JP2006201546A - フォトレジストフィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】 フィルム上の欠陥を検知しやすく、減圧下におけるプリント配線板との積層における気泡混入防止に優れた新規フォトレジストフィルムの提供。
【解決手段】 本発明に係るフォトレジストフィルムは、少なくとも支持体フィルム、感光性樹脂組成物および保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムにおいて、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつ、上記構成成分が全て積層されたフィルムの保護フィルムを剥離した後のヘイズ値から上記各構成成分が積層されたままの状態でのヘイズ値を引いた値が10%以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし
【解決手段】 本発明に係るフォトレジストフィルムは、少なくとも支持体フィルム、感光性樹脂組成物および保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムにおいて、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつ、上記構成成分が全て積層されたフィルムの保護フィルムを剥離した後のヘイズ値から上記各構成成分が積層されたままの状態でのヘイズ値を引いた値が10%以上であることを特徴とする。
【選択図】 なし
Description
本発明はフォトレジストフィルムに関し、さらに詳しくはフィルム上の欠陥を検知しやすく、減圧下におけるプリント配線板との積層における気泡混入防止に優れたフォトレジストフィルムに関する。
従来、プリント配線板には導体の保護、導体間の絶縁性保持およびハンダ付け時のハンダブリッジ防止のためプリント配線板表面に保護膜を形成させることが一般に行われている。このような保護膜として、リジッドプリント配線板では液状レジストやドライフィルムが、フレキシブルプリント配線板ではポリイミドフィルム、液状レジストおよびドライフィルムが一般に使われている。近年、パソコンや携帯電話等の電子機器の軽薄短小化に伴い、狭ピッチのパターンが要求されており、感光性の液状フォトレジストやドライフィルム状のフォトレジストフィルムの使用が増加している。これらのうち、ドライフィルム状のフォトレジストフィルムは乾燥工程が不要で作業性に優れている。ドライフィルムをプリント配線板上に積層する方法としては以下の特許文献1、特許文献2等に記載されているように減圧下でレジストフィルムの感光性樹脂組成物層とプリント配線板の被保護面を積層する方法が一般的に行われている。このうち、特許文献2に記載されているような、大気圧下でプリント配線板にレジストフィルムの感光性樹脂組成物層を接触させた後、減圧を行い積層する方法においては、感光性樹脂組成物層のタックが強いと減圧前にプリント配線板と接触した際に導体の凹凸の付近に大気を残したままプリント配線板と感光性樹脂組成物層の一部が密着して大気を抱き込み、その後の減圧時にも除去されずに気泡として残り、不良を発生させる場合がある。かかる問題の解決手段としては以下の特許文献3に記載されているようにレジストフィルムがプリント配線板に積層される際、プリント配線板と接する側の感光性樹脂組成物層の面を粗化面にすることで高い効果が得られる。一般に感光性樹脂組成物層を粗化面にするには、エンボスまたはマット上の表面を有する保護フィルムを用いることでその粗化面を感光性樹脂組成物層の面に転写させることで行われており、このような保護フィルムとしてエンボスが付与された低密度ポリエチレンフィルムが使用されている。
しかしながら、このような保護フィルムにおいては感光性樹脂組成物層に密着する面が粗化されているのみならず、その反対側の面においても若干の凹凸がある。このような保護フィルムを用いた場合においては、支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および保護フィルムが相互に密着した状態においても透明性が悪く以下のような問題点がある。
しかしながら、このような保護フィルムにおいては感光性樹脂組成物層に密着する面が粗化されているのみならず、その反対側の面においても若干の凹凸がある。このような保護フィルムを用いた場合においては、支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および保護フィルムが相互に密着した状態においても透明性が悪く以下のような問題点がある。
第一に、レジストフィルムの製造において、保護フィルム貼合後の最終段階における欠陥の検知が困難であり、レジストフィルム上の欠陥を検知するためには保護フィルム貼合前に検知する必要がある。このような場合、保護フィルムのフィッシュアイ等保護フィルムに起因する欠陥は検知できないという問題がある。感光性樹脂組成物と保護フィルムが貼合される際、保護フィルムのフィッシュアイに起因する突起が感光性樹脂組成物層を大きく凹ませたり貫通したりするため、このような欠陥についても検知する必要がある。
第二にフィルムをプリント配線板に積層する際においてレジストフィルム上の欠陥を目視確認することが困難である。製造時にレジストフィルムの欠陥を検知できても、レジストフィルム使用時に容易に欠陥を確認することができない。したがって、欠陥を含むレジストフィルムがプリント配線板の導体上に積層され、絶縁不良を生じる恐れがある。
このように、従来使用されているレジストフィルムでは、減圧下におけるプリント配線板との積層における気泡混入防止とレジストフィルム上の欠陥の検知性を両立することが困難である。
特公昭53−31670号公報
特公昭55−13341号公報
特公平4−26461号公報
本発明は、上記従来技術の問題点を解決することを課題とする。より特定すれば、減圧化におけるプリント配線板との積層における気泡混入防止とレジストフィルム上の欠陥の検知性を両立できるレジストフィルムを提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題に対して鋭意検討した結果、保護フィルムと感光性樹脂組成物層が密着した状態においては透明性が高く欠陥の検知性に優れ、かつ、減圧下でプリント配線板に積層する際においては感光性樹脂組成物層とプリント配線板の間に存在する空気が脱気されやすく、気泡混入防止性に優れたフォトレジストフィルムを得ることに成功し、本発明に至った。すなわち本発明は以下の[1]〜[16]に関する。
[1] 少なくとも支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムにおいて、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつ、上記構成成分が全て積層されたフィルムの保護フィルムを剥離した後のヘイズ値から上記各構成成分が積層されたままの状態でのヘイズ値を引いた値が10%以上である前記フォトレジストフィルム。
[2] 感光性樹脂組成物層と保護フィルムが接触してなり、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつそれと反対側の面の表面粗さ(Ra)が0.10μm以下である、前記[1]に記載のフォトレジストフィルム。
[3] 前記保護フィルム側の前記感光性樹脂組成物表面の表面粗さ(Ra)が0.20μm〜5.0μmである、前記[1]に記載のフォトレジストフィルム。
[4] 前記保護フィルムが2軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[5] 前記保護フィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムからなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[6] 前記保護フィルムがポリエチレンフィルムからなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[7] 前記保護フィルムが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのいずれか一つまたは複数からなる層を有する多層フィルムからなる、前記[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[8] 前記感光性樹脂組成物層がプリント配線板の永久保護膜であることを特徴とする、前記[1]〜[7]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[9] 前記感光性樹脂組成物層がアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和の末端基を有する感光性プレポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む感光性樹脂組成物を含むことを特徴とする、前記[1]〜[8]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[10] 前記感光性樹脂組成物層がアクリルモノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)および難燃剤(D)を含む感光性樹脂組成物を含むことを特徴とする、前記[1]〜[8]のいずれかに記載のフォトレジストフィルム。
[11] 前記感光性プレポリマー(A)が、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和基を併せ持つことを特徴とする、前記[9]または[10]に記載のフォトレジストフィルム。
[12] 前記感光性プレポリマー(A)がカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、前記[11]に記載のフォトレジストフィルム。
[13] 前記カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgKOH/g以上であることを特徴とする、前記[12]に記載のフォトレジストフィルム。
[14] 前記感光性プレポリマー(A)が、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、前記[11]に記載のフォトレジストフィルム。
[15] 前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が5〜150mgKOH/gであることを特徴とする、前記[14]に記載のフォトレジストフィルム。
[16] 前記感光性プレポリマー(A)が、固形分酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、固形分酸価が60mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物とを含むことを特徴とする前記[14]に記載のフォトレジストフィルム。
本発明のフォトレジストフィルムは、保護フィルムと感光性樹脂組成物層が密着した状態においては透明性が高く欠陥の検知性に優れ、かつ、減圧下でプリント配線板に積層する際においては感光性樹脂組成物層とプリント配線板の間に存在する空気が脱気されやすく、気泡混入防止性に優れているため、ソルダーレジスト用ドライフィルム等、減圧下で基材と貼り合わされるフォトレジストフィルムとして好適に用いることができる。
以下に本発明を具体的に説明する。
本発明は支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および感光性樹脂組成物層に対する接着性が支持体フィルムに対してより小さい保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムである。
本発明は支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および感光性樹脂組成物層に対する接着性が支持体フィルムに対してより小さい保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムである。
1.支持体フィルム
本発明に用いる支持体フィルムとしては、特に限定されず、ポリエステルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられ、中でもポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリビニルアルコールフィルム等が好ましく採用される。
本発明に用いる支持体フィルムとしては、特に限定されず、ポリエステルフィルム、ポリビニルアルコールフィルム、ポリオレフィンフィルム、ナイロンフィルム等が挙げられ、中でもポリエステルフィルム(ポリエチレンテレフタレートフィルム)、ポリビニルアルコールフィルム等が好ましく採用される。
更に、上記支持体フィルムとして、フィルムのヘイズ値が4.0%以下、好ましくは2.0%以下、更に好ましくは1.5%以下の範囲であるフィルムが、特に感度、解像度、密着性等の点で好ましい。該ヘイズ値が4.0%を越えると感度、解像度、密着性が劣り好ましくない。具体的には、帝人社製高透明フィルムGSシリーズ、ダイアホイルヘキスト社製Rシリーズ、デュポン社製マイラーDシリーズ、東レ社製Tシリーズ、FBシリーズ等のポリエチレンテレフタレートフィルム、日本合成化学工業社製ビニロンフィルム等が挙げられる。
尚、ヘイズ値とは濁度を表す値であり、ランプにより照射され、試料中を透過した光の全透過率Tと試料中で拡散され散乱した光の透過率Dより、ヘイズ値(H)(%)はH(%)=(D/T)×100として求められる。これらはJISK 7105により規定されており、市販の濁度計、例えば、日本電色工業社製NDH−300Aにより容易に測定可能である。
また、支持体フィルムの厚みは10〜30μm、好ましくは12〜25μm、更に好ましくは14〜23μmであり、30μmを越えると解像度や基板の凹凸への追従性が低下したり、コストアップとなり、10μm未満ではフィルムが柔軟過ぎて取り扱いに不便となり好ましくない。
2.感光性樹脂組成物層
本発明の感光性樹脂組成物層に用いられる感光性樹脂組成物は、特に制限されることなく、可視光、紫外線等により硬化しうる公知のものを用いることができるが、好ましくは、(A);感光性プレポリマー(ベースポリマー)、(B);エチレン性不飽和化合物、および(C);光重合開始剤、よりなるものが用いられる。
本発明の感光性樹脂組成物層に用いられる感光性樹脂組成物は、特に制限されることなく、可視光、紫外線等により硬化しうる公知のものを用いることができるが、好ましくは、(A);感光性プレポリマー(ベースポリマー)、(B);エチレン性不飽和化合物、および(C);光重合開始剤、よりなるものが用いられる。
(1)感光性プレポリマー(A)
本発明における感光性プレポリマー(A)としては、好ましくはアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有するものが用いられる。ここでいうアクリル系モノマーは、アクリル酸若しくはメタクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸をあわせて「(メタ)アクリル酸」という)、またはこれらのアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル等の誘導体である。
本発明における感光性プレポリマー(A)としては、好ましくはアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有するものが用いられる。ここでいうアクリル系モノマーは、アクリル酸若しくはメタクリル酸(以下、アクリル酸とメタクリル酸をあわせて「(メタ)アクリル酸」という)、またはこれらのアルキルエステル、ヒドロキシアルキルエステル等の誘導体である。
かかる感光性プレポリマーとしては、ポリエステルアクリレート、エポキシアクリレート、ウレタンアクリレート、ポリブタジエンアクリレート、シリコーンアクリレート、メラミンアクリレート等が挙げられ、中でもエポキシアクリレートおよびウレタンアクリレートが好ましい。
本発明の感光性プレポリマーとしては上記条件を満たすものであれば特に限定されないが、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和結合を併せ持つものがより好ましい。具体的には、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物(EA)、またはカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)が特に好ましいものとして挙げられる。
<カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物(EA)>
本発明におけるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定されるものでは無いが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
本発明におけるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物としては、特に限定されるものでは無いが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレート化合物が適している。
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、または脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独または二種以上併用することもできる。
不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えばアクリル酸、アクリル酸の二量体、メタクリル酸、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。また、水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物も挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独または二種以上併用することもできる。
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ−[2,2,1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独または二種以上併用することもできる。
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に制限されないが、好ましくは数平均分子量が1000〜40000、より好ましくは2000〜5000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。
また、前記エポキシ(メタ)アクリレート化合物の酸価(固形分酸価を意味する。なお、固形分酸価はJIS K0070にしたがって測定された値である。以下同様)は10mgKOH/g以上であることが好ましく、45mgKOH/g〜160mgKOH/gの範囲にあることがより好ましく、さらに50mgKOH/g〜140mgKOH/gの範囲がアルカリ溶解性と硬化膜の耐アルカリ性のバランスが良く、とりわけ好ましい。酸価が10mgKOH/gより小さい場合にはアルカリ溶解性が悪くなり、逆に大きすぎると、感光性樹脂組成物の構成成分の組み合わせによっては硬化膜の耐アルカリ性、電気特性等のレジストとしての特性を下げる要因となる場合がありうる。
前記カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、単独で感光性プレポリマー(A)を構成していてもよいが、後述するカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と併用してもよい。その場合は、カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物は、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物100質量部に対して、100質量部以下の範囲で使用することが好ましい。
<カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)>
本発明におけるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位と、ポリオール由来の単位と、ポリイソシアナート由来の単位とを構成単位として含む化合物である。より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間はウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位とポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基が存在する構造となっている。
本発明におけるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位と、ポリオール由来の単位と、ポリイソシアナート由来の単位とを構成単位として含む化合物である。より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間はウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位とポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基が存在する構造となっている。
すなわち、前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、
−(ORbO−CONHRcNHCO)n−
〔式中、ORbOはポリオールの脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシアナート残基を表す。〕
で表される。
−(ORbO−CONHRcNHCO)n−
〔式中、ORbOはポリオールの脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシアナート残基を表す。〕
で表される。
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、少なくとも、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートとを反応させることにより製造できるが、ここで、ポリオールまたはポリイソシアナートの少なくともどちらか一方には、カルボキシル基を有する化合物を使用することが必要である。好ましくは、カルボキシル基を有するポリオールを使用する。このようにポリオールおよび/またはポリイソシアナートとして、カルボキシル基を有する化合物を使用することにより、RbまたはRc中にカルボキシル基が存在するウレタン(メタ)アクリレート化合物を製造することができる。なお、上記式中、nとしては1〜200程度が好ましく、2〜30がより好ましい。nがこのような範囲であると、感光性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓性がより優れる。
また、ポリオールおよびポリイソシアナートの少なくとも一方が2種類以上用いられている場合には、繰り返し単位は複数の種類を表すが、その複数の単位の規則性は完全ランダム、ブロック、局在等、目的に応じて適宜選ぶことができる。
本発明で用いられるヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリルレート、トリメチロールプロパン−酸化アルキレン付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート(a)は1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうちでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用すると、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)の合成がより容易である。
本発明で用いられるポリオールとしては、ポリマーポリオールおよび/またはジヒドロキシル化合物を使用することができる。ポリマーポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを使用する場合は、例えば、上記ポリマーポリオール合成時に(無水)トリメリット酸等の3価以上の多塩基酸を共存させ、カルボキシル基が残存するように合成した化合物などを使用することができる。
ポリマーポリオールは、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのポリマーポリオールとしては、数平均分子量が200〜2000であるものを使用すると、感光性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓性がより優れるため好ましい。また、これらのポリマーポリオールのうち、ポリカーボネートジオールを使用すると、感光性樹脂組成物からなる硬化膜の耐熱性が高く、プレッシャークッカー耐性に優れるため好ましい。さらに、ポリマーポリオールの構成単位が、単一の構成単位からのみではなく、複数の構成単位からなるものであると、感光性樹脂組成物からなる硬化膜の可撓性がさらに優れるためより好ましい。このような複数の構成単位からなるポリマーポリオールとしては、エチレングリコールおよびプロピレングリコールに由来の単位を構成単位として含むポリエーテル系ジオール、ヘキサメチレンカーボネートおよびペンタメチレンカーボネートに由来の単位を構成単位として含むポリカーボネートジオールなどが挙げられる。
ジヒドロキシル化合物としては、2つのアルコール性ヒドロキシル基を有する分岐または直鎖状の化合物を使用できるが、特にカルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することが好ましい。このようなジヒドロキシル化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。カルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することによって、ウレタン(メタ)アクリレート化合物中に容易にカルボキシル基を存在させることができる。
ジヒドロキシル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、ポリマーポリオールとともに使用してもよい。
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを併用する場合や、後述するポリイソシアナートとしてカルボキシル基を有するものを使用する場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ハイドロキノンなどのカルボキシル基を持たないジヒドロキシル化合物を使用してもよい。
本発明で用いられるポリイソシアナートとしては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,mまたはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナートおよび1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カルボキシル基を有するポリイソシアナートを使用することもできる。
本発明で用いられるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の分子量は特に限定されないが、好ましくは数平均分子量が1000〜40000、より好ましくは8000〜30000である。ここで、数平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーで測定したポリスチレン換算の値である。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの酸価は、5〜150mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは30〜120mgKOH/gである。
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の数平均分子量が1000未満では、感光性樹脂組成物からなる硬化膜の伸度と強度を損なうことがあり、40000を超えると硬くなり可撓性を低下させるおそれがある。また、酸価が5mgKOH/g未満では感光性樹脂組成物のアルカリ溶解性が悪くなる場合があり、150mgKOH/gを超えると硬化膜の耐アルカリ性・電気特性等を悪くする場合がある。
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の酸価は5〜150mgKOHであれば、好ましいが、その範囲でも酸価を高くすれば現像性は改善されるものの、可撓性が低下する傾向があり、酸価を低くすれば、可撓性は高くなるもの、現像性が低下し現像残りが生じやすくなる傾向がある。その場合、少なくとも2種類の酸価が異なるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物を組み合わせて使用することで、優れた可撓性を有しかつ良好な現像性を有する感光性樹脂組成物を容易に得ることができる場合がある。
とりわけ、酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、酸価が60mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物をそれぞれ少なくとも1種以上選んで組み合わせることが好ましい。
また、組み合わせて使用する場合の使用割合は、酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満のものが過剰であることが好ましく、より具体的には、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物(UA)100質量部中、酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満:酸価が60mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下=60〜90:40〜10の質量比であることがより好ましい。
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物は、(1)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートを一括混合して反応させる方法、(2)ポリオールとポリイソシアナートを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアナート基を含有するウレタンイソシアナートプレポリマーを製造した後、このウレタンイソシアナートプレポリマーとヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートを反応させる方法、(3)ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとポリイソシアナートを反応させて、1分子あたり1個以上のイソシアナート基を含有するウレタンイソシアナートプレポリマーを製造した後、このプレポリマーとポリオールとを反応させる方法などで製造することができる。
(2)エチレン性不飽和基を有する化合物(B)
感光性樹脂組成物中の光硬化成分に含まれるエチレン性不飽和基を有する化合物は、感光性プレポリマー(A)以外のものであり、感光性樹脂組成物の粘度を調節したり、感光性樹脂組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調節する目的で使用されるものである。好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを使用する。
感光性樹脂組成物中の光硬化成分に含まれるエチレン性不飽和基を有する化合物は、感光性プレポリマー(A)以外のものであり、感光性樹脂組成物の粘度を調節したり、感光性樹脂組成物を硬化物としたときの耐熱性、可撓性などの物性を調節する目的で使用されるものである。好ましくは(メタ)アクリル酸エステルを使用する。
具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ボルニル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、フェノキシヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;
メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニールアシッドホスフェート(フェニールP)等のリン原子を有するメタクリレート;エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、ビス・グリシジル(メタ)アクリレート等のジアクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル変性ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル変性トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル変性トリアクリレート等の変性ポリオールポリアクリレート;ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン変性トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;グリシジル(メタ)アクリレート;アリル(メタ)アクリレート;ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルミアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物、ポリエステルアクリレート、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等もエチレン性不飽和基を有する化合物として好適に用いることができる。
これらのうち好ましいものとしては、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレートおよびウレタンアクリレートであり、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ウレタンアクリレートが挙げられる。また、耐熱性が高くなることから、エチレン性不飽和基を3個以上有するものが好ましい。
感光性プレポリマー(A)とエチレン性不飽和基を有する化合物(B)との配合比は、質量比で(A):(B)=95:5〜50:50、好ましくは90:10〜60:40、さらに好ましくは85:15〜70:30である。(A)成分の配合量が95質量%を超えると、感光性樹脂組成物からなる硬化膜のはんだ耐熱性が低下することがあり、(A)成分の配合量が50質量%未満になると感光性樹脂組成物のアルカリ可溶性が低下する傾向にある。
(3)光重合開始剤(C)
本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類などを挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。さらに必要に応じて光増感剤を併用することができる。
本発明に用いられる光重合開始剤(C)としては、ベンゾフェノン、ベンゾイル安息香酸、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインブチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル等のベンゾインアルキルエーテル類、4―フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−トリクロロアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1等のアセトフェノン類、チオキサンテン、2−クロルチオキサンテン、2−メチルチオキサンテン、2,4−ジメチルチオキサンテン等のチオキサンテン類、エチルアントラキノン、ブチルアントラキノン等のアルキルアントラキノン類、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィンオキサイド類などを挙げることができる。これらは単独、あるいは2種以上の混合物として用いることができる。さらに必要に応じて光増感剤を併用することができる。
これらの光重合開始剤のうちベンゾフェノン類、アセトフェノン類、アシルホスフィンオキサイド類が好ましく。具体的なものとしては、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドが挙げられる。
これらの光重合開始剤(C)の配合量は、感光性プレポリマー(A)とエチレン性不飽和基を有する化合物(B)とからなる光硬化成分の合計100質量部に対して、0.1質量部〜20質量部が好ましく、0.2質量部〜10質量部がより好ましい。光重合開始剤の配合量が0.1質量部未満であると硬化が不十分な場合がある。
(4)その他の成分
<熱硬化性樹脂>
本発明においては、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化成分として感光性樹脂組成物に含有させることができる。かかる熱硬化性樹脂としてはそれ自身が熱によって硬化するものや、例えば感光性プレポリマーのカルボキシル基等と熱により反応するものでもよい。かかる熱硬化性樹脂としては、上述した熱硬化性樹脂材料に使用されるものと同様の樹脂材料から選択することができる。これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち好ましいものはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂の具体例についても、上述した熱硬化性樹脂材料に使用されるものとして挙げたものの中から選択することができる。
<熱硬化性樹脂>
本発明においては、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化成分として感光性樹脂組成物に含有させることができる。かかる熱硬化性樹脂としてはそれ自身が熱によって硬化するものや、例えば感光性プレポリマーのカルボキシル基等と熱により反応するものでもよい。かかる熱硬化性樹脂としては、上述した熱硬化性樹脂材料に使用されるものと同様の樹脂材料から選択することができる。これらの熱硬化性樹脂は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらのうち好ましいものはエポキシ樹脂である。エポキシ樹脂の具体例についても、上述した熱硬化性樹脂材料に使用されるものとして挙げたものの中から選択することができる。
また、本発明の感光性樹脂組成物は、エポキシ樹脂からなる相を含む不均一系となっていることが好ましい。具体的には、硬化前の感光性樹脂組成物中に、固型状または半固型状のエポキシ樹脂が認められる状態などであり、エポキシ樹脂が感光性樹脂組成物中に、不均一に混合している状態である。また、その粒径は感光性樹脂組成物の塗工に支障をきたさない程度が好ましい。例えば、硬化前の感光性樹脂組成物の全体が均一に透明ではなく、少なくとも一部が不透明であることなども含まれる。このように、硬化前の感光性樹脂組成物が、エポキシ樹脂からなる相を含む不均一系であると、感光性樹脂組成物のシェルフライフが長くなるため好ましい。
このような目的で使用されるエポキシ樹脂の好ましいものとしては、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ジグリシジルフタレート樹脂、ヘテロサイクリックエポキシ樹脂、ビキシレノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂およびテトラグリシジルキシレノイルエタン樹脂であり、さらにはこれらのエポキシ樹脂からなる相が感光性樹脂組成物に含まれていて、硬化前の感光性樹脂組成物が不均一系となっていることが好ましい。このように、硬化前の感光性樹脂組成物が不均一系となるエポキシ樹脂として、明確な融点を持った結晶であり不均一系を形成しやすく、さらに、硬化物の耐熱性が高いものが得られるという点で、ビフェニル型エポキシ樹脂がより好ましい。
本発明の感光性樹脂組成物において熱硬化性樹脂を併用する場合、その配合量は、光硬化性樹脂材料を使用する場合は、光硬化成分(上記(A)と(B))の合計100質量部に対して10〜150質量部が好ましく、より好ましくは10〜50質量部である。
熱硬化性樹脂の配合量が10質量部未満では、感光性樹脂組成物からなる硬化膜のはんだ耐熱性が不十分となる場合がある。一方、150質量部を超えると、硬化膜の収縮量が多くなり、硬化膜をFPC基板の絶縁保護被膜に用いると、そり変形(カール)が増大する傾向がある。
<熱重合触媒>
本発明において、熱硬化性樹脂を併用するときは、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化させる作用を示す熱重合触媒を用いることができる。具体的には、アミン類、該アミン類の塩化物等のアミン塩類や第四級アンモニウム塩類、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等の酸無水物類、ポリアミド類、イミダゾール類、トリアジン化合物等の窒素含有複素環化合物類、有機金属化合物等を使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、熱硬化性樹脂を併用するときは、必要に応じて熱硬化性樹脂を熱硬化させる作用を示す熱重合触媒を用いることができる。具体的には、アミン類、該アミン類の塩化物等のアミン塩類や第四級アンモニウム塩類、環状脂肪族酸無水物、脂肪族酸無水物、芳香族酸無水物等の酸無水物類、ポリアミド類、イミダゾール類、トリアジン化合物等の窒素含有複素環化合物類、有機金属化合物等を使用することができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
アミン類としては、脂肪族および芳香族の第一、第二、第三アミンが挙げられる。脂肪族アミンの例としてはポリメチレンジアミン、ポリエーテルジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレントリアミン、テトラエチレンペンタミン、トリエチレンテトラミン、ジメチルアミノプロピルアミン、メンセンジアミン、アミノエチルエタノールアミン、ビス(ヘキサメチレン)トリアミン、1,3,6−トリスアミノメチルヘキサン、トリブチルアミン、1,4−ジアザビシクロ[2,2,2]オクタン、1,8−ジアザビシクロ[5,4,0]ウンデセン−7−エン等が挙げられる。芳香族アミンの例としてはメタフェニレンジアミン、ジアミノジフェニルメタン、ジアミノジフォニルメタン、ジアミノジフェニルスルフォン等が挙げられる。
酸無水物類としては、無水フタル酸、無水トリメリット酸、無水ベンゾフェノンテトラカルボン酸、エチレングリコールビス(アンヒドロトリメリテート)、グリセロールトリス(アンヒドロトリメリテート)等の芳香族酸無水物、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水メチルナジック酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、ポリアジピン酸無水物、クロレンド酸無水物、テトラブロム無水フタル酸等が挙げられる。
ポリアミド類としては、ダイマー酸にジエチレントリアミンやトリエチレンテトラアミン等のポリアミンを縮合反応させて得られる第一および第二アミノ基を有するポリアミノアミドが挙げられる。
イミダゾール類としては、具体的には、イミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール、N−ベンジル−2−メチルイミダゾール、1−シアノエチル−2−ウンデシルイミダゾリウム・トリメリテート、2−メチルイミダゾリウム・イソシアムレート等が挙げられる。
トリアジン化合物は、窒素原子3個を含む6員環を有する化合物であって、例えばメラミン化合物、シアヌル酸化合物およびシアヌル酸メラミン化合物等が挙げられる。具体的には、メラミン化合物としてメラミン、N−エチレンメラミン、N,N’,N’’−トリフェニルメラミン等が挙げられる。シアヌル酸化合物としては、シアヌル酸、イソシアヌル酸、トリメチルシアヌレート、トリスメチルイソシアヌレート、トリエチルシアヌレート、トリスエチルイソシアヌレート、トリ(n−プロピル)シアヌレート、トリス(n−プロピル)イソシアヌレート、ジエチルシアヌレート、N,N’−ジエチルイソシアヌレート、メチルシアヌレート、メチルイソシアヌレート等が挙げられる。シアヌル酸メラミン化合物は、メラミン化合物とシアヌル酸化合物との等モル反応物が挙げられる。
有機金属化合物としては、有機酸金属塩、1,3−ジケトン金属錯塩、金属アルコキシド等が挙げられる。具体的には、ジブチル錫ジラウレート、ジブチル錫マレエート、2−エチルヘキサン酸亜鉛等の有機酸金属塩、ニッケルアセチルアセトナート、亜鉛アセチルアセトナート等の1,3−ジケトン金属錯塩、チタンテトラブトキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、アルミニウムブトキシド等の金属アルコキシドが挙げられる。
熱重合触媒の使用量は、熱硬化性樹脂100質量部に対して0.5〜20質量部、好ましくは1〜10質量部である。熱重合触媒の使用量が0.5質量部より少ないと硬化反応が十分に進まず、耐熱性が低下する。また、長時間、高温での硬化が必要となるため、作業効率低下の原因となることがある。20質量部を越えると、感光性樹脂組成物中のカルボキシル基と反応し、ゲル化が起こりやすくなり、保存安定性の低下などの問題を生じることがある。
<表面形状>
保護フィルムと接する側の感光性樹脂組成物層面の表面粗さ(Ra)は0.20以上である。表面粗さ(Ra)が0.20未満であると、減圧下でプリント配線板に積層する際においては感光性樹脂組成物層とプリント配線板の間に存在する空気が脱気されにくく、気泡混入防止性が低下する。
保護フィルムと接する側の感光性樹脂組成物層面の表面粗さ(Ra)は0.20以上である。表面粗さ(Ra)が0.20未満であると、減圧下でプリント配線板に積層する際においては感光性樹脂組成物層とプリント配線板の間に存在する空気が脱気されにくく、気泡混入防止性が低下する。
<その他>
また、感光性樹脂組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒を添加して使用してもよい。このようにして粘度を調節することによって、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーターグラビアコーター、バーコーターなどで支持フィルム上に塗工しやすくなる。
また、感光性樹脂組成物には、粘度調節などのために必要に応じて有機溶媒を添加して使用してもよい。このようにして粘度を調節することによって、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーターグラビアコーター、バーコーターなどで支持フィルム上に塗工しやすくなる。
有機溶媒としては、エチルメチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;アセト酢酸エチル、γ−ブチロラクトン、酢酸ブチル等のエステル系溶媒;ブタノール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶媒;カルビトールアセテート、メチルセロソルブアセテート等のセロソルブ系、カルビトール系およびそれらのエステル、エーテル誘導体の溶媒;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン等のアミド系溶媒;ジメチルスルホキシド;フェノール、クレゾール等のフェノール系溶媒;ニトロ化合物系溶媒;トルエン、キシレン、ヘキサメチルベンゼン、クメン芳香族系溶媒;テトラリン、デカリン、ジペンテン等の炭化水素からなる芳香族系および脂環族系等の溶媒等が挙げられる。1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
また、このような感光性樹脂組成物にさらに着色剤を加えて、インクとして使用することもできる。着色剤としては、フタロシアニン・ブルー、フタロシアニン・グリーン、アイオジン・グリーン、ジスアゾイエロー、クリスタルバイオレット、酸化チタン、カーボンブラック、ナフタレンブラックが挙げられる。
本発明の感光性樹脂組成物には、流動性の調整のため、さらに流動調整剤を添加することができる。流動性調整剤は、例えば、感光性樹脂組成物をダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、グラビアコーター、バーコーターなどで対象物に塗布する場合などに、感光性樹脂組成物の流動性を適宜調節でき好ましい。流動調整剤としては、例えば、無機および有機充填剤、ワックス、界面活性剤等が挙げられる。
無機充填剤の具体例としては、タルク、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、シリカ、アルミナ、クレー、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、水酸化アルミニウム、珪酸塩化合物等が挙げられる。有機充填剤の具体例としては、シリコン樹脂、シリコンゴム、弗素樹脂等が挙げられる。ワックスの具体例としては、ポリアミドワックス、酸化ポリエチレンワックス等が挙げられる。界面活性剤の具体例としては、シリコンオイル、高級脂肪酸エステル、アミド等が挙げられる。これらの流動性調整剤は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうちでは、無機充填剤を使用すると、感光性樹脂組成物の流動性だけではなく、密着性、硬度などの特性も改良できるため好ましい。
また、感光性樹脂組成物には必要に応じて、熱重合禁止剤、増粘剤、消泡剤、レベリング剤、密着性付与剤、難燃剤等の添加剤を添加することができる。熱重合禁止剤としては、ハイドロキノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、tert−ブチルカテコール、ピロガロール、フェノチアジン等が挙げられる。増粘剤としては、アスベスト、モンモリロナイト、ヘクトライト、モンモリロナイト、サポナイト、バイデライト、スティブンサイト、四珪素マイカ、テニオライト等の層状珪酸塩およびそれらを有機カチオン処理した層間化合物、シリカおよび有機化シリカ等が挙げられる。
消泡剤は、印刷、塗工時および硬化時に生じる泡を消すために用いられ、具体的には、アクリル系、ビニル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。
レベリング剤は、印刷、塗工時に生じる皮膜表面の凹凸を失くすために用いられ、具体的には、アクリル系、ビニル系、シリコン系等の界面活性剤が挙げられる。密着性付与剤としては、イミダゾール系、チアゾール系、トリアゾール系、シランカップリング剤等が挙げられる。
また、他の添加剤として、例えば保存安定性のために紫外線防止剤、可塑剤などを、本発明の主旨を損ねない範囲で添加することができる。
(5)感光性樹脂組成物の製造方法
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造することができる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもよい。
本発明で用いられる感光性樹脂組成物は、上記の各成分を通常の方法で混合することによって製造することができる。混合の方法には特に制限はなく、一部の成分を混合してから残りの成分を混合してもよく、または、すべての成分を一括で混合してもよい。
具体的には、上記した各成分を混合した後、混練若しくは凝集粒子を粉砕することが好ましく、たとえばバンバリーミキサー、ニーダー、ロール、単軸もしくは二軸の押出機、コニーダー、三本ロール、ビーズミルおよびアトライターなどの公知の混練機や粉砕機を用いることにより製造される。
3.保護フィルム
(1)保護フィルムの素材
保護フィルムとしては通常のプラスチックフィルムを使用することができる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム等が挙げられる。このうち、特に好ましいのはポリオレフィンフィルムおよびポリエステルフィルムである。
(1)保護フィルムの素材
保護フィルムとしては通常のプラスチックフィルムを使用することができる。プラスチックフィルムとしては、ポリエステルフィルム、ポリオレフィンフィルム、ポリアミドフィルム等が挙げられる。このうち、特に好ましいのはポリオレフィンフィルムおよびポリエステルフィルムである。
<ポリオレフィンフィルム>
ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)共重合体フィルム等が挙げられる。
ポリオレフィンフィルムとしては、ポリエチレンフィルム、無延伸ポリプロピレンフィルム、二軸延伸ポリプロピレンフィルム、ポリスチレンフィルム、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、エチレン−ビニルアルコール(EVOH)共重合体フィルム等が挙げられる。
<ポリエステルフィルム>
ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルを用いる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
ポリエステルフィルムに使用するポリエステルは、ホモポリエステルであっても共重合ポリエステルであってもよい。ホモポリエステルを用いる場合、芳香族ジカルボン酸と脂肪族グリコールとを重縮合させて得られるものが好ましい。芳香族ジカルボン酸としては、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸などが挙げられ、脂肪族グリコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール等が挙げられる。代表的なポリエステルとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレン−2,6−ナフタレンジカルボキシレート(PEN)等が例示される。
共重合ポリエステルを用いる場合は、30モル%以下の第三成分を含有した共重合体であることが好ましい。共重合ポリエステルのジカルボン酸成分としては、イソフタル酸、フタル酸テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、アジピン酸セバシン酸、オキシカルボン酸(例えば、P−オキシ安息香酸など)等の一種または二種以上が挙げられ、グリコール成分として、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ブタンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、ネオペンチルグリコール等の一種または二種以上が挙げられる。いずれにしても、通常80モル%以上、好ましくは90モル%以上がエチレンテレフタレート単位であるポリエチレンテレフタレートが好ましい。
<ポリアミドフィルム>
ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6,ナイロン66等の二軸延伸ポリアミドフィルムが挙げられる。
ポリアミドフィルムとしては、ナイロン6,ナイロン66等の二軸延伸ポリアミドフィルムが挙げられる。
<添加成分>
本発明における保護フィルム中には、目的に応じて種々の添加成分を含めることができる。例えば、得られるフィルムに一定の粗さを付与するために、フィルム用樹脂組成物に微粒子を添加することができる。微粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、バリウム塩等の各粒子が挙げられる。また、保護フィルム中には、上述の粒子以外に従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を必要に応じて添加することができる。
本発明における保護フィルム中には、目的に応じて種々の添加成分を含めることができる。例えば、得られるフィルムに一定の粗さを付与するために、フィルム用樹脂組成物に微粒子を添加することができる。微粒子としては、シリカ、アルミナ、カオリン、炭酸カルシウム、バリウム塩等の各粒子が挙げられる。また、保護フィルム中には、上述の粒子以外に従来公知の酸化防止剤、熱安定剤、潤滑剤、染料、顔料等を必要に応じて添加することができる。
<厚み>
本発明のフォトレジストフィルムに用いられる保護フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは12〜30μmの範囲である。保護フィルムの厚さが5μ未満では保護フィルムを離型する際のハンドリングが困難となり、50μmを越える場合には、フィルムの腰が強いために、保護フィルムを剥離する際、フォトレジスト表面に傷を与えてしまうる可能性がある。
本発明のフォトレジストフィルムに用いられる保護フィルムの厚みは、フィルムとして製膜可能な範囲であれば特に限定されるものではないが、5〜50μmの範囲であることが好ましく、さらに好ましくは12〜30μmの範囲である。保護フィルムの厚さが5μ未満では保護フィルムを離型する際のハンドリングが困難となり、50μmを越える場合には、フィルムの腰が強いために、保護フィルムを剥離する際、フォトレジスト表面に傷を与えてしまうる可能性がある。
<表面の形状>
本発明のフォトレジストフィルムに用いられる保護フィルムの表面形状は感光性樹脂組成物層と接触する面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上であることが好ましい。保護フィルム表面の凹凸を転写させることで、感光性樹脂組成物層の保護フィルムと接する側の面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上になるようにする場合には保護フィルム側の表面粗さ(Ra)も0.2μm以上あることが必要であるためである。
本発明のフォトレジストフィルムに用いられる保護フィルムの表面形状は感光性樹脂組成物層と接触する面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上であることが好ましい。保護フィルム表面の凹凸を転写させることで、感光性樹脂組成物層の保護フィルムと接する側の面の表面粗さ(Ra)が0.2μm以上になるようにする場合には保護フィルム側の表面粗さ(Ra)も0.2μm以上あることが必要であるためである。
また、感光性樹脂組成物層と接する面の反対側の面の表面粗さ(Ra)が0.10μm以下であることが好ましい。表面粗さ(Ra)が0.10μmを超えると、保護フィルムを剥離する前のフォトレジストフィルムのヘイズ値が高くなり、欠陥検出性が低下するためである。
<製造方法>
前述のような表面形状を有する保護フィルムを得るための製造方法は特に限定されるものではないが、一般に行われている各種製造方法によるものが使用できる。
例えば、後加工でフィルム表面に凹凸をつける方法としては、粗面ロールでフィルムを押圧する方法(エンボス加工)、フィルムの表面を薬剤により処理する方法(ケミカルマット加工)、フィルムの表面に砂や金属などの微粒子を吹き付けフィルムに小さな傷をつける方法(サンドマット加工)、フィルム表面にコーティングで凹凸を形成する方法、ポリプロピレンフィルムを延伸に先立って高エネルギー照射にさらす方法などが知られている。
前述のような表面形状を有する保護フィルムを得るための製造方法は特に限定されるものではないが、一般に行われている各種製造方法によるものが使用できる。
例えば、後加工でフィルム表面に凹凸をつける方法としては、粗面ロールでフィルムを押圧する方法(エンボス加工)、フィルムの表面を薬剤により処理する方法(ケミカルマット加工)、フィルムの表面に砂や金属などの微粒子を吹き付けフィルムに小さな傷をつける方法(サンドマット加工)、フィルム表面にコーティングで凹凸を形成する方法、ポリプロピレンフィルムを延伸に先立って高エネルギー照射にさらす方法などが知られている。
また、フィルムの組成や構造に特徴を有するものとしては、α晶アイソタクチックポリプロピレンを用いる方法、ポリプロピレンにポリエチレンを混合する方法、ポリプロピレンにエラストマー成分を混合する方法、ポリプロピレンのブロック共重合体を用いる方法、無機フィラーを含有させる方法などが知られている。
また、必要に応じて多層にしてもよい。特に、単層では両面に凹凸が導入されてしまうような方法においては、片面に平滑性に優れた材料を共押出ししたり、ドライラミネートしたりすることが好ましい。一般にエンボス加工では、片面のみ粗面を有するエンボスロールに押圧した場合においてもその反対側の面も細かい凹凸が発生するためドライラミネート等の方法でエンボス加工面の反対の面に平滑なフィルムを貼り付けることが好ましい。
(2)剥離層
本発明においては、保護フィルムの、感光性樹脂組成物層と接する面に剥離層を設けることにより、保護フィルムと感光性樹脂組成物層との間の剥離強度を適切な値に調節することができる。特に保護フィルムと支持体フィルムの表面張力に大きな差がない場合や、保護フィルムが支持体フィルムより高い表面張力を有する場合には剥離層を設けることが好ましい。前記剥離層の構成成分としては、シリコーン化合物、ワックス系組成物などが挙げられ、特に好ましくはシリコーン化合物である。
本発明においては、保護フィルムの、感光性樹脂組成物層と接する面に剥離層を設けることにより、保護フィルムと感光性樹脂組成物層との間の剥離強度を適切な値に調節することができる。特に保護フィルムと支持体フィルムの表面張力に大きな差がない場合や、保護フィルムが支持体フィルムより高い表面張力を有する場合には剥離層を設けることが好ましい。前記剥離層の構成成分としては、シリコーン化合物、ワックス系組成物などが挙げられ、特に好ましくはシリコーン化合物である。
<シリコーン化合物>
シリコーン化合物としては、硬化型シリコーン樹脂が好ましい。硬化型シリコーン樹脂としては、これを主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等であってもよい。硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
シリコーン化合物としては、硬化型シリコーン樹脂が好ましい。硬化型シリコーン樹脂としては、これを主成分とするタイプでもよいし、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、アルキッド樹脂等の有機樹脂とのグラフト重合等による変性シリコーンタイプ等であってもよい。硬化型シリコーン樹脂の種類としては付加型・縮合型・紫外線硬化型・電子線硬化型・無溶剤型等、いずれの硬化反応タイプでも用いることができる。
具体例としては、信越化学工業(株)製KS−774、KS−775、KS−778、KS−779H、KS−856、X−62−2422、X−62−2461、ダウ・コーニング・アジア(株)製DKQ3−202、DKQ3−203、DKQ3−204、DKQ3−205、DKQ3−210、東芝シリコーン(株)製YSR−3022、TPR−6700、TPR−6720、TPR−6721、東レ・ダウ・コーニング(株)製SD7220、SD7226、SD7229、等が挙げられる。さらに離型層の剥離性等を調整するために、剥離コントロール剤を併用してもよい。
また、本発明の剥離層には、硬化型シリコーン樹脂に加え、さらに四官能性のシロキサン構造単位を有するシリコーン系化合物を添加することにより、オリゴマー析出防止効果が一層向上するので好ましい。通常、シロキサン構造は、下記一般式に示すように四通りのシロキサン構造単位に分類される。
[RmSiO(4-m)/2]
(上記式中、Rは珪素原子に直接結合した、炭素原子を有する非置換または置換炭化水素基であり、かつラジカル重合性のない炭化水素基、mは0〜3の整数を表す)
(上記式中、Rは珪素原子に直接結合した、炭素原子を有する非置換または置換炭化水素基であり、かつラジカル重合性のない炭化水素基、mは0〜3の整数を表す)
上記式において、mが1以上の場合(一官能性:M単位;二官能性:D単位;三官能性:T単位)、剥離層自体からオリゴマーが析出する場合があり、好ましくない。例えば、より高温で保護フィルムを熱処理した場合には剥離層表面からのオリゴマー析出量がさらに増加する場合がある。
m=0であるシロキサン構造単位、すなわち、四官能性のシロキサン構造単位(以下、Q単位と略記する場合がある)を有する剥離層を設けた保護フィルムを用いれば、剥離層がより緻密な塗膜を形成するため、オリゴマー析出防止効果が一層向上するようになるので好ましい。
剥離層がQ単位のシロキサン構造単位を有する具体例として、例えば、硬化型シリコーン樹脂にQ単位のシロキサン構造を有するシリコーン系化合物を添加する方法等が挙げられ、かかるシリコーン系化合物としては、反応性を有するレジンタイプのものが例示される。
本発明における剥離層中のQ単位を有するシリコーン系化合物の含有量が剥離層中10質量%以上、さらには20質量%以上であるとき、オリゴマー析出防止効果がさらに良好となるので好ましい。Q単位を有する化合物の含有量が10質量%未満の場合、得られる離型層のオリゴマー析出防止効果が不十分となる場合がある。
<ワックス系組成物>
本発明の剥離層に用いられるワックス系組成物としては、市販の各種のワックス、例えば石油系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、動物系ワックス、低分子量ポリオレフィン類などを使用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては石油系ワックス、植物系ワックスの併用が剥離性の点で好ましい。
本発明の剥離層に用いられるワックス系組成物としては、市販の各種のワックス、例えば石油系ワックス、植物系ワックス、鉱物系ワックス、動物系ワックス、低分子量ポリオレフィン類などを使用することができ、特に限定されるものではないが、本発明においては石油系ワックス、植物系ワックスの併用が剥離性の点で好ましい。
石油系ワックスとしてはパラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、酸化ワックスなどが挙げられるがこれらの中でも酸化ワックスの使用が突起形成性の点で特に好ましい。
また植物性ワックスとしては、キャンデリラワックス、カルナウバワックス、木ロウ、オリキューリーワックス、さとうきびロウ、ロジン変性ワックスなどが挙げられる。
石油系ワックス/植物性ワックスを組み合わせる場合の混合質量比率は10/90〜90/10、好ましくは20/80〜80/20、更に好ましくは30/70〜70/30とするのが好ましい。植物性ワックスを10質量%以上とするのは高温時における易滑性、および離型性の付与、および水に乳化あるいは懸濁させる場合の均一分散性が良好で均一な塗布膜を得るのに好適であることによる。また石油系ワックスを10質量%以上とするのは塗布膜の突起形成による易滑性が良好であると共に高速ラミネート時の操作性が良いことによる。ここで、組み合わせる石油系ワックスとしては酸化ワックスがより好ましい。
また、本発明では、上記ワックス系組成物に更にオイル状物質を加えた混合物としてもよい。この場合、高温処理などの過酷領域での離型・剥離性が特に優れたものとすることができる。ここでオイル状物質とは常温で液体あるいはペースト状のオイルであり、植物油、油脂、鉱物油、合成潤滑油などを挙げることができる。植物油としてはアマニ油、カヤ油、サフラー油、大豆油、シナギリ油、ゴマ油、トウモロコシ油、ナタネ油、ヌカ油、綿実油、オリーブ油、サザンカ油、つばき油、ヒマシ油、落花生油、バーム油、椰子油などがあげられる。油脂としては牛脂、豚油、羊油、カカオ油などであり、鉱物油としてはマシン油、絶縁油、タービン油、モーター油、ギヤ油、切削油、流動パラフィンなどが挙げられる。合成潤滑油としては化学大辞典(共立出版社)に記載の要件を満たすものを任意に使用することが出来、例えばオレフィン重合油、ジエステル油、ポリアルキレングリコール油、シリコーン油などを挙げることができる。これらの中でも高パルス幅領域での走行性の良好な鉱物油、合成潤滑油が好適である。またこれらの混合系であってもよい。
上記オイル状物質は前記ワックス系組成物100質量部に対し1〜100質量部、好ましくは3〜50質量部添加するのが好ましい。オイル状物質が1質量部未満の場合には高温高湿領域での剥離性が低下する傾向にあり、100質量部を越える場合には逆に低温低湿領域での剥離性が低下する傾向にある。上記範囲とした場合には広範囲の温度・湿度下でスティックが起こらず剥離性が良好となり特に好ましいのである。
上記ワックス系組成物中には本発明の効果を阻害しない範囲内で各種添加剤を併用することができる。例えば帯電防止剤、耐熱剤、耐酸化防止剤、有機、無機の粒子、顔料などが挙げられる。また塗料中には水への分散性を向上したり、塗布性を向上させる目的で各種添加剤、例えば分散助剤、界面活性剤、防腐剤、消泡剤などを添加してもよい。
<剥離層の形成>
本発明において、保護フィルムに剥離層を設ける方法として、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーターなど従来公知の塗工方式を用いることができる。
本発明において、保護フィルムに剥離層を設ける方法として、ダイコーター、ナイフコーター、ブレードコーター、ロールコーター、グラビアコーター、バーコーターなど従来公知の塗工方式を用いることができる。
剥離層の塗工量は塗工性の面から、通常0.01〜1g/m2、好ましくは0.03〜0.5g/m2の範囲である。塗工量が0.01g/m2未満の場合、塗工性の面より安定性に欠け、均一な塗膜を得るのが困難になる場合がある。一方、1g/m2を超えて厚塗りにすると、剥離層自体の塗膜密着性、硬化性等が低下する場合がある。
剥離層の厚みは0.005μm〜2μm、好ましくは0.01μm〜0.5μmであるのが望ましい。剥離層の厚みが0.005μm未満の場合には、スティックが発生しやすい傾向がある。剥離層の厚みが2μmを超える場合には、耐ブロッキング性が不十分となる欠点がある。
4.フォトレジストフィルム
上述した本発明の支持フィルム、感光性樹脂組成物層、および保護フィルムを積層したフォトレジストフィルムの製造方法(成膜法)、それを用いた印刷配線基板の製法、およびその特性について説明する。
上述した本発明の支持フィルム、感光性樹脂組成物層、および保護フィルムを積層したフォトレジストフィルムの製造方法(成膜法)、それを用いた印刷配線基板の製法、およびその特性について説明する。
(1)フォトレジストフィルムの製造方法
本発明のフォトレジストフィルムは、例えば、まず支持フィルム上に感光性樹脂組成物の溶液(有機溶剤等の溶媒を含む)を塗布し、加熱乾燥することにより溶媒を揮散除去して感光性樹脂組成物層を形成し、次いで、感光性樹脂組成物層の上に保護フィルムを貼り合わせることにより得ることができる。このとき、保護フィルムに予め剥離層を塗布してあるときは、剥離層の側が感光性樹脂組成物層と接するように保護フィルムを貼り合わせる。また、感光性樹脂組成物層と保護フィルムを貼り合わせる際は、保護フィルムの表面の凹凸に感光性樹脂組成物層が十分に転写されない場合、貼合後のフィルムのヘイズが上昇し、欠陥の検知性が低下すると共に、気泡抱き込み防止性も低下する。したがって、感光性樹脂組成物層の粘度に応じた十分な貼合ロール温度、貼合圧力をかける必要がある。
また、このフォトレジストフィルムは、巻き取ってロール状にすることもできる。
本発明のフォトレジストフィルムは、例えば、まず支持フィルム上に感光性樹脂組成物の溶液(有機溶剤等の溶媒を含む)を塗布し、加熱乾燥することにより溶媒を揮散除去して感光性樹脂組成物層を形成し、次いで、感光性樹脂組成物層の上に保護フィルムを貼り合わせることにより得ることができる。このとき、保護フィルムに予め剥離層を塗布してあるときは、剥離層の側が感光性樹脂組成物層と接するように保護フィルムを貼り合わせる。また、感光性樹脂組成物層と保護フィルムを貼り合わせる際は、保護フィルムの表面の凹凸に感光性樹脂組成物層が十分に転写されない場合、貼合後のフィルムのヘイズが上昇し、欠陥の検知性が低下すると共に、気泡抱き込み防止性も低下する。したがって、感光性樹脂組成物層の粘度に応じた十分な貼合ロール温度、貼合圧力をかける必要がある。
また、このフォトレジストフィルムは、巻き取ってロール状にすることもできる。
(2)印刷配線基板の製法
<露光>
フォトレジストフィルムによって画像を形成させるには、保護フィルムを剥離してから感光性樹脂組成物層側を銅張基板や42アロイ、SUS等の金属面にラミネートした後、他方の支持フィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ等が用いられる。紫外線照射後は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることもできる。
<露光>
フォトレジストフィルムによって画像を形成させるには、保護フィルムを剥離してから感光性樹脂組成物層側を銅張基板や42アロイ、SUS等の金属面にラミネートした後、他方の支持フィルム上にパターンマスクを密着させて露光する。露光は通常紫外線照射により行い、その際の光源としては、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、カーボンアーク灯、キセノン灯、メタルハライドランプ、ケミカルランプ等が用いられる。紫外線照射後は、必要に応じ加熱を行って、硬化の完全を図ることもできる。
<現像>
露光後は、レジスト上の支持フィルムを剥離除去してから現像を行う。感光性樹脂組成物が稀アルカリ現像型である場合、露光後の現像は、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等のアルカリ0.3〜2質量%程度の稀薄水溶液を用いて行う。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
露光後は、レジスト上の支持フィルムを剥離除去してから現像を行う。感光性樹脂組成物が稀アルカリ現像型である場合、露光後の現像は、炭酸ソーダ、炭酸カリウム等のアルカリ0.3〜2質量%程度の稀薄水溶液を用いて行う。該アルカリ水溶液中には、表面活性剤、消泡剤、現像を促進させるための少量の有機溶剤等を混入させてもよい。
<エッチング、めっき>
エッチングは、通常塩化第二銅−塩酸水溶液や塩化第二鉄−塩酸水溶液などの酸性エッチング液を用いて常法にしたがってエッチングを行う。希にアンモニア系のアルカリエッチング液も用いられる。めっき法は、脱脂剤、ソフトエッチング剤などのめっき前処理剤を用いて前処理を行った後、めっき液を用いてめっきを行う。
エッチングは、通常塩化第二銅−塩酸水溶液や塩化第二鉄−塩酸水溶液などの酸性エッチング液を用いて常法にしたがってエッチングを行う。希にアンモニア系のアルカリエッチング液も用いられる。めっき法は、脱脂剤、ソフトエッチング剤などのめっき前処理剤を用いて前処理を行った後、めっき液を用いてめっきを行う。
<硬化レジストの剥離除去>
エッチングまたはメッキ工程後、残っている硬化レジストの剥離を行う。硬化レジストの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.5〜5質量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。
エッチングまたはメッキ工程後、残っている硬化レジストの剥離を行う。硬化レジストの剥離除去は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどの0.5〜5質量%程度の濃度のアルカリ水溶液からなるアルカリ剥離液を用いて行う。
本発明のフォトレジストフィルムは、印刷配線板の製造、金属の精密加工、リードフレーム製造等に用いられるエッチングレジストまたはめっきレジストとして非常に有用である。
以下実施例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ制限されるものではない。
なお、本実施例における各種物性値の測定方法、評価方法は以下の通りである。
なお、本実施例における各種物性値の測定方法、評価方法は以下の通りである。
[感光性プレポリマー製造例1〜3]
以下の製造例1〜3において、カルボキシル基を有する感光性プレポリマー(A)を合成した。
以下の製造例1〜3において、カルボキシル基を有する感光性プレポリマー(A)を合成した。
[製造例1]<EA−1>
攪拌装置、冷却管および温度計を備えたフラスコに、旭チバ(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名“アラルダイト#2600”)291g、ビスフェノールA:129gおよび触媒としてのトリエチルアミン0.20gとを仕込み、150〜160℃で1時間反応させ、軟化点97℃、エポキシ当量1000g/equivのビスフェノールA型エポキシ化合物を得た。これにアクリル酸30g、禁止剤としてのモノメチルエーテルハイドロキノン0.45gおよびエステル化触媒としてのトリフェニルホスフィン1.65gを仕込み、120℃で5時間反応させ、酸価1mgKOH/gの反応物を得た。さらにこれに、テトラハイドロ無水フタル酸168gを投入して120℃で酸価が100mgKOH/gになるまで反応させた。この反応には3時間を要した。これに溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート265gと三菱石油(株)製のスーパーゾール#1800 114gを投入し、エポキシアクリレート樹脂(EA−1)を得た。
攪拌装置、冷却管および温度計を備えたフラスコに、旭チバ(株)製のビスフェノールA型エポキシ化合物(商品名“アラルダイト#2600”)291g、ビスフェノールA:129gおよび触媒としてのトリエチルアミン0.20gとを仕込み、150〜160℃で1時間反応させ、軟化点97℃、エポキシ当量1000g/equivのビスフェノールA型エポキシ化合物を得た。これにアクリル酸30g、禁止剤としてのモノメチルエーテルハイドロキノン0.45gおよびエステル化触媒としてのトリフェニルホスフィン1.65gを仕込み、120℃で5時間反応させ、酸価1mgKOH/gの反応物を得た。さらにこれに、テトラハイドロ無水フタル酸168gを投入して120℃で酸価が100mgKOH/gになるまで反応させた。この反応には3時間を要した。これに溶剤としてエチレングリコールモノメチルエーテルアセテート265gと三菱石油(株)製のスーパーゾール#1800 114gを投入し、エポキシアクリレート樹脂(EA−1)を得た。
[製造例2]<UA−1>
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業社製、PTMG−850、分子量850)2550g(=3mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸670g(=5mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1998g(=9mol)およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、238g(=2.05mol)、さらにp−メトキシフェノールおよびジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつを投入した。攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、固形分酸価が46mgKOH/gの固形分濃度60%のカルボキシル基含有感光性プレポリマー<UA−1>を得た。このものの粘度(25℃)は250mPa.sであった。
攪拌装置、温度計、コンデンサーを備えた反応容器に、ポリテトラメチレングリコール(保土ヶ谷化学工業社製、PTMG−850、分子量850)2550g(=3mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸670g(=5mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1998g(=9mol)およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート、238g(=2.05mol)、さらにp−メトキシフェノールおよびジ−t−ブチル−ヒドロキシトルエンを各々1.0gずつを投入した。攪拌しながら60℃まで加熱して停止し、ジブチル錫ジラウレート1.6gを添加した。反応容器内の温度が低下し始めたら再度加熱して、80℃で攪拌を続け、赤外線吸収スペクトルでイソシアナート基の吸収スペクトル(2280cm-1)が消失したことを確認して反応を終了し、固形分酸価が46mgKOH/gの固形分濃度60%のカルボキシル基含有感光性プレポリマー<UA−1>を得た。このものの粘度(25℃)は250mPa.sであった。
[製造例3]<UA−2>
ポリマーポリオールとして、ヘキサメチレンカーボネートおよびペンタメチレンカーボネートに由来の単位を1:1で含むポリカーボネートジオール(分子量800)800g(=1mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸938g(=7mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1998g(=9mol)およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート238g(=2.05mol)を各々使用した以外は製造例1の<UA−1>と同様にして合成した。得られたウレタンアクリレート<UA−2>の数平均分子量は18,000、酸価は90mgKOH/gであった。
ポリマーポリオールとして、ヘキサメチレンカーボネートおよびペンタメチレンカーボネートに由来の単位を1:1で含むポリカーボネートジオール(分子量800)800g(=1mol)、カルボキシル基を有するジヒドロキシル化合物としてジメチロールプロピオン酸938g(=7mol)、ポリイソシアナートとしてイソホロンジイソシアナート1998g(=9mol)およびヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとして2−ヒドロキシエチルアクリレート238g(=2.05mol)を各々使用した以外は製造例1の<UA−1>と同様にして合成した。得られたウレタンアクリレート<UA−2>の数平均分子量は18,000、酸価は90mgKOH/gであった。
<実施例1〜4、比較例1および2>(感光性樹脂組成物の調製)
以下の表1に示す配合割合(質量部)で、カルボキシル基を有する感光性プレポリマーとして上記製造例1〜3で製造した<EA−1,UA−1,UA−2>と、エチレン性不飽和基を有する化合物と、光重合開始剤とを混合して、感光性樹脂組成物を調製した。なお、感光性プレポリマーの合成や組成物の調製には溶媒を使用しているが、以下の表1の配合割合は全て乾燥後の固形分換算で表示している。
以下の表1に示す配合割合(質量部)で、カルボキシル基を有する感光性プレポリマーとして上記製造例1〜3で製造した<EA−1,UA−1,UA−2>と、エチレン性不飽和基を有する化合物と、光重合開始剤とを混合して、感光性樹脂組成物を調製した。なお、感光性プレポリマーの合成や組成物の調製には溶媒を使用しているが、以下の表1の配合割合は全て乾燥後の固形分換算で表示している。
エチレン性不飽和基を有する化合物(B)としては、ウレタンアクリレート・EB1290K(ダイセル化学工業株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート・M−400(東亜合成株式会社製)を使用した。
光重合開始剤(C)としては2,4,6−トリメチルベンゾイルフェニルホスフィンオキサイド:TPO(BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(イルガキュア369,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(イルガキュア184,チバ・スペシャリティー・ケミカルズ株式会社製)を使用した。
難燃剤(D)としては、水酸化アルミニウムH43M(昭和電工株式会社製)を使用した。
<感光性ドライフィルムの作製>
上記感光性樹脂組成物にメチルセロソルブアセテートを溶媒として加え、粘度が5,000mPa・sとなるように調製したものを、18μm厚のポリエチレンテレフタレート製フィルム(東レ株式会社製 18FB50)上にコンマコーター(ヒラノテクシード社製)を使用して塗工し、80℃で5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成した後、その上に保護フィルムを80℃に温調された貼合ロールで感光性樹脂組成物層に貼り合せて感光性ドライフィルムを作製した。乾燥後の感光性樹脂組成物層の膜厚は40±1μmであった。使用した保護フィルムはフタムラ化学株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムFHM、フタムラ化学株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムFOR−MP、東セロ株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムNP−3C、東セロ株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムOP−マット1、東レ株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムYM−17S、東洋紡績株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムP−1060、東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムP−4166、大倉工業株式会社製低密度ポリプロピレンフィルムZO−125、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルムMR−25である。その厚みおよび表面粗さを以下の表2に示す。なお、これら保護フィルムのうち、片面のみに表面凹凸を有しいるものについては、凹凸面が感光性樹脂組成物層側となるように貼合した。
上記感光性樹脂組成物にメチルセロソルブアセテートを溶媒として加え、粘度が5,000mPa・sとなるように調製したものを、18μm厚のポリエチレンテレフタレート製フィルム(東レ株式会社製 18FB50)上にコンマコーター(ヒラノテクシード社製)を使用して塗工し、80℃で5分間乾燥して感光性樹脂組成物層を形成した後、その上に保護フィルムを80℃に温調された貼合ロールで感光性樹脂組成物層に貼り合せて感光性ドライフィルムを作製した。乾燥後の感光性樹脂組成物層の膜厚は40±1μmであった。使用した保護フィルムはフタムラ化学株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムFHM、フタムラ化学株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムFOR−MP、東セロ株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムNP−3C、東セロ株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムOP−マット1、東レ株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムYM−17S、東洋紡績株式会社製無延伸ポリプロピレンフィルムP−1060、東洋紡績株式会社製二軸延伸ポリプロピレンフィルムP−4166、大倉工業株式会社製低密度ポリプロピレンフィルムZO−125、三菱化学ポリエステルフィルム株式会社製ポリエチレンテレフタレートフィルムMR−25である。その厚みおよび表面粗さを以下の表2に示す。なお、これら保護フィルムのうち、片面のみに表面凹凸を有しいるものについては、凹凸面が感光性樹脂組成物層側となるように貼合した。
<評価項目>
評価は以下のようにして実施した。結果を以下の表3に示す。
評価は以下のようにして実施した。結果を以下の表3に示す。
(1)ヘイズ
JIS−K−6717に準拠した方法で測定した。
以下の表3に示す支持フィルム、感光性樹脂組成物層、保護フィルムからなるレジストフィルムの構成成分が全て積層された状態でのヘイズを測定し、3層でのヘイズ値とした。また、保護フィルムを剥離した後のヘイズ値を2層でのヘイズ値とした。
JIS−K−6717に準拠した方法で測定した。
以下の表3に示す支持フィルム、感光性樹脂組成物層、保護フィルムからなるレジストフィルムの構成成分が全て積層された状態でのヘイズを測定し、3層でのヘイズ値とした。また、保護フィルムを剥離した後のヘイズ値を2層でのヘイズ値とした。
(2)表面粗さ(Ra)
JIS−B0601−1994に準拠した方法で測定した。
JIS−B0601−1994に準拠した方法で測定した。
(3)気泡混入防止性
回路厚18μmの銅箔を積層した80mm×120mmの紙フェノール銅貼積層板に表3のフォトレジストフィルムを積層し、気泡の混入の有無を確認した。積層はニチゴー・モートン社製加圧式真空ラミネーターV130を用いて行った。大気圧下において紙フェノール銅貼積層板上に保護フィルムを剥離したレジストフィルムを載せた後、60℃にチャンバー内を加熱した真空ラミネータで減圧時間30秒、真空加圧時間30秒で積層した。減圧時の真空到達度は0.6〜1.3hPaであった。また、加圧時の空気圧は0.2MPaで行った。得られたフィルムを目視および必要に応じて実体顕微鏡で直径100μm以上の気泡の有無を確認した。紙フェノール銅貼積層板とレジストフィルムの間に気泡が1つ以上混入していたものを×、気泡の混入がなかったものを○とした。
回路厚18μmの銅箔を積層した80mm×120mmの紙フェノール銅貼積層板に表3のフォトレジストフィルムを積層し、気泡の混入の有無を確認した。積層はニチゴー・モートン社製加圧式真空ラミネーターV130を用いて行った。大気圧下において紙フェノール銅貼積層板上に保護フィルムを剥離したレジストフィルムを載せた後、60℃にチャンバー内を加熱した真空ラミネータで減圧時間30秒、真空加圧時間30秒で積層した。減圧時の真空到達度は0.6〜1.3hPaであった。また、加圧時の空気圧は0.2MPaで行った。得られたフィルムを目視および必要に応じて実体顕微鏡で直径100μm以上の気泡の有無を確認した。紙フェノール銅貼積層板とレジストフィルムの間に気泡が1つ以上混入していたものを×、気泡の混入がなかったものを○とした。
Claims (16)
- 少なくとも支持体フィルム、感光性樹脂組成物層および保護フィルムを構成成分として有するフォトレジストフィルムにおいて、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつ、上記構成成分が全て積層されたフィルムの保護フィルムを剥離した後のヘイズ値から上記各構成成分が積層されたままの状態でのヘイズ値を引いた値が10%以上である前記フォトレジストフィルム。
- 感光性樹脂組成物層と保護フィルムが接触してなり、当該感光性樹脂組成物層と接する当該保護フィルム面の表面粗さ(Ra)が0.20μm以上であり、かつ、それと反対側の面の表面粗さ(Ra)が0.10μm以下である、請求項1記載のフォトレジストフィルム。
- 前記保護フィルム側の前記感光性樹脂組成物表面の表面粗さ(Ra)が0.20μm〜5.0μmである、請求項1記載のフォトレジストフィルム。
- 前記保護フィルムが2軸延伸ポリプロピレンフィルムからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記保護フィルムが無延伸ポリプロピレンフィルムからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記保護フィルムがポリエチレンフィルムからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記保護フィルムが、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレートのいずれか一つまたは複数からなる層を有する多層フィルムからなる、請求項1〜3のいずれか1項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性樹脂組成物層がプリント配線板の永久保護膜であることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性樹脂組成物層がアクリル系モノマーに由来するエチレン性不飽和の末端基を有する感光性プレポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、および光重合開始剤(C)を含む感光性樹脂組成物を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性樹脂組成物層がアクリルモノマーに由来するエチレン性不飽和末端基を有する感光性プレポリマー(A)、前記感光性プレポリマー(A)を除くエチレン性不飽和基を有する化合物(B)、光重合開始剤(C)および難燃剤(D)を含む感光性樹脂組成物を含むことを特徴とする、請求項1〜8のいずれか一項に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性プレポリマー(A)が、1分子中にカルボキシル基と少なくとも2個のエチレン性不飽和基を併せ持つことを特徴とする、請求項9または10に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性プレポリマー(A)がカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、請求項11に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が10mgKOH/g以上であることを特徴とする、請求項12に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性プレポリマー(A)が、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物であることを特徴とする、請求項11に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物の固形分酸価が5〜150mgKOH/gであることを特徴とする、請求項14に記載のフォトレジストフィルム。
- 前記感光性プレポリマー(A)が、固形分酸価が5mgKOH/g以上、60mgKOH/g未満のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物と、固形分酸化が60mgKOH/g以上、150mgKOH/g以下のカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート化合物とを含むことを特徴とする、請求項14に記載のフォトレジストフィルム。
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