JP7202283B2 - 感光性樹脂組成物 - Google Patents
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Description
[1](A)感光性樹脂と、(B)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)白色着色剤と、を含み、
前記オキシムエステル系光重合開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤からなる感光性樹脂組成物。
[2]前記ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が、下記一般式(1)
[3]前記ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が、下記式(1-1)
[4]前記ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が、前記(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.50質量部以上3.50質量部以下含まれる[1]乃至[3]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[5]前記(B)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する光重合開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する[1]乃至[4]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[6]前記(C)反応性希釈剤が、単官能の(メタ)アクリレート化合物及び/または2官能の(メタ)アクリレート化合物である[1]乃至[5]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[7]前記(E)白色着色剤が、酸化チタンである[1]乃至[6]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[8]前記酸化チタンが、前記(A)感光性樹脂100質量部に対し、100質量部以上200質量部以下含まれる[1]乃至[7]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[9]直描露光用である[1]乃至[8]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物。
[10][1]乃至[9]のいずれか1つに記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
[11][10]に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
(A)成分である感光性樹脂としては、例えば、(A-1)アクリル酸やメタクリル酸(以下、「(メタ)アクリル酸」ということがある。)等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルと1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物との共重合体のエポキシ基の少なくとも一部に(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させた感光性樹脂(A-1樹脂)、(A-2)(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のカルボキシル基にエポキシまたはアルコールを反応させた感光性樹脂(A-2樹脂)、(A-3)(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の重合体のカルボキシル基の少なくとも一部または(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルとを反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部に、1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物を反応させた感光性樹脂(A-3樹脂)、(A-4)1分子中にエポキシ基を2個以上有する多官能エポキシ樹脂のエポキシ基の少なくとも一部にラジカル重合性不飽和モノカルボン酸を反応させて不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂を得て、生成した水酸基にポリイソシアネート化合物を付加反応させ、さらに付加反応したポリイソシアネート化合物のイソシアネート基に、水酸基とカルボキシル基を有する化合物を付加反応させて得られる部位を有する酸変性ウレタン化不飽和モノカルボン酸化エポキシ樹脂(A-4樹脂(ウレタン変性樹脂))を挙げることもできる。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルを構成するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、例えば、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。このうち、入手と取り扱いが容易である点から、(メタ)アクリル酸が好ましい。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルを構成するアルコールとしては、特に限定されないが、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、ヘキサノール等の炭素数1~10個の脂肪族モノアルコールが挙げられる。これらのアルコールは、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸としては、上記と同じく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。
ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の重合体を構成するモノマーとしては、上記と同じく、(メタ)アクリル酸、クロトン酸、チグリン酸、アンゲリカ酸、桂皮酸などを挙げることができる。これらのラジカル重合性不飽和モノカルボン酸は、単独で使用してもよく、また2種以上を併用してもよい。また、上記共重合体を構成するラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルとしては、A-1樹脂の合成に使用するエステルを挙げることができる。ラジカル重合性不飽和モノカルボン酸の重合体のカルボキシル基の少なくとも一部または(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸と(メタ)アクリル酸等のラジカル重合性不飽和モノカルボン酸のエステルとを反応させて得られる共重合体のカルボキシル基の少なくとも一部に反応させる1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基を有する化合物としては、グリシジル化合物を挙げることができる。グリシジル化合物としては、例えば、上記と同じく、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、アリルグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリアクリレートモノグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタクリレートモノグリシジルエーテル等が挙げられる。なお、グリシジル基は1分子中に複数有していてもよい。上記した1つ以上のラジカル重合性不飽和基とエポキシ基とを有する化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
多官能エポキシ樹脂としては、上記と同じく、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂に、さらにBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものを使用してもよい。これらの多官能エポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(B)成分であるオキシムエステル系光重合開始剤を含有する光重合開始剤では、オキシムエステル系光重合開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤からなる。従って、(B)成分では、オキシムエステル系光重合開始剤として、ジフェニルスルフィド骨格を有さないオキシムエステル系光重合開始剤は含有していない。
(D)成分であるエポキシ化合物は、感光性樹脂組成物の硬化物の架橋密度を上げて十分な強度の硬化塗膜を得るためのものである。エポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂を挙げることができる。エポキシ樹脂としては、特に限定されないが、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε-カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、オルト-クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、ダイマー酸グリシジルエステル型エポキシ樹脂等を挙げることができる。これらの化合物は、単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
(E)成分である白色着色剤を配合することで、白色の硬化物を形成して硬化物の反射率を向上させることができる。白色着色剤としては、酸化チタンを挙げることができる。酸化チタンとしては、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタンを挙げることができる。このうち、反射率の点から、ルチル型酸化チタンが好ましい。
下記表1に示す各成分を下記表1に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1~9、比較例1~3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。下記表1に示す各成分の配合量は、特に断りのない限り質量部を示し、また、配合量の空欄は、配合が0質量部であることを意味する。
(A)感光性樹脂
・ACA-Z300:ダイセル・オルネクス株式会社(固形分65質量%)
・FLX-2089:日本化薬株式会社(固形分65質量%)
・合成樹脂
アクリル基含有光硬化性樹脂は、下記のように合成した(表1中、「合成樹脂1」)。
撹拌機、温度計、還流冷却管、滴下ロート、窒素または空気導入管を備えた3リットルセパラブルフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテル(三洋化成品社製、アーコソルブPM)1500gを仕込み、105℃に昇温後、グリシジルメタクリレート(日油社製、ブレンマーGH)142g、n-ブチルメタクリレート1279g、プロピレングリコールモノメチルエーテル360g及びジメチル2,2’‐アゾビス(2-メチルプロピオネート)(和光純薬社製、V-601)15.0gを混合した溶液を3時間かけて滴下した。滴下後、3時間窒素雰囲気下で反応を続けて熟成させた。次に、空気雰囲気下でアクリル酸690g、トリフェニルホスフィン3g、メトキシフェノール3gを混合した溶液を加えて110℃で10時間反応させた。これにより、酸価1.2mgKOH/g、二重結合当量1500g/eq、重量平均分子量22000のアクリル基含有感光性樹脂の溶液(固形分65質量%)を得た。
ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤
・NCI-930:ADEKA社
他の光重合開始剤
・Irgacure819:BASF社
・SPEEDCURE TPO:LAMBSON社
・Irgacure369:BASF社
・EBECRYL3708:ダイセル・オルネクス株式会社
・DPCA-120:日本化薬株式会社
・DPHA:日本化薬株式会社
(D)エポキシ化合物
・EPICRON860:DIC社
・エピコート1003:三菱ケミカル株式会社
(E)白色着色剤
・CR-80:石原産業株式会社
・DICY-7:三菱ケミカル株式会社
・メラミン:日産化学工業株式会社
難燃剤
・エクソリット OP-935:クラリアントジャパン社
エラストマー
・EP-2601:東レ・ダウコーニング株式会社
非反応性希釈剤
・EDGAC:三洋化成品株式会社
消泡剤
・AC-2000HF:信越化学工業株式会社
・NCI-831:ADEKA社
・OXE-02:BASF社
基板:ポリイミドフィルム(厚さ25μm、銅箔厚12μm、新日鉄住金化学株式会社「ESPANEX」)
表面処理:5質量%硫酸処理
印刷法:スクリーン印刷
DRY膜厚:20μm
予備乾燥:80℃、20分
露光:感光性樹脂組成物上200mJ/cm2(直描露光装置「Nuvogo1000R」(光源:レーザー、メイン波長375nm、405nm)、オルボテック社製 )
アルカリ現像:1質量%のNa2CO3水溶液、液温30℃、スプレー圧0.2MPa、現像時間60秒
ポストキュア(本硬化の加熱処理):150℃、60分
(1)感度
上記試験体作製工程の予備乾燥工程まで行った基板に対し、感度測定用ステップタブレット(コダック社製、Stouffer21段)を塗膜上に密着させ、このステップタブレットを通して、375nm、405nmの波長の紫外線の照射光量をオーク製作所株式会社製の積算光量計を用い200mJ/cm2照射したものをテストピ-スとした。このテストピースに、上記試験体作製工程と同様にして現像を行った。露光部分のうち、現像後に除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感度が良好であることを示す。
ライン幅30μm~200μmのパターンを持つフォトマスクを用いて露光したこと以外は、上記試験体作製工程に準じて感光性樹脂組成物を塗工した。作製した硬化塗膜について、ラインとして完全な形状で基板上に残存している最も細いライン幅(μm)を、目視にて観察し、解像性として評価した。
上記試験体作製工程にて作製した試験体を3cm×3cmに切り出した後、切り出した試験片を、水平な台上に上が凹になるよう静かに置き、外力を加えないようにして、試験片の4か所の角部と台との間の垂直な隔たりを直尺で測定し、その最大値を採用し、以下の4段階で評価した。
◎:1mm未満、
○:1mm以上3mm未満、
△:3mm以上5mm未満、
×:5mm以上
上記試験体作製工程にて作製した試験体を、荷重300gにて、硬化塗膜が外側になる状態ではぜ折り試験により折り曲げを行った後、フラットに戻すサイクルを繰り返し、その際の硬化塗膜におけるクラック発生状況を目視及び×200の光学顕微鏡で観察し、クラックが発生したかどうかを以下の4段階で評価した。
◎:5回のサイクルでクラックなし、
○:4回~2回のサイクルまでクラックなし、
△:1回までクラックなし、
×:1回でクラック発生、
ポストキュア後の硬化塗膜について、変色の有無を目視にて観察し、以下の3段階で評価した。
○:変色なし、
△:若干の変色が認められる、
×:黄変等の変色がはっきり認められる、
初期:上記試験体作製工程にて作製した試験体について、分光光度計U-3414(株式会社日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmにおける反射率を測定した。
N2リフロー後:リフロー温度260℃、リフロー時間30秒にて,リフロー炉にて熱処理後、分光光度計U-3414(株式会社日立製作所製:φ60mm積分球)にて、450nmにおける反射率を測定した。
Claims (10)
- (A)感光性樹脂と、(B)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する光重合開始剤と、(C)反応性希釈剤と、(D)エポキシ化合物と、(E)白色着色剤と、を含み、
前記オキシムエステル系光重合開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤からなり、
前記(D)エポキシ化合物が、前記(A)感光性樹脂100質量部に対し、30質量部以上含まれ、
前記ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が、下記一般式(1)
- 前記ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤が、前記(A)感光性樹脂100質量部に対し、0.50質量部以上3.50質量部以下含まれる請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(B)オキシムエステル系光重合開始剤を含有する光重合開始剤が、ジフェニルスルフィド骨格を有するオキシムエステル系光重合開始剤とアシルホスフィンオキサイド系光重合開始剤を含有する請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(C)反応性希釈剤が、単官能の(メタ)アクリレート化合物及び/または2官能の(メタ)アクリレート化合物である請求項1乃至4のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記(E)白色着色剤が、酸化チタンである請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 前記酸化チタンが、前記(A)感光性樹脂100質量部に対し、100質量部以上200質量部以下含まれる請求項6に記載の感光性樹脂組成物。
- 直描露光用である請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
- 請求項1乃至8のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物の硬化物。
- 請求項9に記載の硬化物を備えたプリント配線板。
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