JP6431517B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

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Description

本発明は、被覆材料、例えば、プリント配線板等の基板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆材料に適した感光性樹脂組成物、これを硬化させた硬化物及び該硬化物を被覆したプリント配線板に関するものである。
フレキシブルプリント配線板やリジット配線板等のプリント配線板は、基板の上に導体回路パターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は保護膜(例えば、ソルダーレジスト膜)で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
また、導体回路パターンを形成する導体が、従来の汎用の厚さ(10〜25μm程度)よりも厚く(35μm以上、例えば、厚さ50〜100μm)設計されることがある。厚い導体回路を有するプリント配線板に、ソルダーレジスト膜等の保護膜を形成する場合、それに応じて、保護膜の膜厚も厚く(例えば、厚さ60〜110μm)する必要があるので、感光性樹脂組成物を厚く(例えば、厚さ70〜150μm)塗工する必要がある。
そこで、光硬化型ソルダーレジスト層が、下層ソルダーレジストと上層ソルダーレジストからなる積層構造としたプリント配線板が提案されている(特許文献1)。
しかし、特許文献1のように、保護膜の原料である感光性樹脂組成物を厚く塗工すると、塗膜の厚さから、紫外線の露光時に塗膜の深部では紫外線が到達しにくくなるので、塗膜の感度(特に、塗膜底部付近の感度)が十分ではなく、高解像性や良好なライン形状が得られない場合があるという問題があった。
また、作業性の観点から、スプレー塗工法にて、感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗工することがある。しかし、スプレー塗工法にて、感光性樹脂組成物を、上記のように厚く塗工すると、塗膜にダレが生じてしまう問題や良好な塗膜外観が得られないという問題があった。
特開2010−129575号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を有し、ダレを防止でき、外観に優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板等の配線板を提供することにある。
本発明の態様は、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物であるラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸又はその無水物が反応した化合物である多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物が反応した反応生成物であるカルボキシル基含有感光性樹脂(以下、「(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂」ということがある。)と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)下記一般式(I)
[化1]
[R−N]+- (I)
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜25の飽和脂肪族炭化水素基または炭素数2〜25の不飽和脂肪族炭化水素基、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたハロゲンを表す。)で表される第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイト(以下、「(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイト」ということがある。)と、(F)疎水性シリカと、を含み、前記(F)疎水性シリカが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して4.5質量部〜20質量部含有する感光性樹脂組成物である。
上記態様では、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂は、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、さらに、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物が反応した化学構造となっているので、感光性が向上した特性を有している。また、「カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部」とは、カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分の質量部を意味する。
本発明の態様は、前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して5.0質量部〜20質量部含有する感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(F)疎水性シリカが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して5.5質量部〜13.5質量部含有し、前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して8.0質量部〜18質量部含有する感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの質量:前記(F)疎水性シリカの質量が、1.0:0.30〜3.0の範囲である感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記(F)疎水性シリカが、アルキルシリル基で修飾されているシリカである感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、前記第4級アンモニウム塩が、ジステアリルジメチルアンモニウム塩である感光性樹脂組成物である。
本発明の態様は、上記感光性樹脂組成物の光硬化物である。
本発明の態様は、上記感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板である。
本発明の態様によれば、カルボキシル基含有感光性樹脂として、上記した感光性の向上した特性を有する(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂を用い、さらに、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトと、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して4.5質量部〜20質量部の(F)疎水性シリカと、を配合することにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を有し、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の態様によれば、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが5.0質量部〜20質量部配合されることにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を損なうことなく、確実に、塗膜のダレを防止でき、硬化塗膜の外観をより向上させることができる。
本発明の態様によれば、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(F)疎水性シリカが5.5質量部〜13.5質量部、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが8.0質量部〜18質量部含有することにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を損なうことなく、ダレの防止と塗膜外観をバランス良く向上させることができる。
本発明の態様によれば、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの質量:(F)疎水性シリカの質量が1.0:0.30〜3.0であることにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、確実に、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
本発明の態様によれば、(F)疎水性シリカが、アルキルシリル基で修飾されているシリカであることにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、より確実に塗膜のダレを防止できる。
本発明の態様によれば、第4級アンモニウム塩がジステアリルジメチルアンモニウム塩であることにより、より確実に、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物であるラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸又はその無水物が反応した化合物である多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物が反応した反応生成物であるカルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)下記一般式(I)
[化1]
[R−N]+- (I)
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜25の飽和脂肪族炭化水素基または炭素数2〜25の不飽和脂肪族炭化水素基、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたハロゲンを表す。)で表される第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトと、(F)疎水性シリカと、を含み、前記(F)疎水性シリカが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して4.5質量部〜20質量部含有する。
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に多塩基酸又はその無水物を反応させて、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、得られた多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基の一部に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させた樹脂である。
本発明の感光性樹脂組成物に配合される(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂は、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、グリシジル化合物を反応させることで、さらに、ラジカル重合性不飽和基が、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の側鎖に導入されるので、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と比較して、優れた感光特性を有している。
従って、導体回路パターンを形成する導体が厚く(厚さ35μm以上、例えば、厚さ50〜100μm)設計されたプリント配線板に、膜厚の厚い(例えば、厚さ60〜110μm)保護膜を形成するために、感光性樹脂組成物を厚く(例えば、厚さ70〜150μm)塗工しても、塗膜の感度(特に、塗膜底部付近の感度)が優れているので、高解像性と良好なライン形状を有する硬化塗膜を得ることができる。
前記多官能性エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。多官能性エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されないが、3000以下が好ましく、2000以下がより好ましく、100〜500が特に好ましい。多官能性エポキシ樹脂には、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能性エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能性エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能性エポキシ樹脂、複素環式多官能性エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能性変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらの多官能性エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、桂皮酸などを挙げることができ、アクリル酸、メタクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応方法に特に限定されず、例えば、多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを適当な希釈剤中で加熱することにより反応させることができる。
多塩基酸又は多塩基酸無水物は、前記多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に反応し、樹脂に遊離のカルボキシル基を導入するためのものである。多塩基酸又はその無水物は特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられ、多塩基酸無水物としては、これらの無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物は特に限定されず、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタアクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されないが、その下限値は、確実なアルカリ現像の点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方、酸価の上限値は、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、硬化物の耐湿性と電気特性の劣化防止の点から150mgKOH/gが特に好ましい。
また、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されないが、その下限値は、硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から3000が好ましく、5000が特に好ましい。一方、質量平均分子量の上限値は、円滑なアルカリ現像性の点から200000が好ましく、50000が特に好ましい。
(B)光重合開始剤
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、いずれも使用可能である。具体的には、例えば、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、フェニルビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2−メチル−4’−(メチルチオ)−2−モルフォリノプロピオフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4‐ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
光重合開始剤の含有量は、特に限定されず、例えば、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂(固形分、以下同じ。)100質量部に対して、5〜20質量部が好ましい。
(C)反応性希釈剤
反応性希釈剤とは、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり少なくとも2つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、耐酸性、耐熱性、耐アルカリ性などを有する硬化物を得るために使用する。
反応性希釈剤は、上記化合物であれば特に限定されず、例えば、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチルメタクリレート、ジエチレングルコールモノメタクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリルレート、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジシクロペンテニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、カプロラクトン変性ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート類等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
反応性希釈剤の含有量は、特に限定されず、例えば、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、2.0〜200質量部が好ましく、10〜100質量部が特に好ましい。
(D)エポキシ化合物
エポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて十分な強度の硬化物を得るためのものであり、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂(フェノールノボラック型エポキシ樹脂、o−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、p−tert−ブチルフェノールノボラック型など)、ビスフェノールFやビスフェノールSにエピクロルヒドリンを反応させて得られたビスフェノールF型やビスフェノールS型エポキシ樹脂、さらにシクロヘキセンオキシド基、トリシクロデカンオキシド基、シクロペンテンオキシド基などを有する脂環式エポキシ樹脂、トリス(2,3−エポキシプロピル)イソシアヌレート、トリグリシジルトリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート等のトリアジン環を有するトリグリシジルイソシアヌレート、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂を挙げることができる。これらの化合物は単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されず、硬化後に十分な強度の塗膜を得る点から、例えば、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10〜200質量部が好ましく、20〜100質量部が特に好ましい。
(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイト
後述する(F)疎水性シリカとともに、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトを配合することにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成できる。
(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトは、下記一般式(I)
[化1]
[R−N]+- (I)
(式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜25の飽和脂肪族炭化水素基または炭素数2〜25の不飽和脂肪族炭化水素基、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたハロゲンを表す。)で表される第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトである。
第4級アンモニウム塩のR、R、R、Rは、それぞれ、炭素数1〜25の飽和脂肪族炭化水素基または炭素数2〜25の不飽和脂肪族炭化水素基であれば、特に限定されないが、確実にダレを防止して外観の優れた硬化塗膜を形成する点から、炭素数1〜5の飽和脂肪族炭化水素基と炭素数7〜22の飽和脂肪族炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩が好ましく、炭素数1〜2の飽和脂肪族炭化水素基と炭素数15〜20の飽和脂肪族炭化水素基を有する第4級アンモニウム塩が特に好ましい。
第4級アンモニウム塩の具体例としては、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジステアリルジメチルアンモニウム塩、塩化ステアリルトリメチルアンモニウム、臭化ステアリルトリメチルアンモニウム等のステアリルトリメチルアンモニウム塩、塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、臭化ラウリルトリメチルアンモニウム等のラウリルトリメチルアンモニウム塩、塩化ベヘニルトリメチルアンモニウム、臭化ベヘニルトリメチルアンモニウム等のベヘニルトリメチルアンモニウム塩、塩化ジオクチルジメチルアンモニウム、臭化ジオクチルジメチルアンモニウム等のジオクチルジメチルアンモニウム塩等を挙げることができる。これらのうち、より確実にダレを防止して外観の優れた硬化塗膜を形成する点から、塩化ジステアリルジメチルアンモニウム、臭化ジステアリルジメチルアンモニウム等のジステアリルジメチルアンモニウム塩が好ましい。
(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの含有量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、確実にダレを防止する点から5.0質量部が好ましく、銅箔等の導体付近のカバーリング性を向上させる点から8.0質量部が特に好ましい。また、上限値は、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、スプレー塗工を容易化しつつ、優れた硬化塗膜の外観を確実に維持する点から20質量部が好ましく、18質量部が特に好ましい。
(F)疎水性シリカ
上記した(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトとともに、(F)疎水性シリカを配合することにより、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成できる。
疎水性シリカは、例えば、シラノール基を有する親水性シリカの表面を、疎水性化合物で疎水化処理したシリカであり、球状または略球状の微粒子である。疎水性シリカとしては、例えば、四塩化ケイ素の火炎加水分解法により得られるヒュームドシリカやシリカエアロゲル等の微粉末シリカの表面を、疎水性化合物である、シラン化合物、シロキサン化合物等の有機ケイ素化合物で疎水化処理したものが挙げられる。上記疎水性化合物である有機ケイ素化合物としては、例えば、メタクリロキシシラン、メチルクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、ヘキサメチルジシラザン、ジメチルシロキサン、トリメトキシオクチルシラン、メタクリルシラン、アクリルシラン等が挙げられる。このうち、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、より確実に塗膜のダレを防止する点から、アルキルシリル基で表面が修飾されている疎水性シリカが好ましい。
疎水性シリカの一次粒子径は、特に限定されないが、分散性の点から3〜100nmが好ましく、5〜50nmが特に好ましい。また、疎水性シリカのBET比表面積は、特に限定されないが、例えば、50〜500m/gが好ましい。
疎水性シリカの含有量は、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して4.5質量部〜20質量部である。本発明の感光性樹脂組成物をスプレー塗工法にて厚く塗布する場合に、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、4.5質量部未満では十分にはダレを防止できないことがあり、20質量部超では、スプレー塗工法にて優れた硬化塗膜の外観を得られない場合がある。また、疎水性シリカの含有量の下限値は、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して5.5質量部が好ましく、疎水性シリカの含有量の上限値は、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して13.5質量部が好ましい。
また、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を損なうことなく、ダレの防止と塗膜外観をバランス良く向上させる点から、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、疎水性シリカが5.5質量部〜13.5質量部含有し、且つ(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが8.0質量部〜18質量部含有することが好ましい。
(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの質量と疎水性シリカの質量の比率は、特に限定されないが、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの質量:疎水性シリカの質量は、スプレー塗工法にて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、確実に、ダレを防止でき、外観の優れた硬化塗膜を形成する点から、1.0:0.30〜3.0が好ましく、1.0:0.50〜2.5がより好ましく、1.0:0.80〜1.5が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物では、上記(A)成分〜(F)成分に加えて、必要に応じて、種々の成分、例えば、着色剤、各種添加剤、有機溶剤等の非反応性希釈剤、フィラー等を配合することができる。
着色剤は、特に限定されず、例えば、白色着色剤としては、酸化チタン等の無機顔料、白色以外の着色剤としては、フタロシアニングリーン等の緑色着色剤、フタロシアニンブルー等の青色着色剤、アントラキノン系等の黄色着色剤などの有機顔料や、カーボンブラック等の黒色着色剤などの無機顔料を挙げることができる。
各種添加剤には、例えば、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、分散剤、シラン系、チタネート系及びアルミナ系等のカップリング剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の潜在性硬化剤、アセチルアセナートZn及びアセチルアセナートCr等のアセチルアセトンの金属塩、エナミン、オクチル酸錫、第4級スルホニウム塩、トリフェニルホスフィン、2−メルカプトベンゾイミダゾール等のイミダゾール類、イミダゾリウム塩類並びにトリエタノールアミンボレート等の熱硬化促進剤、ポリカルボン酸アマイド等のチキソ剤などを挙げることができる。
フィラーは、感光性樹脂組成物の塗膜の物理的強度を上げることに寄与するものであり、例えば、タルク、硫酸バリウム、シリカ、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等を挙げることができる。
非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の乾燥性や塗工粘度を調節するためのものであり、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン類;トルエン、キシレン、テトラメチルベンゼンなどの芳香族炭化水素類;メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルカルビトール、ブチルカルビトール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジプロプレングリコールモノエチルエーテル、トリエチレングリコールモノエチルエーテルなどのグリコールエーテル類;酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート及び上記グリコールエーテル類のエステル化物などのエステル類;エタノール、プロパノール、エチレングリコール、プロピレングリコールなどのアルコール類等を挙げることができる。
上記した感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて三本ロールにより混合分散させて製造することができる。また、必要に応じて、前記混合分散前に、攪拌機にて予備混合してもよい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、本発明の感光性樹脂組成物をプリント配線板の絶縁保護膜(例えば、ソルダーレジスト膜等)として塗工する方法を例にとって説明する。
上記のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔をエッチングして形成した回路パターン(例えば、導体である銅箔の厚さ50μm以上)を有する基板であるプリント配線板上に、スプレー塗工(スプレーコータ法)にて、所望の厚さ、例えばDRY膜厚が60μm以上とする場合、Wet膜厚70μm以上の厚さで塗布して塗膜を形成する。次に、感光性樹脂組成物に有機溶剤等の非反応性希釈剤が含まれている場合には、非反応性希釈剤を揮散させるために、60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行って、タックフリーの塗膜を形成する。
次に、予備乾燥を行った塗膜上に、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルム(フォトマスク)を密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用する希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュアを行うことにより、プリント配線板上に目的とするソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を形成させることができる。
なお、塗工方法として、スプレー塗工(スプレーコータ法)に代えて、スクリーン印刷、バーコータ、アプリケータ、ブレードコータ、ナイフコータ、ロールコータ、グラビアコータ等、他の公知の塗工方法を用いてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜7、比較例1〜7
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜7、比較例1〜7にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように塗工して試験片を作製した。下記表1中の数字は質量部を示す。また、下記表1中の空欄は配合なしを意味する。
Figure 0006431517
なお、表1中の各成分についての詳細は以下の通りである。
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂
カルビトールアセテート250質量部に、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂(住友化学工業(株)製、ESCN−220、エポキシ当量220)220質量部及びアクリル酸72質量部を溶解し、還流下に反応させて、クレゾールノボラック型エポキシアクリレートを得た。次いで、得られたクレゾールノボラック型エポキシアクリレートに、ヘキサヒドロ無水フタル酸138.6質量部を加え、酸価が理論値になるまで還流下で反応させた後、グリシジルメタクリレート56.8質量部を加え、さらに反応させて、固形分65質量%である(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂の合成樹脂(A−1)を得た。
(B)光重合開始剤
・イルガキュア907:BASFジャパン(株)
・KAYACURE DETX:日本化薬(株)
(C)反応性希釈剤
・DPHA:東亞合成(株)
(D)エポキシ化合物
・エピコート828、YX−4000K:三菱化学(株)
(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイト
・チキソゲルVP:united catalyst社
(F)疎水性シリカ
・アエロジルR974:ジメチルシリル基で表面を修飾、日本アエロジル(株)
フィラー
・硫酸バリウムB−34:堺化学工業(株)
・FH105:富士タルク(株)
着色剤
・ファーストゲングリーン:DIC社
各種添加剤
・メラミン:日産化学工業(株)
・DICY−7:ジャパンエポキシレジン(株)
・アンテージMB:川口化学工業(株)
・Disperbyk−103、BYK−410:ビックケミージャパン(株)
非反応性希釈剤
・PMA:三洋化成品(株)
(A)成分以外のカルボキシル基含有感光性樹脂
・リポキシSP−4621:昭和電工(株)
(E)成分以外の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイト
・チキソゲルLG:united catalyst社
親水性シリカ
アエロジル♯380:日本アエロジル(株)
試験片作製工程
基板:プリント配線板(ガラスエポキシ基板「FR−4」、板厚1.6mm、導体(Cu箔)厚18〜90μm)
基板表面処理:バフ研磨
塗工:スプレー塗工
塗工条件:吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、ディスク回転数(30000rpm)、印加電圧(−35KV)
Wet膜厚:100〜110μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm(メイン波長365nm、オーク社製「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア:150℃、60分
評価項目は、以下の通りである。
(1)チキソ比
イワタカップにて60〜65秒(25℃)になるよう溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテル)にて希釈後、ブルックフィールド社製の粘度計RVT型を用いて、スピンドル回転数5rpmで温度25℃における感光性樹脂組成物のBF粘度(η5)、および、スピンドル回転数50rpmで温度25℃における感光性樹脂組成物のBF粘度(η50)をそれぞれ測定した。そして、これらの測定値からチキソ比(η5/η50)を算出した。
(2)ダレ性
上記試験片作製工程において、立て掛けて行った予備乾燥の後の基板について、感光性樹脂組成物の塗膜を、目視にて以下の基準で評価した。
◎:導体厚90μmの細線パターン部に塗膜のダレ無し
○:導体厚90μmの細線パターン部には塗膜のダレが有るものの、導体厚60μmの細線パターン部には塗膜のダレ無し
△:導体厚60μmの細線パターン部には塗膜のダレが有るものの、導体厚35μmの細線パターン部には塗膜のダレ無し
×:導体厚35μmの細線パターン部に塗膜のダレ有り(導体厚18μmの細線パターン部には塗膜のダレ無し)
(3)感度
上記試験片作製工程において、80℃、20分の予備乾燥を行った後の基板の塗膜上に、感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、ステップタブレットを通してメイン波長が365nmの紫外線の照射光量を、積算光量計(「UV−351」、オ−ク社製)を用いて測定し、300mJ/cm 照射したものをテストピ−スとし、1質量%のNa2CO3水溶液を用い、0.2MPaのスプレー圧にて60秒間現像を行った後の露光部分の除去されない部分を、数字(ステップ数)で記録し、以下の基準にて評価した。
○:8ステップ以上
×:7ステップ以下
(4)スプレー塗工性
上記試験片作製工程における予備乾燥後における塗膜表面の外観を、目視により観察し、以下の基準にて評価した。
◎:気泡、ゆず肌ともなく、レベリング性良好である
○:若干のゆず肌がある、またはCu箔付近のカバーリングが若干薄い
△:若干のゆず肌に加え、塗膜表面が若干失沢している
×:ゆず肌がある、またはスプレー塗工が不可である
上記評価の結果を下記表2に示す。
Figure 0006431517
上記表2に示すように、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物が反応した反応生成物であるカルボキシル基含有感光性樹脂((A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂)に対応する合成樹脂(A−1)に、上記一般式(I)で表される第4級アンモニウム塩に対応する塩化ジステアリルジメチルアンモニウムで処理されたベントナイトである、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトと、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して約5.0質量部〜約18質量部の(F)疎水性シリカと、を配合した実施例1〜7では、厚さ35μm以上の導体パターンに対し、スプレー塗工法にて、Wet膜厚100〜110μmと感光性樹脂組成物を厚く塗布しても、優れた感度を有し、ダレを防止でき、また、スプレー塗工において外観の優れた硬化塗膜を形成できた。
また、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、(F)疎水性シリカが約6.0質量部〜約13質量部、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが約9.0質量部〜約18質量部配合された実施例2〜4では、スプレー塗工法にてWet膜厚100〜110μmと厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を損なうことなく、厚さ60μmの導体パターンに対してもダレを防止でき、硬化塗膜の外観もより向上させることができた。
一方で、上記表2に示すように、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して約4.0質量部の(F)疎水性シリカを配合した比較例1では、Wet膜厚100〜110μmでも感度は良好であったものの、厚さ35μmの導体パターンに対してダレが発生した。また、(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して約27質量部の(F)疎水性シリカを配合した比較例4では、Wet膜厚100〜110μmでも感度は良好であったものの、スプレー塗工において良好な外観が得られなかった。また、多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物を反応させなかったカルボキシル基含有感光性樹脂を配合した比較例2、7では、良好な感度が得られなかった。
また、(F)疎水性シリカに代えて親水性シリカを配合した比較例3では、厚さ35μmの導体パターンに対してダレが発生した。また、(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトを配合しなかった比較例5、上記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトに代えて、塩化ステアリルベンジルジメチルアンモニウム処理されたベントナイトを配合した比較例6では、厚さ35μmの導体パターンに対してダレが発生し、さらに、スプレー塗工において良好な外観も得られなかった。
本発明では、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、優れた感度を有し、ダレを防止でき、外観に優れた硬化塗膜を形成できるので、例えば、厚い導体パターン(例えば、厚さ35μm以上)を有するプリント配線板にソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を設ける分野で利用価値が高い。

Claims (8)

  1. (A)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能性エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応生成物であるラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸又はその無水物が反応した化合物である多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基に、ラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有するグリシジル化合物が反応した反応生成物であるカルボキシル基含有感光性樹脂と、
    (B)光重合開始剤と、
    (C)反応性希釈剤と、
    (D)エポキシ化合物と、
    (E)下記一般式(I)
    [化1]
    [R−N]+- (I)
    (式中、R、R、R、Rは、それぞれ独立に、炭素数1〜25の飽和脂肪族炭化水素基または炭素数2〜25の不飽和脂肪族炭化水素基、Xは、フッ素、塩素、臭素及びヨウ素からなる群から選択されたハロゲンを表す。)
    で表される第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトと、
    (F)疎水性シリカと、
    を含み、
    前記(F)疎水性シリカが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して4.5質量部〜20質量部含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して5.0質量部〜20質量部含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(F)疎水性シリカが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して5.5質量部〜13.5質量部含有し、前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトが、前記(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して8.0質量部〜18質量部含有する請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(E)成分の第4級アンモニウム塩で処理されたベントナイトの質量:前記(F)疎水性シリカの質量が、1.0:0.30〜3.0の範囲である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(F)疎水性シリカが、アルキルシリル基で修飾されているシリカである請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記第4級アンモニウム塩が、ジステアリルジメチルアンモニウム塩である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化物。
  8. 請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板。
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