JP2020148971A - 感光性樹脂組成物 - Google Patents

感光性樹脂組成物 Download PDF

Info

Publication number
JP2020148971A
JP2020148971A JP2019047678A JP2019047678A JP2020148971A JP 2020148971 A JP2020148971 A JP 2020148971A JP 2019047678 A JP2019047678 A JP 2019047678A JP 2019047678 A JP2019047678 A JP 2019047678A JP 2020148971 A JP2020148971 A JP 2020148971A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
photosensitive resin
resin composition
mass
silica
parts
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2019047678A
Other languages
English (en)
Inventor
将暢 石坂
Masanobu Ishizaka
将暢 石坂
大塚 潔
Kiyoshi Otsuka
大塚  潔
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Tamura Corp
Original Assignee
Tamura Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Tamura Corp filed Critical Tamura Corp
Priority to JP2019047678A priority Critical patent/JP2020148971A/ja
Publication of JP2020148971A publication Critical patent/JP2020148971A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Materials For Photolithography (AREA)
  • Non-Metallic Protective Coatings For Printed Circuits (AREA)

Abstract

【課題】本発明の目的は、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性、レベリング性、導体パターン間の埋まり性、柔軟性(折り曲げ性)のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板等の配線板を提供することにある。【解決手段】(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)シリカで被覆されたウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、(F)非反応性希釈剤と、を含有する感光性樹脂組成物。【選択図】なし

Description

本発明は、被覆材料、例えば、フレキシブルプリント配線板等の基板に形成された導体回路パターンを被覆するための被覆材料に適した感光性樹脂組成物、これを硬化させた硬化物及び該硬化物を被覆したプリント配線板に関するものである。
プリント配線板は、基板の上に導体回路パターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は絶縁保護膜(例えば、ソルダーレジスト膜)で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
また、導体回路パターンを形成する導体が、従来の汎用の厚さ(10〜25μm程度)よりも厚く(例えば、厚さ35μm以上)設計されることがある。厚い導体回路を有するプリント配線板に、ソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を形成する場合、それに応じて、保護膜の膜厚も厚く(例えば、厚さ30〜35μm)する必要があるので、感光性樹脂組成物を厚く(例えば、厚さ30〜35μm)塗工する必要がある。
そこで、光硬化型ソルダーレジスト層が、下層ソルダーレジストと上層ソルダーレジストからなる積層構造としてソルダーレジスト膜を厚膜化したプリント配線板が提案されている(特許文献1)。
一方で、近年、電子機器の小型化等から、折り曲げ性に優れたフレキシブルプリント配線板が使用されることがある。フレキシブルプリント配線板に塗工される絶縁被膜には、特に、導体エッジ部のカバーリング性、柔軟性が要求される。また、厚い導体回路を有するプリント配線板にソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を形成する場合には、導体パターン間の埋まり性を得る点から、スクリーン印刷法ではなくスプレー塗工法にて、感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗工することがある。
しかし、スプレー塗工法にて感光性樹脂組成物をプリント配線板に塗工すると導体エッジ部のカバーリング性が得られないので、従来、スプレー塗工用の感光性樹脂組成物にシリカや有機ベントナイトを配合することで、導体パターン間の埋まり性に加えて、導体エッジ部のカバーリング性を付与することが行われていた。しかし、感光性樹脂組成物にシリカや有機ベントナイトを配合すると、絶縁被膜に柔軟性を付与することができず、また、レベリング性が低下する場合があるので、従来の感光性樹脂組成物では、厚い導体回路を有するフレキシブルプリント配線板の絶縁被膜としての特性に改善の余地があった。
特開2010−129575号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性、レベリング性、導体パターン間の埋まり性、柔軟性(折り曲げ性)のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できる感光性樹脂組成物、該感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板等の配線板を提供することにある。
本発明の構成の要旨は、以下の通りである。
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)シリカで被覆されたウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、(F)非反応性希釈剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
[2]前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、10質量部以上100質量部以下含有する[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、50質量部以上70質量部以下含有する[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が、1%以上である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が、8%以上である[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(F)非反応性希釈剤が、1013hPaにおける沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤を前記(F)非反応性希釈剤中に30質量%以上含有する[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7]1013hPaにおける沸点が110℃以上160℃以下の前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである[6]に記載の感光性樹脂組成物。
[8]スプレー塗工用である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[9][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化物。
[10][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板。
シリカで被覆されたウレタンビーズについて、「シリカの被覆率」は、シリカ被覆ウレタンビーズの質量に対する、ウレタンビーズの外表面に被覆されたシリカの質量の割合を意味する。
本発明の態様によれば、シリカで被覆されたウレタンビーズを配合することにより、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性、レベリング性、導体パターン間の埋まり性、柔軟性(折り曲げ性)のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できる。
本発明の態様によれば、シリカで被覆されたウレタンビーズをカルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し10質量部以上100質量部以下含有することにより、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性、レベリング性、導体パターン間の埋まり性及び柔軟性(折り曲げ性)がバランスよく向上した硬化塗膜を形成できる。また、本発明の態様によれば、シリカで被覆されたウレタンビーズを前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し50質量部以上70質量部以下含有することにより、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性とレベリング性とにさらに優れた硬化塗膜を形成できる。
本発明の態様によれば、シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が8%以上であることにより、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、さらに優れた導体エッジ部のカバーリング性を得ることができる。
本発明の態様によれば、非反応性希釈剤が、1013hPaにおける沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤を前記非反応性希釈剤中に30質量%以上含有することにより、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、さらに優れた導体エッジ部のカバーリング性を得ることができる。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について、以下に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、(A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)シリカで被覆されたウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、(F)非反応性希釈剤と、を含有する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
(A)成分のカルボキシル基含有感光性樹脂の構造は、特に限定されず、例えば、感光性の不飽和二重結合を1個以上と遊離のカルボキシル基を有する樹脂が挙げられる。前記カルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成したラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の水酸基に、多塩基酸及び/またはその無水物を反応させることで得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂などを挙げることができる。
前記多官能エポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であれば、化学構造は、特に限定されない。また、多官能エポキシ樹脂のエポキシ当量は、特に限定されず、例えば、その上限値は、3000g/eqが好ましく、2000g/eqがより好ましく、1500g/eqが特に好ましい。一方で、その下限値は、100g/eqが好ましく、200g/eqが特に好ましい。
多官能エポキシ樹脂としては、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらのエポキシ樹脂に、さらにBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、特に限定されず、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸等を挙げることができる。これらのうち、入手と取り扱いが容易である点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを反応させる方法は、特に限定されず、例えば、多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸とを有機溶媒等の希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
多塩基酸及び/または多塩基酸無水物が、前記多官能エポキシ樹脂とラジカル重合性不飽和モノカルボン酸との反応により生成した水酸基に付加反応することで、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂に遊離のカルボキシル基が導入される。多塩基酸、多塩基酸無水物の化学構造は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸としては、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸等のヘキサヒドロフタル酸類、メチルテトラヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸等のテトラヒドロフタル酸類、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等が挙げられる。多塩基酸無水物としては、上記した各種多塩基酸の無水物が挙げられる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸及び/または多塩基酸無水物とを反応させる方法は、特に限定されず、例えば、ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と多塩基酸及び/または多塩基酸無水物とを有機溶媒等の希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
上記した多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂もカルボキシル基含有感光性樹脂として使用できるが、上記のようにして得られた多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂のカルボキシル基の一部に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物を付加反応させて得られる、ラジカル重合性不飽和基をさらに付加した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を使用してもよい。ラジカル重合性不飽和基をさらに付加した多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂は、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂の側鎖にラジカル重合性不飽和基がさらに導入されている化学構造を有している。従って、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂よりも、感光性がさらに向上したカルボキシル基含有感光性樹脂である。
1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物としては、例えば、グリシジル化合物を挙げることができる。グリシジル化合物としては、例えば、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に1つ有していてもよく、複数有していてもよい。また、上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と、グリシジル化合物等の1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物と、を反応させる方法は、特に限定されず、例えば、多塩基酸変性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂と1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物とを、有機溶媒等の希釈剤中で溶解させて加熱する方法が挙げられる。
カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価は、特に限定されず、例えば、その下限値は、確実にアルカリ現像性を得る点から30mgKOH/gが好ましく、40mgKOH/gが特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の酸価の上限値は、例えば、アルカリ現像液による露光部の溶解防止の点から200mgKOH/gが好ましく、光硬化物の耐湿性と絶縁信頼性の低下を確実に防止する点から150mgKOH/gが特に好ましい。
カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量は、特に限定されず、例えば、その下限値は、光硬化物の強靭性及び指触乾燥性の点から6000が好ましく、7000がより好ましく、8000が特に好ましい。一方で、カルボキシル基含有感光性樹脂の質量平均分子量の上限値は、例えば、良好なアルカリ現像性を得る点から200000が好ましく、100000がより好ましく、50000が特に好ましい。なお、「質量平均分子量」とは、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて、常温で測定し、ポリスチレン換算にて算出される質量平均分子量を意味する。
カルボキシル基含有感光性樹脂は、上記各成分を用いて上記反応工程にて調製してもよく、上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂を使用してもよい。上市されているカルボキシル基含有感光性樹脂としては、例えば、「SP−4621」(昭和電工株式会社)、「KAYARAD ZAR−2000」、「KAYARAD ZFR−1122」、「KAYARAD FLX−2089」、「KAYARAD ZCR−1569H」(以上、日本化薬株式会社)、「サイクロマーP(ACA)Z−250」(ダイセル・オルネクス株式会社)等を挙げることができる。また、これらのカルボキシル基含有感光性樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)エポキシ化合物
(B)成分のエポキシ化合物は、硬化物の架橋密度を上げて十分な強度の硬化物を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂が挙げられる。エポキシ樹脂としては、例えば、上記したカルボキシル基含有感光性樹脂の調製に使用する多官能エポキシ樹脂と同じエポキシ樹脂を挙げることができる。具体的には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト−クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキシ化合物は単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ化合物の含有量は、特に限定されないが、例えば、硬化後に十分な強度の塗膜を得る点から、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、10質量部以上100質量部以下が好ましく、10質量部以上50質量部以下が特に好ましい。
(C)シリカで被覆されたウレタンビーズ(シリカ被覆ウレタンビーズ)
(C)成分のシリカで被覆されたウレタンビーズが配合されることで、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、導体エッジ部のカバーリング性(以下、単に「カバーリング性」ということがある。)、レベリング性、導体パターン間の埋まり性(以下、単に「埋まり性」ということがある。)、柔軟性(折り曲げ性)のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できる。シリカで被覆されたウレタンビーズは、ウレタンビーズの外表面の少なくとも一部領域にシリカが被覆されている粒子状物質である。従って、シリカで被覆されたウレタンビーズでは、ウレタンビーズがコア部を形成し、シリカがシェル部を形成している。
シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率は、特に限定されないが、例えば、シリカの被覆率の下限値は、感光性樹脂組成物がスプレー塗工法を用いて厚く塗布されても、硬化塗膜のカバーリング性、レベリング性、埋まり性及び柔軟性をバランスよく向上させる点から1%が好ましく、3%がより好ましく、さらに優れたカバーリング性を得る点から8%が特に好ましい。一方で、シリカの被覆率の上限値は、高いほど好ましいが、例えば、20%が挙げられる。
シリカで被覆されたウレタンビーズの含有量は、特に限定されないが、例えば、その下限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、感光性樹脂組成物がスプレー塗工法を用いて厚く塗布されても、硬化塗膜のカバーリング性、レベリング性、埋まり性及び柔軟性をバランスよく向上させる点から、10質量部が好ましく、20質量部がより好ましく、カバーリング性をより向上させる点から、40質量部がさらに好ましく、カバーリング性、レベリング性及び柔軟性をバランスよくさらに向上させる点から、50質量部が特に好ましい。一方で、シリカで被覆されたウレタンビーズの含有量の上限値は、カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、優れたレベリング性を確実に得る点から、100質量部が好ましく、80質量部がより好ましく、70質量部が特に好ましい。
シリカで被覆されたウレタンビーズの平均粒子径は、特に限定されないが、例えば、シリカによって確実にウレタンビーズが被覆され、微細な導体パターン間でも優れた埋まり性を得る点から、1.0μm以上10μm以下が好ましく、2.0μm以上7.0μm以下がより好ましく、さらに優れたカバーリング性を得る点から、3.0μm以上5.0μm以下が特に好ましい。
(D)光重合開始剤
(D)成分の光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、いずれも使用可能である。具体的には、例えば、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン等のα−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、1,2−オクタンジオン,1−〔4−(フェニルチオ)−2−(O−ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1−〔9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−1−(0−アセチルオキシム)、2−(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン−9−オン、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、1,8−オクタンジオン,1,8−ビス[9−(2−エチルヘキシル)−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル]−,1,8−ビス(O−アセチルオキシム)、(Z) −(9−エチル−6−ニトロ−9H−カルバゾール−3−イル)(4−((1−メトキシプロパン−2−イル)オキシ) −2−メチルフェニル)メタノン O−アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤を挙げることができる。
また、α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤及びオキシムエステル系光重合開始剤以外の光重合開始剤としては、例えば、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルフォスフィンオキサイド等を挙げることができる。これらの光重合開始剤は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
光重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、例えば、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して1.0質量部以上20質量部以下が好ましく、2.0質量部以上10質量部以下が特に好ましい。
(E)反応性希釈剤
(E)成分の反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を補強して、光硬化物に十分な耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などを付与することに寄与する。
反応性希釈剤としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレート化合物、2官能の(メタ)アクリレート化合物、3官能以上の(メタ)アクリレート化合物を挙げることができる。(メタ)アクリレート化合物としては、例えば、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート等の単官能(メタ)アクリレート化合物、1,4‐ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6‐ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能(メタ)アクリレート化合物、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート化合物が挙げられる。また、単官能または2官能以上のウレタン(メタ)アクリレート化合物等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、5.0質量部以上50質量部以下が好ましく、10質量部以上30質量部以下が特に好ましい。
(F)非反応性希釈剤
(F)成分の非反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の粘度、乾燥性、塗工性等を調節するためのものである。非反応性希釈剤として、例えば、有機溶剤を挙げることができる。有機溶剤には、例えば、メチルエチルケトン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ブチルカルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチルジグリコールアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル類等を挙げることができる。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの非反応性希釈剤のうち、感光性樹脂組成物がスプレー塗工法を用いて厚く塗布されても、カバーリング性がさらに向上する点から、1013hPaにおける沸点、すなわち、標準気圧での沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤が好ましく、上記沸点が115℃以上150℃以下の有機溶剤が特に好ましい。上記沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテル(上記沸点120℃)、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(上記沸点145℃)が特に好ましい。
上記沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤は、非反応性希釈剤中に30質量%以上含まれるのが好ましく、50質量%以上含まれるのがさらに好ましく、80質量%以上含まれるのが特に好ましい。
非反応性希釈剤の含有量は、特に限定されないが、カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対して、50質量部以上300質量部以下が好ましく、100質量部以上200質量部以下が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物では、上記(A)成分〜(F)成分に加えて、必要に応じて、種々の成分、例えば、体質顔料、各種添加剤、難燃剤、着色剤等を配合することができる。
体質顔料としては、例えば、タルク、硫酸バリウム、アルミナ、水酸化アルミニウム、マイカ等を挙げることができる。各種添加剤には、例えば、シリコーン系、炭化水素系及びアクリル系等の消泡剤、シラン系、チタネート系及びアルミナ系等のカップリング剤、三フッ化ホウ素−アミンコンプレックス、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体、有機酸ヒドラジド、ジアミノマレオニトリル(DAMN)及びその誘導体、グアナミン及びその誘導体、メラミン及びその誘導体、アミンイミド(AI)並びにポリアミン等の硬化促進剤、(メタ)アクリル系ポリマー及び有機ベントナイト等の有機系充填剤、ヒュームドシリカ等の無機系充填剤、ポリカルボン酸アマイド等のチキソ剤などを挙げることができる。
難燃剤としては、例えば、リン系の難燃剤を挙げることができる。リン系の難燃剤としては、例えば、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェートなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェートなどのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩、ジフェニルビニルホスフィンオキサイド、トリフェニルホスフィンオキサイド、トリアルキルホスフィンオキサイド、トリス(ヒドロキシアルキル)ホスフィンオキサイド等のホスフィンオキサイド系化合物等が挙げられる。
着色剤は、顔料、色素等、特に限定されない。また、着色剤の色彩は、白色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、黒色着色剤、赤色着色剤等、いずれの色彩の着色剤も使用可能である。上記着色剤には、例えば、白色着色剤である酸化チタン、黒色着色剤であるカーボンブラック、アセチレンブラック等の無機系着色剤を挙げることができる。また、有機系着色剤としては、緑色着色剤であるフタロシアニングリーン、青色着色剤であるフタロシアニンブルーやリオノールブルー等のフタロシアニン系等を挙げることができる。
本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されず、公知の方法を使用することができる。具体的には、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、常温(例えば、25℃)にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。ここでは、本発明の感光性樹脂組成物をプリント配線板の絶縁保護膜(例えば、ソルダーレジスト膜等)として塗工する方法を例にとって説明する。
上記のようにして得られた本発明の感光性樹脂組成物を、例えば、銅箔等の導体箔をエッチングして形成した回路パターン(例えば、導体である銅箔の厚さ35μm以上)を有する基板であるフレキシブルプリント配線板上に、スプレー塗工(スプレーコータ法)にて、所望の厚さ、例えば、DRY膜厚が30〜35μmとなる厚さで塗布して塗膜を形成する。次に、必要に応じて、非反応性希釈剤を揮散させるために、60〜100℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行って、タックフリーの塗膜を形成する。次に、塗膜上に回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルム(フォトマスク)を密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させて塗膜を光硬化させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用する希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5質量%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間ポストキュア(熱硬化処理)を行うことにより、フレキシブルプリント配線板上に目的とするソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を形成させることができる。
なお、塗工方法として、スプレー塗工に代えて、スクリーン印刷法、バーコータ法、アプリケータ法、ブレードコータ法、ナイフコータ法、ロールコータ法、グラビアコータ法等、他の公知の塗工方法を用いてもよい。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
実施例1〜8、比較例1〜4
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜8、比較例1〜4にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。そして、調製した感光性樹脂組成物を以下のように基板に塗工して試験体を作製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
下記表1中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZAR−2000:日本化薬株式会社
(B)エポキシ化合物
・EPICRON 850−S:DIC株式会社
(C)シリカで被覆されたウレタンビーズ
・RHC−732:シリカ被覆率11.5%、平均粒子径3.25μm、大日精化工業株式会社
・RHC−730:シリカ被覆率4.0%、平均粒子径6.0μm、大日精化工業株式会社
(D)光重合開始剤
・OXE−02:オキシムエステル系光重合開始剤、BASFジャパン株式会社
・Irgacure 369:α−アミノアルキルフェノン系光重合開始剤、BASFジャパン株式会社
(E)反応性希釈剤
・EBERCRYL8405:ダイセル・オルネクス株式会社
(F)非反応性希釈剤
・PM、PMA、EDGAC:三洋化成品株式会社
体質顔料
・ハイジライト H42M:昭和電工株式会社
添加剤
・メラミン:硬化促進剤、日産化学工業株式会社
・DICY−7:硬化促進剤、三菱ケミカル株式会社
・AC−303:有機系充填剤、共栄社化学株式会社
・X−50−1095C:消泡剤、信越化学工業株式会社
・Aerosil 200:無機系充填剤、日本アエロジル株式会社
・ベントン38:有機系充填剤、エレメンテスジャパン株式会社
難燃剤
・エクソリット OP−935:クラリアントジャパン株式会社
着色剤
・デンカブラック:デンカ株式会社
試験体作製工程
基板:フレキシブルプリント配線板(ポリイミド基板、パナソニック株式会社、「RF−770」、板厚25μm、導体(Cu箔)厚50μm、導体のライン幅/ライン間の空隙部の間隔=100μm/100μm)
表面処理:脱脂処理(イソプロピルアルコール)
塗工:スプレー塗工
塗工条件:吐出量(110cc/min)、コンベアー速度(2.3m/min)、ディスク回転数(30000rpm)、印加電圧(−35KV)
DRY膜厚:30〜35μm
露光:感光性樹脂組成物上300mJ/cm(メイン波長365nm、オーク株式会社「HMW−680GW」)
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア(本硬化の加熱処理):150℃、60分
評価項目は、以下の通りである。
(1)カバーリング性
上記試験体作製工程で得られた試験体について、厚さ方向に切断した断面の硬化塗膜の状態を光学顕微鏡(200倍)にて観察し、以下の4段階で評価した。
◎:銅箔のエッジ部のカバーリングが15μm以上
○:銅箔のエッジ部のカバーリングが11μm以上15μm未満
△:銅箔のエッジ部のカバーリングが6μm以上11μm未満
×:銅箔のエッジ部のカバーリングが6μm未満
(2)レベリング性
上記試験体作製工程で得られた試験体について、硬化塗膜の表面全体の状態を目視にて観察し、以下の3段階で評価した。
◎:凹凸等のムラは認められない
○:薄膜となっている部分にのみ、凹凸等のムラが認められる
×:全体にわたって凹凸等のムラが認められる
(3)埋まり性
上記試験体作製工程で得られた試験体について、銅箔間における硬化塗膜の状態を目視にて観察し、以下の4段階で評価した。
◎:銅箔間にムラ等の異常なし
○:銅箔間にややムラあり
△:銅箔間に若干の未塗布部分あり
×:銅箔間に多くの未塗布部分あり
(4)折り曲げ性(柔軟性)
上記試験体作製工程で得られた試験体を、硬化塗膜が外側になる状態で180° 折り曲げて、2KN/mの荷重をかけた後、フラットに戻すサイクルを繰り返し、硬化塗膜のクラック発生状況を目視及び光学顕微鏡(200倍)で観察し、クラックが発生したかどうかを評価した。
◎:21回以上クラックが発生しない
○:11回以上20回以下でクラックが発生
△:6回以上10回以下でクラックが発生
×:5回以下でクラックが発生
上記評価の結果を下記表1に示す。
Figure 2020148971
上記表1に示すように、カルボキシル基含有感光性樹脂と、エポキシ化合物と、シリカで被覆されたウレタンビーズと、光重合開始剤と、反応性希釈剤と、非反応性希釈剤と、を含有する感光性樹脂組成物である実施例1〜8では、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、カバーリング性、レベリング性、埋まり性、折り曲げ性のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できた。また、カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対してシリカで被覆されたウレタンビーズを約60質量部含有する実施例6では、カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対してシリカで被覆されたウレタンビーズを約40質量部、約20質量部、約80質量部、それぞれ含有する実施例1、5、7と比較して、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、カバーリング性とレベリング性とにさらに優れた硬化塗膜を形成できた。
また、シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が11.5%である実施例1と前記被覆率が4.0%である実施例3の比較から、前記被覆率が11.5%であると、前記被覆率が4.0%である場合と比較して、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、さらに優れたカバーリング性を得ることができた。また、非反応性希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテル(上記沸点120℃)を用いた実施例1と非反応性希釈剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(上記沸点145℃)を用いた実施例2は、非反応性希釈剤としてエチルジグリコールアセテート(上記沸点218℃)を用いた実施例8と比較して、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、さらに優れたカバーリング性を得ることができた。
一方で、シリカで被覆されたウレタンビーズに代えてヒュームドシリカを使用した比較例1、有機ベントナイトを使用した比較例2では、硬化塗膜の折り曲げ性が得ることができず、フレキシブルプリント配線板に十分には適していないことが判明した。また、シリカで被覆されたウレタンビーズもヒュームドシリカも有機ベントナイトも使用していない比較例3では、カバーリング性と折り曲げ性を得ることができなかった。また、シリカで被覆されたウレタンビーズもヒュームドシリカも有機ベントナイトも使用せず、スプレー塗工法に代えてスクリーン印刷にて塗膜を形成した比較例4では、埋まり性と折り曲げ性が得られなかった。
本発明では、スプレー塗工法を用いて厚く塗布された感光性樹脂組成物であっても、カバーリング性、レベリング性、埋まり性、折り曲げ性のいずれにも優れた硬化塗膜を形成できるので、例えば、厚い導体パターン(例えば、厚さ35μm以上)を有するフレキシブルプリント配線板にソルダーレジスト膜等の絶縁保護膜を設ける分野で利用価値が高い。

Claims (10)

  1. (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)エポキシ化合物と、(C)シリカで被覆されたウレタンビーズと、(D)光重合開始剤と、(E)反応性希釈剤と、(F)非反応性希釈剤と、を含有する感光性樹脂組成物。
  2. 前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、10質量部以上100質量部以下含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  3. 前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズを、前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂の固形分100質量部に対し、50質量部以上70質量部以下含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が、1%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記(C)シリカで被覆されたウレタンビーズのシリカの被覆率が、8%以上である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. 前記(F)非反応性希釈剤が、1013hPaにおける沸点が110℃以上160℃以下の有機溶剤を前記(F)非反応性希釈剤中に30質量%以上含有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. 1013hPaにおける沸点が110℃以上160℃以下の前記有機溶剤が、プロピレングリコールモノメチルエーテル及び/またはプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートである請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
  8. スプレー塗工用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化物。
  10. 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の光硬化膜を有する配線板。
JP2019047678A 2019-03-14 2019-03-14 感光性樹脂組成物 Pending JP2020148971A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047678A JP2020148971A (ja) 2019-03-14 2019-03-14 感光性樹脂組成物

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2019047678A JP2020148971A (ja) 2019-03-14 2019-03-14 感光性樹脂組成物

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2020148971A true JP2020148971A (ja) 2020-09-17

Family

ID=72432004

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2019047678A Pending JP2020148971A (ja) 2019-03-14 2019-03-14 感光性樹脂組成物

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2020148971A (ja)

Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022114175A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
KR20230005409A (ko) 2021-03-25 2023-01-09 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법
KR20230159869A (ko) 2021-03-25 2023-11-22 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법
KR20230159870A (ko) 2021-03-25 2023-11-22 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014156583A (ja) * 2013-01-15 2014-08-28 Taiyo Ink Mfg Ltd 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP2015092228A (ja) * 2013-09-30 2015-05-14 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2016139127A (ja) * 2015-01-23 2016-08-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2017201369A (ja) * 2016-05-06 2017-11-09 株式会社カネカ 新規な感光性樹脂組成物とその製造方法およびそれを用いたフレキシブルプリント配線基板とその製造方法
JP2018049220A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014156583A (ja) * 2013-01-15 2014-08-28 Taiyo Ink Mfg Ltd 硬化性樹脂組成物、そのドライフィルム及び硬化物並びにそれらを用いたプリント配線板
JP2015092228A (ja) * 2013-09-30 2015-05-14 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2016139127A (ja) * 2015-01-23 2016-08-04 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2017201369A (ja) * 2016-05-06 2017-11-09 株式会社カネカ 新規な感光性樹脂組成物とその製造方法およびそれを用いたフレキシブルプリント配線基板とその製造方法
JP2018049220A (ja) * 2016-09-23 2018-03-29 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2022114175A1 (ja) * 2020-11-30 2022-06-02 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP2022086696A (ja) * 2020-11-30 2022-06-09 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
JP7118124B2 (ja) 2020-11-30 2022-08-15 株式会社タムラ製作所 感光性樹脂組成物
KR20230005409A (ko) 2021-03-25 2023-01-09 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법
KR20230159869A (ko) 2021-03-25 2023-11-22 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법
KR20230159870A (ko) 2021-03-25 2023-11-22 가부시키가이샤 가네카 플렉시블 프린트 기판의 제조 방법

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP2020148971A (ja) 感光性樹脂組成物
JP6822987B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6986340B2 (ja) プリント配線板及びプリント配線板の製造方法
KR20150106837A (ko) 감광성 수지 조성물
TWI608300B (zh) Photosensitive resin composition
JP6802207B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6704425B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7028828B2 (ja) 保護被膜を有する配線板の製造方法
JP6431517B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6993154B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7118124B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2023183285A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物の光硬化物及び感光性樹脂組成物の光硬化膜を有するプリント配線板
JP6909551B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6781216B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6542435B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6986476B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP2020140205A (ja) 青色感光性樹脂組成物
KR20190034119A (ko) 감광성 수지 조성물
JP7118043B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP6986534B2 (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物を有するドライフィルム及び感光性樹脂組成物の光硬化物を有するプリント配線板
JP7133594B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7220623B2 (ja) 保護被膜を有する配線板の製造方法
JP6811757B2 (ja) 感光性樹脂組成物
JP7001866B1 (ja) 感光性ドライフィルム及び感光性ドライフィルムを用いたプリント配線板の製造方法
JP2023044637A (ja) 感光性樹脂組成物、感光性樹脂組成物を有するドライフィルム及び感光性樹脂組成物の硬化物を有するプリント配線板

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20200518

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20210210

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20210217

A601 Written request for extension of time

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A601

Effective date: 20210416

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20210520

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20210830