JP6061576B2 - 感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物の硬化被膜を有するプリント配線板 - Google Patents

感光性樹脂組成物及び感光性樹脂組成物の硬化被膜を有するプリント配線板 Download PDF

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Description

本発明は、低反り性と折り曲げ性に優れ、かつ絶縁性、耐金メッキ性及び難燃性に優れる硬化物を得ることができ、さらに、感度、現像性及び指触乾燥性に優れる感光性樹脂組成物、並びに前記感光性樹脂組成物を用いたドライフィルム及びプリント配線板に関するものである。
プリント配線板は、基板の上に導体回路のパターンを形成し、そのパターンのはんだ付けランドに電子部品をはんだ付けにより搭載するために使用され、そのはんだ付けランドを除く回路部分は永久保護被膜としてのソルダーレジスト膜で被覆される。これにより、プリント配線板に電子部品をはんだ付けする際に、はんだが不必要な部分に付着するのを防止すると共に、回路導体が空気に直接曝されて酸化や湿度により腐食されるのを防止する。
通常、ソルダーレジストには、指触乾燥性、感度、現像性、耐金メッキ性、難燃性、絶縁性等の諸特性が要求される。プリント配線板の中でも、ポリイミド等の薄膜基板が用いられるフレキシブルプリント配線板(以下、「FPC」ということがある。)では、上記ソルダーレジストの諸特性に加えて、折り曲げても割れないようなフレキシブル性(折り曲げ性、柔軟性)や硬化後の収縮により発生する反りが少ない低反り性を有するソルダーレジストが要求される。
更に、近年、難燃化の手法として臭素化エポキシ樹脂等のハロゲン化合物と三塩化アンチモン等とを組みわせる手法が用いられてきた。しかし、このようなハロゲン化合物やアンチモン化合物の使用は、環境負荷の観点から好ましくなく、環境負荷の少ない化合物による難燃化の検討がなされている。
環境負荷の少ないハロゲンフリーの難燃化技術として、例えば、ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂と不飽和モノカルボン酸との反応生成物に多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ水溶液可溶性樹脂、硬化剤としてのビフェニルノボラック型エポキシ樹脂及び光重合開始剤を含有するアルカリ水溶液可溶性感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献1)。しかし、特許文献1のアルカリ水溶液可溶性感光性樹脂組成物の硬化膜はフレキシブル性が十分ではないので、特に、フレキシブルプリント配線板のソルダーレジストとしては、十分に適しているとはいえなかった。
また、フレキシブルプリント配線板用のソルダーレジストは、上記の通り、ハロゲンフリーでの難燃性に加えて、優れたフレキシブル性を有している必要があることから、ウレタン構造を有するカルボキシル基含有樹脂とリン系難燃剤とを組み合わせた感光性樹脂組成物が提案されている(特許文献2)。しかし、特許文献2の感光性樹脂組成物では、主成分となる、感光性とアルカリ現像性を有する樹脂中に、フレキシブル性を付与するために親水性のウレタン結合を介してフレキシブル性の高い成分(原料のジイソシアネート化合物由来の成分)を樹脂中に導入しているため、特に、耐熱性と絶縁性の両特性を維持することが困難であるという問題があった。
特開2007−41107号公報 特開2011−123420号公報
上記事情に鑑み、本発明の目的は、現像性、難燃性、絶縁性等の諸特性を損なうことなく、折り曲げ性及び低反り性に優れた特性を有する硬化物を形成できる感光性樹脂組成物を提供することである。
本発明の態様は、a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物にd)多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、を含有する感光性樹脂組成物である。
本発明の一態様は、前記脂肪酸のうち、少なくとも1種が二塩基酸である感光性樹脂組成物である。この態様では、脂肪酸を単独または2種以上を混合して用いることができるが、脂肪酸が、単独で用いられる場合には二塩基酸からなり、2種以上の脂肪酸を混合したものである場合には、少なくとも1種の二塩基酸を含んでいる。脂肪酸は、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上であるので、二塩基酸である脂肪酸は、炭素数は20以上である。
本発明の一態様は、前記脂肪酸のうち、少なくとも1種が、炭素数が18以上の直鎖状飽和脂肪族一塩基酸である感光性樹脂組成物である。
本発明の一態様は、前記多塩基酸無水物が、下記一般式(1)
(式中、Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基、カルボキシル基、またはヒドロキシル基を表し、mは1〜3の整数である。)で表される化合物である感光性樹脂組成物である。
本発明の一態様は、前記エポキシ樹脂が、下記一般式(2)
(式中、Rは、水素原子、または直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表し、lは1〜3の整数、nは1〜10の整数である。)で表される化合物である感光性樹脂組成物である。この態様では、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(ビフェニルノボラック型エポキシ樹脂)である一般式(2)のエポキシ樹脂が使用される。
本発明の一態様は、さらに、リン元素含有化合物及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された難燃剤(C)を含む感光性樹脂組成物である。
本発明の一態様は、さらに、熱硬化性化合物(D)を含む感光性樹脂組成物である。
本発明の一態様は、上記感光性樹脂組成物、フィルムに塗工されたドライフィルムである。
本発明の一態様は、上記ドライフィルムを基板上にラミネートして形成した塗膜を、パターニングし光硬化被膜を有するプリント配線板である。
本発明の一態様は、上記感光性樹脂組成物を基板上に塗布して形成した塗膜を、パターニングし光硬化被膜を有するプリント配線板である。
本発明によれば、柔軟性が高く、耐燃焼性と疎水性に優れた構造である長鎖脂肪酸、つまりカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸を、エチレン性不飽和基含有カルボン酸とともに、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂に付加することで、エチレン性不飽和基と、柔軟性、疎水性及び耐燃焼性に優れた長鎖脂肪酸骨格とを含有する変性エポキシ樹脂骨格を形成することができる。さらに、長鎖脂肪酸及び/またはエチレン性不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基との反応により生成する水酸基(主に2級)に多塩基酸無水物を付加させて樹脂にカルボキシル基を導入することにより、弱アルカリ性水溶液(例えば炭酸ナトリウム水溶液、炭酸カリウム水溶液等)に可溶化させることができる。これにより、上記アルカリ可溶性樹脂(A)を含む感光性樹脂組成物は、光硬化性及び前記弱アルカリ水溶液での現像性を有する樹脂組成物であるとともに、その硬化物は折り曲げ性、低反り性、耐熱性、絶縁性に優れ、また、難燃性の成分を付与することで、より難燃性を有する樹脂組成物とすることもできる。
脂肪酸が二塩基酸を含有することにより、得られるアルカリ可溶性樹脂(A)は、上記エポキシ樹脂の異なるエポキシ基が、上記二塩基酸を介して相互に結合することで、エポキシ樹脂が有する比較的剛直な骨格が、長鎖脂肪酸に由来する柔軟性の高い骨格にて共有結合により架橋された構成とすることができる。これにより、本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)を含有する感光性樹脂組成物を硬化させた塗膜が、耐熱性と柔軟性とを兼ね備えたものとすることができる。また、脂肪酸が二塩基酸を含有することにより、比較的低分子量のエポキシ樹脂を適当な分子量に調整することができるので、アルカリ現像性を維持しながら乾燥後の指触乾燥性に優れた感光性樹脂組成物とすることが可能となる。
また、本発明によれば、脂肪酸が、炭素数が18以上の直鎖状飽和脂肪族一塩基酸を含有することにより、アルカリ可溶性樹脂に柔軟性に優れた長鎖脂肪酸由来の構造を導入することで硬化塗膜の折り曲げ性を向上させるにあたって、炭素数が18以上である直鎖状飽和脂肪族鎖の疎水性結合に由来すると考えられる凝集力が、乾燥後の塗膜に発生する。これにより、本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)を含む感光性樹脂組成物に溶剤が配合される場合でも、該溶剤を揮発させる工程である予備乾燥の後の塗膜について指触乾燥性にも優れた感光性樹脂組成物とすることができる。
本発明によれば、感光性樹脂組成物の硬化物の折り曲げ性、低反り性等の諸特性を損なうことなく、リン元素含有化合物及び/または水酸化アルミニウム、熱硬化性化合物を含有することが可能である。
次に、本発明の感光性樹脂組成物について詳細に説明する。本発明の感光性樹脂組成物は、a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物にd)多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、を含有することを特徴とする。上記各成分は、以下の通りである。
アルカリ可溶性樹脂(A)
アルカリ可溶性樹脂(A)は、a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基に、b)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸を反応させることで、反応生成物である長鎖脂肪酸変性エチレン性不飽和基含有変性エポキシ樹脂を得、さらに長鎖脂肪酸及び/またはエチレン性不飽和基含有カルボン酸のカルボキシル基とエポキシ樹脂のエポキシ基との反応により生成する水酸基(主に2級)に、d)多塩基酸無水物を付加させて樹脂に遊離のカルボキシル基を導入したものである。
a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、2官能以上のエポキシ樹脂であればいずれでも使用可能である。1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ当量は特に限定されないが、エチレン性不飽和基含有カルボン酸と長鎖脂肪酸の導入割合の低下による感光性と折り曲げ性の低下を防止する点から1000以下が好ましく、100〜500が特に好ましい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂には、例えば、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、フェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂、シリコーン変性エポキシ樹脂等のゴム変性エポキシ樹脂、ε−カプロラクトン変性エポキシ樹脂、ビスフェノールA型、ビスフェノールF型、ビスフェノールAD型等のフェノールノボラック型エポキシ樹脂、о−クレゾールノボラック型等のクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、環状脂肪族多官能エポキシ樹脂、グリシジルエステル型多官能エポキシ樹脂、グリシジルアミン型多官能エポキシ樹脂、複素環式多官能エポキシ樹脂、ビスフェノール変性ノボラック型エポキシ樹脂、多官能変性ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール類とフェノール性水酸基を有する芳香族アルデヒドとの縮合物型エポキシ樹脂、フルオレン骨格を含有するエポキシ樹脂、アダマンタン骨格を導入したエポキシ樹脂等を挙げることができる。また、これらの樹脂にBr、Cl等のハロゲン原子を導入したものも使用可能である。
これらのうち、感光性樹脂組成物の硬化物の感光性と、折り曲げ性、低反り性、耐熱性及び絶縁性の点から、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂が好ましく、折り曲げ性、耐熱性及び難燃性により優れる点から、下記一般式(2)
(式中、Rは、水素原子、または直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表し、lは1〜3の整数、nは1〜10の整数である。)で表されるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂が特に好ましい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂として市販されているものには、例えば、NC‐3000(日本化薬(株)製、一般式(2)のRが水素原子であるビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂)が挙げられる。上記した1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
b)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基に反応して、該樹脂に上記脂肪酸由来の長鎖炭化水素構造が導入されることで、感光性樹脂組成物の硬化物の柔軟性と耐水性を向上させることができる。カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能であり、直鎖状、分岐状のいずれも使用可能である。上記脂肪酸には、例えば、炭素数が10以上の一塩基酸、炭素数20以上の二塩基酸が挙げられ、折り曲げ性と指触乾燥性の両立の点から、上記一塩基酸及び二塩基酸は、直鎖状または炭素数2以下の側鎖を2本以下有する分岐状が好ましい。
また、脂肪酸構造をエポキシ樹脂に導入しつつ、上記エポキシ樹脂の異なるエポキシ基が脂肪酸を介して相互に結合することで、エポキシ樹脂が有する比較的剛直な骨格が、長鎖脂肪酸由来の柔軟性の高い長鎖炭化水素骨格にて共有結合により架橋された構成とすることができ、硬化塗膜の折り曲げ性、耐熱性及び耐薬品性に優れた構造をエポキシ樹脂に付与する点から、脂肪酸は少なくとも1種の二塩基酸を含有することが好ましい。さらに、本発明では、長鎖脂肪酸に由来する柔軟性の高い長鎖炭化水素骨格を多く導入することで硬化塗膜の折り曲げ性を向上させることができるが、上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である二塩基酸に加えて、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である一塩基を併用することにより、脂肪酸と多官能エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物の分子量を、長鎖脂肪酸に由来する成分の組成比率を向上させながら適度に制御することができる。このように、分子量を適度に調整することで、乾燥後の塗膜の指触乾燥性と弱アルカリ現像液への溶解性(すなわちアルカリ現像性)と硬化塗膜の柔軟性との両立が可能となる。一塩基酸としては、特に、カルボキシル基1つあたりの炭素数が18以上である直鎖状飽和一塩基酸を含むことで、直鎖状飽和脂肪族鎖の疎水性結合に由来すると考えられる凝集力が乾燥後の塗膜に発生して、予備乾燥後の塗膜が優れた指触乾燥性を持つだけでなく、柔軟性に優れた長鎖脂肪酸由来の構造を多く含有することにより、硬化塗膜は優れた折り曲げ性や低反り性を持つことができる。
カルボキシル基1つあたりの炭素数は、硬化塗膜に柔軟性と疎水性が得られる点から10以上が好ましい。一方、カルボキシル基1つあたりの炭素数の上限値は、特に限定されないが、アルカリ現像性を維持する点から22以下が好ましい。
カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸の具体例には、一塩基酸としては、カプリン酸(デカン酸:C10)、テトラデカン酸(C11)、ラウリン酸(ドデカン酸:C12)、ペンタデカン酸(C13)、ミリスチン酸(テトラデカン酸:C14)、ペンタデシル酸(C15)、パルミチン酸(ヘキサデカン酸:C16)、マルガリン酸(ヘプタデカン酸:C17)、ステアリン酸(C18)、イソステアリン酸(C18)、ツベルクロスステアリン酸(C19)、アラキジン酸(C20)、ベヘニン酸(C22),リグノセリン酸(C23)、テトラコサン酸(C24)、ヘキサコサン酸(C26)、オクタコサン酸(C28)、トリアコンタン酸(C30)等が挙げられる。
二塩基酸としては、エイコサン二酸(C20)、エチルオクタデカン二酸(C20)、エイコサジエン二酸(C20)、ビニルオクタデカエン二酸(C20)、ジメチルエイコサジエン二酸(C22)、ジメチルエイコサン二酸(C22)、ジフェニルヘキサデカン二酸(C28)、オレイン酸(C18)等の不飽和脂肪酸の二量体化反応によるC36ダイマー酸、該ダイマー酸のオレフィン性二重結合を水素化してなることを特徴とする水添ダイマー酸等を挙げることができる。上記二塩基酸の市販品としては、例えば、下記式(3)に示すエイコサン二酸を主成分とする岡村精油(株)製の「SL-20」、

下記式(4)に示す8‐エチルオクタデカン二酸を主成分とする岡村精油(株)製の「SB-20」、

下記式(5)に示す(8E,12E)‐エイコサ‐8,12−ジエン二酸と、下記式(6)に示す(8E)‐11−ビニルオクタデカ‐8‐エン二酸とをそれぞれ主成分とする岡村精油(株)製の「ULB-20」、

下記式(7)に示す(8E,12E)‐9,12‐ジメチル‐エイコサ−8,12−ジエン二酸を主成分とする岡村精油(株)製の「IPU-22」、
下記式(8)に示す9,12‐ジメチルエイコサン二酸を主成分とする岡村精油(株)製の「IPS‐22」、
下記式(9)に示す8,9‐ジフェニルヘキサデカン二酸を主成分とする岡村精油(株)製の「ST-2P」、
オレフィン性不飽和二重結合を有するC36ダイマー酸を主成分とするアリゾナケミカル製の「UNIDYM10」、「UNIDYM14」、「UNIDYM18」、「UNIDYM22」、「UNIDYM35」、該C36ダイマー酸のオレフィン性不飽和二重結合を水素化した水添ダイマー酸であるクローダ社製「Pripol 1010」等を挙げることができる。
上記したカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸は、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸との反応方法は、公知の方法でよく、例えば、上記エポキシ樹脂と上記脂肪酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂(A)中におけるカルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸の割合(仕込み割合)は、特に限定されないが、折り曲げ性と低反り性をより向上させる点から15質量%以上が好ましく、折り曲げ性を確実に向上させる点から22質量%以上が特に好ましい。一方で、その上限値は、エチレン性不飽和基含有カルボン酸の導入量を適度に維持することで感光性を維持する点から50質量%が好ましい。
c)エチレン性不飽和基含有カルボン酸
エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂のエポキシ基と反応して、エポキシ樹脂に光重合開始剤により発生するフリーラジカルによって重合することができる光硬化性基を導入する。エチレン性不飽和基含有カルボン酸は、エポキシ樹脂に光硬化性を付与するものであれば、特に限定されず、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、βアクリロキシプロピオン酸、ω-カルボキシーポリカプロラクトン-(メタ)アクリル酸、クロトン酸、桂皮酸など、アクリロイル基またはメタクリロイル基をエポキシ樹脂に導入できるカルボン酸を挙げることができる。このうち、アクリル酸、メタクリル酸(以下、(メタ)アクリル酸ということがある。)が好ましく、アクリル酸が特に好ましい。これらは、単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応方法は特に限定されず、例えば、上記エポキシ樹脂とエチレン性不飽和基含有カルボン酸を適当な希釈剤中で加熱する反応方法が挙げられる。
d)多塩基酸無水物
多塩基酸無水物は、前記エポキシ樹脂が、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸との反応により生成した水酸基及びエチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応により生成した水酸基に反応して、前記エポキシ樹脂に遊離のカルボキシル基が導入される。使用する多塩基酸無水物としては、特に限定されず、飽和、不飽和のいずれも使用可能である。多塩基酸には、例えば、コハク酸、マレイン酸、アジピン酸、クエン酸、フタル酸、テトラヒドロフタル酸、3−メチルテトラヒドロフタル酸、4−メチルテトラヒドロフタル酸、3−エチルテトラヒドロフタル酸、4−エチルテトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、3−メチルヘキサヒドロフタル酸、4−メチルヘキサヒドロフタル酸、3−エチルヘキサヒドロフタル酸、4−エチルヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、トリメリット酸、ピロメリット酸及びジグリコール酸等の多塩基酸の無水物が挙げられる。
多塩基酸無水物としては、アルカリ現像性の点から、下記一般式(1)
(式中、Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基、カルボキシル基、またはヒドロキシル基を表し、mは1〜3の整数である。)で表される化合物が好ましい。一般式(1)で示される化合物は、一分子中に遊離のカルボキシル基と酸無水物基とを有するので、脂肪酸及び/またはエチレン性不飽和基を有するカルボン酸とエポキシ基との反応により生成した水酸基と、上記化合物の酸無水物基とが反応して、エステル結合により樹脂骨格に導入される。このとき、一般式(1)で示される化合物一分子当たり、2つのカルボキシル基を樹脂に導入できることとなる。従って、多くの長鎖脂肪酸成分を樹脂に導入しながら、少ない水酸基にて、効率良くアルカリ溶解性を得るのに必要な量のカルボキシル基を樹脂に導入することができる。これにより、長鎖脂肪酸成分の導入による硬化塗膜の高い柔軟性及び疎水性と、予備乾燥後のアルカリ現像性とを高いレベルで両立することができる。特に、同じカルボン酸量に設計しながら、一般式(1)で示される化合物を導入した本発明のアルカリ可溶性樹脂は、一般式(1)で示される化合物以外の酸無水物を導入した本発明のアルカリ可溶性樹脂に比べて、より短時間でのアルカリ現像を行うことができる。なお、これらの化合物は単独で使用してもよく、アルカリ現像性を適度に調整するために、2種以上混合して使用してもよい。
アルカリ可溶性樹脂(A)の固形分酸価は、アルカリ現像の点から50mgKOH/g〜200mgKOH/gが好ましい。50mgKOH/g未満では、十分な速度でのアルカリ現像が困難となる傾向があり、200mgKOH/g超では、アルカリ現像液による露光部の膨潤等により露光パターンの維持が困難となる傾向がある。また、硬化物の耐湿性と絶縁性の低下防止、耐金メッキ性維持の点から、上限値は150mgKOH/gがより好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂(A)の重量平均分子量は、3000〜50000の範囲が好ましい。3000未満の場合には、硬化物の強靭性及び指触乾燥性が低下する傾向があり、50000超では、アルカリ現像性が著しく低下する場合がある。アルカリ可溶性樹脂(A)のエチレン性不飽和基含有カルボン酸由来の二重結合当量(以下、「二重結合当量」という。)は、特に限定されないが、500〜5000g/eqが好ましい。500未満では、光硬化による架橋密度が高くなることで硬化塗膜の折り曲げ性と硬化収縮により反り性が悪化する傾向があり、5000超では、光硬化性が低くなって感度の低下による必要露光量の増大を招いたり、硬化塗膜の耐薬品、耐めっき性が低下する傾向がある。硬化塗膜の折り曲げ性と感光性を両立する点からより好ましくは700〜3500である。また、アルカリ可溶性樹脂としては、他の公知のカルボキシル基を有する樹脂を本発明のアルカリ可溶性樹脂(A)と併用することが可能であり、例えばエポキシ(メタ)アクリレートの水酸基に酸無水物化合物を付加した樹脂や、エポキシ(メタ)アクリレートとジイソシアネートとジメチロールプロピオン酸やジメチロールブタン酸等のカルボキシル基を有するジアルコール類を縮合させて合成されるウレタン変性エポキシアクリレート、(メタ)アクリル酸とスチレンや単官能(メタ)アクリレート類等のエチレン性不飽和基含有化合物の共重合物や、それにエチレン性不飽和基とエポキシ基を有する化合物を付加した樹脂等が挙げられる。
光重合開始剤(B)
光重合開始剤は、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、オキシムエステル系光重合開始剤、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾイン‐n‐ブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、アセトフェノン、ジメチルアミノアセトフェノン、2,2‐ジメトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2,2‐ジエトキシ‐2‐フェニルアセトフェノン、2‐ヒドロキシ‐2‐メチル‐1‐フェニルプロパン‐1‐オン、1‐ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2‐メチル‐1‐〔4‐(メチルチオ)フェニル〕‐2‐モルフォリノ‐プロパン‐1‐オン、4‐(2‐ヒドロキシエトキシ)フェニル‐2‐(ヒドロキシ‐2‐プロピル)ケトン、ベンゾフェノン、p‐フェニルベンゾフェノン、4,4′‐ジエチルアミノベンゾフェノン、ジクロルベンゾフェノン、2‐メチルアントラキノン、2‐エチルアントラキノン、2‐ターシャリーブチルアントラキノン、2‐アミノアントラキノン、2‐メチルチオキサントン、2‐エチルチオキサントン、2‐クロルチオキサントン、2,4‐ジメチルチオキサントン、2,4ジエチルチオキサントン、ベンジルジメチルケタール、アセトフェノンジメチルケタール、P‐ジメチルアミノ安息香酸エチルエステル、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルホスフィンオキサイド、(2,4,6‐トリメチルベンゾイル)エトキシフェニルフォスフィンオキサイド、1,2−オクタンジオン、1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)]、2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−O−ベンゾイルオキシム、エタノン、1‐[9‐エチル‐6‐(2‐メチルベンゾイル) ‐9H‐カルバゾール‐3‐イル] ‐ ,1‐(O‐アセチルオキシム)等が挙げられる。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
波長300〜450nmの紫外光が本発明の感光性樹脂組成物に照射されると、上記光重合開始剤からフリーラジカルが生成して、本発明で使用するアルカリ可溶性樹脂のエチレン性不飽和基のラジカル重合を開始させることで、感光性樹脂組成物を硬化させることができる。光重合開始剤の配合量は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、2〜20質量部が好ましく、5〜15質量部が特に好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物では、上記各成分の他に、必要に応じて、難燃剤(C)、熱硬化性化合物(D)をさらに配合させることができる。
難燃剤(C)
本発明の感光性樹脂組成物に難燃剤を配合することで、硬化物の難燃性をより向上させることができる。難燃剤は特に限定されず、公知のものを使用できるが、例えば、リン元素含有化合物、水酸化アルミニウム等を挙げることができる。リン元素含有化合物の具体例としては、トリス(クロロエチル)ホスフェート、トリス(2,3−ジクロロプロピル)ホスフェート、トリス(2−クロロプロピル)ホスフェート、トリス(2,3−ブロモプロピル)ホスフェート、トリス(ブロモクロロプロピル)ホスフェート、2,3−ジブロモプロピル−2,3−クロロプロピルホスフェート、トリス(トリブロモフェニル)ホスフェート、トリス(ジブロモフェニル)ホスフェート、トリス(トリブロモネオペンチル)ホスフェートなどの含ハロゲン系リン酸エステル;トリメチルホスフェート、トリエチルホスフェート、トリブチルホスフェート、トリオクチルホスフェート、トリブトキシエチルホスフェート、トリアリルホスフィンなどのノンハロゲン系脂肪族リン酸エステル;トリフェニルホスフェート、クレジルジフェニルホスフェート、ジクレジルフェニルホスフェート、トリクレジルホスフェート、トリキシレニルホスフェート、キシレニルジフェニルホスフェート、トリス(イソプロピルフェニル)ホスフェート、イソプロピルフェニルジフェニルホスフェート、ジイソプロピルフェニルフェニルホスフェート、トリス(トリメチルフェニル)ホスフェート、トリス(t−ブチルフェニル)ホスフェート、ヒドロキシフェニルジフェニルホスフェート、オクチルジフェニルホスフェート、3−グリシジルオキシプロピレンジフェニルホスフィンオキシド、3−グリシジルオキシジフェニルホスフィンオキシド、ジフェニルビニルホスフィンオキシド、2−(9,10−ジヒドロ−9−オキサ−10−オキサイド−10−ホスファフェナントレン−10−イル)メチルコハク酸ビス−(2−ヒドロキシエチル)−エステル重合物などのノンハロゲン系芳香族リン酸エステル;トリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスメチルエチルホスフィン酸アルミニウム、トリスジフェニルホスフィン酸アルミニウム、ビスジエチルホスフィン酸亜鉛、ビスメチルエチルホスフィン酸亜鉛、ビスジフェニルホスフィン酸亜鉛、ビスジエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスジエチルホスフィン酸チタン、ビスメチルエチルホスフィン酸チタニル、テトラキスメチルエチルホスフィン酸チタン、ビスジフェニルホスフィン酸チタニル、テトラキスジフェニルホスフィン酸チタンなどのホスフィン酸の金属塩等が挙げられる。これらのうち、難燃性と指触乾燥性に優れる点から、固形の難燃剤であるトリスジエチルホスフィン酸アルミニウム、ジエチルホスフィン酸アルミニウム、水酸化アルミニウムが好ましい。特に、優れた難燃性を発揮する点からトリスジエチルホスフィン酸アルミニウムが好ましい。トリスジエチルホスフィン酸アルミニウムは、例えばクラリアントジャパン(株)製「エクソリットOP−935」および同社製「エクソリットOP−930」として市販されている。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
難燃剤の配合量は特に限定されないが、その上限値は、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、折り曲げ性の低下を確実に防止する点から50質量部が好ましく、40質量部が特に好ましい。
熱硬化性化合物(D)
熱硬化性化合物は、熱を加えることにより活性化して、硬化物の架橋密度を上げて、硬化物に十分な機械的強度や耐熱性を付与するためのものである。熱硬化性化合物には、例えば、アルカリ可溶性樹脂(A)の合成に使用した上記エポキシ樹脂等の多官能エポキシ化合物や、ブロックイソシアネート化合物、マレイミド化合物、ベンゾオキサジン系化合物、ジシアンジアミド(DICY)及びその誘導体並びにメラミン及びその誘導体等の潜在性硬化剤を挙げることができる。ブロックイソシアネートは市販のものであっても使用可能であり、例えば、MF−K60B、SBN‐70D、TPA−B80E、17B−60PX、E402−B80T(以上、旭化成ケミカルズ社製、商品名)、スミジュールBL−3175、BL−4165、BL−1100、BL−1265、デスモジュールTPLS−2957、TPLS−2062、TPLS−2078、TPLS−2117、デスモサーム2170、デスモサーム2265(以上、住友バイエルウレタン社製、商品名)、コロネート2512、コロネート2513、コロネート2520(日本ポリウレタン工業社製、商品名)、B−830、B−815、B−846、B−870、B−874、B−882(三井武田ケミカル社製、商品名)、BI7986、BI7951、BI7982、BI7960(バクセンデン社製、商品名)、カレンズMOI‐BM、カレンズMOI‐BP(昭和電工社製、商品名)等が挙げられる。これらのブロックイソシアネートは単独で使用してもよく、2種以上混合して使用してもよい。
熱硬化性化合物の配合量は、特に限定されないが、硬化物の機械的強度と現像性のバランスの点から、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、10〜50質量部が好ましく、20〜30質量部が特に好ましい。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、上記(A)〜(D)成分の他に、必要に応じて、光硬化性化合物、フィラー、無機イオン交換体、着色剤、消泡剤、溶剤などを含有させることができる。
光硬化性化合物は、紫外線の照射により光硬化することで、露光の際の感光性樹脂組成物の光硬化を助ける感光性の化合物である。光硬化性化合物には、例えば、エチレン性不飽和基を有する化合物が挙げられ、ポリエーテル系(メタ)アクリレート、ポリエステル系(メタ)アクリレート、ウレタン系(メタ)アクリレート、ポリカーボネートポリオール(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート等が挙げられる。これらの具体例としては、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ブタンジオール、ヘキサンジオール、ジシクロペンタジエンジメタノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、フェノール、ビスフェノールA等や及びそのエチレンオキサイド変性、プロピレンオキサイド変性、カプロラクトン変性の等の各ポリオールの(メタ)アクリレート、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂等をアクリレートしたエポキシ(メタ)アクリレート、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと各種ポリオール類と各種ジイソシアネートやトリイソシアネート類を縮合したウレタンアクリレート類、ポリカーボネートジオールを(メタ)アクリレート化したポリカーボネートジオール(メタ)アクリレート類、フェノキシエチルメタクリレート、ジエチレングルコールジメタクリレート、2‐ヒドロキシエチルメタクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリルレート、ジトリメチロールプロパンテトラアクリレート、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル、フェノキシエチルメタクリレート、ジエチレングルコールモノメタクリレート、2‐ヒドロキシ‐3‐フェノキシプロピルアクリルレート、フェノールEO変性(メタ)アクリレート、ノニルフェノールPO変性(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化O−フェニルフェノール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、2‐ヒドロキシ−3−アクリロイロキシプロピル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−メトキシエチル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、N−アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタルイミド、フタル酸モノヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメチロールジ(メタ)アクリレート、ビシフェノールF EO変性ジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、イソシアヌル酸変性ジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルジ(メタ)アクリレート、イソシアヌル酸変性トリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等を挙げることができる。光硬化性化合物の配合量は、適宜選択可能であり、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、5〜100質量部が好ましい。5質量部より少ない場合には感光性が低下する傾向があり、100質量部より多い場合には、アルカリ現像性の低下が起こる傾向がある。より好ましくは、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、10〜80質量部である。
フィラーのうち、無機フィラーは、主に硬化塗膜の機械的強度と耐熱性を向上させるための充填剤である。フィラーは、一般的に使用されるものであれば特に限定されず、例えば、無機フィラーには硫酸バリウム、結晶性シリカ、非晶質シリカ、タルク、アルミナ、マイカ、酸化マグネシウム、窒化ホウ素等を挙げることができる。有機フィラーは、耐熱性や柔軟性を向上させるために添加する。有機フィラーとしては、ウレタン系、アクリル系、シリコーン系等の樹脂をあらかじめ架橋させた構造を有した、単一組成のもの、またはコアとシェルとでその成分が異なるコアシェル型等の多層構造を有するものから適宣選択可能である。有機フィラーとしては、折り曲げ性と耐薬品性の点から柔軟性に優れたウレタン系やシリコーン系が特に好ましい。上記有機フィラーのうち、例えば、ウレタン系の樹脂として市販されているものとして、具体的には、大日精化(株)社製「RHC−730」、根上工業(株)社製「アートパールC−300」、「同C−400」、「同C−800」、「同P−800T」、「同U−600T」、「同CF−600T」、「同JB−400T」、「同JB−800T」、「同CE−400T」、「同CE−800T」、「同MM−120TW」、「同C−400R」、「同JB−8000」等の粉末ウレタン樹脂が挙げられる。フィラーの配合量は、適宜選択可能であるが、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、アルカリ現像性、感光性、折り曲げ性が低下する傾向を防止する点から、300以下が好ましい。
無機イオン交換体は、いわゆるイオンキャッチャーであり、反対電荷のイオンを取り込んでイオン交換を行うことで、本発明の感光性樹脂組成物中に残っている塩素イオン、ナトリウムイオン等のイオン性不純物を捕捉固定する。さらに、電圧を印加することでイオンとなり移動する金属イオンやハロゲンイオンを捕捉固定することで、高温多湿条件下であっても、感光性樹脂組成物の硬化物中におけるイオンマイグレーション現象を防止するために用いられる。このイオンマイグレーション現象が防止されることで、本発明の感光性樹脂組成物をプリント配線板のソルダーレジスト膜に使用すると、ソルダーレジスト膜に起因する電極間のショートを確実に防止できる。
無機イオン交換体には、例えば、陽イオン交換体としては、東亞合成(株)製の「IXE‐100」、「IXE‐300」、陰イオン交換体としては、東亞合成(株)製の「IXE‐500」、「IXE‐530」、「IXE‐550」、「IXE‐700」、「IXE‐700F」、「IXE‐800」、両イオン交換体としては、東亞合成(株)製の「IXE‐600」、「IXE‐633」、「IXE‐6107」、「IXE‐6136」、「IXEPLUS-A1」、「IXEPLUS-A2」、「IXEPLUS-B1」等を挙げることができる。これらの中で、特に陽イオン交換体である「IXE−100」が、絶縁性向上、及び耐薬品、耐熱性の点で優れているため望ましい。これらは単独で使用してもよく、2種以上を混合して使用してもよい。
無機イオン交換体の配合量は、特に限定されないが、アルカリ可溶性樹脂100質量部に対して、1〜30質量部が好ましい。1質量部より少ない場合には、絶縁性の向上が不十分である傾向があり、30質量部より多い場合には、折り曲げ性能が低下する傾向がある。より好ましくは、3〜15質量部である。
着色剤には、例えば、白色着色剤、黒色着色剤、青色着色剤、黄色着色剤等が挙げられる。これらの着色剤の具体例としては、酸化チタン等といった金属酸化物系の無機顔料、フタロシアニン類、ペリレン類、アントラキノン類といった有機顔料系、アセチレンブラック等のカーボン系等が挙げられる。消泡剤には、公知のものを使用でき、例えば、シリコーン系、炭化水素系、アクリル系、ビニルエーテル系等を挙げることができる。
溶剤は、感光性樹脂組成物の粘度や乾燥性を調節するために使用するものである。溶剤としては、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類、メタノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール、などのアルコール類、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン等の脂環式炭化水素類、石油エーテル、石油ナフサ等の石油系溶剤類、セロソルブ、ブチルセロソルブ等のセロソルブ類、カルビトール、ブチルカルビトール等のカルビトール類、酢酸エチル、酢酸ブチル、セロソルブアセテート、ブチルセロソルブアセテート、カルビトールアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ブチルカルビトールアセテート等の酢酸エステル類等を挙げることができる。溶剤を用いる場合の配合量は、アルカリ可溶性樹脂100重量部に対して、1〜500重量部が好ましい。
上記した本発明の感光性樹脂組成物の製造方法は、特定の方法に限定されないが、例えば、上記各成分を所定割合で配合後、室温にて、三本ロール、ボールミル、サンドミル等の混練手段、またはスーパーミキサー、プラネタリーミキサー等の攪拌手段により混練または混合して製造することができる。また、前記混練または混合の前に、必要に応じて、予備混練または予備混合してもよい。
次に、上記した本発明の感光性樹脂組成物の使用方法例について説明する。まず、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板用基板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工して、ソルダーレジスト膜を形成する方法を例にとって説明する。
銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板用基板上に、上記のように製造した感光性樹脂組成物をスクリーン印刷法、スプレーコート法等の公知の方法を用いて所望の厚さに塗布する。塗布後、必要に応じて、感光性樹脂組成物中の溶剤を揮散させるために60〜80℃程度の温度で15〜60分間程度加熱する予備乾燥を行い、感光性樹脂組成物から溶剤を揮発させて塗膜の表面をタックフリーの状態にする。塗布した感光性樹脂組成物上に、前記回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを密着させ、その上から紫外線(例えば、波長300〜400nmの範囲)を照射させる。そして、前記ランドに対応する非露光領域を希アルカリ水溶液で除去することにより塗膜が現像される。現像方法には、スプレー法、シャワー法等が用いられ、使用される希アルカリ水溶液としては、例えば、0.5〜5%の炭酸ナトリウム水溶液が挙げられる。次いで、130〜170℃の熱風循環式の乾燥機等で20〜80分間キュアを行うことにより、フレキシブル配線板用基板上に目的とするソルダーレジスト膜を形成させることができる。
次に、銅箔をエッチングして形成した回路パターンを有するフレキシブル配線板用基板上に、本発明の感光性樹脂組成物を塗工したドライフィルムを用いて、ソルダーレジスト膜を形成する方法を説明する。
ドライフィルムは、支持フィルム(例えば、ポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリエステルフィルム等の熱可塑性フィルム)と、該支持フィルムに塗工されたソルダーレジスト層と、該ソルダーレジスト層を保護するカバーフィルム(例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム)と、を有する構造である。支持フィルム上に感光性樹脂組成物を、ローラコート法等の公知の方法で塗工後、塗膜を乾燥処理して支持フィルム上にソルダーレジスト層を形成し、その後、形成したソルダーレジスト層上にカバーフィルムを積層することでドライフィルムを作成できる。上記ドライフィルムのカバーフィルムを剥がしながらソルダーレジスト層とフレキシブル配線板用基板をはり合わせることで、フレキシブル配線板用基板上にソルダーレジスト膜を形成する。その後、上記と同様に、露光、現像、キュアの各工程を行なうことで、フレキシブル配線板用基板上に目的とする回路パターンを有するソルダーレジスト膜を形成させることができる。
このようにして得られた硬化塗膜にて被覆されたフレキシブル配線板用基板に、噴流はんだ付け方法、リフローはんだ付け方法等により電子部品がはんだ付けされることで、電子回路ユニットが形成される。
次に、本発明の実施例を説明するが、本発明はその趣旨を超えない限り、これらの例に限定されるものではない。
アルカリ可溶性樹脂(A)について
物性測定条件
1.固形分は、アルカリ可溶性樹脂(A)を150℃で2時間乾燥させ、乾燥前後の質量比から求めた。固形分酸価は、まず、アルカリ可溶性樹脂(A)の酸価を、アルカリ中和滴定に基づくフェノールフタレイン変色法により測定し、その後、前記固形分の比率を乗じることによって算出した。二重結合当量は、アルカリ可溶性樹脂(A)の固形分質量(g)/エチレン性不飽和基含有カルボン酸のモル数により算出した。
2.重量平均分子量は、以下のように測定した。
東ソー社製GPC装置を用いて測定した。測定条件は下記の通り。
カラム:TSK gel(東ソー社製、「SuperH4000」、「SuperHZ2500」)
検出器:示差屈折
展開溶媒:テトラヒドロフラン
溶質濃度:10mg/mL
標準物質:標準ポリスチレン(VARIAN社製、「EASICAL PS-2」(単分散試料))
流速:0.3mL/min
温度:40℃
アルカリ可溶性樹脂A‐1)〜A‐16)の合成例を、表1を用いながら説明する。
合成例A-1)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート(以下、「EDGAC」)84.1g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)33.2g、アクリル酸14.4g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)89.2g(溶液として111.5g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量6000のアルカリ可溶性樹脂A‐1を得た。
合成例A-2)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 84.5g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)32.6g、メタクリル酸16.8g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)、NC-3000、エポキシ当量227)87.5g(溶液として109.3g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量8400のアルカリ可溶性樹脂A‐2を得た。
合成例A-3)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 84.0g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)16.3g、ステアリン酸16.3g、アクリル酸14.7g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)、NC-3000、エポキシ当量227)89.7g(溶液として112.1g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.7g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量4700のアルカリ可溶性樹脂A‐3を得た。
合成例A-4)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 83.5g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)16.8g、ステアリン酸15.8g、アクリル酸12.4g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)91.8g(溶液として114.7g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量6800のアルカリ可溶性樹脂A‐4を得た。
合成例A-5)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 85.6g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)16.3g、ステアリン酸28.7g、アクリル酸8.6g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)83.2g(溶液として103.9g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量9000のアルカリ可溶性樹脂A‐5を得た。
合成例A-6)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 87.2g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)16.4g、ステアリン酸39.7g、アクリル酸4.0g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)76.6g(溶液として95.8g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量11000のアルカリ可溶性樹脂A‐6を得た。
合成例A-7)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 87.2g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)33.5g、ステアリン酸16.8g、アクリル酸8.5g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)78.0g(溶液として97.6g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量13100のアルカリ可溶性樹脂A‐7を得た。
合成例A-8)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 86.3g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)16.1g、ベヘニン酸32.1g、アクリル酸8.3g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)80.3g(溶液として100.3g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量12000のアルカリ可溶性樹脂A‐8を得た。
合成例A-9)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 87.5g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)17.2g、ステアリン酸19.6g、ベヘニン酸20.4g、アクリル酸4.1g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)75.5g(溶液として94.4g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.7g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量13500のアルカリ可溶性樹脂A‐9を得た。
合成例A-10)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 87.0g、エイコサン二酸を85%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)15.2g、ステアリン酸12.6g、ベヘニン酸25.1g、アクリル酸6.4g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)77.7g(溶液として97.2g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.7g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量9900のアルカリ可溶性樹脂A‐10を得た。
合成例A-11)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 87.0g、8−エチルオクタデカン二酸を80%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SB-20)16.3g、ステアリン酸28.7g、アクリル酸8.6g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)83.2g(溶液として103.9g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量10100のアルカリ可溶性樹脂A‐11を得た。
合成例A-12)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 86.4g、8−エチルオクタデカン二酸を80%以上含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SB-20)15.5g、ベヘニン酸33.0g、アクリル酸8.3g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)80.0g(溶液として99.9g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量9900のアルカリ可溶性樹脂A‐12を得た。
合成例A-13)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 89.4g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)25.5g、ベヘニン酸39.6g、アクリル酸3.7g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)68.1g(溶液として99.9g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.7g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量10200のアルカリ可溶性樹脂A‐13を得た。
合成例A-14)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 83.9g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)32.9g、アクリル酸14.2g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂(DIC(株)製、HP-7200H、エポキシ当量280)89.9g(溶液として112.3g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.7g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量8200のアルカリ可溶性樹脂A‐14を得た。
合成例A-15)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 84.1g、蒸留ダイマー酸(C36)(アリゾナケミカル製、UNIDYM14)33.0g、アクリル酸14.4g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)89.2g(溶液として111.5g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらにコハク酸無水物を23.0g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量10100のアルカリ可溶性樹脂A‐15を得た。
合成例A-16)
撹拌機、還流冷却管を備えた300mLセパラブルフラスコに、EDGAC 84.0g、エイコサン二酸を85%含む有機酸混合物(岡村精油(株)製、SL-20)16.8g、ステアリン酸46.2g、アクリル酸1.1g、トリフェニルホスフィン0.53g、メトキシハイドロキノン0.27gを仕込み、反応容器内に窒素・空気(2:1)を0.1mL/sec吹き込みながら、80℃で溶解するまで加熱攪拌した。別途、EDGACとソルベッソ150の1:1混合液に80質量%で溶解したビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(日本化薬(株)製、NC-3000、エポキシ当量227)72.6g(溶液として90.8g)を80℃に温めてから、上記のフラスコ内に投入し、115℃で約10時間加熱攪拌し、反応溶液の酸価が5mgKOH/g以下になるまで反応させた。この反応物にさらに水素添加トリメリット酸無水物(三菱ガス化学(株)製、HTMAn-s)を22.8g加え、大気中100℃で4時間加熱撹拌した。酸無水物基が消失したことをFT-IR(赤外分光光度計)により確認した。これにより、固形分60質量%、固形分酸価85mgKOH/g、重量平均分子量11000のアルカリ可溶性樹脂A‐16を得た。
合成例A‐1〜A‐16のアルカリ可溶性樹脂について、原料の配合量(仕込み量)(単位:質量(g))と二重結合当量を下記表1にまとめた。
実施例1〜18、比較例1〜3
下記表2に示す各成分を下記表2に示す配合割合にて配合し、3本ロールを用いて室温にて混合分散させて、実施例1〜18、比較例1〜3にて使用する感光性樹脂組成物を調製した。なお、下記表2に示す配合量は質量部を表す。
表2中の各成分についての詳細は、以下の通りである。
アルカリ可溶性樹脂
・FLX−2089:日本化薬(株)製、ウレタン変性エポキシ構造の樹脂を使用した感光性カルボキシル基含有樹脂溶液。
・ZFR‐1122:日本化薬(株)社製、カルボキシル変性ビスフェノールF型エポキシアクリレート樹脂溶液。
・ZCR‐1601:日本化薬(株)製、ビフェニルノボラック型エポキシアクリレートの酸無水物変性樹脂溶液。
光重合開始剤
・イルガキュア907:チバ・スペシャリティー・ケミカルズ(株)製、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モリホリノプロパン−1−オン。
・SPEEDCURE DETX:日本シイベルヘグナー(株)製、2,4‐ジエチルチオキサントン。
・SPEEDCURE TPO:日本シイベルヘグナー(株)製、2,4,6‐トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド。
・OXE‐02:BASF製、エタノン,1‐[9‐エチル‐6‐(2‐メチルベンゾイル) ‐9H‐カルバゾール‐3‐イル] ‐ ,1‐(O‐アセチルオキシム)。
熱硬化性化合物
・NC‐3000:日本化薬(株)製、ビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂(エポキシ当量227)。
・YX4000:三菱化学(株)製、テトラメチルビフェノール型エポキシ樹脂。
光硬化性化合物
・SP4621BC:昭和電工(株)製、クレゾールノボラック型エポキシアクリレート樹脂(固形分70%)、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート15%、残部ソルベッソ。
・KRM8296:ダイセルテック(株)製、ウレタンアクリレート樹脂。
・カラヤッドR‐684:日本化薬(株)製、ジシクロペンタジエンジメタノールジアクリレート。
有機フィラー
・アートパールJB−8000:根上工業(株)製。
無機イオン交換体(イオンキャッチャー)
・IXE‐100:東亞合成(株)製、Zr系の陽イオン交換体、メジアン径1.0μm。
着色剤
・リオノールブルーFG−7351:東洋インキ(株)製、フタロシアニン系顔料。
消泡剤
・KS‐66:信越化学工業(株)製、シリコーン系消泡剤。
試験片作成工程
上記のように調製した感光性樹脂組成物を、以下のように塗工して試験片を作成した。
ポリイミドフィルム(東レ・デュポン(株)製 カプトン100H)に回路パターンを形成したフレキシブル配線板用基板を希硫酸(3%)により表面処理後、スクリーン印刷法にて、各調製した感光性樹脂組成物を塗布後、BOX炉にて80℃で20分の予備乾燥を行った。予備乾燥後、回路パターンのランド以外を透光性にしたパターンを有するネガフィルムを塗膜上に密着させ、その上から紫外線を露光装置(オーク社製HMW−680GW)にて500mJ/cmまで露光した。その後、30℃の1%炭酸ナトリウム現像液にて現像後、BOX炉にて150℃で60分のキュアを行うことで、上記基板上に硬化塗膜を形成し、実施例1〜17、比較例1〜3の試験片を得た。硬化塗膜の厚みは、いずれも20〜23μmであった。
評価項目
(1)指触乾燥性
予備乾燥後にネガフィルムを塗膜に接触させ、露光した後の、塗膜のネガフィルムへのはり付き性を評価した。
評価は、○:はり付きなし、△:塗膜にはり付き跡が残存、×:ネガフィルム引き剥がし後、ネガフィルムに塗膜が付着、の3段階で行なった。
(2)感度
上記試験片作成工程と同様に予備乾燥工程まで行った基板に、感度測定用ステップタブレット(コダック21段)を設置し、このステップタブレットを通して紫外線(メインピ−クの波長365nm)照射光量をオ−ク製作所社製の積算光量計を用いて300mJ/cm まで照射したものをテストピ−スとした。このテストピースに、1%の炭酸ナトリウム水溶液を用いて、2.0kg/cm のスプレー圧で60秒間、現像を行った。露光部分のうち、現像にて除去されない部分を数字(ステップ数)で表した。ステップ数が大きいほど感光特性が良好であることを示す。
評価は、○:8段以上、△:6〜7段、×:5段以下、の3段階で行なった。
(3)現像性
上記試験片作成工程の現像後における、回路パターン上及びポリイミドフィルム上の残さの有無を目視で評価した。
評価は、○:回路パターン上、ポリイミドフィルム上ともに残さなし、△:回路パターン上には残さがないが、ポリイミドフィルム上にはやや残さが残る、×:回路パターン上、ポリイミドフィルム上ともに残さが残る、の3段階で行なった。
(4)折り曲げ性
上記試験片作成工程にて作成した試験片を、ハゼ折りにより180°折り曲げを数回繰り返して行い、180°折り曲げの際の硬化塗膜のクラック発生状況を目視及び×200の光学顕微鏡で観察して、クラックが発生し無かった回数を計測した。
評価は、○:4回以上、△:2〜3回、×:1回以下、の3段階で行なった。
(5)反り性
上記試験片作成工程にて作成した試験片を3cm×3cmに切り出した後、切り出した試験片を、水平な台上に上が凹になるよう静かに置き、外力を加えないようにして、試験片の4か所の角部と台との間の垂直な隔たりを直尺で測定し、その最大値を採用した。
評価は、◎:1mm以下、○:1mm超〜3mm、△:3mm超〜5mm、×:5mm超、の4段階で行なった。
(6)耐金メッキ性
上記試験片作成工程にて作成した試験片に金メッキ加工後、セロハン粘着テープによるピーリング試験を行い、硬化塗膜の剥がれと変色について目視にて観察し、金メッキ性を評価した。
評価は、○:硬化塗膜の剥がれがなく、変色も認められない、△:硬化塗膜の剥がれまたは変色がほんのわずか認められる、×:硬化塗膜の剥がれまたは変色がはっきり認められる、の3段階で行なった。
(7)難燃性
UL94規格に準拠した垂直燃焼試験を行った。評価はUL94規格に基づいて、VTM−0〜燃焼で表した。
実施例1〜18、比較例1〜3の評価結果を下記表3に示す。
表3より、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸で変性、つまり、該脂肪酸構造が導入されたアルカリ可溶性樹脂を使用した実施例1〜17は、指触乾燥性、感度、現像性、耐金メッキ性及び難燃性を損なうことなく、折り曲げ性を備え、反り性を低減できた。樹脂にカルボキシル基1つあたりの炭素数が18または22である直鎖状の飽和脂肪族一塩基酸構造が導入された実施例3〜13、実施例16、17では、確実に折り曲げ性がより向上した。さらに、実施例14、15から、ジシクロペンタジエン型エポキシ樹脂よりもビフェニルアラルキル型エポキシ樹脂では、折り曲げ性がより向上し、また、コハク酸よりも水素添加トリメリット酸無水物では、現像性がより優れていた。実施例16と他の実施例から、二重結合当量が3133g/eq以下では、指触乾燥性と感度がより優れていた。また、上記脂肪酸構造が導入されたアルカリ可溶性樹脂と上記脂肪酸構造が導入されていないアルカリ可溶性樹脂とを使用した実施例18でも、指触乾燥性、感度、現像性、耐金メッキ性及び難燃性を損なうことなく、折り曲げ性を備え、反り性を低減できた。
一方、カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である脂肪酸が導入されていないアルカリ可溶性樹脂のみを使用した比較例1〜3は、折り曲げ性が得られず、反り性を低く抑えることはできなかった。
本発明の感光性樹脂組成物は、折り曲げ性と低反り性に優れるとともに、難燃性と絶縁性を有する感光性樹脂組成物の硬化物を得ることができるので、例えば、プリント配線板、特に、FPCのソルダーレジスト膜、感光性カバーレイの分野で利用価値が高い。

Claims (10)

  1. a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物にd)多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、を含有し、
    前記多塩基酸無水物が、下記一般式(1)

    (式中、R は、水素原子、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基、カルボキシル基、またはヒドロキシル基を表し、mは1〜3の整数である。)で表される化合物である感光性樹脂組成物。
  2. a)1分子中に2つ以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂とb)カルボキシル基1つあたりの炭素数が10以上である少なくとも1種の脂肪酸とc)エチレン性不飽和基含有カルボン酸との反応生成物にd)多塩基酸無水物を付加させて得られるアルカリ可溶性樹脂(A)と、光重合開始剤(B)と、を含有し、
    前記エポキシ樹脂が、下記一般式(2)
    (式中、R は、水素原子、または直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基を表し、lは1〜3の整数、nは1〜10の整数である。)で表される化合物である感光性樹脂組成物。
  3. 前記脂肪酸のうち、少なくとも1種が、二塩基酸である請求項1または2に記載の感光性樹脂組成物。
  4. 前記脂肪酸のうち、少なくとも1種が、炭素数が18以上の直鎖状飽和脂肪族一塩基酸である請求項1乃至3のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  5. 前記多塩基酸無水物が、下記一般式(1)

    (式中、Rは、水素原子、直鎖状若しくは分岐状の炭素数1〜8のアルキル基またはアリール基、カルボキシル基、またはヒドロキシル基を表し、mは1〜3の整数である。)で表される化合物である請求項乃至のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  6. さらに、リン元素含有化合物及び水酸化アルミニウムからなる群から選択された難燃剤(C)を含む請求項1乃至5のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  7. さらに、熱硬化性化合物(D)を含む請求項1乃至6のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物、フィルムに塗工されたドライフィルム。
  9. 請求項8に記載のドライフィルムを基板上にラミネートして形成した塗膜を、パターニングし光硬化被膜を有するプリント配線板。
  10. 請求項1乃至7のいずれか1項に記載の感光性樹脂組成物を基板上に塗布して形成した塗膜を、パターニングし光硬化被膜を有するプリント配線板。
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