基が結合していることにより、水素が結合してい
ないものをいう。そして、この3級のイソシアネート基
が上記の水素原子の結合していない炭素原子を介してベ
ンゼン核等の芳香族や直鎖状の炭化水素に結合している
ものが好ましい。中でも、上記ベンゼン核に上記の3級
のイソシアネート基を複数個、好ましくは2個結合して
いる、芳香族系ポリイソシアネートが好ましい。その具
体的な化合物としては、メタテトラメチルキシリレンジ
イソシアネート等が挙げられる。
【0014】この3級のイソシアネート基を2個以上有
するイソシアネート化合物に、下記に示す化合物即ちブ
ロック剤を反応させて、上記ブロック体を得る。このブ
ロック剤は、イソシアネート基に付加し、常温では安定
であるが解離温度以上に加熱すると脱離し、遊離のイソ
シアネート基を再生し得るものである。
【0015】具体的には、フェノール、クレゾール、キ
シレノール、クロロフェノールおよびエチルフェノール
などのフェノール系ブロック剤;ε―カプロラクタム、
δ―バレロラクタム、γ―ブチロラクタムおよびβ―プ
ロピオラクタムなどのラクタム系ブロック剤;アセト酢
酸エチルおよびアセチルアセトンなどの活性メチレン系
ブロック剤;メタノール、エタノール、プロパノール、
ブタノール、アミルアルコール、エチレングリコールモ
ノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエー
テル、エチレングリコールモノメチルエーテル、プロピ
レングリコールモノメチルエーテル、ベンジルアルコー
ル、グリコール酸メチル、グリコール酸ブチル、ジアセ
トンアルコール、乳酸メチルおよび乳酸エチルなどのア
ルコール系ブロック剤;ホルムアルドキシム、アセトア
ルドキシム、アセトキシム、メチルエチルケトオキシ
ム、ジアセチルモノオキシム、シクロヘキサンオキシム
などのオキシム系ブロック剤;ブチルメルカプタン、ヘ
キシルメルカプタン、t−ブチルメルカプタン、チオフ
ェノール、メチルチオフェノール、エチルチオフェノー
ルなどのメルカプタン系ブロック剤;酢酸アミド、ベン
ズアミドなどの酸アミド系ブロック剤;コハク酸イミド
およびマレイン酸イミドなどのイミド系ブロック剤;イ
ミダゾール、2−エチルイミダゾールなどのイミダゾー
ル系ブロック剤などを挙げることができる。
【0016】上記水酸基含有樹脂の水酸基価として20
〜150であり、好ましくは30〜120、更に好まし
くは30〜90である。20未満であると、十分に硬化
した塗膜を得ることができず塗膜物性が低下し、150
を超えると、塗膜外観が悪化する恐れがある。
【0017】上記水酸基含有樹脂としては、上記水酸基
を含有しておれば特に限定されないが、ポリエステル樹
脂およびアクリル樹脂が好ましい。塗膜物性の点から、
ポリエステル樹脂がより好ましく、その中で特に数平均
分子量が2000〜10000、酸価が2〜20である
ポリエステル樹脂が特に好ましい。
【0018】数平均分子量が2000未満であると、塗
膜の物性が低下し、10000を超えると外観不良とな
るおそれがある。また、酸価が2未満であると、基材と
の密着性が低下し、20を超えると硬化不良となる恐れ
がある。
【0019】上記ポリエステル樹脂としては、例えば、
エチレングリコール、プロパンジオール、ペンタンジオ
ール、ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、ト
リメチロールプロパン、ペンタエリスリトールなどの多
価アルコールと、マレイン酸、テレフタル酸、イソフタ
ル酸、フタル酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、
セバチン酸、β−オキシプロピオン酸などのカルボン酸
とを定法にしたがって重合させたものが用いられる。
【0020】ここで、上記ブロック体と上記水酸基含有
樹脂との配合割合は、そのブロック体中のイソシアネー
ト基の当量数と、上記水酸基含有樹脂中の水酸基の当量
数との比が、0.5〜1.5であることが好ましい。こ
の範囲外であると、十分に塗膜を硬化させることができ
ないおそれがある。
【0021】本発明の粉体塗料組成物に含有される第1
粒子は、上記の3級のイソシアネート基を1分子中に2
個以上有するイソシアネート化合物のブロック体と特定
範囲の水酸基価を有する水酸基含有樹脂とからなる。
【0022】この第1粒子の体積平均粒子径は、薄い塗
膜を形成しようとするならば、5〜30μmであること
が好ましい。より好ましくは10〜25μmである。5
μm未満であると、粉体塗料の搬送性が低下することに
より、塗装作業性に問題が生じ、塗着効率の低下をきた
す恐れがある。逆に、平均体積粒子径が30μmを超え
ると、塗膜の平滑性が低下し、艶等の塗膜外観が悪化す
る恐れがある。なお、上記体積平均粒子径は、粒度分析
計(例えば、日機装社製、マイクロトラックHRA X
−100)により測定することができる。
【0023】一方、本発明の粉体塗料組成物は、上記第
1粒子のほかに体積平均粒子径が0.005〜0.5μ
m、好ましくは0.01〜0.03μmの第2粒子を含
有するものである。0.005μm未満であると、この
第2粒子が凝集して塗膜の外観が不良となり、0.5μ
mを超えると搬送性が低下する恐れがある。 この第2
粒子は、上記範囲内の体積平均粒子径であるならば、無
機微粒子、有機微粒子いずれのものであってもよい。無
機微粒子としては、シリカ等が挙げられるが、中でもシ
リカ、特に疎水性シリカがブロッキング性と搬送性とを
共に向上させることができる点から好ましい。
【0024】一方、有機微粒子としては、合成樹脂製の
ものが好ましく、特に架橋した有機樹脂がより好まし
い。架橋していない有機樹脂を、第2粒子として使用す
ると、十分な粉体搬送性を付与できない恐れがある。即
ち、この架橋した有機樹脂を用いることにより、上記疎
水性シリカと同様に、ブロッキング性と搬送性とを共に
向上させることができる。また、その有機樹脂として
は、ビニル樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ポリエ
ステル樹脂等を挙げることができるが、アクリル樹脂即
ち架橋したアクリル樹脂が、工業的に生産することが容
易な点から好ましい。
【0025】上記架橋したアクリル樹脂は、2官能性の
アクリルモノマーを3〜50重量%含むアクリルモノマ
ー混合物から得ることができる。ここで、2官能性のア
クリルモノマーとは、分子内に少なくとも2個のラジカ
ル重合可能な不飽和基を有するモノマーまたは、それぞ
れ相互に反応しうる官能基とラジカル重合可能な不飽和
基とを有する少なくとも2種のモノマーを意味する。2
官能性のアクリルモノマーの量は、好ましくは3〜30
重量%である。上記2官能性のアクリルモノマーの量が
3重量%未満であると、十分な架橋構造を得ることがで
きず、塗料の搬送性を向上させることが難しくなる恐れ
がある。また、50重量%を超えると、粒子の真円度が
低下し搬送性が低下する恐れがある。
【0026】上記の分子内に少なくとも2個のラジカル
重合可能な不飽和基を有するモノマーとしては、多価ア
ルコールの重合性不飽和モノカルボン酸エステル、多塩
基酸の重合性不飽和アルコールエステルおよび2個以上
のビニル基で置換された芳香族化合物などが挙げられ
る。それらの例としては、エチレングリコールジ(メ
タ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)
アクリレート、テトラエチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、1,3−ブチレングリコールジ(メタ)ア
クリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アク
リレート、1,4−ブタンジオール(メタ)アクリレー
ト、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、
1,6−ヘキサンオールジ(メタ)アクリレート、ペン
タエリスリトールジ(メタ)アクリレートペンタエリス
リトールテトラ(メタ)アクリレート、グリセロールジ
(メタ)アクリレート、1,1,1−トリスヒドロキシ
メチルエタンジ(メタ)アクリレート、トリアリルシア
ヌレート、トリアリルイソシアヌレート、トリアリルト
リメリテート、ジアリルテレフタレート、ジアリルフタ
レート、アリル(メタ)アクリレートおよびジビニルベ
ンゼン等がある。
【0027】相互に反応しうる官能基をそれぞれ担持す
る2種のラジカル重合可能な不飽和基を有するモノマー
の組み合わせの例としては、グリシジルアクリレート、
グリシジルメタクリレートなどのエポキシ基含エチレン
性不飽和モノマーと、アクリル酸、メタクリル酸、クロ
トン酸などのカルボキシル基含有エチレン性不飽和モノ
マーとがある。相互に反応しうる官能基の組み合わせと
しては、この他にもアミノ基とカルボン酸基、エポキシ
基とカルボン酸またはその無水物等があり、上記相互に
反応しうる官能基とはこれら組み合わせを広く包含する
ものである。
【0028】上記アクリルモノマー混合物に含まれるそ
の他のアクリルモノマーとしては、通常、アクリル樹脂
の製造に用いられているモノマーが挙げられる。例え
ば、アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン
酸、フマル酸、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレ
ート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒド
ロキシブチル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエ
チル(メタ)アクリレート、アクリル酸アミド、メタク
リル酸アミド、アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アク
リレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチ
ルヘキシル(メタ)アクリレート、スチレン等が挙げら
れる。なお、上記第2粒子のTgは、60〜150℃の
範囲にあることが好ましい。
【0029】一方、第2粒子にあっては、市販されてい
るもを、そのまま使用することができるが、有機微粒子
の場合は、例えば乳化重合や懸濁重合により直接製造し
たり、溶液重合や塊重合等により樹脂を製造し、これを
粉砕して分級することにより得られるものを用いる。
【0030】本発明の粉体塗料組成物は、上記第1粒子
と第2粒子のほかに、必要により顔料および添加剤を含
有していても良い。
【0031】上記顔料を含有する場合は、、その種類は
特に限定されず、中でも二酸化チタン、べんがら、黄色
酸酸化鉄、カーボンブラック、フタロシアニンブルー、
フタロシアニングリーン、キナクリドン系赤色顔料等を
好適に使用することができる。
【0032】上記添加剤としては、例えば荷電制御剤、
表面調整剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、荷電
制御剤、ワキ防止剤等が挙げられる。これらのものにつ
いては粉体塗料に通常用いられているものを使用するこ
とができる。
【0033】次に本発明の粉体塗料組成物の製造法を説
明する。すなわち、3級のイソシアネート基を複数個有
するポリイソシアネートのブロック体と、特定範囲の水
酸基価を持つ樹脂とから得られた第1粒子に、その粒子
の粒子径に比べて、非常に小さな粒子径である第2粒子
を添加することにより、本発明の粉体塗料組成物が得ら
れる。
【0034】具体的にはまず、第1粒子の構成成分であ
る、上記イソシアネート化合物のブロック体と、水酸基
含有樹脂および必要により顔料や添加剤等を所定量仕込
んで、混合機により均一に混合する。その混合機として
は、ヘンシェルミキサー、ボールミル、バンバリーミキ
サー等の一般的なものが用いられる。
【0035】ここで、上記ブロック体は、3級のイソシ
アネート基を1分子中に2個以上有するポリイソシアネ
ート化合物に、上記ブロック剤を加えて、触媒の存在
下、温度90℃前後に加温して反応させて、予め得るこ
とができる。
【0036】次に得られた混合物を溶融混練する。ここ
では、エクストルーダーや熱ロール等の混練機により加
熱し、溶融する。次にこの溶融混練工程で得られたペレ
ットをアトマイザーやジェットミル等の粉砕機を用いて
粉砕する。
【0037】また、上記成分を溶融混練して混合した
後、得られた混合物をスプレードライ法により直接粉末
状の粒子を得たり、水中に乳化分散し乾燥させて粒子を
得たりすることができる。
【0038】このようにして得られた第1粒子および第
2粒子を、スーパーミキサー等の混合機により、攪拌混
合することにより本発明の粉体塗料組成物を得ることが
できる。この混合は、水などを加えず、乾式で行うこと
が好ましい。この乾式混合により、上記第2粒子は、通
常上記第1粒子の表面に付着していたり、その第1粒子
の表面に若干埋めこまれた状態で、上記粉体塗料中に存
在することとなる。このようにして、第1粒子の表面に
対して、第2粒子の付着や埋没を行わせることができ
る。
【0039】ここで第2粒子は、第1粒子100重量部
に対して、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜3重
量部の比率で混合される。0.1重量部未満であると、
搬送性、ブロッキング性の向上の効果が十分に得られ
ず、5重量部を超えると塗膜の平滑性の悪化や塗膜の艶
引け、ブツ等の発生による外観異常となる恐れがある。
【0040】
【実施例】以下の実施例により、本発明を更に説明する
が、本発明はこれらに限定されない。なお、実施例中に
おける「%」および「部」は特にこだわらない限り、重
量基準である。
【0041】製造例1 3級イソシアネート基含有イソ
シアネートのブロック体Aの製造 攪拌機、温度制御装置、窒素導入管および冷却管を備え
た反応容器に、ε−カプロラクタム1363g、n−ヘ
プタン3763gおよびジブチルチンジラウレート1
5.2gを仕込み、徐々に温度を90℃まで上げた。次
に、メタテトラメチルキシリレンジイソシアネート14
53gを、1時間かけて滴下し、さらに6時間攪拌を継
続し、遊離のイソシアネート基が消失するまで反応させ
た。次いで、25℃まで冷却し、析出した固体を回収
し、40℃、20mmHgの雰囲気でさらに乾燥させ、
3級イソシアネート基を2個有するイソシアネートのブ
ロック体A2731gを得た。
【0042】製造例2 3級イソシアネート基含有イソ
シアネートのブロック体Bの製造 ε−カプロラクタムの代わりに、1,2,4−トリアゾ
ール832gを用いた以外は、製造例1と同様にして、
3級イソシアネート基を2個有するイソシアネートのブ
ロック体B2238gを得た。
【0043】製造例3 水酸基含有ポリエステル樹脂A
の製造 攪拌機、温度制御装置、窒素導入管および冷却管を備え
た反応容器に、テレフタル酸47.3g、セバシン酸1
9.2g、ネオペンチルグリコール2.4g、トリメチ
ロールプロパン2.1g、ヘキサンジオール42.6
g、ジブチル錫オキシド0.3gおよびキシレン10g
を仕込み、250℃で7時間縮合反応させ、還流により
キシレンを除去し、数平均分子量5000、水酸基価3
0の水酸基含有ポリエステル樹脂Aを得た。
【0044】製造例4〜7 水酸基含有ポリエステル樹
脂B、C、DおよびEの製造 表1で示す配合で、製造例3と同様に水酸基含有ポリエ
ステル樹脂B、C、DおよびEを得た。これらポリエス
テル樹脂の数平均分子量および水酸基価を、表1に示
す。
【0045】
【表1】
【0046】製造例8 第2粒子(架橋したアクリル樹
脂微粒子A)の製造 攪拌機、温度制御装置、窒素導入管および冷却管を備え
た反応容器に,脱イオン水150gを仕込み、80℃ま
で温度を上げた。次に、そこに、メタクリル酸30g、
アクリル酸n−ブチル40g、エチレングリコールジメ
タクリレート30g、レベラーW(乳化剤、花王社製)
5g、過硫酸アンモニウム0.8gおよび脱イオン水5
0gとからなる混合物(プレエマルション)を2時間か
けて滴下し重合した。得られた水溶液を40℃、20m
mHgの条件で乾燥させ、平均粒子径が80nmの架橋
したアクリル樹脂微粒子Aを得た。
【0047】製造例9 第2粒子(架橋したアクリル樹
脂微粒子B)の製造 仕込み量を、メタクリル酸メチル50g、アクリル酸n
−ブチル10g、エチレングリコールジメタクリレート
40g、過硫酸アンモニウム0.8gおよび脱イオン水
50gに変更し、レベラ−Wを、RA−1022(反応
性乳化剤、日本乳化剤社製)3gに変更した以外は、製
造例8と同様にして、平均粒子径が80nmの架橋した
アクリル樹脂微粒子Bを得た。
【0048】実施例1 製造例1で得られたブロック体Aを8部、製造例3で得
られた水酸基含有ポリエステル樹脂Aを60部、ジブチ
ル錫ジラウレートを0.3部、YF3519(東芝シリ
コン社製、表面調整剤)を0.3部、チタンR−960
(デュポン社製)を45部、ヘンシルミキサーに仕込
み、攪拌混合後、ブスコニーダーで100℃で混練しペ
レットを製造した。次に得られたペレットを粉砕機にか
け、体積平均粒子径が30μmとなるまで粉砕し、粉体
粒子を得た。その後、この得られた粉体粒子100部に
製造例8で得られたアクリル樹脂微粒子A0.5部を加
え均一に乾式で混合し粉体塗料を得た。ここで得られた
粉体塗料を脱脂鋼板に、静電塗装法により均一に塗装
し、160℃で15分間焼付乾燥し、膜厚30μmの塗
膜を得た。その塗膜について、耐溶剤性、耐衝撃性、ブ
ロッキング性および搬送性を、以下に示す方法により評
価した。その結果を表3に示す。
【0049】耐溶剤性 上記で得られた塗膜を、キシレンを含ませた布で20往
復こすり、こすったのちの塗膜外観を目視で観察し、以
下の基準で評価した。 ◎;ほとんど傷がつかない ○;わずかに傷がつく △;傷がつき光沢が低下する ×;塗膜が溶解する
【0050】耐衝撃性 デュポン衝撃試験機にて、20℃の雰囲気下、500g
(1/2φ)の重りを衝撃させて、塗膜のはがれ、割れ
具合を目視で観察し、以下の基準で評価した。 ◎;全く割れ無し ○;わずかに割れあり △;大きな割れ有り ×;塗膜がはがれる
【0051】ブロッキング性 粉体塗料を室温で1ヶ月保存後、塗料の状態を観察し、
以下の基準で評価した。 ◎;全く変化無し ○;わずかに塗料の塊があり、手で元に戻る △;塗料に塊があり、手で元に戻らない ×;塗料に大きな塊があり、手で元に戻らない
【0052】搬送性 粉体塗料100gを60メッシュのふるいに入れ、20
秒間でのふるい通過性を、以下の基準で評価した。 ◎;すべて通過する ○;わずかに塗料が残る △;塗料が50g未満残る ×;塗料が50g以上残る
【0053】外観 反射角を20度にして、光を照射しその反射率を測定し
(20度グロス)、以下の基準で評価した。 ◎;70%以上 ○;60%以上 △;50%以上 ×;50%未満
【0054】実施例2〜9 表2に示す配合で粉体塗料を製造した以外は、実施例1
と同様の方法により粉体塗料を製造し、塗膜を作製し評
価した。その結果を表3に示す。
【0055】比較例1 ブロック体Aの代わりに、B−1530(イソホロンジ
イソシアネートのε−カプロラクタムのブロック体、ダ
イセルヒュルス社製)を用いた以外は、実施例1と同様
に粉体塗料を製造し評価した。その結果を表3に示す。
【0056】比較例2 第2粒子であるアクリル樹脂微粒子Aを除いたほかは、
実施例8と同様に粉体塗料を製造し、評価した。その結
果を表3に示す。
【0057】
【表2】
【0058】
【表3】
【0059】実施例の結果からわかるように、硬化剤と
して3級イソシアネート基を2個以上有するイソシアネ
ート化合物のブロック体である、ε−カプロラクタムで
ブロックされたメタテトラメチルキシリレンジイソシア
ネートと、特定範囲の水酸価を有するポリエステル樹脂
とからなる第1粒子に、架橋した有機樹脂又は疎水性シ
リカ等の第2粒子を添加することにより、搬送性とブロ
ッキング性を維持しつつ、低温焼付条件で得られた塗膜
の外観を、より一層向上させることができた。
【0060】
【発明の効果】本発明の粉体塗料組成物は、搬送性とブ
ロッキング性が良好であり、低温焼付硬化が可能であ
る。特に薄い塗膜の場合に優れた外観の塗膜を提供する
ことができる。よって、従来より焼付温度を大幅に低下
させても、優れた外観の塗膜を得ることが可能になった
ので、エネルギーコストを節約することができる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 4J038 CB002 CD002 CG002 DD002 DG111 DG191 DG301 HA446 MA02 NA01 NA10 NA23 PA02

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】3級のイソシアネート基を1分子中に2個
    以上有するイソシアネート化合物のブロック体と、水酸
    基価が20〜150である水酸基含有樹脂とを含む塗膜
    形成用樹脂組成物からなる第1粒子と、体積平均粒子径
    が0.005〜0.5μmである第2粒子とを含有する
    ことを特徴とする粉体塗料組成物。
  2. 【請求項2】前記第1粒子の体積平均粒子径が5〜30
    μmであることを特徴とする請求項1記載の粉体塗料組
    成物。
  3. 【請求項3】前記水酸基含有樹脂の、数平均分子量が2
    000〜10000および酸価が2〜20であることを
    特徴とする請求項1又は2記載の粉体塗料組成物。
  4. 【請求項4】前記水酸基含有樹脂が、ポリエステル樹脂
    である請求項1〜3のいずれか1つに記載の粉体塗料組
    成物。
  5. 【請求項5】前記イソシアネート化合物がメタテトラメ
    チルキシリレンジイソシアネートであることを特徴とす
    る請求項1〜4のいずれかに記載の粉体塗料組成物
  6. 【請求項6】前記第2粒子が、架橋した有機樹脂である
    ことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉体
    塗料組成物。
  7. 【請求項7】前記第2粒子が、疎水性シリカであること
    を特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の粉体塗料
    組成物。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2005225907A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
US9862836B2 (en) 2014-06-20 2018-01-09 Fuji Xerox Co., Ltd. Thermosetting powder coating material and coated article

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JP2005225907A (ja) * 2004-02-10 2005-08-25 Kansai Paint Co Ltd 塗料組成物及び塗膜形成方法
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