JP7258004B2 - 感光性組成物 - Google Patents
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Description
[1](A)イミド基とカルボキシル基とイソシアヌレート環構造とを有する、アルカリ可溶性イミド化合物と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、を含む感光性組成物。
[2]前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物が、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物に、(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物及び(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種のポリカルボン酸誘導体を反応させて得られる化学構造を有する[1]に記載の感光性組成物。
[3]前記(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物が、下記一般式(1)
[4]前記(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物が、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体及び/または1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体である[2]または[3]に記載の感光性組成物。
[5]前記(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物が、三塩基酸無水物である[2]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[6]前記(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物が、四塩基酸無水物である[2]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[7]前記(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物が、トリメリット酸無水物及び核水添トリメリット酸無水物からなる群から選択された少なくとも1種である[2]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[8]前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価が、50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[9]前記(C)反応性希釈剤100質量部に対して、前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物を50質量部以上200質量部以下含む[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[10]前記(C)反応性希釈剤が、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含む[1]乃至[9]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[11]さらに、(D)熱硬化性樹脂として、エポキシ化合物を含む[1]乃至[10]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[12]さらに、(E)有機フィラーとして、ウレタンビーズを含む[1]乃至[11]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[13]さらに、(F)難燃剤として、リン含有化合物を含む[1]乃至[12]のいずれか1つに記載の感光性組成物。
[14][1]乃至[13]のいずれか1つに記載の感光性組成物の光硬化物。
[15][1]乃至[13]のいずれか1つに記載の感光性組成物の光硬化物を備えたプリント配線板。
(A)成分のアルカリ可溶性イミド化合物は、イミド基とカルボキシル基とイソシアヌレート環構造とを有する化学構造の化合物である。アルカリ可溶性イミド化合物は、イミド基とカルボキシル基とイソシアヌレート環構造とを有する化学構造の化合物であれば、特に限定されないが、アルカリ現像性、耐熱性及び折り曲げ性が確実に向上する点から、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物に、(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物及び(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種のポリカルボン酸誘導体を反応させて得られる化学構造を有するアルカリ可溶性イミド化合物が好ましい。すなわち、アルカリ可溶性イミド化合物の化学構造中に、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物に、(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物及び(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種のポリカルボン酸誘導体を反応させて得られる化学構造の部位を有すること、または、アルカリ可溶性イミド化合物が、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物に、(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物及び(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種のポリカルボン酸誘導体を反応させて得られる化学構造であることが好ましい。この場合、アルカリ可溶性イミド化合物は、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物のイソシアネート基が上記のポリカルボン酸誘導体の酸無水物基に付加し、脱炭酸反応を経ることでイミド基が導入された化学構造を有する。
(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物(以下、単に「イソシアネート化合物」ということがある。)としては、イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有する化合物であれば、特に限定されないが、アルカリ現像性、耐熱性及び折り曲げ性がより確実に向上する点から、下記一般式(1)
ポリカルボン酸誘導体である(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物(以下、単に「(a2)酸無水物基含有化合物」ということがある。)としては、1つ以上の酸無水物基と1つ以上の遊離のカルボキシル基を有するカルボン酸誘導体であれば、特に限定されないが、(a2)酸無水物基含有化合物としては、アルカリ現像性、耐熱性及び折り曲げ性がさらに確実に向上する点から、三塩基酸無水物(トリカルボン酸無水物)、すなわち、1つの酸無水物基と1つのカルボキシル基を有する化合物が好ましい。三塩基酸無水物としては、さらに優れた耐熱性と折り曲げ性を得ることができる点から、トリメリット酸無水物、核水添トリメリット酸無水物が特に好ましい。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
ポリカルボン酸誘導体である(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物(以下、単に「(a3)酸無水物基含有化合物」ということがある。)としては、遊離のカルボキシル基を有さず、2つ以上の酸無水物基を有するカルボン酸誘導体であれば、特に限定されないが、(a3)酸無水物基含有化合物としては、アルカリ現像性、耐熱性及び折り曲げ性がさらに確実に向上する点から、四塩基酸無水物(テトラカルボン酸無水物)が好ましく、2つの酸無水物基を有し、遊離のカルボキシル基を有さない四塩基酸無水物が特に好ましい。
(B)成分の光重合開始剤は、特に限定されず、例えば、1,2-オクタンジオン,1-〔4-(フェニルチオ)-2-(O-ベンゾイルオキシム)〕、エタノン1-〔9-エチル-6-(2-メチルベンゾイル)-9H-カルバゾール-3-イル]-1-(0-アセチルオキシム)、2-(アセチルオキシイミノメチル)チオキサンテン-9-オン、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、1,8-オクタンジオン,1,8-ビス[9-(2-エチルヘキシル)-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル]-,1,8-ビス(O-アセチルオキシム)、(Z) -(9-エチル-6-ニトロ-9H-カルバゾール-3-イル)(4-((1-メトキシプロパン-2-イル)オキシ) -2-メチルフェニル)メタノン O-アセチルオキシム等のオキシムエステル系光重合開始剤を挙げることができ、また、2-ベンジル-2-ジメチルアミノ-1-(4-モルフォリノフェニル)-ブタノン-1、2-メチル-1-[4-(メチルチオ)フェニル]-2-モルフォリノプロパン-1-オン等のα-アミノアルキルフェノン系光重合開始剤を挙げることができる。
(C)成分である反応性希釈剤は、例えば、光重合性モノマーであり、1分子当たり少なくとも1つの重合性二重結合を有する化合物である。反応性希釈剤は、感光性組成物の光硬化を補強して、感光性組成物の硬化物に十分な耐熱性、耐酸性、耐アルカリ性などを付与することに寄与する。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合させて、実施例1~7、比較例1~2にて使用する感光性組成物を調製した。その後、調製した感光性組成物を以下のように基板に塗工して試験体を作製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示す。なお、下記表1中の配合量の空欄部は、配合なしを意味する。また、各成分は以下の通りである。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを120g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)101.5g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)99.0gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌して反応を終了した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-1)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が94mgKOH/g、(A-1)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は157.2mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを110g、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、スタビオD-370N)84.0g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)99.0gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌して反応を終了した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-2)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が104mgKOH/g、(A-2)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は174.2mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを110g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)101.5g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)67.3g、無水マレイン酸15.7g、N,N-ジメチルベンジルアミン1.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを仕込み、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。6時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い反応を終了した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-3)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が70mgKOH/g、(A-3)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は117.4mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを120g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)101.5g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)67.3g、無水イタコン酸17.9g、N,N-ジメチルベンジルアミン1.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを仕込み、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。6時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い反応を終了した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-4)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が70mgKOH/g、(A-4)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は115.8mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを150g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)101.5g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)99.0gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌した。その後、系内の温度を110℃に下げ、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル40.0g、トリフェニルフォスフィン0.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを加え、110℃で8時間反応した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-5)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が46mgKOH/g、(A-5)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は77.0mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを190g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)101.5g、5-(2,5-ジオキソテトラヒドロフリル)-3-メチル-3-シクロヘキセン-1,2-ジカルボン酸無水物(DIC社、EPICLON B4500)132.0gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌した。その後、系内の温度を110℃に下げ、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、4-ヒドロキシブチルアクリレート72.0g、トリフェニルフォスフィン0.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを加え、110℃で8時間反応した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-6)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が60mgKOH/g、(A-6)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は99.0mgKOH/gであった。なお、B4500の化学構造は以下の通りである。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを90g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体(三井化学株式会社、タケネートD-170N)60.9g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)39.6gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、さらに4,4'-オキシジフタル酸無水物(マナック、ODPA-M)31.0gを仕込み、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌した。その後、系内の温度を110℃に下げ、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、4-ヒドロキシブチルアクリレート14.4g、トリフェニルフォスフィン0.3g、メトキシハイドロキノン0.1gを加え、110℃で8時間反応した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1のピークが消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(A-7)アルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が76mgKOH/g、(A-7)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は126.9mgKOH/gであった。なお、ODPA-Mの化学構造は、以下の通りである。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた500mLの四つ口セパラブルフラスコに、エチルジグリコールアセテート(EDGAC)を136.1g、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬株式会社、NC-3000、エポキシ当量227)を138.5g(エポキシ基:0.5mol)、を仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。溶解後、アクリル酸を36.0g(0.5mol)、トリフェニルホスフィン0.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを加えて、115℃で10時間加熱撹拌し、酸価が3mgKOH/gとなったところで、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)を29.7g(0.15mol)を加えて100℃で4時間加熱撹拌した。得られた(X-1)アルカリ可溶性酸変性エポキシアクリレート化合物溶液の酸価が50mgKOH/g、(X-1)アルカリ可溶性酸変性エポキシアクリレート化合物の固形分酸価は82.4mgKOH/gであった。
攪拌機、還流冷却管、温度計を備えた1Lの四つ口セパラブルフラスコに、γーブチロラクトンを140g、1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート(三井化学株式会社、HDI)42.0g、水添トリメリット酸無水物(三菱ガス化学株式会社、H-TMAn-S)99.0gを仕込み、反応容器内に窒素を0.1mL/secで吹き込みながら、100℃で溶解するまで加熱撹拌した。3時間ほど加熱攪拌した後、150℃でさらに加熱撹拌を3時間行い、その後さらに180℃で1時間加熱撹拌して反応を終了した。その後、系内の温度を110℃に下げ、反応容器内に窒素/空気(1:1)を0.1mL/secで吹き込みながら、4-ヒドロキシブチルアクリレートグリシジルエーテル60.0g、トリフェニルフォスフィン0.4g、メトキシハイドロキノン0.1gを加え、110℃で8時間反応した。反応終了後、赤外吸収スペクトルを測定し、原料イソシアネート由来の2260cm-1が消失し、新たにイミド基由来の1770cm-1にピークが確認できたことからイソシアヌレート環構造を有しないアルカリ可溶性イミド化合物の合成を確認した。得られた(X-2)イソシアヌレート環構造を有しないアルカリ可溶性イミド化合物溶液の酸価が33mgKOH/g、(X-2)イソシアヌレート環構造を有しないアルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価は93.1mgKOH/gであった。
・chemcure DETX:日本シイベルヘグナー株式会社
・イルガキュア907:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
(C)反応性希釈剤
・KAYARAD DPCA-60:日本化薬株式会社
・EPICRON 860:DIC社
(E)有機フィラー
・RHC-730:大日精化工業株式会社
(F)難燃剤
・OP-935:クラリアントジャパン社
・LIONOL BLUE FG7351:東洋インキ製造株式会社
・クロモフタルイエロー AGR:チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
添加剤
・メラミン:日産化学工業株式会社
・DICY-7:三菱化学株式会社
消泡剤
・KS-66:信越化学工業株式会社
厚さ25μmのポリイミドフィルム基板(東レ・デュポン株式会社、カプトン100H)に、上記のように調製した感光性組成物を、DRY膜厚が20μmとなるようにスクリーン印刷法にて塗布し、BOX炉内にて80℃、20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、塗布した感光性組成物上に、露光装置(株式会社オーク製作所、HMW-680GW)にて400mJ/cm2の紫外線(波長300~400nm)を照射して感光性組成物の光硬化膜を形成した。その後、BOX炉内にて、150℃、60分のポストキュア(本熱硬化処理)を行って熱硬化させることにより、硬化塗膜を得て試験体を作製した。
(1)現像性
上記試験体作製工程おける予備乾燥後の基板を、液温30℃の1質量%炭酸ナトリウム水溶液を用いて、60秒、0.2MPaのスプレー法にてアルカリ現像した。アルカリ現像後の基板を目視により観察し、以下の基準に従って評価し、○評価を合格とした。
○:基板上に残渣無し
△:基板上に白色の残渣あり
×:基板上に緑色の残渣あり
ポリイミドフィルム基板に代えて、銅基板(30mm×30mm×厚み0.5mm)に上記試験体作製工程に準じて感光性組成物を塗工して得られた試験体について、硬化塗膜に0.5mm×0.5mm×0.1mmでフラックスを塗布し、ホットプレートを用いて280℃で加熱した。加熱開始から硬化塗膜に膨れが生じるなどの異常が見られるまでの時間を目視で観察し、以下の基準にて評価し、○評価以上を合格とした。
◎:60秒以上、硬化塗膜に異常が認められない。
○:30秒以上60秒未満の間に硬化塗膜の異常が発生。
△:15秒以上30秒未満の間に硬化塗膜の異常が発生。
×:15秒未満で硬化塗膜の異常が発生。
試験体作製工程で得られた試験体について、はぜ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、その際の硬化塗膜におけるクラックの発生状況を、目視及び×200の光学顕微鏡で観察し、クラックの発生しなかった回数を測定し、以下の基準に従って評価し、○評価以上を合格とした。
◎:折り曲げを5回以上繰り返してもクラック発生無し。
○:折り曲げを2~4回繰り返してもクラック発生無し。
△:折り曲げを1回行ってもクラック発生無し。
×:折り曲げを1回行ってクラック発生。
Claims (12)
- (A)イミド基とカルボキシル基とイソシアヌレート環構造とを有する、アルカリ可溶性イミド化合物と、(B)光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、を含み、
前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物が、(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物と(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物及び(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物からなる群から選択された少なくとも1種のポリカルボン酸誘導体とからなる化合物の反応生成物であり、
前記(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物が、下記一般式(1)
前記(C)反応性希釈剤100質量部に対して、前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物を50質量部以上150質量部以下含む感光性組成物。 - 前記(a1)イソシアネート基とイソシアヌレート環構造を有するイソシアネート化合物が、1,5-ペンタメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体及び/または1,6-ヘキサメチレンジイソシアネート三量体のイソシアヌレート体である請求項1に記載の感光性組成物。
- 前記(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物が、三塩基酸無水物である請求項1または2に記載の感光性組成物。
- 前記(a3)2つ以上の酸無水物基を有する化合物が、四塩基酸無水物である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記(a2)1つ以上の酸無水物基と1つ以上のカルボキシル基を有する化合物が、トリメリット酸無水物及び核水添トリメリット酸無水物からなる群から選択された少なくとも1種である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記(A)アルカリ可溶性イミド化合物の固形分酸価が、50mgKOH/g以上200mgKOH/g以下である請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 前記(C)反応性希釈剤が、2官能以上の(メタ)アクリレート化合物を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- さらに、(D)熱硬化性樹脂として、エポキシ化合物を含む請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- さらに、(E)有機フィラーとして、ウレタンビーズを含む請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- さらに、(F)難燃剤として、リン含有化合物を含む請求項1乃至9のいずれか1項に記載の感光性組成物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の感光性組成物の光硬化物。
- 請求項1乃至10のいずれか1項に記載の感光性組成物の光硬化物を備えたプリント配線板。
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