JP2011257711A - 黒色硬化性樹脂組成物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)黒色着色剤とを含有する黒色硬化性樹脂組成物であって、前記(E)黒色着色剤が、(E‐1)カーボンブラック系黒色着色剤と(E‐2)ペリレン系黒色着色剤とを含有し、前記(E)黒色着色剤のうちの前記(E‐2)ペリレン系黒色着色剤の含有量が53質量%以上であることを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
カルボキシル基含有感光性樹脂は、特に限定されず、感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂、感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。(A)成分の例として、分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させてエポキシ(メタ)アクリレートを得て、生成した水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて得られる多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。光重合開始剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であり、8〜15質量部が好ましい。
希釈剤は、例えば、反応性希釈剤である光重合性モノマーであり、カルボキシル基含有感光性樹脂の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。光重合性モノマーとしては、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。上記した反応性希釈剤の配合量は、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜40質量部であり、10〜25質量部が好ましい。
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂がある。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。エポキシ化合物の配合量は、硬化後に十分な機械的強度の塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜50質量部であり、20〜30質量部が好ましい。
本発明では、黒色着色剤として(E‐1)カーボンブラック系黒色着色剤と(E‐2)ペリレン系黒色着色剤とを配合する。
カーボンブラック系黒色着色剤は、硬化物に隠ぺい力と漆黒性を付与するものである。カーボンブラック系黒色着色剤にはカーボンブラックを挙げることができる。カーボンブラックの種類は特に限定されず、例えば、ファーネスブラック、チャンネルブラック、アセチレンブラック等を挙げることができる。また、カーボンブラック系の顔料には、例えば、C.I.ピグメントブラック6、7、9、18等のカラーインデックス番号のものが挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ペリレン系黒色着色剤は、本発明の黒色硬化性樹脂組成物から形成した硬化物に隠ぺい力と黒色度を付与するとともに、黒色硬化性樹脂組成物に紫外光の透過性を付与するものである。ペリレン系黒色着色剤の種類は、特に限定されないが、塗膜深部の光硬化性の点から、波長300〜400nmの光の透過率が3%以上のペリレン系黒色着色剤が好ましい。黒色の色具合の調整、すなわち黒色中に含まれる赤味等の色調を低減して漆黒性を付与するのが容易であり、またはんだ耐熱後変色を抑える点から、上記光の透過率特性を有するのに加えてさらに波長400〜700nmの光の透過率が20%以下でもあるペリレン系黒色着色剤がより好ましい。さらに、漆黒性の付与がより容易な点から、上記した波長300〜400nm及び波長400〜700nmの光の透過率特性に加えて、少なくとも1669〜1671cm−1の間、1548〜1550cm−1の間、1498〜1500cm−1の間、1402〜1404cm−1の間、1283〜1285cm−1の間、822〜824cm−1の間、763〜765cm−1の間及び739〜741cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有しているペリレン系黒色着色剤が特に好ましい。
青色着色剤は、本発明の黒色硬化性樹脂組成物から形成した硬化物に、色差計によるL*値を下げて黒色度を高めるとともに、色差計によるa*値をプラス側から0値方向に近づけて漆黒性を付与するために配合する。カーボンブラック系黒色着色剤とペリレン系黒色着色剤とを配合すると、硬化物の色調に赤味が現れてプラスのa*値を有する場合がある。このことから、青色着色剤を添加することで、硬化物のa*値が0値に近づいて赤味が抑えられ、硬化物が漆黒性を有するようになる。
黄色着色剤は、本発明の黒色硬化性樹脂組成物から形成した硬化物に、色差計によるL*値を下げて黒色度を高めるとともに、色差計によるb*値をマイナス側から0値方向に近づけて漆黒性を付与するために配合する。カーボンブラック系黒色着色剤とペリレン系黒色着色剤とを配合すると、硬化物の色調に紫味が現れてマイナスのb*値を有する場合がある。このことから、黄色着色剤を添加することで、硬化物のb*値が0値に近づいて紫味が抑えられ、硬化物が漆黒性を有するようになる。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、攪拌機にて予備混合した後、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜13、比較例1〜5にて使用する黒色硬化性樹脂組成物を調製した。そして、調製した黒色硬化性樹脂組成物を後述する試験片作製工程を用いて基板上に塗工し、試験片を作成した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りの無い限り質量部を示す。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・リポキシSP‐4621:昭和高分子(株)製、多塩基酸変性クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂
(B)光重合開始剤
・イルガキュア907:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン
・イルガキュア369:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1
(C)希釈剤
・EDGAC:三洋化成(株)製、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート
(D)エポキシ化合物
・EPCRON 860:大日本インキ化学工業(株)製、ビスフェノールA型エポキシ樹脂
(E)黒色着色剤
・カーボンブラック:電気化学工業(株)製、「デンカブラック」
・LUMOGEN BLACK FK4281:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製
・LUMOGEN BLACK FK4280:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製
・Paliogen Black S 0084:ビーエーエスエフ アクチェンゲゼルシャフト社製
(F)青色着色剤
・リオノールブルーFG‐7351:東洋インキ製造(株)製、フタロシアニン系の顔料
(G)黄色着色剤
・クロモフタロイエローAGR:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、アントラキノン系の顔料
その他、DICY−7はジャパンエポキシレジン(株)製の硬化促進剤である。
回路パターン形成したガラスエポキシ基板(FR‐4)を、バフ研磨により表面処理した後、スクリーン印刷法にて、実施例1〜13及び比較例1〜5の黒色硬化性樹脂組成物をそれぞれ塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上に露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cm2露光した後、30℃、1%の炭酸ナトリウム水溶液にて現像後、BOX炉にて150℃で60分のキュアを行ってガラスエポキシ基板上に黒色硬化性樹脂組成物の硬化塗膜を形成し、試験片を作成した。硬化塗膜の厚みは20μmであった。
(1)解像性
所定のフォトマスク(ライン30〜130μm)を介して形成した露光部の残存ラインと抜けたスペースを目視にて確認、評価した。
(2)アンダーカット
幅100μmのフォトマスクを用いて硬化塗膜のラインを形成した基板について、基板を切断して切断面からライン観察し、ラインの表面側の幅(x)と底部側(深部側)の幅(y)を測定し、(x−y)/2からアンダーカットを評価した。
(3)L*値、a*値、b*値
色差計SE2000(日本電色工業(株))で測定した。
(4)透過率
硬化塗膜を形成したガラスエポキシ基板について波長400nmの光の透過率を測定し、別途測定したガラスエポキシ基板単体の波長400nmの光の透過率をベースラインに用いることで、硬化塗膜の透過率を測定した。透過率の測定には、UV分光光度計U−3310(日立ハイテクノロジー(株))を使用した。
(5)はんだ耐熱後変色
試験片を260℃のはんだ槽に20秒間浸せき後、硬化塗膜の状態を目視により観察して変色の程度を評価した。
Claims (12)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)黒色着色剤とを含有する黒色硬化性樹脂組成物であって、
前記(E)黒色着色剤が、(E‐1)カーボンブラック系黒色着色剤と(E‐2)ペリレン系黒色着色剤とを含有し、前記(E)黒色着色剤のうちの前記(E‐2)ペリレン系黒色着色剤の含有量が53質量%以上であることを特徴とする黒色硬化性樹脂組成物。 - 前記(E‐2)ペリレン系黒色着色剤の波長300〜400nmの光の透過率が、3%以上であることを特徴とする請求項1に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- 前記(E‐2)ペリレン系黒色着色剤の波長400〜700nmの光の透過率が、20%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- 前記(E‐2)ペリレン系黒色着色剤が、赤外線吸収スペクトル測定にて、少なくとも、1669〜1671cm−1の間、1548〜1550cm−1の間、1498〜1500cm−1の間、1402〜1404cm−1の間、1283〜1285cm−1の間、822〜824cm−1の間、763〜765cm−1の間、739〜741cm−1の間の吸収位置に赤外線吸収ピークを有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- さらに、(F)青色着色剤を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- 前記(F)青色着色剤が、フタロシアニン系の青色着色剤であることを特徴とする請求項5に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- さらに、(G)黄色着色剤を含有することを特徴とする請求項5または6に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- 前記(G)黄色着色剤が、アントラキノン系の黄色着色剤であることを特徴とする請求項7に記載の黒色硬化性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物を硬化させた硬化物。
- L*値が25以下、a*値及びb*値がいずれも−2〜2の範囲であることを特徴とする請求項9に記載の硬化物。
- 膜厚20μmにおける、波長400nmの光の透過率が、7.0%以上であることを特徴とする請求項9または10に記載の硬化物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の黒色硬化性樹脂組成物をソルダーレジストとして塗布したことを特徴とするプリント配線板。
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