JP5797680B2 - 活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 - Google Patents

活性エネルギー線硬化性樹脂組成物 Download PDF

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Description

本発明は、被覆材料、例えば、多層基板や両面基板等のプリント配線板等の基板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆材料と、多層基板や両面基板等のプリント配線板等の基板に形成されたスルーホールやバイアホール等の永久穴埋めと、に適した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、及びこれを硬化させた硬化物を被覆したプリント配線板等の被覆形成品に関するものである。
近年、プリント配線板が搭載された機器のさらなる高機能化と小型化が進み、より導体回路パターンの配線密度が高く、細線化したプリント配線板が、要求されている。そこで、導体回路パターンの多層構造であるビルドアップ基板が開発されている。多層プリント基板であるビルドアップ基板は、コア基板の両面に導体回路パターン層と絶縁被覆層を形成し、さらにその上から別の導体回路パターン層と絶縁被覆層を積み上げる、いわゆる、ビルドアップ工法にて製造する。
ビルドアップ基板では、各導体回路パターン層間を電気的に接続するために、絶縁被覆層を積み上げる際に、各絶縁被覆層に穴を開けておき、多層構造形成後に、前記穴(スルーホール)の内壁面にメッキ(無電界メッキまたは電界メッキ)処理を施して、各導体回路パターン層間を導通可能とする。一方で、ビルドアップ基板の使用条件によっては、前記スルーホールを介して、異物がビルドアップ基板の一方側から他方側へ進入するのを防止する必要性が生じる場合がある。このような場合、ビルドアップ基板の製造時に形成された前記スルーホールは、充填材で穴埋めされる必要がある。
そこで、特許文献1では、永久穴埋めのための充填材として、ボイドの残留やクラックの発生がなく、穴埋め作業性に優れた液状熱硬化性樹脂組成物として、(A)エポキシ樹脂、(B)硬化触媒及び(C)フィラーを含有する組成物であって、25℃での粘度が1500dPa・s以下、溶融粘度10dPa・s以下の温度でのゲルタイムが300秒以上、130℃でのゲルタイムが600秒以下である組成物が開示されている。
しかし、特許文献1では、ビルドアップ基板表面にソルダ−レジスト膜を設けるにあたり、予め、ソルダ−レジスト膜として使用する硬化性樹脂組成物とは別の樹脂組成物である上記液状熱硬化性樹脂組成物にてスルーホールを穴埋めしておく必要があった。従って、特許文献1では、充填材である液状熱硬化性樹脂組成物を用いたスルーホールの穴埋め工程と、液状熱硬化性樹脂組成物とは別の硬化性樹脂組成物を用いたソルダ−レジスト膜の形成工程とが必要となり、作業が煩雑であるという問題があった。
国際公開2002/44274
上記事情に鑑み、本発明の目的は、スルーホールの穴埋めとソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆の形成とに適した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を提供することである。
本発明の態様は、(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂と、(E)メルカプト基含有化合物と、を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、前記(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、25質量部〜50質量部含まれ、前記(E)メルカプト基含有化合物が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0.35質量部〜1.0質量部含まれていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(E)メルカプト基含有化合物が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0.10質量部〜1.0質量部含まれていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部〜40質量部含まれていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、さらに、(F)反応性希釈剤が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0超質量部〜15質量部含まれていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、光硬化して得られる硬化膜を有するプリント配線板である。
本発明の態様によれば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に(E)メルカプト基含有化合物を含むことにより、感度、塗膜硬度、はんだ耐熱性及び耐溶剤性等、プリント配線板のソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆に要求される特性を損なうことなく、耐金メッキ性等、スルーホールの充填用樹脂組成物(スルーホールの充填材)としても要求される特性をも有する硬化物を得ることができる。また、本発明の態様によれば、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に(E)メルカプト基含有化合物を含むことにより、スルーホールの充填用樹脂組成物(スルーホールの充填材)としても要求される特性でもある耐ホットエアレベラー性もさらに向上する。さらに、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、耐フィルム貼り付き性及び熱管理幅が損なわれないので、従来と同等程度の作業性も有している。
また、本発明の態様によれば、ソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆に要求される特性と、スルーホールの充填用組成物として要求される特性とを併せ持つ硬化物を得ることができるので、ソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆用とスルーホールの穴埋め用という、2種の樹脂組成物を作り分ける必要はなく、作業性が向上する。
本発明の態様によれば、(E)メルカプト基含有化合物が、(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0.10質量部〜1.0質量部含まれていることにより、より優れた耐金メッキ性を有する硬化物が得られ、スルーホールの充填用樹脂組成物としての特性がさらに向上する。
本発明の態様によれば、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂が、(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、20質量部〜40質量部含まれていることにより、より優れた耐フィルム貼り付き性と耐ホットエアレベラー性を有する硬化物が得られるので、塗工作業性がより優れ、スルーホールの充填用樹脂組成物及びソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆用の樹脂組成物としての特性がさらに向上する。
本発明の態様によれば、さらに、(F)反応性希釈剤が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0超質量部〜15質量部含まれていることにより、耐ホットエアレベラー性と耐フィルム貼り付き性とを損なうことなく、強度に優れた硬化物を得ることができる。
次に、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物について、詳細に説明する。本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂と、(E)メルカプト基含有化合物と、を含むものであって、上記各成分は以下の通りである。
(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂(以下、「(A)樹脂」ということがある。)について
(A)樹脂を用いることにより、樹脂組成物に光硬化性と現像性を与え、また、その硬化物に機械的強度を付与することができる。(A)樹脂は、特に限定されないが、具体例として、下記の化合物を挙げることができる。
(A)樹脂には、例えば、(A1)1分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環式エポキシ化合物のエポキシ基の2個以上に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに該反応により生成した水酸基に多塩基酸又は多塩基酸無水物を反応させることにより得られる化合物である活性エネルギー線硬化性樹脂(以下、「(A1)樹脂」ということがある。)を挙げることができる。脂環式エポキシ化合物とは、エポキシ基を構成する炭素が、同時に脂環骨格をも構成している化合物をいう。脂環式エポキシ化合物のエポキシ当量は特に限定されないが、1000以下が好ましく、より好ましくは100〜500である。
(A1)樹脂を構成する脂環式エポキシ化合物としては、例えば、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル−3’,4’−エポキシシクロヘキサンカルボキシレート、ビニルシクロヘキセンジエボキサイド、2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキサン付加物等が挙げられる。これらの脂環式エポキシ化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
脂環式エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えば、脂環式エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
上記のように、多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記脂環式エポキシ化合物とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせるものである。使用する多塩基酸又は多塩基酸無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。多塩基酸、多塩基酸無水物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。また、(A1)樹脂は、単独で使用してもよく、(A1)樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
また、(A)樹脂には、例えば、(A2)ビスフェノール型エポキシ樹脂またはノボラック型エポキシ樹脂のエポキシ基の2個以上に、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させ、さらに該反応により生成した水酸基に多塩基酸または多塩基酸無水物を反応させることにより得られる化合物である活性エネルギー線硬化性樹脂(以下、「(A2)樹脂」ということがある。)を挙げることができる。(A2)樹脂を構成するビスフェノール型エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、(A2)樹脂を構成するノボラック型エポキシ樹脂としては、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸、多塩基酸及び多塩基酸無水物については、上記(A1)と同様のものを使用することができる。
上記した(A1)樹脂〜(A2)樹脂は、単独で使用してもよく、(A1)樹脂〜(A2)樹脂のうち2種以上混合して使用してもよい。
(A)樹脂は、上記の通り、1分子中に1個以上のカルボキシル基を有している。(A)樹脂の酸価は特に限定されないが、その下限値は確実なアルカリ現像性の点から30mgKOH/gが好ましく、70mgKOH/gが特に好ましい。一方、その上限値はアルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から140mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から100mgKOH/gが特に好ましい。
(B)光重合開始剤について
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
波長300〜400nmの紫外光が本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物に照射されると、上記光重合開始剤が光硬化性成分である(A)樹脂と(D)成分の樹脂との光硬化を促進する。光重合開始剤の配合量は特に限定されないが、光硬化性成分100質量部に対して、1〜20質量部が好ましく、5〜15質量部が特に好ましい。
(C)エポキシ化合物について
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物には、例えば、エポキシ樹脂がある。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。エポキシ化合物の配合量は特に限定されないが、(A)樹脂100質量部に対して、硬化後に十分な機械的強度の塗膜を得る点から5〜50質量部が好ましく、10〜30質量部が特に好ましい。
(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂(以下、「(D)樹脂」ということがある。)について
(D)樹脂を含有させることにより、樹脂組成物に光硬化性を付与するとともに、(D)樹脂中のエポキシ基が(A)樹脂中のカルボキシル基と反応することで、硬化物の機械的強度が向上し、特に、より優れた耐ホットエアレベラー性を与えることができる。(D)樹脂は、特に限定されないが、具体例として、下記の化合物を挙げることができる。
(D)樹脂には、例えば、(D1)多官能のエポキシ(メタ)アクリレート(以下、「(D1)樹脂」ということがある。)を挙げることができる。(D1)樹脂は、1分子内にエポキシ基を2個以上有する樹脂に対し、ラジカル重合性不飽和カルボン酸である(メタ)アクリル酸による該エポキシ基の開環反応を利用して(メタ)アクリロイルオキシ基を2個以上導入して得られる化合物であり、ポリエステル、ポリエーテル又はアミンにより変性されていてもよい。上記化合物としては、例えば、ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、ビスフェノールA型エポキシ(メタ)アクリレート、ビスフェノールF型エポキシ(メタ)アクリレート)、ノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート(例えば、フェノールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート、クレゾールノボラック型エポキシ(メタ)アクリレート)、アミン変性ビスフェノール型エポキシ(メタ)アクリレートなどがあげられる。
また、(D1)樹脂では、ラジカル重合性不飽和カルボン酸として、(メタ)アクリル酸の代わりに、または(メタ)アクリル酸とともに、クロトン酸、桂皮酸などを用いてもよい。(D1)樹脂は、単独で使用してもよく、(D1)樹脂を2種以上混合して使用してもよい。
(D)樹脂は、エポキシ樹脂のエポキシ基について、その一部がエステル化されている。(D)樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、その下限値は強靭性の点から250が好ましく、はんだ耐熱性の点から350が特に好ましい。一方、その上限値は予備乾燥後のフィルム貼り付きの確実な防止の点から650が好ましく、現像性の点から550が特に好ましい。
(D)樹脂の配合量は特に限定されないが、その下限値は、(A)樹脂100質量部に対して、耐ホットエアレベラー性を付与する点から20質量部が好ましく、確実に耐ホットエアレベラー性を付与する点から25質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、(A)樹脂100質量部に対して、予備乾燥後のフィルム貼り付きの確実な防止の点から50質量部が好ましく、現像性の点から35質量部が特に好ましい。
(E)メルカプト基含有化合物について
メルカプト基含有化合物を樹脂組成物に含有させることにより、その硬化物に、感度、塗膜硬度、はんだ耐熱性及び耐溶剤性等、プリント配線板のソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆に要求される特性を損なうことなく、スルーホールの充填材として要求される特性である耐金メッキ性を付与することができ、さらに、スルーホールの充填材として要求される特性である耐ホットエアレベラー性もさらに向上する
メルカプト基含有化合物は、メルカプト基を有する化合物であれば特に限定されず、例えば、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾール等を挙げることができる。このうち、耐金メッキ性をより向上させる点から、2−メルカプトベンゾオキサゾール、2−メルカプトベンゾイミダゾール、2−メルカプトベンゾチアゾールが好ましく、2−メルカプトベンゾオキサゾールが特に好ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
メルカプト基含有化合物の配合量は、特に限定されないが、その下限値は、(A)樹脂100質量部に対して、確実に耐金メッキ性を付与する点から0.10質量部が好ましく、導体である銅に対する密着性の点から0.35質量部が特に好ましい。一方、その上限値は、現像性の点から1.0質量部が好ましく、保存安定性の点から0.55質量部が特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、上記(A)成分〜(E)成分の他に、必要に応じて、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の光硬化を十分にして、感光特性を向上させ、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性等の強度特性が確実に向上した硬化物を得るために、(F)反応性希釈剤を含有させることができる。
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、上記化合物であれば特に限定されず、例えば、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤の配合量は特に限定されないが、(A)樹脂100質量部に対して、耐フィルム貼り付き性と耐ホットエアレベラー性が損なわれるのを防止しつつ、感光特性を向上させ、耐酸性、耐熱性及び耐アルカリ性等の特性を向上させる点から15質量部以下が好ましく、5質量部以下が特に好ましい。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物には、上記各成分の他に、必要に応じて、さらに、種々の添加成分、例えば、体質顔料、顔料、溶剤(非反応性希釈剤)などを、適宜、含有させることができる。
体質顔料は、硬化物(例えば、塗工したソルダーレジスト膜)の機械的強度を補助的に向上させるためのものであり、例えば、シリカ、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ等を挙げることができる。
顔料は、特に限定されず、例えば、白色着色剤である酸化チタンや、白色以外の着色剤として、フタロシアニングリーン及びフタロシアニンブルー等のフタロシアニン系、アントラキノン系、並びにアゾ系等の有機顔料や、カーボンブラック等の無機顔料を挙げることができる。
溶剤は、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するためのものであり、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。
上記した本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合をしてもよい。
次に、上記した本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の使用方法例について説明する。例えば、導体回路パターンとスルーホールとを有するプリント配線板上に、スルーホール穴埋め用のマスクを載置し、スクリーン印刷、スキージ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ等、公知の塗工方法を用いて、上記のようにして得られた本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をスルーホールに充填し、スルーホールを穴埋めする。次に、スルーホール穴埋め用のマスクに代えて、絶縁被覆塗工用のマスクを、スルーホールの穴埋めされたプリント配線板上に載置し、スクリーン印刷、スキージ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ等、公知の塗工方法を用いて、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物、すなわち、スルーホール穴埋め用に使用した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を作製する。
その後、活性エネルギー線硬化性樹脂組成物中の溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行って、タックフリーの塗膜とスルーホール充填物を形成する。公知の塗工方法を用いて塗布した活性エネルギー線硬化性樹脂組成物の塗膜上に、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から活性エネルギー線(例えば、紫外線)を照射して塗膜を光硬化させる。次に、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜を現像させる。上記現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、特に限定されず、例えば、0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板上に目的とする絶縁被膜を形成させることができる。なお、ポストキュアは、60〜90℃にて50〜70分間、110〜130℃にて60〜80分間、130〜170℃にて50〜70分間と、段階的に昇温させてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜9、比較例1〜3
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜9、比較例1〜3にて使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りの無い限り質量部を示す。
Figure 0005797680
(A)樹脂
・リポキシSP-4621:昭和電工製。
(B)光重合開始剤
・IRGACURE907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ製。
・SPEEDCURE DETX:日本シイベルヘグナー製。
(C)エポキシ化合物
・EPICRON850:DIC製。
・TEPIC-S:日産化学工業製。
(E)メルカプト基含有化合物
・2−メルカプトベンゾオキサゾール:TOSCO製。
・アンテージMB:川口化学工業製。
・アクセルM:川口化学工業製。
(F)反応性希釈剤
・アロニックスM−400:東亞合成製。
その他の成分
・硫酸バリウムB30:堺化学工業製。
・リオノール2Y−301:東洋インキ製造(株)製。
・EDGAC:神港有機化学工業製。
(D)樹脂である表1中の「合成樹脂1」は、下記のように調製した。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロートおよび窒素導入管を備えた2リットルのセパラブルフラスコに、ビスフェノールA型エポキシ樹脂(エピコート828(ジャパンエポキシレジン製、エポキシ当量数185))56.7g、カルビトールアセテート21.0gおよびソルベントナフサ9.0gを導入し、60℃に加熱し混合した。次に、アクリル酸11.0g、トリフェニルフォスフィン1.7g、メチルハイドロキノン0.6gを加え、100℃にて10時間反応させ、反応生成物である合成樹脂1を得た。酸価は0.2mgKOH/g、エポキシ当量は固形分として440であった。
試験片作製工程
プリント配線板(銅張積層板(FR−4)、1.6mm厚、導体厚35μm)の表面を、バフ研磨後にスクラブ研磨して、スキージにて、実施例1〜9及び比較例1〜3にて使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物をスルーホールに充填してから、同じく、実施例1〜9及び比較例1〜3にて使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、スキージにて、プリント配線板の一方の表面に塗布してプリント配線板表面に塗膜を形成した。スルーホールを充填し塗膜を形成したプリント配線板を、BOX炉にて75℃で40分(BOX炉内45分)の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗膜上にネガフィルムを密着させ、露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて紫外線(波長300〜450nm)を400mJ/cm2露光した。その後、30℃、1%の炭酸ナトリウム水溶液を、スプレーを用いて0.1MPa、90秒間にて現像後、BOX炉にてポストキュアを行って、スルーホールが穴埋めされた、硬化塗膜を有する試験片を作製した。硬化塗膜の厚みは20〜23μmであった。ポストキュアは、150℃で30分間加熱する方法(下記表2では「<1>」)か、80℃にて60分間の加熱後に120℃にて70分間加熱してさらに150℃にて80分間加熱する方法(下記表2では「<2>」)のいずれかを採用した。
評価
(1)耐フィルム貼り付き性
上記予備乾燥工程後に、塗膜表面にネガフィルムを密着させ、露光した後に、ネガフィルムを剥がしてネガフィルムへの塗膜の付着の程度を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:まったく付着、貼り付き跡が認められない。
○:塗膜表面に貼り付き跡が認められる。
△:ネガフィルムの剥離に際し、抵抗が生じる。
×:ネガフィルムへの塗膜の付着が認められる。
(2)感度
上記予備乾燥工程後の基板に、感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、ステップタブレットを通しメインピ−クが365nmの波長の紫外線の照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用いて400mJ/cm照射したものをテストピ−スとした。1%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、2.0kg/cm のスプレ−圧で90秒間現像を行った後における露光部分の除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
(3)熱管理幅
予備乾燥時間を10分間隔で100分まで延長したものを試験片とし、上記露光工程後、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、2.0kg/cmのスプレー圧で90秒間現像を行い、塗膜を完全に除去することができる最長の予備乾燥時間(min)を測定した。
(4)塗膜硬度
JIS C 5012−1993 8.6.3に準拠して測定した。
(5)はんだ耐熱性
試験片の硬化塗膜を、JIS C 6481の試験方法に準じて、260℃のはんだ槽に10秒間浸せき後、セロハン粘着テープによるピーリング試験(剥離試験)を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
○:3サイクル繰り返し後に塗膜に若干の変化が認められる。
△:2サイクル繰り返し後に塗膜に変化が認められる。
×:1サイクル後に塗膜に剥離が認められる。
(6)耐溶剤性
硬化塗膜を有する試験片を常温の塩化メチレンに30分間浸漬した後、水洗をし、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:塗膜に全く変化が認められない。
○:塗膜に若干の変化が認められる。
△:塗膜に変化が認められる。
×:塗膜が膨潤して剥離が認められる。
(7)耐ホットエアレベラー性
プリント配線板の両表面に、実施例1〜9及び比較例1〜3にて使用する活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を塗布して塗膜を形成した以外は、上記試験片作製工程にて作製した試験片を使用した。この試験片の両表面にフラックスを塗布し、ホットエアレベラー処理(Pbフリーはんだを注入した250℃のはんだ槽に、7秒間浸せき)を行った後、スルーホールの穴埋めを行った付近の塗膜について、セロハン粘着テープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜の剥離が認められない。
○:3サイクル繰り返し後に塗膜の剥離が認められる。
△:2サイクル繰り返し後に塗膜の剥離が認められる。
×:1サイクル後に塗膜の剥離が認められる。
(8)耐無電解金メッキ性
硬化塗膜を有する試験片に金メッキ(3〜5μmのNiメッキ後、0.07μmをAuメッキ)加工後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、塗膜の剥がれ、変色について目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:塗膜に全く変化が認められない。
○:塗膜に若干の剥離が認められる。
×:塗膜に顕著な剥離が認められる。
実施例1〜9、比較例1〜3の評価結果を下記表2に示す。
Figure 0005797680
表2の実施例と比較例から、メルカプト基含有化合物を含むことにより、感度、塗膜硬度、はんだ耐熱性及び耐溶剤性といったプリント配線板のソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆に要求される特性を損なうことなく、耐無電解金メッキ性といったスルーホールの充填用樹脂組成物としても要求される特性をも有する硬化物を得ることができた。また、実施例1と比較例1及び実施例6と比較例3から、メルカプト基含有化合物を含むことにより、スルーホールの充填用樹脂組成物としても要求される特性でもある耐ホットエアレベラー性もさらに向上した。また、メルカプト基含有化合物を含んでも、耐フィルム貼り付き性や熱管理幅は損なわれることはなく、従来と同等の作業性も得られた。
また、実施例1と実施例3から、メルカプト基含有化合物が、(A)樹脂100質量部に対して、約0.41質量部含まれていると、さらに優れた耐無電解金メッキ性が得られた。実施例7と実施例8から、(A)樹脂100質量部に対して(D)樹脂を約28質量部含有させると、耐ホットエアレベラー性確実に向上し、実施例1と実施例7から、(A)樹脂100質量部に対して(D)樹脂を約32質量部含有させると、特に優れた耐ホットエアレベラー性が得られた。
また、実施例7〜9から、反応性希釈剤が、(A)樹脂100質量部に対して、約8質量部以下含まれると、耐フィルム貼り付き性と耐ホットエアレベラー性が損なわれるのを防止しつつ、感度が向上し、優れた耐無電解金メッキ性も得られた。また、実施例9から、反応性希釈剤が、(A)樹脂100質量部に対して、約16質量部含まれると、感度と熱管理幅、つまり作業性がより向上し、優れた耐無電解金メッキ性も得られた。
実施例2と比較例2から、本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、ポストキュアが長時間にわたっても、優れた耐無電解金メッキ性が得られ、耐ホットエアレベラー性も有する塗膜を得ることができた。
本発明の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物は、スルーホールの穴埋め用とソルダ−レジスト膜等の絶縁被覆の形成用とに使用できるので、特に、スルーホールを揺するビルドアップ基板の分野で利用価値が高い。

Claims (3)

  1. (A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)エポキシ化合物と、(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂と、(E)メルカプト基含有化合物と、を含む活性エネルギー線硬化性樹脂組成物であって、
    前記(D)1分子中に2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和カルボン酸とを反応させて得られた、カルボキシル基を有しない、前記エポキシ基の一部がエステル化された樹脂が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、25質量部〜50質量部含まれ、
    前記(E)メルカプト基含有化合物が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0.35質量部〜1.0質量部含まれていることを特徴とする活性エネルギー線硬化性樹脂組成物
  2. さらに、(F)反応性希釈剤が、前記(A)1分子中に1個以上のカルボキシル基と2個以上のエチレン性不飽和結合とを有する活性エネルギー線硬化性樹脂100質量部に対して、0超質量部〜15質量部含まれていることを特徴とする請求項に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物。
  3. 請求項1または2に記載の活性エネルギー線硬化性樹脂組成物を、光硬化して得られる硬化膜を有するプリント配線板。
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