JP7118043B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1](A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)微粉状酸化アルミニウムと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有する感光性樹脂組成物。
[2]前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(C)微粉状酸化アルミニウムを10質量部以上含有する[1]に記載の感光性樹脂組成物。
[3]前記(C)微粉状アルミニウムのBET法により測定した比表面積が、50m2/g以上150m2/g以下である[1]または[2]に記載の感光性樹脂組成物。
[4]前記(C)微粉状酸化アルミニウムが、ヒュームド酸化アルミニウムである[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(C)微粉状酸化アルミニウムの平均一次粒子径が、20nm以下である[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(C)微粉状酸化アルミニウムの表面の少なくとも一部が、有機シラン化合物で被覆されている[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7]ソルダーレジスト膜の形成用である[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[8]基板にソルダーレジスト膜を形成するためのドライフィルム用である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[9][1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物を有するドライフィルム。
カルボキシル基含有感光性樹脂の化学構造は、特に限定されず、例えば、1分子中に、感光性の不飽和二重結合を1個以上、好ましくは2個以上有するカルボキシル基含有樹脂が挙げられる。カルボキシル基含有感光性樹脂として、例えば、1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸及び/またはメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて、エポキシ(メタ)アクリレート等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得、得られた該樹脂に生成した水酸基に、多塩基酸及び/または多塩基酸無水物を反応させて得られる、多塩基酸変性エポキシ(メタ)アクリレート等の多塩基酸変性ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を挙げることができる。
光重合開始剤としては、例えば、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、(Z) -(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ) -2-メチルフェニル)メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-モルホリノフェノン)-ブタノン-1、2-(ジメチルアミノ)-2-[(4-メチルフェニル)メチル]-1-[4-(4-モルホリニル)フェニル]-1-ブタノン、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノ-プロパノン-1、1-ベンジル-1-(ジメチルアミノ)プロピル-4-モルホリノフェニル-ケトン等のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤が挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物では、微粉状酸化アルミニウムは、組成物の流動性を調整するレオロジーコントロール剤としての効果を発揮する。微粉状酸化アルミニウム(微粉状酸化アルミナ)を配合することにより、導体間埋まり性と成分沈降防止性とマイクロボイド発生防止性を有し、さらに、折り曲げ性、絶縁信頼性及びはんだ耐熱性に優れた光硬化物を形成できる感光性樹脂組成物を得ることができる。微粉状酸化アルミニウムは、酸化アルミニウムの微粒子である。
反応性希釈剤とは、例えば、紫外線等の光が照射されることで重合反応を起こす光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つ、好ましくは1分子当たり2つ以上の重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性樹脂組成物の光硬化を十分にして、光硬化物の耐酸性、はんだ耐熱性、耐アルカリ性等に寄与する。反応性希釈剤としては、例えば、単官能の(メタ)アクリレートモノマー、2官能以上の(メタ)アクリレートモノマー等を挙げることができる。(メタ)アクリレートモノマーの具体例としては、(メタ)アクリル酸2-ヒドロキシエチル、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、ジエチレングルコールモノ(メタ)アクリレート、2-ヒドロキシ-3-フェノキシプロピル(メタ)アクリルレート、カプロラクトン変性(メタ)アクリレート等の単官能の(メタ)アクリレート、1,4-ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6-ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールアジペートジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニルジ(メタ)アクリレート、エチレンオキサイド変性燐酸ジ(メタ)アクリレート、アリル化シクロヘキシルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌレートジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、プロピレンオキシド変性トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリス(アクリロキシエチル)イソシアヌレート、プロピオン酸変性ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の3官能以上の(メタ)アクリレート、ウレタン(メタ)アクリレート等が挙げられる。なお、ウレタン(メタ)アクリレートが配合されることで、光硬化物に柔軟性も付与することができる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
エポキシ化合物は、感光性樹脂組成物の光硬化物全体の架橋密度を上げて、十分な機械的強度を有する光硬化物を得ることに寄与する。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、アダマンタン型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらのエポキ化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
下記表1、2に示す各成分を下記表1、2に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温(約25℃)にて混合分散させて、実施例1~4、比較例1~5にて、それぞれ使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1、2に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1、2中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。
(A)カルボキシル基含有感光性樹脂
・KAYARAD ZAR-2000:固形分(樹脂分)65質量%、日本化薬株式会社
KAYARAD ZAR-2000は、エポキシ樹脂(ビスフェノールA型エポキシ樹脂)のエポキシ基の少なくとも一部に、アクリル酸を反応させて、エポキシアクリレートを得、エポキシアクリレートの水酸基に多塩基酸を反応させることで調製される化学構造を有する、多塩基酸変性エポキシアクリレート樹脂である。
・OXE02:エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、ADEKA株式会社
・Aeroxide Alu-C:親水性のヒュームド酸化アルミニウム、BET比表面積100±15m2/g、平均一次粒子径は12nm~14nm、平均一次粒子径は170nm~190nm、日本アエロジル株式会社
・Aeroxide Alu-C 805:オルガノシランで表面処理された疎水性のヒュームド酸化アルミニウム、BET比表面積90±15m2/g、平均一次粒子径は12nm~14nm、平均一次粒子径は170nm~190nm、日本アエロジル株式会社
・EBECRYL8405:ダイセル・サイテック株式会社
・EPICLON 850-S:DIC社
・ハイジライトH42M:昭和電工株式会社
難燃剤
・エクソリット OP-935:クラリアントジャパン社
硬化促進剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY-7:三菱化学株式会社
添加剤
・AC-303:分散剤、共栄社化学株式会社
着色剤
・クロモフタルDDTオレンジ TR:チバ・ジャパン株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
・Aerosil ♯200:BET比表面積約200m2/g、親水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社
・Aerosil R805:BET比表面積125m2/g~175m2/g、疎水性ヒュームドシリカ、日本アエロジル株式会社
レオロジーコントロール剤
・BYK-405、TIXOGEL VP:ビックケミー株式会社
ドライフィルム作製用支持フィルム:ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(フィルムの厚さ25μm)を使用した。
支持フィルムへの感光性樹脂組成物の塗工方法:バーコータ法
予備乾燥:110℃、5分(感光性樹脂組成物の予備乾燥後の塗膜の厚さ26μmのドライフィルム1、感光性樹脂組成物の予備乾燥後の塗膜の厚さ40μmのドライフィルム2を作製)
評価基板:フレキシブル基板(ドライフィルム1用の基板、ポリイミドフィルム、フィルム厚さ25μm、導体厚12.5μm、)。導体間埋まり性とマイクロボイド発生防止性の評価については、ドライフィルム2用として、導体厚35μmのラインであり、ライン幅100μm、ラインとラインの間隙が100μmのくし形の回路パターンを有する基板も使用。
評価基板の表面処理:5質量%硫酸を用いた表面処理
評価基板へのドライフィルムのラミネート条件:50℃、加圧0.5MPa、真空30s/加圧30s
露光処理(光硬化処理):投影露光装置(光源は高圧水銀灯、USHIO株式会社製)にて感光性樹脂組成物の塗膜上に紫外線(波長300~400nm)を150mJ/cm2照射して露光
現像:1質量%炭酸ナトリウム水溶液 温度30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
熱硬化処理(ポストキュア):150℃、60分
(1)成分沈降防止性
調製した感光性樹脂組成物を試験管に入れ、成分の沈降の有無を目視にて観察し、以下の基準で評価し、○評価以上を合格とした。
◎:23℃、24時間後でも、成分の沈降物が認められない。
○:23℃、12時間後では成分の沈降物が認められないが、24時間後にて、若干、成分の沈降物が認められる。
△:23℃、12時間後にて、若干、成分の沈降物が認められる。
×:23℃、12時間後にて、成分の沈降物が多く認められる。
ドライフィルムをラミネートした後の導体のパターン間の埋まり性を以下の基準で評価し、○評価以上を合格とした。
◎:導体厚35μmの間隙の底部までドライフィルム2の感光性樹脂組成物の塗膜が埋まっており、異常なし。
○:導体厚12.5μmの間隙の底部までドライフィルム1の感光性樹脂組成物の塗膜が埋まっており、異常なしだが、導体厚35μmの間隙の底部にドライフィルム2の感光性樹脂組成物の塗膜が一部埋まっておらず、若干の空壁が発生。
△:導体厚12.5μmの間隙の底部にドライフィルム1の感光性樹脂組成物の塗膜が一部埋まっておらず、若干の空壁が発生。
×:導体厚12.5μmの間隙の底部にドライフィルム1の感光性樹脂組成物の塗膜が埋まっておらず、空壁が発生。
ポストキュア後の導体パターン間のマイクロボイド(φ5μm以下)を光学顕微鏡にて観察し、以下の基準で評価し、○評価以上を合格とした。
◎:導体厚35μmの間隙の底部におけるドライフィルム2からの感光性樹脂組成物の塗膜にマイクロボイドの発生なし。
○:導体厚12.5μmの間隙の底部におけるドライフィルム1からの感光性樹脂組成物の塗膜にはマイクロボイドの発生はないが、導体厚35μmの間隙の底部におけるドライフィルム2からの感光性樹脂組成物の塗膜にマイクロボイドが若干発生。
△:導体厚12.5μmの間隙の底部におけるドライフィルム1からの感光性樹脂組成物の塗膜にマイクロボイドが若干発生。
×:導体厚12.5μmの間隙の底部におけるドライフィルム1からの感光性樹脂組成物の塗膜にマイクロボイドが発生。
露光後の塗膜について、円筒形マンドレル法により、塗膜の折り曲げ性を目視観察及び×200の光学顕微鏡観察し、以下の基準で評価し、○評価を合格とした。
○:直径2mmの円筒形マンドレルで異常なし。
△:直径4mmの円筒形マンドレルで異常なしだが、直径2mmの円筒形マンドレルでクラック、剥離等の異常あり。
×:直径4mmの円筒形マンドレルでクラック、剥離等の異常あり。
上記試験サンプル作製工程にて作製した試験サンプルについて、硬化塗膜の上に電磁波シールドフィルム(タツタ電線株式会社製SF-PC5000)を貼った上面を陽極に、上記評価基板の導体である銅を陰極に、それぞれ、接続した。次いで、60℃、湿度95%の恒温恒湿槽の中で、50V印加を行い、イオンマイグレーションテスター(IMV社製、「MIG-8600B/128」)を用いて抵抗値の連続測定を行った。50V印加時を測定開始時間とし、抵抗値が1.0E+6(1.0×106)Ω未満に低下するまでの時間を計測し、これを絶縁破壊時間とし、以下の基準に従って厚さ方向(Z軸方向)の絶縁信頼性を評価し、○評価以上を合格とした。
◎:絶縁破壊時間1500時間以上。
○:絶縁破壊時間1000時間以上1500時間未満。
△:絶縁破壊時間500時間以上1000時間未満。
×:絶縁破壊時間500時間未満。
試験サンプルの硬化塗膜を、JIS C-6481の試験方法に従って、260℃のはんだ槽に10秒間浸せき後、セロハンテープによるピーリング試験を1サイクルとし、これを1~3回繰り返した後の塗膜状態を目視により観察し、以下の基準に従って評価し、○評価を合格とした。
○:3サイクル繰り返し後も塗膜に変化が認められない。
△:3サイクル繰り返し後の塗膜にほんの僅か変化が認められる。
×:2サイクル繰り返し後の塗膜に変化が認められる。
Claims (9)
- (A)カルボキシル基含有感光性樹脂と、(B)光重合開始剤と、(C)微粉状酸化アルミニウムと、(D)反応性希釈剤と、(E)エポキシ化合物と、を含有する感光性樹脂組成物であり、
前記(C)微粉状アルミニウムのBET法により測定した比表面積が、50m 2 /g以上150m 2 /g以下であり、
さらに、着色剤を含有し、前記着色剤が、黒色着色剤、青色着色剤、緑色着色剤、黄色着色剤、紫色着色剤、橙色着色剤及び赤色着色剤からなる群から選択された少なくとも1つである感光性樹脂組成物。 - 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(C)微粉状酸化アルミニウムを10質量部以上含有する請求項1に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(A)カルボキシル基含有感光性樹脂100質量部に対し、前記(C)微粉状酸化アルミニウムを15質量部以上含有する請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)微粉状酸化アルミニウムが、ヒュームド酸化アルミニウムである請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)微粉状酸化アルミニウムの平均一次粒子径が、20nm以下である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)微粉状酸化アルミニウムの表面の少なくとも一部が、有機シラン化合物で被覆されている請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- ソルダーレジスト膜の形成用である請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 基板にソルダーレジスト膜を形成するためのドライフィルム用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を有するドライフィルム。
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