JP5419618B2 - 感光性樹脂組成物、プリント配線板用のソルダーレジスト組成物およびプリント配線板 - Google Patents

感光性樹脂組成物、プリント配線板用のソルダーレジスト組成物およびプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、ソルダーレジストや各種レジストなどに好適に使用できる感光性樹脂組成物、プリント配線板用のソルダーレジスト組成物、およびこれを用いたプリント配線板に関するものである。
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は永久保護皮膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
また、近年、プリント配線板はLED等の実装用基板としても使用され、実装面に形成されるソルダーレジスト膜には、光源からの光の反射率を向上させる機能が求められている。このような用途では、ソルダーレジスト膜を形成するソルダーレジスト組成物として、白色ソルダーレジストが主に使用されている。
このようなソルダーレジスト組成物としては、例えば特許文献1に記載されているように、カルボキシル基含有感光性樹脂、光重合開始剤、希釈剤、エポキシ化合物、及び着色剤を含有する感光性樹脂組成物が知られている。この感光性樹脂組成物では、感光性樹脂にカルボキシル基を導入することによって、感光性や希アルカリ水溶液での現像性を付与させている。
また、この組成物では、その塗膜を露光、現像処理して所望のレジストパターンを形成したあと、通常熱硬化させるために、熱硬化成分として、エポキシ化合物を含有させ、感光性樹脂に導入したカルボキシル基とを反応させる加熱処理を行い、密着性、硬度、耐熱性、電気絶縁性などに優れるレジスト膜を形成させている。
さらに、特許文献1には、感光性樹脂組成物に酸化チタンを添加して白色ソルダーレジストとして使用することが開示されている。しかし、本白色ソルダーレジストの場合、単に芳香環を有しない樹脂をベースに酸化チタンを混合しただけである為、塗膜を加熱して硬化させたときに変色が起こり、着色することがあり、光反射率が低下するという問題があった。
このため、特許文献2には、UV照射、熱履歴による白色塗膜の変色及び反射率の低下を抑制する目的で、脂環骨格エポキシを原料とする感光性樹脂を主成分とし、更にトリメチロールプロパントリスチオプロピオネートなどのチオール系化合物を添加した感光性樹脂組成物が提案されている。
また、特許文献3には、熱硬化性樹脂組成物の耐熱性を改善する目的で、フェノール系酸化防止剤とイオウ系酸化防止剤とを併用する技術が開示されている。
特開2007−322546号公報 特開2008−211036号公報 特開2005−47945号公報
しかしながら、特許文献2に記載の発明では、脂環骨格エポキシを原料とする感光性樹脂を主成分とするため、耐変色性を抑える点では有効であったが、カルボキシル基を含有する感光性樹脂と比較してはんだ耐熱性、アルカリ現像性の点で改善の余地があった。また、特許文献2で使用されるチオール系化合物は、銅との密着性が強固になるため、アルカリ現像後の除去性の点で改善の余地があった。
また、特許文献3に記載の発明で使用される酸化防止剤は広範に及んでおり、実施例で使用された酸化防止剤の組合せを、感光性樹脂組成物に適用した場合、UV照射および加熱後の反射率が不十分となり、加熱後の変色の問題も生じやすいことが判明した。
そこで、本発明の目的は、アルカリ現像性が良好で、初期の反射率が高く、UV照射および加熱後の反射率の低下が小さく、加熱後の変色の問題も生じ難い感光性樹脂組成物、プリント配線板用のソルダーレジスト組成物、およびこれを用いたプリント配線板を提供することにある。
本発明者らは、カルボキシル基含有感光性樹脂を主成分とする感光性樹脂組成物に添加する酸化防止剤について鋭意研究したところ、特定のフェノール系化合物と有機イオウ系化合物とを併用することにより、上記課題が解決できることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の感光性樹脂組成物は、
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂、
(B)下記一般式(I)で表わされるフェノール系化合物、
(C)下記一般式(II)で表わされる有機イオウ系化合物、
(D)光重合開始剤、(E)希釈剤、(F)エポキシ化合物、及び(G)着色剤を含有することを特徴とする。
Figure 0005419618
(一般式(I)において、RおよびRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はブチル基を示す。)
(R-S-CHCHCOOCHC・・・・(II)
(一般式(II)において、Rは、炭素数10〜20のアルキル基を示し、4個のRは、同一でも異なっていてもよい。)
上記において、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(B)フェノール系化合物の含有量が0.1〜30質量部であり、(C)有機イオウ系化合物の含有量が0.1〜30質量部であることが好ましい。
また、本発明のプリント配線板用ソルダーレジスト組成物は、上記いずれかの感光性樹脂組成物からなることを特徴とする。
更に、本発明のプリント配線板は、上記のプリント配線板用ソルダーレジスト組成物の硬化物からなるソルダーレジストが形成されていることを特徴とする。
本発明によれば、アルカリ現像性が良好で、初期の反射率が高く、UV照射および加熱後の反射率の低下が小さく、加熱後の変色の問題も生じ難い感光性樹脂組成物、プリント配線板用のソルダーレジスト組成物、およびこれを用いたプリント配線板を提供することができる。
以下、本発明の組成物の各成分について述べる。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
カルボキシル基含有感光性樹脂としては、従来公知の感光性樹脂のうちカルボキシル基を含有するものであれば、いずれも使用することができる。写真現像法により、パターン形成する為に露光後の非露光領域を希アルカリ水溶液で除去する目的でカルボキシル基が含有される。それ自体に感光性の不飽和二重結合を1個以上有する感光性のカルボキシル基含有樹脂、および感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂のいずれも使用可能である。感光性の不飽和二重結合を有さないカルボキシル基含有樹脂については、熱硬化工程において、(F)成分であるエポキシ化合物の硬化剤として作用する。また、カルボキシル基含有感光性樹脂としては、芳香環を持つものを使用可能であるが、UV照射および加熱後の反射率の低下が小さく、加熱後の変色の問題を生じ難くする観点から、芳香環を持たないものが好ましい。
このようなカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば分子中にエポキシ基を2個以上有する脂環骨格エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にアクリル酸又はメタクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させた後、生成した水酸基に多塩基酸無水物を反応させたものを挙げることができる。
上記脂環骨格エポキシ樹脂とは、脂環骨格を有する樹脂であり、骨格が脂肪族環式化合物の連鎖によって形成されているエポキシ樹脂である。エポキシ当量の制限は特にないが、通常1000以下、好ましくは100〜500のものを用いる。
脂環骨格エポキシ樹脂としては、ダイセル化学工業社製「EHPE-3150」(2,2−ビス(ヒドロキシメチル)−1−ブタノールの1,2−エポキシ−4−(2−オキシラニル)シクロヘキセン付加物)などを例示できる。
これらのエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させると、エポキシ基とカルボキシル基の反応によりエポキシ基が開裂して水酸基とエステル結合が生成する。使用するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、特に制限は無く、例えばアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などがあるが、アクリル酸及びメタクリル酸の少なくとも一方(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、特にアクリル酸が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に制限は無く、例えばエポキシ樹脂とアクリル酸を適当な希釈剤中で加熱することにより反応できる。希釈剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。また触媒としては、例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミンなどのアミン類、トリフェニルホスフィン、トリフェニルホスフェートなどのリン化合物類等を挙げることができる。
上記のエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応において、エポキシ樹脂が有するエポキシ基1当量あたりラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を0.7〜1.2当量反応させる事が好ましい。アクリル酸又はメタクリル酸の少なくとも一方を用いるときは、さらに好ましくは0.8〜1.0当量加えて反応させる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が0.7当量未満であると、後続の工程の合成反応時にゲル化を起こすことがあり、あるいは樹脂の安定性が低下する。また、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が過剰であると未反応のカルボン酸が多く残存するため、硬化物の諸特性(例えば耐水性等)を低下させる恐れがある。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応は、加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、80〜140℃であることが好ましい。反応温度が140℃を超えるとラジカル重合性不飽和モノカルボン酸が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また80℃未満では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の希釈剤中での反応においては、希釈剤の配合量が反応系の総重量に対して、20〜50%である事が好ましい。エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の反応生成物は単離することなく、希釈剤の溶液のまま、次の多塩基酸類との反応に供する事ができる。
上記エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物である不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に、多塩基酸又はその無水物を反応させる。多塩基酸又はその無水物としては、特に制限は無く、飽和、不飽和のいずれも使用できる。このような多塩基酸としては、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としてはこれらの無水物が挙げられる。これらの化合物は単独で使用することができ、また2種以上を混合してもよい。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、上記のエポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応で生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を持たせる。反応させようとする多塩基酸又は多塩基酸無水物の使用量は、エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物が有する水酸基1モルに対し0.3〜1.0モルである事が望ましい。露光時に高感度の樹脂膜が得られる点からは、好ましくは0.4〜1.0モル、さらに好ましくは0.6〜1.0モルの割合で反応させる。0.3モル未満であると得られた樹脂の希アルカリ現像性が低下することがあり、また1.0モルを超えると最終的に得られる硬化塗膜の諸特性(例えば耐水性等)を低下させることがある。
多塩基酸は、上記の不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に添加され、脱水縮合反応され、反応時生成した水は反応系から連続的に取り出すことが好ましいが、その反応は加熱状態で行うのが好ましく、その反応温度は、70〜130℃であることが好ましい。反応温度が130℃を超えると、エポキシ樹脂に結合されたものや、未反応モノマーのラジカル重合性不飽和基が熱重合を起こし易くなり合成が困難になることがあり、また70℃以下では反応速度が遅くなり、実際の製造上好ましくないことがある。
上記の多塩基酸又は多塩基酸無水物と不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂との反応生成物である多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の酸価は、60〜300mgKOH/gが好ましい。反応させる多塩基酸の量により、反応生成物の酸価は調整できる。
上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂も(A)として使用できるが、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の有するカルボキシル基に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つグリシジル化合物を反応させることにより、ラジカル重合性不飽和基を更に導入し、さらに感光性を向上させた感光性樹脂とすることも好ましい。
この感光性を向上させた感光性樹脂は、最後のグリシジル化合物の反応によってラジカル重合性不飽和基が、その前駆体の感光性樹脂の高分子の骨格の側鎖に結合するため、光重合反応性が高く、優れた感光特性を持つことができる。1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を持つ化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。これらの化合物は単独で用いてもよく、混合して用いてもよい。
上記グリシジル化合物は、上記の多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の溶液に添加して反応させるが、その樹脂に導入したカルボキシル基1モルに対し、通常0.05〜0.5モルの割合で反応させる。得られる感光性樹脂を含有する感光性樹脂組成物の感光性(感度)や、上述した熱管理幅及び電気絶縁性等の電気特性などのことを考慮すると、好ましくは0.1〜0.5モルの割合で反応させるのが有利である。反応温度は80〜120℃が好ましい。このようにして得られるグリシジル化合物付加多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂からなる感光性樹脂は酸価が45〜250mgKOH/gである事が好ましい。
(A)の酸価が20〜200mgKOH/gの範囲にあることが好ましい。またカルボキシル基含有樹脂(A)の重量平均分子量は、3000〜100000の範囲にあることが好ましい。
(A)の具体例としては、不飽和二重結合基及びカルボキシル基を含有する共重合樹脂であるダイセル化学工業社製「サイクロマーP(ACA)Z−251」、「サイクロマーP(ACA)Z−250」、「サイクロマーP(ACA)Z−300」、「サイクロマーP(ACA)Z−320」、特許文献2記載の脂環骨格エポキシ樹脂(ダイセル化学工業社製「EHPE−3150」)から反応させた活性エネルギー線硬化性樹脂を例示できる。ただし、反応させた多塩基酸無水物として、芳香環を有しないものが好ましい。
一方、カルボキシル基含有感光性樹脂として、芳香環を持つものを使用する場合、脂環骨格エポキシ樹脂の代わりに、芳香環骨格エポキシ樹脂が原料として使用される。芳香環骨格エポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型エポキシ樹脂など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型エポキシ樹脂やビスフェノールS型エポキシ樹脂などが挙げられる。
そのほか、カルボキシル基含有感光性樹脂として、カルボキシル基含有ウレタン変性エポキシアクリレート樹脂である昭和高分子社製「リポキシSV−4」、日本化薬社製「カヤラックFLX−2062」等が挙げられる。
本発明の組成物において、(A)の含有量は10〜80質量%であることが好ましく、20〜50質量%であることが好ましい。
(B)フェノール系化合物
フェノール系化合物としては、下記一般式(I)で表わされるフェノール系化合物が使用される。
Figure 0005419618
(一般式(I)において、RおよびRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はブチル基を示す。)
具体的には、例えば
3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス{2−[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニルオキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス{2−[3−(3−iso−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオニルオキシ]1,1′−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス{2−[3−(4−ヒドロキシ−5−メチルフエニル)プロピオニルオキシ]1,1′−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、
3,9−ビス{2−[3−(3−t−ブチル−5−エチル−4−ヒドロキシフエニル)プロピオニルオキシ]1,1′−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどが挙げられる。
一般式(I)で表わされるフェノール系化合物は、市販品を使用することができ、スミライザーGA−80(Sumilizer GA−80、住友化学製)などとして販売されている。
(B)フェノール系化合物の使用量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部とすることが更に好ましい。
(C)有機イオウ系化合物
有機イオウ系化合物としては、下記一般式(II)で表わされる有機イオウ系化合物が使用される。
(R-S-CHCHCOOCHC・・・・(II)
(一般式(II)において、Rは、炭素数10〜20のアルキル基を示し、4個のRは、同一でも異なっていてもよい。)Rである炭素数10〜20のアルキル基としては、ラウリル基、ミリスチル基、パルミチル基、基、ステアリル基などが挙げられる。
有機イオウ系化合物の具体例としては、ペンタエリスリトールのラウリルチオプロピオネート、ステアリルチオプロピオネート、パルミチルチオプロピオネート、ステアリルチオプロピオネートが挙げられる。
一般式(II)で表わされる有機イオウ系化合物は、市販品を使用することができ、スミライザーTP−D(Sumilizer TP−D、住友化学製)などとして販売されている。
(C)有機イオウ系化合物の使用量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、0.1〜30質量部であることが好ましく、0.5〜20質量部とすることが更に好ましい。
(D)光重合開始剤
光重合開始剤としては、オキシム系開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン−n−ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2,2−ジエトキシ−2−フェニルアセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルフォリノ−プロパン−1−オン、4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル−2−(ヒドロキシ−2−プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p−フェニルベンゾフェノン、4,4′−ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2−メチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、2−ターシャリーブチルアントラキノン、2−アミノアントラキノン、2−メチルチオキサントン、2−エチルチオキサントン、2−クロルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルフォスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド等が挙げられる。これらを単独または組み合わせて用いることができる。
(D)光重合開始剤の使用量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、5〜20質量部であることが好ましく、5〜15質量部とすることが更に好ましい。
(E)希釈剤
希釈剤は、光重合性モノマー及び有機溶剤の少なくとも1種からなる。光重合性モノマーは、反応性希釈剤ともいわれるもので、これは(A)感光性樹脂の光硬化を更に十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する塗膜を得るために使用するものである。反応性希釈剤は、1分子中に二重結合を少なくとも2個有する化合物が好ましく用いられる。(A)感光性樹脂を含有する組成物の粘度や乾燥性を調節するために非反応性希釈剤である有機溶剤を用いてもよいが、その必要がなければ有機溶剤を用いなくてもよい。また、上記(A)感光性樹脂のみの光硬化性で足りる場合には光重合性モノマーを用いなくてもよい。
この光重合性モノマー(反応性希釈剤)の代表的なものとしては、例えば、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の反応性希釈剤が挙げられる。
上記の2〜6官能その他の多官能反応性希釈剤は単品又は複数の混合系のいずれにおいても使用可能である。この反応性希釈剤の添加量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜40質量部が好ましい。その添加量が少なすぎると、十分な光硬化が得られず、硬化塗膜の耐酸性等において十分な特性が得られず、また、多過ぎるとタックが激しく、露光の際アートワークフィルムの基板への付着が生じ易くなり、目的とする硬化塗膜が得られ難くなる。光硬化性、硬化塗膜の耐酸性、耐熱性等の物性、アートワークフィルムの基板への付着の防止の点から、反応性希釈剤の添加量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、より好ましくは4.0〜30質量部である。
上記の有機溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。有機溶媒を用いる場合には、その使用量は、(A)感光性樹脂100質量部に対して、40〜500質量部であることが好ましい。
(F)エポキシ化合物
エポキシ化合物としては、エポキシ系熱硬化性化合物の代表的なものとして、1分子中に少なくとも1個のエポキシ基、好ましくは2個以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂(エポキシオリゴマーを含む)が好適であるがこれに限らない。例えばビスフェノールAとエピクロルヒドリンとをアルカリの存在下に反応させて得られたビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールAとホルマリンとを縮合反応させて得られた樹脂のエポキシ化物、これらの樹脂において、ビスフェノールAの代わりにブロム化ビスフェノールAを用いたもの、ノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させてグリシジルエーテル化したノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、フタル酸ジグリシジルエステル、テトラヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ヘキサヒドロフタル酸ジグリシジルエステル、ジグリシジル−p−ヒドロキシ安息香酸、ダイマー酸グリシジルエステルなどのグリシジルエステル樹脂、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタン、トリグリシジル−p−アミノフェノールなどのグリシジルアミン系樹脂、(プロピレン、ポリプロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ポリテトラメチレングリコールジグリシジルエーテル、グリセロールポリグリシジルエーテル、トリメチロールプロパンポリグリシジルエーテル、レゾルシンジグリシジルエーテル、1,6ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、(エチレン、プロピレン)グリコールジグリシジルエーテル、ソルビトールポリグリシジルエーテル、ソルビタンポリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールポリグリシジルエーテルなどのグリシジルエーテル樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂などが挙げられる。
本発明の組成物において、(A)感光性樹脂100質量部に対して、当該樹脂のカルボキシル基数に相当するエポキシ基数が好ましく、(F)エポキシ化合物の使用量は、その当量数にもよるが、10〜100質量部とすることが好ましく、20〜50質量部とすることが更に好ましい。
(G)着色剤
着色剤が白色の場合、ルチル結晶構造を有する酸化チタン粒子が有効であり、塗膜を白色化する。この粒子の平均粒径は特に限定されないが、1〜0.01μmであってよい。また、ルチル型酸化チタン粒子の表面処理剤も限定されるものではない。
具体的には、富士チタン工業(株)製TR−600、TR−700、TR−750、TR−840、石原産業(株)製R−550、R−580、R−630、R−820、CR−50、CR−60、CR−90、CR−93、チタン工業(株)製KR−270、KR−310、KR−380等を使用することができる。
(G)着色剤の配合量は、カルボキシ基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは30〜200質量部、より好ましくは50〜150質量部である。その他、青、緑、黄、赤等の有彩色の顔料についても使用することができ、その配合量は、カルボキシ基含有樹脂(A)100質量部に対して、好ましくは0.1〜50質量部、より好ましくは1〜30質量部である。
具体例として、青色の場合、Pigment Blue 15、Pigment Blue 15:1、Pigment Blue 15:2、Pigment Blue 15:3、Pigment Blue 15:4、Pigment Blue 15:6、Pigment Blue 16、Pigment Blue 60、Solvent Blue 35、Solvent Blue 63、Solvent Blue 68、Solvent Blue 70、Solvent Blue 83、Solvent Blue 87、Solvent Blue 94、Solvent Blue 97、Solvent Blue 122、Solvent Blue 136、Solvent Blue 67、Solvent Blue 70等が挙げられる。
緑色としてはPigment Green 7、Pigment Green 10、Pigment Green 18、Pigment Green 36、Solvent Green 3、Solvent Green 5、Solvent Green 20、Solvent Green 28等を使用することができる。
黄色としてはSolvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202、Solvent Yellow 163、Pigment Yellow 24、Pigment Yellow 108、Pigment Yellow 193、Pigment Yellow 147、Pigment Yellow 199、Pigment Yellow 202、Pigment Yellow 93、Pigment Yellow 94、Pigment Yellow 95、Pigment Yellow 128、Pigment Yellow 155、Pigment Yellow 166、Pigment Yellow 180、Pigment Yellow 120、Pigment Yellow 151、Pigment Yellow 154、Pigment Yellow 156、Pigment Yellow 175、Pigment Yellow 181、Pigment Yellow 12, 、Pigment Yellow198等が挙げられる。
赤色としてはPigment Red 1, Pigment Red2,Pigment Red 3, Pigment Red17,Pigment Red 37,Pigment Red 37,Pigment Red 48:1, Pigment Red48:3,Pigment Red 50:1,Pigment Red 53:1,Pigment Red 57:1,68Solvent Red 135、Solvent Red 179、Pigment Red 123、Pigment Red 149、Pigment Red 166、Pigment Red 178、Pigment Red 179、Pigment Red 190、Pigment Red 194、Pigment Red 224、Red 216、Solvent Red 149、Solvent Red 150、Solvent Red 52、Solvent Red 207等が挙げられる。
その他下記の紫、オレンジ、茶色、黒などの着色剤も使用できる。例えば、Pigment Violet 19、Pigment Violet23、Pigment Violet29、Pigment Violet32、Solvent Violet 13、Solvent Violet36、C.I.Pigment Orange1、C.I.Pigment Orange5、C.I.Pigment Orange13,C.I.Pigment Orange17,C.I.Pigment Orange40、C.I.Pigment Brown23,C.I.Pigment Black25等がある。
以上の着色剤は、単独で用いても2以上混合することもできる。
(A〜G以外の成分)
本発明の組成物には、上記の成分(A)〜(G)のほかに、必要に応じてエポキシ樹脂用硬化剤として酸無水物などを含有させることができる。
酸無水物化合物としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸等の芳香族酸無水物類、無水テトラヒドロフタル酸、無水メチルテトラヒドロフタル酸等の環状脂肪族酸無水物が挙げられる。白色度の観点から、無水ヘキサヒドロフタル酸、無水メチルヘキサヒドロフタル酸等の水素化された環状脂肪族酸無水物が好ましい。
本発明の組成物には、上記の成分(A)〜(G)のほかに、必要に応じて種々の添加剤、例えば消泡剤、チクソ剤、レベリング剤、増粘剤、カップリング剤、難燃助剤、硬化促進剤、溶剤、体質顔料等の塗料用添加剤などを含有させることができる。
(A)〜(G)成分以外の他の成分の使用量は(A)感光性樹脂100質量部に対して、0質量部であって良いが、10〜30質量部が好ましく、15〜25質量部が更に好ましい。
(組成物の製造およびソルダーレジストの形成)
上記(A)〜(G)、および必要に応じてその他の成分が混合され、必要に応じて三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、あるいはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合され、本発明の感光性樹脂組成物が得られる。
上述のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物は、例えば銅張り積層板の銅箔をエッチングして形成した回路のパターンを有するプリント配線板に所望の厚さ、例えば5〜100μmの厚さで塗布される。
塗工の手段としては、現在スクリーン印刷法による全面印刷が一般に多く用いられるが、これを含めて均一に塗工できる塗工手段であればどのような手段を用いてもよい。例えば、スプレーコータ、ホンメルトコータ、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、エアナイフコータ、カーテンフローコータ、ロールコータ、グラビアコータ、オフセット印刷、ディップコータ、刷毛塗り、その他通常の方法は全て使用できる。
塗工後、必要に応じて熱風炉あるいは遠赤外線炉等でプリベークし、すなわち仮乾燥が行われ、塗膜の表面をタックフリーの状態にする。プリベークの温度はおおむね50〜100℃程度が好ましい。
次に、LDI(Laser Direct imaging)を用いたレーザー直描による露光が行われる。あるいは、活性エネルギー線を通さないようにしたネガマスクを用いて活性エネルギー線による露光が行われる。ネガマスクとしては活性エネルギー線が紫外線の場合にはネガフィルム、電子線の場合には金属製マスク、X線の場合には鉛製マスクがそれぞれ使用されるが、簡単なネガフィルムを使用できるためプリント配線板製造では活性エネルギー線として紫外線が多く用いられる。紫外線の照射量はおおむね10〜1000mJ/cmである。
露光は、プリント配線板製造の場合は、例えば回路のパターンのはんだ付けランド以外は透光性にしたパターンのネガフィルムを密着させ、その上から紫外線を照射させることにより行われるが、このはんだ付けランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。この除去は未露光部分の溶解、膨潤、剥離等のいずれでもよい。この際使用される希アルカリ水溶液としては0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が一般的であるが、他のアルカリも使用可能である。
次いで、熱硬化性化合物を含有する場合には、例えば130〜170℃の熱風炉又は遠赤外線炉等の乾燥機等で例えば20〜80分間加熱、あるいは紫外線照射することによりポストキュアを行ない、これによりソルダーレジスト皮膜を形成せしめることができる。
このようにしてソルダーレジスト膜で被覆したプリント配線板が得られ、これに電子部品が噴流はんだ付け方法や、リフローはんだ付け方法によりはんだ付けされることにより接続、固定されて搭載され、一つの電子回路ユニットが形成される。
本発明においては、その電子部品搭載前のソルダーレジスト皮膜を被覆したプリント配線板、このプリント配線板に電子部品搭載した電子部品搭載後のプリント配線板のいずれをもその対象に含む。
以下に実施例を示し、本発明をより具体的に説明する。これら実施例は、本発明における最良の実施形態の一例ではあるものの、本発明はこれら実施例により限定を受けるものではない。
(実施例1)
表1に示すように、下記の質量比で各成分を混合してソルダーレジスト組成物を作製した。
(A)感光性樹脂(ダイセル化学工業社製、サイクロマーP(ACA)Z-250)100質量部
(B)フェノール系化合物(住友化学工業社製、スミライザーGA−80)10質量部
(C)有機イオウ系化合物(住友化学工業社製、スミライザーTP−D)1質量部
(D)アルキルフェノン系光重合開始剤(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガキュア907)12.5質量部
(D)フォスフィンオキサイド系光重合開始剤(シイベルヘグナー社製、スピードキュアTPO)0.75質量部
(E)希釈剤(DPHA) 15質量部
(F)エポキシ化合物(DIC社製、EPICRON860)25質量部
(G)ルチル型酸化チタン(石原産業社製、R−680)50質量部
(他の成分)
消泡剤(信越シリコーン社製 KS‐66)1質量部
チクソ剤(日本アエロジル社製 AEROSIL R‐974)1質量部
DICY‐7(ジャパンエポキシレジン社製)1質量部
メラミン(日産化学社製)2質量部
EDGAC(ダイセル化学工業社製)20質量部
硫酸バリウム(堺化学工業社製、B−34)10質量部
(実施例2〜5)
実施例1において、表1に示すように、(B)フェノール系化合物と(C)有機イオウ系化合物の含有量を変更した以外は、実施例1と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例1)
実施例2において、表1に示すように、(C)有機イオウ系化合物を使用しないこと以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例2)
実施例2において、表1に示すように、(C)有機イオウ系化合物を住友化学工業社製、スミライザーTMPに変えること以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例3)
実施例2において、表1に示すように、(C)有機イオウ系化合物をチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノックスPS800FDに変えること以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例4)
実施例2において、表1に示すように、(B)フェノール系化合物を使用しないこと以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例5)
実施例2において、表1に示すように、(B)フェノール系化合物をチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1010に変えること以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例6)
実施例2において、表1に示すように、(B)フェノール系化合物をチバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製、イルガノックス1098に変えること以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(比較例7)
実施例2において、表1に示すように、(B)フェノール系化合物と(C)有機イオウ系化合物の何れも使用しないこと以外は、実施例2と同じ方法でソルダーレジスト組成物を作製した。
(1)評価試験片の作製
実施例および比較例の各配合物を3本ロールで混合分散させて、感光性樹脂組成物を調製した。この組成物の塗膜の評価結果を、組成と併せて表1に示す。評価をする際の基板作製工程は以下の通りである。
表面処理: バフ研磨
DRY膜厚: 20〜23μm
予備乾燥: 70℃−20分(BOX炉内25分)
露光 : レジスト上: 400mJ/cm (オーク社製HMW−680GW)
現像 : 1%NaCO−30℃−0.1MPa−60秒
ポストキュア: 150℃−60分(BOX炉内70分)
(2)反射率の測定
反射率は、分光光度計U−3410((株)日立製作所製:φ60mm積分球)にて、500nmにおける反射率を測定した。照射後:UV照射(50J)後硬化塗膜の反射率を測定した。加熱後:170℃で100時間加熱後硬化塗膜の反射率を測定した。
(3)変色性評価
260℃で5分間加熱後硬化塗膜の変色を目視にて評価した。○:変色なし、△:変色が若干認められる、×:黄変の基準で評価した。
(4)はんだ耐熱性
はんだ耐熱性は、試験片の硬化塗膜を、JIS C−6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に30秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1〜3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価した。
◎:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない○:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる△:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる×:1サイクル繰り返し後の塗膜に剥離が認められる。
(5)絶縁抵抗
電気特性はIPC−TM−650のIPC−SM840B B−25テストクーポンのくし形電極を用い、85℃、85%R.H.で200時間加湿した後の絶縁抵抗を、DC50Vを印加して測定した。
(6)アルカリ現像性
予備乾燥条件を80℃100分間で行った後、現像処理(1%NaCO−30℃−0.1MPa−60秒)することによって、導体上のレジスト残渣を目視で評価した。○:残渣なし、△:若干残渣が認められる、×:残渣ありの基準で評価した。
Figure 0005419618
実施例1〜5では、はんだ耐熱性と絶縁抵抗が良好でありながら、初期の反射率の低下や加熱後又は紫外線照射後の反射率の低下も見られず、加熱による変色も生じなかった。これに対して、(B)フェノール系化合物と(C)有機イオウ系化合物の何れも使用しない比較例7や、何れか一方のみを使用した比較例1と4では、加熱による黄変が生じ、初期の反射率の低下や加熱後又は紫外線照射後の反射率の低下が顕著に見られた。また、(B)フェノール系化合物や(C)有機イオウ系化合物として、本発明と異なるものを使用した比較例2〜3、5〜6では、アルカリ現像性が不十分となり、加熱による変色が若干認められ、初期の反射率の低下や加熱後又は紫外線照射後の反射率の低下が見られた。

Claims (4)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂、
    (B)下記一般式(I)で表わされるフェノール系化合物、
    (C)下記一般式(II)で表わされる有機イオウ系化合物、
    (D)光重合開始剤、(E)希釈剤、(F)エポキシ化合物、及び(G)着色剤を含有することを特徴とする感光性樹脂組成物。
    Figure 0005419618
    (一般式(I)において、RおよびRは、各々独立に、水素原子、メチル基、エチル基又はブチル基を示す。)
    (R-S-CHCHCOOCHC・・・・(II)
    (一般式(II)において、Rは、炭素数10〜20のアルキル基を示し、4個のRは、同一でも異なっていてもよい。)
  2. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(B)フェノール系化合物の含有量が0.1〜30質量部であり、(C)有機イオウ系化合物の含有量が0.1〜30質量部である請求項1記載の感光性樹脂組成物。
  3. 請求項1又は2記載の感光性樹脂組成物からなることを特徴とする、プリント配線板用ソルダーレジスト組成物。
  4. 請求項3記載のプリント配線板用ソルダーレジスト組成物の硬化物からなるソルダーレジストが形成されているプリント配線板。
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