JP2011500536A - スルホン酸ジアミドの製法 - Google Patents

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Abstract

本発明は一般式Iのスルホン酸ジアミドの製法に関する
R1R2N-S(O)2-NH2 (I)
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に1〜8の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル、3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカル若しくは5〜8の炭素原子を持つシクロアルキルラジカル、又は、窒素原子と共に、5〜8員の飽和窒素へテロ環を形成する。このヘテロ環は、窒素原子の他に、環員としてO及びSから選択される他のヘテロ原子を有してもよい。また窒素へテロ環は非置換、又は置換基としてそれぞれ1〜4の炭素原子を持つ1、2、3又は4つのアルキル基を有してもよい。製法は下記段階からなる:
i) 式IIの第二級アミン
R1R2NH (II)
式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される、が不活性溶媒、特に芳香族溶媒中において第三級アミン存在下で塩化スルフリルと反応し、式III
R1R2N-S(O)2-Cl (III)
式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される、の塩化スルファモイルを得る反応、並びに
ii) 段階 i)で得られた式IIIの塩化スルファモイルのアンモニアとの反応、
ここで式IIIの塩化スルファモイルは、段階 ii)において、不活性溶媒、特に芳香族溶媒中で、段階 i)で得られた溶液の形で使用する。
【選択図】なし

Description

本発明は一般式Iのスルホン酸ジアミドの製法に関する
R1R2N-S(O)2-NH2 (I)
式中、R1及びR2はそれぞれ独立に1〜8の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル、3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカル若しくは5〜8の炭素原子を持つシクロアルキルラジカルであるか、又は、窒素原子と共に、5〜8員の飽和窒素へテロ環を形成する。このヘテロ環は、窒素原子の他に、環員としてO及びSから選択される他のヘテロ原子を有してもよい。また窒素へテロ環は非置換であるか、又は置換基としてそれぞれ1〜4の炭素原子を持つ1、2、3又は4つのアルキル基を有してもよい。
式Iのスルホン酸ジアミドは、活性成分の生成、例えばWO01/83459記載の除草剤活性成分の生成の興味深い中間体である。
式Iのスルホン酸ジアミドの製法は原理的にはこれまでに知られていた。例えば、R. Behrend, J. Liebigs Ann. Chem. 1884, 222, p. 116-136には、塩化スルフリル(SO2Cl2)が塩化ジメチルアンモニウム又は塩化ジエチルアンモニウムと反応し、次に生成した塩化ジメチルアミドスルフリル又は塩化ジエチルアミドスルフリルが気体アンモニアと反応することによる、ジメチルアミノスルホンアミド及びジエチルアミノスルホンアミドの生成が記述されている。しかし、この反応は不完全にしか進行しない。また、最初の段階で放出される塩化水素も不利である。
K. W. Wheelerら, J. Am. Chem. Soc. 1944, 66, p. 1242には、三及び四置換スルホジアミドの生成が記述されている。これによると、最初の段階で、まず2当量の第二級アミンが塩化スルフリルと実質的に反応し、生成した塩化スルファミルが別の2当量のアミンと反応する。この製法の収率は不十分である。
WO01/83459には、クロロスルホンアミドの第一級又は第二級アミンとの反応による、一般式Iのスルホン酸ジアミドの生成が記述されている。クロロスルホンアミドはクロロスルホニルイソシアネートの加水分解により生成する。しかしクロロスルホニルイソシアネートは比較的高価である。
同様に、WO03/097589には一般式Iのスルホン酸ジアミドの生成が記述されている。これによると、最初の段階で、第一級又は第二級アミンのクロロスルホンアミドが生成する。これは、第三級アミン存在下で第一級又は第二級アミンが三酸化硫黄と反応し、生成した、対応するアミドスルホン酸のアンモニウム塩がリンハライドと反応することによる。次に、生成したクロロスルホンアミド(以下塩化スルファモイルとも記述する)がアンモニアと反応する。この製法は収率が改善されたため注目に値するが、多段階のため比較的複雑である。
WO01/83459 WO03/097589
R. Behrend, J. Liebigs Ann. Chem. 1884, 222, p. 116-136 K. W. Wheelerら, J. Am. Chem. Soc. 1944, 66, p. 1242
従って本発明の目的は、上記一般式Iのスルホン酸ジアミドの、容易に実施可能な製法を提供することである。この製法は優れた収率でこの化合物を提供し、安価な出発物質で実施することができる。この目的は驚くべきことに、下記に明示する製法により達成される。
本発明は、下記段階からなる、上記一般式Iのスルホン酸ジアミドの製法を提供する:
i) 式IIの第二級アミン
R1R2NH (II)
(式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される)が不活性溶媒、特に芳香族溶媒中において第三級アミン存在下で塩化スルフリルと反応し、式III
R1R2N-S(O)2-Cl (III)
(式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される)の塩化スルファモイルを得る反応、並びに
ii) 段階 i)で得られた式IIIの塩化スルファモイルのアンモニアとの反応、
ここで式IIIの塩化スルファモイルは、段階 ii)において、不活性溶媒、特に芳香族溶媒中で、段階 i)で得られた溶液の形で使用する。
本発明による製法は一連の利点を伴う。まず、本発明による製法は比較的実施が容易である。さらに、所望のスルホン酸ジアミドIを、使用する第二級アミン及び塩化スルフリル両者に対して優れた収率で提供する。塩化水素の放出は実質的に又は完全に回避される。クロロスルホニルイソシアネートのような高価な出発物質を必要としない。加えて、反応を工業的規模で効率的に扱うことができる。さらに、スルホン酸ジアミドIはさらに使用するのに十分な純度で得られ、そのため複雑な精製過程を必要としない。
本発明による製法の段階 i)で、上記式IIの第二級アミンは、不活性溶媒、特に芳香族溶媒中において第三級アミン存在下で塩化スルフリルと反応する。この反応は式IIIの塩化スルファモイル(以下クロロスルホンアミドIIIとも記述する)の溶液を提供する。
第三級アミンは、反応中放出される塩化水素と結合する補助塩基として働き、第二級アミンに対して典型的には少なくとも0.9当量、好ましくは少なくとも1.0当量、例えば1.0〜2当量、特に1.05〜1.5当量で使用する。「当量」という用語は「1モル当たりのモル数」即ち「モル当量」という用語に等しい。
第三級アミンの種類は反応にあまり重要ではない。適切な第三級アミンは、トリアルキルアミン、特にアルキルラジカルに1〜6の炭素原子を持つもの、N-シクロアルキル-N,N-ジアルキルアミン、特にアルキルラジカルに1〜6の炭素原子を持つN-シクロヘキシル-N,N-ジアルキルアミン、アルキルラジカルに好ましくは1〜6の炭素原子を持つN,N-ジアルキルアニリン、並びにピリジン及びキノリン塩基も含む。
適切な第三級アミンの例を以下に挙げる:
−トリアルキルアミン群より:トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリ-n-プロピルアミン、トリ-n-ブチルアミン、ジメチルエチルアミン、ジメチル-n-プロピルアミン、ジメチル-n-ブチルアミン、ジメチルイソプロピルアミン、ジメチル-2-ブチルアミン、ジエチル-n-プロピルアミン、ジエチルイソプロピルアミン、ジエチル-n-ブチルアミン、トリ-n-ヘキシルアミン及び同類のもの;
−N-シクロアルキル-N,N-ジアルキルアミン群より:ジメチルシクロヘキシルアミン及びジエチルシクロヘキシルアミン;
−N,N-ジアルキルアニリン群より:ジメチルアニリン及びジエチルアニリン;
−ピリジン及びキノリン塩基群より:ピリジン、α-、β-及びγ-ピコリン、キノリン並びにイソキノリン。
好適な第三級アミンはトリアルキルアミン及びN-シクロアルキル-N,N-ジアルキルアミン、特にトリ-C1-C6-アルキルアミン及びN-シクロヘキシル-N,N-ジ-C1-C6-アルキルアミンである。特に好ましい実施態様において、使用する第三級アミンはトリ-C1-C6-アルキルアミン、特にトリメチルアミン又はトリエチルアミンである。
本発明による製法は原理的には、脂肪族又は環状のいかなる第二級アミンのスルホン酸ジアミドの生成にも適する。適する第二級アミンは一般式IIで記述することができる。R1及びR2ラジカルが第一級炭素原子(CH2基)を介して又は第二級炭素原子(CHR、R=アルキルラジカル)を介して窒素原子と結合する式IIの第二級アミンを使用することが好ましい。R1及びR2は、好ましくは1〜6若しくは3〜6の炭素原子を持つ第一級若しくは第二級アルキルラジカル、又は、好ましくは5若しくは6の炭素原子を持つシクロアルキルラジカルでもよい。R1及びR2は同じでも又は異なってもよい。しかし、R1及びR2は、結合する窒素原子と共に、5、6、7又は8員の飽和窒素へテロ環を形成してもよい。このヘテロ環は窒素原子の他に、環員としてO及びSから選択される他のヘテロ原子を有してもよい。またこのヘテロ環は任意に置換されてもよいが、α炭素原子(窒素原子と結合する、環の炭素原子)は非置換であるか、又は一置換基を有することが好ましい。
「1〜8の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル」という表現は1〜8の、特に1〜6の炭素原子を持ち、且つ、CH2基を介して窒素原子に結合する、直鎖又は分枝飽和炭化水素ラジカルを意味する。第一級アルキルラジカルの例は、メチル、エチル、n-プロピル、n-ブチル、2-メチルプロピル(イソブチル)、n-ペンチル、2-メチルブチル、3-メチルブチル、n-ヘキシル、2-メチルペンチル、3-メチルペンチル、4-メチルペンチル、2-エチルブチル等である。
「3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカル」という表現は3〜8の炭素原子を持ち、且つ、第二級炭素原子を介して窒素原子に結合する、非環式飽和炭化水素ラジカルを意味する。第二級アルキルラジカルの例は、2-プロピル(1-メチルエチル)、2-ブチル、2-ペンチル、3-ペンチル、2-ヘキシル、3-ヘキシル、3-メチル-2-ブチル、3-メチル-2-ペンチル、4-メチル-2-ペンチル等である。
本発明の好ましい実施態様において、2つのR1及びR2が異なるアルキルラジカルである第二級アミンIIを使用する。式I及びIIIにも同じことが当てはまる。より詳細には、式I、II及びIIIのR1ラジカルは、1〜8、殊に1〜6、特に1若しくは2の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル、又は、3〜8、殊に3〜6、特に3若しくは4の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルである。R2ラジカルは特に、3〜8、殊に3〜6、特に3又は4の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルである。より詳細には、R1は1〜4の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカルであり、特にメチル又はエチルであり、R2は3〜8、殊に3〜6、特に3又は4の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルであり、特にイソプロピル又は2-ブチルである。非常に特別に好ましい実施態様において、式IIの第二級アミンは、R1がメチルであり、且つ、R2が3〜8、殊に3〜6、特に3又は4の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルであるものである。より詳細には、使用する第二級アミンはN-(1-メチルエチル)-N-メチルアミン(R1=メチル、R2=メチルエチル=イソプロピル)である。
式IIの第二級アミンと塩化スルフリルは反応の化学量論に適したモル比で、つまり、好ましくは1:1.1〜1.1:1の範囲で、殊に1:1.05〜1.05:1の範囲で、特に1:1.02〜1.02:1の範囲で使用することが好ましい。
本発明では、段階 i)は不活性溶媒、特に芳香族溶媒中で進行する。
不活性溶媒とは、反応条件下で試薬と、特に塩化スルフリルとのいかなる化学反応にも関与しない有機溶媒を意味すると理解される。これは、特に芳香族、脂肪族、芳香脂肪族(araliphatic)及び環状脂肪族炭化水素、並びに、塩素化及びフッ素化炭化水素も含む。窒素含有及び/又は酸素含有溶媒は、特にOH又はNH基を持つとき(いわゆるプロトン性溶媒)は、一般に不活性ではない。不活性溶媒中の非不活性溶媒の割合は、一般に、総溶媒量に対して、10容積%以下である。不活性溶媒は酸素含有及び/又は窒素含有、非プロトン性溶媒を含まないことが好ましい(< 1容積%)。
「芳香族溶媒」とは、主成分がベンゼン由来且つ室温で液体の芳香族化合物である溶媒を意味すると理解される。そのような化合物は、例えば、ベンゼンの他に、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン及びエチルベンゼンのようなアルキルベンゼン、並びに、クロロベンゼン、フルオロベンゼン及びジクロロベンゼンのような塩素化及び/又はフッ素化ベンゼンも含む。
これらの芳香族化合物に加えて、芳香族溶媒は、50容積%まで、殊に30容積%以下、特に10容積%以下の異なる不活性溶媒、例えば、ジクロロメタン、トリクロロメタン及び/又はジクロロエタンのような脂肪族ハロ炭化水素、n-ヘキサン、n-ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、シクロオクタンのような脂肪族若しくは環状脂肪族炭化水素、並びにそれらの混合物も含んでよい。さらに、芳香族溶媒は、少量の非不活性な、非プロトン性酸素含有及び/又は窒素含有溶媒も含んでよい。この場合には、これら溶媒の割合は総溶媒量に対して、10容積%を超えないことが好ましい。芳香族溶媒は酸素含有及び/又は窒素含有、非プロトン性溶媒を含まないことが好ましい(< 1容積%)
典型的には第二級アミンIIは、水またはアルコールのようなプロトン性溶媒の実質的な又は完全な非存在下で塩化スルフリルと反応させる。水及びプロトン性有機溶媒の割合は、使用する総溶媒量に対して一般に0.1%(1000 ppm)以下、殊に500 ppm以下、特に300 ppm以下である。
芳香族溶媒として有用な好ましい芳香族化合物には、ベンゼンの他に、トルエン、キシレン、トリメチルベンゼン及びエチルベンゼンのようなアルキルベンゼン並びにクロロベンゼン、フルオロベンゼン及びジクロロベンゼンのような塩素化及び/又はフッ素化ベンゼンもある。好ましい実施態様において、芳香族溶媒はクロロベンゼンを含む。特にクロロベンゼンが主成分を構成し、芳香族溶媒の芳香族成分中、殊に少なくとも80容積%、より好ましくは少なくとも90又は少なくとも95容積%である。特に、クロロベンゼンが唯一の成分で、総溶媒量に対して少なくとも95、特に少なくとも98容積%を占める。
式IIの第二級アミンの塩化スルフリルとの反応は温度調整下で行うことが好ましく、50℃以下、殊に30℃以下、特に20℃以下の温度で行うことが好ましい。一般に下限は反応混合物の融点及び反応混合物の混和性によって決定される。大抵、反応温度の下限は-10℃以下ではない。大抵、第二級アミンIIの塩化スルフリルとの反応は-10〜50℃の範囲、殊に-10〜30℃の範囲、特に-5〜20℃の範囲の温度で行う。
式IIの第二級アミンの塩化スルフリルとの反応において、手順は、最初に溶媒の一部又は全部並びに塩化スルフリルを反応容器に入れ、この初期投入物を所望の反応温度に調整し、第二級アミンII及び第三級アミンをそこへ添加することが好ましい。任意選択で、第二級アミン及び第三級アミンは使用溶媒で希釈することができる。第二級アミンII及び第三級アミンは、反応混合物中で第二級アミンII及び第三級アミンの好ましいモル比が維持されるように、同時に、特に混合物として添加することが好ましい。塩化スルフリルの第三級アミンとの反応は発熱性のため、第二級アミン及び第三級アミンは熱制御下で長時間に渡って添加することが好ましい。この時間は典型的には少なくとも20分、殊に少なくとも30分、特に少なくとも60分である。最大添加時間は経済上の判断によって導かれ、一般に15時間、殊に8時間を越えない。大抵、第二級アミンII及び第三級アミンは1時間〜10時間以内に、特に2時間〜8時間に渡って添加する。任意選択で、第二級アミンII及び第三級アミン添加が終了した後、反応は、典型的には10分〜8時間の範囲で、殊に30分〜6時間の範囲で後反応(postreaction)を行うことで完了することができる。添加及び後反応期の総時間は15時間、殊に10時間を越えないことが好ましい。
反応物の濃度、すなわち塩化スルフリル、第二級アミンII及び第三級アミンの総量は、反応混合物の総重量に対して、10〜50重量%、殊に20〜40重量%であることが好ましい。
このようにして、溶媒に溶解した塩化スルファモイルIIIを含む反応混合物が得られる。さらに、反応混合物は反応中生成した塩、すなわち第三級アミンの塩化水素付加塩も含む。
こうして得られた反応混合物は、本発明による製法の段階 ii)でアンモニアと直接反応させることができる。しかし、段階 ii)のアンモニアとの反応実施前に、反応で生成した塩を抽出により除去することが好ましい。抽出は典型的には酸性水性条件下で、すなわちpH < 7、殊にpH < 5、特にpH < 3で実施する。抽出には希酸、特に希塩酸を使用することが好ましい。特に、塩化水素含有量が2〜20重量%の範囲、特に5〜15重量%の範囲である希塩酸を使用する。抽出は、希酸水溶液による一回又は複数回の処理によって行うことができる。抽出は、30℃以下、特に20℃以下の温度で、例えば0〜30℃の範囲内、特に0〜20℃の範囲内の温度で実施することが好ましい。第三級アミンの塩化水素を含む水層を除去する。いかなる水画分も蒸留によって除去することができる。蒸留除去は標準圧で実施することができ、減圧下で行うことが好ましい。任意選択で、蒸留除去された芳香族溶媒を補給する。
こうして得られた不活性溶媒中の式IIIの塩化スルファモイル溶液を段階 ii)でアンモニアと反応させる。任意選択で、不活性、特に芳香族溶媒をさらに添加することにより、塩化スルファモイル濃度を調整する。段階 ii)における不活性溶媒中の塩化スルファモイル濃度は5〜50重量%、殊に10〜40重量%、特に20〜30重量%の範囲内であることが好ましい。
反応に必要なアンモニアは、気体又は溶液、一般に非水性溶液の形で供給することができる。アンモニアを溶液の形で供給するとき、その溶媒は水のようなプロトン性成分を一般に1%未満含む。
本発明の好ましい実施態様において、アンモニアを気体の形で供給する。そして反応をアンモニア雰囲気中で実施することが好ましい。このアンモニア雰囲気中のアンモニア分圧は典型的には0.5〜50 barの範囲内、殊に1〜30 barの範囲内、特に2〜20 barの範囲内である。任意選択で、気体アンモニアは不活性ガス、例えば空気、窒素若しくはアルゴン又はこれらのガスの混合物で希釈することができる。しかし、アンモニア分圧の、全不活性ガスの総分圧に対する比は、少なくとも1:1、殊に少なくとも5:1、特に少なくとも10:1であることが好ましい。全気体成分の総圧力は一般に50 bar、殊に30 bar、特に20 barを超えない。塩化スルファモイルのアンモニアとの反応過程で、反応容器中のアンモニアの分圧は上記範囲内に保持される。
塩化スルファモイルIIIのアンモニアとの反応は典型的には10〜100℃の範囲内、特に30〜80℃の範囲内の温度で行う。
反応に必要な反応時間は一般に2〜24時間、特に4〜16時間である。
段階 ii)の反応により、不活性溶媒、特に芳香族溶媒中に反応の副産物として生成する塩化アンモニウムと共に、一般式Iのスルホン酸ジアミドを含む反応混合物が得られる。次の反応の前に、一般に塩化アンモニウムを除去する。塩化アンモニウムは不活性溶媒中に懸濁固形物として存在するので、原理的にはろ過によって除去することができる。塩化アンモニウムは水抽出を用いて除去することが好ましい。水抽出はpH < 7、殊にpH < 5、特にpH < 3で実施することが好ましい。典型的には、抽出には希酸水溶液、殊に希塩酸水溶液、特に、2〜20重量%、特に5〜15重量%の塩化水素含有量を持つ塩酸水溶液を使用する。反応混合物の水抽出は一回以上行うことができる。
収率の減少を防ぐために、スルホン酸ジアミドIが溶解する適切な有機溶媒、殊に芳香族溶媒、特に反応に使用した不活性溶媒、特に反応に使用した芳香族溶媒で、合わせた水抽出物を一回以上再抽出することが好ましい。抽出された反応混合物は、任意選択で再抽出物を合わせた後、次の反応に十分な純度の、溶解した形のスルホン酸ジアミドIを含む。そのため溶液はそれ自体又はスルホン酸ジアミドIの単離後、次の反応へ進めることができる。任意選択で、スルホン酸ジアミドI溶液を蒸留により濃縮するが、これによりさらに、溶媒中に存在する水及び/又は酸が除去される。こうして得られた溶液からスルホン酸ジアミドを、慣習となっている方法、例えば、スルホン酸ジアミドIが溶解しない有機溶媒の添加を任意に伴う乾固濃縮又は結晶化により単離することも可能である。
こうして得られた一般式Iのスルホン酸ジアミドは、特に一般式IVの除草剤活性成分を生成するために使用することができる。
Figure 2011500536
式中、R1及びR2は上記に規定される。Raは水素又はC1-C4-アルキル、Rbは水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-ハロアルキル、X及びYはそれぞれ水素又はハロゲンで、X又はYラジカルの一つがCNでもよい。
従って、本発明はさらに、本発明による式Iのスルホン酸ジアミドの製法を、一般式IVの除草剤活性成分の生成に用いることに関する。
本発明はさらに、本明細書に記載した一般式IVの除草剤有効成分の、下記段階からなる製法を提供する:
a)本明細書及び特許請求の範囲に記載の製法による式Iのスルホン酸ジアミドの生成、
b)式Iのスルホン酸ジアミドが式Vの3-ニトロベンゾイルクロライドと反応し、式VIの3-ニトロベンゼンスルホンアミドを得る反応;
Figure 2011500536
c)式VIの3-ニトロベンゼンスルホンアミドの、式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドへの還元
Figure 2011500536
d)式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドの、式IVの化合物への変換。
ここで、式V、VI及びVII中の可変なR1、R2、X及びYはそれぞれ式IVに関して規定した通りである。
段階 b)、c)及びd)は原理的には先行技術から既知である。
式Iのスルホン酸ジアミドの式Vのニトロベンゾイルクロライドとの反応は、例えば、WO 2004/039768の15ページ、スキーム2に従って、並びにWO 2004/039768の16〜19ページの情報若しくは56ページの実施例1に従って又は本明細書に例示する実施例に従って実施することができる。WO 2004/039768のこの件に関する開示は参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。
段階 b)で得られた式VIの3-ニトロベンゼンスルホンアミドの、式VIIの対応する3-アミノベンゼンスルホンアミドへの還元は、同様に、WO 2004/039768の15ページ、反応スキーム2の詳細に従って、並びに、WO 2004/039768の19〜22ページ及び58〜60ページの情報に従って実施することができ、この件に関する開示は参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。より詳細には、化合物VIの化合物VIIへの還元は、WO 2004/039768の21 f.及び60ページに記載の接触水素化によって、又は本出願の実施例に従って実施される。
次の、式IVの化合物を得るための式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドの反応は、同様に先行技術、例えばWO 01/83459、 WO 2005/054208、 WO2006/010474及びWO06/125746から既知である。より詳細には、この変換は下記方法で実行できる:
−WO 01/83459の37ページのスキームに記載の方法による、化合物VIIのオキサジノンとの反応;
−WO 2006/010474及びWO 06/125746に記載の方法による、下記段階からなる反応:
d1) 式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドがC1-C4-アルキルクロロホルメートと反応し、式VIIIの化合物を得る反応
Figure 2011500536
式中、R1、R2、X及びYはそれぞれ式IVに規定され、R3はC1-C4-アルキルである、
d2) 化合物VIIIの、式IXの3-アミノアクリル酸エステルとの反応
Figure 2011500536
式中、Ra'は水素又はC1-C4-アルキル、Rbは水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-ハロアルキル並びにR4はC1-C4-アルキル。
d3) 式IXのRa'が水素の時、段階 d2)の後、段階 d2)で得られた、R aが水素である化合物IVのアルキル化を、RaaがC1-C4-アルキル且つLが求核的に置換可能な脱離基、例えばハロゲン、O-SO2R又はOSO2-OR'(R = C1-C4-アルキル、フェニル又はトリル、R' = C1-C4-アルキル)である化合物Raa-Lにより任意に実施することができる。アルキル化はWO 2006/010474及びWO 06/125746に記載の方法によって実施することができる。
−WO 2004/039768に記載の方法による、化合物VIIの、ホスゲン又はジホスゲンとの反応により、対応する、式Xのイソシアネートを得る反応
Figure 2011500536
並びに、続く、WO 2005/054208に記載の方法による、イソシアネートXの、式IXの3-アミノアクリル酸エステルとの反応。
これらの文書の開示は参照することにより本明細書に完全に組み込まれる。
下記実施例は本発明の説明に役立つ:
N-メチル-N-(1-メチルエチル)アミノスルホンアミド(R1=メチル、R2=1-メチルエチルである化合物I)の生成
段階 a):
最初に反応容器に、不活性ガス雰囲気下で、800 gのクロロベンゼン中の137.7 g(1.0 mol)の塩化スルフリルを入れ、内部温度-5℃に冷却した。ここに、300分に渡り、73.1 g(1.0 mol)のイソプロピルメチルアミン及び116.3 g(1.15 mol)のトリエチルアミンの混合物を添加した。この間、冷却により温度を0〜5℃の範囲内に保持した。添加が終了した後、得られた懸濁液を10℃でさらに120分間撹拌した。そしてこの懸濁液を250 gの10%塩酸に10℃で添加した。10℃で層を分離させ、有機層を250 gの10%塩酸水溶液を用いて10℃で再び洗浄した。有機層を取り出し、水を除去するため、減圧下(30 mbar、22〜41℃)で濃縮した。このようにして、570 gの塩化N-イソプロピル-N-メチルスルファモイルのクロロベンゼン溶液(約25重量%)を得た。これは収率84%に相当する。
段階 i)で得られた、343.4 gの塩化N-イソプロピル-N-メチルスルファモイルのクロロベンゼン溶液(25重量%濃度)を、窒素及びアンモニアでフラッシングした圧力容器内に導入した。次に、アンモニアの分圧を5 barに上昇させた。その後、反応内容物を50℃に加温し、この温度を8時間保持した。この間、6 barのアンモニア圧を保持した。ここで得られた懸濁液を210 gの塩酸水溶液(8%濃度)に添加した。この塩酸水溶液により反応混合物中に存在していた固形物が溶解した。水層のpHは約2であった。40℃で層を分離させ、水層を、各回372 gのクロロベンゼンを用いて2回抽出した。こうして、1065 gの6.3重量%の表題化合物のクロロベンゼン溶液を得た。これは収率88%に相当する。この溶液は直接次の反応に使用することができる。
2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロ-メチル)-1-(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]-ベンズアミド
段階 b): (2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミド
43.1 g(0.277 mol)のN-メチル-N-(1-メチルエチル)スルファモイルアミド及び0.77 g(12.0 mmol)のトリブチルメチルアンモニウムクロライドの637 gのクロロベンゼン中における溶液に、20℃で60分以内に、43.7 g(水中50%濃度)のNaOHを添加した。塩基添加開始から15分後、70 gのクロロベンゼン中における65.0 g(0.26 mol)の2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロベンゾイルクロライドを45分以内に添加した。両者の計量添加は同時に終了した。次に反応混合物を20℃で1時間撹拌し、424 gの水及び138 gのイソヘキサンを添加することによって希釈した。水層を濃塩酸でpH 4.5に酸性化し、その後68〜70℃で取り除いた。有機層を430 gの水及び60 gのイソヘキサンと混合し、熱いままでpH 4.5で再び層を分離させた。得られた有機層をさらなる280 gのイソヘキサンと混合し、その後5℃に冷却した。ろ過後、水で洗浄及び70℃減圧下で乾燥し、82.1 g(理論量の87%、純度97%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-ニトロベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスファミドを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 9.1 ppm (s, NH), 8.4 (d, Ar-H), 7.45 (d, Ar-H), 4.25 (sept., iso-Pr-H), 2.95 (s, Me), 1.25 (d, iso-Pr-H)。 iso-Pr = イソプロピル = 1-メチルエチル
段階 c): N-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミド
177 g(0.500 mol; 99.9%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを、397 gのメタノール中で2.17 g(0.008 mol%)の1% Pt/C(63%水中懸濁物)と混合した。撹拌しながら60-70℃で5 barの水素で混合物を水素化した。2時間後、溶液を減圧し、反応混合物を60℃でろ過し、溶媒を蒸留により除去した。157.8 g(理論値の97.5%、純度: 99%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを、黄白色の固体(m.p.: 147-149℃)として得た。
1H NMR (400 MHz, d-DMSO) δ =11.9 ppm (s, NH), 7.35 (d, Ar-H), 6.90 (d, Ar-H), 5.50 (br. s., NH2), 4.05 (sept., iso-Pr-H), 2.80 (s, Me), 1.15 (d, iso-Pr-H)。
段階 d1): N-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスファミド(変法1)
50.0 g(0.153 mol; 99.3%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドの225 gのトルエン溶液に、105-110℃で、22.7 g(0.207 mol)のエチルクロロホルメートを添加し、続いて混合物を108-110℃で6.5時間撹拌した。ロータリーエバポレーターで反応混合物を減圧濃縮乾固した。70℃で減圧乾固後、59.9 g(理論値の98.4%、純度99.7%)のN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)-アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを得た。
1H NMR (400 MHz, CDCl3) δ = 8.9 ppm (s, NH), 8.4 (d, Ar-H), 7.2 (d, Ar-H), 6.80 (s, NH), 4.30-4.20 (m, iso-Pr-H, CH2O), 2.95 (s, Me), 1.40 (q, CH3CH2O), 1.25 (d, iso-Pr-H)。
段階 d1): N-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミド(変法2)
50.0 g(0.153 mol; 99.3%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドの450 gのトルエン溶液に、105-110℃で、26.9 g(0.245 mol)のエチルクロロホルメートを添加し、その後混合物を108-110℃で6.5時間撹拌した。ロータリーエバポレーターで反応混合物を減圧濃縮乾固した。70℃で減圧乾固後、61.2 g(理論値の99.3%、純度98.4%)のN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを得た。
段階 d2): 2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-{[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル}-ベンズアミド
396 g(1 mol)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-[(エトキシカルボニル)アミノ]ベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを、室温で1583 gのDMF(= ジメチルホルムアミド)に溶解し、189 g(1.02 mol)のエチル3-アミノ-4,4,4-トリフルオロ-2-ブタノエートを添加した。115-120℃で4時間以内に378 g(2.1 mol)のナトリウムメトキシド溶液(メタノール中30%)を計量して入れ、この間にメタノール及びエタノールを蒸留除去した。混合物をさらに30分間撹拌し続けた。最後に、冷却しながら反応混合物を希硫酸に計量して入れ、添加終了後、反応混合物はpH < 2を示し、表題化合物が固形物として析出した。析出した生成物をろ過して取り出し、水で洗浄し乾燥させた。433 g(理論値の89%)の表題化合物を得た[m.p. 238℃ (分解)]。
段階 d3): 2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1-(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]ベンズアミド
最初に、25℃で、40.0 g(0.0785 mol)の2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロメチル)-1(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-{[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル}ベンズアミド、2.5 g(0.0078 mol)のテトラブチルアンモニウムブロミド(= TBAB)及び13.4 g(0.106 mol)の硫酸ジメチルを、トルエン、水及びTHF(= テトラヒドロフラン)混合物に加え、混合物を40℃に加温した。次に、10% NaOH水溶液を加えることにより、反応混合物のpHを5.3-5.5に設定した。混合物を40℃で1時間撹拌し、この間、10% NaOH水溶液を添加し続け、pHをあらかじめ設定したpHで一定にした。1時間後、10% NaOH水溶液の添加を停止し、するとすぐpHは4.4-4.5に落ちた。pH 4.4-4.5及び40℃でさらに5.5時間混合物を撹拌し続けた。反応終了後、層を分離させ、有機層を乾燥して溶媒を部分的に除去した。冷却の過程で、表題化合物が結晶化し、ろ過して取り出し、トルエンで洗浄して乾燥させた(33 g、84%)。
2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロ-メチル)-1-(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]-ベンズアミドの生成(中間の単離を含まない、段階 c)及びd1)の実施を含む変法):
生成は実施例2の方法と同様に実施するが、段階 c)及びd1)を下記の通り行うという相違点がある:
179 g(0.500 mol; 99%)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-3-ニトロベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチル-スルファミドを391 gのメタノール中で4.08 g(0.015 mol%)の1% Pt/C(63%水)と混合し、撹拌しながら60-70℃で5 barの水素で水素化した。2時間後、溶液を減圧し、60℃で反応混合物をろ過し、溶液を2200 gのトルエンと混合した。圧力を900 mbarから250 mbarへ徐々に下げながら、65-68℃でメタノールを反応の水と共に蒸留により除去した。次に、N-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドのトルエン懸濁液を106-107℃に加温し、64.4 g(0.588 mol)のエチルクロロホルメートと10分以内に混合した。続いて110℃で6.5時間混合物を撹拌した。次に、標準気圧で746 gのトルエンを蒸留除去し、混合物を内部温度5℃に冷却した。生成物溶液に150 mgの標的化合物を種結晶として導入後、5℃で60分以内に生成物が結晶化した。ろ過及び70℃で減圧乾燥後、166.2 g(理論値の95.0%、純度98.5%)のN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)アミノ}ベンゾイル]アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスファミドを得た。
2-クロロ-5-[3,6-ジヒドロ-3-メチル-2,6-ジオキソ-4-(トリフルオロ-メチル)-1-(2H)-ピリミジニル]-4-フルオロ-N-[[メチル-(1-メチルエチル)アミノ]スルホニル]-ベンズアミドの生成(d1)で得た生成物の結晶化を含む変法)
生成は実施例2の方法と同様に実施するが、段階 d1)を下記の通り行うという相違点がある:
350 gのメタノール及び18.4 gの水中の150.9 g(0.466 mol)のN-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミド溶液に1100 gのトルエンを添加した。圧力を900 mbarから250 mbarへ徐々に下げながら、65-68℃でメタノールを水と共に蒸留により除去した。次に、N-(2-クロロ-4-フルオロ-5-アミノベンゾイル)-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドのトルエン懸濁液を108-109℃に加温し、その後10分以内に64.4 g(0.588 mol)のエチルクロロホルメートと混合し、続いて110℃で6.5時間撹拌した。生成物溶液に100 mgの標的化合物を種結晶として導入後、5℃で60分以内に生成物が結晶化した。ろ過及び70℃で減圧乾燥後、169.6 g(理論値の92.0%、純度99.7%)のN-[2-クロロ-4-フルオロ-5-{(エトキシカルボニル)アミノ}ベンゾイル]アミノ}ベンゾイル]-N'-イソプロピル-N'-メチルスルファミドを得た。

Claims (12)

  1. 下記段階を含んでなる、式Iのスルホン酸ジアミドの製法。
    R1R2N-S(O)2-NH2 (I)
    式中、R1及びR2はそれぞれ独立に1〜8の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル、3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカル若しくは5〜8の炭素原子を持つシクロアルキルラジカルであるか、又は、窒素原子と共に、5〜8員の飽和窒素へテロ環を形成し、このヘテロ環は、窒素原子の他に、環員としてO及びSから選択される他のヘテロ原子を有してもよく、また窒素へテロ環は置換基としてそれぞれ1〜4の炭素原子を持つ1、2、3又は4つのアルキル基を有してもよい。
    i) 式IIの第二級アミン
    R1R2NH (II)
    (式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される)
    を不活性有機溶媒中において第三級アミン存在下で塩化スルフリルと反応させて、式III
    R1R2N-S(O)2-Cl (III)
    (式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定される)の塩化スルファモイルを得る段階、
    ii) 段階 i)で得られた式IIIの塩化スルファモイルをアンモニアと反応させる段階。
    ここで、式IIIの塩化スルファモイルは、段階 ii)において、段階 i)で得られた不活性有機溶媒中の溶液の形で使用する。
  2. 段階 i)が、反応中に形成された塩の抽出除去を含む、請求項1に記載の製法。
  3. 第三級アミンを第二級アミンに対して1.05〜1.5当量使用する、請求項1又は2に記載の製法。
  4. 第三級アミンがトリ-C1-C6-アルキルアミンである、請求項1〜3のいずれか一つに記載の製法。
  5. 式I、II及びIIIにおけるR1ラジカルが1〜8の炭素原子を持つ第一級アルキルラジカル又は3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルであり、R2ラジカルが3〜8の炭素原子を持つ第二級アルキルラジカルである、請求項1〜4のいずれか一つに記載の製法。
  6. 使用する式IIの第二級アミンがN-(1-メチルエチル)-N-メチルアミンである、請求項5に記載の製法。
  7. 段階 i)において式IIの第二級アミンと塩化スルフリルを1:1.1〜1.1:1のモル比で使用する、請求項1〜6のいずれか一つに記載の製法。
  8. 不活性有機溶媒が芳香族溶媒である、請求項1〜7のいずれか一つに記載の製法。
  9. 芳香族溶媒がクロロベンゼンからなる、請求項8に記載の製法。
  10. 段階 ii)において気体アンモニアを使用する、請求項1〜9のいずれか一つに記載の製法。
  11. 下記段階を含んでなる、一般式IVの除草剤活性成分の製法。
    Figure 2011500536
    式中、R1及びR2はそれぞれ上記に規定され、Raは水素又はC1-C4-アルキルであり、Rbは水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-ハロアルキルであり、X及びYはそれぞれ水素又はハロゲンであり、X又はYラジカルの一つがCNでもよい。
    a) 請求項1〜7のいずれか一つに記載の製法により式Iのスルホン酸ジアミドを生成する段階、
    b) 式Iのスルホン酸ジアミドを式Vの3-ニトロベンゾイルクロライドと反応させて、式VIの3-ニトロベンゼンスルホンアミドを得る段階、
    Figure 2011500536
    c) 式VIの3-ニトロベンゼンスルホンアミドを、式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドに還元する段階、
    Figure 2011500536
    d) 式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドを、式IVの化合物に変換する段階。
    ここで、式V、VI及びVII中の可変のR1、R2、X及びYはそれぞれ式IVに規定される。
  12. 段階 d)が下記段階を含んでなる、請求項11に記載の製法:
    d1) 式VIIの3-アミノベンゼンスルホンアミドをC1-C4-アルキルクロロホルメートと反応させて、式VIIIの化合物を得る段階、
    Figure 2011500536
    式中、R1、R2、X及びYはそれぞれ式IVに規定され、R3はC1-C4-アルキルである、
    d2) 化合物VIIIを、式IXの3-アミノアクリル酸エステルと反応させる段階、
    Figure 2011500536
    式中、Ra'は水素又はC1-C4-アルキルであり、Rbは水素、C1-C4-アルキル又はC1-C4-ハロアルキルであり、R4はC1-C4-アルキルであり、
    d3) Ra'が水素の場合、RaaがC1-C4-アルキル且つLが求核的に置換可能な脱離基である化合物Raa-Lにより、段階 d2)で得られた、Raが水素である化合物IVを任意にアルキル化して、一般式IVの化合物を得る段階。
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